(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記投射エリアの各々には、前記投射機によって投射された投射材を当該投射機へ循環させる循環装置が設けられている、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置。
前記案内部の前記案内経路には、装置平面視で前記投射エリア同士の間の最短ルートから外れて迂回された迂回路が形成されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のショット処理装置。
前記投射エリアはキャビネットの内部に形成されると共に、前記迂回路の少なくとも一部は、装置平面視で前記キャビネットの外側に配置されている、請求項4記載のショット処理装置。
前記循環装置には、投射後に回収された投射材に気流を当てることによって前記気流に乗せられる軽量物と落下する重量物とに選別する風力選別機構が設けられ、前記投射機へ循環されるべき比重の投射材を前記風力選別機構によって選別している、請求項3記載のショット処理装置。
前記迂回路のUターン部分付近には、前記Uターン部分の下方側へ向けてかつ前記被処理対象物に対して送風可能な送風機が配置されている、請求項7記載のショット処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のショット処理装置でショット処理を行うと製品の載せ換えが必要となるため、その分だけショット処理完了までに要する時間が余計にかかってしまう。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、投射する投射材の粒径を変えて複数のショット処理をした場合にショット処理完了までに要する時間を短縮することができるショット処理装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載する本発明のショット処理装置は、被処理対象物が搬送される循環路に沿って案内経路を形成する案内部と、前記案内部の前記案内経路に沿って案内される可動部と、前記可動部に一体的に設けられて前記被処理対象物が吊り下げられるハンガー部と、前記可動部を前記案内部の前記案内経路に沿って移動させる駆動機構と、前記循環路に対向すると共に前記循環路に沿う方向に間隔を開けて複数配置され、投射材を前記循環路側に向けて投射する投射機と、前記投射機によって投射材が投射される複数の投射エリア間の流通路を遮断すると共に、前記被処理対象物を通過させる場合に開かれる開閉扉を備えた仕切部と、を有し
、前記駆動機構は、前記可動部に取り付けられ、無端状とされて前記案内部の前記案内経路に沿って配置された駆動チェーンと、前記駆動チェーンを周回移動させるチェーン駆動部と、で構成され、前記駆動チェーンは、張力付与機構によって張力が付与されており、前記張力付与機構は、錘が取り付けられたワイアと、前記ワイアが巻き掛けられ、前記ワイアの移動方向を変換することで、前記ワイアに作用する前記錘の自重による荷重の方向を変換するプーリと、前記駆動チェーンに対して内周側から接すると共に、前記ワイア及び前記プーリにより方向変換された荷重を受けて前記駆動チェーンに張力を付与するテンションローラと、を備える。
【0008】
請求項1に記載する本発明のショット処理装置によれば、可動部は駆動機構によって案内部の案内経路に沿って移動させられる。この可動部に一体的に設けられたハンガー部には被処理対象物が吊り下げられているので、被処理対象物は案内経路に沿って搬送される。また、被処理対象物が搬送される循環路に対向して複数の投射機が循環路に沿う方向に間隔を開けて配置されており、複数の投射エリアでそれぞれ投射機が投射材を循環路側に向けて投射する。このため、複数の投射エリア毎に、投射機が投射する投射材の粒径を変えれば、被処理対象物は粒径の異なる投射材で複数回ショット処理される。
【0009】
ここで、複数の投射エリア間の流通路は、仕切部によって遮断されているので、各投射エリアで投射された投射材が他の投射エリアに混入するという事態が防止又は抑制される。また、仕切部は、被処理対象物を通過させる場合に開閉扉が開かれるので、被処理対象物は載せ換えられずにそのまま搬送されることによって、異なる投射エリアに移されて投射される。
また、このショット処理装置によれば、駆動機構は、可動部に取り付けられた無端状の駆動チェーンが案内部の案内経路に沿って配置されると共に、チェーン駆動部が駆動チェーンを周回移動させる。また、駆動チェーンは、張力付与機構によって張力が付与されている。すなわち、張力付与機構は、錘が取り付けられたワイアがプーリに巻き掛けられ、プーリがワイアの移動方向を変換することで、ワイアに作用する錘の自重による荷重の方向を変換すると共に、駆動チェーンに対して内周側から接するテンションローラが、ワイア及びプーリにより方向変換された荷重を受けて駆動チェーンに張力を付与する。
【0010】
請求項2に記載する本発明のショット処理装置は、請求項1記載の構成において、前記開閉扉が閉じられている場合にのみ前記投射機による投射材の投射を行うように制御する制御部が設けられている。
【0011】
請求項2に記載する本発明のショット処理装置によれば、投射機による投射材の投射は、開閉扉が閉じられている場合にのみ行われるように、制御部によって制御されている。このため、開閉扉が開かれている場合には投射機による投射材の投射は行われないので、各投射エリアで投射された投射材は、基本的には、開閉扉を含む仕切部でブロックされて他の投射エリアには漏れ出さない。
【0012】
請求項3に記載する本発明のショット処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記投射エリアの各々には、前記投射機によって投射された投射材を当該投射機へ循環させる循環装置が設けられている。
【0013】
請求項3に記載する本発明のショット処理装置によれば、投射エリアの各々には、投射機によって投射された投射材を当該投射機へ循環させる循環装置が設けられているので、異なる投射エリアで投射された投射材はそれぞれ別々に循環させられる。このため、異なる投射エリアで投射された投射材が循環時に混ざり合ってしまうことはなく、各投射エリアで投射される投射材の粒径は初期の設定が維持される。
【0014】
請求項4に記載する本発明のショット処理装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記案内部の前記案内経路には、装置平面視で前記投射エリア同士の間の最短ルートから外れて迂回された迂回路が形成されている。
【0015】
請求項4に記載する本発明のショット処理装置によれば、案内部の案内経路には、装置平面視で投射エリア同士の間の最短ルートから外れて迂回された迂回路が形成されているので、投射エリア間の循環路に沿った長さを長くすること(すなわち、実質的な隔たりを大きくすること)ができる。このため、迂回路が形成されていない場合に比べて異なる投射エリアで投射された投射材が混ざりにくくなる。
【0016】
請求項5に記載する本発明のショット処理装置は、請求項4記載の構成において、前記投射エリアはキャビネットの内部に形成されると共に、前記迂回路の少なくとも一部は、装置平面視で前記キャビネットの外側に配置されている。
【0017】
請求項5に記載する本発明のショット処理装置によれば、投射エリアはキャビネットの内部に形成されると共に、迂回路の少なくとも一部は、装置平面視でキャビネットの外側に配置されているので、例えば、上流側の投射エリアで投射された投射材が仮に被処理対象物上に残留していても、そのような投射材は基本的には迂回時にキャビネットの外側に落下させられる。このため、上流側の投射エリアで投射されて迂回中に被処理対象物から落下する投射材があっても、そのような投射材が下流側の投射エリアに入り込んでしまう事態が効果的に防止又は抑制される。
【0018】
請求項6に記載する本発明のショット処理装置は、請求項5記載の構成において、前記迂回路は一部が装置平面視で前記キャビネットと重なる位置に配置されると共に、前記キャビネットの内部で前記迂回路の下方側に隣接する空間には、前記キャビネット側に取り付けられると共に可撓性を備えた複数の長尺材で構成されて投射材の漏出阻止用とされたシール体が配置されている。
【0019】
請求項6に記載する本発明のショット処理装置によれば、迂回路は一部が装置平面視でキャビネットと重なる位置に配置されると共に、キャビネットの内部で迂回路の下方側に隣接する空間には、キャビネット側に取り付けられると共に可撓性を備えた複数の長尺材で構成されて投射材の漏出阻止用とされたシール体が配置されているので、投射材の投射エリア間の移動が効果的に抑えられる。
【0020】
請求項7に記載する本発明のショット処理装置は、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の構成において、前記迂回路は装置平面視で略U字形状に形成され、前記開閉扉は、前記迂回路の一対の対向部の下方側に設けられている。
【0021】
請求項7に記載する本発明のショット処理装置によれば、迂回路は装置平面視で略U字形状に形成され、開閉扉は、迂回路の一対の対向部の下方側に設けられているので、投射材の投射エリア間の移動は、前記対向部の一方の下方側にのみ開閉扉が配置される場合に比べて、より効果的に抑えられる。また、開閉扉が閉じられた場合には、迂回エリアの中間部は上流側の投射エリア及び下流側の投射エリアのいずれからも隔離される。これにより、上流側の投射エリア及び下流側の投射エリアのいずれか一方で投射された投射材が仮に漏れ出してしまっても、基本的には上流側の投射エリア及び下流側の投射エリアのいずれからも隔離されたエリアで落下するので、上流側の投射エリア及び下流側の投射エリアのいずれか他方へは入り込まない。
【0022】
請求項8に記載する本発明のショット処理装置は、請求項
3記載の構成において、前記循環装置には、投射後に回収された投射材に気流を当てることによって前記気流に乗せられる軽量物と落下する重量物とに選別する風力選別機構が設けられ、前記投射機へ循環されるべき比重の投射材を前記風力選別機構によって選別している。
【0023】
請求項8に記載する本発明のショット処理装置によれば、循環装置には風力選別機構が設けられている。風力選別機構は、投射後に回収された投射材に気流を当てることによって気流に乗せられる軽量物と落下する重量物とに選別する。そして、投射機へ循環されるべき比重の投射材が風力選別機構によって選別されている。このため、仮に他の投射エリアで投射された投射材が、回収された投射材の中に混入してしまっても、投射機へ循環される前に除去される。
【0024】
請求項9に記載する本発明のショット処理装置は、請求項7記載の構成において、前記迂回路のUターン部分付近には、前記Uターン部分の下方側へ向けてかつ前記被処理対象物に対して送風可能な送風機が配置されている。
【0025】
請求項9に記載する本発明のショット処理装置によれば、迂回路のUターン部分付近には、Uターン部分の下方側へ向けてかつ被処理対象物に対して送風可能な送風機が配置されているので、例えば、上流側の投射エリアで投射された投射材が仮に被処理対象物上に残留していても、そのような投射材は送風機の送風によって被処理対象物上からキャビネットの外側へ効率的に落下させられる。このため、上流側の投射エリアで投射された投射材が下流側の投射エリアへ混入してしまう事態がより効果的に防止又は抑制される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明に係るショット処理装置によれば、投射する投射材の粒径を変えて複数のショット処理をした場合にショット処理完了までに要する時間を短縮することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態の構成)
本発明の一実施形態に係るショット処理装置としてのショットブラスト装置について
図1〜
図10を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは
図2の装置正面視の手前側を示しており、矢印UPは装置上方側を示しており、矢印LHは
図2の装置正面視の左側を示している。また、矢印Xは被処理対象物Wの搬送方向を示している。
【0029】
図1には、本発明の一実施形態に係るショット処理装置としてのトロリーハンガーチェーン式のショットブラスト装置10の全体構成が平面図にて示され、
図2には、ショットブラスト装置10の全体構成が正面図にて示され、
図3には、ショットブラスト装置10の全体構成が背面図にて示されている。
【0030】
本実施形態に係るショットブラスト装置10は、例えば、鋳物の砂落としや熱処理品のスケール落とし等に適用される装置であり、被処理対象物Wには、鋳物や熱処理品等が適用される。
【0031】
図1に示されるように、ショットブラスト装置10は、装置平面視で無端の略L字形状とされた案内部としてのガイドレール14を備えている。ガイドレール14は、被処理対象物Wが搬送される循環路12に沿って案内経路を形成しており、
図1の5−5線に沿った拡大断面図である
図5、及び
図1の6−6線に沿った拡大断面図である
図6に示されるように、多数の支持部材16によって支持されている。また、
図9(A)に示されるように、ガイドレール14は、長手方向に直交する縦断面形状がI字形状に形成されている。
【0032】
図9に示されるように、ガイドレール14にはトロリーハンガー20が吊り下げされている。トロリーハンガー20は、ガイドレール14の長手方向に所定間隔をおいて複数取り付けられている。トロリーハンガー20の上端部には、可動部としてのトロリー22が設けられている。トロリー22は、左右一対のガイドローラ22Aがそれぞれアーム部22Bに略水平軸回りに回転可能に取り付けられている。左右一対のガイドローラ22Aは、ガイドレール14の縦壁部を挟む位置に配置されてガイドレール14の長手方向に沿って回転しながら移動可能とされている。これにより、トロリー22は、ガイドレール14の案内経路に沿って案内されるようになっている。
【0033】
トロリー22のアーム部22Bの下部は、駆動チェーン32のリング部に挿通されている。駆動チェーン32は、トロリー22に取り付けられ、無端状とされてガイドレール14の装置下方側でかつガイドレール14に沿って配置されている。この駆動チェーン32は、
図10に示されるチェーン駆動部34によって間欠的に駆動されて装置平面視で周回移動するようになっている。なお、
図10は、ショットブラスト装置10の制御等を説明するための装置平面視の概略構成図である。
【0034】
図10に示されるように、駆動チェーン32を周回移動させるチェーン駆動部34は、駆動チェーン32と噛み合う無端環状のチェーン34Aと、駆動チェーン32をチェーン34Aの側へ押し当てる複数のローラ(図示省略)と、チェーン34Aが巻き掛けられてチェーン34Aを周回移動させる駆動ローラ34Bと、チェーン34Aが巻き掛けられてチェーン34Aの周回移動に従動する従動ローラ34Cと、を備えると共に、駆動ローラ34Bを駆動させる駆動モータ34Mと、を備えている。以上の構成により、駆動チェーン32とチェーン駆動部34とで構成される駆動機構30は、駆動チェーン32を周回移動させることで、
図9に示されるトロリー22をガイドレール14の案内経路に沿って移動させるようになっている。
図10に示されるように、チェーン駆動部34の駆動モータ34Mは、制御部66に接続され、その駆動が制御部66によって制御されている。
【0035】
図9に示されるように、トロリーハンガー20は、トロリー22の下端部に回転継手機構24を介してハンガー部としてのハンガー26の上端部が着脱可能に取り付けられている。これにより、ハンガー26は、トロリー22に一体的に設けられている。回転継手機構24は、ハンガー26の軸部をその軸回りに回転自在に支持する軸受を内蔵している。また、ハンガー26は、フック部を備えることで被処理対象物Wが吊り下げられるようになっている。
【0036】
一方、駆動チェーン32は、ガイドレール14の所定位置(本実施形態では
図1の右下位置)に設けられたオートテンション機構38(
図1参照、張力付与機構)によって常時一定のテンション荷重が掛けられるようになっている。換言すれば、駆動チェーン32の定期的なテンション調整が不要になる構成が採用されている。
【0037】
図6に示されるように、オートテンション機構38は、錘38A(質量体)を吊り下げる吊下機構38Bを備えている。吊下機構38Bは、荷重入力方向の変換用として複数のプーリ38B1を含んで構成されており、錘38Aが取り付けられたワイア38B2がこれらのプーリ38B1に巻き掛けられている。ワイア38B2の先端部は台車部38B3に取り付けられ、台車部38B3は、装置フレームに図中左右方向に移動可能なように軸支されると共に、ガイドレール14のUターン部分14Aに取り付けられている。ガイドレール14はUターン部分14Aが一般部分14Bに対して図中左方向に所定量のスライド移動が可能なスライド機構を備えており、台車部38B3が図中左方向に移動した場合には図中左方向への移動が許容されるようになっている。また、台車部38B3には下方側に延びるブラケット38B4が取り付けられ、このブラケット38B4には、図中の紙面に垂直な方向を軸方向とするテンションローラ38Cが取り付けられている。テンションローラ38Cは、駆動チェーン32に対して内周側(図中右側)から接している。
【0038】
これらにより、オートテンション機構38は、錘38Aの自重を吊下機構38Bのプーリ38B1によって方向変換させてテンションローラ38Cにて駆動チェーン32に張力を付与する構造になっている。
【0039】
図1に示されるように、被処理対象物Wが搬送される循環路12には、製品載せゾーン40、第一投射室42、室間ゾーン44、第二投射室46、第三投射室48、及び製品降ろしゾーン50が設けられている。製品載せゾーン40、製品降ろしゾーン50、及び室間ゾーン44は、キャビネット56の外側に配置され、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48は、キャビネット56の内部に形成されている。なお、キャビネット56の装置平面視の形状は、
図10に概略的に示されるように、装置左右方向に延在する略矩形状をベースとし、左右端が循環路12に合わせて互いに反対向きとなる方向に若干張り出すと共に、装置左右方向の中央部が装置手前側に張り出したような形状となっている。
【0040】
図1に示される製品載せゾーン40は、被処理対象物Wを
図9に示されるトロリーハンガー20のハンガー26に掛けるゾーンである。
図1及び
図5に示されるように、製品載せゾーン40にはガイドレール14に対向して製品搬入装置52が設けられている。製品搬入装置52は、被処理対象物Wを搬入(供給搬送)するための装置である。
図5に示されるように、製品搬入装置52における上面は、製品載せゾーン40におけるガイドレール14の高さ位置よりも低い位置に設定されている。
【0041】
また、
図1に示される製品降ろしゾーン50は、被処理対象物Wを
図9に示されるトロリーハンガー20のハンガー26から外すゾーンである。
図1及び
図6に示されるように、製品降ろしゾーン50には、ガイドレール14に対向して製品搬出装置54が設けられている。製品搬出装置54は、被処理対象物Wを搬出するための装置である。
図6に示されるように、製品搬出装置54における上面は、製品降ろしゾーン50におけるガイドレール14の高さ位置よりも低い位置に設定されている。
【0042】
なお、ガイドレール14は、製品降ろしゾーン50の直前で搬送方向へ向けて装置下方側に傾斜するように下降した下降部14Cが形成されており、製品降ろしゾーン50の搬送方向下流側では搬送方向へ向けて装置上方側に傾斜するように上昇した上昇部(図示省略)が形成されている。
【0043】
一方、
図1に示される第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48は、被処理対象物Wへの投射材の投射によって被処理対象物Wのブラスト処理(ショット投射研掃処理、広義には表面加工)をなす処理室とされている。被処理対象物Wへの投射材の投射は、投射機58A、58B、58Cによってなされる。なお、図中では、第一投射室42に設けられる投射機を符号58Aで示し、第二投射室46に設けられる投射機を符号58Bで示し、第三投射室48に設けられる投射機を符号58Cで示している。換言すれば、第一投射室42は、投射機58Aによって投射材が投射される第一投射エリアA1を含み、第二投射室46は、投射機58Bによって投射材が投射される第二投射エリアA2を含み、第三投射室48は、投射機58Cによって投射材が投射される第三投射エリアA3を含んでいる。
【0044】
投射機58A、58B、58Cは、循環路12に対向すると共に循環路12に沿う方向に間隔を開けて複数配置されている。また、投射機58A、58B、58Cは、遠心式投射機とされ、羽根車(インペラ)の回転により投射材(ショット)に遠心力を付与することが可能となっており、投射材を遠心力で加速して循環路12側に向けて投射する。
【0045】
第一投射室42で複数の投射機58Aによって投射される投射材は、荒落とし用として比較的大きな(本実施形態では粒径が2.0mmの)投射材が適用される。また、第二投射室46で複数の投射機58Bによって投射される投射材は、中仕上げ用として一般的なサイズの(本実施形態では粒径が1.5mmの)投射材が適用される。さらに、第三投射室48で複数の投射機58Cによって投射される投射材は、仕上げ用として小さめの(本実施形態では粒径が1.0mmの)投射材が適用される。
【0046】
図2に示されるように、投射機58A、58B、58Cは、ショット供給装置60A、60B、60C(流量調整装置)に接続されている。ショット供給装置60A、60B、60Cは、投射機58A、58B、58Cへ投射材を供給する装置であり、投射材の供給部に開閉可能な開閉弁を備えている。なお、本実施形態では、ショット供給装置60A、60B、60Cは、複数の投射機58A、58B、58Cに接続されている。
図10に示されるように、ショット供給装置60A、60B、60Cには、制御部66が接続されている。制御部66は、ショット供給装置60A、60B、60Cの開閉弁の開閉タイミングを制御することで投射機58A、58B、58C(
図2参照)の投射のタイミングを制御する。
【0047】
また、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48において被処理対象物Wが投射エリア(第一投射エリアA1、第二投射エリアA2、及び第三投射エリアA3)を移動する場合には、駆動チェーン32は、トロリーハンガー20を(被処理対象物Wが非投射エリアを移動する場合よりも)低速で移動させる。これに対して、被処理対象物Wが非投射エリアを移動する場合には、駆動チェーン32は、トロリーハンガー20を高速で移動させる。これにより、効率的な処理が可能となっている。このような駆動チェーン32の移動速度の制御は、チェーン駆動部34の駆動モータ34Mが制御部66によって制御されることでなされている。なお、詳細説明を省略するが、このような制御を行うために、ガイドレール14の所定位置には、位置検出手段を構成するリミットスイッチ(図示省略)が設けられている。
【0048】
また、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48において被処理対象物Wが投射エリア(第一投射エリアA1、第二投射エリアA2、及び第三投射エリアA3)を移動する場合には、トロリーハンガー20のハンガー26(
図9参照)をその軸回りに自転させるようになっている。なお、
図9に示されるハンガー26を自転させる構成には公知の構成が適用されており、詳細説明は省略する。
【0049】
図10に示されるように、第一投射エリアA1と第二投射エリアA2との間の流通路は、仕切部62Aによって遮断されている。また、第二投射エリアA2と第三投射エリアA3との間の流通路は、仕切部62Bによって遮断されている。
【0050】
仕切部62Aは、キャビネット56内の空間を装置左右方向に仕切る仕切壁63Aと、装置平面視で仕切壁63Aにそれぞれ直交しかつキャビネット56の装置手前側開口を開閉する開閉扉としての仕切扉64Aと、を備えている。これに対して、仕切部62Bは、キャビネット56内の空間を装置左右方向に仕切り可能な開閉扉としての仕切扉64Bを備えている。
【0051】
図7に示されるように、仕切扉64Aは、ガイドレール14の下方側に配置された両開きスライド扉とされている。すなわち、仕切扉64Aは、その上下に設けられたレールに沿って左右方向に移動可能とされ、仕切扉64Aの上端にはレールを移動するための車輪が設けられている。
【0052】
仕切扉64Aは、シリンダ機構部82に接続されている。シリンダ機構部82は、公知のエアシリンダとされ、仕切扉64Aの開閉方向に伸縮するロッド82Aを備えると共に、このロッド82Aの先端部が仕切扉64Aに連結されている。すなわち、シリンダ機構部82のロッド82Aが伸縮することで仕切扉64Aが左右に開閉する構造となっている。
【0053】
図10に示されるように、シリンダ機構部82(図中ではブロック化して図示)は、いずれもブロック化して図示するエア方向制御機器(電磁弁等)90Aを介してエア供給源92Aと接続されており、エア方向制御機器90Aは、制御部66に接続されている。制御部66は、被処理対象物Wを通過させる場合にのみ仕切扉64Aが開かれるようにエア方向制御機器90Aを制御することで、シリンダ機構部82のロッド82A(
図7参照)の伸縮を方向制御している。なお、被処理対象物Wの通過タイミング(換言すれば、仕切扉64Aを開くタイミング)については、例えば、ガイドレール14の一部で仕切扉64Aに対して搬送上流側近傍の部位にトロリー22又は被処理対象物Wの通過を検出するセンサ(図示省略)を設け、このセンサから制御部66に出力される検知信号に基づいて判断される。
【0054】
一方、第二投射室46と第三投射室48とを仕切る仕切扉64Bの正面図が
図8に示されている。
図8に示される仕切扉64Bは、ガイドレール14(
図9等参照)の下方側に配置された両開きスライド扉とされ、基本的には仕切扉64A(
図7参照)と同様の構成となっている。仕切扉64Bは、シリンダ機構部84に接続されている。シリンダ機構部84も、先に説明したシリンダ機構部82(
図7参照)と同様の構成となっており、ロッド84Aがロッド82A(
図7参照)に相当している。
【0055】
図10に示されるように、シリンダ機構部84(図中ではブロック化して図示)は、いずれもブロック化して図示するエア方向制御機器(電磁弁等)90Bを介してエア供給源92Bと接続されており、エア方向制御機器90Bは、制御部66に接続されている。エア供給源92Bはエア供給源92Aと別々であっても兼用であってもよい。制御部66は、被処理対象物Wを通過させる場合にのみ仕切扉64Bが開かれるようにエア方向制御機器90Bを制御することで、シリンダ機構部84のロッド84A(
図8参照)の伸縮を方向制御している。なお、被処理対象物Wの通過タイミング(換言すれば、仕切扉64Bを開くタイミング)については、例えば、ガイドレール14の一部で仕切扉64Bに対して搬送上流側近傍の部位にトロリー22又は被処理対象物Wの通過を検出するセンサ(図示省略)を設け、このセンサから制御部66に出力される検知信号に基づいて判断される。
【0056】
また、制御部66は、仕切扉64A、64Bが閉じられている場合にのみ、ショット供給装置60A、60B、60Cの開閉弁を開いて投射機58A、58B、58C(
図2参照)による投射材の投射を行うように制御する。換言すれば、制御部66は、仕切扉64A、64Bが開いている場合には、ショット供給装置60A、60B、60Cの開閉弁を閉じるように制御している。これにより、投射材が第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48の間で移動すること(つまり、各々の室内の投射材が混ざり合うこと)が防止又は効果的に抑制されるようになっている。
【0057】
図2に示されるように、投射機58A、58B、58Cには、ショット供給装置60A、60B、60Cを介して循環装置70A、70B、70Cが連結されている。循環装置70A、70B、70Cは、第一投射室42(第一投射エリアA1)、第二投射室46(第二投射エリアA2)、及び第三投射室48(第三投射エリアA3)の各々に設けられている。なお、図中では、第一投射室42に設けられた循環装置を符号70A、第二投射室46に設けられた循環装置を符号70B、第三投射室48に設けられた循環装置を符号70Cでそれぞれ示している。循環装置70A、70B、70Cは、各々の投射室において投射機58A、58B、58Cによって投射された投射材を当該投射機58A、58B、58Cへ循環させるようになっている。
【0058】
以下、循環装置70A、70B、70Cについて概説する。なお、三つの循環装置70A、70B、70Cの構成は、ほぼ同様の構成となっているので、これらはまとめて説明をし、符号の末尾のみを区別して示す。符号の末尾は、循環装置70Aの構成要素には「A」、循環装置70Bの構成要素には「B」、循環装置70Aの構成要素には「C」をそれぞれ付している。また、
図1の4A−4A線に沿った拡大断面図である
図4(A)、及び
図1の4B−4B線に沿った拡大断面図である
図4(B)には、第一投射室42に設けられた循環装置70Aが示されている。
【0059】
図2及び
図4に示されるように、循環装置70A、70B、70Cは、投射室(第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48)の下部に投射材を回収するためのホッパ71A、71B、71Cを備えている。ホッパ71A、71B、71Cの下方側には、スクリュウコンベヤ72A、72B、72Cが設けられている。スクリュウコンベヤ72A、72B、72Cは、水平に配置されて装置左右方向(
図2の左右方向)を長手方向としており、ホッパ71A、71B、71Cから流れ落ちた投射材をスクリュウコンベヤ72A、72B、72Cの長手方向に沿った方向へ搬送するようになっている。
【0060】
ショットブラスト装置10の背面図である
図3に示されるように、スクリュウコンベヤ72A、72B、72Cの搬送方向下流側には、装置上下方向に延びるバケットエレベータ73A、73B、73Cの下端部側が配置されている。バケットエレベータ73A、73B、73Cは、公知構造であるため詳細説明を省略するが、ショットブラスト装置10の上部及び下部に配置されたプーリ(図示省略)に無端ベルト(図示省略)が巻き掛けられると共に、前記無端ベルトに多数のバケット(図示省略)が取り付けられている。また前記プーリは駆動力伝達手段(図示省略)を介して駆動用モータ(図示省略)に接続されて回転駆動可能とされている。これにより、バケットエレベータ73A、73B、73Cは、スクリュウコンベヤ72A、72B、72Cで回収した(一時貯留された)投射材を前記バケットで掬い上げると共に、前記プーリを駆動用モータで回転させることによって、前記バケット内の投射材をキャビネット56の上方側へ向けて搬送するようになっている。
【0061】
図2に示されるように、バケットエレベータ73A、73B、73Cの上部は、シュート74A、74B、74Cを介してスクリュウコンベヤ75A、75B、75Cに接続されている。スクリュウコンベヤ75A、75B、75Cは、水平に配置されて装置左右方向(
図2の左右方向)を長手方向としており、バケットエレベータ73A、73B、73Cの上部からシュート74A、74B、74Cを介して流れ落ちた投射材をスクリュウコンベヤ75A、75B、75Cの長手方向に沿った方向へ搬送するようになっている。スクリュウコンベヤ75A、75B、75Cの搬送方向下流側には、風力選別機構としての風選式のセパレータ76A、76B、76Cが配置されている。
【0062】
セパレータ76A、76B、76Cは、投射後に回収されてスクリュウコンベヤ75A、75B、75Cで搬送された投射材を落下させると共に、落下させた投射材に気流を当てることによって前記気流に乗せられる軽量物と落下する重量物とに選別するようになっている。そして、セパレータ76A、76B、76Cは、各々の投射室において投射機58A、58B、58Cへ循環されるべき比重の投射材を選別しており、循環されるべき比重の投射材を落とし込む下端部の下方側には、投射材貯蔵用のショットタンク77A、77B、77Cが配置されている。なお、セパレータ76A、76B、76Cは、循環されるべき比重の投射材以外の粉粒物を粗受け箱に流すようになっている。
【0063】
ショットタンク77A、77B、77Cは、投射材の貯留用とされ、底部側がショット供給装置60A、60B、60Cに連通接続されている。これらにより、再利用可能な投射材がセパレータ76A、76B、76Cからショットタンク77A、77B、77Cを介してショット供給装置60A、60B、60Cへ流れる構造になっている。なお、セパレータ76A、76B、76Cは、排出パイプを介して分離除去した異物等を微粉・粗受け箱に流すようになっている。
【0064】
次に、
図10を参照しながら、室間ゾーン44及びその周囲部について説明する。
【0065】
図10に示されるように、第一投射室42における
図10の右端のエリア、第二投射室46における
図10の左端のエリア、及び室間ゾーン44に対応する範囲では、ガイドレール14が迂回している。すなわち、ガイドレール14の案内経路には、装置平面視で第一投射エリアA1と第二投射エリアA2との間における最短ルートから外れて略U字形状に迂回された迂回路80が形成されている。迂回路80のUターン部分80Aを含む中間部は、装置平面視でキャビネット56の外側に配置されている。
【0066】
一方、第一投射室42、第二投射室46、及び室間ゾーン44を仕切る仕切扉64Aは、キャビネット56の装置手前側の開口に配置されて迂回路80の一対の対向部の下方側に設けられている。これにより、室間ゾーン44は、被処理対象物Wが搬送される循環路12における第一投射室42と第二投射室46との間に設けられている。
【0067】
また、迂回路80の一部は、装置平面視でキャビネット56と重なる位置に配置されている。そして、キャビネット56の内部で迂回路80の下方側に隣接する空間には、投射材の漏出阻止用としてシール体86が配置されている。シール体86は、キャビネット56の天井側に取り付けられると共に可撓性を備えた複数の長尺材で構成され(所謂ゴム暖簾とされ)、被処理対象物Wの通過時に被処理対象物Wの搬送方向に撓むように設定されている。これにより、シール体86は、投射材がキャビネット56の装置手前側の開口から漏れ出す(飛散する)のを阻止するようになっている。
【0068】
なお、キャビネット56の内部の適宜位置には、シール体86と同様の構成のシール部材88が配置されている。
【0069】
また、迂回路80のUターン部分80A付近には、Uターン部分80Aの下方側へ向けてかつ被処理対象物Wに対して送風可能な送風機94(図中ではブロック化して二点鎖線で図示)が配置されてもよい。この送風機94としては、公知の送風機を適用することができ、例えば、ファンを作動させることによって被処理対象物Wに空気を吹き付ける構成であってもよいし、圧縮空気供給部から供給された圧縮空気を被処理対象物Wに吹き付ける構成であってもよい。送風機94は制御部66に接続される。また、制御部66は、仕切扉64Aが閉じられていてかつ被処理対象物WがUターン部分80Aの下方側に位置している場合に送風機94を作動させるように制御する。なお、被処理対象物WがUターン部分80Aの下方側に位置しているか否かは、例えば、Uターン部分80Aにトロリー22の通過(又は近接)を検出するセンサ(図示省略)を設け、このセンサから制御部66に出力される検知信号に基づいて判断される。
【0070】
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0071】
図10に示されるように、本実施形態に係るショットブラスト装置10では、トロリー22は駆動機構30によってガイドレール14の案内経路に沿って移動させられる。このトロリー22に一体的に設けられたハンガー26(
図9参照)には被処理対象物Wが吊り下げられているので、被処理対象物Wは案内経路に沿って搬送される。また、被処理対象物Wが搬送される循環路12に対向して
図2に示される複数の投射機58A、58B、58Cが循環路12(
図10参照)に沿う方向に間隔を開けて配置されており、複数の投射エリア(第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48)でそれぞれ投射機58A、58B、58Cが投射材を循環路12(
図10参照)側に向けて投射する。このため、複数の投射エリア毎に、投射機58A、58B、58Cが投射する投射材の粒径を変えることで、被処理対象物Wは粒径の異なる投射材で複数回ショット処理される。
【0072】
ここで、
図10に示されるように、第一投射エリアA1と第二投射エリアA2との間の流通路は、仕切部62Aによって遮断されている。このため、第一投射室42及び第二投射室46のいずれか一方で投射された投射材が第一投射室42及び第二投射室46のいずれか他方に混入するという事態が防止又は抑制される。
【0073】
また、第二投射エリアA2と第三投射エリアA3との間の流通路は、仕切部62Bによって遮断されている。このため、第二投射室46及び第三投射室48のいずれか一方で投射された投射材が第二投射室46及び第三投射室48のいずれか他方に混入するという事態が防止又は抑制される。
【0074】
また、仕切部62A、62Bは、被処理対象物Wを通過させる場合に仕切扉64A、64Bが開かれる。従って、被処理対象物Wは、載せ換えられずにそのまま搬送されることによって、第一投射室42、第二投射室46、第三投射室48の順に移動して投射される。
【0075】
また、本実施形態では、ショット供給装置60A、60B、60Cの開閉弁は、仕切扉64A、64Bが閉じられている場合にのみ開かれるように、制御部66によって制御され、仕切扉64A、64Bが開かれている場合には投射機58A、58B、58C(
図2参照)による投射材の投射は行われない。このため、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48で投射された投射材は、基本的には、仕切扉64A、64Bを含む仕切部62A、62Bでブロックされて他の投射室には漏れ出さない。
【0076】
また、本実施形態に係るショットブラスト装置10では、ガイドレール14の案内経路には、装置平面視で第一投射エリアA1と第二投射エリアA2との間の最短ルートから外れて迂回された迂回路80が形成されているので、第一投射エリアA1と第二投射エリアA2との間の循環路12に沿った長さを長くすること(すなわち、実質的な隔たりを大きくすること)ができる。このため、迂回路80が形成されていない場合に比べて、第一投射エリアA1及び第二投射エリアA2のいずれか一方で投射された投射材が第一投射エリアA1及び第二投射エリアA2のいずれか他方に混ざるのを防止又は抑制することができる。
【0077】
また、第一投射室42(第一投射エリアA1)及び第二投射室46(第二投射エリアA2)はキャビネット56の内部に形成されると共に、迂回路80の一部は、装置平面視でキャビネット56の外側に配置されているので、例えば、第一投射室42で投射された投射材が仮に被処理対象物W上に残留していても、そのような投射材は基本的には迂回時にキャビネット56の外側に落下させられる。このため、上流側の第一投射室42で投射されて迂回中に被処理対象物Wから落下する投射材があっても、そのような投射材が第二投射室46に入り込んでしまう事態が効果的に防止又は抑制される。なお、迂回路80のUターン部分80A付近に送風機94を設けて、仕切扉64Aが閉じられている場合に送風機94が被処理対象物Wに対して送風すれば、第一投射室42の投射材の第二投射室46への混入がより効果的に抑えられる。
【0078】
また、迂回路80は一部が装置平面視でキャビネット56と重なる位置に配置されると共に、キャビネット56の内部で迂回路80の下方側に隣接する空間には、キャビネット56の天井側に取り付けられると共に可撓性を備えた複数の長尺材で構成されたシール体86が配置されているので、第一投射室42側からの投射材の漏出が阻止される。このため、第一投射室42と第二投射室46との間での投射材の移動が効果的に抑えられる。
【0079】
また、迂回路80は装置平面視で略U字形状に形成され、仕切扉64Aは、迂回路80の一対の対向部の下方側に設けられているので、第一投射室42と第二投射室46との間での投射材の移動は、前記対向部の一方の下方側にのみ仕切扉64Aが配置される場合に比べて、より効果的に抑えられる。また、二対の仕切扉64Aが閉じられた場合には、迂回路80のUターン部分80Aに対応して設けられた室間ゾーン44は、第一投射室42及び第二投射室46のいずれからも隔離される。これにより、第一投射室42及び第二投射室46のいずれか一方で投射された投射材が仮に漏れ出してしまっても、基本的には室間ゾーン44で落下するので、第一投射室42及び第二投射室46のいずれか他方へは入り込まない。
【0080】
また、
図2に示されるように、第一投射室42(第一投射エリアA1)、第二投射室46(第二投射エリアA2)、及び第三投射室48(第三投射エリアA3)の各々には、投射機58A、58B、58Cによって投射された投射材を当該投射機58A、58B、58Cへ循環させる循環装置70A、70B、70Cが設けられているので、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48の各々で投射された投射材はそれぞれ別々に循環させられる。このため、異なる投射室で投射された投射材が循環時に混ざり合ってしまうことはなく、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48の各々で投射される投射材の粒径は初期の設定が維持される。すなわち、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48の各々に循環装置70A、70B、70Cを設けることで、投射材の粒径管理が可能となる。これにより、投射材を循環させても、第一投射室42、第二投射室46、及び第三投射室48の各々で独立して異なる粒径の投射材の投射が可能になる。
【0081】
また、本実施形態に係るショットブラスト装置10では、循環装置70A、70B、70Cにはセパレータ76A、76B、76Cが設けられている。セパレータ76A、76B、76Cは、投射後に回収された投射材に気流を当てることによって気流に乗せられる軽量物と落下する重量物とに選別する。そして、投射機58A、58B、58Cへ循環されるべき比重の投射材がセパレータ76A、76B、76Cによって選別されている。このため、仮に他の投射室で投射された投射材が、回収された投射材の中に混入してしまっても、投射機58A、58B、58Cへ循環される前に除去される。
【0082】
以上説明したように、本実施形態に係るショットブラスト装置10によれば、投射する投射材の粒径を変えて複数のショット処理をした場合にも被処理対象物Wの載せ換えが不要であるので、ショット処理の完了までに要する時間を短縮することができる。
【0083】
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態では、
図9に示されるように、案内部としてのガイドレール14は、長手方向に直交する縦断面形状がI字形状に形成されているが、案内部は、例えば、長手方向に直交する縦断面形状が装置下方側に開口する略C字形状(チャンネル状)に形成されたガイド部等のような他の案内部であってもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、可動部としてのトロリー22がガイドローラ22Aを備えているが、可動部は、例えば、案内部を摺動するスライダを備えた構成部等のような他の可動部であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、可動部としてのトロリー22にハンガー部としてのハンガー26の上端部が着脱可能に取り付けられているが、可動部とハンガー部とが一部材の一部をそれぞれ構成するようなものであってもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、
図10に示されるように、駆動機構30は、駆動チェーン32及びチェーン駆動部34によって構成されているが、
本発明の実施形態ではない参考例として、駆動機構は、例えば、可動部に設けられた駆動モータと、前記駆動モータに接続されかつ案内部に接して回転可能な駆動ローラと、を備えた駆動機構等のような他の駆動機構であってもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、開閉扉としての仕切扉64A、64Bは、一対で構成された両開きスライド扉とされているが、開閉扉は、一枚で構成されて一方向にスライドするスライド扉等のような他の開閉扉であってもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、仕切扉64A、64Bが閉じられている場合にのみ投射機58A、58B、58C(
図2参照)による投射材の投射が行われるように制御されており、投射材の投射エリア間の移動を防ぐ観点からはこのような構成がより好ましいが、周辺構造等によっては、例えば、開閉扉が閉止位置方向へ移動している途中を含むタイミングで、投射機による投射材の投射が行われるように制御することも可能である。
【0089】
また、上記実施形態では、ガイドレール14には迂回路80が形成されており、投射材の投射エリア間の移動を防ぐ観点からはこのような構成がより好ましいが、案内部が迂回路を備えない構成としてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、迂回路80の一部が装置平面視でキャビネット56の外側に配置されており、被処理対象物W上に残留した投射材を次の投射室(第二投射室46)に搬入させない観点からはこのような構成が好ましいが、迂回路の全部が装置平面視でキャビネットと重なる位置に配置される構成とすることも可能である。
【0091】
また、上記実施形態では、迂回路80の一部が装置平面視でキャビネット56の外側に配置されているが、例えば、迂回路の全部が装置平面視でキャビネットの外側に配置されてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、キャビネット56の内部で迂回路80の下方側に隣接する空間には、投射材の漏出阻止用としてシール体86が配置されており、投射材の漏出を抑える観点からはこのような構成が好ましいが、このようなシール体を配置しない構成してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、迂回路80の一対の対向部の下方側に開閉扉としての仕切扉64Aが設けられており、第一投射室42と第二投射室46との間での投射材の移動をより効果的に抑える観点からはこのような構成が好ましいが、迂回路の対向部の一方の下方側にのみ開閉扉が配置される構成としてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、
図2に示されるように、投射材を遠心力で加速して投射する遠心式の投射機58A、58B、58Cがショットブラスト装置10の投射機として用いられているが、投射機は、例えば、圧縮空気とともに投射材を圧送しノズルから噴射するエアノズル式の投射機等のような他の投射機であってもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、サイズが大きな投射材が適用される第一投射エリアA1、サイズが中位の投射材が適用される第二投射エリアA2、サイズが小さな投射材が適用される第三投射エリアA3の三つの投射エリアが設けられているが、複数の投射エリアは、例えば、サイズが大きな投射材が適用される第一投射エリア及びサイズが小さな投射材が適用される第二投射エリアの二つの投射エリアであってもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、ショットブラスト装置10には循環装置70A、70B、70Cが設けられているが、ショット処理装置は、投射材を循環させない場合には循環装置を備えない装置構成となる。
【0097】
また、上記実施形態では、循環装置70A、70B、70Cには、風力選別機構としての風選式のセパレータ76A、76B、76Cが設けられており、循環されるべき比重の投射材以外の投射材等を循環前に除去する観点からはこのような構成が好ましいが、循環装置は風力選別機構を備えない構成としてもよい。
【0098】
さらに、上記実施形態では、ショット処理装置は、ショットブラスト装置10とされているが、ショット処理装置は、例えば、ショットピーニング装置に適用されてもよい。
【0099】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。