(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719975
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】風力エネルギータービンシェルステーション
(51)【国際特許分類】
F03D 11/04 20060101AFI20150430BHJP
F03D 1/02 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
F03D11/04 A
F03D1/02
【請求項の数】23
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-534893(P2014-534893)
(86)(22)【出願日】2012年10月9日
(65)【公表番号】特表2014-530321(P2014-530321A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】CA2012000934
(87)【国際公開番号】WO2013063681
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2014年6月24日
(31)【優先権主張番号】2,755,849
(32)【優先日】2011年10月11日
(33)【優先権主張国】CA
(31)【優先権主張番号】13/462,811
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】2792693
(32)【優先日】2012年10月9日
(33)【優先権主張国】CA
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514090429
【氏名又は名称】ヘイサム, ヤクブ
【氏名又は名称原語表記】HAISAM,Yakoub
(74)【代理人】
【識別番号】100114476
【弁理士】
【氏名又は名称】政木 良文
(72)【発明者】
【氏名】ヘイサム, ヤクブ
(72)【発明者】
【氏名】リマ, ゴーセン
【審査官】
石井 孝明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−207355(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0258468(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01544461(EP,A1)
【文献】
国際公開第2011/091653(WO,A1)
【文献】
米国特許第02169165(US,A)
【文献】
独国特許出願公開第10353118(DE,A1)
【文献】
米国特許第04220870(US,A)
【文献】
国際公開第2003/027498(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0015015(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/150248(WO,A2)
【文献】
カナダ国特許出願公開第02633244(CA,A1)
【文献】
英国特許出願公開第02476126(GB,A)
【文献】
特開2005−027361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 11/04
F03D 1/02
F03D 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンフレームを有する複数階構造を備える風力エネルギータービンシェルステーションであって、
前記オープンフレームが、少なくとも2つの離間して開いた実質的に平行である垂直フレームを備え、前記フレームのそれぞれは、1以上の水平方向において1以上の梁間を有し、主として梁及び柱から成り、前記フレームは主として相互接続梁によって他と相互接続するとともに、1つの空間構造を形成し、
垂直方向に離間した複数の水平平坦な内部プラットフォームが前記構造の床を形成し、前記フレームの長さにわたってそれぞれの内部プラットフォームが前記フレーム及び相互接続梁の間に広がるとともにこれに接続し、
風力タービンが、それぞれの内部プラットフォームの外周面の周囲の前記構造上に設置され、前記風力タービンである水平軸風力タービンは外側を向き、それぞれの風力タービンは電力を生成する発電機に対して動作可能なように接続される風力エネルギータービンシェルステーション。
【請求項2】
前記構造が、前記フレームを越えて前記内部プラットフォームの前記外周面の外側に広がる離間した外部プラットフォームを有し、
1つの外部プラットフォームに対して1つの風力タービンとなるように、前記風力タービンが前記外部プラットフォーム上に設置される請求項1に記載のステーション。
【請求項3】
外部プラットフォームから前記内部プラットフォームの前記外周面を越えて前記内部プラットフォーム上に至るように、それぞれの前記外部プラットフォーム上で内側に広がるトラック手段を含み、
前記フレームの間で、前記外部プラットフォーム上の稼働位置と前記内部プラットフォーム上の保守位置との間を前記風力タービンが移動可能となるように、前記風力タービンのそれぞれが前記トラック手段上で移動自在に設置される請求項1または2に記載のステーション。
【請求項4】
稼働位置から、隣接する前記垂直フレームを内側に向かい、前記内部プラットフォーム上の保守位置に至る、それぞれのタービンの移動のための空間を確保し、
前記プラットフォーム上で、前記保守位置でタービンが保守されるための空間を確保し、
前記保守位置と、車載クレーンが前記保守位置間を移動するとともに前記プラットフォーム上の稼働位置におけるそれぞれのタービンに対してアクセスする道路のための別の垂直フレームと、の間である前記プラットフォーム上の空間を確保するために、
それぞれの内部プラットフォームが十分に広くなっている請求項1または2に記載のステーション。
【請求項5】
それぞれの内部プラットフォームは、道路上から隣接する上方の内部プラットフォームに通じる第1車用傾斜路と、前記道路上から隣接する下方の内部プラットフォームに通じる第2車用傾斜路と、を有する請求項1,2または4に記載のステーション。
【請求項6】
前記風力タービンが、水平軸風力タービン、垂直軸風力タービン、または、水平軸風力タービン及び垂直軸風力タービンの組み合わせであり得るとともに、前記風力タービンのそれぞれの高さが、垂直方向に離間した内部プラットフォーム間の距離よりもわずかに小さい請求項1または2に記載のステーション。
【請求項7】
前記複数階構造に水素発電ユニットが配置され、
それぞれのユニットは、
前記風力タービンによって生成された電力が、直流に変換されるとともに所定の低電圧かつ高電流に変換された後に供給される、水素を生成する電解槽と、
定常電力を生成する水素稼働燃料電池発電機と、
を備える請求項1または2に記載のステーション。
【請求項8】
環状の複数階構造を備える風力タービンステーションであって、
略円筒または多角形柱の外側フレームと、前記外側フレームの内部で同心となる少なくとも他の略円筒または多角形柱の内側フレームと、を有し、両方のフレームのそれぞれは、主としてオープンフレーム構造を成す梁及び柱から成るとともに、1つの空間構造を形成するために主として梁によって他と相互接続され、
前記フレーム間で垂直方向に離間した複数の水平な内部プラットフォームが前記構造の床を形成し、それぞれの内部プラットフォームは、平坦かつ環状であって、前記フレーム間の空間を横切って広がるように前記フレームの両方に締結され、
風力タービンが、それぞれの内部プラットフォームの外周面の周囲の前記構造上に設置され、前記風力タービンである水平軸風力タービンは外側を向き、それぞれの風力タービンは電力を生成する発電機に対して動作可能なように接続される風力タービンステーション。
【請求項9】
前記フレームは、半円または多角形のループの繰り返しによる上面視蛇行状であり、
前記タービンが、それぞれの半ループの周面に隣接する前記内部プラットフォーム上に設置される請求項1に記載のステーション。
【請求項10】
前記構造が、前記フレームを越えて前記内部プラットフォームの前記外周面の外側に広がる離間した外部プラットフォームを有し、
1つの外部プラットフォームに対して1つの風力タービンとなるように、前記風力タービンが前記外部プラットフォーム上に設置される請求項8または9に記載のステーション。
【請求項11】
外部プラットフォームから前記内部プラットフォームの前記外周面を越えて前記内部プラットフォーム上に至るように、それぞれの前記外部プラットフォーム上で内側に広がるトラック手段を含み、
前記フレームの間で、前記外部プラットフォーム上の稼働位置と前記内部プラットフォーム上の保守位置との間を前記風力タービンが移動可能となるように、前記風力タービンのそれぞれが前記トラック手段上で移動自在に設置される請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項12】
前記外部プラットフォームは、互いに垂直方向に揃って並び、
それぞれのタービンのための前記トラック手段は、
前記外部プラットフォーム及び前記内部プラットフォームの上の下側トラックと、
前記下側トラックと垂直方向に揃って並ぶ上側トラックと、を備え、
前記上型トラックは、隣接する上側の外部プラットフォーム及び隣接する上側の内部プラットフォームの両方の下面上にある請求項3または11に記載のステーション。
【請求項13】
稼働位置から、隣接する前記垂直フレームを内側に向かい、前記内部プラットフォーム上の保守位置に至る、それぞれのタービンの移動のための空間を確保し、
前記プラットフォーム上で、前記保守位置でタービンが保守されるための空間を確保し、
前記保守位置と、車載クレーンが前記保守位置間を移動するとともに前記プラットフォーム上の稼働位置におけるそれぞれのタービンに対してアクセスする道路のための別の垂直フレームと、の間である前記プラットフォーム上の空間を確保するために、
それぞれの内部プラットフォームが十分に広くなっている請求項8または9に記載のステーション。
【請求項14】
それぞれの内部プラットフォームは、道路上から隣接する上方の内部プラットフォームに通じる第1車用傾斜路と、前記道路上から隣接する下方の内部プラットフォームに通じる第車用傾斜路と、を有する請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項15】
前記風力タービンが、水平軸風力タービン、垂直軸風力タービン、または、水平軸風力タービン及び垂直軸風力タービンの組み合わせであり得る請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項16】
前記風力タービンの高さが、垂直方向に離間した水平な内部または外部プラットフォーム間の距離よりもわずかに小さい請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項17】
前記複数階構造に水素発電ユニットが配置され、
それぞれのユニットは、
前記風力タービンによって生成された電力が、直流に変換されるとともに所定の低電圧かつ高電流に変換された後に供給される、水素を生成する電解槽と、
定常電力を生成する水素稼働燃料電池発電機と、
を備える請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項18】
前記稼働位置における前記トラック手段上の前記タービンを固定して、前記稼働位置からの動きに対抗するための、前記タービン及び前記トラック手段と関連した固定手段を備える請求項3,11または12に記載のステーション。
【請求項19】
請求項1,2,8,9または10に記載のタイプの風力タービンステーションの建造方法であって、
地上階を移動する車載クレーンを使用して、主な梁及び柱を除いて前記ステーションの第1階の高さまで前記ステーションの前記フレームを建造する工程と、
前記地上階上の前記車載クレーンを使用して、前記地上階から前記第1階に上がる傾斜路の建造を含む、前記第1階のフレームに支持されて前記第1階を形成する前記内部プラットフォームの少なくとも一部を建造する工程と、
前記傾斜路を使用する前記車載クレーンとともに、前記地上階から前記第1階へ建造材料及び風力タービンを移動する工程と、
前記第1階の前記プラットフォームの建造を完成するために、前記第1階上の前記車載クレーンを使用する工程と、
前記第1階上の前記車載クレーンを使用して、第2階の高さまでの前記フレームを建造する工程と、
前記第1階上の前記車載クレーンを使用して、前記第1階から前記第2階に上がる傾斜路の建造を含む、前記第2階の前記内部プラットフォームの一部を建造する工程と、
前記風力タービンを前記第1階の内部プラットフォームの外周面の周囲の前記構造上に設置する工程と、を備え、
所望の建造物高さに達するまで、それぞれの階を建造するための前記工程を繰り返す風力タービンステーションの建造方法。
【請求項20】
前記ステーションの建造期間中に、前記建造材料の輸送をするため及び前記風力タービンを輸送するために十分な大きさである少なくとも1つのエレベータを建造する工程を含み、
前記エレベータは、次の階を建造するために必要となる必要な建造材料を持ち上げるとともに前記風力タービンを持ち上げるために、ある階のフレームを建造した後、内側フレームに隣接して、ある階から次の階に段階的に上がるように建造される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記構造の高さが前記構造の外径の約4倍である請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項22】
前記建造物の外径が100−500mの間であり、前記ステーションの高さの約4分の1である請求項8,9または10に記載のステーション。
【請求項23】
ステーションアレイであって、
それぞれのステーションは請求項1に記載のものであり、前記アレイ内の前記ステーションのそれぞれの外側フレームの先端は、仮想開または閉曲線の外周上に位置し、
前記仮想開曲線上に位置する最初及び最後の外側フレームと、仮想曲線に対して平行な位置の最初及び最後の内側フレームは、通常は前記フレームを地上に固定するための引張ケーブルによって支持されるステーションアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風力タービンステーションに関する。本発明は、より具体的には、電力を生成するために風力エネルギーを使用する、オープンフレームを有してそれぞれの床に多くのタービンを備えた複数階構造を有する風力タービンステーションに向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
風力エネルギーは1200年代のヨーロッパで古くから利用されており、穀物を石臼の間ですり潰すために利用され、さらにオランダ人には種から油を搾りとる搾油機や塗料抽出機、脱穀機、接着剤抽出機などの抽出用の風車として利用されていた。20世紀末及び21世紀初頭には、風力タービンという重大な発展がもたらされ、風力は化石燃料に代わり得るエネルギー源となった。
【0003】
地球上に降り注ぐ太陽放射は年間5.6×10
24Jである。太陽エネルギーは大気中及び地表に放射され、大気を暖めて風を起こす。世界中で使用される一次エネルギーは約500EJと見積もられるが、これは16TWの容量の発電機を必要とする。総消費エネルギーは、地球の大気及び表面で取得される太陽放射の0.01%未満であり、風の運動エネルギーの約0.2%である。このことは、風力が莫大な代替資源であって、持続可能かつクリーンなエネルギーであることを示している。
【0004】
最先端は、約100−125mの高さのハブにおいて稼働する薄片の翼を3枚備え、これらが当該薄片の垂直面内で回転する、大型の風力タービンを備える。これらの巨大または実用的なタービンは、風速10から14m/sのときに最大エネルギー出力となり、この最大エネルギー出力はカットアウト速度25−40m/秒となるまで継続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最先端の実用的な風力タービンは、1年間を通じた平均的な発電容量が約1MWである巨大な風力タービンを使用している。しかしながら、実用的な風力タービンが本来的に有している欠点が、現在の技術が化石燃料、原子力エネルギー及び他の従来エネルギーの代替として適した存在になることを阻んでいる。最先端の風力タービンは、多くの欠点を有している。現在の風力タービンは、大型の風力タービンの稼働に伴う騒音や影のちらつきがあるため、通常、タービン間の土地は役に立たないと考えられ、風力発電地帯内でタービンが要する土地面積が大きくなりすぎてしまう。その実用的な風力タービンが必要とするスペースは、ヨーロッパ及びアメリカのそれぞれにおいて、化石燃料に基づく電力に対して混合するかのように、非定常な電力の出力を完全に有用と見なす場合、平均で8.5−33ヘクタール/MVとなる。最先端の風力タービンは、タービンから約2kmの距離における人間の健康を害する騒音を発生させる(風力タービン症候群)。風力タービン症候群とは、振動や低周波数の騒音によって、風力発電地帯の周囲2kmに居住する人々に対して、頭痛や記憶の欠如、その他の病気を引き起こすものである。最先端の風力タービンは、鳥やコウモリを殺す。
【0006】
最先端の風力タービンが与える電力の電圧、周波数、電流及び出力は、風速が時間とともに変化するという通常の結果として常に変動するとともに、電力のコストが既に高すぎる現在の風力電力のコストの4倍よりも大きくなることから、エネルギーを化学媒体に貯蔵すること、さらには需要に合致した電力の再生成をすることは適切ではない。
【0007】
ドイツのEONエネルギーカンパニーによれば、ドイツの系統において系統供給(grid penetration)(系統内の風力電力の割合)が49GWである場合、最先端の風力タービンが生成する電力は容量クレジット(あるいは、系統内のまたは常に利用可能な風力設備容量の一部である安定容量)が4%である。換言すると、49GWの風力タービンの設備容量は、化石燃料発電機の2GWしか代替することができない。これは、風速さらにはタービン出力の変動に起因する。
【先行技術文献】
【0008】
本発明に近い従来技術はない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
風力タービンステーションは、オープンフレームを有する複数階構造である。「オープンフレーム」とは、構造を閉じる壁を備えることなく、構造の外形を決定するポストまたは柱及び梁を有する構造である。構造は、好ましくは、中央垂直軸を有する環状塔を備え、塔が、少なくとも第1の梁及び柱によって構成される放射状に配置された内側及び外側フレームを画定する。塔は、フレームの長さにわたる内側及び外側フレームの梁の間に広がる、垂直方向に離間した複数の水平な内部プラットフォームを備え、内部プラットフォームは構造の床を形成する。外部プラットフォームは、それぞれの内部プラットフォームの外周面の外側に広がり、風力タービンが外部プラットフォーム上に設置される。それぞれの風力タービンは電力を生成する発電機に対して機能的に接続される。塔は、1000−2000mの高さに達し得るとともに、閉じたまたは開いた環状の水平断面を有する。塔は、好ましくは、外側及び内側が円形の外周となる環状の水平断面を有する。断面の外側及び内側外周は、正方形や、六角形、八角形などの多角形などであってもよい。複数階構造におけるそれぞれの階は、典型的には水平、平坦、幅8−25mの環状であって塔の外周を規定する内部プラットフォームである。それぞれの内部プラットフォームは、閉水平断面構造内の塔構造の内側フレームに隣接するとともに開水平断面構造内の内側及び外側フレームの間の略中央の距離にある傾斜路(ramp)手段によって隣接する上端及び下端の内部プラットフォームと接続する。傾斜路は、幅が約4mである。それぞれの階は、高さが典型的には約10mである。塔構造の典型的な直径または幅は125−500mであり、典型的な高さは500−2000m、典型的な階の数は50−200階である。塔の高さの幅に対する比は、通常約4である。風力ステーションの地域における地震力が高いほど、高さの直径に対する比が小さくなる。
【0010】
少数の階毎に貨物自動車搭載クレーンが提供され得るとともに、当該クレーンを扱う各シフト3−5人程度の保守(service)及びメンテナンスの専門家から成る同行チームが、担当する階におけるタービンの継続的なメンテナンスを行う。構造全体に対して4以上のエレベータが設けられ、2つは人を運び、2以上は機器や風力タービンを必要な階に運ぶ。水素の製造や貯蔵、これにより電力を生成する全ての機器は、地上階に設けられ得る。追加スペースには、必要な水素を供給するタンクや、生成された水素を安全に貯蔵して燃料電池内で再使用するための他の装置が、追加され得る。
【0011】
風力タービンは、1つのプラットフォーム上に1つのタービンとなるように、複数階フレームのそれぞれの階における外側フレームの周面の周囲または外部プラットフォームに設けられて分布する。外部プラットフォームは、外側フレームの外周面の全周から外側に向かって断続的または連続的に突出する。塔フレームは、典型的には高降伏鋼で建造されるが、その一方でプラットフォームは、軽量床鋼板またはその他の軽く、硬くて強い材料から成り、中−高降伏鋼から成る第1及び第2梁上に設置される。風力タービンステーションは、年間平均風速が6m/秒の場合、定常電力の典型的な年間平均出力容量が50−1000MWであり、非定常電力では175−3750MWである。
【0012】
フレーム構造は、複数の水平軸風力タービン(HAWT:horizontal axis wind turbine)、垂直軸風力タービン(VAWT:vertical axis wind turbine)またはこれらの組み合わせのそれぞれを支持し、上記のそれぞれの風力タービンは、風力エネルギーを収集するとともに、これらに接続された発電機により電力を生成する。通常、環状断面の塔構造では、設置されている風力タービンの半数は風に向かっており、回転して電力を生成するが、その一方で風下に位置する残りの半数は、静止して稼働しない。それぞれのタービンは、外側フレーム内の柱の間の間隙の長さ、及び、2つの隣接する内部プラットフォームまたは床の間の高さと、ほとんど等しい大きさである。
【0013】
生成された電力は、系統に適合する電流及び電圧に変換された後で、系統に対して直接的に供給される。しかしながら、好ましくは、生成された電力は、地上階における変圧器、水道、電解槽、ポンプ及び水素タンクなどの周知の必要な機器の使用によって、収集された一時的なエネルギーの大半を化学的に貯蔵する水素を生成するために使用される。水素は、高圧下または液体状態で地上階のタンクに貯蔵され、貯蔵された水素量は燃料電池で使用される。燃料電池の容量は、風力タービンステーションによって生成される非定常電力の年間平均に対して、約0.61である電解効率と約0.41である燃料電池効率とを乗算したものである。燃料電池は、電流、周波数及び電位の特性が定常的である電力を再生成し、通常は地上階にある十分な変圧器の使用による、系統に適合する電圧及び電流への変換を経た後で、定常電力が系統に供給される。得られる平均可能出力は、その地域の年間平均風速に比例する。電解処理の速度を上げ、エネルギーの無駄な消費を避けるためには、電解槽に供給する電位を、周知である2.06v付近にすると良い。供給される電流は、周知のように大きいものとする。電流の範囲は100000−1000000アンペアとなり得る。風力タービンによる高変動生成電力は、他の化学的手段に貯蔵され得るとともに、需要に応じて後で貯蔵され得る。
【0014】
風力タービンステーション内のタービンの稼働速度範囲について、周知の小型のHAWTまたはVAWTでは、約3−175m/sとなる。電解槽用の電力を生成すると、周波数を一定にする必要がないため、発電機のコストが低くなるとともに装置寿命が長くなる。さらに、高速ギア及びギアのための全てが同時に不要になる。
【0015】
風力タービンステーションのメンテナンスは、本発明の特徴として重要である。タービンステーションの構造及び大きさが、ステーションの継続的かつ進行的なメンテナンスを可能にする。任意の風力タービンへのアクセス容易性が常に可能、容易かつ迅速であるため、風力タービンの継続的なメンテナンスが可能になる。継続的なメンテナンスにより、ほとんどの風上のタービンが常に稼働することになる。これは、メンテナンススタッフが、それぞれの内部プラットフォームにおいて、モニタ及びコンピュータを使用して、継続的にタービンを監視するからである。他の全ての風力タービンが稼働している間でも、いつタービンのメンテナンスが必要なのかがモニタによって伝えられる。風力タービン業界が非常に進歩しているため、現在の先進的なタービンでも全てのタービンが1年に1回はメンテナンスを受けるという合理的かつ少々保守的な考え方に立ったとしても、タービンの99.33%はほぼ確実に一年を通じて稼働し得る。その結果、それぞれのタービンの年間平均稼働時間は、0.9933×8760=8701時間/年となる。エネルギー計算では、半数の風力タービンのみ同時に稼働するため、タービンの半数のみを考慮している。
【0016】
風力タービンステーションは、約2000mという前例がない高さまで達することが可能な最初の固定構造物であり、地表上200mを超える高い高度で風力エネルギーを継続的に収集するとともに大規模である最初の構造物である。風力タービンステーションは、風速6m/秒の環境で、現在の大型の風力タービンよりも数倍大きい単位面積当たりの出力を有し、風速がさらに大きければ10倍よりも大きくなる。
風力タービンステーションは、通常は降伏応力が600−700MPaに至る従来の鋼を使用して建造される。風力タービンステーションは、同様の容量である大型の風力タービンが必要とする平均面積の約0.2%を要するのみである。風力タービンステーションが非定常電力を得るために必要とするスペースは、0.03−0.05ヘクタール/MWの間で分布し、定常電力を得るとともに需要と釣り合うために必要なスペースは0.10−0.15ヘクタール/MWである。風力タービンステーション内の小型のVAWT及びHAWTが生じる騒音は、先端速度が翼長に比例するため、実用的な風力タービンが生じる騒音よりも極めて小さい。大型の小型に対する風力タービンの翼長比は、通常は約10−15倍である。さらに、風力タービンステーションは、10−15倍の先端速度であるため、鳥やコウモリに対する危険にはなり得難い。
【0017】
本明細書に記載の風力タービンステーションの出力は、電流、周波数、電位が一定になり得る。さらに、風力タービンステーションは、同様の容量の従来の発電機に代替し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】 水平軸風力タービンを備えた典型的な大型のWETSS(およそ直径500m×高さ2000m)の上面図。
【
図1A】
図1の詳細。
【
図2】
図1に示されるステーションの正面図。
【
図3】
図1に示されるステーションの部分的拡大正面図。
【
図4】 ステーション内の1つの水平軸風力タービンを示す部分的拡大正面図。
【
図5】
図4に示されるタービンの部分的上面図。
【
図6】 ステーション内の1つの水平軸風力タービンを示す拡大背面図。
【
図7】 ステーション内の1つのタービンの側面図。
【
図8】 垂直軸風力タービンを備えた典型的な小型のWETSS(およそ直径125m×高さ500m)の上面図。
【
図9】 外部プラットフォーム上に設置された
図8のステーションのVAWTタービンを示す部分的上面図。
【
図10】
図8に示されるステーションの部分的正面図。
【
図11】
図8に示されるステーション内の1つのタービンの側面図。
【
図12】
図8に示されるステーション内の1つのタービンの正面図。
【
図13】 風力タービンステーションの別形態の正面図。
【
図14】
図13に示されるステーションの上面図。
【
図15】
図14に示されるステーションの部分的詳細上面図。
【
図16】 平均風速=6m/秒と仮定した場合における風速のレイリー分布を示すグラフ。
【
図17】 風速のレイリー分布がランダムであると仮定した場合における小型のHAWT(またはVAWT)及び実用的なHAWTによる長期間の収集エネルギー分布を示すグラフ。
【
図18】 月毎の平均消費E
aveに対する水素に貯蔵される必要エネルギーを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1−
図7に示すように、風力タービン塔1は、少なくとも1つの内側円形フレーム5及び外側円形フレーム7を有する環状のオープンフレーム構造3を備える。それぞれのフレーム5,7は、主として垂直な柱9及びこれに接続される水平な主梁13と、フレーム5,7の間に広がりフレーム内で対向する主梁13に締結されるとともにフレーム5,7を一緒に接続する主要素である交差梁17と、を備える。垂直面内の交差要素は、交差梁を含む垂直面内で交差梁に接続されたフレームを補強するために使用され得るとともに、内側フレーム及びそれに続くフレーム構造全体を補強するために内側フレーム5内で使用され得る。オープン構造3は、複数の階または床19を有する。それぞれの床19は、平坦かつ環状であって、内側及び外側フレーム5,7の間に広がるとともに交差梁17及び主梁13上で支持される内部プラットフォーム21を備える。塔内において隣接する床19の間の高さは、通常は7−12mの範囲である。外側フレーム7において隣接する柱9の間の距離は、通常は隣接する床の間の高さと等しい。
【0020】
主梁、柱及び交差要素の大きさは、フレーム構造全体の構造解析によって決定される。構造解析は、主として、全ての柱、梁、平板の自重とタービンの死荷重とに基づく。プラットフォームの材料は、高強度で軽い。総平均分散活荷重は、0.15KPaと推定される。しかしながら、内部プラットフォーム及び梁の設計について、内部プラットフォーム上のどこかに掛かる車載クレーンの重さによる集中活荷重を考慮しなければならない。地震力は、主として重力荷重による応力をわずかに増加させる。この小さい効果は、従来の構造である同様の材料の建造物と比較して、構造の自重(単位面積における死荷重及び活荷重)が軽いことに起因する。この小さい荷重は、風力タービンステーションの階数が従来の構造の3分の1よりも少ないことや、仕上げが行われないとともにフレーム5内の部分的内側壁を除いて隔壁が設けられないことに起因する。高さの直径に対する比であるフレーム構造のアスペクト比は低く、通常はフレーム断面積の増加を考慮せずとも地震荷重を減衰するための十分大きな全フレーム構造の剛性が得られる約4である。
フレーム柱は、通常は高降伏鋼から成る。鋼柱は、自重(死荷重及び活荷重)による全フレーム構造の構造解析を使用して設計され、風及び地震荷重について検証される。いくつかの国において数百KM/hとなり得る設計風速の間であっても、風力エネルギーのほとんど(約90%)はタービンによって吸収される。これは、小型のHAWT及びVAWTの稼働風速が広範囲であることに起因する。ほとんどの場合、設計風速は風力タービンのカットアウト速度よりも小さく、風の影響は無視され得る。
【0021】
構造3は、それぞれの内部プラットフォーム21から外側フレーム7を越えて外側フレーム7の周囲まで外側に広がる複数の小型の外部プラットフォーム23を含む。外部プラットフォーム23は、好ましくは、それぞれの内部プラットフォーム21の外周面の外側であって柱9の隣接するそれぞれの組の間の中心に位置する。風力タービン25は、それぞれの外部プラットフォーム23上に設置される。図示している風力タービン25は、周知の水平軸風力タービンであるが、これを周知の垂直軸風力タービンとすることも可能である。タービン25は、外側フレーム7内の2つの隣接する柱9の間の幅よりもわずかに小さい幅を有するとともに、隣接する床19の間の高さよりもわずかに小さい高さを有する。
【0022】
それぞれのタービン25は、外部プラットフォーム23の外側の端部上の稼働位置と、外側フレーム7に近い内部プラットフォーム21上の非稼働の保守位置と、の間を移動するためのトラック手段上に設置される。
図5−7に示すように、トラック手段は、外部プラットフォーム23の外側の端部の近くの内部プラットフォーム21から外側に放射状に広がる下側トラック31を備え得る。トラック手段は、下側トラック31を覆う上側トラック33を含む。両方のトラックは、幅広フランジI鋼梁またはT鋼梁から成り得る。トラックは、内部及び外部プラットフォームの両方の中の第2または/及び主梁に溶接される。上側トラック33は、例えば、
図7に示すように、隣接する上側の内部プラットフォーム21A及び隣接する上側の外部プラットフォーム23Aを支持する交差梁17の下端に設置され得る。
【0023】
タービン25は、稼働及び非稼働位置の間におけるタービンの移動を案内するための下端及び上側トラック31,33のそれぞれに対して下端及び上端41,43が協働するトラックガイド37,39を有する垂直固定軸35に設置された、水平軸タービンとして図示している。トラックガイド37,39は、軸35の上端及び下端に対して水平方向に溶接される短溝部を備え得るとともに、ガイド37,39は、トラック31,33にちょうど嵌合し、この上を滑らかに移動可能である。メンテナンスフレーム42は、稼働位置及び非稼働位置の間におけるタービンの移動に使用するために、タービンの固定軸35の端部に接続される。フレーム49は、一方の端部で垂直ポスト49と剛性結合する平行な上側及び下側水平アーム45,47を有する。アーム45,47の他方の端部は、短管51,53によって軸35の上端及び下端に接続する。必要であれば、アーム45,47の他方の端部が、管51,53に対して枢動可能となるように結合してもよい。また、トラックガイドを軸35に対して間接的に結合する必要があれば、アーム45,47の他方の端部を、トラックガイド37,39に対して剛性締結してもよい。メンテナンスフレーム42は、タービン25を、保守のために外部プラットフォーム23から内部プラットフォーム21上まで上側及び下側トラック31,33に沿ってスライドさせて、手動または機械的に後退させるため、保守後においてトラックに沿って外部プラットフォーム23上の稼働位置まで復帰させるために使用され得る。垂直ポスト49は、メンテナンスフレーム42、ひいてはトラック31,33上のタービン25を手動で移動可能にするハンドルを有し得る。
【0024】
ロック手段は、タービン25を稼働位置でロックするものである。
図7に示すように、ロック手段は、メンテナンスフレーム42の後部を交差梁17または主梁13の上端及び下端に接続する接続される上端及び下端ロック54を備え得る。上端及び下端ロックは同じであるため、その詳細については一方のみ記載することとする。上端ロック54は、交差梁17の側部に固定される第1整列板55と、ポスト49の端部に固定されるとともに板55に揃って並ぶ第2板57と、を備える。板55は、それぞれボルトねじ穴(不図示)を有する。第2板57は、それぞれの第1板55におけるボルト穴に揃って並ぶスロット(不図示)を有する。ボルト59は、板57内の整列したスロットを貫通するとともに、第1板55内の穴を螺進する。ナット61は、それぞれのボルトに対してその位置を維持するために設置され得る。ボルト59は、稼働位置にタービンを安全にロックするべく、メンテナンスフレーム42、ひいてはタービン25が、トラック31及び33の端部において交差梁17上の停止板63に押し付けられるように動かすために締結される。ボルトは、保守のために外部プラットフォームから後退することを可能にするために除去される。
【0025】
それぞれの内部プラットフォーム21は、それぞれのタービンの交換または保守のために、プラットフォームに対して車載クレーン65が運転可能となるように、幅が十分に広くなっている(8−25m)。プラットフォーム21は、好ましくは、
図1Aに示すように、風力タービンステーション内において、閉断面フレーム構造内で内側フレーム5に隣接するとともに、開断面または蛇行状フレーム構造で内部プラットフォーム21の中央に隣接する、少なくとも1つの車線67を有し、保守のために外部プラットフォームから後退するタービンを受け取るためであって車線67に隣接する保守スペース69と、外側フレーム7に隣接する内部プラットフォームの外側部分に前進するタービンのためのガイドトラック31,33のためのトラックスペース71と共に、車両65によって使用される。それぞれの内部プラットフォーム21は、その内側に隣接してプラットフォームの上側に通じる第1傾斜路73と、その内側に隣接するとともに第1傾斜路73と離間してプラットフォームの下側に通じる第2傾斜路75と、を有する。これにより、クレーンを運ぶ車両が、塔内の複数階におけるタービンの保守を行うことが可能になる。
乗員エレベータ77及び積荷エレベータ79は、内部プラットフォーム21を通過するまたはプラットフォームの内縁に隣接するように塔内に設けられ得る。積荷エレベータ79は、約5×10mであって、貨物自動車クレーンや、設置用の完全な風力タービン、または鋼梁及び柱を運ぶために十分な約10メートルトンの容量を有する。エレベータは、フレーム構造の建造と同時に建造されるため、建造材料をプラットフォームに供給する建造段階の間でも使用可能である。乗員エレベータ77は、稼働の監視やタービンのメンテナンスをして働く人々を対応するプラットフォームに一度に約20人持ち上げる容量を有する。
【0026】
稼働位置におけるそれぞれのタービン25は、風で回転し、タービン上の発電機81を介して電力を生成し、電力は、風速と一緒に変動して、時間の経過とともに大幅に変動する。生成される電力は、垂直方向に一列に整列する全てのタービンにおいて共通する導体(不図示)を介して、塔の土台83まで伝導される。好ましくは、電力は、周知のように周知のインバータ、変圧器、電解質で満たされた電解槽、純水タンク、水素精製装置、水素貯蔵タンク、燃料電池発電機及び加圧ポンプを含む水素ユニット85に、伝導される。水素ユニット85は、周波数、電流及び電位の安定した電力特性となる一貫した電力供給を提供する。これとは別に、周知のように目的とする一定周波数の電力が生成される場合は、電力は電力系統に対して直接的に接続され得る。ギアボックスを備えるまたは備えない発電機81の可動コアは、タービン25の回転軸から発電機81に対して動きを伝達する。生成された電力が加水分解に使用される場合、生成された電力の周波数を増大させるための高速軸は不要である。これにより、摩耗及び損傷、発電機のメンテナンスコスト及び製造コストが低減される。
【0027】
それぞれのタービンは、発電機81を覆う機械室(nacelle)86をさらに有する。機械室86は、固定軸35の中央に溶接された鋼底板87上で、固定軸35の中央に設置されている。機械室の上端は、内側からねじ切りされているとともに緩めて固定軸の上端部の下端から離脱させることが可能な管接続部88によって、固定軸の上端部に接続されている。機械室86は、鋼底板87上に固定され、機械室上の固定軸の下端部が、固定軸上端部の下端点と機械室穴の下端との間の距離よりも少し短くなっているため、上端固定軸の下端部が機械室の上端に位置する穴に挿入することが可能である。管接続部88の最短の長さは、通常は5”−8”(125mm−200mm)である。周知のように、機械室のヨーシステムは、翼を風に向けるとともに、選択された個々のタービンによってアクティブまたはパッシブになることが決まり得る。
【0028】
図8−
図12は、垂直軸風力タービン91を備えた塔を示している。それぞれのタービン91は、回転自在であり、固定軸35の周りに回転自在に設置された垂直ポスト93を有する。上端及び下端ベアリングは、ポスト93を軸35上に回転自在に設置する。ポスト93は、湾曲した羽95を支持する。固定軸35は、外部プラットフォーム23及び内部プラットフォーム21上の下側及び上側トラック31,33に接続され、上記のように、軸35の端部に固定されるとともにトラック上に設置されるトラックガイド37,39が使用される。メンテナンスフレーム42は、固定軸35の端部と、フレーム42のロックを提供するロック手段54と、に接続され、タービン91がトラック31,33の端部上の停止手段に対して締結される。ロック手段はロックの解除が可能であり、タービンは、保守のためにトラック31,33に沿って外部プラットフォームから内部プラットフォームに移動する。
図12に示すように、タービン91は、通常は外側フレーム7内で隣接する柱9の間及びフレーム7内で隣接する梁13の間に嵌合する大きさである。外部プラットフォーム上における風によるタービンの回転は、ポスト93の下端における発電機96において電力を生成し、周知の手段が、構造83の上端から下端まで伸びる電気ケーブルを介して塔の土台の電解槽に対して電力を送る。
【0029】
図13−
図15は、蛇行形状となる塔101を示している。開フレーム構造103は、フレーム5,7の半ループの繰り返しを少なくとも2つ有する。第1半ループ109は、半円または多角形を形成する第1凸形外側フレーム部111と、第1外側フレーム部111と離間してこれもまた半円または多角形を形成する第1凹形内側フレーム部113と、を有する。フレーム部111,113は、主として主梁及び交差梁13,17(不図示)によって接続される。一連の垂直方向に離間した幅広、平坦かつ半環状である内部プラットフォーム114は、主梁及び交差梁に接続して、構造内の床を形成する。タービンは、好ましくは第1凸形外側フレーム部111及び内側部113の両方から外側に広がる外部プラットフォーム上に設置される。タービンが、外部プラットフォーム上の稼働位置と内部プラットフォーム上の保守位置との間を移動可能となるように、外部プラットフォームは、それぞれの内部プラットフォーム114と、それぞれの外部プラットフォーム及び関連する内部プラットフォームの一部にまで広がるトラック手段と、から外側に広がる。第2半ループ115は、1つの端部が第1半ループ109の端部に接続され、半円または多角形を形成するとともに第1ループ109の第1凸形外側フレーム部111の反対方向を向く第2凸形内側フレーム部117を有する。第2半ループ115は、第2凸形外側フレーム部117から離間してこれもまた半円または多角形を形成する第2凹形外側フレーム部119を含む。フレーム部117及び119は、主として主梁13及び交差梁17(不図示)によって接続される。別の組の垂直方向に離間した幅広、平坦かつ半環状である内部プラットフォーム120は、半ループ115に沿って主梁及び交差梁に接続する。内部プラットフォーム120は、内部プラットフォーム114に揃って並ぶとともに、これに接続する。タービンは、好ましくは、第2凸形外側フレーム部117から及び凹形内側フレーム部119から外側を向く両方の外部プラットフォーム上に設置される。第2凸形外側フレーム部117は、第1凹形内側フレーム部113の端部に接続され、第2凹形内側フレーム部119は、第1凸形内側フレーム部111の端部に接続される。パターンは、構造の長さに対して繰り返される。ケーブル121は、通常は鋼ケーブルまたは炭素繊維ケーブルであり、オープンフレーム構造ユニットの高さの中央よりも高い階におけるコーナー柱の一端からグランドに固定され得る。ケーブル121は、通常は蛇行状の塔の2つの端部コーナーを固定し、それぞれのコーナーは通常は互いの間が90°となる2つのケーブルで固定される。ユニットは、200−1000mの高さ、50−500mの直径及び1−10の半ループを変化させる長さ、を有し得る。それぞれの内部プラットフォーム21は、それぞれのタービンの交換または保守のために、プラットフォームに対して車載クレーン65が運転可能となるように、幅が十分に広くなっている(8−25m)。内部プラットフォーム114及び120のそれぞれは、好ましくは、
図15に示すように、保守のために外部プラットフォームから後退するタービンを受け取るためであって車線104に隣接する保守スペース110と、外側フレーム7または内側フレーム5に隣接する内部プラットフォームの外側部分上のトラック31,33のためのトラックスペース112と、における車両65によって使用されるプラットフォームの中央に、少なくとも1つの車線104を有する。それぞれの内部プラットフォーム114及び120は、好ましくは、プラットフォームの上側に通じる第1傾斜路106と、第1傾斜路106と離間してプラットフォームの下側に通じる第2傾斜路108と、の両方を有する。
【0030】
塔を建造するための単純な方法は、柱、梁及び内部プラットフォーム21を含む第1階を建造すると同時に地上階から第1階となる積荷エレベータ79及び乗員エレベータ77を設置するために、地上階におけるいくつかの貨物自動車搭載クレーン65を使用することである。次に、地上階と第1階21を接続する傾斜路73による第1階のプラットフォーム21へのクレーン65の移動と、第1階に建造材料を移動するために第1階に建造されたエレベータの使用と、による、第1階の内部プラットフォーム21及び外部プラットフォーム23の建造の終了である。次に、第2階の柱、梁及び内部プラットフォームの建造及び第2階へのエレベータの拡張である。クレーン65は、第2階を完成するとともに第3階を建造するために、第1階及び第2階を接続する傾斜路を介して第2階に移動し得る。これらのステップは、塔の端まで繰り返される。建造材料は、積荷エレベータ79によって、内部プラットフォームが完成した時にその階に持ち上げられる。外部プラットフォーム23は、事前に建造されているかその場で建造されて、少なくとも4つのリフティングリング87と、必要であれば梁13の上端及び下端と交差梁17との間を接続する少なくとも4つの鋼板を使用して主梁13または交差梁17に溶接するためのクレーン65と、外部プラットフォームの上端及び下端と、を使用して設置される。プラットフォームの上端の2以上の板及び下端の2以上は、外側フレーム梁13と縁が共通する。風力タービン25または91の設置は、建造クレーンが2または3階先に移動した後に開始され得るものであり、いくつかの他の貨物自動車搭載クレーン65や積荷エレベータ79が使用される。水素ユニット85の設置は、地上階と第1階の建造を終了した後に開始され得る。電解槽85の一部と、設置された風力タービン25または91の容量に比例する総容量を有する水素貯蔵タンクと、の稼働の準備が整うと、電気工事が開始され得る。水素の生成と、加圧下での水素の貯蔵と、燃料電池発電機の稼働並びに系統に対するまたは/及び建造工程のための電力の供給の開始と、を含めて、この段階で電力の生成が開始され得る。本発明者らは、周知のVAWT及び小型のHAWTが同様の効率を有するとともに、最先端のHAWTが平均風速6m/秒(13.4mph)の環境下にあり、すべてのタービンのカットイン速度が4m/秒(8.95mph)であり、大型のHAWTの定格風速が12m/秒(26.84mph)である場合において、小型のHAWT及びVAWTが、実用的な風力タービンと比較して11%よりも大きい出力を与え得ることについて、理論的に証明する。
【0031】
平均風速が大きくなるほど、出力比E
SmallH/E
LargeHは大きくなり、ある高さにおける平均風速が12m/秒で約3.0、30m/秒で約50.0まで増大する。この証明例を、
図16及び
図17のグラフに図示する。これは、
図17のエネルギーのグラフの下の面積の積分によって証明される。
図17が示す、例えば1年のような長期間に収集された総エネルギーは、
【0032】
【0033】
実際に1年間で収集されると期待される平均エネルギー=1.69×E
6×0.30=0.507E
6
【0034】
【0035】
実際に1年間で収集されると期待される平均エネルギー=1.88×E
6×0.30=0.564E
6
【0036】
【0037】
ここで、E
6は、風速が一定であって年間平均風速6m/秒と等しいと見なした場合における平均収集エネルギーである。
大出力の理由は、HAWTが、ロータ直径の比に比例する、より小さい先端速度を有するためである。巨大または実用的なHAWTは、カットオフ速度が10−12m/秒、カットアウト速度が25−40m/秒に達し、これは、仮に大型の風力タービンでは風力エネルギーを向上することができなかったとしても、小型のHAWTのカットオフ速度が、風力エネルギーの向上を最大化する175m/秒よりも通常は大きくなるということの一部を意味する。風力エネルギーによって生成されて電解槽に供給される電力の変動は、加圧、液化あるいは他の周知の固体または液体材料と一時的に結合したいずれかの状態で水素タンク貯蔵部に送られる、短期間に生成される水素の量に影響する。しかし、例えば1年のような長期間では、生成される水素の総量は、主として風力タービンの現場における年間平均風速の影響を受け、消費需要平均及び変動並びに風力タービンステーションの容量と関連する。水素貯蔵部の容量は、月毎の必要または余剰の平均生成エネルギーに対する比較エネルギー比の計算、E
i/E
ave、によって推定され、ここでE
i(KWH)は、需要を越えて月毎に消費されるエネルギー、または、平均需要を満たすために貯蔵されている水素から供給される必要なエネルギーである。この比は、実際の既存のまたは予測される消費チャートによって決まり、ここでE
ave(KWH)は、燃料電池によって生成される電力の月毎の平均と等しい月毎の平均需要である。また、水素として貯蔵することが必要な総エネルギーは、余剰の最大の正数と消費チャートにおける絶対値が最大となる負数との差である。
図18は、0.90E
ave+0.06E
ave=0.96E
aveを示す。水素タンクは、前述の例における選択された現場の一年中の需要に合致する供給をするために、0.96E
aveを生成するために必要な水素を貯蔵する容量を有するべきである。また、水素貯蔵部の重さは、0.96E
aveを、中位水素発熱量(medium Hydrogen Heating Value)である周知の36kwhで割ることで算出される。そして、必要な貯蔵水素の重さ(KgH
2)=0.96E
ave/[36(KWH/Kg)×0.41]=0.0678×0.96E
ave=0.65E
ave(KWH)である。ここで、0.41は燃料電池の効率係数である。水素の重さは、貯蔵部または液化技術で使用される圧力に応じて体積容量に変換され得る。さらに、月毎の平均消費エネルギーは、風力ステーションによって月毎に定常的に生成される電力:E
ave=E
avew×0.61×0.41であり、ここでE
avewは、月毎に生成される非定常電力、0.61は電解処理の効率、0.41は燃料電池の効率である。風力タービンステーションは、工業目的のためや輸送のために大量の水素を生成することも可能である。また、風力タービンステーションを使用すると、最先端の風力タービンを用いると通常は非常に困難かつ高コストになる風力電力出力バランス管理という重い負担が、軽減される。
【発明の効果】
【0038】
風力タービンステーションは、現在の風力エネルギーに比べて、以下の改善を提供する。
a) 稼働高さを2000mまで増大させ、大幅に風速を増大させる。
b) 高さ10mの環境における平均風速6m/秒で生成される非定常電力ではなく、定常の1000MWまで大容量化する。
c) 大容量の風力タービンステーションを、都市部の非常に近くに建造可能にする。これが、なぜ最初に「継続的な電力生成のための経済的都市風力タービンステーション(Economical Urban Wind Turbine Station for Continuous ElectricityGeneration)」と名付けられたのかという理由になっている。
d) 需要に合致するとともに電流、周波数及び電位が一定である風力電力を供給する。
e) 完全に同じ形状及び大きさの建造物を建造する場合と比較して、容積の大きさを小さくして、剛性を大きく増大させつつコストを低減させる。
f) 風力タービンステーションは、継続的なメンテナンスまたはより長い稼働時間及び高効率を可能にする。
g) HAWTからのノイズを低減させ、小型風力タービンがより大きな高さにおいてより小さい先端速度を有する。
h) 1MWに必要な水平土地スペースを100分の1まで低減させ、さらに電力コスト及び風力エネルギーに対する悪い社会的影響を低減し、風力エネルギーの競争力を大きくする。
i) 風力エネルギーの生成コストを、実用的な風力タービンの数分の1にする。
j) 工業利用のための大規模かつ安いコストで水素を生成する。
k) 水素を生成するために水素ユニットに電力が供給される場合、風力発電機出力を通常の一定周波数とすることが不要になる。そして、さらに電力コストを低減しつつ発電機のライフサイクルを長くするギアが不要になる。
l) 小型HAWT及びVAWTタービンが、鳥が危険となるよりもずっと小さい先端速度を有することから、鳥の環境影響が低減される。
【0039】
飛行機の衝突事故を回避するために、外部塔フレーム7の周囲及び高さに沿って、周知の点滅警告灯が設置される。
【0040】
周知の避雷システムが、風力タービンステーションのスタッフを守るために設置される。