(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電話中に、サーバから受信して記憶している複数のコンテントと表示スタイルを定めたスタイルシートとを含みなるコンテンツに関して、電話相手のIP電話装置に対して少なくとも前記スタイルシートに基づいて自装置で表示する表示状態を維持するように生成処理した表示スタイルを定めた情報を送付する手段と、
電話相手のIP電話装置から受信した電話相手の表示状態を再現するように生成されている表示スタイルを定めた情報に従った表示スタイルで指定されたコンテンツを再生する手段と、
を備えるコンテンツを再生する複数のIP電話装置を備え、
前記IP電話装置相互のIPネットワークを介した電話中に、
一方のIP電話装置は、サーバから取得したスタイルシートを含むコンテンツを再生処理すると共に、該コンテンツを電話相手のIP電話装置で再現するための表示スタイルを定めた情報を少なくとも送付し、
電話相手である他方のIP電話装置は、前記コンテンツを再現するにあたり、送られてきた前記表示スタイルを定めた情報に従って前記コンテンツを再生処理する
ことを特徴とするIP電話システム。
前記一方のIP電話装置は、コンテンツに係る操作について、該操作と同様に成るように操作指示情報を生成して、前記コンテンツを再現しているIP電話装置に対して都度送信して、前記コンテンツに係る動作の同期を図ることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のIP電話システム。
コンテンツを送信する側の前記一方のIP電話装置は、個々の電話相手のロケーションを識別して、前記サーバから受信して記憶した一部ないし全部のコンテントを直接的に送信するか 若しくは URIを通知して前記サーバから取得させるかを判別し、電話相手のIP電話装置でコンテンツの一部または全部を前記サーバから取得させることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載のIP電話システム。
個々の電話相手のロケーションを識別して、前記サーバから受信して記憶した一部ないし全部のコンテントを直接的に送信するか 若しくは URIを通知して前記サーバから取得させるかを判別し、電話相手のIP電話装置でコンテンツの一部または全部を前記サーバから取得させることを特徴とする請求項6又は7に記載のIP電話装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、実施の一形態のIP電話システムを示す概略図である。
図1に図示するように、IP電話システムは、複数台のIP電話装置100〜300を含み構成される。IP電話装置100〜300は、IPネットワークを介してIP電話装置間で通話できるように設定されている。
【0019】
IP電話装置間での通話方法についてはどのような方式でもよく、直接的に呼を設定してもよいし、SIPを用いてセッションを設定するようにしてもよいし、他の方式でもよい。また、グループ通話を行える方式が好ましい。以下の説明では、呼の設定や音声通信について説明は省略する。
【0020】
IP電話装置100〜300は、IP電話をかける電話手段と、保存したコンテンツを再生する再生手段と、そのコンテンツを電話相手に対して送付する送信手段と、電話相手から送られてきたコンテンツを保存する保存手段と、送られてきたコンテンツを再生手段に再生させる手段とを含み成る。コンテンツを例示すれば、Webサーバ400から得られる画像や音楽、Webページなどで、個々のIP電話装置の表示部やスピーカなどで再生するものであり、ファイル形式や出力形式を問わなくてよい。
IP電話装置100〜300は、上記各手段を用いて、IPネットワークを介した電話中に、Webサーバ400から受信して記憶したコンテンツを再生すると共に そのコンテンツを電話相手のIP電話装置に対して送付するか、若しくは、電話相手からコンテンツを受け付け記憶して そのコンテンツを再生することを行なう。このようにして、電話相手との間でコンテンツの再生を同期させる。すなわち、IP電話装置間でコンテンツの再生を同期させる際に、特定のIP電話装置でサーバから取得したコンテンツを、再生と共に直接的に電話先のIP電話装置に対して送り、受け手側となったIP電話装置がそれを即座に再生する。
【0021】
なお、使用者の操作を要するコンテンツの再生については、その再生操作と共にコンテンツを通話中の相手IP電話装置に送付することとしてもよいし、再生指示を待たずに通話中の相手IP電話装置に送付しておき 再生指示を受けたことを 操作指示情報として送付通知するようにしてもよい。
【0022】
Webサーバ400は、一般的なサーバであり、IP電話装置に対してコンテンツを提供する。提供するコンテンツとしては、Webページや、動画ファイル、音楽ファイルなどが挙げられる。なお、Webサーバ400は、内部サーバでも外部サーバ(インタネットサーバ)でもよく、どの様な場所(ロケーション)にあってもよい。
【0023】
交換機500は、内線や外線の間で呼の取次ぎを行なう。また、交換機500は、必要に応じて個々のIP電話装置や周辺機器のIPアドレスの管理や問合せに対する応答などを行なうと共に、グループ通話や、転送電話、留守番電話サービス等の各種機能を提供する。
【0024】
上記IP電話システムにおいて、IP電話において再生するコンテンツを複数台で共有して再現する。以下ではその動作を説明する。
【0025】
図2は、IP電話システムの動作を説明するシーケンス図である。
図2に示す様に、IP電話装置100、200間において通話を行なう。またその際に、IP電話装置100がWebサーバ400から取得したコンテンツを、IP電話装置100とIP電話装置200との間で共有して再現する。
【0026】
IP電話装置100は、IP電話装置200との間でIPネットワークを介した呼の設定を行なう(ステップS1)。例えば、SIPメソッドを用いて装置間でセッションを確立すればよい。また、必要に応じて各IP電話装置が交換機500やSIPサーバ等とIPアドレス等の必要な情報を交換すればよい。
【0027】
次に、IP電話装置100とIP電話装置200との間で、通話中にコンテンツを共有して再現することを設定するイベント通知を交換して同期設定を行なう(ステップS2)。この処理は、例えば、一方のIP電話装置から、予め機能ボタンに割当てられたコンテンツ同期設定を使用者によって操作されることによって始めてもよいし、呼の設定と同時的に行なうようにしてもよい。また、音響識別部を設けて 入力された所定のDTMF信号列を識別させて送信側受信側がそれぞれ設定処理を行なってもよい。このネゴシエーション処理によって、相互のIP電話装置がコンテンツの授受と同期を行なうことを識別する。
【0028】
次に、IP電話装置100は、再生するコンテンツを、Webサーバ400から取得して記憶保持する(ステップS3)。この処理は、WebページであればGetコマンドなどを使用すればよく、一般的なコマンドを用いて行なえばよい。
【0029】
次に、IP電話装置100は、取得したコンテンツを再生すると共に、電話相手となっているIP電話装置200に対してそのコンテンツを送付する(ステップS4)。
【0030】
次に、IP電話装置200は、送られてきたコンテンツを再生する(ステップS5)。この際、コンテンツが送られてきたことに対するレスポンスをIP電話装置100に送ることが望ましい。
【0031】
またこの際に、IP電話装置100およびIP電話装置200は、コンテンツの再生に関して同期性を高める処理を行なってもよい。同期性の向上には、IP電話装置100およびIP電話装置200での再生開始タイミングを調整する。
【0032】
この再生開始タイミングの調整は、IP電話装置100でのコンテンツの再生開始タイミングを、コンテンツを相手IP電話装置200に送信して その受信開始や受信完了、開始から完了までの中間の特定点などを示す何れか又は複数のレスポンスを受け取ったタイミングで調整する処理を行うこととすればよい。また、コンテンツの種類や転送量、通信速度などに対応させて、待ち時間を調整することとしてもよい。すなわち、送信側IP電話装置において、受信側での再生開始タイミングを計れる信号をレスポンスとして受け取り、その信号に基づいて再生開始を計り、同期を図る。このようにすれば、送信したコンテンツの相手IP電話装置での再生開始タイミングと、送信側IP電話装置での再生開始タイミングとの時間差を調整して所望のように再現できる。
【0033】
また、コンテンツを送付する側のIP電話装置100は、使用者から受けたコンテンツに係る操作について、その操作と同様に表現されるように操作指示情報を生成して通話中のIP電話装置200に対して送信するようにしてもよい。
【0034】
同様に、コンテンツ
の送信側IP電話装置100は、コンテンツに係る操作を受けてサーバとの間で適宜通信が発生するような際に、相手側でもその操作と同様に成るように、すなわち操作が反映されるように、コンテンツの送信や操作指示情報を通話中のIP電話装置200に対して送信するようにしてもよい。
【0035】
また、通話相手側であるIP電話装置200が送信側IP電話装置100で再生しているコンテンツを操作できるように、IP電話装置200で生成された操作指示情報をIP電話装置100が受け入れるようにしてもよい。
【0036】
このような処理を行えば、例えばスクリプトを含むWebコンテンツを参照する際などでも、通話相手のIP電話装置の画面上でも同様にリアルタイム的に情報を更新できる。これによって、例えばタッチパネルを採用したIP電話装置での使用者の操作により変化するWebページの変化などにも追従することができるようになる。
【0037】
また、コンテンツの送信側IP電話装置100は、再生に関する環境情報として、自装置の性能や解像度、ソフトウェアバージョンなどに関する情報を、コンテンツと共に通知することとして、その情報に基づきコンテンツの受信側IP電話装置200が受け取ったコンテンツを調整して再生するようにしてもよい。この処理を設けることによって、より相手装置と同様にコンテンツを再現できるようになる。すなわち、再現性を高められる。
【0038】
上記、ステップS3〜S5の処理を順次繰り返すことによって、電話相手との間でコンテンツの再生を同期させる。すなわち、IP電話装置でサーバから取得したコンテンツデータに基づく画面や音響などを、電話中のIP電話装置相互で良好に共有できる。また、グループ通話でも同様にコンテンツの再生を共有同期できる。
【0039】
この方式によれば多くの有益な効果を得られる。
例示すれば、コンテンツの取得元となるサーバの負荷を低減できる。例えば、構内IP電話システムに設けられたLAN上のHDDサーバのように相対的に多くのリクエストを処理できないサーバなどでより顕著になる。また、取得元となるサーバから得られるコンテンツを確実に同一とできる。
このため、例えば、表示画面や使用方法などでわからないことがあっても、電話問い合せと共に、問い合わされた側でもその問い合わせ内容をコンテンツを確認しながら認識できる。また、説明する側がコンテンツを選び提供することもできる。この例であれば、説明に対する時間の短縮や精度の向上が図れる。
【0040】
次に、実施例を用いて実施の形態を説明する。
本実施例では、構内LANに接続された2台のIP電話装置とWebサーバの構成を用いて説明する。また、コンテンツとしてWebページをIP電話装置間で発呼側に同期させて個々に表示する。
【0041】
図3は、IP電話装置の構成例を示す機能ブロック図である。
IP電話装置は、ハンドセットや表示画面、テンキー、スピーカ、各種制御ボタン等を有して全体動作を管理する制御部、記憶部としてのROMおよびRAMを含み成る。表示画面にはタッチパネルを採用する。また、IP電話装置には、
図3に示すように、装置全体を制御すると共にテンキーからの入力を検出してIP電話をかける電話手段として電話機能部110、コンテンツを再生する再生手段としてブラウザ120、記憶部にサーバや通話相手から取得したコンテンツを保持管理するコンテンツ一時保存部130を設ける。加えて、電話相手に再生させるコンテンツを相手に送付する送信手段としてPostリクエスト送信部140、電話相手から送られてきたコンテンツを再生させる手段としてPostリクエスト処理部150とを設ける。
【0042】
電話機能部110は、IP電話装置の電話機能を統括的に管理する。また、コンテンツの共有に係る各部を連係させる制御を受け持つ。
【0043】
ブラウザ120は、ユーザの操作によってWebサーバにWebページデータの取得リクエストを送信すると共に、Webサーバからそのレスポンスを受信する。レスポンスには、Webページデータが含まれており、そのデータを用いて画面を形成して表示部に表示する。
【0044】
コンテンツ一時保存部130は、記憶部の共有機能や、サーバ機能によって実現すればよい。コンテンツ一時保存部130は、Webサーバや相手装置から取得したコンテンツを一時保存し、Postリクエスト送信部140やPostリクエスト処理部150と協働して表示を同期させる。
【0045】
Postリクエスト送信部140は、コンテンツ一時保存部130からの要求に対してPostリクエストを通話中の相手IP電話装置(Postリクエスト処理部150)に送信する。
【0046】
相手IP電話装置では、受信したPostリクエストへの応答
し、Postリクエストに含まれる実データ(Webページデータ)を取得してコンテンツ一時保存部130に記憶すると共に、ブラウザ120を用いて画面を表示する。
【0047】
次に、
図2のフローチャートに示すステップS3からS5の処理動作の上記構成における動作について詳細に説明する。
【0048】
IP電話装置の電話機能部110相互は、発呼者のテンキーへの入力や機能ボタンへの入力、タッチパネルへの入力などを受けて、呼の設定や、コンテンツの同期処理を行うことのネゴシエーションを完了させる。
【0049】
IP電話装置のブラウザ120は、経時変化やユーザ操作などに基づき、表示すべき画面遷移を行うため、Webサーバに所要のリクエストを送信する。このリクエストに応答として、リクエストを受信したWebサーバはリクエストに応じたコンテンツ(Webページデータ)を返信する(
図2のステップS3)。
【0050】
レスポンスを受信したブラウザ120は、受信したコンテンツを一時保存するため、コンテンツ一時保存部130にコンテンツを保管させると共に、受信したWebページを表示する。同時的に、Postリクエスト送信部140は、受信したWebページデータをPOSTリクエストに載せて、通話相手のIP電話装置に対して送信する(ステップS4)。なお、ブラウザ以外がコンテンツ一時保存部130に保存する処理を行うように構成してもよい。また、Webページのキャッシュデータを利用してもよい。
【0051】
受信側IP電話装置では、受信したPOSTリクエストに含まれているWebページデータを取得する。その後、コンテンツ一時保存部130に保存されたWebページデータを、ブラウザ120によって、画面上に表示する(ステップS5)。
【0052】
このように処理動作をさせることによって、IP電話装置で受信したWebページを電話中のIP電話装置へ送信するため、IP電話装置間でリアルタイム的に同じ表示画面を表示できるようになる。
【0053】
次に、別の実施例を用いて実施の形態を説明する。
本実施例では、
図1に示した構内LANに接続された2台のIP電話装置100、200とインターネットに接続されたIP電話装置300、Webサーバ400との構成を用いて説明する。また、コンテンツとしてWebページを3台のIP電話装置間で三者間通話をしつつ表示画面を同期させる。
【0054】
図4は、IP電話装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図3に示したIP電話装置の構成に加え、タイミング調整部160、操作通知部170、および通信相手ロケーション判定部180が追加されている。他の構成は先の実施例と同様に働く。
【0055】
タイミング調整部160は、コンテンツの送信側および受信側でのコンテンツを使用者に提示するタイミングを調整する。この調整は、通話中の受信側IP電話装置の全てが所定の遅延時間を守りつつ同時的に再生できるように、コンテンツの受信側となるIP電話装置からそれぞれ、コンテンツの受信開始や受信完了などを用いて、受信側での再生開始タイミングを送信側IP電話装置で計れるように、信号をやり取りする。タイミング調整部160は、応答を受けるまでブラウザでの再生を待機させる。
【0056】
操作通知部170は、コンテンツの送信側のIP電話装置で行われる操作を、操作指示情報として、受信側のIP電話装置に通知する。また、受信側のIP電話装置では、受けた操作指示情報に基づき、再生中のコンテンツに操作を加える。なお、操作指示情報に、コンテンツの取得要求を含ませることとしてもよい。この際、操作に伴い新たに必要となるコンテンツについては、POSTリクエスト送信部140およびPOSTリクエスト受信部150との間で新たに授受してもよいし、コンテンツの種類によってはWebサーバから直接取得させるようにしてもよい。
【0057】
通信相手ロケーション判定部180は、通話中の相手IP電話装置のロケーションを識別して、所定の通信環境内(例えばLAN内、専用線内、有線環境内)であればコンテンツを直接的にPOSTコマンドを使用して送り、その環境外であればURIを通知することによって、相手IP電話端末にコンテンツを取得させる。また、この両処理を、同時的に 再生するコンテンツ毎に識別させるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、受信側となるIP電話装置において、個々の画像ファイルや、1つの動画ファイル、音楽ファイルのように、何れのIP電話装置でも同様に再生されるファイルをインターネット上から取得する一方、スタイルシートのように、機器毎に変化する恐れがあるファイルについて直接的に送ることが可能となり、そのファイルの特性に合わせて受けて側にコンテンツを取得させる方法を選択できる。また、受信側となるIP電話装置の操作者によって、何れの系統又は複合してコンテンツを取得するかを通話中に切り替えたり選択できるようにしてもよい。この選択は、一般的なコマンドやメソッドに乗せて送信側であるIP電話装置に通知すればよい。通話中に切り替えられるようにすれば使用者の意図に沿って 同期性や再現性を高められる。
【0058】
次に、
図2のフローチャートに示すステップS3からS5の処理動作の上記構成における動作について
図5を用いつつ詳細に説明する。
【0059】
3台のIP電話装置の電話機能部110相互は、呼の設定や、コンテンツの同期処理に関するネゴシエーションを完了させる。この際に、各IP電話装置の接続形態や性能などを確認してもよい。
【0060】
発呼元であるIP電話装置100のブラウザ120は、経時変化やユーザ操作などに基づき、表示すべき画面遷移を行うため、Webサーバに所要のリクエストを送信する。このリクエストに応答として、リクエストを受信したWebサーバ400は、リクエストに応じたコンテンツ(Webページデータ)を返信する(ステップS3)。
【0061】
レスポンスを受信したIP電話装置100のブラウザ120は、コンテンツ一時保存部130にコンテンツを保管させる。この際に、IP電話装置100は、タイミング調整部160、操作通知部170、通信相手ロケーション判定部180を用いて、コンテンツの再生を待機しつつ、
図5に例示するように、相手毎に、受信したコンテンツの種類および相手の位置に応じて、個々のコンテントデータをPOSTコマンドで送るかURIを通知して相手装置側で取得させるかを判別し、その判別結果に基づいてPOSTリクエストで送るコンテンツと操作指示情報と自装置での再生に関する環境情報などを適宜含ませて受信側に送る(ステップS4)。この際に、インターネットに接続されているIP電話装置300とLANに接続されているIP電話装置200とで、ファイルの取得処理方法を変えられる。また、表示スタイルのように機器毎に変化するおそれがあるデータを必要に応じてファイル変換などして直接送ることで、機器毎の表示差を無くすことに努め、再現性の向上を図る。
【0062】
受信側のIP電話装置200、300は、送られてきたPOSTリクエストに応じてレスポンスを行うと共に、送られてきた情報に基づき動作してコンテンツを再生する(ステップS5)。
【0063】
POSTリクエストを送信したIP電話装置100は、送信したPOSTリクエストに対するレスポンスが揃うことを待ってコンテンツの再生を開始する(ステップS4)。
【0064】
その後、使用者がコンテンツに操作を行なった場合などに順次上記処理動作を繰り返すことによって、3台のIP電話装置間でリアルタイム的に同じ表示画面を表示できるようになる。なお、通話中の別人または全員が同期中のコンテンツを操作できるように、コンテンツの操作する主体(操作権)を機能ボタンや所定のDTMF信号列などで適宜移せる手段を電話機能部に設けてもよい。
【0065】
このように、本IP電話機システムによれば、特定のIP電話装置で表示しているブラウザの画面と同じ画面を通話している全てのIP電話装置に表示でき、加えて、画面遷移に合わせて自動的に同期すると共に元となる表示と同様に他のIP電話装置で表示できる。
【0066】
このように、通話相手が画面遷移を含めてどのような画面を見ているかが自分のIP電話装置で確認できる。そのため、例えば、ホテル等の接客業のケースで質問に対する回答を行なう際になどに、お客様と同じ画面を見ながら接客することが可能となり、認識のずれや勘違いの発生を低減して適切な指示やアドバイスが行えるようになる。
【0067】
なお、上記説明では、IP電話装置について説明したが、本発明はパソコンによるIP電話端末にも適用できる。すなわち、IP電話装置の代わりに、コンテンツを表示可能なIP電話アプリケーションを用いた場合でも同様の効果が得られる。この場合、IP電話アプリケーションを動作させるパソコン上に、コンテンツ一時保管部130やPOSTリクエスト送信部140、POSTリクエスト処理部150等を構築して、IP電話端末として動作させればよい。このパソコンによる形態は、コールセンタなどの顧客に対する説明を行なう使用形態に好適である。
【0068】
また、コンテンツを送る側のIP電話端末装置(パソコンによるIP電話端末およびIP電話装置)から、XMLデータをHTMLデータに変換して送ることとしてもよい。
【0069】
上記パソコンによる形態を別の表現で説明すれば、IP電話端末として動作させる情報処理装置(IP電話端末装置)を、RAMに展開されたIP電話アプリケーションに基づき、コンテンツ一時保管部、POSTリクエスト送信部、POSTリクエスト処理部、タイミング調整部、操作通知部、通信相手ロケーション判定部として制御部を動作させ、ブラウザや既存の構成と協働させてIP電話機能を実現すればよい。
【0070】
また、プログラムは、記憶媒体に記録されて頒布されても良い。当該記録媒体に記録されたプログラムは、有線、無線、又は記録媒体そのものを介して、メモリに読込まれ、制御部等を動作させる。尚、記録媒体を例示すれば、オプティカルディスクや磁気ディスク、半導体メモリ装置、ハードディスクなどが挙げられる。
【0071】
また、IPネットワークは、どのような形態を用いてもよく、有線、無線、それらが混合したネットワークでもよい。
【0072】
以上説明したように、本発明を適用したIP電話装置は、電話相手との間で再生するコンテンツを複数台で同期できる。
【0073】
また、IP電話システムにおいてコンテンツを同期する際の同期速度の向上や、再現性の向上、サーバや通信環境への付加低減を行える。
【0074】
すなわち、本発明によれば、優れたIP電話において再生するコンテンツを複数台で共有して良好に再現できるIP電話システム、IP電話装置、およびコンテンツ同期方法を提供できる。
【0075】
また、本発明の具体的な構成は前述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。
【0076】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうる。尚、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
電話中にサーバから受信して記憶したコンテンツを電話相手のIP電話装置に対して送付する手段と、
電話相手のIP電話装置から受信したコンテンツを記憶して再生する手段と、
を備えるコンテンツを再生する複数のIP電話装置を備え、
前記IP電話装置相互のIPネットワークを介した電話中に、
一方のIP電話装置は、サーバから受信して記憶したコンテンツを再生すると共に、該記憶したコンテンツを電話相手のIP電話装置に対して送付し、
電話相手である他方のIP電話装置は、前記コンテンツを受信して記憶すると共に、該記憶したコンテンツを再生する
ことを特徴とするIP電話システム。
【0077】
[付記2]
前記電話は、グループ通話であり、
前記一方のIP電話装置から、電話相手である全てのIP電話装置で再生するコンテンツを取得できるようにコンテンツの一部又は全部を送付し、
該全てのIP電話装置は送られてきたコンテンツを用いて、前記一方のIP電話装置での再生を再現する
ことを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0078】
[付記3]
電話相手のIP電話装置に対してコンテンツを送付する側のIP電話装置での再生は、コンテンツを受信する側のIP電話装置からの該コンテンツの再生開始タイミングを計れる信号を受けた後に、その信号に基づいて行なうことを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0079】
[付記4]
一方のIP電話装置は、コンテンツに係る操作について、該操作と同様に成るように操作指示情報を生成して通話中のIP電話装置に対して送信して、同期を図ることを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0080】
[付記5]
コンテンツを送信する側のIP電話装置は、個々の電話相手のロケーションを識別して、前記サーバから受信して記憶したコンテンツを送信するか 若しくは URIを通知するかを判別し、電話相手のIP電話装置でコンテンツの一部または全部を前記サーバから取得させることを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0081】
[付記6]
コンテンツを送信する側のIP電話装置は、自装置でのコンテンツの再生に関する環境情報を、コンテンツと共に通知し、
コンテンツを受信する側のIP電話装置は、通知された環境情報に基づいて、コンテンツを調整して再現する
ことを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0082】
[付記7]
コンテンツを授受するIP電話装置間で、コンテンツへの操作権を受渡しすることを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0083】
[付記8]
コンテンツを授受するIP電話装置は、所定のDTMF信号を識別して、コンテンツの同期設定を行なうことを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0084】
[付記9]
コンテンツを授受するIP電話装置は、所定のDTMF信号を識別して、コンテンツの操作権の受渡しを行なうことを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0085】
[付記10]
コンテンツを受信する側のIP電話装置は、自装置でのコンテンツの再生に関する環境情報を、コンテンツを送信する側のIP電話装置に通知し、
コンテンツを送信する側のIP電話装置は、通知された環境情報に基づいて、コンテンツを調整して送信する
ことを特徴とする上記付記記載のIP電話システム。
【0086】
[付記11]
電話中に、Webサーバから受信して記憶したXMLデータを、電話相手のIP電話装置に対してPostメソッドを用いて、自端末での該XMLデータを表示再生する環境情報と共に送付するPostリクエスト送信部と、
電話中に、通話相手から、Postメソッドを用いて送られてきたXMLデータを、通話相手から送られてきた環境情報に基づいて、通話相手のIP電話装置での表示再生に合わせるPostリクエスト処理部と、
XMLデータを表示再生するブラウザと、
を備えるXMLデータを再生するブラウザを搭載した複数のIP電話装置を備え、
前記IP電話装置相互のIPネットワークを介した電話中に、
一方のIP電話装置が、前記Webサーバから取得したXMLデータを表示再生する際に、前記ブラウザが該IP電話装置の画面上に表示させる内容が判る情報を環境情報として再生するXMLデータと共に相手のIP電話装置にPostリクエスト送信部から送信し、
他方のIP電話装置が、受信したPostリクエストに含まれていたXMLデータと環境情報を取得して、Postリクエスト受信部を介することにより相手IP電話装置での再生状態と同様に自端末のブラウザで該XMLデータを再現して表示再生する
ことを特徴とするIP電話システム。
【0087】
[付記12]
IP電話をかける電話手段と、
保存したコンテンツを再生する再生手段と、
保存したコンテンツを電話相手に対して送付する送信手段と、
電話相手から送られてきたコンテンツを保存する保存手段と、
を備え、
IPネットワークを介した電話中に、
サーバから受信して記憶したコンテンツを再生すると共に、該記憶したコンテンツを電話相手のIP電話装置に対して送付するか、若しくは、電話相手からコンテンツを受信して記憶すると共に、該記憶したコンテンツを再生する ことにより電話相手との間でコンテンツの再生を同期させる
ことを特徴とするIP電話装置。
【0088】
[付記13]
前記電話は、グループ通話であり、
発呼側である際に、電話相手である全てのIP電話装置で再生するコンテンツを取得できるようにコンテンツの一部又は全部を送付し、
該全てのIP電話装置が送られてきたコンテンツを用いて、自装置での再生を再現可能とする
ことを特徴とする上記付記記載のIP電話装置。
【0089】
[付記14]
電話中に行なう同期させるコンテンツの再生は、コンテンツを受信する側のIP電話装置からの該コンテンツの再生開始タイミングを計れる信号を受けた後に、その信号に基づいて行なうことを特徴とする上記付記記載のIP電話装置。
【0090】
[付記15]
コンテンツに係る操作について、該操作と同様に成るように操作指示情報を生成して通話中のIP電話装置に対して送信して、同期を図ることを特徴とする上記付記記載のIP電話装置。
【0091】
[付記16]
個々の電話相手のロケーションを識別して、前記サーバから受信して記憶したコンテンツを送信するか 若しくは URIを通知するかを判別し、電話相手のIP電話装置でコンテンツの一部または全部を前記サーバから取得させることを特徴とする上記付記記載のIP電話装置。
【0092】
[付記17]
自装置でのコンテンツの再生に関する環境情報を、コンテンツと共にコンテンツを受信する側のIP電話装置に通知し、
コンテンツを受信する側のIP電話装置が通知された環境情報に基づいて、コンテンツを調整して再現可能とする
ことを特徴とする上記付記記載のIP電話装置。
【0093】
[付記18]
電話中に、Webサーバから受信して記憶したXMLデータを、電話相手のIP電話装置に対してPostメソッドを用いて、自端末での該XMLデータを表示再生する環境情報と共に送付するPostリクエスト送信部と、
電話中に、通話相手から、Postメソッドを用いて送られてきたXMLデータを、通話相手から送られてきた環境情報に基づいて、通話相手のIP電話装置での表示再生に合わせるPostリクエスト処理部と、
XMLデータを表示再生するブラウザと、
を備え、
IPネットワークを介した電話中に、
発呼元のIP電話装置となった際に、前記Webサーバから取得したXMLデータを表示再生する際に、前記ブラウザが該IP電話装置の画面上に表示させる内容が判る情報を環境情報として再生するXMLデータと共に相手のIP電話装置にPostリクエスト送信部から送信し、
受呼するIP電話装置となった際に、受信したPostリクエストに含まれていたXMLデータと環境情報を取得して、Postリクエスト受信部を介することにより発呼元のIP電話装置での再生状態と同様に自端末のブラウザで該XMLデータを再現して表示再生する
ことを特徴とするIP電話装置。
【0094】
[付記19]
情報処理装置の制御部を、
IPネットワークを介したIP電話をかける電話手段と、
IP電話端末相互の電話中にサーバから受信して記憶したコンテンツを電話相手のIP電話端末に対して送付する手段と、
電話相手のIP電話端末から受信したコンテンツを記憶して再生する手段として動作させ、
サーバから受信して記憶した再生するコンテンツを電話相手のIP電話端末に対して送付すると共に、電話相手からコンテンツを受信してそのコンテンツを電話相手のIP電話端末での再生に合わせて再現する
ことを特徴とするIP電話プログラム。
【0095】
[付記20]
電話相手のIP電話端末装置に対してIPネットワークを介して電話を掛ける工程と、
電話中に、サーバからコンテンツを受信して記憶再生すると共に、前記電話相手のIP電話装置に対して該コンテンツを送付する工程、若しくは 電話中に、電話相手のIP電話端末装置からコンテンツを受信して記憶再生する工程と
を行い、電話相手との間でコンテンツの再生を同期させる
ことを特徴とするIP電話システムにおけるコンテンツ同期方法。