(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両に搭載される車載用電池パックは、複数のバッテリセルを備えたバッテリとその他の構成部品とがバッテリケース内に収容されて構成されている。このような電池パックでは、例えば、電動車両の走行等により電力が消費される際、或いはバッテリを充電する際等に、バッテリの温度が上昇してしまう。このためバッテリケース内のバッテリを適宜冷却する必要がある。
【0003】
バッテリを冷却するための構成としては、例えば、エバポレータ(熱交換器)をケース体(バッテリケース)内に設け、冷却風を循環させることで電池モジュール(バッテリ)を冷却するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような構成によりバッテリを十分に冷却することはできる。ただし、冷却風によってバッテリを冷却する際に熱交換器の周辺で結露水が発生してしまい、この結露水に起因して電池パックに不具合が生じてしまう虞がある。具体的には、例えば、結露水によってバッテリが短絡(ショート)したり、機能部品に錆が発生して破損してしまうといった問題が生じる虞がある。
【0005】
このような問題を解消するために、例えば、特許文献1には、ケース体(バッテリケース)にドレン部を設けた構成が開示されている。ドレン部は、エバポレータ(熱交換器)を冷却風が通過する際に発生する結露水を外部に排出するための機構であり、具体的には、ケース体に凹部を設け、この凹部に穴を設けると共に、この凹部内にフィルタを設置することによって形成されている。このようなドレン部を設けることにより、熱交換器の周囲で発生した結露水をバッテリケース内から外部に排出することはできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようにドレン部のフィルタを介して結露水が外部に排出される構成では、このドレン部から、逆に、バッテリケース内に水分が侵入してしまう虞がある。電池パックが、例えば、電動車両の底部(フロア下)に搭載され、ドレン部が電動車両の底面で外部に露出した状態となっていると、雨天時等に電動車両を走行させた際に、ドレン部からバッテリケース内に水分が侵入してしまう虞がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、バッテリケース内への水分の侵入を防止しつつ、バッテリを冷却する際に生じる結露水を良好に外部に排出することができる車載用電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、電動車両の底部に搭載される車載用電池パックであって、複数のバッテリと、これらのバッテリが収容されるバッテリケースと、前記バッテリを冷却する冷却風を前記バッテリケース内に循環させる送風手段と、前記バッテリケース内に配された熱交換器によって前記冷却風を冷却する冷却ユニットと、を具備し、前記冷却ユニットが、前記熱交換器の下側に設けられて当該熱交換器近傍で発生した結露水が貯留される貯留部と、該貯留部の底面部に開閉可能に設けられて当該貯留部に溜まった結露水を外部に排出させる排出部と、を備えると共に、前記排出部を構成する排出孔に対してプラグ部材を着脱させるための着脱駆動ユニットと、該着脱駆動ユニットを制御して前記排出部を所定のタイミングで開閉する制御部と、を含む開閉制御手段をさらに備え、前記着脱駆動ユニットは、前記プラグ部材が先端部に固定されたシャフト部材に設けられるラックギアと、このラックギアに係合するピニオンギアと、を備え、前記制御部は、
前記バッテリの充電が終了したタイミングで前記着脱駆動ユニットを駆動して前記排出部を開放させることを特徴とする車載用電池パックにある。
【0010】
かかる第1の態様では、バッテリケース内への水分の侵入を抑制しつつ、バッテリを冷却する際に生じる結露水を良好に外部に排出することができる。具体的には、通常は排出部が閉じた状態であり、バッテリを冷却する際に生じる結露水は貯留部内に貯留される。つまり結露水がバッテリケース内に流れ出すことを抑制している。また排出部が閉じた状態となっていることで、バッテリケース内に外部から雨水等の水分が侵入することを抑制することができる。そして、この排出部を所定のタイミングで開くことで、貯留部内に溜まった結露水を良好にバッテリケースの外部に排出することもできる。さらに、開閉制御手段を備えることで、貯留部にある程度の量の結露水が溜まった時点で、自動的に結露水が外部に排出される。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様の車載用電池パックにおいて、前記制御部は、前記バッテリの充電状況に基づいて前記結露水の発生量を推定し、
当該結露水の発生量の増加に基づいて前記着脱駆動ユニットを駆動して前記排出部を開閉させることを特徴とする車載用電池パックにある。
【0012】
かかる第2の態様では、開放部をより適切なタイミングで開放して、結露水を外部に排出することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様の車載用電池パックにおいて、前記制御部は、前記バッテリの急速充電が終了したタイミングで、前記着脱駆動ユニットを駆動して前記排出部を開放させることを特徴とする車載用電池パックにある。
【0014】
かかる第3の態様では、開放部をより適切なタイミングで開放して、結露水を外部に排出することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1から第3の何れか一つの態様の車載用電池パックにおいて、前記冷却ユニットは、前記バッテリケース内に配されて前記熱交換器が収容されるケース部材を備え、前記貯留部が前記ケース部材に設けられていることを特徴とする車載用電池パックにある。
【0016】
かかる第4の態様では、貯留部に溜まった結露水がバッテリケース内に流れ出してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1から第4の何れか一つの態様の車載用電池パックにおいて、前記貯留部の底面は、前記排出部に向かって傾斜する傾斜面で構成されていることを特徴とする車載用電池パックにある。
【0018】
かかる第5の態様では、結露水をより良好に排出部から外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明では、バッテリケース内への水分の侵入を抑制しつつ、バッテリを冷却する際に生じる結露水を良好に外部に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る電池パックの電動車両に対する搭載状態を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る電池パックの分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る電池パックの長手方向の断面図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る電池パックの短手方向の断面図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る冷却ユニットの斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る冷却ユニットの断面図である
【
図7】本発明の実施形態2に係る冷却ユニットの断面図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係る規制部材の概略を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態3に係る冷却ユニットの概略を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態3に係る着脱駆動ユニットの概略を示す図である。
【
図11】本発明の他の実施形態に係る冷却ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1に示すように、本発明に係る車載用電池パック10は、例えば、電気自動車等の電動車両1の底部(フロア下)に搭載され、電動車両1の走行用モータ等に電力を供給する。電池パック10は、
図2〜4に示すように、複数のバッテリ20と、内部にバッテリ20が収容されるバッテリケース30と、バッテリ20を冷却するための冷却風をバッテリケース30内に循環させる送風手段であるファン装置40と、バッテリ20の冷却により加熱された冷却風を冷却する冷却ユニット50と、を備えている。
【0023】
各バッテリ20は、並設された複数のバッテリセル21で構成されている。例えば、本実施形態では、8個のバッテリセル21で構成される第1のバッテリ20Aと、4個のバッテリセル21で構成される第2のバッテリ20Bとの2種類のバッテリ20が、バッテリケース30内に収容されている。なお、これら複数のバッテリセル21は、図示しないがバッテリホルダによって一体化されてバッテリ20を構成している。勿論、これらのバッテリセル21は、必ずしもバッテリホルダで一体化されていなくてもよい。
【0024】
バッテリケース30は、複数のバッテリ20を収容する容器であり、バッテリトレイ31とバッテリカバー32とで構成されている。バッテリトレイ31はバッテリケース30の下部を構成し、バッテリカバー32がバッテリケース30の上部を構成している。つまり複数のバッテリ20は、これらバッテリトレイ31とバッテリカバー32とで形成される空間内に保持されている。
【0025】
本実施形態では、バッテリケース30の短手方向において、第1のバッテリ20Aと第2のバッテリ20Bとが一つずつ並設され(
図4参照)、バッテリケース30の長手方向においては、第1のバッテリ20A及び第2のバッテリ20Bがそれぞれ7個ずつ並設されている(
図2参照)。本実施形態では、バッテリケース30の前方側の5つのバッテリ20は、端子部22が上方となるようにバッテリトレイ31に載置され、バッテリケース30の後方側の2つのバッテリ20は、端子部22がバッテリトレイ31の前方や後方を向くように載置されている。このため、バッテリカバー32は、バッテリケース30の後方側の2つのバッテリ20に対応する部分の高さ(深さ)が他の部分よりも高く(深く)なっている。
【0026】
なおバッテリトレイ31内には、各バッテリ20間に対応する部分にリブ33が立設されている。このリブ33は、各バッテリ20が収容される領域を区画すると共に、バッテリトレイ31の剛性を高める役割を果たしている。また図示しないがバッテリトレイ31とバッテリカバー32との間にはシール部材が設けられており、このシール部材によって両者の隙間からバッテリケース30内に水などが侵入しないように構成されていている。
【0027】
ファン装置40は、ファンダクト41によって冷却ユニット50に接続されており、冷却ユニット50で冷却された冷却風をバッテリケース30内に送り出して循環させる。本実施形態では、ファン装置40はバッテリカバー32に設けられている。バッテリカバー32には、その長手方向に沿って延設される送風路34が設けられており、ファン装置40はこの送風路34に接続されている。
【0028】
そして、ファン装置40から送り出された冷却風は、送風路34を介してバッテリケース30の後方に送られた後、各バッテリ20の隙間をバッテリケース30の前方に向かって流れる際に各バッテリ20を冷却する。バッテリ20の冷却により加熱された冷却風は、バッテリケース30の前方に設けられている冷却ユニット50内に流れ込み、冷却ユニット50によって冷却された後、再びファン装置40から送り出される。このように本発明に係る車載用電池パック10では、冷却ユニット50で冷却された冷却風をバッテリケース30内で循環させることでバッテリ20を冷却している。
【0029】
冷却ユニット50は、熱交換器であるエバポレータ51と、エバポレータ51を収容するケース部材52とを備える。この冷却ユニット50は、バッテリケース30内に設けられている。本実施形態では、バッテリトレイ31の長手方向一端側(前方側)にバッテリ20が設けられていないスペースSが設けられており、冷却ユニット50は、このスペースSに配されている。
【0030】
冷却ユニット50のケース部材52は、
図5及び
図6に示すように、バッテリトレイ31側に配されるケース下部材53と、バッテリカバー32側に配されるケース上部材54とで構成されている。このケース部材52には、エバポレータ51に対向する側面に開口部55が設けられ、その上部には排気口56が設けられている。排気口56にはファンダクト41を介して上述したファン装置40が接続されている。
【0031】
なおケース部材52内のエバポレータ51には、蒸発する前の冷却用の冷媒を供給する導入路部57と、エバポレータ51内で蒸発した冷媒を排出する排出路部58とが接続されている(
図3参照)。これら導入路部57及び排出路部58は、図示しないが外部の圧縮機や放熱器などに連結されている。
【0032】
ここで、ケース下部材53には、エバポレータ51によって冷却風を冷却する際に生じる結露水が貯留される空間である貯留部100が設けられている。この貯留部100は、ケース下部材53内に固定されたエバポレータ51の下側に形成されている。すなわち、エバポレータ51がケース下部材53の底面との間に所定の隙間を確保してケース下部材53に固定されることで、エバポレータ51の下側に貯留部100が形成されている。
【0033】
貯留部100の底面部分には、外部に連通する排出部としての排出孔101が設けられている。バッテリトレイ31には、この排出孔101に対向して連通孔35が形成されており、排出孔101はこの連通孔35を介して外部に連通している。例えば、本実施形態では、排出孔101が貯留部100の底面(ケース下部材53の底面)102の略中央部に設けられている。そして貯留部100の底面102はこの排出孔101に向かって傾斜する傾斜面となっている。すなわち貯留部100は錐状に形成されている。これにより、エバポレータ51とケース下部材53の底面との間(エバポレータ51の下側)に結露水が貯留される空間である貯留部100が形成されている。
【0034】
排出孔101は、貯留部100内に溜まった結露水を外部に排出するためのものであるが、通常はプラグ部材110によって塞がれている。したがって、エバポレータ51で冷却風が冷却される際に生じる結露水は、バッテリケース30の外部(本実施形態では、ケース部材52の外部)に排出されることなく、一旦、貯留部100に貯留される。そして、例えば、貯留部100内にある程度の量の結露水が溜まった時点で、或いは定期点検時、充電中又は給油中などの所定のタイミングで、車両の外側からプラグ部材110を取り外して貯留部100内の結露水を排出孔101からバッテリケース30の外部に排出する。
【0035】
このように、エバポレータ51が収容されるケース部材52内に設けられた貯留部100に結露水が貯留されるようにすることで、結露水がバッテリケース30内に流れ込んでバッテリ20がショートしたり機能部品に錆が発生しまったりするのを抑制することができる。またバッテリケース30内に雨水などが浸入してバッテリ20がショートすることも防止することができる。本発明に係る車載用電池パック10は、電動車両の底部に搭載されるタイプのものであり、排出孔101部分が電動車両の底部に露出されることになる。このため、排出孔101が常に開いた状態であると雨天走行時等に排出孔101からバッテリケース30内に雨水等が侵入してしまう虞がある。しかしながら、通常はこの排出孔101をプラグ部材110で塞いで結露水が貯留部100内に貯留されるようにしているため、バッテリケース30内への雨水等の侵入を確実に防止することができる。
【0036】
さらに、例えば、定期点検時、充電中又は給油中などの所定のタイミングで、排出孔101を塞ぐプラグ部材110を取り外すことで、貯留部100内の結露水を排出孔101から外部に比較的容易且つ良好に排出させることができる。
【0037】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る冷却ユニットの断面図であり、
図8は、規制部材の概略斜視図である。
【0038】
本実施形態は、冷却ユニットが規制部材を備えるようにした例であり、それ以外の構成は、実施形態1と同様である。同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
図7及び
図8に示すように、実施形態2に係る冷却ユニット50Aは、ケース下部材53及びケース上部材54で構成されるケース部材52の内部に、貯留部100内に溜まった結露水の流動を規制する規制部材120をさらに備える。規制部材120は、ケース部材52内のエバポレータ51の下側に、貯留部100を実質的に塞いで設けられている。
【0040】
具体的には、規制部材120は、貯留部100を覆う蓋部121を備える。この蓋部121には、エバポレータ51近傍で生じた結露水を貯留部100に流入させるための流入孔122が形成されているが、貯留部100はこの蓋部121によって実質的に塞がれている。
【0041】
これにより、貯留部100内に溜まった結露水の流動をさらに確実に抑制することができる。すなわち結露水がバッテリケース30に流れ込んでしまうのをより確実に抑制することができる。したがって、結露水に起因するバッテリ20のショートといった問題の発生をより確実に防止することができる。
【0042】
規制部材120は、蓋部121から貯留部100内に突出する突出部123をさらに備えている。また突出部123には、結露水の流動異音を防止するための貫通部124が設けられている。例えば、本実施形態では、突出部123は、ケース部材52の短手方向に沿って配された板状の部材からなり、ケース部材52の長手方向に2つ設けられている。また各突出部123には、スリット状の貫通部124が複数設けられている。
【0043】
規制部材120が突出部123を備えることで、貯留部100内に溜まった結露水の流動(揺れ)を抑制することができ、結露水のバッテリケース30内への流れ込みをより確実に防止することができる。また突出部123に貫通部124が設けられていることで、車両走行時等に結露水の流動(揺れ)が生じた場合でも、突出部123による結露水の異音(流動異音)の発生を抑制することができ、運転者等の不快感を低減することができる。
【0044】
なお、これら突出部123及び貫通部124の形状、位置、数等は、特に限定されず、車両走行時の結露水の揺れを考慮して適宜決定されればよい。
【0045】
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る冷却ユニットの概略を示す断面図であり、
図10は、着脱駆動ユニットの概略を示す図である。
【0046】
本実施形態は、冷却ユニットが、排出孔を所定のタイミングで開閉する開閉制御手段をさらに備えるようにした例である。具体的には、
図9に示すように、冷却ユニット50Bは、排出孔101に対してプラグ部材110を着脱させるための着脱駆動ユニット200と、この着脱駆動ユニット200の動作を制御する制御部210とを、上記開閉制御手段として備える。
【0047】
本実施形態の冷却ユニット50Bでは、プラグ部材110Aが排出孔101の上部側に着脱可能に設けられている。このプラグ部材110Aを排出孔101に対して着脱するための着脱駆動ユニット200は、エバポレータ51と共にケース部材52内に配されている。着脱駆動ユニット200は、例えば、
図10に示すように、プラグ部材110Aが一方の先端部に固定されると共にラックギア201が設けられたシャフト部材202と、ラックギア201に係合するピニオンギア203及び減速ギア204と、ピニオンギア203を回転させる駆動モータ205とを備える。これらの構成は、駆動ユニットケース206内に封止されている。シャフト部材202は、駆動ユニットケース206の外側まで延設されているが、シャフト部材202と駆動ユニットケース206との隙間は、ブッシュ207によって塞がれている。
【0048】
このような本実施形態の構成では、エバポレータ51近傍で生じる結露水の発生量に応じて、制御部210がプラグ部材110Aを排出孔101に対して着脱させる。すなわち制御部210は、結露水の発生量が急増した場合などに、着脱駆動ユニット200によってプラグ部材110Aを排出孔101から脱離させて排出孔101を開状態とする。制御部210からの信号に基づいて駆動モータ205が一方側に回転することで、減速ギア204及びピニオンギア203を介してラックギア201が回転し、シャフト部材202と共にプラグ部材110Aが上方に移動する。これによりプラグ部材110Aが排出孔101から脱離して排出孔101が開状態となる。そして貯留部100内に溜まった結露水が、適宜、排出孔101から外部に排出される。
【0049】
結露水の発生量は、センサ等によって直接検出するようにしてもよいし、冷却ユニット50Bの作動状況や、バッテリ20の充電状況等から推定するようにしてもよい。例えば、バッテリ20の充電が終了した後、特に、急速充電が終了した後は、結露水の発生量が急増していると推定される。このため、バッテリ20の充電が終了した際(充電プラグが電源から抜かれた際)に、制御部210が、着脱駆動ユニット200によってプラグ部材110Aを駆動させて、貯留部100内の結露水が排出孔101から外部に排出されるようにしてもよい。
【0050】
このように貯留部100内に溜まった結露水が、適宜、排出孔101から外部に排出されることで、結露水が貯留部100から溢れてバッテリケース30内に流れ出すことを防止することができる。
【0051】
なお結露水が排出された後は、制御部210は、着脱駆動ユニット200によってプラグ部材110Aを排出孔101に装着して排出孔101を閉状態とする。制御部210からの信号に基づいて駆動モータ205が他方側(逆方向)に回転することで、減速ギア204及びピニオンギア203を介してラックギア201が回転し、シャフト部材202と共にプラグ部材110Aが下方に移動する。これによりプラグ部材110Aが排出孔101に装着されて排出孔101が閉状態となる。
【0052】
勿論、貯留部100に溜まった結露水の外部への排出は、上記のような所定のタイミングだけでなく、例えば、スイッチ等の操作によって電動車両の使用者等から要求があった際に行うようにしてもよい。
【0053】
以上本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0054】
例えば、上述の実施形態では、貯留部100に連通する排出孔101は、バッテリケース30に形成された連通孔35を介して外部に露出されている。またプラグ部材110はバッテリケース30の連通孔35内で排出孔101に装着されている。しかしながら、排出孔101の封止構造は、これに限定されるものではなく、例えば、
図11に示すように、バッテリケース30に形成された連通孔35自体をプラグ部材110Aで塞ぐことで、排出孔101が封止されるようにしてもよい。
【0055】
さらに、上述の本実施形態では、バッテリケース30内に配されたケース部材52に貯留部100を設けるようにしたが、この貯留部100は、勿論、バッテリケース30(バッテリトレイ31)自体に形成するようにしてもよい。
【0056】
また上述の実施形態では、送風路34を介して冷却風をバッテリケース30の後方側に送ってから、各バッテリ20の周囲に冷却風を供給するようにしたが、勿論、冷却風は逆方向でバッテリケース30内を循環させるようにしてもよい。すなわち冷却ユニット50の開口部55から各バッテリ20の周囲に冷却風を供給し、送風路34を介して冷却風をバッテリケースの前方に送り、冷却ユニット50に戻すようにしてもよい。
【0057】
このように本発明は、その主旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更を加えることができる。