(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な表示装置の特性として、同じ使用時間であっても高室温や高輝度の環境では劣化が早く進む。そこで、
図4に示すような従来の表示装置のタイマー回路には、最も劣化が早い条件にあわせたタイマー基準値が設定される。このため、室温や輝度が低い通常使用時では、校正が必要な程度まで表示特性が劣化するまでにはタイマー基準値よりも長い時間がかかる。すなわち、通常使用時では、校正頻度を削減する余地がある。
また、校正は煩雑であるため、利用者からは、実行頻度を極力減らしたいという要望がある。
【0007】
表示の信頼性を維持しつつ校正の実行頻度を減らすためには、従来のタイマー方式より精度よく表示特性の劣化量を検出する必要がある。この表示特性の劣化量を検出する際に用いる劣化検出値は、異なる表示輝度や室温で使用されている表示装置に対しても、同じ劣化状態であれば同じ値となることが望ましい。これにより、表示装置は、従来のタイマー方式のように、劣化検出値が一定値になった場合に、校正が必要と判断することができる。
【0008】
しかし、前述のグラフィックデザイン用途向けや医療用途向けの表示装置の多くでは、輝度安定化及び温度ドリフト補正が行われており、温度や輝度が変わっても性能が維持される。このように、輝度安定化及び温度ドリフト補正を行なっている場合、校正頻度を減らすために必要な表示特性劣化の検出が困難であるという課題がある。
【0009】
例えば、特許文献1では検出した輝度を劣化値としているが、輝度安定化中は輝度の変化は発生しない。一方、輝度安定化を行わない場合、室温や表示装置のウォームアップ状態や利用者の設定により輝度は大きく変動する。すなわち、輝度値は劣化指標として不適である。
また、特許文献2が表示特性劣化検出に利用するBL駆動値は、輝度安定化状態でも経年劣化によって変化するものの、検出値は室温や利用者が設定した輝度に大きく影響される。すなわちBL駆動値は劣化指標として不適である。
【0010】
上記のように、表示輝度やBL駆動値の変化は一般的な表示特性劣化指標であるが、輝度安定化及び温度ドリフト補正を行なっている場合は、表示特性劣化検出に利用することはできない。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、使用状況によらず校正が必要な表示特性の劣化を検出することができる劣化検出回路、表示装置、及び性能劣化検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[1] 本発明は、表示パネルと、前記表示パネルを照明する光源と、前記光源の発光量を制御する制御部とを有する表示装置の劣化検出回路であって、前記光源または前記表示パネルの発光量を検出する発光量検出部と、前記制御部が前記光源の発光量の制御に用いる駆動値を検出する駆動値検出部と、前記表示装置の内部温度または外気温を検出する温度検出部と、予め得られている光源の基準発光量及び温度と駆動値との関係に基づいて、前記温度検出部が検出した前記温度と、前記駆動値検出部が検出した前記駆動値とに対応した基準発光量を求める基準発光量取得部と、初期状態における前記温度及び前記駆動値に基づいて前記基準発光量取得部が求めた前記基準発光量と、前記発光量検出部が検出した前記初期状態における発光量との比から初期状態値を求めておき、さらに、現在の前記温度及び前記駆動値に基づいて前記基準発光量取得部が求めた前記基準発光量と、前記発光量検出部が検出した現在の発光量との比から現在状態値を求め、前記初期状態値と前記現在状態値とを比較して校正が必要と判断した場合に前記表示装置または前記光源の劣化を表示するよう指示する劣化検出部と、を備えることを特徴とする劣化検出回路である。
【0013】
[2] また、本発明は、表示パネルと、前記表示パネルを照明する光源と、前記光源の発光量を制御する制御部と、前記光源または前記表示パネルの発光量を検出する発光量検出部と、前記制御部が前記光源の発光量の制御に用いる駆動値を検出する駆動値検出部と、前記表示装置の内部温度または外気温を検出する温度検出部と、予め得られている光源の基準発光量及び温度と駆動値との関係に基づいて、前記温度検出部が検出した前記温度と、前記駆動値検出部が検出した前記駆動値とに対応した基準発光量を求める基準発光量取得部と、初期状態における前記温度及び前記駆動値に基づいて前記基準発光量取得部が求めた前記基準発光量と、前記発光量検出部が検出した前記初期状態における発光量との比から初期状態値を求めておき、さらに、現在の前記温度及び前記駆動値に基づいて前記基準発光量取得部が求めた前記基準発光量と、前記発光量検出部が検出した現在の発光量との比から現在状態値を求め、前記初期状態値と前記現在状態値とを比較して校正が必要と判断した場合に前記表示装置または前記光源の劣化を表示するよう指示する劣化検出部と、を備えることを特徴とする表示装置である。
【0014】
[3] また、本発明は、表示パネルと、前記表示パネルを照明する光源と、前記光源の発光量を制御する制御部とを有する表示装置の性能劣化検出方法であって、前記光源または前記表示パネルの発光量を検出する発光量検出過程と、前記制御部が前記光源の発光量の制御に用いる駆動値を検出する駆動値検出過程と、前記表示装置の内部温度または外気温を検出する温度検出過程と、予め得られている光源の基準発光量及び温度と駆動値との関係に基づいて、前記温度検出過程において検出された前記温度と、前記駆動値検出過程において検出された前記駆動値とに対応した基準発光量を求める基準発光量取得過程と、初期状態における前記温度及び前記駆動値に基づいて前記基準発光量取得過程において求められた前記基準発光量と、前記発光量検出過程において検出された前記初期状態における発光量との比から初期状態値を求めておき、さらに、現在の前記温度及び前記駆動値に基づいて前記基準発光量取得過程において求められた前記基準発光量と、前記発光量検出過程において検出された現在の発光量との比から現在状態値を求め、前記初期状態値と現在状態値とを比較して校正が必要と判断した場合に、前記表示装置または前記光源の劣化を表示するよう指示する劣化検出過程と、を有することを特徴とする性能劣化検出方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示装置の使用状況によらず、校正が必要な表示特性の劣化を検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置1は、目標輝度設定部11、駆動回路12、バックライト13(以下、「バックライト」を「BL」と記載する。)、劣化検出回路14、警告画面描画回路15、及び表示部16を備えて構成される。
【0019】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)やマイクロミラーデバイスなどの表示パネルである。BL13は、前記表示パネルを照明する光源である。目標輝度設定部11は、表示装置1に設けられたスイッチ等により入力されたBL13の目標輝度を駆動回路12に設定する。駆動回路12は、目標輝度設定部11により設定された目標輝度に対応したBL駆動値によって、BL13を駆動する。BL駆動値は、例えば、BL制御時の電圧、電流、PWM(Pulse Width Modulation)デューティーなど、BL輝度を変化させる制御値である。
【0020】
劣化検出回路14は、駆動値検出部21、温度検出部22、基準発光量取得部23、発光量検出部25、及び劣化検出部26を備えて構成される。
【0021】
駆動値検出部21は、駆動回路12がBL13を駆動するために使用しているBL駆動値を検出する。温度検出部22は、表示装置1の装置内部温度または外気温を検出する。
【0022】
基準発光量取得部23は、BL駆動値及び温度と、基準となる発光量との関係を示すデータを記憶する基準発光量記憶部24を備えている。本実施形態では、基準となる発光量として基準輝度を用いる。基準輝度は、輝度の劣化状態を判断するための基準となる輝度である。基準発光量取得部23は、基準発光量記憶部24に記憶されているデータに基づいて、駆動値検出部21が検出したBL駆動値と温度検出部22が検出した温度との組合せに対応した基準輝度を求める。
【0023】
発光量検出部25は、BL13の発光量として輝度を検出または推定する。また、発光量検出部25は、現在の輝度に基づいて輝度を一定にするように、駆動回路12に対して新たなBL駆動値を指示する輝度安定化制御を行う。
【0024】
劣化検出部26は、基準発光量取得部23が算出した基準輝度と、発光量検出部25が検出した輝度とを比較して表示特性の状態を表す状態値を算出する。劣化検出部26は、初期状態の状態値と、現在の状態値とを比較して校正が必要な劣化状態を検出した場合、警告画面描画回路15に性能劣化を通知する。劣化検出部26は、劣化状態の初期値を記憶する初期状態値記憶部27を備える。
【0025】
警告画面描画回路15は、劣化検出部26から性能劣化が通知されていない場合、パーソナルコンピュータやビデオなどから入力された映像信号の画面をそのまま表示部16に表示させる。劣化検出部26から性能劣化が通知された場合、警告画面描画回路15は、映像信号の画面に重ねるようにして表示部16に警告画面を表示させる。
【0026】
なお、目標輝度設定部11、駆動回路12、BL13、警告画面描画回路15、及び表示部16は、既存の一般的な技術により実現される。
【0027】
なお、本実施形態では、発光量検出部25で、表示画面の一部が隠れるなど美観が損なわれるのを防ぐため、表示パネル(表示部16)の側面や背面でBL12の輝度を検出する方法としている。しかし、表示パネル(表示部16)の表示画面上に設置した発光量検出部25によって、画面輝度を検出しても同等の効果が得られる。
また、本実施形態では、発光量として輝度を用いているが、輝度の代わりに、カラーセンサーのRGB(Red Green Blue)値や、照度センサー値を用いるなど、発光量の尺度は、発光量検出部25が有する発光量検出手段に応じて適宜選択できる。
【0028】
次に、表示装置1の動作について説明する。
表示装置1の製造者は、予め、表示装置1を用いてBL駆動値と温度とを変化させた際の輝度特性を測定しておく。これは、BL13はBL駆動値と温度に依存して輝度が大きく変化する特性があるためである。
【0029】
図2は、室温とBL駆動値の変化に対応する輝度特性を示す図である。同図は、BL駆動値としてPWMデューティーを用いた場合の例である。同図では、摂氏15度、25度、35度の室温別に、BL駆動値と、このBL駆動値によって駆動回路12がBL13を駆動したときの輝度である基準輝度との関係を示している。
【0030】
図3は、
図2に示す温度及びBL駆動値と、基準輝度との関係から生成した2次元ルックアップテーブル(以下、「2DLUT」と記載する。)を示す図である。同図に示すように、2DLUTは、温度(TEMP)及びBL駆動値(BL Level)の組と、基準輝度(Lumi)との対応を示すデータである。表示装置1の製造者は、
図2のように求めた輝度特性から、
図3に示す2DLUTを生成する。生成した2DLUTは、表示装置1の基準発光量記憶部24に記憶させておく。
【0031】
次に、工場生産時など校正直後の時点で、表示装置1の初期特性を記憶させる。この校正直後の時点を初期特性設定時と記載する。
まず、表示装置1の駆動値検出部21は、駆動回路12から初期特性設定時のBL駆動値を読み出して基準発光量取得部23に出力する。同時に、温度検出部22は、初期特性設定時の温度を読み取り、基準発光量取得部23に出力する。
【0032】
基準発光量取得部23は、受信した温度とBL駆動値とを検索条件とし、予め基準発光量記憶部24に記憶されている2DLUT(
図3)から基準輝度を読み出す。基準発光量取得部23は、読み出した基準輝度を劣化検出部26に出力する。
【0033】
劣化検出部26は、発光量検出部25からBL13の初期特性設定時の輝度を取得する。劣化検出部26は、基準発光量取得部23が初期特性設定時の温度と駆動値を用いて2DLUTから得た基準輝度と、発光量検出部25から受信した初期特性設定時の輝度との比を算出する。劣化検出部26は、この算出された比を初期状態値(InitStatus)として初期状態値記憶部27に書き込む。
【0034】
次に、表示装置1が出荷され、利用者により利用されている場合を想定した性能劣化検出手順を説明する。例えば、性能劣化検出手順は、所定の時間毎など定期的に実行される。
【0035】
まず、表示装置1の駆動値検出部21は、駆動回路12から現在のBL駆動値を読み出して基準発光量取得部23に出力する。同時に、温度検出部22は、現在の温度を読み取り、基準発光量取得部23に出力する。
【0036】
基準発光量取得部23は、受信した温度とBL駆動値とを検索条件とし、予め基準発光量記憶部24に記憶されている2DLUT(
図3)から基準輝度を読み出す。基準発光量取得部23は、読み出した基準輝度を劣化検出部26に出力する。
【0037】
劣化検出部26は、発光量検出部25にBL13の現在の輝度を取得する。劣化検出部26は、基準発光量取得部23が現在の温度とBL駆動値を用いて2DLUTから得た基準輝度と、発光量検出部25から受信した現在の輝度との比である現在状態値(CurrentStatus)を算出する。
【0038】
続いて、劣化検出部26は、この算出された現在状態値を、初期状態値記憶部27から読み出した初期状態値で除算し、式(1)のように性能維持率(PerformanceRatio)を算出する。
【0039】
性能維持率[%]=現在状態値/初期状態値 …(1)
【0040】
この性能維持率は、校正直後に100%となり、表示装置1の劣化が進むに従って低下する指標となる劣化検出値である。劣化検出部26は、算出された性能維持率が予め決められた許容限度(閾値)を下回った場合、校正が必要であると判断し、警告出力指示を警告画面描画回路15に出力する。警告画面描画回路15は、表示特性の性能劣化を通知し、校正が必要である旨を警告する警告画面を表示部16に表示させる。
【0041】
上述のように、表示装置1は、表示部16に警告画面を表示し、利用者に表示装置1の校正を促す。例えば、許容限度が90%であった場合、校正後におよそ1000〜2000時間使用すると、警告画面が表示される。
【0042】
上述した実施形態では、BL13の発光効率の変化に着目することにより、表示装置1の性能維持率を検出している。このことにより、表示装置1は、一定の性能劣化を検出した場合のみ、校正を促すことができる。よって、性能劣化が早い状態を想定した従来の表示装置と比較して、校正頻度を下げながらも、確実に性能を維持することができる。
【0043】
また、この際、本実施形態は、輝度安定化制御を行っていても性能維持率を検出できること、また性能維持率は室温や測定時の表示輝度が変化しても一定であることが特長である。例えば、校正直後は輝度設定に関係なく性能維持率100%となり、校正時とは異なる輝度であっても正しく性能維持率を検出できる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態は、液晶やマイクロミラーデバイスなどの表示パネル(表示部)と、表示パネルを照明する光源(BL)と、光源の発光量を制御する制御部(駆動回路)とを有する表示装置において、自表示装置の光源の発光量を制御するために制御部が用いる駆動値(BL駆動値)を駆動値検出部が検出し、温度検出部が自表示装置の内部温度または外気温を検出する。発光量検出部は、光源または表示パネルの発光量(輝度)を検出または推定する。基準発光量取得部は、駆動値検出部により検出された駆動値と、温度検出部により検出された温度とに対応した光源の基準発光量(基準輝度)を求める。劣化検出部は、初期状態における温度及び駆動値に基づいて基準発光量取得部が求めた基準発光量と、発光量検出部が検出した初期状態における発光量との比から初期状態値を算出して記憶しておく。さらに、劣化検出部は、現在の温度及び駆動値に基づいて基準発光量取得部が求めた基準発光量と、発光量検出部が検出した現在の発光量との比から現在状態値を算出し、記憶していた初期状態値と算出した現在状態値とを比較して校正が必要か否かを判断する。警告画面表示部は、この判断をもとに表示装置または光源の劣化を表示パネルに表示させる。これによって、表示装置は、利用者に表示特性の性能劣化を報告する。
【0045】
なお、上述した実施形態では、基準発光量取得部23は、基準輝度を求めるために
図3に示す2DLUTを使用しているが、所定の算出式により基準輝度を算出してもよい。この算出式は、2DLUTが示す特性に近似した多項式展開を用いて、温度及びBL駆動値から基準輝度を算出する式である。
【0046】
また、基準発光量取得部23が出力する基準輝度は、絶対輝度でもよく、何らかの基準とする輝度に対する比率や相対輝度でもよい。この場合、2DLUTは、温度及びBL駆動値の組と、相対輝度との対応を示すデータとする。あるいは、基準発光量取得部23は、2DLUTが示す特性に近似した多項式展開を用いて、温度及びBL駆動値から相対輝度を算出する。
なお、基準輝度は、温度変化時にも輝度変化が少ない駆動レベルとすることが望ましい。例えば、
図2において、点線で記載した丸の部分は、温度による輝度変化が少ない。そこで、この丸の部分が示すBL駆動値により駆動回路12を駆動したときのBL13の輝度を基準輝度とする。
【0047】
なお、相対輝度を用いる場合は、温度変化時にも輝度変化が少ない駆動レベルで正規化することが望ましい。例えば、
図2において、点線で記載した丸の部分は、温度による輝度変化が少ない。そこで、この丸の部分が示すBL駆動値により駆動回路12を駆動したときのBL13の輝度に対する相対輝度とする。
また、上述の実施形態では利用者に性能劣化を報告する形式としたが、逆に正常時に正常状態であることを報告する形式としてもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、基準発光量取得部23は、検出された温度及びBL駆動値に相当する基準輝度を求め、劣化検出部26は、この温度及びBL駆動値を検出した時点において検出されたBLの輝度と比較している。しかし逆に基準輝度を固定とし、この基準輝度時の温度とBL駆動値に相当するよう、検出された現在輝度を補正しても同等の効果が得られる。
【0049】
本実施形態の表示装置は、以下の特長を有する。
【0050】
(1)輝度安定化を行っているために輝度が一定である条件でも、表示装置の表示特性の劣化を検出できる。
(2)表示装置の実際の表示特性の劣化状態によって劣化状態値が変化する。つまり同じ使用時間でも、高輝度または高室温時には、劣化が早く進むため、劣化状態値が大きく変化する。
(3)検出時の室温や表示輝度に依存せず、校正が必要と判断するための劣化検出値(劣化状態値の閾値)が一定である。
(4)プロジェクタ、液晶ディスプレイなど多様な表示装置に適用できる。バックライトも超高圧水銀ランプ、W/RGB LED(Light Emitting Diode)、冷陰極管(CCFL)のいずれもが選択できる。発光量検出部25は、画面輝度を検出してもよいし、画面の横や背面でバックライト輝度を検出しても良い。発光量検出部25が検出する発光量は、輝度以外に、カラーセンサーのRGB値や照度値など、発光量を示す他の尺度でも代替できる。例えば、多色バックライトを持つ表示装置ではカラーセンサーのRGB値が適する。
【0051】
上記の特長により、従来のタイマー手法と同等の使い勝手を維持しつつ、性能の低下が遅い環境で表示装置が利用されている場合には、表示装置の校正頻度を削減することができる。
【0052】
本実施形態の表示装置は、高精度な色再現が必要な産業で利用される表示装置、例えばグラフィックデザイン用途向けディスプレイや、医療用途向けディスプレイなどに用いて好適である。
特に、医療用途の表示装置などでは、表示特性劣化の確実な検出が必要であるが、品質管理などの理由で管理者の確認無く(自動的に)表示特性を再校正することが許されないような状況で使用されている場合に有効である。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、
図1に示す劣化検出回路14は、専用のハードウェア(例えば、ワイヤードロジック等)により実現される。また、劣化検出回路14の一部がメモリおよびCPU(中央処理装置)により構成され、各部の機能を実現するためのプログラムをメモリからロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0054】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。