(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、枕の取り付けが面倒で、枕取付後もゴム紐が枕の外側に出る。即ち、ゴム紐が枕の後頭部に当たる箇所に出る。ゴム紐が後頭部に当たる他、ゴム紐が目立つ。外観がよくない。又、ゴム紐や面ファスナーとゴム紐をつなぎ合わせた円形状本体が長くて、かさばり旅行用に携帯するのは不便である。
【0006】
枕の後頭部に当たる箇所に、ゴム紐があるのは、後頭部にゴム紐が当たり、不快である。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、これらの問題点を解決し、取り付けが簡単で、小さくて携帯に便利な枕取付具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、座席の背もたれ部上部に枕取付具により、簡単に枕を取り付けることを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る枕取付具1は、
枕2の短辺に平行な中心線に対して、鋭角となるような方向に設けた針13を用いた
、織物、編物張りの背もたれ31に対する座席取付手段と挟み付け器11又は
枕2の短辺に平行な中心線に対して、鋭角となるような方向に設けた針13からなる枕装着手段とを結合した、
軽い枕2用のものである。
【0010】
枕取付具1とは、枕2を座席3の背もたれ31の上部に取り付ける働きをするものである。枕2は、クッション等後頭部に当てる柔らかいものを含む。
【0011】
座席取付手段とは、座席3に更に詳しくは、座席3の背もたれ31の上部に枕取付具1を取り付ける手段である。取り付けるとは、固定する、引っ付ける、離れない状態にすることをいう。
【0012】
枕装着手段とは、枕2に枕取付具1を装着する手段である。装着するとは、離れない状態にすることで、意味は取り付けると同じである。対象が枕2である場合は、座席3と区別するため装着するとした。
【0013】
枕取付具1は、座席取付手段と枕装着手段とを直接結合したものである。
【0014】
座席取付手段について説明する。座席3の背もたれ31の材料は、針13を差し込んでも針13の跡が残らない織物、編物の類と針13を差し込むと針13の跡が残る皮革、合成皮革、ビニールレザーの類とに大別される。
【0015】
座席3の背もたれ31の材料が針13を差し込んでも跡が残らない織物、編物の類の場合は、座席3への取付手段として針13を用いる。
【0016】
針13は、先端が尖っていて、物を突き刺したり、突き通したり、差し込んだりするもので、座席3の背もたれ31や枕2の布地に差し込んで、枕取付具1を取り付けたり、装着したりする。形状は、真っ直ぐでも、曲がっていても、折れ曲っていてもよい。実施例の中では、直線状のもの、Jの字形に一部曲線状を含むもの、V字形に折れ曲がったもの(Vの片方は短い)、L字形に折れ曲がったもの(片方は短い)の例をあげている。針13の
材質は、金属とは限らない。枕2は軽いものであり、針13は1本で十分枕2を支える働きをする。針13は、短くてもよい。勿論、針13は、複数個用いてもよい。形の異なるものを混ぜて使ってもよい。
【0017】
座席3の背もたれ31の材料が針13の跡が残る皮革、合成皮革、ビニールレザーの類の場合は、針13が使えないので、座席3上部に付けてある雄(フック状)の面ファスナー32に枕取付具1を取り付けるため、雌(ループ状)の面ファスナー141を用いる。航空機、新幹線等の座席3上部には、通常枕カバー(座席3の上部に付けてある、後頭部に接する布・不織布等のことをいう)取付用の雄の面ファスナー32が取り付けてあるので、これを利用する。
【0018】
紐14の先に付けた雌の面ファスナー141とは、座席3の上部にある枕カバー取付用の雄の面ファスナー32に取り付けるためのもので、紐14と雌の面ファスナー141とで構成されている。紐14により雌の面ファスナー141と枕装着手段とを結合する。
【0019】
紐14の先に付けた吸盤146は、ローカル線の車両等の座席で、座席3の背もたれ31が針13の差した跡が残る材質で、座席3の上部に面ファスナー32が付いてない場合に用いるものである。例えば、ローカル線の車両等で座席の左右、上部の三方を枠で囲むような座席がある。このような座席3の上部に平らで、平滑な箇所があれば、吸盤146が適用できる。紐14により吸盤146と枕装着手段とを結合する。
【0020】
紐14の先に付けた粘着剤147は、上記吸盤146を適用できる箇所と同じようなところに適用する。平滑性は、多少劣ってもよい。粘着力が低下してきたら、市販の両面粘着テープを貼り直して適用する。粘着面には、使用しないときには、防着材例えば、剥離紙のようなものを貼り付けて保護しておく。紐14により粘着剤147と枕装着手段とを結合する。
【0021】
次に、枕装着手段について説明する。挟み付け器11とは、挟み付けることによって物をつかむものである。例えば、クリップのようなものである。クリップとは、紙等を挟み付ける文具等のことをいい、バネにより挟むものの他、例えば帽子が飛ぶのを防止するもののような、バネによらないものでもよい。いろいろな形状のものがあるが、
図1の(B)のような形をしたプラスチック製のクリップも市販されている。挟み付けることによって、枕取付具1を枕2に装着する。挟み付けることによって物をつかむものであれば、形状はどのようなものでもよい。
【0022】
針13は、前記座席取付手段の所で説明したものと同じである。
【0023】
径が可変のループ状のベルト12若しくは紐14について説明する。ループ状とは、輪状、環状のことで、Oの字形につながった形をいう。ベルト12若しくは紐14とは、ベルト12或いは紐14のことで、「若しくは」は「又は」よりも下位の選択をいう。ベルト12の幅は、狭くても、広くてもよい。ゴムベルトの場合は、紐のようなものでもよい。径は、ループを円としたときの直径の意味で、ループ状のベルト12若しくは紐14(枕2に巻き付けたもののみ)の長さと言い換えることもできる。可変とは変えられることで、枕2の大きさに応じて変えることができるということである。面ファスナー121の場合は、雄雌の面ファスナーの止める位置によりベルト12の長さの調整ができる。枕2の大小は、極端な大小はないので、調整の幅は、極端に大きくはない。伸縮可能なベルト12とは、ゴム紐状、ゴムバンド状のベルト12のことで、伸縮性により枕2の大小に応じて長さを変える。紐14(枕2に巻き付けたもののみ)の場合は、投げ縄式の輪が枕2の大きさに応じて変わる。
【0024】
請求項2に係る枕取付具1は、固形物でできた本体10に、
枕2の短辺方向の中心線に対して、鋭角となるような方向に設けた針13を用いた
、織物、編物張りの座席取付手段と挟み付け器11又は
枕2の短辺に平行な中心線に対して、鋭角となるような方向に設けた針13からなる枕装着手段とを結合した、
軽い枕2用のものである。
【0025】
請求項1に係る枕取付具1が、座席取付手段と枕装着手段とを直接結合したものであるのに対して、請求項2に係る枕取付具は、固形物でできた本体10を介して、座席取付手段と枕装着手段とを結合したものである。
【0026】
固形物でできた本体10の固形物とは、一定の形体を有するものであり、形状・大小は問わない。充実体の他、発泡体でもよいし、ゴムのように伸び縮みしたり柔軟なものでもよい。強度は、枕2の荷重に耐えればよい。基本的には、座席取付手段と枕装着手段との間をつなぐものであればよい。
【0027】
請求項1に係る枕取付具1の座席取付手段及び枕装着手段と請求項2に係る枕取付具1の座席取付手段及び枕装着手段とは、同じものである。請求項1に係る枕取付具1と請求項2に係る枕取付具1との違いは、本体10の有る無しだけである。従って、座席取付手段及び枕装着手段の説明は、省略する。座席取付手段の紐14は、請求項1に係る枕取付具1の場合は、枕装着手段と結合するのに対し、請求項2に係る枕取付具1の場合は、本体10を介して、枕装着手段と結合する。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明は、枕2を簡単に座席3の背もたれ31の上部に取り付けることができるという効果がある。
【0029】
請求項2の発明は、枕2を簡単に座席3の背もたれ31の上部に取り付けることができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
取り付けが簡単で、携帯に便利な枕取付具を提供するという目的を座席取付手段と枕装着手段とを結合した枕取付具により実現した。以下、発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例1から実施例3は座席取付手段が針状物であるもの、実施例4は枕装着手段がベルトと面ファスナー等であるもの、実施例5は座席取付手段が紐と面ファスナー等であるものである。
【実施例1】
【0032】
実施例1の枕取付具を
図1に基づいて説明する。実施例1の枕取付具1は、座席取付手段に針13を用いたものである。
図1の(A)は、枕取付具1を用いて、枕2を座席3の背もたれ31の上部に取り付け、取り付けられた枕2に頭4の後頭部が当たっているところを示す側面図である。(B)は、挟み付け器としてクリップ11に座席取付手段の針13を設けた枕取付具1を示す斜視図である。(C)は枕2の両側面部に(B)に示した枕取付具1を取り付けた状態を示す斜視図である。(D)は、座席3の背もたれ31上部に(C)に示した枕2を取り付けた状態を示す側面図である。((A)の一部を詳細に示したものである。)(E)は、バネ112をプラスチックの弾性に求めた枕取付具1の平面図である。H字形の水平部分に相当する、2枚の板状物の結合部112の弾性をバネにしている。使い方は、(A)のものと同じである。
【0033】
図1の(A)は、枕取付具1の使用状態を示す概略図である。(B)に示すものは、クリップ11の挟み部111を用いて(C)に示すように、枕2の両側面部を挟み、枕取付具1の針13を背もたれ31に差し込んで、取り付ける枕取付具である。針13は、L字形に折れ曲がった形(片方は短い)をしたものである。バネ112によって、クリップ11は挟む力を与えられている。螺旋形のバネ112の先は、図面でL字形に見える部分で、クリップ11を押さえて挟む力になっている。つまみ113を押さえると、挟み部111が開く。挟み部111で枕2の側面部や上部の端部を挟む(実施例1の場合は、両側面部)。針13を突き差すので、背もたれ31が織物・編物のように、突き差した針13を抜いた跡が残らない材料でできた座席3に適用が限られる。
【0034】
従って、枕2は、背もたれ31に取り付けられ、落下しない。枕取付具1は、枕2の両側面部に取り付けられているので、枕2の後頭部に当たる部分には何もないし、枕2は安定している。なお、座席3の背もたれ31の上部には、枕カバーが通常取り付けてあるが、この枕カバーの上から針13を差し込んでもよい。なお、針13の向きを90度変えて、針先を挟み部111側に向けると、枕2の中央部の端部を挟んで、座席3に取り付けることができる。枕取付具1が1個でよい。実施例1に示した枕取付具1は、基本的なもので、小型で携帯に便利という効果がある。
【実施例2】
【0035】
実施例2の枕取付具1を
図2に基づいて説明する。実施例2のものは、座席取付手段と枕装着手段とが共に針13である枕取付具である。
図2の(A)は、枕取付具1の使用状態を示側面図である。(B)は、針13が両方とも収納時には格納できる枕取付具1を示す側面図である。(C)は、(B)の針13が格納できる状態を示す部分断面図である。
【0036】
図2の(A)は、本体10の両面に針13を取り付けている。針13は、両方共L字形に折り曲げたものである。針13の一方を枕2に差し込んで、枕2に装着し、もう一方の針13を座席3の背もたれ31に差し込んで座3に取り付ける。なお、針13は、対称的に取り付けてあるので、本体10の向きは、どちらでも同じである。枕2の荷重は、針13を差し込んだ逆方向に掛かり、座席3の背もたれ31に差し込んだ針13にかかる荷重は、針13を差し込んだ方向に掛かるので、枕2は落ちない。針13が露出する問題点の対策は、ケースに入れる。(後記)
【0037】
(B)は、(A)のものの針13を、両方ともV字形にして(真っ直ぐにして)、収納時には格納できるように、格納用の凹部と針13を止める針止め片132とを設けたものである。使い方は、(A)のものと同じである。使用時には、針13を出し、収納時には、針13を凹部に入れ、針止め片132に掛ける。((C)に示す。)
【0038】
(C)は、(B)の格納部の詳細を示すものである。針13の実線は使用時の状態を示し、点線は格納時の状態を示す。針13は、弾性により、放せば実線状になり、押えれば点線状になる。拡大円内は、針13が針止め片132に掛かった格納状態を示す。
【0039】
実施例2の枕取付具1は、構造が簡単で安全で低価格で製造できる効果がある。
【実施例3】
【0040】
実施例3の枕取付具1を
図3に基づいて説明する。実施例3のものは、クリップ型の挟み付け器11に針13を付けた枕取付具1に、保護ケース15を設けたものである。保管時等に針先による事故にならないように、保護ケース15を被せる。枕取付具1の使用方法は、実施例1のものと同じである。
【0041】
図3の(A)は、挟み付け器のクリップ11に針13として安全ピン131の針13を設けたものを示す斜視図である。使用時には、安全ピンの針13を図の点線のように外した状態にする。保管時には、安全ピンは、針13を図の実線のように、閉じておく。図面では、バネ112は省略している。
【0042】
(B)に示すものは、保管時には、別体の箱型の保護ケース15を被せるものを示す側面図である。図の点線が保管時の状態を示す。保護ケースに入れる枕取付具1は、針13の付いたものであれば、どのようなものでもよい。針13は、ケース15側に来るようにする。
【0043】
(C)に示すものは、箱型の保護ケース15がヒンジ151によって取り付けてあり、開閉可能にしたものである。使用時には、実線の状態に開き、保管時には、点線の状態に閉じるものを示す側面図である。(保管時には蓋をした状態にする。)
【0044】
(D)に示すものは、保管時には、深い箱状の保護ケース15を被せるものを示す斜視図である。保管時には、丁度本のケースを被せるように、保護ケース15を被せる。
【0045】
(E)は、枕取付具1を2個重ねて、ケース15に入れるものを示す斜視図である。枕取付具1は、互いに針13が内側になるようにして重ねる。
【0046】
(F)は、針13付きの枕取付具1を、針13を内側にして2個重ねて、両端に押え片152をはめるものを示す側面図である。押え片152は、細長い、側面がコの字を伸ばした形の保護具である。
【0047】
(G)は、(F)を発展させたもので、(F)の押え片152の一端をヒンジ状で、一方の枕取付具1の両端に結合したものを示す側面図である。保管時(収納時)には、針13のある面が互いに接するように重ねて、ヒンジ151を支点にして、押え片152を動かせて、押え片152の付いてない方の枕取付具1を固定する。使用時には、押え片152を外して、枕取付具1を別々にする。
【0048】
(H)は、本体10の一端に、先端がU字形に分れ、両方の先に山形のふくらみをもった突起153を設け、他端にこの突起153に対応した凹部154を設けた枕取付具1を示す側面図である。拡大円内は、突起153の詳細を示す。保管時には、針13を内側にして、2個の本体10を重ね合わせると、突起153と凹部154とが互いにかみ合って、2個の本体10は固定される。なお、突起153が出ていても、小さなものであり、座席取付時には、背もたれ31に食い込むので、問題はない。なお、針13を内側にして、2個の枕取付具1を重ね合わせて固定するのは、他の方法でもよい。
【0049】
(I)は、本体10の両面に針13を設けた枕取付具1を横に2個並べて、保管時には、箱型の保護ケース15に入れるものを示す平面図である。針13の点線分は、裏面側にあるものを表す。
【0050】
実施例3に示した枕取付具1は、実施例1のものに比べて、保護ケース15付きであるので、安全性が増すという効果がある。
【実施例4】
【0051】
実施例4の枕取付具1を
図4に基づいて説明する。実施例4のものは、実施例1、実施例2及び実施例3で説明したもの以外のもので、座席取付手段が針13である枕取付具1である。
【0052】
図4の(A)に示すものは、枕装着手段がベルト12と面ファスナー121とであり、座席取付手段が針13である枕取付具1を座席3に取り付けたところを示す側面図である。枕2をベルト12で巻き付け、面ファスナー121で止めて、枕2に枕取付具1を装着する。下向きの針13を座席3の背もたれ31に差し込んで、枕2を背もたれ31に取り付ける。通常、枕2の両側面部にこの枕取付具1を装着する。両側面部に取り付けられることにより、枕2が安定する。なお、この枕取付具1を枕2の中央部に装着して、座席3の背面31に取り付けることもできる。ベルト12の幅は、広いものではないので、後頭部に当たる位置にあっても邪魔にはならない。幅が狭い場合は、なおさらである。
【0053】
(B)に示す枕取付具1は、(A)のものに保護ケース15を設けたものの斜視図である。針13は、L字形に折れ曲がったものを使用している。保護ケース15は、上下に動くので、保管時には針13を隠す位置に移動させ、使用時には針13を出す位置に移動させる。保護ケース15は、Oの字形を押しつぶした形で、全周つながった形である。使い方は、(A)のものと同じである。
【0054】
(C)は、伸縮可能なベルト12(ゴム紐状又はゴムバンド状)をリング状に本体10に付けて、針13を本体10に設けた枕取付具1に、保護ケース15を付けものを示す斜視図である。針13は、逆Jの字形のものを使用している。保護ケース15は、Cの字形を伸ばした形のもので、針13をカバーする反対側は、つながっていない、拡大円内は、保護具15の形状を示す斜視図である。使い方は、枕2の両側面部にリング状のベルト12をはめて、(A)と同様に背もたれ31に取り付ける。枕2の中央部に1個を装着してもよい。
【0055】
実施例4に示した枕取付具1は、構造が簡単であり、帯状のもので枕2を巻き付けて装着する。枕2の表面材料が高級品等の理由により、枕装着手段として、針状物が適用できない場合でも使用できるという効果がある。
【実施例5】
【0056】
実施例5の枕取付具1を
図5に基づいて説明する。実施例5の枕取付具1は、座席取付手段が紐14と面ファスナー141等とで構成されたものである。紐14は、細いものでもよい。太くてもよい。枕2は軽いので、強度は要らない。細い方がかさばらなくてよい。紐14は、糸を含む。幅のあるベルト状のものでもよい。座席3の背もたれ31が皮革、合成皮革、ビニールレザー等の針13を差し込むとその跡が残るものには、座席取付手段が針13である枕取付具1は、適用できない。旅客機、新幹線等の座席3の上部には、通常、枕カバー取付用にフック状の雄の面ファスナー32が取り付けてあるので、これを利用するものである。
【0057】
図5の(A)は、クリップ11に紐14を付け、その先にループ状の雌の面ファスナー141を付けた枕取付具1を枕2の両側面部に装着し、座席3の上部にある雄の面ファスナー32に、枕取付具1の雌の面ファスナー141を付けた状態を示す側面図である。又は、枕取付具1を1個使用し、クリップ11で枕2の中央上部を挟んで装着し、後は、(A)と同様にして、座席3の上部にある雄の面ファスナー32に、枕取付具の面ファスナー141を付けてもよい(図面省略)。枕2の上部中央に1個だけ装着しているので、枕2の安定性は劣るが、後頭部で押さえているので、枕2は動かないし、頭4を外したときも枕2が大きく傾くことはない。枕取付具1が1個で済む効果がある。枕取付具1を2個用いた場合は、安定性が増す。
【0058】
(B)は、紐14に枕装着手段の針13を付け、紐14の先に雌の面ファスナー141を付けた枕取付具で、枕2に針13を差し込んで装着し、座席3の上部にある雄の面ファスナー32に、雌の面ファスナー141を付けた状態を示す側面図である。枕2の両側面部に2個の枕取付具を装着してもよいし、枕2の上部中央に1個の枕取付具を装着してもよい。枕取付具の針13を付ける部分に本体を設けてもよい。枕装着手段の針13に直接座席取付手段の紐14と雌の面ファスナー141とを結合した枕取付具の1例を示すものである。
【0059】
(C)は、(B)に示す枕取付具1の針13の上方に、保管時針13に被せる保護ケース15を備えた枕取付具の側面図である。針13は、V字型(Vの片方が長い形)に折れ曲がったものを使用している。使用方法は、枕2に針13を差し込み、座席3の上部にある雄の面ファスナー32に雌の面ファスナー141を取り付ける。枕装着手段に直接座席取付手段を結合したものの1例である。
【0060】
(D)は、枕装着手段がベルト12と面ファスナー121とであり、ベルト12に紐14を付け、その先に雌の面ファスナー141を付けて、座席取付手段とした枕取付具である。枕2の両端にベルト12を巻き付けて、ベルト12両端の面ファスナー121同士を付けて枕取付具を装着し、紐14の先の雌の面ファスナー141を座席3の上部にある雄の面ファスナー32に付けて、枕2を座席3に取り付けたところを示す側面図である。枕2の位置を調整するため、紐14には、長さ調整器(図示せず、後記)を付けた方がよい。これも枕装着手段に直接座席取付手段を結合したものの1例である。
【0061】
(E)は、枕装着手段が伸縮可能なベルト12(ゴム紐状、ゴムベルト状)をループ状にしたものに紐14を付け、その先に雌の面ファスナー141を付けた枕取付具である。図は、枕2にループ状の伸縮可能なベルト12をはめて装着し、座席3の上部にある雄の面ファスナー32に、枕取付具から紐14を介して設けた雌の面ファスナー141を付けて、枕2を取り付けた状態を示す側面図である。枕2の両側面部に2個の枕取付を装着してもよいし、枕2の中央に1個の枕取付具を装着してもよい。中央に1個の枕取付具を装着した場合は、枕2の中央にベルト12があるが、ベルト12の幅は狭いし、軟らかいので、後頭部(図示せず)に当たっても問題はない。これも枕装着手段に直接座席取付手段を結合したものの1例である。
【0062】
(F)は、枕装着手段が径が可変のループ状の紐14であり、座席取付手段が紐14と雌の面ファスナー141とである枕取付具を示す側面図である。径が可変のループ状の紐14とは、投げ縄のように、先端に小さな輪145を付けた紐14の他端をこの小さな輪145の中に通し、この他端に雌の面ファスナー141を付けたものである。図に示すように投げ縄の輪の中に枕2を入れる。紐14の他端を引くことにより、投げ縄の輪は、小さくなり枕2を装着する。枕2の両側面部に装着してもよいし、中央に1本装着してもよい。構造が簡単で、軽量で小さくできる効果がある。枕2の位置を調整するため、紐14には、長さ調整器(図示せず)を付けた方がよい。これも枕装着手段に直接座席取付手段を結合したものの1例である。
【0063】
(G)は、座席取付手段が紐14と吸盤146とである枕取付具を示す側面図である。列車等によくある座席3の上部に平滑な板状物がある場合に適用できるものである。平滑な板状物に吸盤146を取り付ける。枕装着手段(図示せず)は、いろいろなものが適用できる。これも枕装着手段に直接座席取付手段を結合したものの1例である。
【0064】
(H)は、座席取付手段が紐14と粘着剤147とである枕取付具を示す側面図である。列車等によくある座席3の上部に平滑な板状物がある場合に適用できるものである。平滑な板状物に粘着剤147で取り付ける。平滑度が多少劣っていても適用できる。粘着剤147の粘着力が低下してきた場合は、新しい両面粘着テープを貼り付ける。粘着剤147の表面には、不使用時には、防着材例えば剥離紙を貼り付けておく。枕装着手段(図示せず)は、いろいろなものが適用できる。これも枕装着手段に直接座席取付手段を結合したものの1例である。
【0065】
(I)は、紐14の長さ調整器143を示す斜視図である。長さ調整器143は、紐14がやっと通る大きさの孔144を2個有し、この孔144に紐14を図のように、一方の穴144に通した後、他方の穴144に逆向きに通す。U字形に形成された紐14の長さを変えることにより、紐14の長さを調整する。長さ調整器143は、他の形式のものでもよい。
【0066】
(J)は、座席取付補助具を示す側面図である。座席取付手段が針13の場合、座席3の背もたれ31が皮革、合成皮革、ビニールレザーのように針13を差し込むと針13の跡が付くような材料の場合には、適用できない。このような場合に使う補助具で、紐14の一端に雌の面ファスナー141を付け、他端に補助片142を付ける。補助片142は、布等の布帛、不織布、フェルト、皮革・ビニールレザー類、ゴム・軟質プラスチックシート等の針13が差し込めるものがよい。枕取付具の針13を差し込んだり、クリップ11で挟んだりして取り付ける。座席取付補助具は、長さ調整器の働きもする。枕2の位置が丁度よいところで、補助片142に枕取付具を取り付ければよい。
【0067】
(K)は、他の座席取付補助具を示す平面図である。帯状の補助片142の一端に雌の面ファスナー141を付けた座席取付補助具を示す。補助片142の材質は、(J)と同様、針13が差し込めるものがよい。枕取付具の針13を差し込んだり、クリップ11で挟んだりして取り付ける。長さ調整器の働きもするのは、(J)と同じである。
【0068】
実施例5に示した枕取付具1は、座席取付手段が紐14と雌の面ファスナー141、吸盤146又は粘着剤147とで構成されているので、座席3の背もたれ31の材料が皮革、合成皮革、ビニールレザーのような針13を差し込んだ跡が付くため、座席取付手段として針状物が使用できない場合に使用できるという効果がある。又、長さ調整器143及び座席取付補助具は、枕取付具1の位置を調整するという効果がある。