特許第5721087号(P5721087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721087
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】スプラッシュシールドスイングボルト
(51)【国際特許分類】
   F16J 13/24 20060101AFI20150430BHJP
   F17C 13/06 20060101ALI20150430BHJP
   F16B 37/02 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   F16J13/24
   F17C13/06 301Z
   F16B37/02 A
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-512994(P2013-512994)
(86)(22)【出願日】2011年5月31日
(65)【公表番号】特表2013-533437(P2013-533437A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】IB2011001181
(87)【国際公開番号】WO2011151699
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2014年5月7日
(31)【優先権主張番号】12/791,923
(32)【優先日】2010年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】クインタル、マーク、エー.
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−075195(JP,U)
【文献】 特開平06−257671(JP,A)
【文献】 実開昭55−057510(JP,U)
【文献】 特開2003−090433(JP,A)
【文献】 特開2002−017566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 12/00−13/24
F16B 37/02
F17C 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な閉止具及びユーザー圧力解放保護機能を有する圧力容器において、
(a)開口端の周囲にシール面が配置された略カップ形状の圧力室を形成する構造と、
(b)前記カップ形状の前記開口端を覆って取外し可能に配置された前記閉止具と、
(c)前記閉止具と前記シール面との間を密封するように配置されたシール部材と、
(d)前記圧力容器を覆う位置に前記閉止具を保持する複数のクイックリリース式の締結具と、
(e)前記締結具を覆って配置されて、シール不良の場合、締結具の周囲に漏れる流れをユーザーから離れた方向に向ける着脱可能なフローシールドと、を備え、前記閉止具は、前記締結具の解放の際、前記閉止具の他の部分に漏れる加圧流体をユーザーから離れた方向に向けるように配置されたディフレクタ面を含むことを特徴とする圧力容器。
【請求項2】
前記締結具は、前記閉止具の切欠に係合するスイングボルトを含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記フローシールドは、前記切欠を覆って取付けられて、前記スイングボルトによって保持される部材を備えていることを請求項2に記載の圧力容器。
【請求項4】
前記締結具は、前記閉止具の周囲で前記切欠に係合するアイボルトを含み、前記フローシールドは、前記切欠を覆って延びる部分を有し前記閉止具上に配置された部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項5】
前記シール部材は、可撓性材料の環状シールを備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項6】
前記フローシールドは、各前記締結具を覆って取付けられて、前記締結具と共に保持される部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項7】
複数の前記締結具は、前記スイングボルトを含み、前記フローシールドは、前記フローシールドを前記スイングボルトに固定するために前記スイングボルトを受入れる部分を有する部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項8】
前記締結具は、前記圧力室に回動可能に係合するアイボルトを含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項9】
前記フローシールドは、複数の前記締結具のそれぞれを覆って延びている部分を有し前記閉止具上に取付けられる一体部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項10】
複数の前記締結具は、スイングボルトを含むことを特徴とする請求項9に記載の圧力容器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、容器の中身への自由なアクセスのために着脱可能な閉止具を有する開口端を有するタイプの容器からの加圧流体の放出を制御するための安全装置に関する。このタイプの圧力容器は、圧力容器内に配置されたフィルタ要素を通して流体をろ過するのに用いることが多く、フィルタ要素は、清掃、又は、交換のために定期的な取外しを必要とする。通常、容器は、圧力下で流体を容器内に収容されたフィルタ要素に通過させるために、流体システムにおいて直列に接続される入口及び出口を含む。そのような圧力容器は、通常、圧力容器の開口端上に配置されて、ボルト又はトグルクランプ等の締結具によって固定され、Oリング又はガスケット等のシールによって圧力容器の開口端を密封するヘッダー又は閉止板を用いる。
【0002】
閉止具又は蓋のシールの漏れは、加圧流体の好ましくない放出を許し、これにより、ユーザーに対して危険を引起す。また、万一、作業者が締結具又はクランプの取外しを始める前に、容器が完全に減圧されない場合、締結具が解放されたとき、フランジとカバープレートの下面との間から漏れる残留加圧流体が作業者に危険な状態を引起す虞がある。
【0003】
このため、シール漏れ、又は、容器の閉止具又は蓋の取外しのための減圧時に、圧力容器からの高圧力下の流体漏れの危険を減少する方法又は手段を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、万一、シール不良の場合、作動中に圧力容器から高圧力下の流体の危険な漏れ防止、更に、圧力容器の内部へアクセスするためにブリードバルブを開けた後、作業者が圧力容器の閉止具又は蓋の締結具を緩めて、それを取外す際の問題の解決法を提供する。圧力容器の蓋又は閉止具は、その周囲に延びて蓋に略垂直なフランジを有し、蓋を保持する締結具がユーザーによって解放されたとき、蓋と圧力容器との間から漏れる流体を圧力容器の壁に略平行な方向に向け、これにより、漏れる流体を作業者又はユーザーから離れた方向に向ける。
【0005】
閉止具は、容器の壁に回転可能に取付けられ、かつ、閉止具の切欠又はスロットの開口に係合するスイングボルトによって締結される。フローシールドは、締結具の領域に漏れる高圧力下の流体の噴出からユーザーを保護するために、スロット及びボルトの周囲に漏れる流体の方向を変えるためにスイングボルトに設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】蓋及び蓋に装着されたフローシールドと共に組立てられた圧力容器の上面図である。
図2図1の2−2線に沿った断面図である。
図3】フローシールドを装着した閉止具の拡大図である。
図4図3の4−4線に沿った断面図である。
図5】フローシールドが配置された蓋の斜視図である。
図6】フローシールドの側面図である。
図7図6のシールドの下面図である。
図8図6の8−8線に沿った断面図である。
図9】蓋の取外しのためにスイングボルトが下方位置にある状態を示す図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1−4を参照すると、本開示に従う例示的な圧力容器アセンブリは、全体として符号10で示され、比較的薄肉の圧力容器部材12を有する。容器部材12は、一般的に円形の横断面を有し、その上に設けられた環状のフランジ16を有する全体として符号14で示される開口端を有し、フランジ16は、それに形成された環状の溝18を有し、環状の溝18は、Oリング等の弾性環状シール部材20を受入れる。容器12は、圧力容器が流体フィルタ(図示せず)を収容するために用いられる場合、例えば、流体圧力又はフローラインへの接続のために図2に参照符号22で示される少なくとも1つの流体ラインコネクタ継手を備えている。流入及び流出用に図示しない別の流体継手を設けることができることが分かるであろう。
【0008】
圧力容器部12は、全体として符号24で示される蓋又は閉止具を有し、この蓋24は、図2に図示された例においては、比較的厚い環状フランジ部26が周囲に配置された全体的に凹状の中心部を有する。フランジ26には、以下に説明するように、締結具を受入れるために、円周方向に間隔をあけた複数の切欠又はスロット28が設けられる。
【0009】
圧力容器のフランジ16上には、円周方向に間隔をあけて半径方向外向きに延びる複数の突起30が設けられ、これら突起30は、クロスピン32を有し、各ピン32は、スイングボルト34のアイ部分を回動可能に受け、スイングボルト34は、蓋24のフランジ26のスロット28を通って上方に延びるネジ部を有する。
【0010】
全体として符号36で示されるカバープレートは、蓋24に被せられ、カバープレート36には、複数の切欠38が形成され、各切欠38は、スイングボルト34の1つを受入れ、蓋又は閉止具24は、スイングボルト34のそれぞれに螺合する環状のナット40、あるいは、菊ナットによって容器12に固定される。
【0011】
図1図8を参照すると、カバー36は、カバー36上に設けられ、その周囲に広がり下方に延びているフランジ42を有する。フランジ42の下側は、カバーフランジ26の下側とシールリング20との間から漏れる加圧流体の噴出を容器12の壁に沿って下方にそらすのに役立つ。
【0012】
しかしながら、カバー36に形成された切欠又はスロット38は、加圧流体の噴出がスイングボルト34の周囲、及び、切欠38を通って漏れる開口領域を設けることが分かるであろう。
【0013】
加圧流体の噴出がスロット38及びスイングボルト34の周囲を通って外部へ漏れるのを阻止するために、全体として符号44で示される流体流シールド、又は、噴出シールドは、各スロット38の周囲に、及び、スイングボルト34を覆って配置されている。シールド44は、以下に説明するように、スイングボルト34によって保持されるように構成され、スロット38及びスイングボルト34の周囲を通って漏れる流れを下方に向けて、ユーザー又は作業者から離すように機能する。
【0014】
特に図5を参照すると、カバー36及びスイングボルト34を覆うシールド44の組立て前において、スロット38のそれぞれに噴出シールド44の1つが配置された状態で示されている。
【0015】
図6図8を参照すると、例示的な噴出シールド(フローシールド)44は、プレート部46を有するように示され、その内面がスロット38及びスイングボルト34の周囲に漏れる高圧流を受けて下方向に向きを変えるように作用する。プレート46は、プレート46に一体に形成され、又は、溶接等によってそれに取付けられた内側に延びるリブ48を有し、リブ48上には、スイングボルト34の1つを受入れる中空円筒部50が設けられている。図示の例では、プレート46は、プレート46上に設けられて、プレート46に沿って上方へ、プレート46の上端に沿って形成された半径方向内側に曲がって延びるフランジ部54まで延びる補強リブ52,52を有する。
【0016】
これにより、各シールド44は、カバー36のスロット38を覆って、カバーフランジ42の外面に平らに配置されたとき、切欠又はスロット38の1つ、及び、スイングボルト34の1つを覆って、ユーザーが環状のナット40を緩めた際、スロット38を通って高圧流体が漏れるのを防ぐ。
【0017】
環状のナット40を緩めることによって容器内の圧力を開放した後、ユーザーは、スイングボルト34をスロット38の外側及び下方に回動させて、カバー及び閉止具24を解放して取外すことができることが分かる。
【0018】
図9を参照すると、スイングボルト34は、ナット40を緩めて、ボルト34をピン32の回りにスロット28の外側へ回動した後の解放位置、すなわち、下方位置に示され、これにより、閉止具24を解放して取外す。シールド44は、ボルト34と共に回動する。
【0019】
このように、本開示は、圧力容器のカバー又は蓋をスイングボルトによって保持して、ユーザー又は作業者による迅速な解放及び取外し可能にする技術を説明する。万一、蓋のシール漏れ、あるいは、減圧後に容器内に残留圧力がある場合、スイングボルトに取付けられて閉止具又は蓋のスロットを覆う噴出シールによってスイングボルト用スロットの領域から漏れる高圧力流体は、方向をそらされる。
【0020】
好ましい実施形態を参照して例示的な実施形態を説明してきた。上述の詳細な説明を読んで、理解することにより他者が改良及び変更を思い付くことは、明らかであろう。例示的な実施形態は、添付された特許請求の範囲の技術的範囲又はそれに均等なものである限り、そのような全ての改良及び変更を含むと解釈されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9