【実施例】
【0039】
以下に実施例等を示し本発明の特徴とするところをより一層明確にする。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各製造例、比較製造例、実施例及び比較例中の%は質量%を示す。粘度は、25℃での測定値であり、B形粘度計により求めた値である。重量平均分子量(Mw)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・ 東ソー株式会社製 HLC-8220GPC
ガードカラム・・・TSKguardcolumn SuperHZ-L(東ソー株式会社製)
カラム・・・ TSKgel SuperHZM-M(東ソー株式会社製)2本直列接続
流量・・・ 0.35 mL/min
検出器・・・ RI
カラム恒温槽温度・・・ 40℃
展開溶媒・・・ THF(和光純薬工業社製;試薬特級)
標準サンプル・・・TSK標準ポリスチレン(東ソー株式会社製)
加熱残分は、JIS K5601−1−2(125℃、1時間加熱)により求めた値である。
粘度は、 JIS K7117−1(東機産業株式会社製BM形回転粘度計、25℃、湿度50%、回転数60rpm、ローターNo.2)により測定した。
また、表1、表2及び表3中の各成分の配合量の単位はgである。
【0040】
製造例1(単量体aの製造)
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、マグネシウム163g(6.7mol)とテトラヒドロフラン1940gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で2−エチルヘキシルクロリド1000g(6.7mol)を60〜75℃で4.5時間かけて滴下した。得られた反応液を75℃で3時間加熱撹拌し、2−エチルヘキシルマグネシウムクロリド溶液を収率98.5%で得た。この溶液に、トリクロロシラン273g(2.0mol)を40〜50℃で1.5時間かけて滴下した。その後、塩化銅(I)0.5g(0.0037mol)を加え、30〜40℃で5時間撹拌した。反応液に水500mLを滴下し、塩化マグネシウムを溶解した後、有機層を取り出した。有機層を120℃/1torrまで減圧濃縮して、738g(収率90%)のトリ(2−エチルヘキシル)シランを得た。
【0041】
次に温度計、撹拌装置を備えたフラスコに、トリ(2−エチルヘキシル)シラン602g(1.90mol)とトルエン1154gを仕込み、10〜15℃で2.5時間かけて塩素ガス135g(1.90mol)を吹き込んだ。反応液に窒素ガス10Lを吹き込み、溶存塩素と塩化水素を追い出した。その反応液を140℃/1torrまで減圧濃縮して、727g(収率95%)のトリ(2−エチルヘキシル)シリルクロリドを得た。
【0042】
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、トリ(2−エチルヘキシル)シリルクロリド300g(0.74mol)、トリエチルアミン85g(0.84mol)、安定剤(重合禁止剤)としてMEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.03g、及びヘキサン271gを仕込み、空気雰囲気下でメタクリル酸84g(0.98mol)、及びヘキサン14gを35〜45℃で1.5時間かけて滴下した。得られた反応液を40℃で3時間加熱撹拌した。反応液に水200mLを滴下し、有機層を取り出した。有機層を60℃/1torrまで減圧濃縮して、332g(収率99%)のメタクリル酸トリ(2−エチルヘキシル)シリル(MEHQ約100ppm含有)を得た。
【0043】
製造例2(単量体aの製造)
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、トリ(2−エチルヘキシル)シリルクロリド300g(0.74mol)、トリエチルアミン85g(0.84mol)、安定剤(重合禁止剤)としてBHT(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン)0.03g、及びヘキサン271gを仕込み、空気雰囲気下でアクリル酸75g(1.04mol)、及びヘキサン14gを35〜45℃で1.5時間かけて滴下した。得られた反応液を40℃で3時間加熱撹拌した。反応液に水200mLを滴下し、有機層を取り出した。有機層を60℃/1torrまで減圧濃縮して、323g(収率99%)のアクリル酸トリ(2−エチルヘキシル)シリル(BHT約100ppm含有)を得た。
【0044】
製造例3(単量体aの製造)
2−エチルヘキシルクロリドの代わりにn−オクチルクロリドを用いて、製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸トリ(n−オクチル)シリルを得た。
【0045】
製造例4(単量体aの製造)
2−エチルヘキシルクロリドの代わりにn−ドデシルクロリドを用いて、製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸トリ(n−ドデシル)シリルを得た。
【0046】
製造例5(単量体aの製造)
2−エチルヘキシルクロリドの代わりにn−オクタデシルクロリドを用いて、製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸トリ(n−オクタデシル)シリルを得た。
【0047】
製造例6(単量体aの製造)
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、マグネシウム114g(4.7mol)とテトラヒドロフラン1940gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で2−エチルヘキシルクロリド700g(4.7mol)を60〜75℃で3時間かけて滴下した。得られた反応液を75℃で3時間加熱撹拌し、2−エチルヘキシルマグネシウムクロリド溶液を収率98.5%で得た。この溶液に、メチルトリクロロシラン312g(2.1mol)を40〜50℃で1.5時間かけて滴下した。その後、塩化銅(I)0.5gを加え、30〜40℃で5時間撹拌した。反応液に水500mLを滴下し、塩化マグネシウムを溶解した後、有機層を取り出した。有機層を100℃/1torrまで減圧濃縮して、520g(収率92%)のジ(2−エチルヘキシル)メチルシランを得た。
【0048】
次に温度計、撹拌装置を備えたフラスコに、ジ(2−エチルヘキシル)メチルシラン514g(1.90mol)とトルエン1154gを仕込み、10〜15℃で2.5時間かけて塩素ガス135g(1.90mol)を吹き込んだ。反応液に窒素ガス10Lを吹き込み、溶存塩素と塩化水素を追い出した。その反応液を100℃/1torrまで減圧濃縮して、550g(収率95%)のジ(2−エチルヘキシル)メチルシリルクロリドを得た。
【0049】
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、ジ(2−エチルヘキシル)メチルシリルクロリド226g(0.74mol)、トリエチルアミン85g(0.84mol)、安定剤(重合禁止剤)としてHQ(ハイドロキノン)0.03g、及びヘキサン271gを仕込み、空気雰囲気下でメタクリル酸84g(0.98mol)、及びヘキサン14gを35〜45℃で1.5時間かけて滴下した。得られた反応液を40℃で3時間加熱撹拌した。反応液に水200mLを滴下し、有機層を取り出した。有機層を60℃/1torrまで減圧濃縮して、260g(収率99%)のメタクリル酸ジ(2−エチルヘキシル)メチルシリル(HQ約100ppm含有)を得た。
【0050】
比較製造例1
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、マグネシウム57g(2.4mol)とテトラヒドロフラン1940gを仕込み、窒素ガス雰囲気下でn−オクチルクロリド350g(2.4mol)を60〜75℃で1.5時間かけて滴下した。得られた反応液を75℃で3時間加熱撹拌し、n−オクチルマグネシウムクロリド溶液を収率98.5%で得た。この溶液に、ジメチルクロロシラン193g(2.0mol)を40〜50℃で1.5時間かけて滴下した。その後、塩化銅(I)0.5gを加え、30〜40℃で5時間撹拌した。反応液に水500mLを滴下し、塩化マグネシウムを溶解した後、有機層を取り出した。有機層を100℃/20torrまで減圧濃縮して、334g(収率95%)のジメチル(n−オクチル)シランを得た。
次に温度計、撹拌装置を備えたフラスコに、ジメチル(n−オクチル)シラン328g(1.90mol)とトルエン1154gを仕込み、10〜15℃で2.5時間かけて塩素ガス135g(1.90mol)を吹き込んだ。反応液に窒素ガス10Lを吹き込み、溶存塩素と塩化水素を追い出した。その反応液を100℃/20torrまで減圧濃縮して、373g(収率95%)のジメチル(n−オクチル)シリルクロリドを得た。
【0051】
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたフラスコに、ジメチル(n−オクチル)シリルクロリド153g(0.74mol)、トリエチルアミン85g(0.84mol)、安定剤(重合禁止剤)としてMEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.02g、及びヘキサン271gを仕込み、空気雰囲気下でメタクリル酸84g(0.98mol)、及びヘキサン14gを35〜45℃で1.5時間かけて滴下した。得られた反応液を40℃で3時間加熱撹拌した。反応液に水200mLを滴下し、有機層を取り出した。有機層を60℃/1torrまで減圧濃縮して、188g(収率99%)のメタクリル酸ジメチル(n−オクチル)シリル(MEHQ約100ppm含有)を得た。
【0052】
比較製造例2
n−オクチルクロリドの代わりにn−ドデシルクロリドを用いて、比較製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸ジメチル(n−ドデシル)シリルを得た。
【0053】
比較製造例3
n−オクチルクロリドの代わりにn−オクタデシルクロリドを用いて、比較製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸ジメチル(n−オクタデシル)シリルを得た。
【0054】
比較製造例4
2−エチルヘキシルクロリドの代わりにn−ヘキシルクロリドを用いて、製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸トリ(n−ヘキシル)シリルを得た。
【0055】
比較製造例5
2−エチルヘキシルクロリドの代わりにn−ブチルクロリドを用いて、製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸トリ(n−ブチル)シリルを得た。
【0056】
比較製造例6
2−エチルヘキシルクロリドの代わりにイソプロピルクロリドを用いて、製造例1と同様の操作で反応させたことにより、メタクリル酸トリイソプロピルシリルを得た。
【0057】
実施例1(共重合体溶液A−1の製造)
温度計、冷却器、撹拌装置及び滴下ロートを備えたステンレス製の反応槽に、キシレン195gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、85±5℃で攪拌しながら、メタクリル酸トリ(2−エチルヘキシル)シリル200g、メタクリル酸メチル150g、メタクリル酸2−メトキシエチル110g、アクリル酸n−ブチル40g、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート5g(初期添加)の混合液を2時間かけて滴下した。その後同温度で1時間攪拌を行った後、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート1g(後添加)を1時間毎に3回添加して重合反応を完結した後、キシレン305gを添加し溶解させることにより、共重合体溶液A−1を得た。
A−1の粘度、加熱残分、Mwを表1に示す。
【0058】
実施例2〜10及び比較例1〜7(共重合体溶液A−2〜10、B−1〜7の製造)
表1〜表2に示す単量体、重合開始剤及び溶剤を用いて、各反応温度条件下、実施例1と同様の操作で重合反応を行うことにより、共重合体溶液A−2〜10、B−1〜7を得た。
【0059】
試験例1(共重合体の乾燥膜の耐水性試験)
実施例1〜10及び比較例1〜7で得られた共重合体(A−1〜10、B−1〜7)の乾燥膜の試験片を35℃の天然海水中に6ヶ月間、浸漬した後、塗膜の状態を肉眼観察により確認した。
塗膜に変化がないものを◎、曇化したものを○、白化したものを△、膨潤したものを×とした。
結果を表1〜表2に示す。
表1〜表2から、本発明の実施例1〜10で得られた共重合体(A−1〜10)、ならびに比較例7で得られた共重合体(B−7)を用いて形成された乾燥膜は、耐水性に優れていることがわかる。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
製造例7(水添ロジン亜鉛塩のキシレン溶液の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1Lのフラスコに、ハイペールCH(水添ロジン:荒川化学(株)製)240gとキシレン240gをフラスコに入れ、更に、前記水添ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間還流脱水した。その後、冷却しろ過を行うことにより、水添ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明溶液、固形分約60%)を得た。
【0063】
製造例8(ガムロジン亜鉛塩のキシレン溶液の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1Lのフラスコに、ガムロジン240gとキシレン240gを入れ、更に、前記ガムロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間還流脱水した。その後、冷却し濾過を行うことにより、ガムロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明溶液、固形分約60%)を得た。
【0064】
実施例11〜21及び比較例8〜14(塗料組成物の製造)
表3に示す成分を表3に示す割合(質量%)で配合し、直径1.5〜2.5mmのガラスビーズと混合分散することにより塗料組成物を製造した。
【0065】
【表3】
【0066】
商品名「NC−301」:亜酸化銅(日清ケムコ(株)製)、平均粒径3μm
商品名「カッパーオマジン」:銅ピリチオン(アーチケミカル(株)製)
商品名「ジンクオマジン」:亜鉛ピリチオン(アーチケミカル(株)製)
商品名「シーナイン211」:4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(ローム&ハース社)固形分30質量%
商品名「TODA COLOR EP−13D」:ベンガラ(戸田ピグメント(株)製)
商品名「クラウンタルク3S」:タルク(松村産業(株)製)
商品名「酸化亜鉛2種」:酸化亜鉛(正同化学(株)製)
商品名「FR−41」:酸化チタン(古河機械金属(株)製)
商品名「スカーレットTR」:赤色有機顔料(山陽色素(株)製)
テトラエトキシシラン:キシダ化学(株)製、特級試薬
商品名「ディスパロンA603−20X」:脂肪酸アマイド系揺変剤(楠本化成(株)製)
キシレン:1級試薬(キシダ化学(株)製)
【0067】
試験例2(耐屈曲性試験)
実施例11〜21及び比較例8〜14で得られた塗料組成物を、ブラスト仕上げをしたブリキ板(75×150×2mm)に、乾燥塗膜としての厚みが約100μmとなるよう塗布し40℃で1日間乾燥させた後、90度に折り曲げ塗膜の状態を肉眼観察により確認した。
評価は以下の方法で行った。
◎:殆どクラックが生じなかったもの
○:微細なクラックが生じたもの
△:大きなクラックが生じたもの
×:塗膜の一部が容易に剥離したもの
結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】
表4から、本発明の塗料組成物(実施例11〜21)を用いて形成された塗膜は、可塑性に優れ、柔軟性が高く、ほとんどクラックが生じないことがわかる。その効果により、クラックを生じずに長期間防汚性能を維持することができる。
一方、比較例8〜14の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、柔軟性が低く、塗膜にクラックやハガレが見られた。すなわち長期間、防汚性能を発揮できない。
【0070】
試験例3(ロータリー試験)
水槽の中央に直径515mm及び高さ440mmの回転ドラムを取付け、これをモーターで回転できるようにした。また、海水の温度を一定に保つための冷却装置、及び海水のpHを一定に保つためのpH自動コントローラーを取付けた。
試験板を下記の方法に従って2つ作製した。
まず、チタン板(71×100×0.5mm)上に、防錆塗料(エポキシビニル系A/C)を乾燥後の厚みが約100μmとなるよう塗布し乾燥させることにより防錆塗膜を形成した。その後、実施例11〜21及び比較例8〜14で得られた塗料組成物を、それぞれ前記防錆塗膜の上に、乾燥後の厚みが約300μmとなるよう塗布した。得られた塗布物を40℃で3日間乾燥させることにより、厚みが約300μmの乾燥塗膜を有する試験板を作製した。
作製した試験板のうちの一枚を上記装置の回転装置の回転ドラムに海水と接触するように固定して、20ノットの速度で回転ドラムを回転させた。その間、海水の温度を25℃、pHを8.0〜8.2に保ち、一週間毎に海水を入れ換えた。
各試験板の初期と試験開始後3ヶ月毎の残存膜厚を(株)キーエンス製の形状測定レーザーマイクロスコープVK−X100で測定し、その差から溶解した塗膜厚を計算することにより1ヶ月あたりの塗膜溶解量(μm/月)を得た。なお、前記測定は24ヶ月間行われ、前記塗膜溶解量を12ヶ月経過ごとに算出した。
また、ロータリー試験終了後(24ヶ月後)の試験板を乾燥後、各塗膜表面を肉眼観察し、塗膜の状態を評価した。
評価は以下の方法で行った。
◎:全く異常のない場合
○:僅かにヘアークラックが見られるもの
△:塗膜全面にヘアークラックが見られるもの
×:クラック、ブリスター又はハガレなどの塗膜に異常が見られるもの
【0071】
結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
表5から、本発明の塗料組成物(実施例11〜21)と比較例14の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、海水中での溶解量が、1ヶ月当たり1〜5μm程度(年平均)であることがわかる。更に、本発明の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、可塑性と耐水性に優れクラックやヘアークラック等を生じないため、長期間防汚性能を維持することができる。
一方、比較例8〜13の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、長期間経過するとクラックやハガレなどの塗膜に異常が見られる。すなわち長期間、防汚性能を発揮できない。
【0074】
試験例4(防汚試験)
実施例11〜21及び比較例8〜14で得られた塗料組成物を、硬質塩ビ板(100×200×2mm)の両面に乾燥塗膜としての厚みが約200μmとなるよう塗布した。得られた塗布物を室温(25℃)で3日間乾燥させることにより、厚みが約200μmの乾燥塗膜を有する試験板を作製した。この試験板を三重県尾鷲市の海面下1.5mに浸漬して付着物による試験板の汚損を24ヶ月観察した。
評価は、塗膜表面の状態を目視観察することにより行い、以下の基準で判断した。
◎:貝類や藻類などの汚損生物の付着がなく、かつ、スライムも殆どなし。
○:貝類や藻類などの汚損生物の付着がなく、かつ、スライムが薄く(塗膜面が見える程度)付着しているものの刷毛で軽く拭いて取れるレベル。
△:貝類や藻類などの汚損生物の付着はないが、塗膜面が見えない程スライムが厚く付着しており、刷毛で強く拭いても取れないレベル。
×:貝類や藻類などの汚損生物が付着しているレベル。
【0075】
結果を表6に示す。
【0076】
【表6】
【0077】
表6から、本発明の塗料組成物(実施例11〜21)と比較例14の塗料組成物を用いて形成された塗膜には、貝類や藻類などの汚損生物の付着がなく、かつスライムの付着も殆どないことがわかる。
一方、比較例8〜13の塗料組成物を用いて形成された塗膜には、24ヶ月間浸漬後、スライムや貝類や藻類などの汚損生物が付着していることがわかる。
【0078】
試験例5(塗膜の線粗さ)
試験例3で用意した実施例11〜21及び比較例8〜14で得られた塗料組成物の乾燥塗膜表面の線粗さを、(株)キーエンス製の形状測定レーザーマイクロスコープVK−X100を用いて計測し、JIS B0601:2001で規定される十点平均粗さR
ZJIS及び算術平均粗さRaを算出した。R
ZJIS及びRaの算出する際の、λsは25μm、λcは8mm、基準長さは8mmとした。
【0079】
結果を表7〜表8に示す。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
表7〜表8から、本発明の塗料組成物(実施例11〜21)を用いて形成された塗膜は、R
ZJISが49〜64μmで、Raが34〜52μmであるのに対し、比較例8〜14の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、R
ZJISが85〜105μmで、Raが62〜80μmである。それらの値から、本発明の塗料組成物(実施例11〜21)の方が、塗膜表面が平滑であることがわかる。