【実施例】
【0048】
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部及び%はそれぞれ質量部、質量%を示す。
【0049】
[製造例1]
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kgf/cm
2で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルのガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状のものであり、平均組成が[(CH
3)
2SiO
2/2]/[(C
6H
5)SiO
3/2]=100/0.1(モル比)で表される末端が水酸基封鎖されたものであった。このようにして(A)成分を44.4%含有するエマルジョン組成物[A−1]を得た。
【0050】
[製造例2]
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kgf/cm
2で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルのガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.5%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンはHO−[(CH
3)
2SiO]
n−Hで表され、粘度1,000Pa・s以上の生ゴム状のものであった。このようにして(A)成分を44.5%含有するエマルジョン組成物[A−2]を得た。
【0051】
[製造例3]
マレイン酸無水物154gをエタノール500gに溶解した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温下、1時間で滴下し、更に80℃でエタノール還流下、24時間反応を行い、淡黄色透明な(B)成分を50%含有する溶液[B−1]を得た。この溶液は、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1%であり、溶液中の反応生成物はIR、GC、NMR、GCMS等の機器分析を行ったところ、約60%が下記式で示されるものの混合物であり、残りの約40%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(C
2H
5O)
3SiC
3H
6−NHCO−CH=CHCOOH
(C
2H
5O)
3SiC
3H
6−NH
3+ -OCOCH=CHCOOC
2H
5
【0052】
[製造例4]
ジオクチルスズジラウレート300gとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO10モル付加物)50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合した後、水650gを徐々に加えて水中に乳化分散させ、次いで、圧力300kgf/cm
2で高圧ホモジナイザーに2回通し、(E)成分を30%含有するエマルジョン[E−1]を得た。
【0053】
[製造比較例1]
温度計、撹拌装置、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応容器に反応型乳化剤(アデカリアソープSE−10N、旭電化工業(株)製)2.0gと水342.1gを加え、温度を75℃に昇温した。一方、水244.5gに、反応型乳化剤(アデカリアソープSE−10N)2.0gを加えて溶解し、これにアクリル酸2−エチルヘキシル230g、スチレン230g、グリシジルメタクリレート19g及びメタクリル酸12.5gの不飽和モノマー混合物を添加撹拌し、よく乳化してからこれを滴下ロートに入れた。次に、このモノマー混合物の5%を反応容器に移し、重合開始剤として0.5gの過硫酸カリウムを加えて80℃に昇温してから10分保持した後、残りのモノマー混合物の乳化物と3%の過硫酸カリウム水溶液50.0gとを3時間かけて反応容器に均一滴下した。滴下終了後、80℃で1時間熟成反応を行った。次いで、室温に冷却し、アンモニア水3.5gを加えて中和し、固形分濃度が45%のエマルジョン組成物[A−3]を得た。
【0054】
表1で示す純分配合組成で、(C)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[C−1]、(D)成分としてコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックスC:有効成分20%、平均粒子径10〜20nm)[D−1]を用いて各シリコーンエマルジョン組成物を得た。
【0055】
【表1】
【0056】
<試験片作製>
[実施例1〜5]シリコーンエマルジョン+ホウ酸塩→酢酸亜鉛
U.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で6%水溶液とした。また、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物を有効成分が11.2%となるようにイオン交換水で希釈した。ホウ酸塩化合物6%水溶液100部とシリコーンエマルジョン組成物(有効成分11.2%)100部の混合液に、1.4cm×3cm×3cm(木口面が1.4cm×3cm)の杉辺材3個と2cm×2cm×1cm(木口面が2cm×2cm)の杉辺材9個を−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%酢酸亜鉛水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生し、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。1.4cm×3cm×3cmの杉辺材3個は吸水性確認試験に使用し、2cm×2cm×1cmの杉辺材9個はホウ酸残存率の測定に使用した。得られた改質木材を用いて吸水率、ホウ酸の残存量を下記に示す方法で評価した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。なお、木材への処理量は、一工程毎に乾燥質量を測定したものであり、表2の処理量は固形分質量比で記載した。
【0057】
<吸水性確認試験>
得られた試験片を水中に全面浸漬し、24時間後に取り出して下記計算式(1)で吸水率を測定し、3つの試験片の平均値をもって吸水率とした。
吸水率=(W−W0)/W0×100(%)・・・(1)
W0:水浸漬前の試験片の質量(g)
W :水浸漬完了直後の試験片の質量(g)
【0058】
<試験片中のホウ酸塩残存量(B量)測定方法>
得られた試験片を使用して、JIS K1571に準じて下記に示すように溶脱試験を行い、ホウ酸換算におけるホウ酸塩残存量を測定した。
各試験片9個を1組として、500mlビーカーに入れ、試験体容積の10倍量の脱イオン水を加え、試験体を水面下に沈めた。マグネチックスターラーを用い、温度25℃で回転子を毎分400〜450回転させ、8時間撹拌し、溶脱した後、直ちに軽く試験体表面の水切りを行った。続いて温度60℃の循環式乾燥器中に16時間静置し、揮発分を揮発させた。以上の操作を交互に10回繰り返した。
木材試験片をテフロン(登録商標)ビーカーに入れ、3%硝酸水を50ml加えてホットプレート(200℃)で2時間加熱した。冷却後、水を加えて50mlに定容した。この操作を5回繰り返し、それぞれのB量をICP分析装置により測定し、その合計量を木材中のホウ酸塩残存量とした。サンプル9個の平均値をもって残存量とした。
【0059】
[実施例6,7]シリコーンエマルジョン+ホウ酸塩→酢酸亜鉛
Timborの水溶液濃度を実施例6は1.5%に、実施例7は15%にし、実施例6ではシリコーンエマルジョン組成物EM−1 100部と上記のTimbor水溶液100部の混合液に、実施例7ではシリコーンエマルジョン組成物EM−1 100部と上記のTimbor水溶液200部の混合液に変更して、木材への処理量を変えた以外は、実施例1〜5と同様に試験片を作製し、試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0060】
[実施例8,9]シリコーンエマルジョン+ホウ酸塩→酢酸亜鉛
酢酸亜鉛の水溶液濃度を実施例8は0.5%に、実施例9は15%に変更して、木材への処理量を変えた以外は、実施例1〜5と同様に試験片を作製し、試験を実施した。なお、シリコーンエマルジョン組成物はEM−1を使用した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0061】
[実施例10]シリコーンエマルジョン+ホウ酸塩→塩化亜鉛
U.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で6%水溶液とした。また、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1を有効成分が11.2%となるようにイオン交換水で希釈した。ホウ酸塩化合物6%水溶液100部とシリコーンエマルジョン組成物(有効成分11.2%)100部の混合液に、実施例1〜5と同様の木材片を−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%塩化亜鉛水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、60℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0062】
[実施例11]ホウ酸塩→酢酸亜鉛→シリコーンエマルジョン
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%酢酸亜鉛水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で30分養生した後、105℃で1時間乾燥させた。更にその後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生し、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0063】
[実施例12]ホウ酸塩→シリコーンエマルジョン+酢酸亜鉛
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)100部と10%酢酸亜鉛水溶液6部を常温常圧下で撹拌機を用いて10分間撹拌し、その混合液中に常圧で30秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0064】
[実施例13]ホウ酸塩→塩化亜鉛→シリコーンエマルジョン
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%塩化亜鉛水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で30分養生した後、60℃で1時間乾燥させた。更にその後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、60℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0065】
[実施例14]ホウ酸塩→シリコーンエマルジョン+塩化亜鉛
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)100部と10%塩化亜鉛水溶液6部を常温常圧下で撹拌機を用いて10分間撹拌し、その混合液中に常圧で30秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、60℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表2に示す。
【0066】
[実施例15]シリコーンエマルジョン+ホウ酸塩→酢酸カルシウム
U.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で6%水溶液とした。また、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1を有効成分が11.2%となるようにイオン交換水で希釈した。ホウ酸塩化合物6%水溶液100部とシリコーンエマルジョン組成物(有効成分11.2%)100部の混合液に、実施例1〜5と同様の木材片を−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%酢酸カルシウム水溶液に−93kPaの減圧下で10分間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0067】
[実施例16]ホウ酸塩→酢酸カルシウム→シリコーンエマルジョン
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%酢酸カルシウム水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で30分養生した後、105℃で1時間乾燥させた。更にその後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様に試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0068】
[実施例17]ホウ酸塩→シリコーンエマルジョン+酢酸カルシウム
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)100部と10%酢酸カルシウム水溶液6部を常温常圧下で撹拌機を用いて10分間撹拌し、その混合液中に常圧で30秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様に試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0069】
[実施例18]シリコーンエマルジョン+ホウ酸塩→塩化カルシウム
U.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で6%水溶液とした。また、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1を有効成分が11.2%となるようにイオン交換水で希釈した。ホウ酸塩化合物6%水溶液100部とシリコーンエマルジョン組成物(有効成分11.2%)100部の混合液に、実施例1〜5と同様の木材片を−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%塩化カルシウム水溶液に−93kPaの減圧下で10分間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様の試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0070】
[実施例19]ホウ酸塩→塩化カルシウム→シリコーンエマルジョン
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、10%塩化カルシウム水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で30分養生した後、105℃で1時間乾燥させた。更にその後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様に試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0071】
[実施例20]ホウ酸塩→シリコーンエマルジョン+塩化カルシウム
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生した後、105℃で1時間乾燥させた。その後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)100部と10%塩化カルシウム水溶液6部を常温常圧下で撹拌機を用いて10分間撹拌し、その混合液中に常圧で30秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間養生した後、105℃で24時間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様に試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0072】
[実施例21]ホウ酸塩→酢酸亜鉛→シリコーンエマルジョン(全て常温乾燥)
実施例1〜5と同様の木材片をU.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で3%に希釈した水溶液に−93kPaの減圧下で2時間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間養生乾燥した。その後、10%酢酸亜鉛水溶液に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で1日間乾燥した。更にその後、表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物EM−1(有効成分10%)に常圧で20秒間浸漬処理し、25℃/36%RHの雰囲気下で3日間乾燥させ、改質木材を得た。これらを用いて実施例1〜5と同様に試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表3に示す。
【0073】
[比較例1]
実施例1〜5と同様の木材片(未処理品)を使用して実施例1〜5と同様に各試験を行った。各試験結果を表4に示す。
【0074】
[比較例2]
10%酢酸亜鉛水溶液を使用しなかった以外は、実施例1〜5と同様に試験片を作製し、試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表4に示す。なお、シリコーンエマルジョン組成物はEM−1を使用した。
【0075】
[比較例3]
表1で得られたシリコーンエマルジョン組成物を使用しなかった以外は、実施例1〜5と同様に試験片を作製し、試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表4に示す。
【0076】
[比較例4]
U.S.Borax社のTimborと呼ばれるホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)をイオン交換水で10%水分散液とし、これのみを使用して実施例1〜5と同じ方法で試験片を作製し、試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表4に示す。
【0077】
[比較例5]
表1のエマルジョン組成物EM−6を使用した以外は、実施例1〜5と同様に試験片を作製し、試験を実施した。木材への処理量比及び各試験結果を表4に示す。
【0078】
なお、表2〜4中の(F)成分及び(G)成分を下記に示す。
(F)成分
F:ホウ酸塩化合物(Na
2B
8O
13・4H
2O)
(G)成分
G−1:酢酸亜鉛
G−2:塩化亜鉛
G−3:酢酸カルシウム
G−4:塩化カルシウム
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】