(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数レーンの中の少なくとも1つのレーンがカラーレーンであるカラーレーン区間における、前記カラーレーンの路面色と、当該カラーレーン区間において自車が走行すべきレーンである推奨レーンの路面色と、を特定する路面色特定手段と、
前記路面色特定手段にて特定された前記カラーレーンの路面色と前記推奨レーンの路面色とに基づいて、前記カラーレーン区間における前記推奨レーンを案内表示するための表示態様を決定する表示態様決定手段と、
前記表示態様決定手段が決定した表示態様にて、前記カラーレーン区間における前記推奨レーンを表示部に表示する表示制御手段とを備え、
前記路面色特定手段は、案内開始地点から案内終了地点に至る経路を取得し、当該取得した経路における全ての前記カラーレーン区間を対象として、前記カラーレーンの路面色と前記推奨レーンの路面色とを特定し、
前記表示態様決定手段は、前記路面色特定手段にて特定された前記全てのカラーレーン区間の前記カラーレーンの路面色と前記推奨レーンの路面色とに基づいて、前記カラーレーン区間における前記推奨レーンの表示態様を決定する、
表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る表示システム、表示方法、及び表示プログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。実施の形態1は、案内開始地点から案内終了地点に至る経路を取得し、当該取得した経路における全てのカラーレーン区間を対象として、カラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とを特定する形態である。
【0021】
(構成)
まず、本実施の形態に係る表示システムの構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る表示システムを例示するブロック図である。
図1に示すように、表示システム1は、現在位置検出処理部10、ディスプレイ20、スピーカ30、及び表示装置40を備えている。
【0022】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部10は、表示システム1が取り付けられた車両(以下、自車両)の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部10は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の自車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0023】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ20は、表示装置40によって案内された画像を表示する表示部であり、後述する表示態様決定部41bが決定した表示態様にて、カラーレーン区間における推奨レーンを表示する表示部である。ディスプレイ20の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。なお、「カラーレーン区間」や「推奨レーン」については後述する。
【0024】
(構成−スピーカ)
スピーカ30は、表示装置40の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ30より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0025】
(構成−表示装置)
表示装置40は、表示に関する制御を行う表示制御手段であり、制御部41及びデータ記録部42を備えている。
【0026】
(構成−表示装置−制御部)
制御部41は、表示装置40を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係る表示プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して表示装置40にインストールされることで、制御部41の各部を実質的に構成する。
【0027】
この制御部41は、機能概念的に、路面色特定部41aと、表示態様決定部41bと、表示制御部41cとを備える。路面色特定部41aは、複数レーンの中の少なくとも1つのレーンがカラーレーンであるカラーレーン区間における、カラーレーンの路面色と、当該カラーレーン区間において自車が走行すべきである推奨レーンの路面色と、を特定する路面色特定手段である。表示態様決定部41bは、路面色特定部41aにて特定されたカラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とに基づいて、カラーレーン区間における推奨レーンを案内表示するための表示態様を決定する表示態様決定手段である。表示制御部41cは、表示態様決定部41bが決定した表示態様にて、カラーレーン区間における推奨レーンをディスプレイ20に表示する表示制御手段である。これらの制御部41の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0028】
ここで、「カラーレーン」とは、路面色が、無色以外の色(以下、有色と称する)であるレーンであって、例えば、赤色、橙色、緑色、あるいは青色等のカラーアスファルトにて舗装されたレーンが該当する。「路面色」とは、レーンの表面の物理的な色であり、ディスプレイ20においてレーンの表面に仮想的に付される色である「表示色」と区別される。「無色」とは、例えば、アスファルト舗装道路におけるアスファルト色(黒色や灰色等)が該当する。また、路面色が無色のレーンを「非カラーレーン」と称する。「カラーレーン区間」とは、自動車の走行区間の中で、複数レーンの少なくとも1つのレーンがカラーレーンである区間である。「推奨レーン」とは、複数レーンの中から目的地への走行や走行時の道路環境に最も適したレーンとして特定されたレーンである。
【0029】
(構成−表示装置−データ記録部)
データ記録部42は、表示装置40の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0030】
このデータ記録部42は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)を備えている。地図情報DB42aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」とは、交差点や一時停止地点を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、交差点データ(交差点座標等)や、地図をディスプレイ20に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。また、地図情報は、レーン構成情報を含んで構成されている。「レーン構成情報」とは、レーンの構成を特定するための情報であり、例えば、各道路のレーン数、各レーンのレーン種別(直進レーン、右折専用レーン、左折専用レーン等)、及び各レーンの路面色を含んで構成されている。
【0031】
(処理−表示態様決定処理)
次に、このように構成される表示システム1によって実行される表示態様決定処理について説明する。
図2は、表示態様決定処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この表示態様決定処理は、推奨レーンの表示態様を決定するための処理であり、本実施の形態においては、推奨レーンの表示色を設定するための処理であって、例えば、自車両の走行開始後に自動的に起動されて所定間隔で繰り返し実行される。
【0032】
ここでは、案内開始地点(例えば、現在位置検出処理部10によって検出された車両の現在位置)から案内終了地点(例えば、ユーザが公知の方法で表示装置40に入力した目的地)に至る経路(以下、単に「経路」と称する)が、制御部41により、公知の経路探索方法等で決定されているものとする。
【0033】
図3は、このように決定された経路を概念的に示す図である。この
図3においては、道路がレーン区間LK1〜LK9を含み、各レーン区間LK1〜LK9は3レーンによって構成され(例えば、レーン区間LK1は、レーンL1a〜L1c、レーン区間LK2は、レーンL2a〜L2c等)、各レーン区間LK1〜LK9の3レーンの中の1つのレーンが推奨レーンとして設定されている。この推奨レーンを示す矢印の基部側が案内開始地点側であり、矢印の先端側が案内終了地点側である。また、カラーレーンは、レーンL2c(表示色1、以下、青色)、レーンL4c(表示色2、以下、赤色)、L5c(表示色3、以下、橙色)、L7a(橙色)、L8a(橙色)であり、他のレーンは無色レーンである。また、
図3には、案内地点P1〜P9を黒塗り丸印で示しており、各案内地点P1〜P9の近傍の四角の中に、各案内地点に対して設定されている表示色C1〜C9を示している。これらの図示は、
図4〜
図7において同じである。ただし、この時点では、各案内地点P1〜P9には未だ表示色C1〜C9が設定されていないため、
図3における表示色C1〜C9の四角は空白として示す。
【0034】
「案内地点」P1〜P9とは、経路内の地点であって、運転者に対して推奨レーンの案内を開始する地点であり、例えば、案内地点P1はレーン区間LK2の推奨レーンL2cを案内する地点、案内地点P2はレーン区間LK3の推奨レーンL3aを案内する地点である。この案内地点P1〜P9の決定方法は任意であるが、本実施の形態では、推奨レーンが変更される地点(推奨レーンの変更を伴う交差点やレーン変更地点等)から所定距離だけ案内開始地点側の地点とする。経路における推奨レーンの決定や、推奨レーンの案内地点の決定は、経路が決定された後、公知の方法(例えば、特許文献1参照)により行われる。
【0035】
まず、
図2において、路面色特定部41aは、経路内の全ての案内地点の推奨レーンの路面色を取得し、当該取得した路面色を当該推奨レーンの表示色として仮設定する(SA1)。例えば、路面色特定部41aは、各案内地点の推奨レーンの路面色を地図情報DB42aから取得し、当該取得した路面色を、各案内地点の表示色として、当該各案内地点の座標と対応付けてデータ記録部に記録する。例えば、路面色が有色(赤色)である場合には、表示色=有色(赤色)と記録し、路面色が無色(灰色)である場合には、表示色=無色(灰色)と記録する。
【0036】
図4は、このように表示色C1〜C9が設定された経路を概念的に示す図である。この
図4において、例えば、案内地点P2の表示色C2には青色、案内地点P4の表示色C4には赤色、案内地点P7の表示色C7には橙色が設定され、その他の案内地点P1、P3、P5〜P6、P8、P9の表示色C1、C3、C5〜C6、C8、C9には無色(灰色)が設定されている。
【0037】
次いで、
図2において、表示態様決定部41bは、SA2〜SA9を、経路に含まれる案内地点の数だけ繰り返す(SA2〜SA9)。このSA2〜SA9の処理では、概略的には、案内地点の中で、案内終了地点に最も近い案内地点を、処理対象とする1つの案内地点(以下、第1対象地点)に設定する。そして、第1対象地点の推奨レーンの表示色が有色に設定されていない場合には、案内終了地点に次に近い案内地点を第1対象地点とし、以降同様に処理を行うことで、推奨レーンの表示色が有色に設定されている案内地点の中で、案内終了地点に最も近い案内地点を第1対象地点とする。
【0038】
そして、第1対象地点に設定されている表示色を、第1対象地点より案内開始地点に1つだけ近い案内地点(以下、第2対象地点)の表示色に設定する。次に、第1対象地点より案内開始地点に2つだけ近い案内地点を第2対象地点に設定し、第1対象地点に設定されている表示色を、第2対象地点の表示色に設定する。以降同様に、案内開始地点に1つずつ近づくように(1つずつ車両進行方向を案内開始地点側に戻るように)、案内地点を第2対象地点に設定しながら、第1対象地点に設定されている表示色を、第2対象地点の表示色に設定する。
【0039】
このように第1対象地点に設定されている表示色を、第2対象地点の表示色に設定することにより、両者の表示色を同一の色として、表示色の変更回数を最小限にする。すなわち、各案内地点においては、各案内地点のレーン区間における推奨レーン以外のレーンの路面色と同一色でない限り、任意の色を表示色にすることもできるが、表示色の変更回数が多くなる程、運転者が推奨ルートを把握する上で混乱が生じる可能性が増大する。このため、表示態様決定部41bは、表示色の変更回数を最小限にすることで、運転者が推奨ルートを把握する上で混乱が生じる可能性が低減する。
【0040】
ただし、第1対象地点の案内地点に設定されている表示色と同じ色が、第2対象地点の案内地点のレーン区間の路面色に含まれている場合や、第2対象地点の案内地点の推奨レーンの表示色が既に有色に設定されている場合には、第1対象地点に設定されている表示色を第2対象地点の表示色に設定することは行わず、第1対象地点を、当該第1対象地点より案内開始地点に1つだけ近い案内地点に設定した上で、同様の処理を繰り返す。
【0041】
次に、このようなSA2〜SA9の具体的手順を説明する。まず、表示態様決定部41bは、案内地点の中から、最も案内終了地点に近い1つの案内地点を、第1対象地点に設定する(SA2)。そして、表示態様決定部41bは、SA3〜SA8を行った結果、SA2に戻った場合には、最初の第1対象地点よりも案内開始地点側に1つだけ近い案内地点を、次の第1対象地点に設定する。以降同様に、SA2に戻る毎に、その前の第1対象地点よりも案内開始地点側に1つだけ近い案内地点(案内開始地点側に1つだけ戻った案内地点)を、次の第1対象地点に設定する。
【0042】
このSA3〜SA8の繰り返しの中で、表示態様決定部41bは、SA1において当該第1対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、当該第1対象地点の推奨レーンの表示色が有色であるか否かを判定する(SA3)。そして、有色ではないと判定した場合(無色であると判定した場合)(SA3、No)、SA2に戻る。
【0043】
一方、SA3において有色であると判定した場合(無色ではないと判定した場合)(SA3、Yes)、表示態様決定部41bは、SA4〜SA8を、経路に含まれる案内地点の数だけ繰り返す(SA4〜SA8)。例えば、表示態様決定部41bは、その時点の第1対象地点よりも案内開始地点に1つだけ近い案内地点を、第2対象地点に設定する(SA4)。そして、表示態様決定部41bは、SA5〜SA7を行った結果、SA4に戻った場合には、最初の第2対象地点よりも案内開始地点側に1つだけ近い案内地点を、次の第2対象地点に設定する。以降同様に、SA4に戻る毎に、その前の第2対象地点よりも案内開始地点側に1つだけ近い案内地点を、次の第2対象地点に設定する。
【0044】
このSA5〜SA7の繰り返しの中で、表示態様決定部41bは、SA1において当該第2対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、当該第2対象地点の推奨レーンの表示色が有色であるか否かを判定する(SA5)。そして、有色であると判定した場合(無色ではないと判定した場合)(SA5、Yes)、SA2に戻る。
【0045】
一方、SA5において有色ではないと判定した場合(無色であると判定した場合)(SA5、No)、表示態様決定部41bは、その時点の第2案内地点のレーン区間に、その時点の第1案内地点の表示色と同じ表示色のレーンがあるか否かを判定する(SA6)。そして、同じ表示色のレーンがあると判定した場合(SA6、Yes)、SA2に戻る。
【0046】
あるいは、同じ表示色のレーンがないと判定した場合(SA6、No)、その時点の第2案内地点の表示色を、その時点の第1案内地点の表示色と同じ色に設定する(SA7)。例えば、表示態様決定部41bは、SA1において当該第1対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、当該表示色を、第2対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録する。
【0047】
図5は、このように表示色が設定された経路を概念的に示す図である。
図4、5を参照しつつ、SA2〜SA9の処理の一部を説明すると、例えば、
図4に示すように、案内地点P9が最初の第1対象地点に設定され(SA2)、案内地点P9の表示色C9=無色(灰色)が有色ではないことから(SA3、No)、案内地点P9より1つ戻った案内地点P8が次の第1対象地点に設定され(SA2)、案内地点P8の表示色C8=無色(灰色)が有色ではないことから(SA3、No)、さらに案内地点P8より1つ戻った案内地点P7が次の第1対象地点として設定される(SA2)。この案内地点P7の表示色C7=橙色が有色であることから(SA3、Yes)、案内地点P7より案内開始地点側に1つだけ戻った案内地点P6が最初の第2対象地点として設定され(SA4)、この案内地点P6の表示色C6=灰色が有色ではなく(SA5、No)、案内地点P6のレーン区間LK6に案内地点P7の表示色C7=橙色と同じ色のレーンがないことから(SA6、No)、
図5に示すように、案内地点P6の表示色C6を、
図4の無色(灰色)に代えて、案内地点P7の表示色C7=橙色と同じ色に設定する。同様に、
図4に示すように、次の案内地点P5が次の第2対象地点として設定されるが(SA4)、案内地点P5のレーン区間LK5に案内地点P6の表示色=橙色と同じ色のレーンがあることから(SA6、Yes)、SA2に移行する。以降同様に、このような処理を繰り返し行うことで、
図5に示すように、案内地点P3の表示色C3として、
図4の無色(灰色)に代えて赤色が設定され、案内地点P1の表示色C1として、
図4の無色(灰色)に代えて青色が設定される。
【0048】
次に、
図2において、表示態様決定部41bは、SA10〜SA17を、経路に含まれる案内地点の数だけ繰り返す(SA10〜SA17)。このSA10〜SA17の処理では、概略的には、案内地点の中で、案内開始地点に最も近い案内地点を、処理対象とする1つの案内地点(以下、第3対象地点)に設定する。そして、第3対象地点の推奨レーンの表示色が有色に設定されていない場合には、案内開始地点に次に近い案内地点を第3対象地点とし、以降同様に処理を行うことで、推奨レーンの表示色が有色に設定されている案内地点の中で、案内開始地点に最も近い案内地点を第3対象地点とする。
【0049】
そして、第3対象地点に設定されている表示色を、第3対象地点より案内終了地点に1つだけ近い案内地点(以下、第4対象地点)の表示色に設定する。次に、第3対象地点より案内終了地点に2つだけ近い案内地点を第4対象地点に設定し、第3対象地点に設定されている表示色を、第4対象地点の表示色に設定する。以降同様に、案内終了地点に1つずつ近づくように(1つずつ車両進行方向を案内終了地点側に進むように)、案内地点を第4対象地点に設定しながら、第3対象地点に設定されている表示色を、第4対象地点の表示色に設定する。
【0050】
このように第3対象地点に設定されている表示色を、第4対象地点の表示色に設定することにより、両者の表示色を同一の色として、表示色の変更回数を最小限にする。すなわち、各案内地点においては、各案内地点のレーン区間における推奨レーン以外のレーンの路面色と同一色でない限り、任意の色を表示色にすることもできるが、表示色の変更回数が多くなる程、運転者が推奨ルートを把握する上で混乱が生じる可能性が増大する。このため、表示態様決定部41bは、表示色の変更回数を最小限にすることで、運転者が推奨ルートを把握する上で混乱が生じる可能性が低減する。
【0051】
ただし、第3対象地点の案内地点に設定されている表示色と同じ色が、第4対象地点の案内地点のレーン区間の路面色に含まれている場合や、第4対象地点の案内地点の推奨レーンの表示色が有色に設定されている場合には、第4対象地点の表示色は設定せず、第3対象地点を、当該第3対象地点より案内終了地点に1つだけ近い案内地点に設定した上で、同様の処理を繰り返す。
【0052】
次に、このようなSA10〜SA17の具体的手順を説明する。まず、表示態様決定部41bは、案内地点の中から、最も案内開始地点に近い1つの案内地点を、第3対象地点に設定する(SA10)。そして、表示態様決定部41bは、SA11〜SA16を行った結果、SA10に戻った場合には、最初の第3対象地点よりも案内終了地点側に1つだけ近い案内地点(案内終了地点側に1つだけ進んだ案内地点)を、第3対象地点に設定する。以降同様に、SA10に戻る毎に、その前の第3対象地点よりも案内終了地点側に1つだけ近い案内地点を、次の第3対象地点に設定する。
【0053】
このSA11〜SA16の繰り返しの中で、表示態様決定部41bは、SA1において当該第3対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、当該第3対象地点の推奨レーンの表示色が有色であるか否かを判定する(SA11)。そして、有色ではないと判定した場合(無色であると判定した場合)(SA11、No)、SA10に戻る。
【0054】
一方、SA11において有色であると判定した場合(無色ではないと判定した場合)(SA11、Yes)、表示態様決定部41bは、SA12〜SA16を、経路に含まれる案内地点の数だけ繰り返す(SA12〜SA16)。例えば、表示態様決定部41bは、案内地点の中から、その時点の第3対象地点よりも案内終了地点に1つだけ近い案内地点(案内終了地点側に1つだけ進んだ案内地点)を、第4対象地点に設定する(SA12)。そして、表示態様決定部41bは、SA13〜SA15を行った結果、SA12に戻った場合には、最初の第4対象地点よりも案内終了地点側に1つだけ近い案内地点を、次の第4対象地点に設定する。以降同様に、SA12に戻る毎に、その前の第4対象地点よりも案内終了地点側に1つだけ近い案内地点を、次の第4対象地点に設定する。
【0055】
このSA13〜SA15の繰り返しの中で、表示態様決定部41bは、SA1において当該第4対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、当該第4対象地点の推奨レーンの表示色が有色であるか否かを判定する(SA13)。そして、有色であると判定した場合(無色ではないと判定した場合)(SA13、Yes)、SA10に戻る。
【0056】
一方、SA13において有色ではないと判定した場合(無色であると判定した場合)(SA13、No)、表示態様決定部41bは、その時点の第4案内地点のレーン区間に、その時点の第3案内地点の表示色と同じ表示色のレーンがあるか否かを判定する(SA14)。そして、同じ表示色のレーンがあると判定した場合(SA14、Yes)、SA10に戻る。
【0057】
あるいは、同じ表示色のレーンがないと判定した場合(SA14、No)、その時点の第4案内地点の表示色を、その時点の第3案内地点の表示色と同じ色に設定する(SA15)。例えば、表示態様決定部41bは、SA1において当該第3対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、当該表示色を、第4対象地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録する。
【0058】
図6は、このように表示色が設定された経路を概念的に示す図である。
図5、6を参照しつつ、SA10〜SA17の処理の一部を説明すると、例えば、
図5に示すように、案内地点P1が最初の第3対象地点として設定され(SA10)、案内地点P1の表示色C1=青色が有色であることから(SA1、Yes)、案内地点P1より案内終了地点側に1つだけ進んだ案内地点P2が最初の第4対象地点として設定される(SA12)。そして、案内地点P2の表示色C2=青色が有色であることから(SA13、Yes)、案内地点P1より案内終了地点側に1つだけ進んだ案内地点P2が次の第3対象地点として設定され(SA10)、この案内地点P2より案内終了地点側に1つだけ進んだ案内地点P3が次の第4対象地点として設定される(SA12)。以降同様に処理が行われ、案内地点P4が第3対象地点として設定されると共に(SA10)、案内地点P5が第4対象地点として設定された場合(SA12)、案内地点P5の表示色C2=灰色が有色ではなく(SA13、No)、案内地点P5のレーン区間LK5に案内地点P4の表示色と同じ色=赤色のレーンがないことから(SA6、No)、
図6に示すように、案内地点P5の表示色C5を、
図4の無色(灰色)に代えて、案内地点P4の表示色=赤色と同じ色に設定する。
【0059】
次に、
図2において、表示態様決定部41bは、各案内地点のうち、表示色が無色の案内地点に関して、その表示色を、推奨レーンを含むカラーレーン区間における全てのカラーレーンの路面色以外の色であって、いずれの案内地点に対しても設定されていない表示色に設定する(SA18)。例えば、表示態様決定部41bは、各案内地点の座標に対応付けてデータ記録部に記録した表示色を参照し、表示色=無色が設定されている案内地点を特定する。また、表示態様決定部41bは、所定の複数種類の表示色の中から、SA1で路面色特定部41aにより特定されたカラーレーンの路面色以外の色であって、データ記録部に記録した表示色以外の表示色を特定する。例えば、所定の複数種類の表示色=赤色、橙色、緑色、青色であって、カラーレーンの路面色=赤色であり、データ記録部に記録した表示色=橙色、緑色である場合には、表示色=青色を決定する。そして、当該特定した案内地点の表示色に、当該特定した表示色を設定する。
【0060】
図7は、このように表示色が設定された経路を概念的に示す図である。
図6、7を参照しつつ、SA18の処理を説明すると、例えば、
図6に示すように、案内地点P8、P9の表示色C8、C9=無色であったものが、いずれの案内地点P1〜P7に対しても設定されていない表示色=緑色(表示色4)に設定されている。これにて各案内地点における推奨レーンの表示色の設定が完了し、表示態様決定処理が終了する。
【0061】
その後、制御部41は、データ記録部に記録した案内地点の座標と表示色を参照しつつ、推奨レーンの案内を行う。例えば、制御部41は、現在位置検出部によって検出された車両の現在位置がデータ記録部に記録した案内地点の座標に到達したか否かを所定間隔で判定する。そして、到達した場合には、当該案内地点で案内すべき推奨レーンの表示色をデータ記録部から取得する。そして、表示制御部41cは、地図情報DB42aの地図情報のレーン種別等を参照して、案内地点における車両前方の各レーンの画像(レーンリスト)を描画し、これら各レーンの中で、推奨レーンの路面についてはデータ記録部から取得した表示色で表示し、推奨レーン以外のレーンの路面については無色で表示する。
【0062】
図8は、カラーレーン区間の路面色とディスプレイ20の表示色との対応関係を示す図であり、
図8(a)はカラーレーン区間、
図8(b)は
図8(a)の下方部分に対応するものとしてディスプレイ20に表示された案内画面、
図8(c)は
図8(a)の上方部分に対応するものとしてディスプレイ20に表示された案内画面を示す。
図8(a)の下方部分に示すように、自車両がレーンL1(無色)とレーンL2(赤色)を含むカラーレーン区間を走行している場合であって、レーンL2(赤色)が推奨レーンである場合には、
図8(b)に示すように、ディスプレイ20の案内画面には、推奨レーンとしてレーンL2が赤色で表示され、他のレーンL1は無色で表示される。
【0063】
また、
図8(a)の上方部分に示すように、自車両がレーンL2(無色)、レーンL3(無色)、及びレーンL4(青色)を含むカラーレーン区間に入った場合であって、レーンL4(青色)が推奨レーンである場合には、
図8(c)に示すように、ディスプレイ20の案内画面には、推奨レーンとしてレーンL4が青色で表示され、他のレーンL2、L3は無色で表示される。なお、
図8(a)の場合において、推奨レーンが無色のレーンである場合、ディスプレイ20の案内画面においては、推奨レーンが他の有色レーンで使用されていない色(例えば、橙色や緑色)で表示される。
【0064】
(効果)
このように本実施の形態1によれば、カラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とに基づいて、カラーレーン区間における推奨レーンを案内表示するための表示態様を決定するので、カラーレーンの路面色と混乱しないように推奨レーンの表示態様を決定すること等ができ、カラーレーンを含む道路において、運転者が推奨レーンをカラーレーンから視覚的に容易に区別できるようになるため、運転者の利便性を向上させることができる。
【0065】
また、案内開始地点から案内終了地点に至る経路における全てのカラーレーン区間を対象として、カラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とを特定するので、全てのカラーレーン区間のカラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とを考慮して推奨レーンの表示態様を決定することができ、複数の推奨レーンの表示態様を同一にする等、ユーザの利便性を一層向上させることができる。
【0066】
また、経路の途中における変更回数が最小となるように推奨レーンの表示態様を決定するので、経路の途中で推奨レーンの表示態様が変更されることによって生じ得る混乱を最小限に留めることができるため、ユーザの利便性を一層向上させることができる。
【0067】
また、推奨レーンの表示態様として、表示手段に表示する推奨レーンの表示色を決定するので、カラーレーンの路面色と混乱しないように推奨レーンの表示色を決定すること等ができ、運転者の利便性を向上させることができる。
【0068】
また、推奨レーンの路面色が無色であった場合、当該推奨レーンの表示色を、当該推奨レーンを含むカラーレーン区間における全てのカラーレーンの路面色以外の色に決定するので、推奨レーンを含むカラーレーン区間における全てのカラーレーンと推奨レーンとを視覚的に区別することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、走行すべきカラーレーン区間が所定の画像認識方法で認識される毎に、当該認識されたカラーレーン区間を対象として、カラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とを特定する形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0070】
(構成)
まず、本実施の形態に係る表示システム2の構成を説明する。
図9は、本実施の形態に係る表示システム2を例示するブロック図である。
図9に示すように、表示システム2は、現在位置検出処理部10、ディスプレイ20、スピーカ30、カメラ50、及び表示装置60を備えている。
【0071】
(構成−カメラ)
カメラは、自車両の進行方向前方における道路面(以下、前方道路面)を撮影する撮影手段である。カメラが撮影した画像データは、制御部61に入力される。なお、カメラの具体的な構成は任意で、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の公知の撮像素子、及びレンズやプリズム等の公知の光学系部品を用いて構成されている。
【0072】
(構成−表示装置−制御部)
表示装置60の制御部61は、機能概念的に、路面色特定部61a、表示態様決定部61b、表示制御部61c、及び画像取得部61dを備える。路面色特定部61aは、走行すべきカラーレーン区間が所定の画像認識方法で認識される毎に、当該認識されたカラーレーン区間を対象として、カラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とを特定する路面色特定手段である。表示態様決定部61bは、路面色特定部61aにてカラーレーン区間のカラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とが特定される毎に、当該特定されたカラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とに基づいて、推奨レーンを所定の表示手段ディスプレイ20において案内表示するための表示内容を決定する表示態様決定手段である。表示制御部61cは、表示態様決定部61bが決定した表示態様にて、カラーレーン区間における推奨レーンをディスプレイ20に表示する表示制御手段である。画像取得部61dは、カメラにて撮影された画像を取得する処理である。これらの制御部61の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0073】
(構成−表示装置データ記録部)
データ記録部62は、地図情報DB62aを備えているが、実施の形態1とは異なり、地図情報DBの地図情報に含まれるレーン構成情報には、各レーンの区画線(レーン相互間の境界線であり、例えば白線や黄色線)の種別(例えば実線、破線等)と、各レーンの相互の並び位置とが含まれている一方、各レーンの路面色は含まれていないものとする。
【0074】
(処理−表示態様決定処理)
次に、このように構成される表示システム2によって実行される表示態様決定処理について説明する。
図10は、表示態様決定処理のフローチャートである。この表示態様決定処理は、推奨レーンの表示態様を決定するための処理であり、本実施の形態においては、走行すべきカラーレーン区間が認識される毎に、推奨レーンの表示色を設定するための処理であって、例えば、自車両の走行開始後に自動的に起動されて所定間隔で繰り返し実行される。
【0075】
まず、路面色特定部61aは、前方道路面の各レーンの区画線を認識する(SB1)。例えば、カメラにて撮像された前方道路面の画像を画像取得部61dが取得し、路面色特定部61aが当該取得した画像を公知の画像認識方法によって認識することで、各レーンの区画線を認識する。
【0076】
次いで、路面色特定部61aは、自車両が走行しているレーンを特定する(SB2)。例えば、路面色特定部61aは、SB1で認識した各レーンの区画線と、現在位置検出処理部10で検出された自車両の現在位置と、地図情報DBのレーン構成情報から取得した各レーンの区画線と各レーンの相互の並び位置とに基づいて、自車両が走行しているレーンを特定する。
【0077】
また、路面色特定部61aは、各レーンの路面色を特定する(SB3)。例えば、路面色特定部61aは、カメラにて撮像された前方道路面の画像を画像取得部61dが取得し、路面色特定部61aが当該取得した画像を公知の画像認識方法によって認識することで、各レーンの路面色を特定する。
【0078】
その後、表示態様決定部61bは、推奨レーンの路面色が有色であるか否かを判定する(SB4)。この判定は、例えば、SB2で特定した自車両が走行しているレーンと、SB3で特定した各レーンの路面色と、経路探索時に設定された推奨レーンとに基づいて行う。
【0079】
そして、推奨レーンの路面色が有色である場合(SB4、Yes)、SB3で特定した各レーンの路面色の中の当該推奨レーンの路面色と同一の色を、当該推奨レーンの表示色に設定する(SB5)。なお、この際、ディスプレイ20でレーンの表示色として表示可能な所定の表示色の中に、推奨レーンの路面色と同一の色が含まれない場合には、当該所定の表示色の中から、推奨レーンの路面色に極力近い色を選択して表示色に設定する。すると、制御部61は、このように設定された表示色を参照しつつ、推奨レーンの案内を行う。例えば、制御部61は、カメラで撮像された前方道路面の実景画像をディスプレイ20に表示すると共に、推奨レーンについてはSB5で設定した表示色を重畳表示し、推奨レーン以外のレーンについては重畳表示を行うことなく実景画像のままとする(SB7、SB8において同じ)。
【0080】
一方、推奨レーンの路面色が有色でない場合(SB4、No)、表示態様決定部61bは、非推奨レーンの路面色が有色であるか否かを判定する(SB6)。この判定は、例えば、SB2で特定した自車両が走行しているレーンと、SB3で特定した各レーンの路面色と、経路探索時に設定された推奨レーンとに基づいて行う。
【0081】
そして、非推奨レーンの路面色が有色である場合(SB6、Yes)、当該非推奨レーンの路面色とは同一ではない色を、推奨レーンの表示色に設定する(SB7)。この際、ディスプレイ20でレーンの表示色として表示可能な所定の表示色の中から、非推奨レーンの路面色と極力似ていない色を、推奨レーンの表示色に設定する。
【0082】
一方、非推奨レーンの路面色が有色でない場合(SB6、No)、推奨レーンの表示色を設定することなく、実景画像に移されている路面色をそのまま表示する(SB8)。すなわち、この場合には、推奨レーンの路面色は有色ではなく無色であるため(SB4、No)、推奨レーンが無色の路面色そのままで表示される。これにて表示態様決定処理が終了する。以降同様に表示態様決定処理が繰り返されることで、自車両の移動に伴って変化する前方道路面の実景画像が表示制御部61cによってディスプレイ20に表示され、推奨レーンの表示色が重畳表示され、あるいは、推奨レーンが無色の路面色そのままで表示される。
【0083】
(効果)
このように本実施の形態2によれば、カラーレーン区間におけるカラーレーンの路面色を予め取得できない場合であっても、カメラ50で認識したカラーレーンの路面色と推奨レーンの路面色とを考慮して推奨レーンの表示態様を決定することができ、複数の推奨レーンの表示態様を同一にする等、ユーザの利便性を一層向上させることができる。
【0084】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0085】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、推奨レーンをカラーレーンから視覚的に完全に区別できない可能性があっても、従来より視覚的な区別が容易になっている場合や、従来と同程度の区別を従来とは異なる技術により達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0086】
(表示色の設定について)
各案内地点においては、各案内地点のレーン区間における推奨レーン以外のレーンの路面色と同一色でない限り、任意の色を表示色にすることができ、そのための表示色の具体的な決定方法としては、上記各実施の形態で説明した方法以外の方法を採用してもよい。
【0087】
例えば、
図2の表示処理のSA18においては、各案内地点のうち、表示色が無色の案内地点に関して、その表示色を、いずれの案内地点に対しても設定されていない表示色に設定している。しかしながら、この場合における表示色は、他の方法で決定して設定してもよい。例えば、いずれの案内地点に対して既に設定している表示色であっても、当該案内地点のレーン区間の各レーンの路面色と異なる表示色である場合には、推奨レーンの表示色に設定してもよい。ただし、この場合には、当該案内地点のレーン区間の各レーンの路面色と異なる表示色であるか否かを判定する処理が必要になり、この処理の分だけ制御部41の処理負荷が増加するため、処理負荷を低減するためには、SA18で説明した処理を行うことがより好ましい。
【0088】
(推奨ルートの表示方法について)
上記各実施の形態においては、案内画面における推奨ルートの表示方法として、推奨ルートの路面を表示色で表示することにより案内を行う場合について説明したが、この他の方法で推奨ルートを案内するようにしてもよい。
図11は、カラーレーン区間の路面色とディスプレイ20の表示色との対応関係を示す図であり、
図11(a)はカラーレーン区間、
図11(b)は
図11(a)に対応するものとしてディスプレイ20に表示された案内画面を示す。
図11(a)に示すように、自車両がレーンL1(無色)、レーンL2(無色)、レーンL3(赤色)、及びレーンL4(青色)を含むカラーレーン区間において、レーンL2を走行している場合であって、推奨レーンがレーンL3である場合、当該走行しているレーンから推奨レーンへのレーン変更を促すための矢印Xを、当該走行しているレーンから推奨レーンに至るように描画してもよい。この場合、この矢印Xの表示色を、上記表示態様決定処理で決定した推奨レーンの表示色(この場合には赤色)としてもよい。このような処理を行うことで、カラーレーンの路面色を考慮して、矢印Xの表示色を決定することができる。たたし、この場合には、矢印が推奨レーンと重畳する部分において、これら矢印Xと推奨レーンとが相互に同一の表示色で表示されて区別が困難になる可能性があるため、矢印Xの外形線を、矢印Xや推奨レーンの表示色とは異なる色であって、当該レーン区間の他のレーンの路面色とも異なる色(例えば緑色)に、設定することが好ましい。
【0089】
(ルートの表示色について)
例えば、ディスプレイ20の地図上に、経路を示す矢印を重畳表示すると共に、この地図の一部に、推奨ルートの案内画面を表示する場合において、経路を示す矢印の表示色を、推奨ルートの案内画面における当該推奨ルートの表示色と同一にしてもよい。例えば、表示態様決定部61bは、推奨ルートの案内画面における当該推奨ルートの表示色を変更する毎に、当該変更後の表示色と同一の色を、経路を示す矢印の表示色に変更する。このような処理を行うことで、運転者は、地図上の経路と、推奨ルートの案内画面における当該推奨ルートとの対応関係を、視覚的に容易に把握することができる。