(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(D)無機金属化合物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウムより選ばれる1種もしくは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性加硫ゴム組成物。
(A)エピクロルヒドリン系ゴムが、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の難燃性加硫ゴム組成物。
(C)加硫剤が、ポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、メルカプトトリアジン類、ピラジン類、キノキサリン類、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チオラムポリスルフィド類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の難燃性加硫ゴム組成物。
(C)加硫剤が、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の難燃性加硫ゴム組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明の難燃性加硫用ゴム組成物は、(A)エピクロルヒドリン系ゴム、(B)赤燐、(C)加硫剤を含有してなることを特徴とする。
【0014】
前記(A)エピクロルヒドリン系ゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体等のエピクロルヒドリン−アルキレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体のエピクロルヒドリン−アルキレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル多元共重合体等を挙げることができる。好ましくはエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であり、さらに好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体である。
【0015】
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、又はエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の場合、それら共重合割合は、例えば、エピクロルヒドリンが5mol〜95mol%であることが好ましく、より好ましくは10mol%〜75mol%、さらに好ましくは10〜65mol%である。また、エチレンオキサイドは、好ましくは5mol%〜95mol%、より好ましくは25mol%〜90mol%、さらに好ましくは35mol%〜90mol%である。アリルグリシジルエーテルは、好ましくは0mol%〜10mol%、より好ましくは1mol%〜8mol%、さらに好ましくは1mol%〜7mol%である。これら単独重合体または共重合体の分子量は特に制限されないが、通常ムーニー粘度表示でML
1+4(100℃)=30〜150程度である。
【0016】
前記(B)赤燐とは、以下一般式(I)で示されるものである。
【化1】
【0017】
本発明で使用される前記(B)赤燐としては、市販製品を適宜使用することができる。また赤燐表面に特殊コートを施したものを使用してもよい。例としては、水酸化アルミニウムや酸化チタンなどでコーティングされたものがあげられる。これらは赤燐含有率が高いほど、少量で難燃効果が期待できる。
【0018】
前記(B)赤燐の配合量としては、前記(A)エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、3〜20重量部が好ましく、3〜15重量部であることが更に好ましい。これらの範囲内であると、加硫物がより良好な難燃性が得られる点で好ましい。
【0019】
より過酷な環境下での使用において、さらに難燃性が必要な場合には、前記(D)無機金属化合物を添加することで、難燃効果を高めることができる。
【0020】
前記(D)無機金属化合物が、金属水酸化物、金属酸化物より選ばれる1種もしくは2種以上の混合物であることが好ましい。より好ましくは、前記(D)無機金属化合物が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウムであり、最も好ましくは、水酸化アルミニウムである。特に、(D)無金属化合物としての水酸化アルミニウムと、(B)赤燐と、を(A)エピクロルヒドリン系ゴムに配合した難燃性加硫用ゴム組成物の加硫ゴムでは、難燃剤の配合量が少量であっても優れた難燃性を示し、かつ機械強度も優れるため最も好ましい。
【0021】
前記(D)無機金属化合物の配合量としては、前記(A)エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、5〜50重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることが更に好ましい。これらの範囲内であると、加硫物が良好な難燃性が得られる点で好ましい。
【0022】
また、本発明においては、加硫物の良好な難燃性及び良好な機械的物性を同時に得るために、(B)赤燐と(D)無機金属化合物を含めた難燃剤の合計量が(A)エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して30重量部未満であることが好ましい。
即ち、(A)エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、(B)赤燐3〜20重量部を含有し、更に(D)無機金属化合物5重量部以上を含有する上で、(B)赤燐と(D)無機金属化合物を含めた難燃剤の合計量が(A)エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して30重量部未満であることが好ましい。
【0023】
本発明で使用される前記(C)加硫剤としては、エピクロルヒドリン系ゴムの塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、ポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、メルカプトトリアジン類、ピラジン類、キノキサリン類等と側鎖二重合結合の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チオラムポリスルフィド類等が挙げられる。前記(C)加硫剤では、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンであることが特に好ましい。これらの前記(C)加硫剤成分は単独であるいは2種以上併用して用いられる。
【0024】
これらの前記(C)加硫剤を例示すれば、ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N‘−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等があげられる。
【0025】
チオウレア類としては、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等があげられる。
【0026】
チアジアゾール類としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等があげられる。
【0027】
メルカプトトリアジン類としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキサンアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン等があげられる。
【0028】
ピラジン類としては、2,3−ジメルカプトピラジン誘導体等があげられ、2,3−ジメルカプトピラジン誘導体を例示すると、ピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5−メチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5−エチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5,6−ジメチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5,6−ジメチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート等があげられる。
【0029】
キノキサリン類としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体等があげられ、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体を例示すると、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−エチル−2,3−ジメルカプトキノキサリン、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート等があげられる。
【0030】
有機過酸化物としては、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等があげられる。
【0031】
モルホリンポリスルフィド類としては、モルホリンジスルフィド等があげられる。
【0032】
チオラムポリスルフィド類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N‘−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタンメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等をあげられる。
【0033】
前記(C)加硫剤の配合量としては、エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。これらの範囲であれば、十分に架橋し、且つ加硫物が剛直になりすぎることなく、エピクロルヒドリン系ゴム加硫物として通常期待される物性が得られるため好ましい。
【0034】
また、前記(C)加硫剤と共に公知の促進剤(加硫促進剤)および遅延剤を本発明による加硫ゴム用組成物に添加することもできる。加硫促進剤の例としては、塩基性シリカ、第1級、第2級、第3級アミン、該アミンの有機酸塩もしくはその付加物、アルデヒドアンモニア系促進剤、アルデヒドアミン系促進剤、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤、ジチオカルバミン酸系促進剤、1、8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7又はその弱酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5又はその弱酸塩、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7又はその弱酸塩、第4級アンモニウム化合物等を挙げることができる。また、遅延剤としては、酸性シリカ、N−シクロヘキサンチオフタルイミド等を挙げることができる。
【0035】
第1級、第2級、第3級アミンとしては、特に炭素数5〜20の脂肪族または環式脂肪酸の第1級、第2級もしくは第3級アミンが好ましく、このようなアミンの代表例は、n−ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどである。
【0036】
上記アミンと塩を形成する有機酸としては、カルボン酸、カルバミン酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジチオリン酸等が例示される。また上記アミンと付加物を形成する物質としては、アルコール類、オキシム類等が例示される。アミンの有機酸塩もしくは付加物の具体例としては、n−ブチルアミン・酢酸塩、ジブチルアミン・オレイン酸塩、ヘキサメチレンジアミン・カルバミン酸塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのジシクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。
【0037】
アルデヒドアンモニア系促進剤の例としては、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドとアンモニアとの反応生成物等が挙げられる。アルデヒドアミン系促進剤の例としては、アミンと少なくとも1種の炭素数1〜7のアルデヒドとの縮合生成物であり、このようなアミンの例としては、アニリン、ブチルアミン等が挙げられる。これらのなかで、アニリンと少なくとも1種の炭素数1〜7のアルデヒドとの縮合生成物が好ましい。具体例としては、アニリンとブチルアルデヒドの縮合物、アニリンとヘプタアルデヒドの縮合物、アニリンとアセトアルデヒドおよびブチルアルデヒドの縮合物などがある。
【0038】
グアニジン系促進剤の例としては、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。
【0039】
チアゾール系促進剤の例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等が挙げられる。
【0040】
スルフェンアミド系加硫促進剤の具体例としては、N−エチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジ−イソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジ−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシ−ジ−エチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどが挙げられる。
【0041】
チウラム系加硫促進剤の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
【0042】
ジチオカルバミン酸系促進剤の例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルカルバミン酸銅等が挙げられる。
【0043】
上記、加硫促進剤および遅延剤は、無機充填剤、オイル、ポリマー等に予備分散させた形で使用しても良い。これらの加硫促進剤および遅延剤は単独で用いてもよいし、2種類以上の組み合わせで用いてもよい。加硫促進剤または遅延剤の量は、エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対してそれぞれ0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0044】
本発明の難燃性加硫用ゴム組成物においては、加硫剤に応じて受酸剤を含有してもよい。具体的には、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、生石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、ゼオライト類、アルミノホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、合成ハイドロタルサイト、チタン酸アルカリ金属塩等が挙げられ、特に好ましい受酸剤としては酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、生石灰、炭酸ナトリウム、合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
【0045】
前記受酸剤の配合量は、エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して好ましくは0.2〜50重量部、更に好ましくは0.5〜50重量部、特に1〜30重量部である。
【0046】
また、本発明の難燃性加硫ゴム用組成物は、当該技術分野で通常使用される他の添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、顔料、発泡剤、シランカップリング剤等を任意に配合できる。
【0047】
本発明による難燃性加硫用ゴム組成物を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。本発明の加硫ゴム材料は、本発明の難燃性加硫用ゴム組成物を通常100〜200℃に加熱することで得られる。加硫時間は温度により異なるが、通常0.5〜300分の間である。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
【0048】
本発明の加硫物は、通常エピハロヒドリン系ゴムが使用される分野に広く応用することができる。例えば、自動車用途などの各種燃料系積層ホース、エアー系積層ホース、チューブ、ベルト、ダイヤフラム、シール類等ゴム材料や、一般産業用機器・装置等、例えばコピー機、プリンター等の電子写真プロセスに使用されるゴムロール、ベルト等に広く応用可能である。
【0049】
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
<実施例1〜4、比較例1〜3>
表1に示す割合で各材料を、120℃に温度設定した容量1Lニーダーを用いて混練し、次いで表面温度70℃に設定した7インチオープンロールで混練することにより未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の加硫シートを得た。
【0051】
<難燃性試験>
難燃性試験は、上記で調製した加硫シートを長さ150mm×幅70mm×厚さ2mmに加工し、20℃±3℃×50%RHにて24時間調整した。このシートを垂直につるし、内径9.5mmのブンゼンバーナーを使用し、15秒間当てたのち、バーナーから外して、試験片が燃え続ける状況を確認した。その結果を表2に示す。
【0052】
<引張試験>
引張試験は、上記で調製した加硫シートを用い、JIS K 6251に準じて引張試験をおこなった。その結果を表3に示す。
【0053】
以下に実施例および比較例で用いた配合剤を示す。
*1 ダイソー株式会社製「エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体:エピクロマーCG−105」
*2 協和化学工業株式会社製「DHT−4A」
*3 ダイソー株式会社製「P−152」
*4 ダイソー株式会社製「ダイソネットXL−21S」
*5 日本化学工業社製 「ヒシガードLP−F」
*6 昭和電工株式会社製 「ハイジライトH42M」
*7 日本精鉱株式会社製 「PATOX−MK」
*8 BUDENHEIM社製 「FR CROS481」
【0055】
【表2】
◎:すぐに自己消火した。(10秒未満で消火)
○:比較的早く自己消火した。(10秒以上〜40秒未満で消火)
×:全焼した。
【0057】
表2、3の結果より、難燃剤を使用しない比較例1及び難燃剤として三酸化アンチモンを使用した比較例2ではバーナー接炎後全焼してしまった。ポリりん酸アンモニウムと水酸化アルミニウムを併用した比較例3では、接炎後自己消火に至ったものの、加硫物の機械的強度が大きく低下してしまった。一方、難燃剤として赤燐を使用した実施例1〜3では、燃え尽きることなく、数十秒後に自己消火した。更に、赤燐と水酸化アルミニウムを併用した実施例4では、大きな機械的強度の低下も見られず、難燃性が高くなっていた。