特許第5720898号(P5720898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5720898ガラスの溶融装置、及び溶融ガラスの供給方法、並びに溶融炉用の流出通路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5720898
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】ガラスの溶融装置、及び溶融ガラスの供給方法、並びに溶融炉用の流出通路
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/20 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   C03B5/20
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-61854(P2012-61854)
(22)【出願日】2012年3月19日
(65)【公開番号】特開2013-193906(P2013-193906A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】愛内 孝介
【審査官】 吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−095662(JP,A)
【文献】 特開昭50−092311(JP,A)
【文献】 特開昭62−297221(JP,A)
【文献】 実開昭63−143533(JP,U)
【文献】 特開平11−343124(JP,A)
【文献】 実開昭63−135935(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0083989(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/16 − 5/26
F27B 3/19
C03B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融ガラスを生成または加熱する溶融炉と、該溶融炉の下流側の側壁から前記溶融炉内に向かって突出すると共に、前記溶融ガラスの流入孔を有する流出通路とを備えたガラスの溶融装置であって、
前記流出通路の上部の内、前記溶融炉の側壁側から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根を備え、
前記屋根が、前記流出通路の側部又は前記側壁に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することを特徴とするガラスの溶融装置。
【請求項2】
前記溶融ガラス誘導面が、
前記流出通路の一方側の側部に向かって下り勾配となる第一傾斜平面と、
前記流出通路の他方側の側部に向かって下り勾配となる第二傾斜平面とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のガラスの溶融装置。
【請求項3】
前記第一傾斜平面と前記第二傾斜平面が、互いに接して前記屋根の頂部を構成することを特徴とする請求項2に記載のガラスの溶融装置。
【請求項4】
前記流入孔が、前記流出通路の内外を区画する通路構成壁の内、前記溶融炉の底部から離反した上部で開口すると共に、前記流出通路の上部において、前記屋根より先端側に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスの溶融装置。
【請求項5】
前記流入孔は、前記流出通路の上部における先端側端部に形成されることを特徴とする請求項4に記載のガラスの溶融装置。
【請求項6】
前記屋根は、前記流出通路の上部において前記溶融炉の側壁から前記流入孔の縁部まで延設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラスの溶融装置。
【請求項7】
前記流出通路の先端部が封鎖されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガラスの溶融装置。
【請求項8】
前記流出通路全体が、前記溶融炉の底部から上方に離反して位置していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラスの溶融装置。
【請求項9】
前記流出通路の通路構成壁の内、下部が前記溶融炉の底部により構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラスの溶融装置。
【請求項10】
前記流出通路および前記屋根の一部又は全体は、白金族元素、白金族元素を含む合金、またはモリブデンで形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のガラスの溶融装置。
【請求項11】
前記溶融炉を複数備え、隣り合う前記溶融炉を接続する接続部を有し、該接続部の内、少なくとも一つが、前記流出通路で構成されると共に、該流出通路の上部を前記屋根が覆っていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のガラス溶融装置。
【請求項12】
溶融炉で生成または加熱した溶融ガラスを、前記溶融炉の下流側の側壁から前記溶融炉内に向かって突出する流出通路から流出させ、溶融炉外へと供給する溶融ガラスの供給方法であって、
前記流出通路は、その上部の内、前記溶融炉の側壁側から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根を備え、
前記屋根が、前記流出通路の側部又は前記側壁に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することを特徴とする溶融ガラスの供給方法。
【請求項13】
溶融ガラスを流出させるために、溶融炉内に設けられる溶融炉用の流出通路であって、
前記流出通路の上部の内、前記流出通路の一端から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根を備え、
前記屋根が、前記流出通路の側部又は前記一端側に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することを特徴とする溶融炉用の流出通路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの溶融装置、及び溶融ガラスの供給方法、並びに溶融炉用の流出通路に係り、詳しくは、溶融炉に投入されたガラス原料を加熱し溶融させて溶融ガラスを生成した後、当該溶融ガラスを溶融炉から流出させる技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、溶融ガラスは、珪砂、石灰石、ソーダ灰、カレット等に代表されるガラス原料を調合、混合した後、加熱することにより生成される。溶融温度はガラス品種によるが、例えば、約1500℃である。溶融ガラスを生成するための装置としては、添付の図9に示すようなガラスの溶融装置が広く使用されている。
【0003】
図9は、従来におけるガラスの溶融装置の一構成例を示す側面図である。同図に示すように、このガラスの溶融装置1は、投入口6から溶融炉2内に投入されたガラス原料Cを、溶融炉2内でバーナー、電気ヒーター、溶融ガラス内の通電等を用いて加熱し溶融させることで、溶融ガラスGを生成する。そして、生成された溶融ガラスGを溶融炉2における下流側の側壁2aに形成された流出口3から溶融炉2外に流出させる構成となっている。
【0004】
図中に示す各矢印7〜10は、溶融炉2内における溶融ガラスGの対流を示すものであり、投入機からのガラス原料Cの押し込みによる力や熱対流によって形成される。これら溶融ガラスGの流れの内、最終的に製造されるガラス製品の品質の良否を左右する重要な要素となるのが、矢印10で示した側壁2aに沿って溶融炉2内を流下した後、流出口3へと流入する流れである。
【0005】
詳述すると、溶融炉内では、ガラス原料Cが溶融する際に多数の泡が発生するが、この泡は溶融の過程で溶融炉2内を浮上し、ガラス表面S付近にて泡層を形成する。この泡層は、投入口6から遠ざかるに従って徐々に消滅していくが、図中にクロスハッチングで示した領域Aにおいては、消滅せずに残存した泡層が、その場に滞留することがある。
【0006】
また、溶融の過程において、ガラス表面Sからガラス成分の一部が揮発し、例えば、シリカの含有量が高い不均質な溶融ガラスGの素地が生成されることがある。この不均質なガラス素地は、ガラス表面S付近を側壁2aに向かって流れ、領域Aへと到達する。
【0007】
このため、領域Aに行き着いた泡や不均質なガラス素地(以下、これらを総称して異質素地という)の内、特に流出口3の上方に存する異質素地が、矢印10で示す流れに沿って流出口3へと流入し、溶融炉2外へと流出してしまう事態を招いていた。そして、これに起因して、最終的に製造されるガラス製品に欠陥が含有されてしまい、製品の品質が大きく低下するという問題があった。
【0008】
そこで、このような問題を解決するため、異質素地が溶融炉外へと流出することを抑制する手段として、下記の特許文献1、2に開示されるような構成が提案されている。
【0009】
特許文献1には、溶融炉における下流側の側壁に形成された流出口の上方に、側壁から溶融炉内に突出するプレートを設けた構成が開示されている。また、特許文献2には、溶融炉における下流側の側壁から溶融炉内に向かって突出する溶融ガラスの流出通路と、該流出通路の上方で異質素地を排出する排出通路とを設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−95662号公報
【特許文献2】実公平3−54118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1、2に開示されたいずれの構成によるにしても、上述の問題を解決に至らせるのに十分な効果を奏するものではないことが、本願発明者によって判明している。
【0012】
具体的には、特許文献1に開示された構成によれば、流出口の上方で側壁から溶融炉内に突出するプレートの存在により、側壁に沿って溶融炉内を流下する異質素地を含んだ溶融ガラスが、流出口へと直接に流入することは回避できる。しかし、流下してプレートの表面へと到達した流れは、プレートの表面及び裏面に沿ってプレートを迂回するだけに過ぎず、結局は流出口へと流入し、溶融炉外へと流出してしまうことが明らかとなっている。
【0013】
また、特許文献2に開示された構成によれば、異質素地の流出通路への流入を低減することが期待できる。しかしながら、この構成では側壁に排出通路を設ける必要が生じるため、余分な設備コストが発生するのに加え、排出通路から排出された溶融ガラスの分だけ、成形できるガラスの量が減少する。その上、排出された溶融ガラスを再びガラスの製造に利用するためには、一旦、ガラスカレットとして原料に戻した後、再度溶融させてやる必要が生じ、さらに余分なコストが発生してしまう。
【0014】
さらに、排出通路にて排出しきれなかった異質素地は、側壁に沿って流下し、流出通路の上部および側部へと到達した後、溶融炉内に突出した流出通路の上部、側部、および側部に隣接する溶融炉の底部に沿って流出通路を迂回し、溶融炉外へと流出する経路を辿ることが判明している。つまり、溶融炉内に突出した流出通路を設けない場合に比べて、異質素地が溶融炉外へと至るまでの経路が延長されているに過ぎず、結果として溶融炉外へと流出することには何ら変わりがなかった。それゆえ、この構成によっても、異質素地の溶融炉外への流出を効果的に抑制することは困難であった。
【0015】
上記事情に鑑みなされた本発明は、溶融炉内で発生した異質素地が溶融ガラスと共に溶融炉外へと流出する量を可及的に抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、溶融ガラスを生成または加熱する溶融炉と、該溶融炉の下流側の側壁から前記溶融炉内に向かって突出すると共に、前記溶融ガラスの流入孔を有する流出通路とを備えたガラスの溶融装置であって、前記流出通路の上部の内、前記溶融炉の側壁側から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根を備え、前記屋根が、前記流出通路の側部又は前記側壁に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することに特徴付けられる。
【0017】
このような構成によれば、屋根が前記流出通路の側部に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有する場合には、側壁に沿って流下し、屋根の上部へと到達した異質素地を含んだ溶融ガラスは、溶融ガラス誘導面に誘導されて積極的に流出通路の側部へと流れる。その後、さらに溶融炉内を流下して溶融炉の底部へと至ることが判明している。また、屋根が側壁に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有する場合には、異質素地を含んだ溶融ガラスは、屋根に沿って流出通路の先端側に向かって流れることを抑制される。そして、当該溶融ガラスは、屋根の上部へと順次に流下してくる後続の溶融ガラスによって流出通路の側部へと押し出された後、さらに溶融炉内を流下して溶融炉の底部へと至ることが判明している。これにより、前記流出通路の上部、側部、および側部に隣接する溶融炉底部に沿って流出通路を迂回し、溶融炉外に流出する異質素地のうち、上部に沿って迂回する異質素地が溶融炉外へと流出する量を抑制することができる。
【0018】
上記の構成において、前記溶融ガラス誘導面が、前記流出通路の一方側の側部に向かって下り勾配となる第一傾斜平面と、前記流出通路の他方側の側部に向かって下り勾配となる第二傾斜平面とを備えていることが好ましい。
【0019】
このようにすれば、屋根の上部に到達した異質素地を含んだ溶融ガラスを、第一傾斜平面と第二傾斜平面とに沿って、流出通路の一方側の側部と他方側の側部とに誘導しつつ、流下させることができる。
【0020】
上記の構成において、前記第一傾斜平面と前記第二傾斜平面が、互いに接して前記屋根の頂部を構成することが好ましい。
【0021】
このようにすれば、屋根の上部に到達した異質素地を含んだ溶融ガラスは、第一傾斜平面と第二傾斜平面とが頂部で互いに接していることによって、より円滑に流出通路の一方側の側部と他方側の側部とに誘導されることになる。このため、異質素地が流出通路の上部に沿って流出通路を迂回し、溶融ガラスと共に溶融炉外へと流出することを、さらに効果的に抑制できる。
【0022】
上記の構成において、前記流入孔が、前記流出通路の内外を区画する通路構成壁の内、前記溶融炉の底部から離反した上部で開口すると共に、前記流出通路の上部において、前記屋根より先端側に形成されていることが好ましい。
【0023】
このようにすれば、ガラス表面の下方に存する均質に溶融された溶融ガラスが流入孔を通じて流出通路へと流入しやすくなる。このため、この均質な溶融ガラスの流れが、流出通路を流れる溶融ガラスの流れにおける支配的な流れとなり、その流量が高まる。これにより、流出通路の上部、側部、および側部に隣接する溶融炉底部に沿って流出通路を迂回し、溶融炉外へと流出する異質素地のうち、側部および側部に隣接する底部に沿って迂回する異質素地が溶融炉外へと流出する量が低下することになる。
【0024】
上記の構成において、前記流入孔は、前記流出通路の上部における先端側端部に形成されていてもよい。
【0025】
このようにすれば、溶融炉の側壁から流入孔に至るまでの距離が長くなるため、側壁に沿って溶融炉内を流下し、屋根の上部に到達した異質素地を含んだ溶融ガラスが、流出通路の上部に沿って流出通路を迂回し、溶融炉外へと流出しにくくなる。
【0026】
上記の構成において、前記屋根は、前記流出通路の上部において前記溶融炉の側壁から前記流入孔の縁部まで延設されていてもよい。
【0027】
このようにすれば、異質素地を含んだ溶融ガラスが、流出通路の上部に沿って流出通路を迂回し、溶融炉外へと流出するのをさらに効果的に抑制できる。
【0028】
上記の構成において、前記流出通路の先端部が封鎖されていることが好ましい。
【0029】
このようにすれば、流出通路の側部へと誘導された異質素地を含んだ溶融ガラスについて、下記のような好ましい態様が得られる。すなわち、流出通路の側部に到達した溶融ガラスの一部は、自然対流によって流出通路の側部および側部に隣接する底部に沿って当該流出通路の先端部に向かって流れた後、流出通路へと流入しようとするが、先端部が封鎖されているため、この溶融ガラスの流れを堰き止めることが可能となる。これにより、さらに効果的に溶融炉外への異質素地の流出を抑制することができる。
【0030】
上記の構成において、前記流出通路全体が、前記溶融炉の底部から上方に離反して位置していることが好ましい。
【0031】
このようにすれば、流出通路が溶融炉内において、より上方に位置することになるため、異質素地を含んだ溶融ガラスの内、溶融炉の底部に沿って流出通路を迂回する溶融ガラスの溶融炉外への流出を抑制する効果がさらに高まる。
【0032】
上記の構成において、前記流出通路の通路構成壁の内、下部が前記溶融炉の底部により構成されていてもよい。
【0033】
このようにすれば、通路構成壁の下部を別途設ける必要がなくなり、流出通路を簡易に形成することができるため、設備コストの低減を図ることが可能となる。
【0034】
上記の構成において、前記流出通路および前記屋根の一部又は全体は、白金族元素、白金族元素を含む合金、またはモリブデンで形成されていることが好ましい。
【0035】
このようにすれば、耐食性の向上が図られるため、流出通路および屋根が侵食されることにより生じる異質素地の流出や、流出通路および屋根の変形を抑制することが可能となる。
【0036】
上記の構成において、前記溶融炉を複数備え、隣り合う前記溶融炉を接続する接続部を有し、該接続部の内、少なくとも一つが、前記流出通路で構成されると共に、該流出通路の上部を前記屋根が覆っていてもよい。
【0037】
このようにすれば、複数の接続部の全てが流出通路で構成される場合には、各々の溶融炉において発生し得る異質素地の溶融炉からの流出を抑制することが可能となる。また、複数の接続部の内のいくつかが流出通路で構成される場合には、特に異質素地の流出が顕著な溶融炉とその下流側に位置する溶融炉とを接続する接続部を流出通路で構成すれば、設備コストの高騰を防止しつつ、異質素地の流出を抑制することができる。
【0038】
また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、溶融炉で生成または加熱した溶融ガラスを、前記溶融炉の下流側の側壁から前記溶融炉内に向かって突出する流出通路から流出させ、溶融炉外へと供給する溶融ガラスの供給方法であって、前記流出通路は、その上部の内、前記溶融炉の側壁側から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根を備え、前記屋根が、前記流出通路の側部又は前記側壁に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することに特徴付けられる。
【0039】
このような方法によれば、上記の装置に係る説明で既に述べた事項と同様の作用効果を享受することが可能である。
【0040】
さらに、上記課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、溶融ガラスを流出させるために、溶融炉内に設けられる溶融炉用の流出通路であって、前記流出通路の上部の内、前記流出通路の一端から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根を備え、前記屋根が、前記流出通路の側部又は前記一端側に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することに特徴付けられる。
【0041】
このような流出通路を溶融炉に設置すれば、上記のガラスの溶融装置に係る説明で既に述べた事項と同様の作用効果を享受することが可能である。
【発明の効果】
【0042】
以上のように、本発明によれば、溶融炉内で発生した異質素地が溶融ガラスと共に溶融炉外へと流出する量を可及的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の第一実施形態に係るガラスの溶融装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態に係るガラスの溶融装置と、溶融ガラスの挙動とを示す正面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係るガラスの溶融装置と、溶融ガラスの挙動とを示す側面図である。
図4】本発明の第一実施形態に係るガラスの溶融装置と、溶融ガラスの挙動とを示す平面図である。
図5図5(a)、(b)は本発明の第二、第三実施形態に係るガラスの溶融装置を示す斜視図である。
図6】本発明の第四実施形態に係るガラスの溶融装置を示す側面図である。
図7】従来技術に基づく比較例および本発明の実施例に用いたガラスの溶融装置と溶融ガラスの挙動とを示す概略図である。
図8】従来技術に基づく比較例および本発明の実施例に用いたガラスの溶融装置と溶融ガラスの挙動とを示す概略図である。
図9】従来のガラスの溶融装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態に係るガラスの溶融装置について、添付の図面に基づいて説明する。
【0045】
図1は、本発明の第一実施形態に係るガラスの溶融装置1(以下、単に溶融装置1という)を示す斜視図である。同図に示すように、溶融装置1は、溶融ガラスGを生成する溶融炉2と、溶融炉2内の溶融ガラスGを溶融炉2外へと流出させる流出口3と、流出口3に溶融ガラスGを流入させる流出通路4と、流出通路4を覆う屋根15とを備える。
【0046】
溶融炉2は、矩形の横断面形状を有すると共に、図示しない上流側端部に存するガラス原料の投入口と、加熱手段とを備えており、溶融炉2に投入されたガラス原料を加熱し、溶融させて溶融ガラスGを生成する。
【0047】
流出口3は、溶融炉2の下流側端部となる側壁2aに形成され、溶融炉2の底部2bから上方に離反して位置すると共に、流出通路4を通じて溶融炉2内から溶融ガラスGを溶融炉2外へと流出させる。
【0048】
流出通路4は、土台5上に設置されることで、溶融炉2の底部2bから上方に離反して位置している。また、流出通路4は、その下流端が側壁2aと当接して流出口3と隙間なく接続されると共に、側壁2aから溶融炉2内を上流側に向かって突出しており、その上流側端部における上部には、溶融炉2内の溶融ガラスGを流路4aに流入させるための矩形で、且つ上方に向かって開口した流入孔4bが形成されている。さらに、流出通路4の通路構成壁によって形成され、溶融ガラスGが流れる流路4aは、矩形の横断面形状を有し、その上流端には、流出通路4の流入口を封鎖する封鎖板4cが備えられている。また、流出通路4は白金による被覆が施されている。
【0049】
屋根15は、その下流端が側壁2aと当接すると共に、流出通路4の上部において流入孔4bよりも下流側となる部位を覆っている。また、屋根15の上部へと到達した溶融ガラスGを流出通路4の側部に誘導する溶融ガラス誘導面15aを有している。この溶融ガラス誘導面15aは、流出通路4の一方側の側部に向かって下り勾配となる第一傾斜平面15aaと、流出通路4の他方側の側部に向かって下り勾配となる第二傾斜平面15abとからなる。詳細には、第一傾斜平面15aaと第二傾斜平面15abは、屋根15の頂部において互いに接し、屋根15が三角形の横断面形状を有している。なお、第一傾斜平面15aaと第二傾斜平面15abとが成す角度は、任意に設定することができるが、本実施形態では90°となっている。また、屋根15も白金による被覆が施されている。
【0050】
以下、上記の溶融装置1内を流れる溶融ガラスGの挙動について、添付の図2図4に基づいて説明する。
【0051】
図2は溶融装置1を示す正面図であり、図3はその側面図、図4はその平面図である。図2および図3に示すクロスハッチングを施した領域Aには、異質素地(泡や不均質なガラス素地)を含んだ溶融ガラスGが存在する。この異質素地を含んだ溶融ガラスGの内、流出口3の上方に位置する溶融ガラスGは、図2および図3中に矢印10で示すように、溶融炉2の側壁2aに沿って溶融炉2内を流下し、屋根15の上部(頂部)へと到達する。
【0052】
そして、屋根15の上部(頂部)において、その流れを二方向に分離されると共に、第一傾斜平面15aaと第二傾斜平面15abとによって、積極的に流出通路4の側部へと流れた後、さらに流下して溶融炉2の底部2bへと至る。このため、異質素地を含んだ溶融ガラスGが、流出通路4の上部に沿って流出通路4を迂回して流出口3へと流入し、溶融炉2外へと流出することを可及的に抑制することができる。
【0053】
このとき、図4に矢印10b、10cで示すように、流出通路の側部に流下した異質素地の一部、及び溶融ガラス誘導面15aにより溶融炉2の底部2bへと至った異質素地の一部は、流出通路4の側部および側部に隣接する溶融炉2の底部2bに沿って流出通路4の上流端へと至る。
【0054】
しかし、流路4aの流入口が封鎖板4cで封鎖されているため、図中に破線で示すような、流路4aへと流入しようとする溶融ガラスGの流れを堰き止めることが可能となる。さらに、流出通路4の上部に流入孔4bが形成されていることにより、領域Aの下方に存する均質に溶融された溶融ガラスGが、流入孔4bを通じて流路4aへと流入する図3に矢印11で示す流れが生じる。このため、均質な溶融ガラスGが流路4aに流入する割合が高まり、その分だけ、流出通路4の上流端へ至った異質素地を含む溶融ガラスGが流路4aへと流入する流量が低下することになる。これにより、流出口3へと異質素地が流入し、溶融炉2外へと流出することをさらに効果的に抑制できる。また、流出通路4は、土台5によって溶融炉2の底部2bから上方に離反した位置しているため、異質素地を含んだ溶融ガラスGの内、溶融炉2の底部2bに沿って流出通路4を迂回する溶融ガラスGが溶融炉2外に流出することを抑制する効果がさらに高まる。
【0055】
さらに、流出通路4および屋根15には、白金による被覆が施されていることにより、耐食性の向上が図られるため、流出通路4および屋根15が侵食されることにより生じる異質素地の流出、流出通路4および屋根15の変形を抑制することができる。
【0056】
また、この構成によれば、溶融炉2内で発生した異質素地を溶融炉2外へと積極的に排出するための排出通路等を別途に設ける必要がなく、溶融炉2内の溶融ガラスGが流出口3以外から溶融炉2外へと流出することがない。このため、溶融炉2から溶融炉2外へと供給される溶融ガラスGの供給量が減少することもない。その結果、製品の製造効率の低下、及び製造コストの高騰を好適に防止することが可能となる。
【0057】
図5(a)、(b)は、本発明の第二、第三実施形態に係るガラスの溶融装置1を示す斜視図である。なお、以下の第二〜第四実施形態に係るガラスの溶融装置について説明するための各図面において、上記第一実施形態に係るガラスの溶融装置1と同一の機能、又は形状を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略している。また、この図5において、流出口3、流出通路4、土台5、屋根15以外の構成要素については、図示を省略している。
【0058】
図5(a)に示す第二実施形態に係る溶融装置1が、上記第一実施形態に係る溶融装置1と相違している点は、溶融ガラス誘導面15aが、流出通路4の一方側の側部から他方側の側部に向かって傾斜した傾斜平面となっている点である。
【0059】
このような構成によっても、異質素地を含んだ溶融ガラスGを、溶融ガラス誘導面15aに沿って流出通路4の側部へと誘導することができる。なお、溶融ガラス誘導面15aが傾斜する傾斜方向は、図5(a)に示す方向と逆方向であっても良い。
【0060】
図5(b)に示す第三実施形態に係る溶融装置1が、上記第一実施形態に係る溶融装置1と相違している点は、溶融ガラス誘導面15aが、流出通路4の上流側から側壁2aに向かって下り勾配となる傾斜平面となっている点である。
【0061】
このような構成によれば、屋根15の上部へと到達した異質素地を含んだ溶融ガラスGは、屋根15に沿って流出通路4の上流側に向かって流れることを抑制される。そして、当該溶融ガラスGは、屋根15の上部へと順次に流下してくる後続の溶融ガラスGによって流出通路4の側部へと押し出され、流出通路4の側部へと誘導されることになる。
【0062】
図6は、本発明の第四実施形態に係るガラスの溶融装置1を示す側面図である。この溶融装置1が、上記第一実施形態に係る溶融装置1と相違している点は、流出通路4が溶融炉2(ここでは、第一溶融炉2Xという)の側壁2aを貫通して、下流側に位置する第二溶融炉2Yと接続されている点である。なお、第二溶融炉2Yは、ガラス原料Cの投入口6が設けられていない点以外は、第一溶融炉2Xと同一な構成となっている。
【0063】
このような構成によれば、第一溶融炉2X、および第二溶融炉2Yのそれぞれにおいて発生し得る異質素地が、溶融炉2X、2Yから流出することを抑制できる。また、第一溶融炉2Xで発生した異質素地が下流側に位置する第二溶融炉2Yへと流出しにくくなる。
【0064】
ここで、本発明に係るガラスの溶融装置の構成は、上記の各実施形態に係る溶融装置に限定されるものではない。例えば、上記の各実施形態に係る溶融装置1において、流出口3及び流路4aの横断面形状は、矩形となっているが、円形や楕円形、多角形の横断面形状としてもよい。
【0065】
さらに、上記各実施形態においては、流出口3及び流出通路4は、溶融炉2の底部2bから上方に離反した位置に存しているが、側壁2aにおける下端部に流出口3を形成し、その流出口3に流出通路4の下流端を接続するようにしてもよい。この場合、流出通路4の下部は溶融炉2の底部2bで構成してもよい。このようにすれば、流出通路4の下部を別途設ける必要がなくなり、流出通路4を簡易に形成することができるため、設備コストの低減を図ることが可能となる。加えて、上記各実施形態においては、流出口3は溶融炉2の側壁2aに設けられているが、流出口3は溶融炉2の底部2bに設けても良い。流出口3を側壁部2a、又は側壁部2aに隣接する底部2bのいずれかに設ければ、流出通路4内(流路4a)において、溶融ガラスGが停滞する領域が生じることを防止できる。また、流出口3と流出通路4とを異なる要素とせずに、一体なものとして形成してもよい。
【0066】
加えて、流出通路4は、溶融炉2の側壁2aから溶融炉2内に向かって垂直に突出しているが、この限りではなく、側壁2aに対して傾斜した状態で突出させてもよい。また、流出口3及び流出通路4は必ずしも溶融炉2の幅方向における中央部に設ける必要はなく、中央部から幅方向にずれた位置に設けてもよい。また、流出口3及び流出通路4は、上記各実施形態において、溶融炉2の下流側端部となる側壁2aに設けられているが、当該側壁2aに連なる側壁に設けてもよい。すなわち、図示した向きと略直交するように、流出口3と流出通路4とを設けてもよい。
【0067】
さらに、上記各実施形態において、流出通路4および屋根15は白金で被覆されているが、白金族元素を含んだ合金や、モリブデン等で形成してもよい。
【実施例1】
【0068】
本発明の第一実施例として、図7に示す各ガラスの溶融装置(実施例3つ、比較例3つ)を用いて、ガラス表面付近に存する異質素地を含んだ溶融ガラスが、流出口へと流入する割合について数値熱流体解析を実施した。なお、この図7において流出通路、側壁、底部、屋根以外の溶融装置の構成要素については図示を省略している。
【0069】
以下、解析の実施条件について説明する。溶融ガラスを生成する溶融炉の寸法は、長さ:20m、幅:5m、高さ:1mである。溶融ガラスを溶融炉外へと流出させる流出口は、溶融炉の下流側端部となる側壁部の下端に備えられている。流出口の寸法は、幅:0.6m、高さ:0.35mであり、溶融ガラスが流れる流路の寸法も同様の値となっている。また、図7(c)〜(f)に示した溶融炉内に突出する流出通路は、長さ1mであり、流出通路の断面形状は流出口と同じである。さらに、図7(e)、(f)に示した、流出通路上部先端において溶融ガラスを流出通路に流入させる流入孔の寸法は、長さ:0.5m、幅:0.6mである。加えて、図7(e)、(f)、(g)に示した、実施例1〜3にのみ備えられた屋根の上端は、溶融炉の底部から0.65mの高さに位置し、屋根の頂角の角度は90°となっている。
【0070】
なお、比較例1〜3の構成は、従来のガラスの溶融装置に基づくものであり、比較例1は、異質素地の溶融炉からの流出について何ら対策を施していない構成である。また、比較例2は、上記特許文献1に係るガラスの溶融装置の構成であって、流出口の上方に、側壁部から溶融炉内に突出するプレートを設けた構成となっている。さらに、比較例3は、上記特許文献2に係るガラスの溶融装置の構成であって、側壁部から溶融炉内に突出する流出通路を設けた構成となっているが、流入孔及び屋根が設けられていない点で本発明と相違している。
【0071】
使用したガラスは、ソーダライムシリカガラスであり、カレット率50%のガラス原料を100t/dの流量で溶融炉の上流端に投入した。ガラスの溶融を促進するため、溶融炉の上流端から12mの位置までの領域では、1000kWの電力で通電加熱を行い、溶融炉の長手方向における中央部のガラス表面の温度が1500℃、溶融炉の下流側端部となる側壁におけるガラス表面の温度が1400℃となるように制御した。
【0072】
上記の条件下で、溶融炉の側壁から1mだけ上流側に移行した位置におけるガラス表面(線分)を200等分し、等分された各点を基点として流れの軌跡の追跡を行った後、各点が流出口へと流入した割合を百分率で算出した。ここで、流れの追跡時において、溶融炉内の自然対流に沿って、流出口および流出通路から離れるように溶融炉の上流側へと向かった点については、追跡を中止して流出口へと流入しないものとして扱った。
【0073】
以下に解析によって得られた各条件下での流入率を示す。また、図7(a)〜(f)に示した矢印は、各条件下における代表的な流れの軌跡を概略的に示したものである。
比較例1 (図7(a)):33%
比較例2 (図7(b)):40%
比較例3 (図7(c)):29%
実施例1 (図7(d)):27%
実施例2 (図7(e)):13%
実施例3 (図7(f)): 0%
【0074】
上記のとおり、比較例1〜3に対して、実施例1〜3における流入率の値はいずれも低いものとなっている。これは、本発明の実施例では、流出通路の上部の内、溶融炉の側壁側から連続する少なくとも一部領域を覆う屋根が、流出通路の側部に向かって下り勾配となる傾斜平面からなる溶融ガラス誘導面を有することにより、異質素地を含んだ溶融ガラスが、流出通路の上部に沿って流出通路を迂回することを抑制できたためと想定される。加えて、流出通路の上部に流入孔が形成されていることにより、異質素地を含んだ溶融ガラスに比べて、ガラス表面の下方に存する均質に溶融された溶融ガラスが、流入孔を通じて流出通路へと流入する割合が高まったためと想定される。
【実施例2】
【0075】
本発明の第二実施例として、図8に示す各ガラスの溶融装置を(実施例3つ、比較例3つ)用いて、第一実施例と同様にガラス表面付近に存する異質素地を含んだ溶融ガラスが、流出口へと流入する割合について数値熱流体解析を実施した。なお、この図8において流出通路、側壁部、底部、土台、屋根以外の溶融装置の構成要素については図示を省略している。
【0076】
以下、解析の実施条件について説明する。この第二実施例が上記第一実施例と相違している点は、溶融炉の下流側端部に設けられた流出口が、溶融炉の底部から上方に離反して位置している点と、流出通路を支持する土台を備え、この土台により流出通路が流出口と同様に溶融炉の底部から上方に離反して位置している点である。これにより、溶融炉の高さは1.25m、溶融炉の底部から流出口及び流出通路の下端までの高さは0.25mとなっており、実施例1〜3にのみ備えられた屋根の上端は、溶融炉の底部から0.9mの高さに位置している。その他の実施条件は上記第一実施例と同一となっている。
【0077】
以下に解析によって得られた各条件下での流入率を示す。また、図8(a)〜(f)に示した矢印は、各条件下における代表的な流れの軌跡を概略的に示したものである。
比較例1 (図8(a)):17%
比較例2 (図8(b)):21%
比較例3 (図8(c)):11%
実施例1 (図8(d)): 7%
実施例2 (図8(e)): 2%
実施例3 (図8(f)): 0%
【0078】
上記のとおり、比較例1〜3に対して、実施例1〜3における流入率の値はいずれも低いものとなっている。これは、この第二実施例においても、上記の第一実施例と同様の効果が得られたためと想定される。
【0079】
以上の結果、本発明によれば、異質素地を含んだガラス表面付近の溶融ガラスが流出口へと流入し、溶融炉外へと流出することを可及的に抑制し得るものと推認することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 ガラスの溶融装置
2 溶融炉
2X 第一溶融炉
2Y 第二溶融炉
2a 側壁
2b 底部
3 流出口
4 流出通路
4a 流路
4b 流入孔
4c 封鎖板
5 土台
G 溶融ガラス
S ガラス表面
6 投入口
7 ガラス素地の対流
8 ガラス素地の対流
9 ガラス素地の対流
10 ガラス素地の対流
10b 流出通路の側部および側部に隣接する溶融炉の底部を迂回する異質素地の流れ
10c 溶融ガラス誘導面により溶融炉の底部2へと誘導される異質素地の流れ
11 均質な溶融ガラスの流れ
15 屋根
15a 溶融ガラス誘導面
15aa 第一傾斜平面
15ab 第二傾斜平面
A 異質素地を含む領域
C ガラス原料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9