【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものである。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、主制御装置と補助制御装置との間で、通信可能となっている制御装置を用いた遊技機であって、
主制御装置から補助制御装置には、常に通信を行っている状態とし、
常に行っている通信中の特定の位置に常に特定信号を位置させ、補助制御装置がこの特定信号を受信しないときには、補助制御装置が、
不正行為があったと判断するように形成したことを特徴とする。
【0012】
ここで、「主制御装置」とは、遊技機の動作を制御する装置である。例えばスロットマシンであれば、当たり役の抽選の制御、リールの回転及び停止の制御等を行う部分である。また、パチンコ機であれば、当たり役の抽選の制御等を行う部分である。
「補助制御装置」とは、主制御装置から送信されるデータにもとづいて他の部分を制御する。スロットマシンにあっては、演出を制御する演出制御装置や、メダルの払い出しを制御するホッパー制御装置が該当する。またパチンコ機にあっては、演出制御装置や、球払い出し制御装置が該当する。
「常に通信を行っている」とは、間隔を開けてランダムに、あるいは間隔を開けて周期的に通信を行っているのではなく、連続して通信を行っている状態を指す。また、例えば補助制御装置が演出制御装置であった場合には、演出に関するデータを送信する時もあるが、演出に関するデータを送信しない時もある。このように演出に関するデータを送信しない場合であっても、特定の位置に特定信号を位置させたカラデータを送信することによって、常に送信を行っている状態としている。
【0013】
「通信中の特定の位置」とは、連続した通信の中で、通信時間で考えると一定時間間隔で設定された通信データ位置を指す。また、通信領域量で考えると、一定通信領域量間隔の位置を指す。いずれにしても、主制御装置からの出力における通信中の特定の位置が、補助制御装置での受信時にも通信中の特定の位置として認識される必要がある。「特定信号」とは、この特定位置にある信号のことである。
「補助制御装置がこの特定信号を受信しないとき」とは、不正基板からの不正信号を補助制御装置が受信している間は、主制御装置からの信号が受信できないこととなるので、この場合が特定信号を受信しないときに該当する。また、主制御装置から補助制御装置への信号を遮断しているときにも、主制御装置からの信号が受信できないこととなるので、この場合も特定信号を受信しないときに該当する。
【0014】
「
不正行為があったと判断する」とは
、前記した不正信号の検出
が相当する。更に、
不正行為があったと判断したときには、補助制御装置が演出制御装置である場合には、演出で
不正行為があったことを報知することも可能である。また、補助制御装置が、演出制御装置、ホッパー制御装置あるいは球払い出し制御装置である場合には、
不正行為があったと判断したときに、補助制御装置を停止させてしまうこともできる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、主制御装置と補助制御装置との間で、主制御装置から補助制御装置に対してのみ通信可能となっている制御装置を用いた遊技機であって、
主制御装置から補助制御装置には、常に通信を行っている状態とし、
常に行っている通信中の特定の位置に常に特定信号を位置させ、補助制御装置がこの特定信号を受信しないときには、補助制御装置が、
不正行為があったと判断するように形成したことを特徴とする。
【0015】
「主制御装置から補助制御装置に対してのみ通信可能」とは、主制御装置から補助制御装置に対して通信可能であるものの、補助制御装置から主制御装置に対しては通信不能である状態をいう。
このように、補助制御装置から主制御装置に通信できないような場合であっても、本発明では、不正行為の検知が可能となっている。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、主制御装置と補助制御装置との間で、主制御装置から補助制御装置に対してのみ通信可能となっている制御装置を用いた遊技機であって、
主制御装置から補助制御装置には、常に通信を行っている状態とし、
常に行っている通信中の1バイトの中の特定のビット、複数のバイトの中の特定のビットあるいは複数のバイトの中の特定のバイトを特定信号とし、補助制御装置がこの特定信号を受信しないときには、補助制御装置が、
不正行為があったと判断するように形成したことを特徴とする。
【0016】
この請求項では、特定信号の位置のさせ方を3通り示している。
第1の特定信号の位置づけとしては、「1バイトの中の特定のビットを特定信号とする」という位置づけであり、第2の特定信号の位置づけとしては、「複数のバイトの中の特定のビットを特定信号とする」という位置づけであり、第3の特定信号の位置づけとしては、「複数のバイトの中の特定のバイトを特定信号とする」という位置づけである。
「1バイトの中の特定のビットを特定信号とする」とは、8ビットからなる1バイト中の、例えば最初のビットを特定信号とするような場合である。このときには、8ビットからなる信号であり、最初のビットを特定信号とした信号を主制御装置から補助制御装置に送信し続けることとなる。
【0017】
「複数のバイトの中の特定のビットを特定信号とする」とは、8ビットからなる1バイトがn(2以上の正の整数)バイトで1組と考え、その8nビット中のいずれかの位置に特定信号を位置させるものである。例えば、2バイトで1組と考え、その最初のビットに特定信号を位置させると、前記した「1バイトの中の特定のビットを特定信号とする」に比べて、特定信号間隔が倍となる。
「複数のバイトの中の特定のバイトを特定信号とする」とは、m(2以上の正の整数)バイトで1組と考え、そのうちの特定のバイトを特定信号とするものである。例えば、特定のバイトは、全ビット「1」を立てておくようにして、そのバイト全体が特定信号であるとすることもできる。このときには、一部のビットであっても補助制御装置で受信できなかった場合には、
不正行為があったとして扱うこととなる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、主制御装置と補助制御装置との間で、主制御装置から補助制御装置に対してのみ通信可能となっている制御装置を用いた遊技機であって、
主制御装置から補助制御装置には、常に通信を行っている状態とし、
常に行っている通信中の1バイトの中の特定のビットあるいは複数のバイトの中の特定のビットを特定信号とし、その他のビットの一部または全部を通信すべきデータの格納領域にするか、あるいは複数のバイトの中の特定のバイトを特定信号としその他のバイトの一部または全部を通信すべきデータの格納領域にすることとし、補助制御装置では通信すべきデータの格納領域にある通信データにもとづいて制御を行うと共に、補助制御装置が前記特定信号を受信しないときには、補助制御装置が、
不正行為があったと判断するように形成したことを特徴とする。
【0018】
ここで、「1バイトの中の特定のビットを特定信号とし、その他のビットの一部または全部を通信すべきデータの格納領域にする」とは、特定信号を1ビットとすると、1バイト中に7ビットが残る。この残った7ビットをデータの格領域にしようとするものである。このとき、7ビットの全てをデータの収納領域とすることも可能であるが、例えば、最初のビットを特定信号とし、2番目のビットをデータの有無に関するビットとし、データがある場合には残りの6ビットを使用することも可能である。
このときには、最初のビットが特定信号として「1」が立っており、2番目のビットに「1」が立っていればこのバイトに補助制御装置で使用すべきデータが入っているとして補助制御装置では残りのデータを読むこととなる。
【0019】
一方、最初のビットが特定信号として「1」が立っており、2番目のビットに「0」が立っていれば、この信号は単に特定信号を送信するだけの信号であり、補助制御装置で使用するデータに関してはカラ信号であるとして補助制御装置が認識することができる。このようにすると、補助制御装置で全てのデータを読む必要がなくなってくる。
なお、このような手段をとったとしても、補助制御装置で使用する処理データとして1バイトのデータということはあり得ないので、補助制御装置で制御に使用するデータを送信する場合には、最初のビットが特定信号として「1」が立っており、2番目のビットに「1」が立っているバイトが、複数個連続して送信されることによって、副制御装置での制御が可能となる。
【0020】
この点は、「複数のバイトの中の特定のビットを特定信号とし、その他のビットの一部または全部を通信すべきデータの格納領域にする」にあっても、その他のビットの全部を補助制御装置で使用するデータとすることもできるし、その他のビットの一部に、カラデータなのかあるいは補助制御装置で使用するデータが含まれているのかということを示すビットを設けて用いることもできる。
また、「複数のバイトの中の特定のバイトを特定信号としその他のバイトの一部または全部を通信すべきデータの格納領域にする」にあっても、その他のバイトの全部を補助制御装置で使用するデータとすることもできるし、その他のバイトの一部のビットに、カラデータなのかあるいは補助制御装置で使用するデータが含まれているのかということを示すビットを設けて用いることもできる。