特許第5720642号(P5720642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コベルコ建機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000002
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000003
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000004
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000005
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000006
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000007
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000008
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000009
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000010
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000011
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000012
  • 特許5720642-建設機械のケーブル固定構造 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5720642
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】建設機械のケーブル固定構造
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20150430BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20150430BHJP
   B66C 13/12 20060101ALN20150430BHJP
   B66C 1/06 20060101ALN20150430BHJP
【FI】
   E02F3/36 A
   E02F9/00 C
   !B66C13/12 D
   !B66C1/06 M
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-183035(P2012-183035)
(22)【出願日】2012年8月22日
(65)【公開番号】特開2014-40726(P2014-40726A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2013年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100109058
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】保坂 善伸
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−038741(JP,U)
【文献】 特開2006−117349(JP,A)
【文献】 特開2002−088801(JP,A)
【文献】 特開2000−039016(JP,A)
【文献】 特開平09−144743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/36
E02F 9/00
B66C 1/06
B66C 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の要件(i)〜(v)のすべてを具備することを特徴とする建設機械のケーブル固定構造。
(i) 可撓性及び弾力性を備えたチューブをケーブルに、ケーブル外周面との間に隙間が形成され、かつ、チューブ一端側の開口から上記ケーブルがはみ出す状態で被せること。
(ii) 弾力性を備えた円筒状のブッシュを、内周面が上記ケーブル外周面に、外周面が上記チューブの開口端部でチューブ内周面にそれぞれ密着して上記隙間を埋める状態で上記ケーブル及びチューブに嵌合させること。
(iii) 上記ブッシュの長さ方向の一端外周に、上記嵌合状態で上記チューブの開口端部からはみ出す鍔部を設けること。
(iv) 上記ブッシュの嵌合部分で上記チューブ、ブッシュ、ケーブルの三者を、建設機械における上記ケーブルが固定される部分に押え金具によって押え固定するように構成すること。
(v) 上記ケーブルの、上記チューブからはみ出した部分に、線材または帯材が螺旋状に巻回されて可撓変形自在に構成された保護具を被せ、上記ブッシュの鍔部を、上記保護具の上記チューブ側の端部に、保護具の長さ方向のストッパとなるように噛み込み係止させること。
【請求項2】
上記ブッシュをケーブルに対し直径方向に嵌め込み得るように、上記ブッシュの円周方向の一個所にブッシュ全長部分に亘ってスリットを設けたことを特徴とする請求項1記載の建設機械のケーブル固定構造。
【請求項3】
記建設機械における上記ケーブルが固定される部分に、上記チューブで被覆されたケーブルを防護するためのケーブル防護部材として、一対の防護壁をケーブルに沿って、かつ、ケーブルを収容する空間と、ケーブルを直径方向に出し入れ可能とする開口部が形成される状態で設け、上記押え金具を上記開口部を横断する状態で両防護壁に取付けるように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の建設機械のケーブル固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリフティングマグネット機等の建設機械において、給電用等のケーブルを固定するためのケーブル固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リフティングマグネット機を例にとって背景技術を説明する。
【0003】
リフティングマグネット機は、図7に示すようにクローラ式の下部走行体1と上部旋回体2から成る自走式のベースマシン3にブーム4、アーム5を有する作業アタッチメントAを装着した油圧ショベルを母体として、作業アタッチメントA(アーム5)の先端にリフティングマグネット6を取付けて構成され、リフティングマグネット6に金属スクラップ等を吸着させて運搬する。
【0004】
このリフティングマグネット機においては、上部旋回体2に図示しない発電機が搭載され、この発電機からの電力によりリフティングマグネット6を励磁して吸着作用を行わせるため、発電機とリフティングマグネット6をつなぐ給電用のケーブルCがブーム4、アーム5に沿って配索される。
【0005】
以上の構成は特許文献1に示されている。
【0006】
従来、この給電用のケーブルCを要所で固定するケーブル固定構造として、図8図12に示す構造がとられている。
【0007】
図8は、アーム5の先端側とリフティングマグネット6に跨る部分でのケーブルCの固定構造を示す。
【0008】
このケーブルCのうち、アーム5の背面沿いに配索された部分は、ゴム製の可撓性及び弾力性を備えたチューブ7によって被覆保護され、アーム先端からリフティングマグネット6に至る部分は公知の保護具8によって被覆保護される。
【0009】
いいかえれば、チューブ7はケーブルCに対し、チューブ一端側の開口からケーブルCがはみ出す状態で被せられ、このはみ出したケーブル部分が別の被覆材である保護具8で被覆される。
【0010】
保護具8は、図9,10に示すように、金属製またはプラスチック製の線材または帯材がコイルバネのように螺旋状に巻回されて可撓変形自在な筒体として構成され、リフティングマグネット6の回動運動に伴いケーブルCに追従して自在に変形する。
【0011】
従来のケーブル固定構造においては、図9図12に詳しく示すように、チューブ7と保護具8の境界部分で非被覆状態のケーブル露出部分C1を作り、このケーブル露出部分C1をクランプ9によってアーム背面に固定する構成がとられている。
【0012】
クランプ9は、アーム背面に固定された固定クランプ体9aと、この固定クランプ体9aにボルト止めされる押えクランプ体9bから成り、この両クランプ体9a,9b間にケーブルCを挟み込み固定する
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平8−26653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記従来構造によると、チューブ7はクランプ装置9によって一切固定されず、ケーブルCに対し相対移動自在な状態となるため、チューブ7の動きによってケーブルCがチューブ7から大きくはみ出し、ケーブルCの保護効果が低くなるおそれがあった。
【0015】
ここで、チューブ7とケーブルCを一体にクランプ固定することが考えられる。
【0016】
しかし、図11に示すようにケーブルCをチューブ7に通し易くするために両者間に比較的大きな隙間S1が確保されているため、クランプ装置9による拘束力がケーブル全周に及ばず、ケーブル固定効果が低くなる。このため、一体クランプ法は現実には無理であった。
【0017】
そこで本発明は、ケーブルとチューブを一体に、しかも十分な拘束力をもって固定することができる建設機械のケーブル固定構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、次の要件(i)〜(v)のすべてを具備するものである。
【0019】
(i) 可撓性及び弾力性を備えたチューブをケーブルに、ケーブル外周面との間に隙間が形成され、かつ、チューブ一端側の開口から上記ケーブルがはみ出す状態で被せること。
【0020】
(ii) 弾力性を備えた円筒状のブッシュを、内周面が上記ケーブル外周面に、外周面が上記チューブの開口端部でチューブ内周面にそれぞれ密着して上記隙間を埋める状態で上記ケーブル及びチューブに嵌合させること。
【0021】
(iii) 上記ブッシュの長さ方向の一端外周に、上記嵌合状態で上記チューブの開口端部からはみ出す鍔部を設けること。
【0022】
(iv) 上記ブッシュの嵌合部分で上記チューブ、ブッシュ、ケーブルの三者を、建設機械における上記ケーブルが固定される部分に押え金具によって押え固定するように構成すること。
【0023】
(v) 上記ケーブルの、上記チューブからはみ出した部分に、線材または帯材が螺旋状に巻回されて可撓変形自在に構成された保護具を被せ、上記ブッシュの鍔部を、上記保護具の上記チューブ側の端部に、保護具の長さ方向のストッパとなるように噛み込み係止させること。
【0024】
この構成によれば、弾力性を備えた円筒状のブッシュを、ケーブルとチューブの間の隙間を埋める状態でケーブル及びチューブに嵌合させ、このブッシュの嵌合部分でチューブ、ブッシュ、ケーブルの三者を押え金具で固定するため、拘束力がチューブからブッシュを介してケーブル全周部分に加えられる。
【0025】
従って、ケーブル及びチューブを一体状態で確実に固定することができる
【0026】
ここで、前記のようにチューブをケーブルに対し、チューブ一端側の開口からケーブルがはみ出す状態で被せ、このはみ出した部分に螺旋状の保護具を被せる構成をとる場合に、保護具は長さ方向に対して固定されず、ケーブルに対して相対移動し得る状態となっているため、機械の動き(たとえばリフティングマグネットの回動運動)に追従して長さ方向に移動する可能性がある。
【0027】
こうなると、ケーブルが一部剥き出し状態となって保護効果が失われるおそれがある。
【0028】
これに対し、本発明によると、ブッシュの鍔部を、保護具のチューブ側端部に噛み込み係止させて保護具に対するストッパ機能を発揮させるため、保護具の長さ方向移動を抑えてケーブル被覆状態を確保し、ケーブル保護効果を高めることができる
【0029】
発明において、上記ブッシュを上記ケーブルに対し直径方向に嵌め込み得るように、上記ブッシュの円周方向の一個所にブッシュ全長部分に亘ってスリットを設けるのが望ましい(請求項)。
【0030】
こうすれば、ブッシュをケーブルに一端から嵌め込んで被固定部分までスライドさせる場合と比較して、ブッシュを、ケーブルの被固定部分に直接かつきわめて簡単に取付けることができる。
【0031】
また、ブッシュをスライドさせる必要がないため、ブッシュをケーブルに密着状態、すなわち、拘束力をブッシュからケーブルに伝え易い、隙間無しの状態で取付けることができる。
【0032】
さらに、本発明において、上記建設機械における上記ケーブルが固定される部分に、上記チューブで被覆されたケーブルを防護するためのケーブル防護部材として、一対の防護壁をケーブルに沿って、かつ、ケーブルを収容する空間と、ケーブルを直径方向に出し入れ可能とする開口部が形成される状態で設け、上記押え金具を上記開口部を横断する状態で両防護壁に取付けるように構成するのが望ましい(請求項)。
【0033】
建設機械、とくにリフティングマグネット機ではケーブルに落下物が降りかかる可能性が高いため、ケーブル防護のための防護部材を設けるのが望ましい。
【0034】
請求項の発明では、防護部材として一対の防護壁をケーブルに沿って設け、この防護壁に押え金具を取付ける構成、すなわち、防護壁を押え金具を取付けるための部材として兼用する構成としているため、部品点数を節減し、コストダウンすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によると、ケーブルとチューブを一体に、しかも十分な拘束力をもって固定し、ケーブル保護効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の適用対象であるリフティングマグネット機の一部と実施形態に係るケーブル固定構造を示す斜視図である。
図2図1のロ部の拡大図である。
図3】同部の分解斜視図である。
図4】同部の拡大断面図である。
図5図4のV−V線断面図である。
図6】本発明の参考形態を示す図4相当図である。
図7】リフティングマグネット機全体の概略側面図である。
図8】リフティングマグネット機の一部と従来のケーブル固定構造を示す斜視図である。
図9図8のイ部の拡大図である。
図10】同部の分解斜視図である。
図11】同部の拡大断面図である。
図12図11のXII−XII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の実施形態を図1図6によって説明する。
【0038】
実施形態はリフティングマグネット機を適用対象としている。
【0039】
基本実施形態(図1図5参照)
基本実施形態において、次の点は図8図12に示す従来技術と同じである。
【0040】
(i) 発電機とリフティングマグネット6をつなぐ給電用のケーブルCがブーム、アーム5に沿って配索される点。
【0041】
(ii) ケーブルCのうち、アーム5の背面沿いに配索された部分は、ゴム製の可撓性及び弾力性を備えたチューブ11によって被覆保護され、アーム先端からリフティングマグネット6に至る部分は公知の保護具12によって被覆保護される(いいかえれば、チューブ11はケーブルCに対し、チューブ一端側の開口からケーブルCがはみ出す状態で被せられ、このはみ出したケーブル部分が別の被覆材である保護具12で被覆される)点。
【0042】
(iii) ケーブルCをチューブ11に通し易くするために両者間に比較的大きな隙間S2(図4参照)が確保される点。
【0043】
(iv) 保護具12は、金属製またはプラスチック製の線材または帯材がコイルバネのように螺旋状に巻回されて可撓変形自在な筒体として構成され、リフティングマグネット6の回動運動に伴いケーブルCに追従して自在に変形する点。
【0044】
基本実施形態においては、ブッシュ13がケーブルCに外嵌され、このブッシュ13がチューブ11の開口端部に内嵌されている。
【0045】
ブッシュ13は、ゴム等の弾力性に富む素材によって全体に弾力性を備えた円筒体として形成され、図4に示すように内周面がケーブル外周面に、外周面がチューブ11の開口端部でチューブ内周面にそれぞれ密着して隙間S2を埋める状態でケーブルC及びチューブ11に嵌合され、このブッシュ13の嵌合部分でチューブ11、ブッシュ13、ケーブルCの三者がアーム5の先端部背面に固定される。
【0046】
このケーブル固定構造を詳述する。
【0047】
アーム5の先端部背面に、チューブ11で被覆されたケーブルCを落下物等から防護するための防護部材として、左右一対の防護壁14,14がアーム長さ方向に一定長さ範囲に亘って設けられている。
【0048】
両防護壁14,14は、アーム背面に対して垂直、かつ、互いの間にケーブル収容空間と、ケーブルCを直径方向に出し入れ可能とする開口部15が形成されるように間隔を置いて平行に取付けられ、上記ケーブル収容空間に被覆状態のケーブルCが収容される。
【0049】
以下、チューブ11で被覆された状態のケーブルCをとくに「チューブ被覆ケーブル」といい、ケーブルCとは別の符号「C´」で表す場合がある。
【0050】
両防護壁14,14の高さは、チューブ被覆ケーブルC´が防護壁14からアーム水平状態での上方に少し突出するようにチューブ被覆ケーブル径よりも少し小さい寸法に設定され、この両防護壁14,14の長さ方向複数個所で板状の押え金具16が開口部15を横断する状態で、かつ、チューブ被覆ケーブルC´を上から押え込む状態で両防護壁14,14の上端面にボルト17,17で取付けられる。
【0051】
ブッシュ13は、この押え金具16の取付けに先立ってケーブルCに外嵌された状態でチューブ11の開口端部に嵌入され、押え金具16からチューブ11に加えられる拘束力がブッシュ13を通じてケーブルCに伝えられる。
【0052】
ブッシュ13には、円周方向の中間部1個所にブッシュ全長部分に亘ってスリット(切り溝)13aが設けられ、このスリット13aにより、ブッシュ13を開いてケーブルCに直径方向に嵌め込み得るように構成されている。
【0053】
また、ブッシュ13の長さ方向の一端部外周に鍔部13bが一体に設けられ、図4に示すようにこの鍔部13bが保護具12のチューブ側の端部に、保護具12の長さ方向のストッパとなるように噛み込み係止されている。
【0054】
いいかえれば、ブッシュ13を、鍔部13bがチューブ開口端からはみ出す状態でチューブ開口端部に嵌め込み、この状態で保護具12のチューブ側端部(先端から複数巻き部分)を開いて鍔部13bに噛み込ませることによって図2,4の状態とされている。
【0055】
このケーブル固定構造によると、次の効果を得ることができる。
【0056】
(I) チューブ11、ブッシュ13、ケーブルCの三者を互いの内、外周面で互いに密着させた状態で押え金具16によって固定するため、拘束力がチューブ11からブッシュ13を介してケーブルCの全周部分に加えられる。
【0057】
従って、ケーブルC及びチューブ11を一体状態で確実に固定することができる。
【0058】
(II) ブッシュ13の鍔部13bを、保護具12のチューブ側端部に噛み込み係止させて、保護具12に対するストッパ機能を発揮させる構成としているため、保護具12の長さ方向移動を抑えてケーブル被覆状態を確保し、ケーブル保護効果を高めることができる。
【0059】
(III) ブッシュ13をスリット13aによってケーブルCに直径方向に嵌め込み得る構成としているため、ブッシュ13をケーブルCに一端から嵌め込んで被固定部分までスライドさせる場合と比較して、ブッシュ13を、ケーブルCの被固定部分に直接かつきわめて簡単に取付けることができる。
【0060】
また、ブッシュ13をスライドさせる必要がないため、ブッシュ13をケーブルCに密着状態、すなわち、拘束力をブッシュ13からケーブルCに伝え易い、隙間無しの状態で取付けることができる。
【0061】
(IV) ケーブル防護部材として、一対の防護壁14,14をチューブ被覆ケーブルC´に沿って、かつ、同ケーブルC´を収容する空間と、ケーブルを直径方向に出し入れ可能とする開口部15が形成される状態でアーム背面に設け、押え金具16を、開口部15を横断する状態で両防護壁14,14に取付ける構成、すなわち、防護壁14,14を押え金具16の取付部材として兼用する構成としているため、部品点数を節減し、コストダウンすることができる。
【0062】
なお、図5に示すように押え金具16によってチューブ被覆ケーブルC´を押え固定した状態で同ケーブルC´の両側面が防護壁14,14の内面に密着するように、両防護壁14,14の間隔を設定するのが望ましい。
【0063】
こうすれば、拘束力が同ケーブルC´の全周部分により均等に加えられ易くなるため、ケーブル固定状態がより強化される
【0064】
図6は本発明の参考形態として、ケーブルCの、チューブ11からはみ出した部分を保護具12で被覆しない場合、あるいは保護具12で被覆するにしても鍔部13bを保護具12のチューブ側端部に噛み込み係止させる構成をとらない場合に、ブッシュ13の鍔部13bをチューブ11の開口端面に当接させる構成を示す。
【0065】
こうすれば、鍔部13bでチューブ11の開口端を塞ぎ、チューブ11内への水等の侵入を防止することができる。
【0066】
他の実施形態
() ブッシュ13を、プラスチックまたは金属により、円周方向の一個所に一定の幅を持ったスリット付きの円筒状(上記実施形態のブッシュ13のスリット13aの幅を大きくした形状)であって、スリットによって直径方向に弾力性を発揮するものとして形成し、このブッシュ13を、上記実施形態と同様に、内周面がケーブル外周面に、外周面がチューブ内周面にそれぞれ密着して隙間を埋める状態で嵌合させる構成をとってもよい。
【0067】
() 上記実施形態では、押え金具16の取付部材としてケーブル防護用の一対の防護壁14,14を兼用する構成をとったが、押え金具取付け専用の部材を設けてもよい。
【0068】
この場合、押え金具16及びその取付部材として、図8図12に示すクランプ装置9を用いてもよい。
【0069】
() 本発明はリフティングマグネット機の給電ケーブルに限らず、他の建設機械の給電ケーブル、あるいは通信ケーブルの固定構造としても適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
5 ケーブルが固定される建設機械の固定部分としてのアーム
6 リフティングマグネット
C ケーブル
11 チューブ
S2 ケーブルとチューブの隙間
12 保護具
13 ブッシュ
13a スリット
13b 鍔部
14 防護壁
15 開口部
16 押え金具
17 ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12