特許第5720869号(P5720869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5720869
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】クロム還元率の測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 31/00 20060101AFI20150430BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   G01N31/00 T
   G01N21/78 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-40165(P2010-40165)
(22)【出願日】2010年2月25日
(65)【公開番号】特開2011-174860(P2011-174860A)
(43)【公開日】2011年9月8日
【審査請求日】2012年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088719
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 博史
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 涼太
(72)【発明者】
【氏名】富岡 賢一
(72)【発明者】
【氏名】川上 紀
(72)【発明者】
【氏名】村岡 弘樹
【審査官】 三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−306707(JP,A)
【文献】 A. Alvarez Devesa,Determinacion espectrofotometrica de cromo(III) con AUD (acido uramildiacetico),Quimica analitica,1976年,Vol.30/No.5,pp.267-270
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00
G01N 21/78
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3価クロム溶液を還元して2価クロム溶液にしたときに、この2価クロム溶液をスズ含有溶液と混合し、2価クロムによってスズイオンを還元して金属スズを析出させ、この金属スズの量に基づいて反応前に存在した2価クロムの量を把握し、当初の3価クロム量との比較によってクロム還元率を測定する方法。
【請求項2】
3価クロム溶液を還元して2価クロムにした溶液を2価スズ溶液に混合して金属スズを析出させて該金属スズ量を把握し、この金属スズ量を析出させる2価クロム量と、還元前の3価クロム量との比較によって3価クロムから2価クロムへの還元率を測定する請求項1に記載するクロム還元率の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロムの還元率を測定する方法に関し、より詳しくは、例えば、3価クロムを2価クロムに還元する工程においてクロムの還元率を正確に測定することができる測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湿式法によるはんだ微粉末の製造では、塩化クロム水溶液中の3価クロム(Cr3+)を2価クロム(Cr2+)に電解還元し、この2価クロムをスズ系溶液に混合してスズを還元し、スズ系粒子を生成させる。このため、クロムの還元率を正確にかつ迅速に把握することが必要である。
【0003】
従来、クロムの分析法として、(イ)銅・クロムアズロールS−ゼフィラミンを比色試薬として用い、吸光光度法によって3価クロムを分析する方法(非特許文献1)、(ロ)イオン交換分離後にICP発光分析法によって3価クロムを定性分析する方法(特許文献1)、ジフェニルカルバジドを比色試薬として用いる6価クロムの定量法(特許文献2)などが知られている。
【0004】
しかし、非特許文献1および特許文献1、2の分析方法は何れも3価クロムの分析方法であり、また、特許文献3の方法は6価クロムの定量方法であって、クロムの還元率、例えば、3価クロムを2価クロムに還元するときのクロム還元率を測定する方法ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−300737号公報
【特許文献2】特開2001−201496号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】平野四蔵編, 無機応用比色分析2, 共立出版株式会社, 1974年, p.98-145
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、3価クロムを2価クロムに還元する工程において、クロムの還元率を正確に測定することができる測定方法を提供する。なお、参考例のクロム還元率測定方法は連続流れ分析に適し、短時間にクロム還元率を測定することができる測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の構成によって上記課題を解決したクロム還元率の測定方法に関する。
〔1〕3価クロム溶液を還元して2価クロム溶液にしたときに、この2価クロム溶液をスズ含有溶液と混合し、2価クロムによってスズイオンを還元して金属スズを析出させ、この金属スズの量に基づいて反応前に存在した2価クロムの量を把握し、当初の3価クロム量との比較によってクロム還元率を測定する方法。
〔2〕3価クロム溶液を還元して2価クロムにした溶液を2価スズ溶液に混合して金属スズを析出させて該金属スズ量を把握し、この金属スズ量を析出させる2価クロム量と、還元前の3価クロム量との比較によって3価クロムから2価クロムへの還元率を測定する請求項1に記載するクロム還元率の測定方法。
本発明について、参考例のクロム還元率測定方法は以下の構成を有する。
〔A〕クロムを含む試料液について、還元処理または酸化処理の前後に、400nm〜450nm波長における吸光度を測定し、処理前の吸光度V1と処理後の吸光度V2との比に基づいてクロムの価数の変化を測定することを特徴とする測定方法。
〔B〕クロムを含む試料液について、還元前と還元後に、400nm〜450nm波長における吸光度を測定し、還元前の吸光度V1と還元後の吸光度V2との比に基づいてクロムの還元率を測定する上記Aに記載する測定方法。
〔C〕クロムを含む試料液をキャリアー液と共に管路を通じて分光光度計に導入し、還元前の試料液と還元後の試料液について400nm〜450nm波長における吸光度を測定し、還元前の吸光度V1と還元後の吸光度V2との比に基づいてクロムの還元率を測定する上記Bに記載する測定方法。
〔D〕[イ]塩化クロム溶液については波長424nmの吸光度を測定し、[ロ]塩酸性クロム溶液については波長432nmの吸光度を測定し、または[ハ]硫酸性クロム溶液については波長417nmの吸光度を測定する上記Bまたは上記Cに記載する測定方法。

【発明の効果】
【0009】
本発明の参考例のクロム還元率測定方法は、特定の波長域において3価クロムと2価クロムの吸光度が大幅に異なることに基づき、還元処理または酸化処理の前後に、400nm〜450nm波長における吸光度を測定し、処理前の吸光度V1と処理後の吸光度V2との比に基づいてクロムの価数の変化を測定するので、迅速にクロムの還元率や酸化状態を測定することができる。
【0010】
本発明の参考例のクロム還元率測定方法は、連続流れ分析に適しており、具体的には、クロムを含む試料液をキャリアー液と共に管路を通じて分光光度計に導入し、還元前の試料液と還元後の試料液について400nm〜450nm波長における吸光度を測定することによってクロムの還元率を測定することができる。従って、クロムの還元率を一定時間ごとに逐次的に測定するのが容易であり、例えば、クロムを電解還元する場合に、電解時間の経過に応じて還元状態を逐次的に把握することができる。
【0011】
さらに、参考例のクロム還元率測定方法を連続流れ分析に適用すれば、試料の設定から吸光度の測定まで管路を通じて非酸化性雰囲気下で行うことができるので、測定中に空気酸化によってクロムの価数が変わるのを防止することができ、正確なクロムの価数変化を測定することができる。
【0012】
本発明の参考例のクロム還元率測定方法において、クロムを含有する試料液の液性によって3価クロムの吸光度のピークを示す波長が僅かに異なるので、この液性に適した波長で吸光度を測定する。具体的には、[イ]塩化クロム溶液については424nm、[ロ]塩酸性クロム溶液については432nm、[ハ]硫酸性クロム溶液については417nmの各波長における吸光度を測定することによって、より正確にクロムの価数変化を把握することができる。
【0013】
本発明のクロム還元率測定方法は、3価クロム濃度既知の試料液に、スズ濃度既知のスズ溶液を混合し、生成した沈澱量に基づいて2価クロムへの還元率を算出するので、試料液の調製や沈澱物の定量に時間がかかるが、分光光度計などの測定システムを必要とせずにクロムの還元率を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】2価クロムと3価クロムの吸光度のグラフ
図2】塩酸性クロム溶液の吸光度のグラフ
図3】硫酸性クロム溶液の吸光度のグラフ
図4】塩化クロム溶液(CrCl溶液)の吸光度のグラフ
図5参考例の測定方法を適用した連続流れ分析のシステム図。
図6参考例2の電解時間に応じた吸光度の変化を示すグラフ
図7参考例2の電解時間に応じた還元率の変化を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
〔2価クロムと3価クロムの吸光度〕
塩化クロム(CrCl2)を窒素雰囲気下で塩酸水溶液(36%濃度塩酸20mlを純水200mlで希釈した溶液)に溶解して2価クロム(Cr2+)溶液を調製し、この溶液について分光光度計にて300nm〜800nmの波長域の吸光度(ABS)を測定した。この結果を図1に示した。測定後、この2価クロム溶液に空気を導入して攪拌し、2価クロムを3価クロムに酸化した。この3価クロム溶液について、分光光度計にて300nm〜800nmの波長域の吸光度(ABS)を測定した。この結果を図1に併せて示した。
【0016】
図1に示すように、360nm付近、500nm付近、650nm付近では2価クロムと3価クロムについて吸光度の差は殆ど見られないが、420nm付近、600nm付近の波長域では2価クロムと3価クロムについて吸光度が大きく異なる。具体的には、420nm付近において、3価クロムの吸収度のピークは大きく、2価クロムの吸収度のピークは3価クロムより大幅に小さい。従って、3価クロムが2価クロムに還元された場合、420nm付近の波長域において吸光度のピークが低下するので、その低下する前の吸光度V1と低下した吸光度V2との比較によってクロムの還元率を把握することができる。
【0017】
一方、2価クロムの酸化工程においては、420nm付近の波長域において吸光度のピークが上昇するので、その上昇する前の吸光度V1と上昇した吸光度V2との比較によってクロムの酸化状態を把握することができる。
【0018】
なお、600nm付近の波長においても、3価クロムと2価クロムの吸光度について同様の傾向がみられるが、600nm付近よりも420nm付近の吸光度の差が大きいので、3価クロムと2価クロムについては420nm付近の吸光度を比較するほうが有利である。
【0019】
参考例のクロム還元率測定方法
本発明の第一の測定方法は、3価クロムと2価クロムについて図1に示す吸光度の相違に基づいてクロムの価数変化を測定する方法であり、その構成は、クロムを含む試料液について、還元処理または酸化処理の前後に、400nm〜450nm波長における吸光度を測定し、還元前の吸光度V1と還元後の吸光度V2との比に基づいてクロムの価数変化を測定することを特徴とする測定方法である。
【0020】
図1に示すように、塩化クロム溶液の2価クロムと3価クロムについて、420nm付近の吸光度が大きく異なる。具体的には、400nm〜450nmの波長域において吸光度の差が大きいので、本発明の測定方法はこの波長域の吸光度を利用する。なお、415nm〜435nmの波長域がより好ましい。
【0021】
クロムを含有する試料液の液性によって3価クロムの吸光度のピークを示す波長が僅かに異なる。塩酸性クロム溶液の吸光度を図2に示す。硫酸性クロム溶液の吸光度を図3に示す。塩化クロム溶液(CrCl3溶液)の吸光度を図4に示す。
【0022】
塩酸性クロム溶液は300mlのコニカルビーカに金属クロム0.1gと塩酸10mlを加えて加熱溶解した100ml溶液(Cr0.1wt%)である。硫酸性クロム溶液は300mlのコニカルビーカに金属クロム0.1gと硫酸10mlを加えて加熱溶解した100ml溶液である(Cr0.1wt%)。塩化クロム溶液(CrCl3溶液)は300mlのコニカルビーカに40wt%CrCl3溶液0.76gと塩酸10mlを加えて加熱溶解した100ml溶液(Cr0.1wt%)である。
【0023】
図2に示すように塩酸性クロム溶液では432nmに吸光度のピークが存在する。図3に示すように硫酸性クロム溶液では417nmに吸光度のピークが存在する。図4に示すように塩化クロム溶液(CrCl3溶液)では424nmに吸光度のピークが存在する。従って、[イ]塩化クロム溶液については424nm、[ロ]塩酸性クロム溶液については432nm、[ハ]硫酸性クロム溶液については417nmの各波長における吸光度を測定することによって、より正確に還元率を把握することができる。
【0024】
以下、クロム還元率の測定方法について説明する。なお、クロムの酸化状態を測定するには、420nm付近の波長域において吸光度のピークが上昇するので、その上昇する前の吸光度V1と上昇した吸光度V2との比較によってクロムの酸化状態を測定すればよい。
【0025】
クロム含有溶液について、上記波長域において、還元前の吸光度V1と還元後の吸光度V2とを測定する。還元前の吸光度V1は溶液に始めから含まれていた3価クロムの吸光度であり、還元後の吸光度V2は3価クロムが2価クロムに還元された残りの3価クロムの吸光度であるので、次式によって3価クロムが2価クロムに還元された割合(還元率)率を求めることができる。
還元率(%)=〔1−(V2/V1)〕×100
【0026】
具体的には、例えば、塩化クロム溶液(CrCl3溶液)を電解してクロムを還元する場合、波長420nmで溶液の吸光度を測定したときに、電解前の吸光度が0.692であり、電解後の吸光度が0.323であると、3価クロムから2価クロムへの還元率は、(1−0.323/0.692)×100=53.3%である。
【0027】
〔連続流れ分析〕
本発明の上記測定方法は連続流れ分析(フローインジェクションシステム)を利用することができる。連続流れ分析は、図5に示すように、試料導入部10と、混合コイル部20と、分光光度計30が直列に管路40によって接続されており、空気接触を防止した測定系が形成されている。試料導入部10に保持されている試料液は管路40を通じて流れるキャリアー液によって混合コイル部20に導入され、ここで管路40を通じて流入した緩衝液等(塩酸etc)と混合された後に分光光度計に送られ、吸光度が測定される。
【0028】
試料導入部10は六方バルブ等によって形成されており、一定量の試料液が保持される。還元前の試料液を試料導入部10に保持させ、これをキャリアー液(HCl等)によって混合コイル部20および分光光度計30に導入し、吸光度V1を測定する。還元前の試料液が運ばれた後は六方バルブを切り替えて、還元後の試料液を設置し、これをキャリアー液によって混合コイル部20および分光光度計30に導入し、吸光度V2を測定する。
【0029】
上記連続流れ分析システムによれば、試料の設定から吸光度の測定まで管路を通じて非酸化性雰囲気下で行うことができるので、測定中に空気酸化によってクロムの価数が変わるのを防止することができ、正確な還元率を測定することができる。
【0030】
本発明のクロム還元率測定方法
本発明のクロム還元率測定方法は、3価クロム溶液を還元して2価クロム溶液にしたときに、この2価クロム溶液を2価スズ含有溶液と混合し、2価クロムによってスズイオンを還元して金属スズを析出せ、この金属スズの量に基づいて反応前に存在した2価クロムの量を把握し、当初の3価クロム量との比較によってクロム還元率を測定する方法である。
【0031】
例えば、3価クロム濃度2.0mol/Lを電解還元したときに、還元後の試料20mlを、2価スズ濃度0.6mol/l(pH1)20mlに滴下して金属スズ1.24gが析出した場合、この金属スズを析出させる2価クロムの量は、Cr2+0.021molであり、電解前の3価クロム濃度との比較によって3価クロムから2価クロムへの還元率は、〔0.021/(2.0×20×10-3〕×100=52.5%であることが把握される。
【0032】
本発明のクロム還元率測定方法は、沈澱物の回収、乾燥後の定量などに時間がかかり、測定中に空気酸化を完全に防止できないので、実際の還元率よりも低い値が算出されるなどの懸念があるが、連続流れ分析システムなどを必要とせずにクロム還元率を算出することができる。
【実施例】
【0033】
参考例1
3価Cr濃度2.0mol/L、HCl濃度0.5mol/Lの塩化クロム水溶液(CrCl水溶液)1Lをカソード液として隔膜電解還元法により3価Crの電解還元を行った。電解前の塩化クロム溶液と、電解後の塩化クロム溶液について、図1に示す連続流れ分析装置を用い吸光度を測定した。
この分析装置の試料注入バルブに塩化クロム水溶液を15μL入れ、キャリアー溶液として塩酸(1.2M濃度)を5mL/分の流量で流して分光光度計に導入し、該塩化クロム水溶液の424nmにおける吸光度を測定した。この結果、電解前の吸光度V1は0.692ABS、電解3時間後の吸光度V2は0.323ABSであった。この測定は各2分間程度であった。吸光度V1とV2の比較から、隔膜電解による3価Crの2価Crへの還元率は53.3%であった。
【0034】
参考例2
実施例1に準じた条件下で、塩化クロム水溶液(CrCl水溶液)の電解還元を行い、連続流れ分析によって吸光度を測定した。この結果として電解時間に応じた吸光度の変化を図6に示し、還元率の変化を図7に示した。
図示するように、本発明の測定方法によれば、数十分毎に吸光度を測定することができ、電解時間の経過に従って還元率を把握することができる。
【0035】
実施例1
3価Cr濃度2.0mol/L、HCl濃度0.5mol/Lの塩化クロム水溶液(CrCl水溶液)1Lをカソード液として隔膜電解還元法により3価Crの電解還元を行った。電解3時間後の溶液を20mL分取し、Snイオンを0.6mol/L含み、pHをHClで1.0に調整したスズ含有溶液20mLに滴下し、沈澱を生成させた。この沈殿を減圧ろ過で回収後、水洗し、一晩減圧乾燥を行った後に重量を測定したところ、1.24gであった。また、沈殿物を蛍光X線測定したところ、この組成は金属Snであることを確認した。これの結果から、スズ含有溶液、塩化クロム水溶液の各金属イオン濃度と反応当量比に基づき、隔膜電解による3価Crの2価Crへの還元率は52.5%であった。
【0036】
参考例1と実施例1は何れも電解3時間後のクロム還元率は近似しており、信頼性の高いことが確認された。また、参考例1の測定方法は測定時間が約2分程度であり、分析時間を大幅に短縮できることが確認された。

【符号の説明】
【0037】
10−試料導入部、20−混合コイル部、30−分光光度計、40−管路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7