特許第5721071号(P5721071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721071
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】部品実装装置及び基板製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   H05K13/04 B
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-77971(P2011-77971)
(22)【出願日】2011年3月31日
(65)【公開番号】特開2012-212798(P2012-212798A)
(43)【公開日】2012年11月1日
【審査請求日】2014年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】314006938
【氏名又は名称】JUKIオートメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(72)【発明者】
【氏名】中村 武史
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−094573(JP,A)
【文献】 特開2002−319800(JP,A)
【文献】 特開2004−335973(JP,A)
【文献】 特開平10−150297(JP,A)
【文献】 特開2004−071625(JP,A)
【文献】 特開2003−078287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送領域を有し、前記搬送領域で基板を搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによる前記基板の搬送方向に沿って配列され、部品をそれぞれ供給可能な複数の供給領域と、
前記複数の供給領域のうち、前記基板に必要な部品の複数の供給領域の配置に応じて、前記部品が実装される領域である実装領域を、前記搬送ユニットの前記搬送領域内に設定する制御ユニットと、
前記複数の供給領域のうち少なくとも1つの供給領域から、前記基板に必要な部品を取り出して、前記設定された実装領域で前記基板に実装を行う実装ユニットとを具備し、
前記実装ユニットは、前記基板に必要な部品の複数の供給領域から、前記基板に必要な部品をそれぞれ取り出して、それらの部品を前記基板に実装する
部品実装装置。
【請求項2】
請求項に記載の部品実装装置であって、
前記制御ユニットは、さらに、前記実装ユニットにより前記複数の供給領域からそれぞれ取り出される前記各部品の数に基づき前記実装領域を設定する
部品実装装置。
【請求項3】
請求項に記載の部品実装装置であって、
前記制御ユニットは、前記搬送方向における、前記複数の供給領域の間の中心位置を基準として、前記実装領域を前記各部品の数の比率に基づき、前記実装領域の位置を設定する
部品実装装置。
【請求項4】
請求項に記載の部品実装装置であって、
前記複数の供給領域は、異なる複数の部品をそれぞれ供給するか、または、同じ複数の部品を供給する
部品実装装置。
【請求項5】
請求項に記載の部品実装装置であって、
弾性変形可能に設けられた、前記基板を支持する支持部を有し、前記実装領域に配置されたバックアップ部材をさらに具備する部品実装装置。
【請求項6】
請求項に記載の部品実装装置であって、
前記バックアップ部材は、前記搬送方向で前記実装領域より長いサイズを有する
部品実装装置。
【請求項7】
搬送領域を有し、前記搬送領域で基板を搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットによる前記基板の搬送方向に沿って配列され、部品をそれぞれ供給可能な複数の供給領域とを備えた部品実装装置による基板の製造方法であって、
前記複数の供給領域のうち、前記基板に必要な部品の複数の供給領域の配置に応じて、前記部品が実装される領域である実装領域を、前記搬送ユニットの前記搬送領域内に設定し、
前記基板に必要な部品の複数の供給領域から、前記基板に必要な部品をそれぞれ取り出して、前記設定された実装領域でそれらの部品を前記基板に実装する
基板製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、基板に部品を実装する部品実装装置及び基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、一般に、ヘッドが電子部品を供給するフィーダにアクセスして電子部品を取り出し、実装のための領域に配置された回路基板等にその電子部品を実装する装置である。
【0003】
特許文献1には、その部品実装装置の基板搬送方法が開示されている。この部品実装装置では、回路基板を保持して実装作業を行う例えば4つのステージが搬送ライン上に1列に配列されており、搬送ラインの上流側から、第1、第2、第3及び第4ステージの順で配列されている。これらのステージは、搬送ラインから外れるように搬送ラインと直交する方向に移動可能となっており、移動した先で実装作業が行われる。それぞれのステージに保持された回路基板は搬送ライン上で同期して搬送される。
【0004】
この基板搬送方法では、例えば第2ステージでの実装が完了し、第3ステージに回路基板が保持されていない場合には、第1及び第4ステージの実装完了を待つことなく、第2ステージにある回路基板が第3ステージに単独で搬送される。これにより、スループットが向上する(例えば、特許文献1の明細書段落[0024]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−208797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、部品実装装置ではできるだけ効率良く実装処理が行われ、生産性を向上させることが要求されている。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、処理時間の効率化を図り、製品の生産性を向上させることができる部品実装装置及び基板製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術に係る部品実装装置は、搬送ユニットと、複数の供給領域と、制御ユニットと、実装ユニットとを具備する。
前記搬送ユニットは、搬送領域を有し、前記搬送領域で基板を搬送する。
前記複数の供給領域は、前記搬送ユニットによる前記基板の搬送方向に沿って配列され、部品をそれぞれ供給可能である。
前記制御ユニットは、前記複数の供給領域のうち、前記基板に必要な部品の供給領域の配置に応じて、前記部品が実装される領域である実装領域を、前記搬送ユニットの前記搬送領域内に設定する。
前記実装ユニットは、前記複数の供給領域のうち少なくとも1つの供給領域から、前記基板に必要な部品を取り出して、前記設定された実装領域で前記基板に実装を行う。
【0009】
制御ユニットは、基板に必要な供給領域の配置に応じて、搬送ユニットの搬送領域内に実装領域を設定するので、実装ユニットが時間効率良く移動することができる実装領域を設定することができる。これにより、処理時間の効率化を図り、製品の生産性を向上させることができる。
【0010】
前記制御ユニットは、前記基板に必要な部品の供給領域として前記複数の供給領域の配置に応じて、前記実装領域を設定してもよい。その場合、前記実装ユニットは、前記複数の供給領域から、前記基板に必要な部品をそれぞれ取り出して、それらの部品を前記基板に実装する。
【0011】
前記制御ユニットは、さらに、前記実装ユニットにより前記複数の供給領域からそれぞれ取り出される前記各部品の数に基づき前記実装領域を設定してもよい。これにより、制御ユニットは、実装ユニットの移動距離及び移動時間ができるだけ短くなるような位置に実装領域を設定することができる。
【0012】
その場合、前記制御ユニットは、前記搬送方向における、前記複数の供給領域の間の中心位置を基準として、前記実装領域を前記各部品の数の比率に基づき、前記実装領域の位置を設定してもよい。
【0013】
前記複数の供給領域は、異なる複数の部品をそれぞれ供給してもよいし、同じ複数の部品を供給してもよい。
【0014】
前記部品実装装置は、弾性変形可能に設けられた、前記基板を支持する支持部を有し、前記実装領域に配置されたバックアップ部材をさらに具備する。弾性変形が可能なバックアップ部材が設けられることにより、そのバックアップ部材がどのような位置で基板を支持する場合でも基板への押圧力を緩和させることができ、バックアップ部材の実装領域に対応する正確な位置決めは不要となる。
【0015】
前記バックアップ部材は、前記搬送方向で前記実装領域より長いサイズを有する。上述のようにこのバックアップ部材は、実装領域が変わるごとに正確な位置決めは不要となること、また、バックアップ部材が搬送方向で実装領域により長いサイズを有していることにより、バックアップ部材を搬送方向では固定の部材(静止したままの状態)とすることができる。
【0016】
本技術に係る基板製造方法は、搬送領域を有し、前記搬送領域で基板を搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットによる前記基板の搬送方向に沿って配列され、部品をそれぞれ供給可能な複数の供給領域とを備えた部品実装装置による基板の製造方法である。
前記複数の供給領域のうち、前記基板に必要な部品の供給領域の配置に応じて、前記部品が実装される領域である実装領域が、前記搬送ユニットの前記搬送領域内に設定される。
前記複数の供給領域のうち少なくとも1つの供給領域から、前記基板に必要な部品を取り出して、前記設定された実装領域で前記基板に実装が行われる。
【発明の効果】
【0017】
以上、本技術によれば、処理時間の効率化を図り、製品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本技術の一実施形態に係る部品実装装置を示す模式的な正面図である。
図2図2は、図1に示す部品実装装置の平面図である。
図3図3は、図1に示す部品実装装置の側面図である。
図4図4は、部品実装装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。
図9図9は、第3の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。
図10図10は、基板Wを下方から支持するバックアップ部材が設けられた搬送ユニットを示す図である。
図11図11は、そのバックアップ部材が設けられた搬送ユニットを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0020】
[部品実装装置の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る部品実装装置を示す模式的な正面図である。図2は、図1に示す部品実装装置100の平面図であり、図3はその側面図である。
【0021】
部品実装装置100は、フレーム10と、図示しない電子部品を保持しこれを実装対象である回路基板(以下、単に基板という)Wに実装する実装ヘッド30と、テープフィーダ90が搭載されるテープフィーダ搭載部20と、基板Wを保持して搬送する搬送ユニット16(図2参照)とを備える。
【0022】
フレーム10は、底部に設けられたベース11と、ベース11に固定された複数の支柱12とを有する。複数の支柱12の上部には、図中X軸に沿って架け渡された例えば2本のXビーム13が設けられている。例えば2本のXビーム13の間には、Y軸に沿ってYビーム14が架け渡され、このYビーム14に実装ヘッド30が接続されている。Xビーム13及びYビーム14には、図示しないX軸移動機構及びY軸移動機構が備え付けられ、によって実装ヘッド30がX及びY軸に沿って移動可能とされている。X軸移動機構及びY軸移動機構は、典型的にはボールネジ駆動機構により構成されるが、ベルト駆動機構等の他の機構であってもよい。
【0023】
これら、実装ヘッド30、X軸移動機構及びY軸移動機構により実装ユニット40が構成される。この実装ユニット40は、主に生産性の向上のため複数設けられる場合もあり、その場合、複数の実装ヘッド30が独立してX及びY軸方向で駆動される。
【0024】
図2に示すように、テープフィーダ搭載部20は、部品実装装置100の前部側(図2中下側)及び後部側(図2中上側)の両方に配置されている。図中Y軸方向が部品実装装置100の前後方向となる。テープフィーダ搭載部20には、X軸方向に沿ってテープフィーダ90が複数配列されて搭載されるようになっている。例えば40〜70個のテープフィーダ90がこのテープフィーダ搭載部20に搭載可能である。本実施形態では、前部及び後部側でそれぞれ58個、合計116個のテープフィーダ90が搭載可能とされている。1つのテープフィーダ90は、例えば100〜10000個程度の電子部品を収容可能となっている。
【0025】
なお、テープフィーダ搭載部20が、部品実装装置100の前部側及び後部側の両方に設けられる構成としたが、これは、前部側及び後部側のいずれかに一方に設けられる構成であってもよい。
【0026】
テープフィーダ90は、Y軸方向に長く形成されている。テープフィーダ90の詳細は図示しないが、リールを備え、コンデンサ、抵抗、LED、ICパッケージング等の電子部品を収納したキャリアテープがそのリールに巻き付けられている。また、テープフィーダ90は、このキャリアテープをステップ送りで送り出すための機構を備えており、そのステップ送りごとに電子部品が1つずつ供給される。図2に示すように、テープフィーダ90のカセットの端部の上面には供給窓91が形成され、この供給窓91を介して電子部品が供給される。複数のテープフィーダ90が配列されることによってX軸方向に沿って形成される、複数の供給窓91がそれぞれ配置された領域が、電子部品の供給領域Sとなる。つまり、供給領域Sは、基板Wの搬送方向に沿って直線状に複数配列されている。
【0027】
なお、1つのテープフィーダ90のキャリアテープには、多数の同じ電子部品が収納される。テープフィーダ搭載部20に搭載されるテープフィーダ90のうち、複数のテープフィーダ90にまたがって同じ電子部品が収容される場合もある。
【0028】
部品実装装置100のY軸方向での中央部に上記搬送ユニット16が設けられ、この搬送ユニット16はX軸方向に沿って基板Wを搬送する。搬送ユニット16は、基板Wが搬送される領域として、搬送領域Cを有する。例えば、図2に示すように、搬送ユニット16上の、X軸方向におけるほぼ中央位置で搬送ユニット16に支持されている基板Wが配置される領域が、実装ヘッド30によりアクセスされて電子部品の実装が行われる実装領域Mとなる。後述するように、実装領域Mは搬送領域C内に設定され、その実装領域Mの位置は可変である。
【0029】
実装ヘッド30は、Yビーム14のY軸移動機構に接続されたキャリッジ31と、キャリッジ31から斜め下方に延びるように設けられた回転体としてのターレット32と、ターレット32に周方向に沿って取り付けられた複数の吸着ノズル33とを備える。吸着ノズル33は、真空吸着の作用によりキャリアテープから電子部品を取り出して保持する保持体として機能する。吸着ノズル33は、電子部品を基板Wに実装するために上下動可能となっている。吸着ノズル33は、例えば12本設けられている。
【0030】
実装ヘッド30は、上述のようにX及びY軸方向に移動可能とされており、それらの吸着ノズル33は、供給領域Sと実装領域Mとの間で移動し、また、実装領域M内で実装を実行するために実装領域M内でX及びY軸方向に移動する。
【0031】
ターレット32は、その斜め方向の軸を回転の中心軸として回転(自転)可能となっている。複数の吸着ノズル33のうち、その吸着ノズル33の長さ方向がZ軸方向に沿って配置されたものが、基板Wに電子部品を実装するために選択された吸着ノズル33である。ターレット32の回転により任意の1つの吸着ノズル33が選択される。選択された吸着ノズル33がテープフィーダ90の供給窓91にアクセスして電子部品を吸着して保持し、実装領域Mまで移動して下降することにより、電子部品が基板Wに実装される。
【0032】
実装ヘッド30は、ターレット32を回転させながら、複数の吸着ノズル33に、1工程で連続して複数の電子部品をそれぞれ保持させる。また、複数の吸着ノズル3に吸着された電子部品は、1工程で連続して1つの基板Wに実装される。
【0033】
図1に示すように、実装ヘッド30には、基板Wの位置を検出する基板カメラ17が取り付けられている。基板カメラ17は、実装ヘッド30と一体的に、X軸及びY軸移動機構により移動可能となっている。基板カメラ17は、基板Wの位置を検出する時は、搬送ユニット16の上部に配置され、上部側から基板Wの画像を撮影する。基板カメラ17は、基板Wに設けられた図示しないアライメントマークを認識し、実装ユニット40は、このアライメントマークを基準位置として基板Wに電子部品を実装する。
【0034】
搬送ユニット16は、典型的にはベルトタイプのコンベヤであるが、これに限られず、ローラタイプ、基板Wを支持する支持機構がスライドして移動するタイプ、あるいは非接触式等、何でもよい。搬送ユニットは、X軸方向に沿って敷設されたガイドレール16aを有する。これにより、搬送される基板WのY軸方向のずれが規制されながら搬送される。
【0035】
図4は、部品実装装置100の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0036】
この制御システムはメインコントローラ21(あるいはホストコンピュータ)を有している。メインコントローラ21には、テープフィーダ90、基板カメラ17、搬送ユニット16、実装ユニット40、入力部18及び表示部19が電気的に接続されている。
【0037】
テープフィーダ90は図示しない内蔵メモリを有している。テープフィーダ90がテープフィーダ搭載部20にセットされることにより、その内蔵メモリがメインコントローラ21に電気的に接続される。内蔵メモリには、そのテープフィーダ90に収められている電子部品の情報が予め記憶されている。これにより、メインコントローラ21は、テープフィーダ搭載部20のどの位置に、どのような種類の電子部品を持つテープフィーダ90がセットされているかを記憶する。電子部品の情報とは、電子部品の種類、そのテープフィーダ90の持つ電子部品の数等の情報である。
【0038】
あるいは、テープフィーダ搭載部20のどの位置に、どのような種類の電子部品を持つテープフィーダ90がセットされているかの情報を、オペレータが手動によって、入力部18を介してメインコントローラ21に入力してもよい。
【0039】
実装ユニット40の、各移動機構及び実装ヘッド30には、これらに搭載された図示しないモータ、また、これらのモータをそれぞれ駆動するドライバが設けられている。メインコントローラ21はこれらのドライバに制御信号を出力することにより、ドライバがその制御信号に従って各移動機構及び実装ヘッド30を駆動する。
【0040】
入力部18は、例えばオペレータが、これから実装対象となる基板Wの種類等、実装処理に必要な情報をメインコントローラ21に入力するために、オペレータにより操作される機器である。表示部19は、例えばオペレータにより入力部18を介して入力された情報及びその他必要な情報を表示する機器である。
【0041】
メインコントローラ21は、例えばCPU、RAM及びROM等のコンピュータの機能を有し、制御ユニットとして機能する。メインコントローラ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、その他ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスにより実現されてもよい。
【0042】
以下、実装領域Mの設定方法について説明する。
【0043】
[第1の実施形態に係る実装領域の設定方法]
図5及び6は、第1の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。以下の説明では、電子部品を単に「部品」という。
【0044】
本実施形態では、搬送方向(X軸方向)に沿って、重ならない2つの実装領域MA及びMBが予め設定されている。
【0045】
基板Wの搬送方向は、図中、右から左方向である。テープフィーダ搭載部20には、12個のテープフィーダ90が配置されている。
【0046】
搬送方向において下流側に、部品aを供給する6つのテープフィーダ90(以下、これをグループAとする)が配置されている。また、その上流側に、部品aとは異なる部品bを供給する6つのテープフィーダ90(以下、これをグループBとする)が配置されている。
【0047】
部品aと部品bの違いは、次のようなものである。例えば、それは、部品aが抵抗、部品bがコンデンサ、という違いである。あるいは、その違いは、部品aが10kΩの抵抗、部品bが1kΩの抵抗、という違いである。
【0048】
本実施形態では、実装領域MAは、搬送領域Cの下流側に設けられ、典型的には、グループAのテープフィーダ90の供給領域SにY軸方向で隣接する領域に設けられる。実装領域MBは、搬送領域Cの上流側に設けられ、典型的には、グループBのテープフィーダ90の供給領域SにY軸方向で隣接する領域に設けられる。
【0049】
メインコントローラ21は、実装対象となる基板Wに必要な部品の供給領域S(を持つテープフィーダ90)の配置に応じて、実装領域MA及びMBのうちいずれか1つを選択し、これを搬送領域C内に設定する。
【0050】
グループA及びBの各テープフィーダ90がオペレータによりセットされ、オペレータが必要な情報を、入力部18を介してメインコントローラ21に入力する。これにより、上記したように、メインコントローラ21は、部品a及びbをそれぞれ収容する、グループA及びBのテープフィーダ90の配置の情報を認識する。
【0051】
<第1のパターン>
第1のパターンは、1つの基板Wに部品aのみを複数実装するパターンである。
この第1のパターンでは、図5に示すように、メインコントローラ21は、実装領域を領域MAに設定する。
実装領域MAが設定されると、搬送ユニット16は搬送される基板Wを実装領域MA内で停止させる。そして、実装ヘッド30はグループAの、単数または複数の供給領域Sにアクセスして部品aを取り出し、実装領域MAに配置された基板Wに部品aを実装する。
基板Wに必要な部品aの数が、吸着ノズル33の数(例えば12本)より多い場合、実装ヘッド30は、上記の動作を繰り返すようにして部品aを実装する。つまり、実装ヘッド30は、グループA内の供給領域Sと、実装領域MAとの間の移動を繰り返す。
【0052】
<第2のパターン>
第2のパターンは、1つの基板Wに部品bのみを複数実装するパターンである。
この第2のパターンでは、図6に示すように、メインコントローラ21は、実装領域を領域MBに設定する。
実装領域MBが設定されると、搬送ユニット16は搬送される基板Wを実装領域MB内で停止させる。そして、実装ヘッド30はグループBの、単数または複数の供給領域Sにアクセスして部品bを取り出し、実装領域MBに配置された基板Wに部品bを実装する。
基板Wに必要な部品bの数が、吸着ノズル33の数(例えば12本)より多い場合、実装ヘッド30は、上記の動作を繰り返すようにして部品bを実装する。つまり、実装ヘッド30は、グループBの供給領域Sと、実装領域MBとの間の移動を繰り返す。
【0053】
<第3のパターン>
第3のパターンは、1つの基板Wに、複数の部品aを実装し、部品aの数より少ない複数または単数の部品bを実装するパターンである。
この第3のパターンでは、図5に示すように、メインコントローラ21は、実装領域を領域MAに設定する。
基板Wに必要な部品aの数が、吸着ノズル33の数(例えば12本)より多い場合、実装ヘッド30は、グループAの単数または複数の供給領域Sと、実装領域MAとの間の移動を繰り返す。次に、実装ヘッド30は、グループBの単数または複数の供給領域Sにアクセスして部品bを取り出し、実装領域MAに配置された基板Wに部品bを実装する。
【0054】
なお、部品a及びbの実装の順序については、部品bが先で、部品aが後でもよい。
【0055】
<第4のパターン>
第3のパターンは、1つの基板Wに、単数または複数の部品aを実装し、部品aの数より多い複数の部品bを実装するパターンである。
この第3のパターンでは、図6に示すように、メインコントローラ21は、実装領域を領域MBに設定する。
基板Wに必要な部品bの数が、吸着ノズル33の数(例えば12本)より多い場合、実装ヘッド30は、グループBの単数または複数の供給領域Sと、実装領域MBとの間の移動を繰り返す。次に、実装ヘッド30は、グループAの単数または複数の供給領域Sにアクセスして部品aを取り出し、実装領域MBに配置された基板Wに部品aを実装する。
【0056】
なお、部品a及びbの実装の順序については、部品aが先で、部品bが後でもよい。
【0057】
これら各パターンのように、メインコントローラ21が、基板Wに必要な供給領域Sの配置に応じて、供給対象となる部品の数が多い方の供給領域Sに隣接する領域に、実装領域Mを設定する。すなわち、メインコントローラ21は、実装ヘッド30が時間効率良く移動することができる実装領域Mを選択して設定することができる。これにより、処理時間の効率化を図り、製品の生産性を向上させることができる。
【0058】
また、本技術は、特に多品種少量生産に好適である。多品種少量生産の場合、基板の種類及び部品の種類が多数あり、生産される基板数は比較的少ない。このような場合において、本技術を用いない場合には、オペレータが、実装対象となる基板の品種ごとに、テープフィーダ90をセットする等の、「段取り替え」を行う必要がある。したがって、段取り替えに必要な時間が生産時間(処理時間)に占める割合が大きくなってしまう。
【0059】
しかしながら、本技術によれば、多品種の基板Wにそれぞれ必要な部品を収容したそれらテープフィーダ90が予めテープフィーダ搭載部20にセットされていれば、基板品種ごとに部品実装装置100は自動的に最適な実装領域Mを設定することができる。これにより、段取り替えに必要な時間の、生産時間に占める割合を少なくすることができ、生産性を向上させることができる。このような本技術による特徴的な効果は、後述の第3の実施形態では特に大きくなる。
【0060】
この第1の実施形態では、2つの実装領域MA及びMBが予め設けられたが、重ならない3つ以上の実装領域、あるいは、重なる3つ以上の実装領域が予め設けられていてもよい。実装領域が重なるか否かは、その搬送領域Cの搬送方向の長さ、または、実装領域Mの搬送方向の長さ等の条件による。
【0061】
[第2の実施形態に係る実装領域の設定方法]
図7は、第2の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。これ以降の説明では、図5及び6に示した実施形態における説明と同様の部分については、その説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0062】
例えば、メインコントローラ21は、搬送方向における、複数の供給領域S(ここではグループA及びB)の間の中心位置を基準として、実装領域Mの搬送方向における長さを各部品a及びbの数の比率に対応して配分するように、実装領域Mの位置を搬送領域C内に設定する。
【0063】
図7に示す例では、例えば基板Wに必要な部品a及びbの数の比率が7:3程度であるとする。この場合、メインコントローラ21は、グループA及びBの間の境界線pを中心位置として、実装領域Mの搬送方向における長さが、グループAに隣接する位置に7、グループBに隣接する位置に3、という比率で配置されるように、この実装領域Mを設定する。
【0064】
別の例として、図8に示す例は、グループAの6つのテープフィーダ90のうち上流側の3つのテープフィーダ90が空になった状態を示している。この場合、下流側の残りの3つのテープフィーダ90が配置される領域(グループA’)と、グループBとの間の中心位置pを、搬送方向における基準とされる。メインコントローラ21は、この中心位置pを基準として、実装領域Mを各部品a及びbの数の比率に対応して配分するように、実装領域Mの位置を設定する。この例の場合も、基板に必要な部品a及びb数の比率を7:3としている。
【0065】
これらのような第2の実施形態に係る実装領域の設定方法によれば、基板Wに必要な部品数の比率に応じて実装領域が設定されるので、さらに、処理時間の効率化を図ることができる。
【0066】
この第2の実施形態では、各部品の数の比率に応じた比率で、実装領域Mが配分されるように設定される。しかし、実装領域Mの配分比率が、予め複数の比率の組として決まっていてもよい。例えば、その配分比率が、「1:4(4:1)、1:3(3:1)及び1:1」など、複数の比率の組(例えば3組)に予め設定されていてもよい。そして、メインコントローラ21は、これらの組から最も処理効率の高い比率を選択すればよい。また、このような実施形態と、上記した、重ならない3つ以上の実装領域、あるいは、重なる3つ以上の実装領域が予め設けられる実施形態とを組み合わせてもよい。
【0067】
なお、第2の実施形態に係る設定方法の原理は、グループAに1つのみの供給領域Sがあり、グループBに1つのみの供給領域Sがある場合であっても同じである。その2つの供給領域Sの中心位置が基準となる。
【0068】
[第3の実施形態に係る実装領域の設定方法]
図9は、第3の実施形態に係る実装領域の設定方法を説明するための模式的な図である。この例は、実装対象となる基板Wに必要な部品が3種類以上ある場合を示す。例えば、4つの異なる部品a、b、c及びdがあり、グループA、B、C及びD内のテープフィーダ90がそれらの部品をそれぞれ供給する。グループA、B、C及びDごとにテープフィーダ90が3つずつ設けられている。
【0069】
グループA〜Dの、搬送方向における中心位置pを基準とする。一例として、部品a及びbの比率の数の合計と、部品c及びdの比率の数の合計とにより、実装領域Mが搬送方向で配分される。例えば、基板Wに必要な部品a〜dの数の比率が2:3:1:1である場合、中心位置pを基準として5:2((2+3):(1+1))の比率で、実装領域Mの搬送方向の長さが配分されるように、設定される。
【0070】
あるいは、中心位置pを基準として6:1((2×3):(1×1))の比率で、実装領域Mが搬送方向で配分されてもよい。
【0071】
あるいは、中心位置pを基準として、(基板Wに必要な、部品aの数+部品bの数):(基板Wに必要な、部品cの数+部品dの数)の比率で、実装領域Mが搬送方向で配分されてもよい。
【0072】
あるいは、メインコントローラ21は、グループB及びCと比べ中心位置pから離れた位置にあるグループA及びDについては重み付けを行ってもよい。つまり、中心位置pからの距離に応じた係数を、その比率の数に乗算する。これは、中心位置pからの距離が遠いほど、実装ユニット40の移動距離も長くなるので、その分が実装領域Mの配分の演算に加味される。上記の例では、グループA及びDにそれぞれ対応する部品a及びdの比率の数「2」及び「1」に、1.3等の係数をそれぞれ乗じる、といった具合である。メインコントローラ21は、距離に応じたこのような係数を予めルックアップテーブル形式で記憶していてもよいし、所定のアルゴリズムによりその都度演算により算出してもよい。
【0073】
このように、メインコントローラ21は、基板に必要な部品が3種類以上あっても、その3種類以上の部品のそれぞれの供給領域Sの配置に応じて、実装ユニット40が時間効率良く移動することができる実装領域を搬送領域C内に設定することができる。
【0074】
上述のように、特に本実施形態では、多品種少量生産の場合に、生産時間に占めるオペレータによる「段取り替え」に必要な時間を少なくすることができる。
【0075】
[第4の実施形態に係る実装領域の設定方法]
本実施形態に係る実装領域の設定方法は、上記第1及び第3の実施形態の組み合わせる方法である。すなわち、基板Wに必要な部品が3種類以上あっても、図5及び6に示したように、2つの実装領域MA及びMBのうちいずれか一方が設定される。例えば、上記のように、基板Wに必要な部品a〜dの数の比率が2:3:1:1である場合、メインコントローラ21は、実装領域MA及びMBのうち、部品供給数の多い方である下流側の実装領域MAを選択して設定する。
【0076】
このような方法によっても、簡単なアルゴリズムで、処理時間の効率化を図ることができる。
【0077】
[第5の実施形態に係る実装領域の設定方法]
<第1のパターン>
上記第1〜4の実施形態に係る実装領域の設定方法は、複数の異なる部品が複数の供給領域Sからそれぞれ供給される形態であった。この第5の実施形態に係る実装領域の設定方法における第1のパターンは、図示しないが、1つの供給領域Sから同じ部品(複数の同じ部品)が供給されるパターンである。同じ部品とは、例えば「50pFのコンデンサ」等である。
【0078】
この場合も、メインコントローラ21は、その供給領域Sの配置に応じて、搬送領域C内における、その供給領域Sに最も近い位置に実装領域を設定する。例えば、実装領域Mの搬送方向における所定位置(例えば実装領域Mの搬送方向における中心位置)が、その供給領域Sの搬送方向での位置と実質的に一致するように、実装領域Mが設定される。あるいは、上記第1の実施形態のように2つの実装領域MA及びMBのうち、その供給領域Sが配置される位置に近い方の実装領域Mが設定されてもよい。
【0079】
<第2のパターン>
第2のパターンは、複数の供給領域Sから複数の同じ部品が供給されるパターンである。この場合、メインコントローラ21は、複数の供給領域Sの間の、搬送方向における中心位置を基準として、実装領域Mが設定される。例えば、実装領域Mの搬送方向における所定位置(例えば実装領域Mの搬送方向における中心位置)が、それら供給領域Sの間の中心位置の、搬送方向での位置と実質的に一致するように、実装領域Mが設定される。
【0080】
あるいは、複数の供給領域Sから複数の同じ部品が供給される場合において、それら供給領域Sの、搬送方向での中心位置を基準として、それら供給領域Sから取り出される部品の数の比率に応じて、実装領域Mが配分されるような位置に実装領域Mが設定されてもよい。あるいは、上記第1の実施形態のように2つの実装領域MA及びMBのうち、それら供給領域Sの中心位置が配置される位置に近い方の実装領域Mが設定されてもよい。
【0081】
この第5の実施形態のように、複数の同じ部品が供給される場合であっても、処理時間の効率化を図り、生産性を向上させることができる。
【0082】
[基板のバックアップ部材]
図10は、基板Wを下方から支持するバックアップ部材が設けられた搬送ユニット16を示す図である。図11は、その平面図である。
【0083】
バックアップ部材50は、基板Wを下方から支持する複数の支持ピン54(支持部)と、これら支持ピン54を一体的に支持するベース板53とを備える。少なくとも支持ピン54は、ゴム、スポンジ材により形成されているが、弾性変形可能な部材であれば、バネが内蔵されている部材等でもよい。ベース板53も支持ピン54と同様な材料で形成されていてもよい。
【0084】
図11に示すように、バックアップ部材50は、基板Wの搬送方向(X軸方向)で実装領域Mより長いサイズを有し、その搬送方向では固定の部材である。例えば、バックアップ部材50の長さは、搬送領域Cの長さと実質的に同じである。
【0085】
バックアップ部材50は、図示しないシリンダ等の昇降機構に接続され、これにより昇降可能となっている。上記各実施形態のように実装領域Mが設定されると、バックアップ部材50が上昇し、それに支持された基板Wが上昇する。バックアップ部材50が上昇して基板Wが支持された状態で、実装ユニット40により部品が基板Wに実装される。
【0086】
なお、バックアップ部材50とともに昇降機構によって上昇する部材(図示せず)も設けられ、この部材によりコンベヤのベルト16bごと基板Wが持ち上げられるようになっている。
【0087】
実装ユニット40による部品の実装の瞬間には、実装ヘッド30の吸着ノズル33が下降することにより、その吸着ノズル33から部品を介して基板Wが押圧力を受ける。
【0088】
ここで、仮に支持ピン54が弾性変形しない金属ピンであった場合、実装時に吸着ノズル33の位置と、金属ピンの位置とがZ軸方向で一致すると、部品や基板Wに加えられる力が大きくなり、部品、基板W、あるいは吸着ノズル33等が機械的ダメージを受けるおそれがある。そこで、金属ピンの位置と吸着ノズル33の位置とがZ軸方向で一致しないような適切な位置に、本技術のように変化する実装領域Mごとに、金属ピンを移動させる必要が生じる。
【0089】
しかしながら、本実施形態では弾性変形が可能な支持ピン54が設けられることにより、支持ピン54の位置が吸着ノズル33の位置とZ軸方向で一致しても、その支持ピン54の弾性変形により、実装時に基板Wに加えられる力を緩和させることができる。そして、搬送領域C内の一面に支持ピン54が配置されていることにより、バックアップ部材50を搬送方向に移動させる必要もなくなる。
【0090】
[その他の実施形態]
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態が実現される。
【0091】
上記各実施形態では、メインコントローラ21は、各供給領域Sの間の中心位置pを基準として実装領域Mを設定した。しかし、基準位置が、搬送方向で予め複数箇所に設定されていて、メインコントローラ21は、予め設定されたそれら複数の基準位置に基づき、1つの基準位置を選択し、その選択された基準位置に基づき、実装領域Mを設定してもよい。これにより、メインコントローラ21は、実装時の実装ユニット40の移動距離が最も少なくなるような基準位置を選択することができる。
【0092】
上記第2の実施形態では、図7及び8に示すように、実装領域Mが中心位置pを基準として所定の比率で配分されるように設定された。しかし、実装領域Mは所定の比率で配分されるのではなく、実装領域Mの搬送方向における中心が中心位置pに一致するように、実装領域Mが設定されてもよい。
【0093】
バックアップ部材50は、図11に示したように、搬送領域C内の一面に設けられている形態に限られない。例えば、バックアップ部材のX軸方向の長さは、実装領域MのX軸方向の長さ程度であってもよい。この場合、バックアップ部材を、設定された実装領域Mに対応してX軸方向に移動させる機構がさらに設けられる。この場合も、支持ピンが弾性変形可能であることにより、支持ピンと吸着ノズル33との位置がZ軸方向で一致しても問題ない。したがって、バックアップ部材を移動させる時の、バックアップ部材の実装領域Mに対応する正確な位置決めは不要となる。
【0094】
バックアップ部材が搬送領域C内の搬送方向の一部に設けられる場合であって、図5等のように、実装領域Mが2つや3つなど所定の位置に予め複数決められている場合、バックアップ部材もそれに対応して、搬送方向に複数設けられていてもよい。
【0095】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
【0096】
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)搬送領域を有し、前記搬送領域で基板を搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによる前記基板の搬送方向に沿って配列され、部品をそれぞれ供給可能な複数の供給領域と、
前記複数の供給領域のうち、前記基板に必要な部品の供給領域の配置に応じて、前記部品が実装される領域である実装領域を、前記搬送ユニットの前記搬送領域内に設定する制御ユニットと、
前記複数の供給領域のうち少なくとも1つの供給領域から、前記基板に必要な部品を取り出して、前記設定された実装領域で前記基板に実装を行う実装ユニットと
を具備する部品実装装置。
(2)(1)に記載の部品実装装置であって、
前記制御ユニットは、前記基板に必要な部品の供給領域として前記複数の供給領域の配置に応じて、前記実装領域を設定し、
前記実装ユニットは、前記複数の供給領域から、前記基板に必要な部品をそれぞれ取り出して、それらの部品を前記基板に実装する
部品実装装置。
(3)(2)に記載の部品実装装置であって、
前記制御ユニットは、さらに、前記実装ユニットにより前記複数の供給領域からそれぞれ取り出される前記各部品の数に基づき前記実装領域を設定する
部品実装装置。
(4)(3)に記載の部品実装装置であって、
前記制御ユニットは、前記搬送方向における、前記複数の供給領域の間の中心位置を基準として、前記実装領域を前記各部品の数の比率に対応して配分するように、前記実装領域の位置を設定する
部品実装装置。
(5)(2)から(4)のうちいずれか1つに記載の部品実装装置であって、
前記複数の供給領域は、異なる複数の部品をそれぞれ供給するか、または、同じ複数の部品を供給する
部品実装装置。
(6)(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の部品実装装置であって、
弾性変形可能に設けられた、前記基板を支持する支持部を有し、前記実装領域に配置されたバックアップ部材をさらに具備する部品実装装置。
(7)(6)に記載の部品実装装置であって、
前記バックアップ部材は、前記搬送方向で前記実装領域より長いサイズを有する
部品実装装置。
(8)搬送領域を有し、前記搬送領域で基板を搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットによる前記基板の搬送方向に沿って配列され、部品をそれぞれ供給可能な複数の供給領域とを備えた部品実装装置による基板の製造方法であって、
前記複数の供給領域のうち、前記基板に必要な部品の供給領域の配置に応じて、前記部品が実装される領域である実装領域を、前記搬送ユニットの前記搬送領域内に設定し、
前記複数の供給領域のうち少なくとも1つの供給領域から、前記基板に必要な部品を取り出して、前記設定された実装領域で前記基板に実装を行う
基板製造方法。
【符号の説明】
【0097】
W…回路基板
S…供給領域
C…搬送領域
M、MA、MB…実装領域
p…中心位置
16…搬送ユニット
21…メインコントローラ
30…実装ヘッド
40…実装ユニット
50…バックアップ部材
90…テープフィーダ
100…部品実装装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11