特許第5721077号(P5721077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721077
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】ブロー成形用ダイとブロー成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/04 20060101AFI20150430BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20150430BHJP
   B29L 22/00 20060101ALN20150430BHJP
【FI】
   B29C49/04
   B29C49/42
   B29L22:00
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-276724(P2011-276724)
(22)【出願日】2011年12月19日
(65)【公開番号】特開2013-126731(P2013-126731A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2013年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】503233130
【氏名又は名称】株式会社アイテック
(72)【発明者】
【氏名】笹島良治
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−240362(JP,A)
【文献】 特開昭61−261021(JP,A)
【文献】 特開昭55−101415(JP,A)
【文献】 特開平9−1640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00−49/80
B29C 47/00−47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるノズルとマンドレルとの間に円錐台形筒状の間隙を有する円筒パリソン形成用パリソン押出しダイにおいて、180度対向する位置の該間隙が2つの閉塞片によって部分的に塞がれて
おり、該閉塞片がノズル内に摺動自在に摺設され、該閉塞片が該マンドレルに常時押圧されるようにそれぞれ2つの圧縮スプリングによって該マンドレルの円錐台形部の斜面の面直方向に付勢されて
いることを特徴とするブロー成形用ダイ
【請求項2】
請求項1に記載のブロー成形用ダイにより、2枚のシート状パリソンを垂下させて成形することを特徴とするブロー成形方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるダイとブロー成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるダイとブロー成形方法に関する従来技術としては特許文献1に開示されているようなものがある。即ちブロー成形機の押出しヘッドに取付けられた円筒パリソン形成用のダイを、2枚の樹脂シートを押出すための2つのTダイに交換し、2つのTダイから同時に2枚の樹脂シートを押出してシートブロー成形するという技術である。
【0003】
しかし、Tダイは高価であるから特許文献1に開示されているような方法では大幅なコストアップを招くという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−73849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられた円筒パリソン形成用のダイを、2枚の樹脂シートを押出すための2つのTダイに交換し、2つのTダイから同時に2枚の樹脂シートを押出してシートブロー成形する方法では、Tダイが高価なため大幅なコストアップを招くという点である。本発明は上記の点を解決するためになされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たすため本発明は、ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるノズルとマンドレルとの間に円錐台形筒状の間隙を有する円筒パリソン形成用パリソン押出しダイにおいて、180度対向する位置の該間隙が2つの閉塞片によって部分的に塞がれて
おり、該閉塞片がノズル内に摺動自在に摺設され、該閉塞片が該マンドレルに常時押圧されるようにそれぞれ2つの圧縮スプリングによって該マンドレルの円錐台形部の斜面の面直方向に付勢されて

いることを最も主要な特徴とする。
【0007】
【0008】
また、上記のブロー成形用ダイにより、2枚のシート状パリソンを垂下させて成形することを第2の主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、
ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるノズルとマンドレルとの間に円錐台形筒状の間隙を有するブロー成形用パリソン押出しダイにおいて、180度対向する位置を2つの閉塞片によって部分的に塞ぐことによって、円筒パリソン形成用のダイという安価なダイを用いてシートブロー成形することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例を示すブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるパリソン押出しダイの部分縦断面図
図2図1のパリソン押出しダイの部分縦断面を斜め左上手前から見た斜視図
図3】本発明の実施例を示すブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるパリソン押出しダイの部分縦断面図
図4】本発明の実施例を示すブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるパリソン押出しダイの部分縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられた円筒パリソン形成用のダイから同時に2枚の樹脂シートを押出して安価にシートブロー成形するという目的を、
ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるノズルとマンドレルとの間に円錐台形筒状の間隙を有するブロー成形用パリソン押出しダイにおいて、180度対向する位置を2つの閉塞片によって部分的に塞ぐことによって、
高価なTダイを使わずとも円筒パリソン形成用のダイという安価なダイを用いて実現した。
【実施例1】
【0012】
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。
図1は、本発明の実施例を示すブロー成形機の押出しヘッドに取付けられる円筒パリソン形成用のパリソン押出しダイ1の部分縦断面図である。
2はノズル、3はマンドレル、8は該ノズル2と該マンドレル3との間の円錐台形筒状の間隙であり、4,4は該間隙8を部分的に塞ぐように該間隙8に挟まれたコの字形をした2つの閉塞片である。
【0013】
図2図1の該ダイ1の部分縦断面を斜め左上手前から見た斜視図である。
該閉塞片4,4は該ダイ1の180度対向する位置に2つ取り付けられている。尚、図2において該閉塞片4,4は断面ではなく全体形状が描画されている。
【0014】
次に本発明の作用を説明する。ブロー成形用の分割金型(図示せず)内に半溶融状態にあるポリプロピレン等の熱可塑性樹脂のパリソン(図示せず)を、該ダイ1を通じて押出す。
【0015】
パリソンは押出される途中で該ダイ1の該間隙8を通過するが、この時パリソンは該閉塞片4,4によって流路を分流させられ、180度対向する位置で2つに分断されて垂下することになる。
【0016】
即ち、1本の円筒状パリソンが2つに分断されて2枚の(平らではない)シート状パリソンとなって垂下するのである。
【0017】
尚、該パリソンに適用される熱可塑性樹脂としてはポリプロピレンに限らず、ポリエチレンや他のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等、ブロー成形が可能な樹脂であれば何でも良い。また、該熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、硫酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末等を混錬させた複合材であってもよい。
【0018】
その後該分割金型を型締めし、2枚のシート状パリソンの間に圧縮空気を吹き込んでブローアップし、離型してブロー成形を完了させる。
【0019】
上記実施例の問題点はコの字形をした該閉塞片4,4の厚みによって該間隙5が規定され、成形中はその寸法を変更できないということである。
つまり、パリソンコントローラが適用できないのである。
【0020】
図3はブロー成形機の押出しヘッドに取付けられる円筒パリソン形成用のパリソン押出しダイ1’の、図1と同様な部分縦断面図である。
【0021】
2つの閉塞片14,14は、ボルト11’,11’によって該ノズル12に固定された落下防止片13,13と該ノズル12との間で該ノズル12に削設された溝16,16に摺接されており、該閉塞片14,14にねじ込まれたボルト11,11を摺動自在な心棒として、該閉塞片14,14を該マンドレル3の方向に付勢するために該閉塞片14,14と該ノズル12との間に圧縮スプリング15,15が設定されている。
【0022】
これにより、パリソンコントローラ(図示せず)の作動によって該マンドレル3が上下しても該マンドレル3の円錐台形部の斜面の動きに該閉塞片14,14が追随して該圧縮スプリング15,15が伸縮するため、該圧縮スプリング15,15の反発力により該閉塞片14,14は該マンドレル3に常時押圧され、該マンドレル3の円錐台形部の斜面から離れることはなく、パリソンコントローラの動きを妨げることもない。
【0023】
【0024】
図4は大型のブロー成形機の押出しヘッドに取付けられる大型円筒パリソン形成用のパリソン押出しダイ1’’の、図1図3と同様な部分縦断面図である。
【0025】
図4において、ノズル22内に削設された溝26,26に摺接された2つの閉塞片24,24はそれぞれにねじ込まれた2本のボルト21,21を摺動自在な心棒としたそれぞれ2つの圧縮スプリング25,25によってそれぞれ該マンドレル3の円錐台形部の斜面の面直方向に付勢されている。
【0026】
これにより、パリソンコントローラ(図示せず)の作動によって該マンドレル3が上下しても該マンドレル3の円錐台形部の斜面の動きに該閉塞片24,24が追随して該圧縮スプリング25,25,25,25が伸縮するため、該圧縮スプリング25,25,25,25の反発力により該閉塞片24,24は該マンドレル3に常時押圧され、該マンドレル3の円錐台形部の斜面から離れることはなく、パリソンコントローラの動きを妨げることもない。
【0027】
【0028】
実施例に記載の円筒パリソン形成用パリソン押出しダイを用い、2枚のシート状パリソンを垂下させてシートブロー成形することができる。
【0029】
以上実施例に述べたように本発明によれば、
ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられるノズルとマンドレルとの間に円錐台形筒状の間隙を有する円筒パリソン形成用パリソン押出しダイにおいて、180度対向する位置の該間隙を2つの閉塞片によって部分的に塞いだため、
高価なTダイを使わずとも円筒パリソン形成用パリソン押出しダイという安価なダイを用いてシートブロー成形することができるという効果がある。
【0030】
尚、該閉塞片4,14,24に共通して、パリソンに接触して分断する流路分岐点30は図2に代表して該閉塞片4に示すように半円弧状となっているが、これに限るものではなく尖っていても、平坦でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、ブロー成形機の押出しヘッドに取付けられる円筒パリソン形成用パリソン押出しダイを利用して2枚のシート状パリソンを垂下させる簡易シートブロー成形に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1,1’ ,1 ’ ’ (パリソン押出し)ダイ
ノズル
3 マンドレル
閉塞片
8 (円錐台形筒状の)間隙
11,11’ ボルト
12 ノズル
13 落下防止片
14 閉塞片
21 ボルト
22 ノズル
24 閉塞片
30 流路分岐点
図1
図2
図3
図4