【文献】
DongSoo"Luie"Han,"「Nintendo Media Briefing」レポート ハードウェア編 新インターフェイス「Wii Vitality Sensor」が登場。「Wii Fit」新作と「Wii Sports Resort」の最新情報も公開",GAME Watch,日本,株式会社Impress Watch,2009年 6月 3日,[2014年2月25日検索],URL,http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20090603_212288.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プレイヤから取得した生体信号に応じた情報に基づいて仮想ゲーム世界におけるプレイヤオブジェクトを動作させるゲーム処理を行うゲーム装置のコンピュータで実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
プレイヤから生体信号を取得する生体信号取得手段と、
前記生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、プレイヤの脈拍または心拍を検出する拍検出手段と、
前記拍検出手段が前記脈拍または心拍を検出したタイミングに応じて、仮想ゲーム世界でプレイヤオブジェクトに発射オブジェクトを発射する動作をさせるプレイヤオブジェクト動作制御手段として機能させる、ゲームプログラム。
前記生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、前記拍検出手段がプレイヤの脈拍または心拍を検出した検出間隔を算出する間隔算出手段として、さらに前記コンピュータを機能させ、
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、前記検出間隔に応じて、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射する前記発射オブジェクトの構成を変化させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、前記検出間隔に応じて、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射する前記発射オブジェクトの数を変化させる、請求項2に記載のゲームプログラム。
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射する前記発射オブジェクトの数が多いほど、当該発射オブジェクトが前記対象オブジェクトに当たった場合に当該発射オブジェクトが当該対象オブジェクトに与える効果を小さく変化させる、請求項5に記載のゲームプログラム。
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、1回の発射動作において発射する前記発射オブジェクトの数に応じて、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において前記発射オブジェクトをそれぞれ発射する方向を変化させる、請求項4に記載のゲームプログラム。
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、前記間隔算出手段で算出された検出間隔が短いほど、当該発射オブジェクトが前記対象オブジェクトに当たった場合に当該発射オブジェクトが当該対象オブジェクトに与える効果を小さく変化させる、請求項3に記載のゲームプログラム。
前記生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、前記プレイヤの脈拍または心拍を検出した検出間隔を算出する間隔算出手段として、さらに前記コンピュータを機能させ、
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、前記検出間隔に応じて、前記発射オブジェクトに関する第1パラメータおよび第2パラメータを設定する、請求項1に記載のゲームプログラム。
前記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、前記間隔算出手段で算出された検出間隔が短いほど、前記第1パラメータを前記プレイヤに対して相対的に有利に、前記第2パラメータを前記プレイヤに対して相対的に不利に設定し、前記間隔算出手段で算出された検出間隔が長いほど、前記第1パラメータを前記プレイヤに対して相対的に不利に、前記第2パラメータを前記プレイヤに対して相対的に有利に設定する、請求項9に記載のゲームプログラム。
複数の装置が通信可能に構成され、プレイヤから取得した生体信号に応じた情報に基づいて仮想ゲーム世界におけるプレイヤオブジェクトを動作させるゲーム処理を行うゲームシステムであって、
プレイヤから生体信号を取得する生体信号取得手段と、
前記生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、プレイヤの脈拍または心拍を検出する拍検出手段と、
前記拍検出手段が前記脈拍または心拍を検出したタイミングに応じて、仮想ゲーム世界でプレイヤオブジェクトに発射オブジェクトを発射する動作をさせるプレイヤオブジェクト動作制御手段とを備える、ゲームシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で開示されたシューティングゲームでは、プレイヤがコントローラに設けられた操作ボタンを用いてプレイヤキャラクタを操作し、所定の操作ボタンが押下された際に弾丸やレーザ光線等の発射オブジェクトが発射される。このような操作は、プレイヤにとって単調で直感的な操作であり、趣向性に乏しい操作となる。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、プレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となるゲームプログラム、ゲーム装置、制御方法、およびゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
【0007】
本発明のゲームプログラムは、プレイヤから取得した生体信号に応じた情報に基づいて仮想ゲーム世界におけるプレイヤオブジェクトを動作させるゲーム処理を行うゲーム装置のコンピュータで実行される。ゲームプログラムは、生体信号取得手段、拍検出手段、およびプレイヤオブジェクト動作制御手段として、コンピュータを機能させる。生体信号取得手段は、プレイヤから生体信号を取得する。拍検出手段は、生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、プレイヤの脈拍または心拍を検出する。プレイヤオブジェクト動作制御手段は、拍検出手段が脈拍または心拍を検出したとき、仮想ゲーム世界でプレイヤオブジェクトに発射オブジェクトを発射する動作をさせる。
【0008】
上記によれば、プレイヤの脈拍または心拍に応じてプレイヤキャラクタから発射オブジェクトが発射されるため、プレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【0009】
また、上記ゲームプログラムは、間隔算出手段として、さらにコンピュータを機能させてもよい。間隔算出手段は、生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、拍検出手段がプレイヤの脈拍または心拍を検出した検出間隔を算出する。この場合、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、検出間隔に応じて、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射する発射オブジェクトの構成を変化さてもよい。
【0010】
上記によれば、プレイヤの脈拍または心拍に応じて発射される発射オブジェクトの構成を、プレイヤの脈拍または心拍の発生間隔に基づいて変化させるため、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【0011】
また、上記ゲームプログラムは、対象オブジェクト動作制御手段として、さらにコンピュータを機能させてもよい。対象オブジェクト動作制御手段は、発射オブジェクトを当てる対象となる対象オブジェクトを仮想ゲーム世界に登場させる。この場合、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、検出間隔に応じて、発射オブジェクトが対象オブジェクトに当たった場合に当該発射オブジェクトが当該対象オブジェクトに与える効果を変化させてもよい。
【0012】
上記によれば、プレイヤの脈拍または心拍に応じて発射される発射オブジェクトが対象オブジェクトに与える効果(例えば、対象オブジェクトに対する攻撃力)を、プレイヤの脈拍または心拍の発生間隔に基づいて変化させるため、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【0013】
また、上記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、検出間隔に応じて、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射する発射オブジェクトの数を変化させてもよい。
【0014】
上記によれば、プレイヤの脈拍または心拍1回につき発射される発射オブジェクトの数を、プレイヤの脈拍または心拍の発生間隔に基づいて変化させるため、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【0015】
また、上記ゲームプログラムは、対象オブジェクト動作制御手段として、さらにコンピュータを機能させてもよい。対象オブジェクト動作制御手段は、発射オブジェクトを当てる対象となる対象オブジェクトを仮想ゲーム世界に登場させる。この場合、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、検出間隔に応じて、発射オブジェクトが対象オブジェクトに当たった場合に当該発射オブジェクトが当該対象オブジェクトに与える効果を変化させてもよい。
【0016】
上記によれば、プレイヤの脈拍または心拍に応じて発射される発射オブジェクトが対象オブジェクトに与える効果(例えば、対象オブジェクトに対する攻撃力)を、プレイヤの脈拍または心拍の発生間隔に基づいて変化させるため、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【0017】
また、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射する発射オブジェクトの数が多いほど、当該発射オブジェクトが対象オブジェクトに当たった場合に当該発射オブジェクトが当該対象オブジェクトに与える効果を小さく変化させてもかまわない。
【0018】
上記によれば、発射オブジェクトによる総合的な効果がプレイヤの生体信号に応じて著しく変化しないように調整することができる。
【0019】
また、上記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、1回の発射動作において発射する発射オブジェクトの数に応じて、プレイヤオブジェクトが1回の発射動作において発射オブジェクトをそれぞれ発射する方向を変化させてもよい。
【0020】
上記によれば、1回の発射動作において発射される発射オブジェクトの発射方向を、プレイヤの脈拍または心拍の発生間隔に基づいて変化させるため、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【0021】
また、上記プレイヤオブジェクト動作制御手段は、間隔算出手段で算出された検出間隔が短いほど、当該発射オブジェクトが対象オブジェクトに当たった場合に当該発射オブジェクトが当該対象オブジェクトに与える効果を小さく変化させてもよい。
【0022】
上記によれば、発射オブジェクトによる総合的な効果がプレイヤの生体信号に応じて著しく変化しないように調整することができる。
【0023】
また、上記ゲームプログラムは、間隔算出手段として、さらにコンピュータを機能させてもよい。間隔算出手段は、生体信号取得手段が取得した生体信号に基づいて、プレイヤの脈拍または心拍を検出した検出間隔を算出する。この場合、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、検出間隔に応じて、発射オブジェクトに関する第1パラメータおよび第2パラメータを設定してもよい。
【0024】
上記によれば、脈拍または心拍の検出間隔に応じて、発射オブジェクトに関する複数のパラメータの設定が可能であるため、発射オブジェクトに関して様々な設定が可能となる。
【0025】
また、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、間隔算出手段で算出された検出間隔が短いほど、第1パラメータをプレイヤに対して相対的に有利に、第2パラメータをプレイヤに対して相対的に不利に設定し、間隔算出手段で算出された検出間隔が長いほど、第1パラメータをプレイヤに対して相対的に不利に、第2パラメータをプレイヤに対して相対的に有利に設定してもよい。
【0026】
上記によれば、プレイヤの生体信号によってプレイヤの有利/不利が著しく変化しないように調整することができる。
【0027】
また、上記ゲームプログラムは、操作入力取得手段として、さらにコンピュータを機能させてもよい。操作入力取得手段は、プレイヤが入力装置に対して行った操作入力を取得する。この場合、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、操作入力取得手段が取得した操作入力に応じて、プレイヤオブジェクトを移動させてもよい。
【0028】
上記によれば、プレイヤは、生体情報を用いた操作とは異なる操作入力によってプレイヤキャラクタを移動させることができるため、さらに操作が多様となり、趣向性の高い操作が可能となる。
【0029】
また、上記ゲームプログラムは、操作入力取得手段として、さらにコンピュータを機能させてもよい。操作入力取得手段は、プレイヤが入力装置に対して行った操作入力を取得する。この場合、プレイヤオブジェクト動作制御手段は、操作入力取得手段が取得した操作入力に応じて、プレイヤオブジェクトが発射オブジェクトを発射する方向を変化させてもよい。
【0030】
上記によれば、プレイヤは、生体情報を用いた操作とは異なる操作入力によって発射オブジェクトを発射する方向を変化させることができるため、さらに操作が多様となり、趣向性の高い操作が可能となる。
【0031】
また、上記生体信号取得手段は、プレイヤの脈波または心拍に関する信号を生体信号として取得してもよい。この場合、拍検出手段は、生体信号取得手段が取得した脈波または心拍に関する信号が極小値または極大値を示すタイミングを、プレイヤの脈拍または心拍として検出してもよい。
【0032】
また、上記生体信号取得手段は、プレイヤの脈波または心拍に関する信号を生体信号として取得してもよい。この場合、拍検出手段は、生体信号取得手段が取得した脈波または心拍に関する信号において、血管が収縮または膨張する速度が最大となるタイミングを、プレイヤの脈拍または心拍として検出してもよい。
【0033】
また、上記生体信号取得手段は、プレイヤの脈波または心拍に関する信号を生体信号として取得してもよい。この場合、拍検出手段は、生体信号取得手段が取得した脈波または心拍に関する信号において、血管が収縮する加速度または膨張する加速度が最大となるタイミングを、プレイヤの脈拍または心拍として検出してもよい。
【0034】
上記によれば、プレイヤから得られる脈波または心拍に関する信号を用いて、プレイヤの脈拍または心拍を正確に検出することができる。
【0035】
また、本発明は、上記各手段を備えるゲーム装置、およびゲームシステムの形態や上記各手段で行われる動作を含む制御方法の形態で実施されてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、プレイヤやユーザの脈拍または心拍に応じてプレイヤキャラクタやユーザオブジェクトから発射オブジェクトが発射されるため、プレイヤやユーザが容易に予測できない趣向性の高い操作が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るゲームプログラムを実行する装置について説明する。以下、説明を具体的にするために、当該装置の一例である据置型のゲーム装置本体5を含むゲームシステムを用いて説明する。なお、
図1は据置型のゲーム装置3を含むゲームシステム1の一例を示す外観図であり、
図2はゲーム装置本体5の一例を示すブロック図である。以下、当該ゲームシステム1について説明する。
【0039】
図1において、ゲームシステム1は、表示手段の一例の家庭用テレビジョン受像機(以下、モニタと記載する)2と、当該モニタ2に接続コードを介して接続する据置型のゲーム装置3とから構成される。モニタ2は、ゲーム装置3から出力された音声信号を音声出力するためのスピーカ2aを備える。また、ゲーム装置3は、本発明のゲームプログラムを記録した光ディスク4と、当該光ディスク4のゲームプログラムを実行してゲーム画面をモニタ2に表示出力させるためのコンピュータを搭載したゲーム装置本体5と、ゲーム画面に表示されたキャラクタ等を操作するゲームに必要な操作情報をゲーム装置本体5に与えるためのコントローラ7とを備えている。
【0040】
ゲーム装置本体5は、無線コントローラモジュール19(
図2参照)を内蔵する。無線コントローラモジュール19は、コントローラ7から無線送信されるデータを受信し、ゲーム装置本体5からコントローラ7へデータを送信して、コントローラ7とゲーム装置本体5とを無線通信によって接続する。さらに、ゲーム装置本体5には、当該ゲーム装置本体5に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例の光ディスク4が脱着される。
【0041】
ゲーム装置本体5には、セーブデータ等のデータを固定的に記憶するバックアップメモリとして機能するフラッシュメモリ17(
図2参照)が搭載される。ゲーム装置本体5は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラム等を実行することによって、その結果をゲーム画像としてモニタ2に表示する。また、本発明のゲームプログラムは、光ディスク4に限らず、フラッシュメモリ17に予め記録されたものを実行するようにしてもよい。さらに、ゲーム装置本体5は、フラッシュメモリ17に記憶されたセーブデータを用いて、過去に実行されたゲーム状態を再現して、ゲーム画像をモニタ2に表示することもできる。そして、ゲーム装置3のプレイヤは、モニタ2に表示されたゲーム画像を見ながら、コントローラ7を操作することによって、ゲーム進行を楽しむことができる。
【0042】
コントローラ7は、無線コントローラモジュール19を内蔵するゲーム装置本体5へ、例えばBluetooth(ブルートゥース;登録商標)の技術を用いて操作情報および生体情報等の送信データを無線送信する。コントローラ7は、コアユニット70およびバイタルセンサ76を備えており、コアユニット70およびバイタルセンサ76が屈曲自在な接続ケーブル79を介して互いに接続されて構成されている。コアユニット70は、主にモニタ2の表示画面に表示されるオブジェクト等を操作するための操作手段である。バイタルセンサ76は、プレイヤの身体(例えば、指)に装着されてプレイヤの生体信号を取得し、接続ケーブル79を介してコアユニット70へ生体情報を送る。コアユニット70は、片手で把持可能な程度の大きさのハウジングと、当該ハウジングの表面に露出して設けられた複数個の操作ボタン(十字キーやスティック等を含む)とが設けられている。また、後述により明らかとなるが、コアユニット70は、当該コアユニット70から見た画像を撮像する撮像情報演算部74を備えている。また、撮像情報演算部74の撮像対象の一例として、モニタ2の表示画面近傍に2つのLEDモジュール(以下、マーカと記載する)8Lおよび8Rが設置される。これらマーカ8Lおよび8Rは、それぞれモニタ2の前方に向かって例えば赤外光を出力する。また、コントローラ7(例えば、コアユニット70)は、ゲーム装置本体5の無線コントローラモジュール19から無線送信された送信データを通信部75で受信して、当該送信データに応じた音や振動を発生させることもできる。
【0043】
なお、本実施例では、コアユニット70とバイタルセンサ76とを屈曲自在な接続ケーブル79で接続したが、バイタルセンサ76に無線ユニットを搭載することで、接続ケーブル79をなくすこともできる。例えば、無線ユニットとしてBluetoothユニットをバイタルセンサ76に搭載することで、バイタルセンサ76からコアユニット70やゲーム装置本体5へ生体情報を送信することが可能になる。また、コアユニット70にバイタルセンサ76を固定して設けることによって、コアユニット70とバイタルセンサ76とを一体構成してもかまわない。この場合、プレイヤは、コアユニット70一体でバイタルセンサ76を扱うことができる。
【0044】
次に、
図2を参照して、ゲーム装置本体5の内部構成について説明する。
図2は、ゲーム装置本体5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置本体5は、CPU(Central Processing Unit)10、システムLSI(Large Scale Integration)11、外部メインメモリ12、ROM/RTC(Read Only Memory/Real Time Clock)13、ディスクドライブ14、およびAV−IC(Audio Video−Integrated Circuit)15等を有する。
【0045】
CPU10は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムを実行することによってゲーム処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。CPU10は、システムLSI11に接続される。システムLSI11には、CPU10の他、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV−IC15が接続される。システムLSI11は、それに接続される各構成要素間のデータ転送の制御、表示すべき画像の生成、外部装置からのデータの取得等の処理を行う。なお、システムLSI11の内部構成については、後述する。揮発性の外部メインメモリ12は、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC13は、ゲーム装置本体5の起動用のプログラムが組み込まれるROM(いわゆるブートROM)と、時間をカウントするクロック回路(RTC)とを有する。ディスクドライブ14は、光ディスク4からプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、後述する内部メインメモリ35または外部メインメモリ12に読み出したデータを書き込む。
【0046】
また、システムLSI11には、入出力プロセッサ31、GPU(Graphics Processor Unit)32、DSP(Digital Signal Processor)33、VRAM(Video RAM)34、および内部メインメモリ35が設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素31〜35は、内部バスによって互いに接続される。
【0047】
GPU32は、描画手段の一部を形成し、CPU10からのグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。VRAM34は、GPU32がグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPU32は、VRAM34に記憶されたデータを用いて画像データを作成する。
【0048】
DSP33は、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ35や外部メインメモリ12に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。
【0049】
上述のように生成された画像データおよび音声データは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、AVコネクタ16を介して、読み出した画像データをモニタ2に出力するとともに、読み出した音声データをモニタ2に内蔵されるスピーカ2aに出力する。これによって、画像がモニタ2に表示されるとともに音がスピーカ2aから出力される。
【0050】
入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)31は、それに接続される構成要素との間でデータの送受信を実行したり、外部装置からのデータのダウンロードを実行したりする。入出力プロセッサ31は、フラッシュメモリ17、無線通信モジュール18、無線コントローラモジュール19、拡張コネクタ20、および外部メモリカード用コネクタ21に接続される。無線通信モジュール18にはアンテナ22が接続され、無線コントローラモジュール19にはアンテナ23が接続される。
【0051】
入出力プロセッサ31は、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに接続し、ネットワークに接続される他のゲーム装置や各種サーバと通信することができる。入出力プロセッサ31は、定期的にフラッシュメモリ17にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータの有無を検出し、当該データが有る場合には、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介して当該データをネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ31は、他のゲーム装置から送信されてくるデータやダウンロードサーバからダウンロードしたデータを、ネットワーク、アンテナ22、および無線通信モジュール18を介して受信し、受信したデータをフラッシュメモリ17に記憶する。CPU10は、ゲームプログラムを実行することにより、フラッシュメモリ17に記憶されたデータを読み出してゲームプログラムで利用する。フラッシュメモリ17には、ゲーム装置本体5と他のゲーム装置や各種サーバとの間で送受信されるデータの他、ゲーム装置本体5を利用してプレイしたゲームのセーブデータ(ゲームの結果データまたは途中データ)が記憶されてもよい。
【0052】
また、入出力プロセッサ31は、アンテナ23および無線コントローラモジュール19を介して、コントローラ7から送信される操作データ等を受信し、内部メインメモリ35または外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。なお、内部メインメモリ35には、外部メインメモリ12と同様に、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりしてもよく、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられてもかまわない。
【0053】
さらに、入出力プロセッサ31には、拡張コネクタ20および外部メモリカード用コネクタ21が接続される。拡張コネクタ20は、USBやSCSIのようなインターフェースのためのコネクタであり、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、他のコントローラのような周辺機器を接続したり、有線の通信用コネクタを接続することによって無線通信モジュール18に替えてネットワークとの通信を行ったりすることができる。外部メモリカード用コネクタ21は、メモリカードのような外部記憶媒体を接続するためのコネクタである。例えば、入出力プロセッサ31は、拡張コネクタ20や外部メモリカード用コネクタ21を介して、外部記憶媒体にアクセスし、データを保存したり、データを読み出したりすることができる。
【0054】
また、ゲーム装置本体5(例えば、前部主面)には、当該ゲーム装置本体5の電源ボタン24、ゲーム処理のリセットボタン25、光ディスク4を脱着する投入口、およびゲーム装置本体5の投入口から光ディスク4を取り出すイジェクトボタン26等が設けられている。電源ボタン24およびリセットボタン25は、システムLSI11に接続される。電源ボタン24がオンされると、ゲーム装置本体5の各構成要素に対して、図示しないACアダプタを介して電力が供給される。リセットボタン25が押されると、システムLSI11は、ゲーム装置本体5の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン26は、ディスクドライブ14に接続される。イジェクトボタン26が押されると、ディスクドライブ14から光ディスク4が排出される。
【0055】
図3および
図4を参照して、コアユニット70について説明する。なお、
図3は、コアユニット70の上面後方から見た一例を示す斜視図である。
図4は、コアユニット70を下面前方から見た一例を示す斜視図である。
【0056】
図3および
図4において、コアユニット70は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング71を有しており、当該ハウジング71に複数の操作部72が設けられている。ハウジング71は、その前後方向を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。
【0057】
ハウジング71上面の中央前面側に、十字キー72aが設けられる。この十字キー72aは、十字型の4方向プッシュスイッチであり、4つの方向(前後左右)に対応する操作部分が十字の突出片にそれぞれ90°間隔で配置される。プレイヤが十字キー72aのいずれかの操作部分を押下することによって前後左右いずれかの方向を選択される。例えばプレイヤが十字キー72aを操作することによって、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタ等の移動方向を指示したり、複数の選択肢から選択指示したりすることができる。
【0058】
なお、十字キー72aは、上述したプレイヤの方向入力操作に応じて操作信号を出力する操作部であるが、他の態様の操作部でもかまわない。例えば、十字方向に4つのプッシュスイッチを配設し、プレイヤによって押下されたプッシュスイッチに応じて操作信号を出力する操作部を設けてもかまわない。さらに、上記4つのプッシュスイッチとは別に、上記十字方向が交わる位置にセンタスイッチを配設し、4つのプッシュスイッチとセンタスイッチとを複合した操作部を設けてもかまわない。また、ハウジング71上面から突出した傾倒可能なスティック(いわゆる、ジョイスティック)を倒すことによって、傾倒方向に応じて操作信号を出力する操作部を十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。さらに、水平移動可能な円盤状部材をスライドさせることによって、当該スライド方向に応じた操作信号を出力する操作部を、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。また、タッチパッドを、十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。
【0059】
ハウジング71上面の十字キー72aより後面側に、複数の操作ボタン72b〜72gが設けられる。操作ボタン72b〜72gは、プレイヤがボタン頭部を押下することによって、それぞれの操作ボタン72b〜72gに割り当てられた操作信号を出力する操作部である。例えば、操作ボタン72b〜72dには、1番ボタン、2番ボタン、およびAボタン等としての機能が割り当てられる。また、操作ボタン72e〜72gには、マイナスボタン、ホームボタン、およびプラスボタン等としての機能が割り当てられる。これら操作ボタン72a〜72gは、ゲーム装置本体5が実行するゲームプログラムに応じてそれぞれの操作機能が割り当てられる。なお、
図3に示した配置例では、操作ボタン72b〜72dは、ハウジング71上面の中央前後方向に沿って並設されている。また、操作ボタン72e〜72gは、ハウジング71上面の左右方向に沿って操作ボタン72bおよび72dの間に並設されている。そして、操作ボタン72fは、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0060】
また、ハウジング71上面の十字キー72aより前面側に、操作ボタン72hが設けられる。操作ボタン72hは、遠隔からゲーム装置本体5の電源をオン/オフする電源スイッチである。この操作ボタン72hも、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0061】
また、ハウジング71上面の操作ボタン72cより後面側に、複数のLED702が設けられる。ここで、コアユニット70は、他のコントローラと区別するためにコントローラ種別(番号)が設けられている。例えば、LED702は、コアユニット70に現在設定されている上記コントローラ種別をプレイヤに通知するために用いられる。具体的には、無線コントローラモジュール19からコアユニット70へ、複数のLED702のうち、上記コントローラ種別に対応するLEDを点灯させるための信号が送信される。
【0062】
また、ハウジング71上面には、操作ボタン72bおよび操作ボタン72e〜72gの間に後述するスピーカ(
図5に示すスピーカ706)からの音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。
【0063】
一方、ハウジング71下面には、凹部が形成されている。ハウジング71下面の凹部は、プレイヤがコアユニット70の前面をマーカ8Lおよび8Rに向けて片手で把持したときに、当該プレイヤの人差し指や中指が位置するような位置に形成される。そして、上記凹部の傾斜面には、操作ボタン72iが設けられる。操作ボタン72iは、例えばBボタンとして機能する操作部である。
【0064】
また、ハウジング71前面には、撮像情報演算部74の一部を構成する撮像素子743が設けられる。ここで、撮像情報演算部74は、コアユニット70が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い場所を判別してその場所の重心位置やサイズなどを検出するためのシステムであり、例えば、最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期であるため比較的高速なコアユニット70の動きでも追跡して解析することができる。この撮像情報演算部74の詳細な構成については、後述する。また、ハウジング71の後面には、コネクタ73が設けられている。コネクタ73は、例えばエッジコネクタであり、例えば接続ケーブルと嵌合して接続するために利用される。
【0065】
ここで、以下の説明を具体的にするために、コアユニット70に対して設定する座標系について定義する。
図3および
図4に示すように、互いに直交するXYZ軸をコアユニット70に対して定義する。具体的には、コアユニット70の前後方向となるハウジング71の長手方向をZ軸とし、コアユニット70の前面(撮像情報演算部74が設けられている面)方向をZ軸正方向とする。また、コアユニット70の上下方向をY軸とし、ハウジング71の上面(操作ボタン72aが設けられた面)方向をY軸正方向とする。さらに、コアユニット70の左右方向をX軸とし、ハウジング71の右側面(
図3では表されている側面)方向をX軸正方向とする。
【0066】
次に、
図5および
図6を参照して、コアユニット70の内部構造について説明する。なお、
図5は、コアユニット70の上筐体(ハウジング71の一部)を外した状態を後面側から見た一例を示す斜視図である。
図6は、コアユニット70の下筐体(ハウジング71の一部)を外した状態を前面側から見た一例を示す斜視図である。ここで、
図6に示す基板700は、
図5に示す基板700の裏面から見た斜視図となっている。
【0067】
図5において、ハウジング71の内部には基板700が固設されており、当該基板700の上主面上に操作ボタン72a〜72h、加速度センサ701、LED702、およびアンテナ754等が設けられる。そして、これらは、基板700等に形成された配線(図示せず)によってマイコン751等(
図6、
図7参照)に接続される。また、無線モジュール753(
図7参照)およびアンテナ754によって、コアユニット70がワイヤレスコントローラとして機能する。なお、ハウジング71内部には図示しない水晶振動子が設けられており、後述するマイコン751の基本クロックを生成する。また、基板700の上主面上に、スピーカ706およびアンプ708が設けられる。また、加速度センサ701は、操作ボタン72dの左側の基板700上(つまり、基板700の中央部ではなく周辺部)に設けられる。したがって、加速度センサ701は、コアユニット70の長手方向を軸とした回転に応じて、重力加速度の方向変化に加え、遠心力による成分が含まれる加速度を検出することができるので、所定の演算により、検出される加速度データからコアユニット70の動きを良好な感度でゲーム装置本体5等が判定することができる。
【0068】
一方、
図6において、基板700の下主面上の前端縁に撮像情報演算部74が設けられる。撮像情報演算部74は、コアユニット70の前方から順に赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744によって構成されており、それぞれ基板700の下主面に取り付けられる。また、基板700の下主面上の後端縁にコネクタ73が取り付けられる。さらに、基板700の下主面上にサウンドIC707およびマイコン751が設けられている。サウンドIC707は、基板700等に形成された配線によってマイコン751およびアンプ708と接続され、ゲーム装置本体5から送信されたサウンドデータに応じてアンプ708を介してスピーカ706に音声信号を出力する。
【0069】
そして、基板700の下主面上には、バイブレータ704が取り付けられる。バイブレータ704は、例えば振動モータやソレノイドである。バイブレータ704は、基板700等に形成された配線によってマイコン751と接続され、ゲーム装置本体5から送信された振動データに応じてその作動をオン/オフする。バイブレータ704が作動することによってコアユニット70に振動が発生するので、それを把持しているプレイヤの手にその振動が伝達され、いわゆる振動対応ゲームが実現できる。ここで、バイブレータ704は、ハウジング71のやや前方寄りに配置されるため、プレイヤが把持している状態において、ハウジング71が大きく振動することになり、振動を感じやすくなる。
【0070】
次に、
図7を参照して、コントローラ7の内部構成について説明する。なお、
図7は、コントローラ7の構成の一例を示すブロック図である。
【0071】
図7において、コアユニット70は、上述した操作部72、撮像情報演算部74、加速度センサ701、バイブレータ704、スピーカ706、サウンドIC707、およびアンプ708の他に、その内部に通信部75を備えている。また、バイタルセンサ76は、接続ケーブル79とコネクタ791および73とを介して、マイコン751と接続される。
【0072】
撮像情報演算部74は、赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を含んでいる。赤外線フィルタ741は、コアユニット70の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ742は、赤外線フィルタ741を透過した赤外線を集光して撮像素子743へ出射する。撮像素子743は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDのような固体撮像素子であり、レンズ742が集光した赤外線を撮像する。したがって、撮像素子743は、赤外線フィルタ741を通過した赤外線だけを撮像して画像データを生成する。撮像素子743で生成された画像データは、画像処理回路744で処理される。具体的には、画像処理回路744は、撮像素子743から得られた画像データを処理して高輝度部分を検知し、それらの位置座標や面積を検出した結果を示す処理結果データを通信部75へ出力する。なお、これらの撮像情報演算部74は、コアユニット70のハウジング71に固設されており、ハウジング71自体の方向を変えることによってその撮像方向を変更することができる。
【0073】
コアユニット70は、3軸(X、Y、Z軸)の加速度センサ701を備えていることが好ましい。この3軸の加速度センサ701は、3方向、すなわち、上下方向(
図3に示すY軸)、左右方向(
図3に示すX軸)、および前後方向(
図3に示すZ軸)で直線加速度を検知する。また、少なくとも1軸方向(例えば、Z軸方向)に沿った直線加速度を検知する加速度検出手段を使用してもよい。例えば、これらの加速度センサ701は、アナログ・デバイセズ株式会社(Analog Devices, Inc.)またはSTマイクロエレクトロニクス社(STMicroelectronics N.V.)から入手可能であるタイプのものでもよい。加速度センサ701は、シリコン微細加工されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電子機械システム)の技術に基づいた静電容量式(静電容量結合式)であることが好ましい。しかしながら、既存の加速度検出手段の技術(例えば、圧電方式や圧電抵抗方式)あるいは将来開発される他の適切な技術を用いて、加速度センサ701が提供されてもよい。
【0074】
加速度センサ701に用いられるような加速度検出手段は、加速度センサ701の持つ各軸に対応する直線に沿った加速度(直線加速度)のみを検知することができる。つまり、加速度センサ701からの直接の出力は、それら3軸のそれぞれに沿った直線加速度(静的または動的)を示す信号である。このため、加速度センサ701は、非直線状(例えば、円弧状)の経路に沿った動き、回転、回転運動、角変位、傾斜、位置、または姿勢等の物理特性を直接検知することはできない。しかしながら、加速度センサ701から出力される加速度の信号に基づいて、ゲーム装置のプロセッサ(例えばCPU10)またはコントローラのプロセッサ(例えばマイコン751)等のコンピュータが処理を行うことによって、コアユニット70に関するさらなる情報を推測または算出(判定)することができることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0075】
通信部75は、マイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)751、メモリ752、無線モジュール753、およびアンテナ754を含んでいる。マイコン751は、処理の際にメモリ752を記憶領域として用いながら、送信データを無線送信する無線モジュール753を制御する。また、マイコン751は、アンテナ754を介して無線モジュール753が受信したゲーム装置本体5からのデータに応じて、サウンドIC707およびバイブレータ(図示せず)の動作を制御する。サウンドIC707は、通信部75を介してゲーム装置本体5から送信されたサウンドデータ等を処理する。また、マイコン751は、通信部75を介してゲーム装置本体5から送信された振動データ(例えば、バイブレータをONまたはOFFする信号)等に応じて、バイブレータを作動させる。
【0076】
コアユニット70に設けられた操作部72からの操作信号(キーデータ)、加速度センサ701からの3軸方向の加速度信号(X、Y、およびZ軸方向加速度データ)、および撮像情報演算部74からの処理結果データは、マイコン751に出力される。また、接続ケーブル79を介して、バイタルセンサ76からの生体信号(生体情報データ)は、マイコン751に出力される。マイコン751は、入力した各データ(キーデータ、X、Y、およびZ軸方向加速度データ、処理結果データ、生体情報データ)を無線コントローラモジュール19へ送信する送信データとして一時的にメモリ752に格納する。ここで、通信部75から無線コントローラモジュール19への無線送信は、所定の周期毎に行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として行われることが一般的であるので、それよりも短い周期で送信を行うことが必要となる。具体的には、ゲームの処理単位は16.7ms(1/60秒)であり、ブルートゥースで構成される通信部75の送信間隔は5msである。マイコン751は、無線コントローラモジュール19への送信タイミングが到来すると、メモリ752に格納されている送信データを一連の操作情報として出力し、無線モジュール753へ出力する。そして、無線モジュール753は、例えばブルートゥースの技術を用いて、操作情報を示す電波信号を所定周波数の搬送波を用いてアンテナ754から放射する。つまり、コアユニット70に設けられた操作部72からのキーデータと、加速度センサ701からのX、Y、およびZ軸方向加速度データと、撮像情報演算部74からの処理結果データと、バイタルセンサ76からの生体情報データとがコアユニット70から送信される。そして、ゲーム装置本体5の無線コントローラモジュール19でその電波信号を受信し、ゲーム装置本体5で当該電波信号を復調や復号することによって、一連の操作情報(キーデータ、X、Y、およびZ軸方向加速度データ、処理結果データ、生体情報データ)を取得する。そして、ゲーム装置本体5のCPU10は、取得した操作情報とゲームプログラムとに基づいて、ゲーム処理を行う。なお、ブルートゥースの技術を用いて通信部75を構成する場合、通信部75は、他のデバイスから無線送信された送信データを受信する機能も備えることができる。
【0077】
次に、
図8および
図9を参照して、バイタルセンサ76について説明する。なお、
図8は、バイタルセンサ76の構成の一例を示すブロック図である。
図9は、バイタルセンサ76から出力される生体情報の一例である脈波情報の例を示す図である。
【0078】
図8において、バイタルセンサ76は、制御部761、発光部762、および受光部763を備えている。
【0079】
発光部762および受光部763は、プレイヤの生体信号を得るセンサの一例であり、透過型指尖容積脈波センサを構成する。発光部762は、例えば赤外線LEDで構成され、所定波長(例えば、940nm)の赤外線を受光部763に向けて照射する。一方、受光部763は、発光部762が照射する波長に応じて照射される光を受光し、例えば赤外線フォトレジスタで構成される。そして、発光部762と受光部763とは、所定の間隙(空洞)を介して配置されている。
【0080】
ここで、人体の血液中に存在するヘモグロビンは、赤外線を吸光する性質をもっている。例えば、上述した発光部762および受光部763間の間隙にプレイヤの身体の一部(例えば、指先)を挿入する。これによって、発光部762から照射された赤外線は、挿入した指先内に存在するヘモグロビンで吸光された後、受光部763で受光される。一方、人体の動脈は、脈拍動しているため、当該脈拍動に応じて動脈の太さ(血流量)が変化する。したがって、挿入した指先内の動脈も同様の脈拍動が生じており、当該脈拍動に応じて血流量が変化するため、当該血流量に応じて吸光される赤外線の量も変化する。具体的には、挿入した指先内の血流量が多い場合、ヘモグロビンで吸光される量も増加するために受光部763で受光する赤外線の光量が相対的に少なくなる。一方、挿入した指先内の血流量が少ない場合、ヘモグロビンで吸光される量も減少するために受光部763で受光する赤外線の光量が相対的に多くなる。発光部762および受光部763は、このような動作原理を利用し、受光部763で受光する赤外線の光量を光電信号に変換することによって、人体の脈拍動(以下、脈波と記載する)を検出している。例えば、
図9に示すように、挿入した指先内の血流量が増加した場合に受光部763の検出値が上昇し、挿入した指先内の血流量が減少した場合に受光部763の検出値が下降する。このように、受光部763の検出値が脈動する脈波部分が、脈波信号として生成される。なお、受光部763の回路構成によって、挿入した指先内の血流量が増加した場合に受光部763の検出値が下降し、挿入した指先内の血流量が減少した場合に受光部763の検出値が上昇するような脈波信号を生成してもかまわない。
【0081】
制御部761は、例えばMCU(Micro Controller Unit)で構成される。制御部761は、発光部762から照射される赤外線の光量を制御する。また、制御部761は、受光部763から出力された光電信号(脈波信号)をA/D変換して脈波データ(生体情報データ)を生成する。そして、制御部761は、接続ケーブル79を介して、脈波データ(生体情報データ)をコアユニット70へ出力する。
【0082】
ゲーム装置本体5では、バイタルセンサ76から得られた脈波データを分析することによって、バイタルセンサ76を使用しているプレイヤの様々な生体情報を検出/算出することができる。第1の例として、ゲーム装置本体5では、バイタルセンサ76から得られた脈波データが示す脈波の起伏によって、プレイヤの拍タイミング(例えば、心収縮するタイミングであり、厳密にはバイタルセンサ76を着用している部位の血管が収縮または膨張する脈拍を示すタイミング)を検出することができる。具体的には、ゲーム装置本体5は、バイタルセンサ76から得られた脈波データが示す脈波が極小値を示すタイミング、極大値を示すタイミング、血管が収縮する速度が最大となるタイミング、血管が膨張する速度が最大となるタイミング、血管膨張速度の加速率が最大となるタイミング、または血管膨張速度の減速率が最大となるタイミング等を、プレイヤの拍タイミングとして検出することができる。
【0083】
第2の例として、脈波データが示す脈波から検出されたプレイヤの拍タイミングを用いて、心拍数HRを算出することができる。例えば、60秒を拍タイミングの間隔の周期で除算した値を、バイタルセンサ76を使用しているプレイヤの心拍数HRとして算出することができる。具体的には、脈波が極小値を示すタイミングを拍タイミングとする場合、当該極小値間の心拍間隔(
図9に示すR−R間隔)で、60秒を除算することによって心拍数HRを算出することができる。
【0084】
第3の例として、心拍数HRが上昇/下降する周期を用いてプレイヤの呼吸周期を算出することができる。具体的には、本実施形態が算出している心拍数HRは、上昇中であればプレイヤが吸う呼吸をしており、下降中であればプレイヤが吐く呼吸をしていると判断することができる。すなわち、心拍数HRが上昇/下降する周期(ゆらぎ周期)を算出することによって、プレイヤが呼吸している周期(呼吸周期)を算出することができる。
【0085】
第4の例として、バイタルセンサ76から得られた脈波データが示す脈波の振幅PA(例えば、脈波の極大値から次の極小値まで高さの差;
図9参照)を用いて、プレイヤの苦楽度を判断することができる。具体的には、脈波振幅PAが縮小した場合、プレイヤが苦しい状態にあると判断することができる。
【0086】
第5の例として、脈波信号から得られる脈波面積PWA(
図9参照)を心拍数HRで除算することによって、プレイヤの血流量を得ることができる。
【0087】
第6の例として、脈波データが示す脈波から検出されたプレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔;例えば、
図9に示すR−R間隔)を用いて、プレイヤの心拍変動係数(CVRR:coefficient of variance of R−R interval)を算出することができる。例えば、心拍変動係数は、バイタルセンサ76から得られる脈波が示す過去100拍における心拍間隔を用いて算出される。具体的には、
心拍変動係数=(100拍分の心拍間隔の標準偏差/100拍分の心拍間隔の平均値)×100
で算出される。そして、心拍変動係数を用いて、プレイヤの自律神経量(例えば、副交感神経の活動度)を算出することができる。
【0088】
次に、ゲーム装置本体5が行う具体的な処理を説明する前に、
図10〜
図12を用いて本ゲーム装置本体5で行うゲーム処理の概要について説明する。なお、
図10〜
図12は、それぞれモニタ2に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
【0089】
図10において、モニタ2には、プレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタECが配置された仮想ゲーム世界が表現される。プレイヤキャラクタPCは、コアユニット70の操作部72(例えば、十字キー72a)に対する操作に応じて、仮想ゲーム世界内を移動する。また、プレイヤキャラクタPCは、バイタルセンサ76から得られる脈波データに基づいた生体情報に応じて、仮想ゲーム世界において発射オブジェクト(例えば、弾B)を発射する。具体的には、ゲーム装置本体5がプレイヤの拍タイミングを検出したことに応じて、所定数の弾Bを発射し、弾Bが敵キャラクタECに当たった場合、当たった弾Bの攻撃力に応じて敵キャラクタECの耐力が減少する。そして、敵キャラクタECに当たった弾Bの攻撃力が敵キャラクタECの耐力を上回った場合、当該敵キャラクタECが仮想ゲーム世界から消滅する。なお、以下の説明においては、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタECに当てる発射オブジェクト(発射物)の一例として弾Bを用いている。ここで、本明細書で用いている「発射オブジェクト」は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタECに当てるために発射するオブジェクトを表す用語として用いており、仮想ゲーム世界における銃弾、砲弾、爆弾、手榴弾、ロケット弾、ミサイル弾、ボール、矢、ビーム、レーザ光線等を含んでいる。
【0090】
ここで、プレイヤキャラクタPCから拍タイミング1回につき発射される発射オブジェクトの構成を、プレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に基づいて変化させてもよい。第1の例として、プレイヤキャラクタPCから拍タイミング1回につき発射される弾Bの弾数および発射方向を、プレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に応じて変化させる。例えば、プレイヤの心拍数HRが予め定められた第1の閾値未満の場合、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの拍タイミング1回につき1つの弾B1を発射する(
図10の状態)。このとき、プレイヤキャラクタPCは、1つの弾B1をプレイヤキャラクタPCの正面方向(図示上方向)へ発射する(発射方向Aとする)。また、プレイヤの心拍数HRが上記第1の閾値以上、かつ、予め定められた第2の閾値未満の場合、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの拍タイミング1回につき2つの弾B2を発射する(
図11の状態)。このとき、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤキャラクタPCの正面方向に対して所定の角度だけ拡がった左右へ2つの弾B2を発射する(発射方向Bとする)。また、プレイヤの心拍数HRが上記第2の閾値以上、かつ、予め定められた第3の閾値未満の場合、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの拍タイミング1回につき3つの弾B3を発射する(
図12の状態)。このとき、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤキャラクタPCの正面方向および当該正面方向に対して所定の角度だけ拡がった左右へ3つの弾B3を発射する(発射方向Cとする)。さらに、プレイヤの心拍数HRが上記第3の閾値以上の場合、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの拍タイミング1回につき5つの弾B5を発射する。このとき、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤキャラクタPCの正面方向を基準として、弾B3よりもさらに拡大された範囲に発射されるように5つの弾B5を発射する(発射方向Dとする)。
【0091】
第2の例として、プレイヤキャラクタPCから発射される弾Bの敵キャラクタECに対する攻撃力を、プレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に応じて変化させる。例えば、プレイヤの心拍数HRが予め定められた第1の閾値未満の場合、プレイヤキャラクタPCは、最も高い第1の攻撃力を有する弾B1を発射する(
図10の状態)。また、プレイヤの心拍数HRが上記第1の閾値以上、かつ、予め定められた第2の閾値未満の場合、プレイヤキャラクタPCは、上記第1の攻撃力よりも低い第2の攻撃力を有する弾B2を発射する(
図11の状態)。また、プレイヤの心拍数HRが上記第2の閾値以上、かつ、予め定められた第3の閾値未満の場合、プレイヤキャラクタPCは、上記第2の攻撃力よりも低い第3の攻撃力を有する弾B3を発射する(
図12の状態)。さらに、プレイヤの心拍数HRが上記第3の閾値以上の場合、プレイヤキャラクタPCは、上記第3の攻撃力よりも低い第4の攻撃力を有する弾B5を発射する。
【0092】
このように、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの拍タイミング(例えば、心収縮するタイミング、厳密にはバイタルセンサ76を着用している部位の血管が収縮または膨張するタイミング)に応じて、発射オブジェクトを発射するため、プレイヤが容易に予測できない趣向性の高いシューティング操作となる。また、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される発射オブジェクトの構成(発射オブジェクトの数、発射オブジェクトの攻撃力、発射オブジェクトの発射方向など)を、プレイヤの心拍数HR、すなわちプレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に基づいて変化させる場合、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高いシューティング操作となる。
【0093】
次に、ゲームシステム1において行われるゲーム処理の詳細を説明する。まず、
図13および
図14を参照して、ゲーム処理において用いられる主なデータについて説明する。なお、
図13は、ゲーム装置本体5の外部メインメモリ12および/または内部メインメモリ35(以下、2つのメインメモリを総称して、単にメインメモリと記載する)に記憶される主なデータおよびプログラムの一例を示す図である。
図14は、ゲーム装置本体5のメインメモリに記憶される発射弾設定テーブルデータDcの一例を示す図である。
【0094】
図13に示すように、メインメモリのデータ記憶領域には、操作データDa、心拍数データDb、発射弾設定テーブルデータDc、プレイヤキャラクタ位置データDd、敵キャラクタ位置データDe、弾オブジェクト位置データDf、および画像データDg等が記憶される。なお、メインメモリには、
図13に示すデータの他、ゲームに登場するプレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタEC以外の他のオブジェクト等に関するデータ(位置データ等)や仮想ゲーム世界に関するデータ(背景のデータ等)等、ゲーム処理に必要なデータが記憶される。また、メインメモリのプログラム記憶領域には、ゲームプログラムを構成する各種プログラムPaが記憶される。
【0095】
操作データDaは、キーデータDa1および脈波データDa2等を含む。キーデータDa1は、コアユニット70の複数の操作部72がそれぞれ操作されたことを示すデータであり、コアユニット70から送信データとして送信されてくる一連の操作情報に含まれたデータである。なお、ゲーム装置本体5に備える無線コントローラモジュール19は、コアユニット70から所定周期(例えば、1/200秒毎)に送信される操作情報に含まれるキーデータを受信し、無線コントローラモジュール19に備える図示しないバッファに受信したデータを蓄える。その後、上記バッファに蓄えられたキーデータがゲーム処理周期である1フレーム毎(例えば、1/60秒毎)に読み出されて、メインメモリのキーデータDa1が更新される。
【0096】
このとき、操作情報を受信する周期と処理周期とが異なるために、上記バッファには複数の時点に受信した操作情報が記述されていることになる。後述する処理の説明においては、後述する各ステップにおいて、複数の時点に受信した操作情報のうち最新の操作情報のみを常に用いて処理して、次のステップに進める態様を用いる。
【0097】
また、後述する処理フローでは、キーデータDa1がゲーム処理周期である1フレーム毎に更新される例を用いて説明するが、他の処理周期で更新されてもかまわない。例えば、コアユニット70からの送信周期毎にキーデータDa1を更新し、当該更新されたキーデータDa1をゲーム処理周期毎に利用する態様でもかまわない。この場合、キーデータDa1を更新する周期と、ゲーム処理周期とが異なることになる。
【0098】
脈波データDa2は、バイタルセンサ76から得られる必要な時間長さ分の脈波信号を示すデータであり、コアユニット70から送信データとして送信されてくる一連の操作情報に含まれるデータである。なお、脈波データDa2に格納される脈波データは、後述する処理において必要な時間長さ分だけ脈波信号の履歴が格納され、操作情報の受信に応じて適宜更新される。
【0099】
心拍数データDbは、プレイヤの心拍数HR(例えば、60秒を心拍間隔(例えば、R−R間隔)の周期で除算した値)の所定時間分の履歴を示すデータである。
【0100】
発射弾設定テーブルデータDcは、プレイヤキャラクタPCから発射される弾Bの数、弾Bの攻撃力、および発射方向を設定するために、予め決められたテーブルデータである。以下、
図14を参照して、発射弾設定テーブルデータDcの一例について説明する。
【0101】
図14において、発射弾設定テーブルデータDcは、プレイヤの心拍数HRに応じてそれぞれ設定される「発射弾数」、「攻撃力」、および「発射方向」が記述されている。ここで、「発射弾数」は、プレイヤキャラクタPCから拍タイミング1回につき発射される弾Bの個数を示している。また、「攻撃力」は、プレイヤキャラクタPCから発射される弾Bの1つにおける敵キャラクタECに対する攻撃力を示している。また、「発射方向」は、「発射弾数」に応じて弾BがプレイヤキャラクタPCから発射される方向(例えば、上述した発射方向A〜D)を示している。
【0102】
具体的には、心拍数HRが60未満の場合、「発射弾数」が1個、「攻撃力」が120、「発射方向」がAに設定される。すなわち、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの心拍数HRが60未満の場合、拍タイミング1回につき敵キャラクタECに対する攻撃力120の弾Bを1個、発射方向Aへ発射することになる。また、心拍数HRが60以上、かつ、65未満の場合、「発射弾数」が2個、「攻撃力」が60、「発射方向」がBに設定される。すなわち、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの心拍数HRが60以上、かつ、65未満の場合、拍タイミング1回につき敵キャラクタECに対する攻撃力60の弾Bを2個、発射方向Bへ発射することになる。また、心拍数HRが65以上、かつ、70未満の場合、「発射弾数」が3個、「攻撃力」が40、「発射方向」がCに設定される。すなわち、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの心拍数HRが65以上、かつ、70未満の場合、拍タイミング1回につき敵キャラクタECに対する攻撃力40の弾Bを3個、発射方向Cへ発射することになる。さらに、心拍数HRが70以上の場合、「発射弾数」が5個、「攻撃力」が24、「発射方向」がDに設定される。すなわち、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの心拍数HRが70以上の場合、拍タイミング1回につき敵キャラクタECに対する攻撃力24の弾Bを5個、発射方向Dへ発射することになる。
【0103】
なお、上述した発射弾設定テーブルデータDcの設定例では、プレイヤの心拍数HRがどのような値であっても、拍タイミング1回毎の攻撃力の合計が120となるように設定されているが、他の態様で設定してもかまわない。例えば、プレイヤの心拍数HRに応じて、拍タイミング1回毎の攻撃力が変化するように発射弾設定テーブルデータDcを設定してもいいし、「発射弾数」および「攻撃力」の何れか一方がプレイヤの心拍数HRに応じて変化するように設定してもかまわない。また、発射弾設定テーブルデータDcに記述される「発射方向」の少なくとも2つを、同じ発射方向に設定してもかまわない。
【0104】
プレイヤキャラクタ位置データDdは、仮想ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタPCの位置を示すデータである。敵キャラクタ位置データDeは、仮想ゲーム世界における敵キャラクタECそれぞれの位置を示すデータである。弾オブジェクト位置データDfは、仮想ゲーム世界における弾Bそれぞれの位置を示すデータである。
【0105】
画像データDgは、プレイヤキャラクタ画像データDg1、敵キャラクタ画像データDg2、および弾オブジェクト画像データDg3等を含んでいる。プレイヤキャラクタ画像データDg1は、仮想ゲーム世界にプレイヤキャラクタPCを配置してゲーム画像を生成するためのデータである。敵キャラクタ画像データDg2は、仮想ゲーム世界に敵キャラクタECをそれぞれ配置してゲーム画像を生成するためのデータである。弾オブジェクト画像データDg3は、仮想ゲーム世界に弾Bをそれぞれ配置してゲーム画像を生成するためのデータである。
【0106】
次に、
図15を参照して、ゲーム装置本体5において行われるゲーム処理の詳細を説明する。なお、
図15は、ゲーム装置本体5において実行されるゲーム処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図15に示すフローチャートにおいては、ゲーム処理のうち、バイタルセンサ76からの生体情報およびコアユニット70からのキーデータを用いる処理について主に説明し、本願発明と直接関連しない他のゲーム処理については詳細な説明を省略する。また、
図15では、CPU10が実行する各ステップを「S」と略称する。
【0107】
ゲーム装置本体5の電源が投入されると、ゲーム装置本体5のCPU10は、ROM/RTC13に記憶されている起動用のプログラムを実行し、これによってメインメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムがメインメモリに読み込まれ、CPU10によって当該ゲームプログラムの実行が開始される。
図15に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われるゲーム処理を示すフローチャートである。
【0108】
図15において、CPU10は、ゲーム処理の初期設定を行い(ステップ41)、次のステップに処理を進める。例えば、上記ステップ41におけるゲーム処理の初期設定では、CPU10は、仮想ゲーム世界の設定やプレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタEC等の初期設定を行う。また、上記ステップ41におけるゲーム処理の初期設定では、CPU10は、以降のゲーム処理で用いる各パラメータを初期化する。
【0109】
次に、CPU10は、コアユニット70から操作情報を示すデータを取得して(ステップ42)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、コアユニット70から受信した操作情報を取得し、当該操作情報に含まれる最新のキーデータが示す操作部72に対する操作内容を用いてキーデータDa1を更新する。また、CPU10は、コアユニット70から受信した操作情報に含まれる最新の生体情報データが示す脈波信号を用いて脈波データDa2を更新する。
【0110】
次に、CPU10は、キーデータDa1が示す操作部72に対する操作内容に応じて、仮想ゲーム世界においてプレイヤキャラクタPCを移動させ(ステップ43)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、キーデータDa1が十字キー72aの左方向が押下されたことを示している場合、プレイヤキャラクタPCを所定距離だけ仮想ゲーム世界の左方向へ移動させる。具体的には、CPU10は、プレイヤキャラクタ位置データDdが示すプレイヤキャラクタPCの位置を所定距離だけ仮想ゲーム世界の左方向へ移動させ、移動後のプレイヤキャラクタPCの位置を用いてプレイヤキャラクタ位置データDdを更新する。また、CPU10は、キーデータDa1が十字キー72aの右方向が押下されたことを示している場合、プレイヤキャラクタPCを所定距離だけ仮想ゲーム世界の右方向へ移動させる。具体的には、CPU10は、プレイヤキャラクタ位置データDdが示すプレイヤキャラクタPCの位置を所定距離だけ仮想ゲーム世界の右方向へ移動させ、移動後のプレイヤキャラクタPCの位置を用いてプレイヤキャラクタ位置データDdを更新する。
【0111】
次に、CPU10は、現時点が拍タイミングか否かを判断する(ステップ44)。そして、CPU10は、現時点が拍タイミングである場合、次のステップ45に処理を進める。一方、CPU10は、現時点が拍タイミングでない場合、次のステップ48に処理を進める。例えば、上記ステップ44において、CPU10は、脈波データDa2が示す脈波信号を参照して脈波の所定の形状特徴点を検出し、現時点が当該形状特徴点に該当する場合に拍タイミングであると判断する。上記形状特徴点の例としては、脈波が極小値となるポイント、脈波が極大値となるポイント、血管が収縮する速度が最大となるポイント、血管が膨張する速度が最大となるポイント、血管膨張速度の加速率が最大となるポイント、および血管膨張速度の減速率が最大となるポイント等の何れか1つを選択することが考えられるが、何れのポイントを拍タイミングであると判断する形状特徴点として用いてもかまわない。
【0112】
ステップ45において、CPU10は、プレイヤの心拍数HRを算出して心拍数データDbを更新し、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、脈波データDa2の脈波信号を参照して、前回検出された拍タイミングから上記ステップ44において今回検出された拍タイミングまでの時間間隔(例えば、R−R間隔;
図9参照)を、現時点の心拍間隔として算出する。そして、CPU10は、60秒を心拍間隔で除算することによって心拍数HRを算出し、新たに算出された心拍数HRを用いて心拍数データDbを更新する。なお、CPU10は、今回の処理によって初めて拍タイミングが検出された場合は、例えば心拍数HRを所定の定数(例えば、0)として心拍数データDbを更新する。
【0113】
次に、CPU10は、上記ステップ45で算出された心拍数HRに基づいて、発射弾数および攻撃力を設定する(ステップ46)。例えば、CPU10は、発射弾設定テーブルデータDcを参照して、上記ステップ45で算出された心拍数HRに対応する「発射弾数」および「攻撃力」を抽出する。そして、CPU10は、抽出された「発射弾数」に対応する数を拍タイミング1回につき発射される弾Bの個数に設定し、抽出された「攻撃力」を発射される弾Bの1つに対応する攻撃力として設定する。
【0114】
次に、CPU10は、上記ステップ46で設定された弾BをプレイヤキャラクタPCから設定された発射方向へ発射させる処理を行い(ステップ47)、次のステップに処理を進める。例えば、上記ステップ46で設定された数および攻撃力の弾Bを新たに仮想ゲーム世界に登場させ、発射弾設定テーブルデータDcに記述された当該弾Bに対応する「発射方向」へそれぞれの弾Bを発射させる処理を行う。具体的には、上記ステップ47において、CPU10は、プレイヤキャラクタ位置データDdが示すプレイヤキャラクタPCの位置に基づいて決定される弾発射位置(例えば、プレイヤキャラクタPCの位置にプレイヤキャラクタPCを配置した場合のプレイヤキャラクタPCの先端位置)に弾Bを出現させ、当該弾発射位置から弾Bそれぞれに対応する「発射方向」へ弾Bをそれぞれ移動させる。
【0115】
ステップ48において、CPU10は、所定の動作基準に基づいて、仮想ゲーム世界における他のオブジェクトを動作させる制御を行い、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、既に仮想ゲーム世界に配置されている敵キャラクタECを所定の移動距離だけ所定の方向へ移動させたり、新たな敵キャラクタECを仮想ゲーム世界に登場させたり、弾Bが当たること等に応じて敵キャラクタECを仮想ゲーム世界から消滅させたりして、それぞれの状況に応じて敵キャラクタ位置データDeを更新する。また、CPU10は、既に仮想ゲーム世界へ発射されている弾Bを所定の移動距離だけ設定された「発射方向」に沿って移動させたり、敵キャラクタECに当たる等に応じて弾Bを仮想ゲーム世界から消滅させたりして、弾オブジェクト位置データDfを更新する。
【0116】
次に、CPU10は、プレイヤキャラクタPC、敵キャラクタEC、および弾B等が配置されている仮想ゲーム世界をモニタ2に表示する処理を行い(ステップ49)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、プレイヤキャラクタ位置データDd、敵キャラクタ位置データDe、弾オブジェクト位置データDf、および画像データDgを用いて、プレイヤキャラクタPC、敵キャラクタEC、および弾B等を仮想ゲーム世界に配置し、当該仮想ゲーム世界における所定の範囲をモニタ2に表示する処理を行う。
【0117】
次に、CPU10は、ゲームを終了するか否かを判断する(ステップ50)。ゲームを終了する条件としては、例えば、ゲームオーバーとなる条件が満たされたことや、プレイヤがゲームを終了する操作を行ったこと等がある。CPU10は、ゲームを終了しない場合に上記ステップ42に戻って処理を繰り返し、ゲームを終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0118】
このように、上述したゲーム処理によれば、プレイヤの拍タイミングに応じてプレイヤキャラクタPCから弾Bが発射されるため、プレイヤが容易に予測できない趣向性の高いシューティング操作が可能となる。また、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数および/または弾Bの攻撃力を、プレイヤの心拍数HR、すなわちプレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に基づいて変化させることも可能であるため、この場合、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高いシューティング操作が可能となる。さらに、プレイヤキャラクタPCから発射される弾Bの発射方向についても、プレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に基づいて変化させることも可能であるため、この場合も、さらにプレイヤが容易に予測できない趣向性の高いシューティング操作が可能となる。
【0119】
なお、上述したゲーム処理では、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数、弾Bの攻撃力、および発射方向の少なくとも1つを、プレイヤの心拍数HRに応じて変化させる一例を用いたが、プレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に基づいた他の生体情報に応じて変化させてもかまわない。一例として、プレイヤの心拍数HRに脈波の振幅PA(
図9参照)を乗算した生体情報に応じて、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数、弾Bの攻撃力、および発射方向の少なくとも1つを変化させてもかまわない。他の例として、プレイヤの脈波信号から得られる脈波面積PWA(
図9参照)に応じて、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数、弾Bの攻撃力、および発射方向の少なくとも1つを変化させてもかまわない。何れの例においても、プレイヤの拍タイミングの間隔(心拍間隔)に脈波振幅PAを関連させた生体情報に基づいた変化となるため、上記変化の態様が多様となると共に、プレイヤの精神状態(例えば、苦楽度)が上記変化に影響するゲームを実現することができる。
【0120】
また、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数、弾Bの攻撃力、および発射方向を、異なる生体情報に応じてそれぞれ変化させてもかまわない。例えば、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数および発射方向を、心拍数HR、心拍数HR×脈波振幅PA、および脈波面積PWAの何れか1つに応じて変化させ、弾Bの攻撃力を他の1つに応じて変化させる。これによって、プレイヤの拍タイミング1回につき発射される弾Bの数、弾Bの攻撃力、および発射方向の変化態様が、さらに多様にすることができる。
【0121】
また、上述した発射弾設定テーブルデータDcの一例では、心拍数HRが上昇するにしたがって発射弾数が増加すると共に、1弾あたりの攻撃力が低下する一例を用いたが、他の態様で弾Bの発射弾数および攻撃力を設定してもかまわない。例えば、発射弾設定テーブルデータDcにおいて、心拍数HRが上昇するにしたがって発射弾数が減少すると共に、1弾あたりの攻撃力が上昇するように発射弾数および攻撃力を設定してもかまわない。また、心拍数HRが上昇/下降に対して、無作為にそれぞれの心拍数HRの範囲に対する弾Bの発射弾数および攻撃力を設定してもかまわない。
【0122】
また、上述した
図10〜
図12を用いた説明では、2次元の仮想ゲーム世界にプレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタECを配置し、プレイヤキャラクタPCが発射する弾Bを敵キャラクタECに当てるシューティングゲームを用いたが、本発明は他の態様のゲームにも適用することができる。例えば、3次元の仮想ゲーム世界に敵キャラクタECを配置し、プレイヤキャラクタPCが発射する弾Bを敵キャラクタECに当てるシューティングゲームにも本発明を適用することができる。この場合、プレイヤキャラクタPCから見た主観視点で生成されるゲームに適用することもできる。例えば、
図16に示すように、モニタ2には、3次元の仮想ゲーム空間に配置された敵キャラクタECがプレイヤキャラクタPCの主観視点で表示されると共に、プレイヤキャラクタPCのシューティング照準Sが表示される。そして、プレイヤの拍タイミングが到来することに応じて、シューティング照準Sが示す方向を基準として弾Bが発射される。この場合、プレイヤは、コアユニット70の十字キー72aの上下左右方向の何れかを押下することによってシューティング照準Sの位置を移動させ、プレイヤキャラクタPCを仮想ゲーム空間内で固定配置または所定の移動基準に基づいて自動的に仮想ゲーム空間内を移動させてもかまわない。
【0123】
また、上述したゲーム例では、プレイヤがコアユニット70の操作部72を操作することによって、プレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させる例を用いたが、コアユニット70に固設されたセンサから出力されるデータを用いて、プレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させてもかまわない。例えば、重力方向に対してコアユニット70の傾き(以下、単に「傾き」と言う)に応じたデータを出力するセンサ(加速度センサ701や傾きセンサ)、コアユニット70の方位に応じたデータを出力するセンサ(磁気センサ)、コアユニット70の回転運動に応じたデータを出力するセンサ(ジャイロセンサ)等をコアユニット70に設け、当該センサから出力されるデータを用いることができる。この場合、上記データを用いて判定可能なコアユニット70の動きや傾きに応じて、プレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させればよい。また、コアユニット70に固定されたカメラ(例えば、撮像情報演算部74)を、上記センサとして利用することも可能である。この場合、コアユニット70で指し示す位置に応じてカメラが撮像する撮像画像が変化するので、この画像を解析することにより、コアユニット70が指し示す位置を算出することが可能であり、当該指し示された位置にプレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させることができる。
【0124】
また、上記センサは、その種類によっては、コアユニット70の外部に別設されてもよい。一例として、センサとしてのカメラでコアユニット70の外部からコアユニット70全体を撮影し、撮像画像内に撮像されたコアユニット70の画像を解析することにより、コアユニット70の動き、傾き、指し示し位置を判断することが可能である。さらに、コアユニット70に固設されたユニットとコアユニット70外部に別設されたユニットとの協働によるシステムを用いてもよい。この例としては、コアユニット70外部に発光ユニットを別設し、コアユニット70に固設されたカメラで発光ユニットからの光を撮影する。このカメラで撮像された撮像画像を解析することにより、コアユニット70の動き、傾き、指し示し位置を判断することができる。また、他の例としては、コアユニット70外部に磁場発生装置を別設し、コアユニット70に磁気センサを固設するようなシステムなどが挙げられる。
【0125】
また、上記センサがコアユニット70の外部に別設可能である場合、コアユニット70を用いなくてもかまわない。一例として、センサとしてのカメラで単にプレイヤを撮影し、撮像画像内に撮像されたプレイヤの画像を解析することによりプレイヤの動きや姿勢を判断して、当該判断結果に応じてプレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させることができる。また、プレイヤが乗って操作する入力装置(例えば、ボード型コントローラ)に設けられ、当該入力装置上に作用している重量や物体の有無等を検知するセンサを用いて、当該入力装置を操作するプレイヤの動きや姿勢を判断して、当該判断結果に応じてプレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させることができる。これらの態様のセンサを用いて、プレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sを移動させる場合、コアユニット70を用いなくてもかまわない。
【0126】
また、上述した説明では、プレイヤの身体の一部(例えば、指先)に赤外線を照射し、当該身体の一部を透過して受光された赤外線の光量に基づいてプレイヤの生体信号(脈波信号)を得る、いわゆる光学方式によって血管の容積変化を検出して容積脈波を得る例を用いている。しかしながら、本発明では、プレイヤが身体活動する際に起こる生理的な情報が得られる他の形式のセンサを用いて、プレイヤの生体信号を取得してもかまわない。例えば、動脈の脈動による血管内の圧力変位を検出(例えば、圧電方式)して圧脈波を得ることによって、プレイヤの生体信号を取得してもかまわない。また、プレイヤの筋電位や心電位を、プレイヤの生体情報として取得してもかまわない。筋電位や心電位は、電極を用いた一般的な検出方法により検出することができ、例えば、プレイヤの身体における微細な電流の変化等に基づいて、プレイヤの生体信号を取得することができる。また、プレイヤの血流を、プレイヤの生体情報として取得してもかまわない。血流は、電磁法や超音波法等を用いて1心拍ごとの脈動血流として測定され、当該脈動血流をプレイヤの生体信号として取得することができる。当然ながら、上述した各種生体信号を得るために、プレイヤの指部以外の箇所(例えば、胸部、腕、耳たぶ等)にバイタルセンサを装着してもかまわない。取得する生体信号によっては、厳密には脈拍と心拍との差が生じることになるが、心拍数と脈拍数という見方をした場合ほぼ同じ値と考えられるので、取得される生体信号を上述した処理と同様に取り扱うことができる。したがって、バイタルセンサ76から得られた脈波データが示す脈波の起伏を用いてプレイヤの拍タイミングを検出しているゲーム装置本体5は、バイタルセンサ76を装着しているプレイヤの心拍または脈拍を検出していることになり、上記拍タイミングを心拍または脈拍として同様に取り扱うことができる。
【0127】
また、上述した説明では、バイタルセンサ76から脈波信号を示すデータをゲーム装置本体5に送信し、ゲーム装置本体5において当該脈波信号から様々なパラメータを算出したが、他の処理段階のデータをゲーム装置本体5に送信してもかまわない。例えば、バイタルセンサ76において、拍タイミングの検出、拍タイミング間の時間間隔(心拍間隔)、心拍数HR、脈波振幅PA、および脈波面積PWAを示すパラメータを算出して、当該パラメータを示すデータをゲーム装置本体5に送信してもかまわない。また、上記脈波信号から上記パラメータを算出する途中段階のデータをバイタルセンサ76からゲーム装置本体5に送信してもかまわない。
【0128】
また、上述した説明ではゲーム処理をコントローラ7(バイタルセンサ76、コアユニット70)およびゲーム装置本体5(すなわち、ゲーム装置3)で行う例を用いたが、上記ゲーム処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行ってもかまわない。例えば、ゲーム装置3が他の装置(例えば、サーバ)と通信可能に構成されている場合、上記ゲーム処理における処理ステップは、ゲーム装置3および当該他の装置が協働することによって実行してもよい。一例として、他の装置において仮想ゲーム世界が設定されている場合、バイタルセンサ76から出力される脈波信号およびコアユニット70から出力されるキーデータを他の装置へ送信し、他の装置において以降のゲーム処理を行った後、ゲーム装置3で表示処理を行うことが考えられる。また、他の例として、他の装置において仮想ゲーム世界が設定されている場合、上述したゲーム処理における途中段階のデータ(例えば、拍タイミングと拍タイミングの間隔(例えば、心拍数HR)とを示すデータや、プレイヤキャラクタPCまたはシューティング照準Sの位置データと発射された弾Bに関するデータ)を、ゲーム装置3から他の装置へ送信し、送信したデータを用いた処理を当該他の装置で行った後、ゲーム装置3で表示処理を行うことが考えられる。このように、上記ゲーム処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行うことによって、上述したゲーム処理と同様の処理が可能となるとともに、他の装置において実現されている仮想ゲーム世界に複数のゲーム装置のプレイヤが参加するゲーム処理(例えば、他の装置で動作しているゲームに複数のゲーム装置のプレイヤが参加してゲーム進行を共有するオンラインゲーム)に本発明を適用することも可能となる。
【0129】
また、上記実施例では、据置型のゲーム装置3に本願発明を適用した例を説明したが、バイタルセンサと、プレイヤの操作を入力する入力装置と、これらの装置から得られる情報に応じた処理を実行する情報処理装置とがあればよく、例えば一般的なパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム装置等のデバイスにも適用することができる。
【0130】
また、上述した説明では、コアユニット70とゲーム装置本体5とが無線通信によって接続された態様を用いたが、コアユニット70とゲーム装置本体5とがケーブルを介して電気的に接続されてもかまわない。この場合、コアユニット70に接続されたケーブルをゲーム装置本体5の接続端子に接続する。
【0131】
また、コントローラ7を構成するコアユニット70およびバイタルセンサ76のうち、コアユニット70のみに通信部75を設けたが、バイタルセンサ76にゲーム装置本体5へ生体情報データを無線送信する通信部を設けてもかまわない。また、コアユニット70およびバイタルセンサ76それぞれに上記通信部を設けてもかまわない。例えば、コアユニット70およびバイタルセンサ76に設けられた通信部がそれぞれゲーム装置本体5へ生体情報データや操作データを無線送信してもいいし、バイタルセンサ76の通信部からコアユニット70へ生体情報データを無線送信してコアユニット70の通信部75で受信した後、コアユニット70の通信部75がバイタルセンサ76の生体情報データと共にコアユニット70の操作データをゲーム装置本体5へ無線送信してもいい。これらの場合、コアユニット70とバイタルセンサ76とを電気的に接続する接続ケーブル79が不要となる。
【0132】
また、上述したコアユニット70の形状や、それに設けられている操作部72の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したバイタルセンサ76の形状や、それに設けられている構成要素の種類、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の種類、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられる係数、判定値、数式、処理順序等は、単なる一例に過ぎず他の値や数式や処理順序であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0133】
また、上記ゲームプログラムは、光ディスク4等の外部記憶媒体を通じてゲーム装置本体5に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてゲーム装置本体5に供給されてもよい。また、ゲームプログラムは、ゲーム装置本体5内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、上記ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体としては、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体の他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性メモリなどでもよい。また、上記ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記ゲームプログラムを一時的に記憶する情報記憶媒体として揮発性メモリでもよい。
【0134】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。