【実施例1】
【0014】
実施例1に係る梁部材用連結装置1につき、
図1から
図5を参照して説明する。
図1に示されるように、梁部材用連結装置1は、コンピュータ等を載置したり製品を陳列する用途に用いられる載置台55などを物品載置用什器2に追加する増設する際に用いられる連結装置であり、特に物品載置用什器2における左右に立設した支柱21に架けられる断面矩形状に形成された梁部材11に対して、載置台55などの追加部材を連結可能とする連結装置であり、
図1には、物品載置用什器2に架けられた梁部材11に連結された梁部材用連結装置1に対し、載置台55がその上部に設けられたアーム部材56が連結されている様子が示されている。
【0015】
後述する梁部材11への連結手段によって連結される梁部材用連結装置1には、後述するアーム部材56を取り付ける取付孔37が設けられており、梁部材用連結装置1は連結ボルト38と連結ナット39によりアーム部材56と連結が可能になっている。
【0016】
図2及び
図3によって、梁部材用連結装置1を詳しく説明すると、梁部材用連結装置1は物品載置用什器2の左右に立設した支柱21に架かる梁部材11に対して、梁部材11を後方から前方に向けて囲繞する後部連結材3と、梁部材11に当接する前部連結材4とから構成されており、後部連結材3と前部連結材4が締着手段である締着ボルト6により梁部材11に締着されている。締着ボルト6を緩めることにより、梁部材用連結装置1の連結を梁部材11の特定の位置に限定されず、梁部材11上であれば、管軸方向に自由な位置に連結できるため、物品載置用什器2に対して載置台55の追加位置を調整して連結することができる。
【0017】
なお、本実施例の梁部材11は、角部13・・・と、正面114及び背面113、上面111、下面112による面部と、からなる断面矩形状に形成されている。
【0018】
また、この後部連結材3は、一枚の鉄板(金属板)等で形成されており、後部連結材3の内面には、梁部材11の角部13・・・に対応する折り曲げ部が2箇所形成され、略コ字状に形成されている。そして略コ字状の後部連結材3の上片33と下片34とが梁部材11の上面111及び下面112と略平行に延びており、更に該上片33と下片34の一部が前部連結材4の開口部42から梁部材11の前方に突出しており、これにより形成される突出部を、例えばアーム部材56を取り付ける部材取付部として利用できるようになっている。
【0019】
さらに、略コ字状の後部連結材3の上片33と下片34のそれぞれ左右の一部が上下に折り曲げられ折曲げ片35・・・が形成されている。この折り曲げ片35・・・には締着ボルト6・・・が挿通される挿通孔351・・・が設けられるとともに、挿通孔351・・・における折り曲げ片35・・・の背面には、締着ナット7・・・が溶接固定されている。なお、締着ナット7・・・は折り曲げ片35・・・の後面側に溶接固定される必要はない。
【0020】
また、後部連結材3は一枚の鉄板の折り曲げにより形成されているため、上片33と下片34にそれぞれ個別にかかる荷重などの負荷やモーメントを、後部連結材3全体に分散でき、簡易な形状にして強度を高めることができる。
【0021】
さらに前部連結材4も一枚の鉄板で形成されており、その正面板41には後部連結材3に設けられた上片33、下片34が共に挿通可能なほぼ矩形状の開口部42が設けられており、また正面板41の四隅には締着ボルト6・・・が挿通可能な締着孔431・・・が穿設されており、これら締着孔431・・・を利用して締着ボルト6・・・によって後部連結材3と前部連結材4の締着を行うことが出来るようになっている。また前部連結材4の上下には後方を向く屈曲片43・・・が設けられている。
【0022】
次に、実際に梁部材11に梁部材用連結装置1を連結する手段を
図4及び
図5を用いて説明する。
【0023】
まず
図4(a)に示すように、略コ字状に形成されている後部連結材3を、梁部材11の角部13・・・と、後部連結材3の折り曲げ部31が対応するように梁部材11に取り付け、囲繞を完了する。このとき、後部連結材3の上片33と下片34の一部が梁部材11の前方に突出される。次に、
図4(b)に示すように、梁部材11の反対側から前部連結材4を接近させ、前部連結材4の開口部42を上片33と下片34の一部が貫通するように配置する。このとき、屈曲片43・・・に折り曲げ片35・・・が遊嵌設置可能に構成されているため、両者の組立て時に折曲げ片35・・・が屈曲片43・・・の内側面で案内される。締着孔431・・・と挿通孔351・・・及び締着ナット7・・・とが予め上下左右の位置調整されていれば、単に両者を組み合わせるだけで締着位置の位置合わせが完了し、締着ボルト6・・・による後部連結材3と前部連結材4の締着作業を簡潔に実施できる。
【0024】
続いて、締着ボルト6・・・と締着ナット7・・・の締め込みが実施される。このように梁部材11の角部13・・・に対して後部連結材3の対応する形状の内面が位置するように囲繞され、かつ梁部材11が前部連結材4と後部連結材3によって前後から挟持された状態で締着手段によって前部連結材4と後部連結材3とが締着され、梁部材11は両面側から強固に挟持される。実施例によれば梁部材11の角部13・・・が後部連結材3の2箇所の折り曲げ部とほぼ一致するように位置決めされ、両者の角同士が互いの回動を規制する機能を高め、上下左右からのモーメントに抗する梁部材11と梁部材用連結装置1との強固な固定を達成できることになる。
【0025】
また、後部連結材3と前部連結材4が、上片33と下片34の左右、つまり後部連結材3の四隅に形成された折り曲げ片35・・・に設けられた締着ナット7・・・を有する挿通孔351・・・と、前部連結材4の四隅に設けられた締着孔431・・・とを介して、梁部材11を上下から挟んだ状態で締着ボルト6・・・によって締着されるため、梁部材11と梁部材用連結装置1のガタつきをより効果的に抑制することができる。
【0026】
さらに、後部連結材3の上片33と下片34の一部が梁部材11の前方に突出され、前部連結材4の開口部42を上片33と下片34の一部が貫通するように配置されているため、この貫通部を取付部として利用すれば、梁部材用連結装置1と別体で部材取付部材を設ける必要がなく、簡易な形状にして梁部材用連結装置1に対し追加部材を連結することが可能になる。
【0027】
また上片33と下片34にはそれぞれ追加部材としてのアーム部材56等の取り付け時に使用する取付孔37が穿設されており、連結ボルト38と連結ナット39によってアーム部材56を連結できるようになっているため、梁部材用連結装置1に対して、アーム部材56に連結された載置台55を、連結ボルト38を軸として回動可能に連結することができる。(
図1参照)。
【0028】
また、後部連結材3のコ字状部分内面の所定箇所及び、前部連結材4の裏面の所定箇所に適宜不織布等を設けることにより、梁部材用連結装置1と梁部材11とのガタつきを防止する事ができるとともに、設置場所の移動の際に梁部材11への損傷を防止できる。
【0029】
上片33の一部が前部連結材34の開口部42から梁部材11の前方に突出しており、この突出部を取付部として利用できるようにしているため、取付部に追加部材を取り付けた際に生じる上方向からの荷重に対して、後部連結材3の上片がそれと平行に延びている梁部材11の上面111に支持されることになり、結果的に上片下面331と梁部材上面111間に生じる大きな抗力により両者の摩擦力が増加し、梁部材用連結装置1と梁部材11との移動抑制力に効果を発揮する。
【実施例3】
【0033】
次に、実施例3に係る梁部材用連結装置につき、
図7を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0034】
図7(a)に示すように、前述の
図4で説明した実施例1の折り曲げ片35・・・の上部に、さらに上部折り曲げ片355・・・が設けられている。この上部折り曲げ片355・・・は、後部連結材3と前部連結材4の連結時に、前部連結材4の上部に形成される屈曲片43の底面に直接当接するように配置されている。これによれば、
図7(b)に示すように、締着ボルト6・・・と締着ナット7・・・の螺着を解除しない程度に緩め、後部連結材3と前部連結材4の梁部材11への連結を弛緩して、梁部材11の長手方向上に梁部材用連結装置1の連結位置を調整する際、前部連結材4の上部に形成される屈曲片底面432が、上部折り曲げ片上面360・・・に載置された状態が維持されるようになっている。すなわち、後部連結材3と前部連結材4が、常時梁部材11の上部に位置決めされた状態にあり、締着手段を緩めても、締着孔431・・・と挿通孔351・・・の上下位置の関係を維持でき、速やかに後部連結材3と前部連結材4を再締着することができる。
【0035】
また、本発明の実施例において梁部材用連結装置1は、什器2の梁部材11の正面に固定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、梁部材11の下面側からの固定に用いることもでき,取り付ける方向が限定されるものでないことは言うまでもない。
【0036】
また、梁部材11の断面形状が矩形状で説明されているがこれに限定されるものではない。また、本発明の実施例における角部13・・・は、2つの面の方向を変化させる境界形状のことである。更に本発明の実施例における角部13・・・は、Rで構成された角部も含まれる。