特許第5721075号(P5721075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721075
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】自動車用空調ダクトの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/42 20060101AFI20150430BHJP
   B29C 51/08 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   B29C49/42
   B29C51/08
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-253999(P2011-253999)
(22)【出願日】2011年11月21日
(65)【公開番号】特開2013-107278(P2013-107278A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2013年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】503233130
【氏名又は名称】株式会社アイテック
(72)【発明者】
【氏名】内野好章
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−17224(JP,U)
【文献】 実開昭57−57106(JP,U)
【文献】 特開平7−117110(JP,A)
【文献】 特開平7−80915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00−51/46
B60H 1/00− 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂のブロー成形によって形成される自動車用空調ダクトの製造方法であって、
型締め後、金型内のセンターベンチ差込み部形成用スライド10を突き出して、
サイドベンチ部のセンターベンチ差込み部を深絞り成形することを特徴とする自動車用空調ダクトの製造方法
【請求項2】
請求項1におけるセンターベンチ差込み部の深絞り成形が、スライド機構によるセンターベンチ差込み部形成用スライドの突出しによるものであることを特徴とする請求項1記載の自動車用空調ダクトの製造方法
【請求項3】
請求項1または請求項2におけるサイドベンチ部のセンターベンチ差込み部にオス爪部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動車用空調ダクトの製造方法
【請求項4】
請求項3におけるオス爪部の形成が、スライド機構によるオス爪部形成用スライドの突出しによるものであることを特徴とする請求項3記載の自動車用空調ダクトの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用空調ダクトの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用空調ダクトの形成方法に関する従来技術としては特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
しかしブロー成形用金型の型抜き上の制約から、空調ダクトのセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体には形成困難な複雑な形状の場合には、特許文献1に開示されているような空調ダクトのセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体に形成する方法ではブロー成形できないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−82845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、ブロー成形用金型の型抜き上の制約から、空調ダクト1のセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体には形成困難な複雑な形状の場合には、特許文献1に開示されているような空調ダクトのセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体に形成する方法ではブロー成形できないという点である。
本発明は上記の点を解決するためになされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たすため本発明は、熱可塑性樹脂のブロー成形によって形成される自動車用空調ダクトの製造方法であって、
型締め後、金型内のセンターベンチ差込み部形成用スライド10を突き出して、
サイドベンチ部のセンターベンチ差込み部を深絞り成形することを最も主要な特徴とする。
【0007】
また、上記センターベンチ差込み部の深絞り成形が、スライド機構によるセンターベンチ差込み部形成用スライドの突出しによるものであることを第2の主要な特徴とする。
【0008】
また、上記サイドベンチ部のセンターベンチ差込み部にオス爪部を形成することを第3の主要な特徴とする。
【0009】
また、上記オス爪部の形成が、スライド機構によるオス爪部形成用スライドの突出しによるものであることを第4の主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブロー成形用金型の型抜き上の制約から、自動車用空調ダクトのセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体に形成するのが困難な形状の場合でも自動車用空調ダクトの形成が可能となるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る空調ダクト1の斜視図
図2】型締め直後のサイドベンチ部の、図1のA−A断面相当図(部分)
図3】センターベンチ差込み部形成用スライド突出し後のサイドベンチ部の、図1のA−A断面相当図(部分)
図4】オス爪部形成用スライド突出し後のサイドベンチ部の、図1のA−A断面相当図(部分)
図5】離型後のサイドベンチ部の、図1のA−A断面相当図
図6】不要部分カット後のサイドベンチ部と、別途形成されたセンターベンチ部の、図1のA−A断面相当図
図7】サイドベンチ部とセンターベンチ部の組合わせ後の、図1のA−A断面相当図
【発明を実施するための形態】
【0012】
ブロー成形用金型の型抜き上の制約から、自動車用空調ダクトのセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体に形成困難な形状の場合でもダクトの形成を可能にするという目的を、サイドベンチ部のセンターベンチ差込み部を深絞り成形することによって、
ブロー成形という安価な工法を用いて、経済性を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。尚、従来例と同一の符号は同一の部材を表す。
【0014】
図1は、本発明の1実施例を示す自動車用の組合せ式空調ダクト1の斜視図である。
2はセンターベンチ部、3はサイドベンチ部、15,15’(15’は図6に図示)はメス爪部である。
【0015】
図2ないし図6図1のA−A断面相当図である。
先ず、該空調ダクト1用の分割金型4,4’内に半溶融状態にあるポリエチレン等の熱可塑性樹脂のパリソン5を垂下させ該分割金型を型締めする。(型締め前の状態は図示せず)
【0016】
尚、該パリソン5に適用される熱可塑性樹脂としてはポリエチレンに限らず、ポリプロピレンや他のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート等、ブロー成形が可能な樹脂であれば何でも良い。また、該熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、硫酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末等を混錬させた複合材であってもよい。
【0017】
図2は型締め直後の断面図である。10は該分割金型4’内に摺設されたセンターベンチ差込み部形成用スライド、12,12’は該分割金型4内に摺設されたオス爪部形成用スライドである。
【0018】
該オス爪部形成用スライド12,12’は図示しない脱落防止構造(アンダーカット構造等)によって該分割金型4からの脱落を防止されている。
【0019】
型締め後、スライド機構(図示せず)により該センターベンチ差込み部形成用スライド10を矢印の向きに突き出して、センターベンチ差込み部9を深絞り成形した状態を図3に示す。
この状態では、該オス爪部形成用スライド12,12’と該センターベンチ差込み部形成用スライド10との間に間隙があるため、該センターベンチ差込み部9は斜めに引っ張られている。
【0020】
次に、スライド機構(図示せず)により該オス爪部形成用スライド12,12’を矢印の向きに突き出して、オス爪部11,11’を形成した状態を図4に示す。
この時、該センターベンチ差込み部9は斜めの状態から該オス爪部形成用スライド12,12’の突き出しによって接平面方向に圧縮されるため、その余肉は該オス爪部11,11’の肉の形成に費やされるので該オス爪部11,11’は中実の状態で形成される。
【0021】
その後、該パリソン5の製品部分内に圧縮空気を吹き込んでブローアップし、樹脂の冷却、固化後該センターベンチ差込み部形成用スライド10を該分割金型4’内に、該オス爪部形成用スライド12,12’を該分割金型4内にそれぞれ引っ込めて該サイドベンチ部3の成形品を離型し、図5に示すように該空調ダクト1の該サイドベンチ部3のブロー成形を完了させる。
【0022】
図5に示される成形品のカットライン20に沿って不要部をカット、除去した状態を図6に示す。
尚、2は該サイドベンチ部3同様に、別途形成した該センターベンチ部であり、15,15’は該メス爪部である。
【0023】
次に、図6の矢印の方向に該センターベンチ部2を該サイドベンチ部3の該センターベンチ差込み部9に差込んで組合わせ、該メス爪部15,15’に該オス爪部11,11’をかみ合わせて該空調ダクト1を形成した状態を図7に示す。
【0024】
尚、上記では該センターベンチ差込み部形成用スライド10を突出す例を示したが、該センターベンチ差込み部形成用スライド10の突出し方向が型締め方向と一致するダクト形状の場合には突出し状態の該センターベンチ差込み部形成用スライド10の部分を分割金型の母型(おもがた)部分と一体に形成し、スライド機構を省略してもよい。
【0025】
また、上記ではメス爪部15,15’とオス爪部11,11’の組が二組の場合を説明したがこれに限るものではなく、必要に応じて更に多くの組を設定してもよい。
【0026】
以上実施例に述べたように本発明によれば、熱可塑性樹脂のブロー成形によって形成される自動車用空調ダクトの製造において、サイドベンチ部のセンターベンチ差込み部を深絞り成形したため、ブロー成形用金型の型抜き上の制約から、ダクトのセンターベンチ部とサイドベンチ部を一体に形成するのが困難な複雑な形状のダクトでも製造が可能となるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、自動車用空調ダクトの製造に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 空調ダクト
2 センターベンチ部
3 サイドベンチ部
4,4’ 分割金型
5 パリソン
9 センターベンチ差込み部
10 センターベンチ差込み部形成用スライド
11,11’ オス爪部
12,12’ オス爪部形成用スライド
15,15’ メス爪部
20 カットライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7