(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
内部に物を収めるための容器であるコンテナには、貨物輸送に使われる大型の物の他に、人間が持ち運べる小型の物もある。
【0003】
また、小型のコンテナには組立式の物が多くある。組立式コンテナは、台座となるパレットと、胴枠となるスリーブと、天蓋とで主に構成されている。
このような組立式コンテナには、パレットとスリーブとを結合したり、天蓋とスリーブとを結合したりするための結合具が使用されることがある。
【0004】
例えば特許文献1には、
図9に示すようなコンテナ用結合具が記載されている。
すなわち、特許文献1に記載のコンテナ用結合具100は、結合具本体101とキー220から構成されている。
【0005】
また、結合具本体101は、連結部106と、連結部106の両側に連接された内側板103および外側板104を有する。内側板103と外側板104は、ヒンジ105を介して連結部106に連接されている。
【0006】
また、内側板103と外側板104にはそれぞれ、スリーブの取付用孔に係止される係止部(120、130)が突出して設けられている。また、係止部(120、130)には、スリーブの取付用孔を通じて互いに弾性的に係合して係止される内側係合片113と外側係合片117がそれぞれ形成されている。
【0007】
また、内側板103の係止部120には、外側板104との間隔を確保するためのスペーサ110が形成されている。また、スペーサ110の内側には中間壁111が形成されており、中間壁111にはU字状に開口する開口部112が形成されている。
また、開口部112には、長方形状の内側係合片113が形成されている。
【0008】
また、外側係合片117は、開口部112に対応する位置に配置された腕部118を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載のコンテナ用結合具において、外側係合片のロックを解除する場合、内側係合片を指先で変形させて、狭い腕部の内側から外さなければならず、操作に手間が掛かっていた。
【0011】
また、特許文献1に記載のコンテナ用結合具は、1つの開口部に一対の外側係合片を入れてロックするものなので、特許文献1に記載のコンテナ用結合具を使ってコンテナを組み立てた場合、スリーブに形成された取付用孔の縁に大きな負荷を掛けやすかった。その結果、スリーブの劣化を早めてしまっていた。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、結合解除を容易に行なうことができる結合具、並びに解体を容易に行なうことができる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の結合具は、基部と、該基部の一方の縁に折り曲げ可能に接続された、かつ、一方側に突出した板状の第1の突出片と、同第1の突出片の先端部から同第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、同第1の突出片と結ぶ線が同基部の一方の縁に対して略平行となる位置で同第1の突出片と同じ方向に、かつ、同第1の突出片に対して略平行に突出した板状の第2の突出片と、同第2の突出片の先端部から同第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部とを有する第1の挟持部と、前記基部の一方の縁と対向する他方の縁に折り曲げ可能に接続された、かつ、同基部を挟んで前記第1の突出片と線対称となる位置に、同第1の突出片が挿通可能であると共に前記第1の凸部が縁に当接可能な第1の結合孔が形成された、かつ、同基部を挟んで前記第2の突出片と線対称となる位置に、同第2の突出片が挿通可能であると共に前記第2の凸部が縁に当接可能な第2の結合孔が形成された第2の挟持部とを備える。
【0014】
ここで、基部の一方の縁に折り曲げ可能に接続された第1の挟持部と、基部の一方の縁と対向する他方の縁に折り曲げ可能に接続された第2の挟持部とによって、第1の挟持部と第2の挟持部との間の距離を拡げたり狭めたりすることができる。
【0015】
また、一方側に突出した板状の第1の突出片と、第1の突出片の先端部から第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、基部を挟んで第1の突出片と線対称となる位置に形成された、第1の突出片が挿通可能であると共に第1の凸部が縁に当接可能な第1の結合孔とによって、第1の凸部が第1の結合孔の縁に当接するので、力を加えて第1の突出片を一の方向に第1の結合孔を通過させた後は、第1の突出片が一の方向とは逆方向に第1の結合孔を通過することを抑制できる、すなわち、第1の突出片を第1の係合孔に結合できる。
【0016】
また、第1の突出片と結ぶ線が基部の一方の縁に対して略平行となる位置で第1の突出片と同じ方向に、かつ、第1の突出片に対して略平行に突出した板状の第2の突出片と、第2の突出片の先端部から第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部と、基部を挟んで第2の突出片と線対称となる位置に形成された、第2の突出片が挿通可能であると共に第2の凸部が縁に当接可能な第2の結合孔とによって、第2の凸部が第2の結合孔の縁に当接するので、力を加えて第2の突出片を一の方向に第2の結合孔を通過させた後は、第2の突出片が一の方向とは逆方向に第2の結合孔を通過することを抑制できる、すなわち、第2の突出片を第2の係合孔に結合できる。
【0017】
また、第1の突出片の先端部から第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、第2の突出片の先端部から第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部とによって、第1の凸部と第2の凸部が互いに近づく方向に第1の凸部および第2の凸部に力を加えるだけで、第1の結合孔の縁に対する第1の凸部の当接および第2の結合孔の縁に対する第2の凸部の当接をそれぞれ解除することができる、すなわち、第1の突出片の結合および第2の突出片の結合をそれぞれ解除することができる。
【0018】
また、本発明の結合具において、第1の凸部が当接する第1の結合孔の縁と、この縁に対向する縁との間の距離は、第1の結合孔の端部領域を構成する対向する縁間の距離よりも大きく、第2の凸部が当接する第2の結合孔の縁と、この縁に対向する縁との間の距離は、第2の結合孔の端部領域を構成する対向する縁間の距離よりも大きいものとすることができる。
【0019】
この場合、第1の凸部および第2の凸部が互いに近づく方向に第1の凸部および第2の凸部に力を加えたときに、第1の凸部が突出した第1の突出片の領域および第2の凸部が突出した第2の突出片の領域が弾性変形しやすくなり、第1の結合孔の縁に対する第1の凸部の当接および第2の結合孔の縁に対する第2の凸部の当接をそれぞれ、さらに解除しやすくなる。
【0020】
また、本発明の結合具において、第2の挟持部は、第2の挟持部の第1の結合孔および第2の結合孔が形成された面が第1の挟持部の第1の突出片および第2の突出片が突出した面と対向する位置にあるときに、第1の突出片および第2の突出片へ向くことになる方向に、第1の結合孔の対向する縁および第2の結合孔の対向する縁それぞれから突出した第1の結合壁および第2の結合壁を有するものとすることができる。
【0021】
この場合、第1の結合壁および第2の結合壁がそれぞれ、第1の突出片および第2の突出片を挟むことができ、第1の突出片の結合および第2の突出片の結合をそれぞれ安定させることができる。
【0022】
また、本発明の結合具において、第1の凸部が当接する第1の結合孔の縁から突出した第1の結合壁の第1の結合孔側の面が、第1の結合孔と反対側に向けて傾斜しており、第1の凸部が、第1の突出片に向けて傾斜しており、第2の凸部が当接する第2の結合孔の縁から突出した第2の結合壁の第2の結合孔側の面が、第2の結合孔と反対側に向けて傾斜しており、第2の凸部が、第2の突出片に向けて傾斜したものとすることができる。
【0023】
この場合、第1の突出片が第1の結合孔に結合するときに、第1の凸部が第1の結合壁に押されて第1の突出片が弾性変形しやすくなり、第1の突出片が第1の結合孔に結合しやすくなる。また、第2の突出片が第2の結合孔に結合するときに、第2の凸部が第2の結合壁に押されて第2の突出片が弾性変形しやすくなり、第2の突出片が第2の結合孔に結合しやすくなる。
【0024】
また、本発明の結合具において、第1の結合壁は、第1の結合孔の両方の端部領域をそれぞれ構成する対向する縁から突出した第1の端部壁領域を有しており、第1の凸部が当接する第1の結合孔の縁から突出した第1の結合壁の領域に対向すると共に第1の結合壁の第1の端部壁領域を結ぶ線上に位置する領域である第1の中間領域に空間が形成されており、第2の結合壁は、第2の結合孔の両方の端部領域をそれぞれ構成する対向する縁から突出した第2の端部壁領域を有しており、第2の凸部が当接する第2の結合孔の縁から突出した第2の結合壁の領域に対向すると共に第2の結合壁の第2の端部壁領域を結ぶ線上に位置する領域である第2の中間領域に空間が形成されたものとすることができる。
【0025】
この場合、第1の突出片および第2の突出片が押されてさらに弾性変形しやすくなり、第1の突出片がさらに第1の結合孔に結合したり第1の凸部の当接を解除したりしやすくなり、また、第2の突出片がさらに第2の結合孔に結合したり第2の凸部の当接を解除したりしやすくなる。
【0026】
また、上記の目的を達成するために、本発明の容器は、基部と、該基部の一方の縁に折り曲げ可能に接続された、かつ、一方側に突出した板状の第1の突出片と、同第1の突出片の先端部から同第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、同第1の突出片と結ぶ線が同基部の一方の縁に対して略平行となる位置で同第1の突出片と同じ方向に、かつ、同第1の突出片に対して略平行に突出した板状の第2の突出片と、同第2の突出片の先端部から同第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部とを有する第1の挟持部と、前記基部の一方の縁と対向する他方の縁に折り曲げ可能に接続された、かつ、同基部を挟んで前記第1の突出片と線対称となる位置に、同第1の突出片が挿通可能であると共に前記第1の凸部が縁に当接可能な第1の結合孔が形成された、かつ、同基部を挟んで前記第2の突出片と線対称となる位置に、同第2の突出片が挿通可能であると共に前記第2の凸部が縁に当接可能な第2の結合孔が形成された第2の挟持部と、前記基部と着脱可能に連結される蓋部材と、該蓋部材に対向する位置に配置される、かつ、前記基部と着脱可能に連結される底部材と、前記第1の挟持部および前記第2の挟持部に挟持される、かつ、前記蓋部材と前記底部材との間に配置され同蓋部材と同底部材との間に空間を形成可能な側壁部材とを備える。
【0027】
ここで、基部の一方の縁に折り曲げ可能に接続された第1の挟持部と、基部の一方の縁と対向する他方の縁に折り曲げ可能に接続された第2の挟持部とによって、第1の挟持部と第2の挟持部との間の距離を拡げたり狭めたりすることができる。
【0028】
また、一方側に突出した板状の第1の突出片と、第1の突出片の先端部から第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、基部を挟んで第1の突出片と線対称となる位置に形成された、第1の突出片が挿通可能であると共に第1の凸部が縁に当接可能な第1の結合孔とによって、第1の凸部が第1の結合孔の縁に当接するので、力を加えて第1の突出片を一の方向に第1の結合孔を通過させた後は、第1の突出片が一の方向とは逆方向に第1の結合孔を通過することを抑制できる、すなわち、第1の突出片を第1の係合孔に結合できる。
【0029】
また、第1の突出片と結ぶ線が基部の一方の縁に対して略平行となる位置で第1の突出片と同じ方向に、かつ、第1の突出片に対して略平行に突出した板状の第2の突出片と、第2の突出片の先端部から第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部と、基部を挟んで第2の突出片と線対称となる位置に形成された、第2の突出片が挿通可能であると共に第2の凸部が縁に当接可能な第2の結合孔とによって、第2の凸部が第2の結合孔の縁に当接するので、力を加えて第2の突出片を一の方向に第2の結合孔を通過させた後は、第2の突出片が一の方向とは逆方向に第2の結合孔を通過することを抑制できる、すなわち、第2の突出片を第2の係合孔に結合できる。
【0030】
また、第1の突出片の先端部から第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、第2の突出片の先端部から第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部とによって、第1の凸部と第2の凸部が互いに近づく方向に第1の凸部および第2の凸部に力を加えるだけで、第1の結合孔の縁に対する第1の凸部の当接および第2の結合孔の縁に対する第2の凸部の当接をそれぞれ解除することができる、すなわち、第1の突出片の結合および第2の突出片の結合をそれぞれ解除することができる。
【0031】
また、基部と着脱可能に連結される蓋部材と、蓋部材に対向する位置に配置される、かつ、基部と着脱可能に連結される底部材と、第1の挟持部および第2の挟持部に挟持される、かつ、蓋部材と底部材との間に配置され蓋部材と底部材との間に空間を形成可能な側壁部材とによって、第1の突出片を第1の結合孔に結合したり第2の突出片を第2の結合孔に結合したりすることで密閉空間を形成したり、第1の突出片および第2の突出片の結合を解除するだけで密閉空間を開放したりすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る結合具は、結合解除を容易に行なうことができる。
本発明に係る容器は、解体を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した結合具の一例を示す概略図である。
【0035】
図1に示す本発明の結合具1は、平板状の基部2と、基部2の一方の縁にヒンジ部5を介して折り曲げ可能に接続された第1の挟持部3と、基部2の一方の縁と対向する他方の縁にヒンジ部5を介して折り曲げ可能に接続された第2の挟持部4とを備える。
【0036】
また、第1の挟持部3は、第1の挟持部3の一方側から突出した板状の第1の突出片6と、第1の突出片6の先端部から第1の突出片6の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部7とを有する。
【0037】
また、第1の挟持部3は、第1の突出片6と結ぶ線が基部2の一方の縁に対して略平行となる位置において第1の突出片6と同じ方向に、かつ、第1の突出片6に対して略平行に突出した板状の第2の突出片8を有する。
また、第1の挟持部3は、第2の突出片8の先端部から第1の凸部7とは反対方向に突出した第2の凸部9を有する。
【0038】
また、第1の挟持部3は、第1の突出片6を略円形に囲んで突出した第1の周囲壁10と、第2の突出片8を略円形に囲んで突出した第2の周囲壁11とを有する。
【0039】
また、第2の挟持部4の、基部2を挟んで第1の突出片6と線対称となる位置に第1の結合孔12が形成されている。
また、第1の突出片6は第1の結合孔12に挿通可能であり、第1の凸部7は第1の結合孔12の縁に当接可能である。
【0040】
また、第2の挟持部4の、基部2を挟んで第2の突出片8と線対称となる位置に第2の結合孔13が形成されている。
また、第2の突出片8は第2の結合孔13に挿通可能であり、第2の凸部9は第2の結合孔13の縁に当接可能である。
【0041】
また、第2の挟持部4は、第1の結合孔12の対向する縁から突出した第1の結合壁14、および第2の結合孔13の対向する縁から突出した第2の結合壁15を有する。
【0042】
ここで、第1の結合壁14の突出方向および第2の結合壁15の突出方向は、
図1に示すように第1の挟持部3と第2の挟持部4とが略同一平面内に位置するときに、第1の突出片6の突出方向および第2の突出片8の突出方向と同じである。
【0043】
すなわち、第1の結合壁14の突出方向および第2の結合壁15の突出方向は、第1の挟持部3および第2の挟持部4を基部2に対して折り曲げて、第2の挟持部4の、第1の結合孔12および第2の結合孔13が形成された面が、第1の挟持部3の、第1の突出片6および第2の突出片8が突出した面と対向する位置にあるときに、第1の突出片6および第2の突出片8へ向くことになる方向である。
【0044】
また、第2の凸部9が当接する第2の結合孔13の縁から突出した第2の結合壁15の第2の結合孔13側の面が、第2の結合孔13と反対側に向けて傾斜している。すなわち、第2の凸部9が当接する第2の結合孔13の縁から突出した第2の結合壁15の第2の結合孔13側の面に第2の傾斜部15Bが設けられている。
【0045】
また、
図1には示していないが、第1の凸部7が当接する第1の結合孔12の縁から突出した第1の結合壁14の第1の結合孔12側の面が、第1の結合孔12と反対側に向けて傾斜している。すなわち、第1の凸部7が当接する第1の結合孔12の縁から突出した第1の結合壁14の第1の結合孔12側の面に、第2の傾斜部15Bのような傾斜部が設けられている。
【0046】
また、第1の凸部7は第1の突出片6に向けて傾斜しており、また、第2の凸部9は第2の突出片8に向けて傾斜している。
【0047】
また、第1の結合壁14は、第1の結合孔12の両方の端部領域をそれぞれ構成する対向する縁から突出した第1の端部壁領域14Aを有する。
【0048】
また、第1の凸部7が当接する第1の結合孔12の縁から突出した第1の結合壁14の領域に対向すると共に第1の結合壁14の第1の端部壁領域14Aを結ぶ線上に位置する領域である第1の中間領域14Cに空間が形成されている。
【0049】
また、第2の結合壁15は、第2の結合孔13の両方の端部領域をそれぞれ構成する対向する縁から突出した第2の端部壁領域15Aを有する。
【0050】
また、第2の凸部9が当接する第2の結合孔13の縁から突出した第2の結合壁15の領域に対向すると共に第2の結合壁15の第2の端部壁領域15Aを結ぶ線上に位置する領域である第2の中間領域15Cに空間が形成されている。
【0051】
また、第2の挟持部4は、第1の結合孔12と第1の結合壁14を略円形に囲んで突出した第3の周囲壁16と、第2の結合孔13と第2の結合壁15を略円形に囲んで突出した第4の周囲壁17とを有する。
【0052】
また、第1の周囲壁10の内径と第2の周囲壁11の内径は略同じである。また、第3の周囲壁16の内径と第4の周囲壁17の内径は略同じである。
【0053】
また、第1の周囲壁10の内径および第2の周囲壁11の内径は、第3の周囲壁16の外径および第4の周囲壁17の外径よりも大きい。従って、第3の周囲壁16および第4の周囲壁17を、第1の周囲壁10内および第2の周囲壁11内に嵌め込むことができる。
【0054】
また、第1の突出片6と第2の突出片8との間の距離、および第1の結合孔12と第2の結合孔13との間の距離は特に制限されないが、例えば5〜8cmとすることができる。
【0055】
また、基部2の略中央部には、基部2の一方の面とこの一方の面に対向する他方の面との間を貫通する貫通孔が形成された角柱状のボス部18が設けられている。
また、ボス部18の貫通孔の内面には内ネジ19が設けられている。
【0056】
また、第1の挟持部3および第2の挟持部4を基部2に対して折り曲げて、第1の突出片6および第2の突出片8が、第1の結合壁14および第2の結合壁15と対向する位置にあるとき内側面となる基部2の面に、基部2を補強するための一対のリブ20が設けられている。
また、リブ20は、基部2の長手方向に沿って設けられている。
【0057】
また、
図1に示す本発明の結合具1は、キー22を備える。キー22は、略直方体状の摘み部23と、摘み部23から突出した、かつ、内ネジ19と螺合可能なネジが設けられた軸部24と、軸部24の先端から突出した角柱部25とを有する。
【0058】
また、第1の挟持部3の、第1の突出片6および第2の突出片8が突出した面からは、一対の角柱状の回転拘束部材21が、第1の突出片6および第2の突出片8と同じ突出方向に突出している。
【0059】
また、回転拘束部材21は、基部2の長手方向に対して略直交すると共にボス部18を通る軸線の延長線上に位置している。
従って、ボス部18の貫通孔に挿通されて突出したキー22の角柱部25は、回転拘束部材21に弾性的に拘束され、キー22の自由な回転は抑制される。
【0060】
また、
図2は、本発明を適用した結合具をスリーブに取付ける様子の一例を示す概略図である。
また、
図3Aは、本発明を適用した結合具の第1の突出片を第1の結合孔に結合する様子の一例を示す概略部分平面図である。また、
図3Bは、
図3AのA−A線に沿って切断した概略断面図である。
【0061】
また、
図4Aは、本発明を適用した結合具の第1の突出片が第1の結合孔に結合した様子の一例を示す概略部分平面図である。また、
図4Bは、
図4AのB−B線に沿って切断した概略断面図である。
また、
図5は、本発明を適用した結合具の第1の突出片が第1の結合孔に結合した様子の一例を示す概略部分斜視図である。
また、
図6は、本発明を適用した結合具がスリーブに取付けられた様子の一例を示す概略図である。
【0062】
スリーブ26には、スリーブ26の一方の面と、この一方の面と対向する他方の面との間を貫通する、第1の連結孔27と第2の連結孔28が形成されている。
【0063】
また、スリーブ26の縁には、本発明の結合具1の基部2に設けられたボス部18やリブ20の形状、並びに第1の挟持部3の一方の面から突出した回転拘束部材21の形状に対応した形状を有する切れ込み29が形成されている。
【0064】
スリーブ26とは、例えば消しゴムの紙製のケースと同様の形状を有するものである。すなわち、スリーブ26は、両端に開口部が形成されており、かつ、内部に形成された空間が開口部を介して外部と連通したものである。
また、スリーブとして、例えばL字形状を有するものを使用することもできる。
【0065】
本発明の結合具1をスリーブ26に取付ける場合、スリーブ26に形成された第1の連結孔27と第2の連結孔28それぞれに、第1の周囲壁10と第2の周囲壁11を嵌め込む。
また、回転拘束部材21を切れ込み29に嵌め込む。
【0066】
次に、第2の挟持部4を基部2に対して矢印Aの方向に折り曲げて、第3の周囲壁16および第4の周囲壁17を、第1の周囲壁10および第2の周囲壁11に近づける。
【0067】
そして、第3の周囲壁16および第4の周囲壁17をそれぞれ、第1の周囲壁10内および第2の周囲壁11内に嵌め込む。
【0068】
すると、
図3Aおよび
図3Bに示すように、第1の突出片6の先端部から突出し、かつ、傾斜面を有する第1の凸部7と、第1の結合壁14に設けられた第1の傾斜部14Bとが当接して、第1の凸部7が第1の傾斜部14Bに押されて第1の突出片6が弾性変形する。
【0069】
また、
図3Aに示すように、第1の凸部7が当接する第1の結合孔12の縁に対向する第1の結合孔12の縁は、第1の凸部7が当接する第1の結合孔12の縁から離れる方向に湾曲している。
すなわち、第1の凸部7が当接する第1の結合孔12の縁と、この縁に対向する縁との間の距離は、第1の結合孔12の端部領域を構成する対向する縁間の距離よりも大きい。
【0070】
また、
図6に示すように、第2の凸部9が当接する第2の結合孔13の縁と、この縁に対向する縁との間の距離は、第2の結合孔13の端部領域を構成する対向する縁間の距離よりも大きい。
【0071】
さらに、第1の中間領域14Cに空間が形成されている。
このように、第1の突出片6の弾性変形の障害となるものがないので、第1の突出片6は弾性変形しやすい。
一方、
図3Aに示すように、第1の突出片6の両端部は、第1の結合壁14の第1の端部壁領域14Aに挟まれて拘束されるので、第1の突出片6の略中央部を特に弾性変形させやすくなる。
【0072】
また、
図3Aおよび
図3Bに示すように、第1の結合孔12は、第3の周囲壁16の内部に設けられた第1の中間壁30に形成されている。
【0073】
そして、第1の凸部7が第1の係合孔12を通過すると、
図4Bや
図5に示すように、弾性変形していた第1の突出片6が元の形状に戻り、第1の凸部7が第1の結合孔12の縁に当接する。
これにより、第1の突出片6を第1の結合孔12に結合できる。
【0074】
また、第2の突出片8が第2の結合孔13に結合するときの機構は、第1の突出片6が第1の結合孔12に結合するときの機構と同じなので、説明を省略する。
図6に示すように、第2の突出片8が第2の結合孔13に結合した状態は、第1の突出片6が第1の結合孔12に結合した状態と同じである。
【0075】
また、結合を解除するときは、例えば、第1の凸部7を親指で第2の突出片8へ向けて矢印Bの方向へ押し、かつ、第2の凸部9を人差し指で第1の突出片6へ向けて矢印Cの方向へ押し、第1の凸部7と第1の結合孔12の縁との当接、および第2の凸部9と第2の結合孔13の縁との当接を解除する。
【0076】
その後は、第1の凸部7が第1の結合孔12を通過するようにすると共に、第2の凸部9が第2の結合孔13を通過するようにし、本発明の結合具1を、
図2に示すような状態にさせる。
【0077】
ここで、第1の凸部が当接する第1の結合孔の縁と、この縁に対向する縁との間の距離は、必ずしも第1の結合孔の端部領域を構成する対向する縁間の距離よりも大きくなくてもよい。
また、第2の凸部が当接する第2の結合孔の縁と、この縁に対向する縁との間の距離は、必ずしも第2の結合孔の端部領域を構成する対向する縁間の距離より大きくなくてもよい。
【0078】
しかし、このように距離を大きくすることによって、第1の凸部および第2の凸部が互いに近づく方向に第1の凸部および第2の凸部に力を加えたときに、第1の凸部が突出した第1の突出片の領域および第2の凸部が突出した第2の突出片の領域が弾性変形しやすくなり、第1の結合孔の縁に対する第1の凸部の当接および第2の結合孔の縁に対する第2の凸部の当接をそれぞれ、さらに解除しやすくなるので好ましい。
【0079】
また、第2の挟持部は、必ずしも第1の結合壁および第2の結合壁を有していなくてもよい。
しかし、第2の挟持部が、第1の結合壁および第2の結合壁を有していれば、第1の結合壁および第2の結合壁がそれぞれ、第1の突出片および第2の突出片を挟むことができ、第1の突出片の結合および第2の突出片の結合をそれぞれ安定させることができるので好ましい。
【0080】
また、第1の結合壁には必ずしも第1の傾斜部が設けられていなくてもよく、また、第2の結合壁には必ずしも第2の傾斜部が設けられていなくてもよい。
また、第1の凸部は、必ずしも第1の突出片に向けて傾斜していなくてもよく、また、第2の凸部は、必ずしも第2の突出片に向けて傾斜していなくてもよい。
【0081】
しかし、第1の結合壁に第1の傾斜部が設けられ、第2の結合壁に第2の傾斜部が設けられ、第1の凸部が第1の突出片に向けて傾斜しており、そして第2の凸部が第2の突出片に向けて傾斜していれば、第1の突出片が第1の結合孔に結合するときに、第1の凸部が第1の結合壁に押されて第1の突出片が弾性変形しやすくなり、第1の突出片が第1の結合孔に結合しやすくなる。また、第2の突出片が第2の結合孔に結合するときに、第2の凸部が第2の結合壁に押されて第2の突出片が弾性変形しやすくなり、第2の突出片が第2の結合孔に結合しやすくなる。よって、好ましい。
【0082】
また、必ずしも第1の中間領域に空間が形成されていなくてもよく、また、必ずしも第2の中間領域に空間が形成されていなくてもよい。
しかし、第1の中間領域と第2の中間領域に空間が形成されていれば、第1の突出片および第2の突出片が押されてさらに弾性変形しやすくなり、第1の突出片がさらに第1の結合孔に結合したり第1の凸部の当接を解除したりしやすくなり、また、第2の突出片がさらに第2の結合孔に結合したり第2の凸部の当接を解除したりしやすくなるので好ましい。
【0083】
また、基部を、容器の蓋部材や底部材と連結できるのであれば、本発明の結合具は、必ずしもキーを備えていなくてもよい。
【0084】
図7は、本発明を適用した組立式コンテナの一例を示す概略図である。また、
図8は、本発明を適用した組立式コンテナのスリーブとパレットの結合状態の一例を示す概略断面図である。
【0085】
図7に示す本発明の組立式コンテナ41は、本発明の結合具1を備える。すなわち、本発明の組立式コンテナ41は、基部と、第1の挟持部と、第2の挟持部とを備える。
ここで、組立式コンテナは、容器の一例である。
【0086】
また、本発明の組立式コンテナ41は、基部と着脱可能に連結された天蓋42を備える。
すなわち、天蓋42に形成された連結用の貫通孔にキーの軸部が挿通されると共に、基部のボス部に形成された貫通孔にキーの軸部が挿通されて、基部と天蓋42が着脱可能に連結されている。
【0087】
従って、天蓋42の表面には、キーの摘み部23が露出している。ここで、天蓋は蓋部材の一例である。
【0088】
また、本発明の組立式コンテナ41は、天蓋42に対向する位置に配置された、かつ、基部と着脱可能に連結されたパレット43を備える。
【0089】
すなわち、パレット43に形成された連結用の貫通孔にキーの軸部が挿通されると共に、基部のボス部に形成された貫通孔にキーの軸部が挿通されて、基部とパレット43が着脱可能に連結されている。
【0090】
従って、パレット43の表面には、キーの摘み部23が露出している。ここで、パレットは底部材の一例である。
【0091】
また、パレット43は、天蓋42とは反対方向に突出した脚43Aと、四辺に沿って設けられた側壁43Bとを有する。また、脚43Aの上方であり、かつ、側壁43Bの内側には、キーの軸部が挿通される連結用孔が形成されている。
【0092】
また、本発明の組立式コンテナ41は、第1の挟持部と第2の挟持部に挟持された、かつ、天蓋42とパレット43との間に配置され天蓋42とパレット43との間に空間を形成可能なスリーブ26を備える。
【0093】
このとき、第1の挟持部と第2の挟持部はスリーブ26を挟んだ状態で互いに結合し、
図6に示したように、スリーブ26に取付けられる。
ここで、スリーブ26は、側壁部材の一例である。
【0094】
また、第1の挟持部と第2の挟持部は基部に一体的に接続されているので、天蓋42とスリーブ26とは互いに結合され、パレット43とスリーブ26とは互いに結合されることになる。
【0095】
このときのスリーブ26とパレット43との結合状態は
図8に示すような状態である。
すなわち、キー22の軸部24は、パレット43の連結用孔43Cに挿通されると共に、基部2に設けられたボス部18の貫通孔に挿通され、さらに角柱部25は回転拘束部材21に拘束されている。
【0096】
また、スリーブ26と天蓋42との結合状態も、パレット43が天蓋42に替わる以外は
図8に示す状態と同じである。
【0097】
以上のように、本発明の結合具は、第1の突出片の先端部から第1の突出片の突出方向と略直交する方向に突出した第1の凸部と、第2の突出片の先端部から第1の凸部とは反対方向に突出した第2の凸部とによって、第1の凸部と第2の凸部が互いに近づく方向に第1の凸部および第2の凸部に力を加えるだけで、第1の結合孔の縁に対する第1の凸部の当接および第2の結合孔の縁に対する第2の凸部の当接をそれぞれ解除することができる。すなわち、第1の突出片の結合および第2の突出片の結合をそれぞれ解除することができる。
【0098】
従って、例えば、親指と人差し指で第1の凸部と第2の凸部を挟んで、第1の凸部と第2の凸部が互いに近づく方向に第1の凸部および第2の凸部に力を加えるだけで、第1の突出片の結合および第2の突出片の結合をそれぞれ解除できるので、本発明の結合具は結合解除が容易である。
【0099】
また、本発明の容器は、このような本発明の結合具を備えているので、解体を容易に行なうことができる。
【0100】
また、本発明の結合具は、第1の結合孔に第1の突出片を結合させ、第2の結合孔に第2の突出片を結合させるものであり、これに対応してスリーブの取付用孔も2つ形成されている。従って、1つの開口部に係合片を入れて結合させる結合具を使ってコンテナを組み立てた場合よりも、スリーブに形成された取付用孔の縁への負担が1/2となる。その結果、スリーブを劣化させにくい。
【解決手段】結合具1は、平板状の基部2と、基部2の一方の縁にヒンジ部5を介して折り曲げ可能に接続された第1の挟持部3と、基部2の他方の縁に折り曲げ可能に接続された第2の挟持部4とを備える。第1の挟持部3は、板状の第1の突出片6と、第1の突出片6の先端部から突出した第1の凸部7と、板状の第2の突出片8と、第2の突出片8の先端部から突出した第2の凸部9を有する。第2の挟持部4の、基部2を挟んで第1の突出片6と線対称となる位置に第1の結合孔12が形成され、第2の挟持部4の、基部2を挟んで第2の突出片8と線対称となる位置に第2の結合孔13が形成されている。第1の突出片6は第1の結合孔12に挿通可能であり、第2の突出片8は第2の結合孔13に挿通可能である。