特許第5721206号(P5721206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721206
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】パチンコ遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】1
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2010-77283(P2010-77283)
(22)【出願日】2010年3月30日
(65)【公開番号】特開2011-206290(P2011-206290A)
(43)【公開日】2011年10月20日
【審査請求日】2012年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】小山 佳宏
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−126429(JP,A)
【文献】 特開平08−182815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUを有する第一基板で作動する第一制御部と、
CPUを有する第二基板で作動する第二制御部と
を有し、第一基板から第二基板に対して一方向シリアル通信で情報伝達される遊技機において、
第一制御部は、
第二基板に対して第一情報を送信する第一制御部側情報送信制御手段と、
第一制御部側情報送信制御手段により第一情報が送信された後、当該第一情報の内容を第二制御部側で導出可能な情報である保険情報を送信する保険情報送信制御手段と
を更に有しており、
第二制御部は、
第一制御部から送信された第一情報及び保険情報を受信する第二制御部側情報受信制御手段と、
第二制御部側情報受信制御手段が受信した第一情報に基づき、保険情報を受信するより前に、当該第一情報に関連した第二情報を出力し得る第二情報出力制御手段と、
第二制御部側情報受信制御手段が保険情報を受信した場合、保険情報から導出された第一情報の内容と保険情報より前に受信した第一情報の内容とが一致しない場合には第二情報が正常に出力されていないと判定する第二情報正常出力判定手段と
を有しており、
第二情報出力制御手段は、第二情報正常出力判定手段により第二情報が正常に出力されていないと判定された場合、保険情報から導出された第一情報と関連した第二情報を出力し得るよう制御し、
第一制御部側では、或る第一情報を送信した場合において、該或る第一情報を送信した後から当該或る第一情報に基づく第二制御部側での第二情報の出力完了タイミングに到達するまで且つ当該或る第一情報に基づく第二制御部側での第二情報が遊技者に視認可能となるよう出力された後の一又は複数の送信タイミングに基づき保険情報を送信可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に基板間での通信処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在最も普及しているパチンコ遊技機は、始動口(スタートチャッカー)に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が所定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(アタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの、いわゆる「デジパチ」と呼ばれている機種{従来の「第一種遊技機」や「複合機」{従来の「第一種遊技機」の機能を二つ有する遊技機(小当たり発展機能付きを含む)、従来の「第一種遊技機」と従来の「第二種遊技機」の機能を有する遊技機}}である。
【0003】
パチンコ遊技機では、主に遊技進行を制御する主制御基板と、主に遊技の興趣性を高める演出を実行する副制御基板とを備えて、制御基板間を配線で接続し、コマンド信号の送受信により情報を伝達するのが一般的である。そして、基板ごとの制御を単機能化することで、全体としては複雑な制御を分割し、制御負荷を軽減させている。しかしながら、基板間で送受信されるコマンド信号が、静電気ノイズなどの外的要因により変化してしまい、その変化した不正な信号に基づき制御を進行させた結果、誤動作につながるなど信頼性の確保の面で問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、従来では主制御基板側から送信されたコマンド信号を副制御基板側で読み取る際に、複数回繰り返して読み取り、所定回数連続して同一の信号を受信できた場合には、正しいコマンド信号を受信できたと判断し制御を進行する方法(例えば特許文献1参照)や、主制御基板側から送信されたコマンドを副制御基板側で一定時間内に受信できたかどうかを監視しておき、当該時間内に受信できなかった場合には、主制御基板側から再度同一のコマンドを送信することで、受信内容の信頼性を向上させていた(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−102662
【特許文献2】特開2008−272324
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、主制御基板から副制御基板へのコマンド信号の送受信には、パラレル伝送方式を確立することで一定期間、同一のコマンド信号を送信し続ける状態を作り出す必要がある(例えば、コマンド信号が8ビットで表される場合、8本のコマンド信号の送受信線夫々の電位を、コマンド信号に合わせて一定期間同一に保つ必要がある)。他方、主制御基板から副制御基板へのコマンド信号の送受信にシリアル伝送方式を用いた遊技機においては、前述したような状態を作り出すことができないため、特許文献1に記載の方法を適用することができない。また、上記特許文献2に記載の方法では、シリアル伝送方式を用いた遊技機において適用することはできるが、主制御基板と副制御基板の間で同期式の通信(コマンド信号の送受信線とは別にストローブ信号線等のタイミング信号線を設けて同期を計る通信方式)を確立する必要があるため、コマンド信号の送受信線以外の通信線を設けることができないような非同期式の通信においては適用できない場合がある。
【0006】
発明は、一基板から第二基板への一方向の非同期式のシリアル伝送方式を用いた遊技機において、御進行の信頼性を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本態様に係る遊技機は、
CPUを有する第一基板で作動する第一制御部と、
CPUを有する第二基板で作動する第二制御部と
を有し、第一基板から第二基板に対して一方向シリアル通信で情報伝達される遊技機において、
第一制御部は、
第二基板に対して第一情報を送信する第一制御部側情報送信制御手段と、
第一制御部側情報送信制御手段により第一情報が送信された後、当該第一情報の内容を第二制御部側で導出可能な情報である保険情報を送信する保険情報送信制御手段と
を更に有しており、
第二制御部は、
第一制御部から送信された第一情報及び保険情報を受信する第二制御部側情報受信制御手段と、
第二制御部側情報受信制御手段が受信した第一情報に基づき、保険情報を受信するより前に、当該第一情報に関連した第二情報を出力し得る第二情報出力制御手段と、
第二制御部側情報受信制御手段が保険情報を受信した場合、保険情報から導出された第一情報の内容と保険情報より前に受信した第一情報の内容とが一致しない場合には第二情報が正常に出力されていないと判定する第二情報正常出力判定手段と
を有しており、
第二情報出力制御手段は、第二情報正常出力判定手段により第二情報が正常に出力されていないと判定された場合、保険情報から導出された第一情報と関連した第二情報を出力し得るよう制御し、
第一制御部側では、或る第一情報を送信した場合において、該或る第一情報を送信した後から当該或る第一情報に基づく第二制御部側での第二情報の出力完了タイミングに到達するまで且つ当該或る第一情報に基づく第二制御部側での第二情報が遊技者に視認可能となるよう出力された後の一又は複数の送信タイミングに基づき保険情報を送信可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機である。
<付記>
尚、本態様とは異なる別態様について以下に列記しておくが、これらには何ら限定されることなく実施することが可能である。
本別態様(1)は、
CPUを有する第一基板(主制御装置1000)で作動する第一制御部と、
CPUを有する第二基板(表示制御装置)で作動する第二制御部と
を有し、第一基板(主制御装置1000)から第二基板(表示制御装置)に対して一方向シリアル通信で情報伝達される遊技機において、
第一制御部は、
第二基板(表示制御装置)に対して第一情報を送信する第一制御部側情報送信制御手段(図柄内容決定手段1140、情報送信手段1300等)と、
第一制御部側情報送信制御手段(情報送信手段1300)により第一情報が送信された後、当該第一情報の内容を第二制御部側(表示制御装置)で導出可能な情報である保険情報を送信する保険情報送信制御手段(保険コマンド制御手段1200、情報送信手段1300等)と
を更に有しており、
第二制御部は、
第一制御部から送信された第一情報及び保険情報を受信する第二制御部側情報受信制御手段(情報受信手段2321)と、
第二制御部側情報受信制御手段(情報受信手段2321)が受信した第一情報に基づき、当該第一情報に関連した第二情報を出力する第二情報出力制御手段(演出制御手段2320)と、
第二制御部側情報受信制御手段(情報受信手段2321)が保険情報を受信した場合、当該保険情報から導出された第一情報と関連した第二情報が正常に出力されているか否かを判定する第二情報正常出力判定手段(装飾図柄表示補正制御手段2500、ラウンド表示補正制御手段2510、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520)と
を有しており、
第二情報出力制御手段(演出制御手段2320)は、第二情報正常出力判定手段(装飾図柄表示補正制御手段2500、ラウンド表示補正制御手段2510、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520)により第二情報が正常に出力されていないと判定された場合、保険情報から導出された第一情報と関連した第二情報を出力することを特徴とする遊技機である。
本別態様(2)は、
保険情報送信制御手段(保険コマンド制御手段1200、情報送信手段1300等)は、第一制御部側情報送信制御手段(図柄内容決定手段1140、情報送信手段1300等)により第一情報が送信された後、保険情報を複数回送信し、
第二情報正常出力判定手段(装飾図柄表示補正制御手段2500、ラウンド表示補正制御手段2510、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520)は、前記複数回の保険情報を踏まえ、第二情報が正常に出力されているか否かを判定する、前記別態様(1)の遊技機である。
例えば、本別態様は以下の態様に好適に適用できる。即ち、出球と直結した主遊技に関する制御を実行する主制御部(主制御基板により作動する手段)と、主制御部からの指示に基づき演出制御を実行する副制御部(演出制御基板により作動する手段)と、を有するパチンコ遊技機であって、
主遊技部が、
遊技球が入球可能な始動入球口(例えば、第1特図始動口2210)と、
第一識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示及び停止表示可能な第一識別情報表示部(例えば、第1特図表示部2131)と、
開状態と閉状態を採り得る可変入賞口(例えば、第1大入賞口2120)と、
始動入球口(例えば、第1特図始動口2210)への遊技球の流入に基づき、第一乱数を取得する第一乱数取得手段(例えば、第1特図乱数取得判定実行手段1121)と、
識別情報の変動開始条件を充足した場合、第一乱数に基づき、第一識別情報(例えば、第1特別図柄)の表示内容を決定する第一識別情報表示内容決定手段(例えば、第1特図内容決定手段1141)と、
抽選許可条件を充足した場合、第一乱数に関連した第一乱数関連情報を副制御部側に送信する抽選許可時第一乱数関連情報送信手段(例えば、第1特図内容決定手段1141、情報送信手段1300)と、
第一識別情報表示内容決定手段(例えば、第1特図内容決定手段1141)により決定された第一識別情報(例えば、第1特別図柄)の前記表示内容に従い、第一識別情報を変動表示した後に停止識別情報を第一識別情報表示部(例えば、第1特図表示部2131)に表示するよう制御する第一識別情報表示制御手段(例えば、第1特図制御手段1151)と、
第一識別情報(例えば、第1特別図柄)に係る停止識別情報が所定態様である場合、可変入賞口(例えば、第1大入賞口2120)を開状態とする特別遊技状態への移行判定をする特別遊技移行判定手段(条件判定手段1171)と、
特別遊技移行判定手段(条件判定手段1171)が特別遊技状態へ移行すると判定した場合、可変入賞口(例えば、第1大入賞口2120)を開状態とする特別遊技を実行するための特別遊技実行手段(特別遊技実行手段1173)と
を管理し、
副制御部が、
演出表示可能な演出表示部(例えば、演出表示装置2310)と、
抽選許可時第一乱数関連情報送信手段(例えば、第1特図内容決定手段1141、情報送信手段1300)により送信された第一乱数関連情報に基づき、第二識別情報(例えば、装飾図柄)の表示内容(例えば、変動態様や停止図柄)を決定する演出内容決定手段(装図表示内容決定手段2322a−1)と、
主制御部側での第一識別情報(例えば、第1特別図柄)の変動と同期させた形で、演出内容決定手段(装図表示内容決定手段2322a−1)が決定した演出内容を演出表示部(例えば、演出表示装置2310)上で実行するよう制御する演出表示制御手段(装飾図柄表示制御手段2322a)と
を管理するパチンコ遊技機である。
【発明の効果】
【0012】
本態様に係る遊技機によれば、一方向シリアル通信により一方の基板から他方の基板に対して情報送信される遊技機において、制御進行の信頼性を向上させることが可能になるとういう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図2図2は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。
図3図3は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機の機能ブロック図である。
図4図4は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側でのメインフローチャートである。
図5図5は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での乱数取得処理のフローチャートである。
図6図6は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での普通図柄用乱数取得処理のフローチャートである。
図7図7は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特別図柄用乱数取得処理のフローチャートである。
図8図8は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での電チュー駆動判定処理のフローチャートである。
図9図9は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での図柄表示処理・特別遊技作動条件判定処理・保険コマンド送信処理のフローチャートである。
図10図10は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特別図柄表示処理のフローチャートである。
図11図11は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での第1特別図柄の変動開始条件充足判定処理のフローチャートである。
図12図12は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特定遊技終了判定処理のフローチャートである。
図13図13は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特別図柄保険コマンド送信処理のフローチャートである。
図14図14は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特別遊技作動条件判定処理フローチャートである。
図15図15は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
図16図16は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御装置側での特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。
図17図17は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側でのメインフローチャートである。
図18図18は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側での保留情報管理・保留表示制御処理のフローチャートである。
図19図19は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側での装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。
図20図20は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側での装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。
図21図21は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側での装飾図柄表示復帰処理のフローチャートである。
図22図22は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側での特別遊技開始時表示制御処理・特別遊技中表示制御処理のフローチャートである。
図23図23は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、表示制御装置側での特別遊技終了後遊技状態背景変化表示制御処理のフローチャートである。
図24図24は、本最良形態に係るパチンコ遊技機における、主制御基板から副制御基板にシリアル送信される各種コマンド及び情報例である。
図25図25は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、作用説明図1である。
図26図26は、本発明の最良形態に係るパチンコ遊技機における、作用説明図2である。
【発明を実施するための最良形態】
【0015】
ここで、本明細書における各用語の意義について説明する。まず、「遊技機」とは、遊技媒体が遊技球である弾球遊技機(例えば、パチンコ遊技機、雀球遊技機、アレンジボール等)や、遊技媒体がメダルである回胴式遊技機(スロットマシン)を含む。「第一情報」とは、第二制御部側で第二情報を出力する際に必要な情報一切を指し、例えば、遊技の進行を制御する主制御基板及び演出実行を制御する副制御基板とを有するパチンコ遊技機に関しては、識別情報の停止図柄情報、変動態様情報(例えば変動時間情報)、識別情報の変動開始コマンドや変動終了コマンド(停止図柄の確定表示コマンド)、遊技状態情報等を挙げることができる。この場合、送信される第一情報は、副制御基板側で出力される第二情報を直接特定する情報(例えば、第二情報と1対1対応しており、第一情報の内容で第二情報が一義的に特定される情報)のみならず、副制御基板側で出力される第二情報を副制御基板側で決定する際の一ファクタとなる情報(例えば、第一情報と第二情報とは1対複数であり、当該複数の中から第二情報を決定する場合や、複数の第二情報の組み合わせに基づき第二情報を決定する場合)をも包含する。「保険情報」とは、当該保険情報の元となる第一情報の内容を導出可能である限り特に限定されず、第一情報と全く同一の情報であっても、第一情報と異なる情報であってもよい。「入球」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無い「スルーチャッカー」への通過も含む。「識別情報」とは、五感(視覚、聴覚、触覚等)を通じて情報の種類を識別可能であればどのような形態でもよく、例えば、視覚的なものとしては、数字、文字、図柄等の形状のあるものを通じて情報出力するものを挙げることができる。「開状態」とは、遊技球が流入可能な状態や流入し易い状態を指し、「閉状態」とは、遊技球が流入不能な状態や遊技球が流入困難な状態を指す。「入賞」とは、賞球払出に関連する概念である。「乱数」とは、パチンコ遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当たり図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本特許請求の範囲や本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動入球口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。「識別情報の変動開始条件を充足」とは、特別遊技中でないこと及び識別情報変動中でないことを指す。以下の最良形態は、従来の第1種パチンコ遊技機を二つ混在させたような機種(第1種第1種複合機)である。但し、本最良形態に係る第1種第1種複合機には何ら限定されず、他の遊技機{例えば、従来の第1種や第3種等のパチンコ遊技機やスロットマシン}に応用された場合も本発明の範囲内である。尚、本形態は、あくまで最良の形態であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した最良形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある最良形態についての変更例は、別の最良形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。
【0016】
ここで、各構成要素について説明する前に、本最良形態に係るパチンコ遊技機の特徴(概略)を説明する。以下、図面を参照しながら、各要素について詳述する。
【0017】
まず、図1を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の前面側の基本構造を説明する。パチンコ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。以下、これらを順に説明する。
【0018】
はじめに、パチンコ遊技機の遊技機枠は、外枠102、前枠104、透明板106、扉108、上球皿110、下球皿112及び発射ハンドル116を含む。まず、外枠102は、パチンコ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠104は、外枠102の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠102に開閉可能に取り付けられる。前枠104は、遊技球を発射する機構、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構等を含む。透明板106は、ガラス等により形成され、扉108により支持される。扉108は、図示しないヒンジ機構を介して前枠104に開閉可能に取り付けられる。上球皿110は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿112への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿112は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、上球皿110と下球皿112の間にはスピーカ114が設けられており、遊技状態等に応じた効果音が出力される。
【0019】
次に、遊技盤は、外レール122と内レール124とにより区画された遊技領域120が形成されている。そして、当該遊技領域120には、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口の他、第1特図始動口2210、第2特図始動口2110、普図始動口2410、第1大入賞口2120、第2大入賞口2220、第1特別図柄表示装置2130、第2特別図柄表示装置2230、演出表示装置2310、普通図柄表示装置2420、センター飾り192及びアウト口142が設置されている。以下、各要素を順番に詳述する。
【0020】
次に、第1特図始動口2210は、第1遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第1特図始動口2210は、第1特図始動口入球検出装置2211を備える。ここで、第1特図始動口入球検出装置2211は、第1特図始動口2210への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1特図始動口入球情報を生成する。
【0021】
次に、第2特図始動口2110は、第2遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2特図始動口2110は、第2特図始動口入球検出装置2111と、第2特図始動口電動役物2112と、第2特図始動口電動役物2112を開閉させるための第2特図始動口電動役物ソレノイド2112aとを備える。ここで、第2特図始動口入球検出装置2111は、第2特図始動口2110への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2特図始動口入球情報を生成する。次に、第2特図始動口電動役物2112は、第2特図始動口2110に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該通常状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。
【0022】
ここで、図1に示すように、第1特図始動口2210と第2特図始動口2110とは、上下に重なる位置に配されており、通常時は第1特図始動口2210の存在により、第2特図始動口2110の上部が塞がれている。そして、後述するように、通常遊技時には、第2特図始動口2110へは殆ど遊技球が入球しないように構成されている。
【0023】
尚、本最良形態では、第2特図始動口側に電動役物を設けるよう構成したが、第1始動口側に電動役物を設けるよう構成してもよい。更には、本最良形態では、第1特図始動口と第2特図始動口とを重ねるように配置したがこれにも限定されず、第1特図始動口と第2特図始動口とを離隔して設けるよう構成してもよい。例えば、第1特図始動口と第2特図始動口との入球割合が略同一となるよう構成してもよい。
【0024】
次に、普図始動口2410は、普図始動口入球検出装置2411を備える。ここで、普図始動口入球検出装置2411は、普図始動口2410への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す普図始動口入球情報を生成する。尚、普図始動口2410への遊技球の入球は、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112を拡開させるための抽選の契機となる。
【0025】
次に、第1大入賞口2120及び第2大入賞口2220は、第1特別図柄又は第2特別図柄)が大当たり図柄や小当たり図柄で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口142の左上方(右上方)に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口2120(第2大入賞口2220)は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置2121(第2大入賞口入賞検出装置2221)と、第1大入賞口電動役物2122(第2大入賞口電動役物2222)と、第1大入賞口電動役物2122(第2大入賞口電動役物2222)を開閉させるための第1大入賞口電動役物ソレノイド2122a(第2大入賞口電動役物ソレノイド2222a)とを備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置2121(第2大入賞口入賞検出装置2221)は、第1大入賞口2120(第2大入賞口2220)への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報(第2大入賞口入球情報)を生成する。第1大入賞口電動役物2122(第2大入賞口電動役物2222)は、第1大入賞口2120(第2大入賞口2220)に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第1大入賞口2120(第2大入賞口2220)を可変させる。尚、本最良形態では、大入賞口は二つ存在するが、第1遊技に基づく特別遊技と第2遊技に基づく特別遊技を一つの大入賞口で実行するよう構成してもよい。
【0026】
次に、第1特別図柄表示装置2130(第2特別図柄表示装置2230)は、第1遊技(第2遊技)に対応する第1特別図柄(第2特別図柄)の変動表示及び停止表示を行う。具体的構成としては、第1特別図柄表示装置2130(第2特別図柄表示装置2230)は、第1特図表示部2131(第2特図表示部2231)と、第1特図保留表示部2132(第2特図保留表示部2232)とを備える。ここで、第1特図保留表示部2132(第2特図保留表示部2232)は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、第1遊技(第2遊技)に係る乱数の保留数(実行されていない特別図柄の変動数)に相当する。尚、第1特別図柄表示部2131(第2特別図柄表示部2231)は、例えば7セグメントLEDで構成され、第1特別図柄(第2特別図柄)は、「0」〜「9」の10種類の数字及びハズレの「−」で表示される。
【0027】
尚、第1特別図柄(第2特別図柄)は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本最良形態では、第1特別図柄表示装置2130(第2特別図柄表示装置2230)の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、第1特別図柄(第2特別図柄)自体に演出的な役割を持たせて第1装飾図柄(第2装飾図柄)を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置2310のような液晶ディスプレーに、第1特別図柄(第2特別図柄)を表示させるように構成してもよい。
【0028】
次に、演出表示装置2310は、第1特別図柄・第2特別図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の変動表示及び停止表示を行う。ここで、具体的構成としては、演出表示装置2310は、装飾図柄の変動表示等を含めて演出が実行される装図表示部2311と、装図保留表示部2312とを備える。ここで、装図表示部2311は、例えば、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。尚、演出表示装置2310は、本最良形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、装図保留表示部2312は、4個のランプから構成され、当該ランプは、特別図柄の保留ランプと連動している。
【0029】
次に、普通図柄表示装置2420は、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。具体的構成としては、普通図柄表示装置2420は、普図表示部2421と、普図保留表示部2422とを備える。ここで、普図保留表示部2422は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、普通図柄変動の保留数(実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
【0030】
最後に、センター飾り192は、演出表示装置2310の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置2310の保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果ランプ190は、遊技領域120又は遊技領域120以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
【0031】
次に、図2を参照しながら、パチンコ遊技機の背面側における基本構造を説明する。パチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の全体動作を制御し、特に第1特図始動口2210(第2特図始動口2110)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御装置(メイン基板)1000と、遊技内容に興趣性を付与する装図表示部2311上での各種演出に係る表示制御等を行う演出制御手段(サブ基板)2320と、遊技の興趣性を高める演出が表示される演出表示装置2310と、賞球タンク212、賞球レール214及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンク212から供給される遊技球を上球皿110へ払い出す払出ユニット216等を備える賞球払出機構(セット基盤)210と、払出ユニット216による払出動作を制御する賞球払出制御装置3000と、上球皿110の遊技球(貯留球)を遊技領域120へ1球ずつ発射する発射装置232と、発射装置232の発射動作を制御する発射制御基板230と、パチンコ遊技機の各部へ電力を供給する電源ユニット290と、パチンコ遊技機の電源をオンオフするスイッチである電源スイッチ292等が、前枠104裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
【0032】
次に、図3のブロック図を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の各種機能について説明する。はじめに、主制御装置1000は、遊技に係る遊技周辺機器2000と、主制御装置1000からの払出指示に基づき所定数の賞球の払出制御を行う賞球払出制御装置3000と、情報伝達可能に接続されている。その他、図示しないが、各種遊技効果ランプ190(例えばサイドランプ)やスピーカ114等とも電気的に接続されている。尚、主制御装置1000、副制御装置(演出表示制御手段2320)、賞球払出制御装置3000等は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子等から構成される。尚、以下で主制御装置1000に含まれるとする各手段を周辺機器(例えば、遊技周辺機器2000)に搭載される形で構成してもよい。例えば、周辺機器(例えば、遊技周辺機器2000)に含まれるとする各手段を主制御装置1000に搭載される形で構成してもよい。
【0033】
ここで、主制御装置(CPUを有する主制御基板により作動する装置)は、前述のように各種装置と情報伝達可能に接続されている。これらの内、主制御装置1000(CPUを有する主制御基板により作動する装置)と副制御装置(CPUを有する副制御基板により作動する装置)とは、主制御基板から副制御基板に対してのみ情報送信可能な一方向通信手法を採り、且つ、シリアル通信で情報送信される。尚、主制御装置1000(CPUを有する主制御基板により作動する装置)と賞球払出制御装置3000(CPUを有する賞球払出基板により作動する装置)とは、いずれに対してもまたいずれからも送受信可能な双方向通信手法を採る。以下、上記各手段(装置)の詳細を説明する。
【0034】
まず、主制御装置(CPUを有する主制御基板により作動する装置)1000は、主遊技(第1遊技、第2遊技、特別遊技)・補助遊技・一般遊技に関する主たる制御を司る遊技制御手段1100と、遊技周辺機器2000側に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、15R大当たり(出球あり)、2R大当たり(出球無し)、小当たり、ハズレ}、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、保留情報等}及び保険コマンドを送信するための情報送信手段1300と、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出装置3000を制御する賞球払出決定手段1400とを有している。
【0035】
ここで、遊技制御手段1100は、各入球口(始動口等)への遊技球の流入を判定するための入球判定手段1110と、各乱数の取得可否を判定し、当該判定結果に基づき当該各乱数を取得するための乱数取得判定実行手段1120と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段1130と、後述する第1遊技内容決定乱数・第2遊技内容決定乱数(当選乱数)・普通図柄当選乱数に基づき当たりであるか否かを抽選する当否抽選手段1135と、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件{特別遊技中でないこと、特別図柄の変動中でないこと等}を充足したか否かの判定処理を司る図柄変動開始条件充足判定手段1138と、各乱数に基づき、各図柄の停止図柄及び変動態様(変動時間等)を決定するための図柄内容決定手段1140と、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段1150と、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112の開閉決定に直接関連する各種処理を行うための電チュー開閉制御手段1160と、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段1170と、第1遊技及び第2遊技並びに補助遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段1180と、現在の遊技状態[例えば、主遊技に関する状態{通常遊技状態、特定遊技状態(確率変動遊技状態、時間短縮遊技状態)、特別遊技状態}、補助遊技に関する状態(易開放状態、非易開放状態)、特別図柄に係る停止図柄及び変動態様情報、各種フラグのオンオフ状況、特別遊技中の遊技状態(例えばラウンド数や入賞個数情報)]等を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段1190と、演出を司る副制御装置側に対し、正常な演出の実行を担保するための保険コマンドの送信内容やタイミング等を決定・管理等する保険コマンド制御手段1200と、を有している。以下、各手段について詳述する。
【0036】
まず、入球判定手段1110は、第1特図始動口2210へ遊技球が入球したか否かを判定する第1特図始動口入球判定手段1111と、第2特図始動口2110へ遊技球が入球したか否かを判定する第2特図始動口入球判定手段1112と、普図始動口2410に遊技球が流入したか否かを判定する普図始動口入球判定手段1113とを有している。
【0037】
次に、乱数取得判定実行手段1120は、第1特図始動口2210への遊技球の入球に基づき第1遊技内容決定乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第1当選乱数、第1変動態様決定乱数、第1特別図柄決定乱数等)を取得する第1特図乱数取得判定実行手段1121と、第2特図始動口2110への遊技球の入球に基づき第2遊技内容決定乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第2当選乱数、第2変動態様決定乱数、第2特別図柄決定乱数等)を取得する第2特図乱数取得判定実行手段1122と、普通図柄当選乱数の取得の可否を判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を取得するための普図乱数取得判定実行手段1123とを有している。
【0038】
ここで、上記を含め本特許請求の範囲及び本明細書における「乱数」は、例えば、乱数の種類(例えば、当選乱数や変動態様決定乱数)により割り振られた「0」〜「65535」や「0」〜「255」といった所定範囲からランダムに選択された値である。また、乱数としては、数学的に発生させる乱数でなくともよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数等により発生させる擬似乱数でもよい。例えば、乱数にある夫々の値の発現方式が、乱数の数列に沿って順々に値を発現させる方式(プラスワン方式)、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶然性のある値によって定める方式(初期値更新方式)、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
【0039】
次に、保留制御手段1130は、第1特別図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該第1遊技内容決定乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで第1特図保留情報一時記憶手段1131aに保留するための第1特図保留手段1131と、第2特別図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該第2遊技内容決定乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで第2特図保留情報一時記憶手段1132aに保留するための第2特図保留手段1132と、普通図柄変動許可が下りていない状況で取得した普通図柄当選乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を図柄変動許可が下りるまで普図保留情報一時記憶手段1133aに保留するための普図保留手段1133とを有している。ここで、第1特図保留手段1131、第2特図保留手段1132及び普図保留手段1133は、最大4個まで記憶可能な、前記乱数を保留順序と結合した形で一時記憶するための、第1特図保留情報一時記憶手段1131a、第2特図保留情報一時記憶手段1132a及び普図保留情報一時記憶手段1133aを夫々有している。更に、第1特図保留情報一時記憶手段1131a及び第2特図保留情報一時記憶手段1132aには、前記乱数の他、当該乱数の保留が解除される順番に関する情報も一時記憶されている。
【0040】
次に、当否抽選手段1135は、当否抽選の結果、大当たりや小当たりである場合に特別遊技への移行決定をする(例えば、内部的に特別遊技実行許可フラグをオンにする)特別遊技移行決定手段1135aと、当否抽選を行う際に参照される当否抽選用テーブル1135bと、を有している。ここで、当否抽選用テーブル1135bは、第1特別図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第1特図用当否抽選テーブル1135b−1と、第2特別図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第2特図用当否抽選テーブル1135b−3と、を有している。尚、本最良形態では、大当たりと小当たりとを同一テーブルに構成したが、これには限定されず、別テーブルで大当たりと小当たりを決定するよう構成してもよい。ここで、表1は、当否抽選用テーブル1135bの一例である。この表から分かるように、大当たり確率は第1特別図柄と第2特別図柄とで同じであるが、小当たり確率は第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも高く設定されている。尚、以下での大当たり及び小当たりの確率はあくまで例示である。
【表1】
【0041】
次に、図柄内容決定手段1140は、取得した第1遊技内容決定乱数(第1乱数)に基づき、第1特別図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する第1特図内容決定手段1141と、取得した第2遊技内容決定乱数(第2乱数)に基づき、第2特別図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する第2特図内容決定手段1142と、取得した普通図柄当選乱数に基づき普通図柄の停止図柄を決定する普図内容決定手段1143とを有している。以下、各手段について詳述する。
【0042】
まず、第1特図内容決定手段1141(第2特図内容決定手段1142)は、第1特別図柄(第2特別図柄)に係る停止図柄や変動態様を決定する際に参照される第1特図内容決定用抽選テーブル1141a(第2特図内容決定用抽選テーブル1142a)を有している。そして、第1特図内容決定用抽選テーブル1141a(第2特図内容決定用抽選テーブル1142a)は、第1特別図柄(第2特別図柄)の停止図柄を決定する際に参照される第1特図停止図柄決定用抽選テーブル1141a−1(第2特図停止図柄決定用抽選テーブル1142a−1)と、第1特別図柄(第2特別図柄)の変動態様(変動時間)を決定する際に参照される第1特図変動態様決定用抽選テーブル1141a−2(第2特図変動態様決定用抽選テーブル1142a−2)と、を有している。以下、これらを詳述する。
【0043】
まず、表2は、第1特図停止図柄決定用抽選テーブル1141a−1及び第2特図停止図柄決定用抽選テーブル1142a−1の一例を示したものである。下記例から分かるように、本最良形態では、大当たり図柄として複数存在している。そして、後述するように、この図柄の種類や遊技状態に基づいて、特別遊技時の利益状態や特別遊技後の遊技状態が決まるよう構成されている(これについては後述する)。
【表2】
【0044】
次に、表3は、第1特図変動態様決定用抽選テーブル1141a−2及び第2特図変動態様決定用抽選テーブル1142a−2の一例を示したものである。尚、本最良形態では両者のテーブル構成は共通するので一纏めにしてある。当該表から分かるように、まず、時短遊技でハズレの場合には、他のハズレテーブルと比較して総体的に短い変動時間が選択されるよう構成されている。更には、保留球数に応じて、異なる変動態様が選択されるよう構成してもよい(例えば、保留消化時に保留が3個又は4個存在している場合には、短い変動時間が選択されるよう構成してもよい)。
【表3】
【0045】
次に、普図内容決定手段1143は、普通図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される普図内容決定用抽選テーブル1143aを有している。更に、普図内容決定用抽選テーブル1143aは、普通図柄の停止図柄を決定する際に参照される普図停止図柄決定用抽選テーブル1143a−1と、普通図柄の変動態様(変動態様)を決定する際に参照される普図変動態様決定用抽選テーブル1143a−2とを有している。ここで、表4は、普図停止図柄決定用抽選テーブル1143a−1の一例を示したものである。この表から分かるように、普通図柄の遊技状態(普図時短フラグがオフである普図通常遊技時、普図時短フラグがオンである普図時短遊技時)毎に、当たり図柄である「7」の選択率が変わるように構成されている。具体的には、普図時短遊技時(普図確変遊技時ともいう)における当たり図柄「7」の選択率が、普図通常遊技時における当たり図柄「7」の選択率よりも高く構成されている。
【表4】
【0046】
次に、表5は、普図変動態様決定用参照テーブル1143a−2の一例を示したものである。この表から分かるように、普図遊技状態毎に各種参照テーブルを備えている。具体的には、これらテーブルは、普図通常遊技状態(普図時短フラグがオフである状態)及び普図時短遊技状態(普図時短フラグがオンである状態)のそれぞれの普図遊技状態時における普通図柄の変動時間を決定する際に参照される。ここで、普図時短遊技状態時は、普図通常遊技状態時よりも普通図柄の変動時間が短く設定されている。しかも、この普図時短遊技状態時、即ち、普図時短フラグがオンである状況下では、普通図柄の当選確率が高い(当たり図柄で停止する確率が高い)普図確率変動遊技状態であることに加え、第2特図始動口電動役物2112の開放時間も長くなる電動役物開放延長遊技状態であるので、通常遊技状態時と比較して、第2特図始動口2110に最も入球し易い状態である。
【表5】
【0047】
次に、表示制御手段1150は、第1特別図柄表示装置2130の第1特図表示部2131上で、所定時間第1特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1特図制御手段1151と、第2特別図柄表示装置2230の第2特図表示部2231上で、所定時間第2特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第2特図制御手段1152と、普通図柄表示装置2420の普図表示部2421上で、所定時間普通図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う普図制御手段1154とを有している。
【0048】
ここで、第1特図制御手段1151は、前記第1特図内容決定手段1141により決定された変動態様に係る変動時間を管理するための第1特図変動時間管理手段1151aを更に有している。また、第1特図変動時間管理手段1151aは、ゼロクリア可能な第1特図変動管理用タイマ1151a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。次に、第2特図制御手段1152は、前記第2特図内容決定手段1142により決定された変動態様に係る変動時間を管理するための第2特図変動時間管理手段1152aを更に有している。また、第2特図変動時間管理手段1152aは、ゼロクリア可能な第2特図変動管理用タイマ1152a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。更に、普図制御手段1154は、普通図柄表示装置2420の普図表示部2421上での普通図柄の変動時間を管理するための普図変動時間管理手段1154aを有している。また、普図変動時間管理手段1154aは、時間を計測可能な普図変動管理用タイマ1154a−1を更に備えている。
【0049】
次に、電チュー開閉制御手段1160は、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112を開閉する処理を行うための条件を充足しているか否かを判定するための条件判定手段1161と、第2特図始動口電動役物2112の開放時間を決定する際に参照される電チュー開放時間決定用参照テーブル1163と、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112の駆動(開放)時間を計測する電チュー開放時間管理用タイマ1162とを有している。ここで、表6は、電チュー開放時間決定用参照テーブル1163の一例を示したものである。表6から分かるように、普図時短遊技状態では、普図通常遊技状態と比較し、第2特図始動口電動役物2112の開放時間が長く設定されている(開放延長機能)。
【表6】
【0050】
次に、特別遊技制御手段1170は、特別遊技(大当たり)に移行するための条件を充足しているか否か、具体的には、大当たりに当選している{特別遊技(大当たり)実行許可フラグが発生している}か否かを判定する条件判定手段1171と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、開状態となる大入賞口、ラウンド数、ラウンド間時間等)を特別遊技関連情報一時記憶手段1194中にセットする特別遊技内容決定手段1172と、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220を所定条件で開状態にするという特別遊技(大当たり)を実行するための特別遊技実行手段1173と、特別遊技に関する各種処理の時間管理(例えば、第1大入賞口2120及び第2大入賞口2220の開閉時間)を行うための特別遊技時間管理手段1174とを有している。ここで、特別遊技時間管理手段1174は、時間を計測可能な特別遊技管理用タイマ1174aを更に有している。また、特別遊技内容決定手段1172は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブル1172aを更に有している。ここで、表7は、特別図柄内容参照テーブルの一例である。表7中、「7A及び7B」は、多くの出球を獲得できる高利益特別遊技である。他方、「1A、1B、3A、3B、2A、2B、4A、4B」は、殆ど出球を獲得できない低利益特別遊技である。ここで、「1A、1B、3A、3B」と「2A、2B、4A、4B」とを比較すると、ラウンド数、1ラウンドの最大継続時間、1ラウンドの開放態様等が内部的に異なるものの、見た目上は全く同一の開放パターンが繰り広げられる。
【表7】
【0051】
次に、特定遊技制御手段1180は、特定遊技の内容を決定する特定遊技可否・内容決定手段1183と、特定遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する特定遊技終了条件判定手段1181と、特定遊技に関連する情報(フラグ等)を一時記憶するための特定遊技関連情報一時記憶手段1182と、を有している。ここで、特定遊技可否・内容決定手段1183は、特別図柄に関する特定遊技への移行可否及びその内容を決定する際に参照される特図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183aと、普通図柄に関する特定遊技の移行可否及びその内容を決定する際に参照される普図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183bと、を更に有している。表8は、特図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183a(特に遊技状態決定用参照テーブル)の一例を示したものである。
【表8】
【0052】
ここで、表8の内容を説明する前に本最良形態における各遊技状態を整理する。まず、本最良形態における「特図確変遊技状態」とは、特別遊技への移行当選確率が「特図通常遊技状態」のそれよりも高い状態(特図確変フラグがオン)を指す。また、「特図時短遊技状態」とは、特別図柄の変動時間が「特図通常遊技状態」よりも総体的に短い状態(特図時短フラグがオン)を指す。尚、特図時短遊技状態の状況下では、本最良形態では、「普図時短フラグ」もオンになる。
【0053】
次に、表9は、遊技状態が切り替わったときに当該遊技状態の回数を決定する際に参照される、特図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183a(特に回数決定用参照テーブル)の一例を示したものである。表9から分かるように、特図確率変動遊技の場合には次の大当たりまで当該遊技が継続するよう回数には制限が課せられていない(時短付の場合には時短遊技についても次の大当たりまで)。他方、時短付の通常遊技の場合には、所定回数だけ当該遊技が継続するように構成されている。
【表9】
【0054】
次に、表10は、普図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183bの一例である。この図から分かるように、本最良形態においては、普通図柄側でのフラグのオンオフは、特別図柄側でのフラグのオンオフに完全に従属させるよう構成されている。
【表10】
【0055】
次に、特定遊技終了条件判定手段1181は、特図時短回数をカウント可能な特図時短回数カウンタ1181aを更に有している。
【0056】
次に、遊技状態一時記憶手段1190は、第1遊技(第1特別図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第1遊技状態一時記憶手段1191と、第2遊技(第2特別図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第2遊技状態一時記憶手段1192と、補助遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための補助遊技状態一時記憶手段1193と、特別遊技における現在の遊技状態(例えば、ラウンド数、任意のラウンドにおける遊技球の入賞個数、特別遊技に関する各種フラグのオンオフ等)を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段1194と、を有している。
【0057】
ここで、第1遊技状態一時記憶手段1191は、第1遊技に関する各種遊技状態における各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するための第1フラグ一時記憶手段1191aと、現在変動中の第1特別図柄(変動開始条件が成立した第1特別図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための第1特図情報一時記憶手段1191bとを有している。
【0058】
また、第2遊技状態一時記憶手段1192は、第2遊技に関する各種遊技状態における各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するための第2フラグ一時記憶手段1192aと、現在変動中の第2特別図柄(変動開始条件が成立した第2特別図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための第2特図情報一時記憶手段1192bとを有している。
【0059】
また、補助遊技状態一時記憶手段1193は、補助遊技に関する情報(例えば、普通図柄当選フラグ・普通図柄変動中フラグ・開放延長フラグ・電チュー開放中フラグ・時間短縮フラグ等の各種フラグのオンオフ情報)を一時記憶するための補助遊技関連情報一時記憶手段1193aと、現在変動中の普通図柄(変動開始条件が成立した普通図柄)に係る停止図柄等の情報を一時記憶するための普図情報一時記憶手段1193bとを有している。
【0060】
次に、保険コマンド制御手段1200は、特別図柄情報の保険コマンドを管理する特別図柄情報保険コマンド管理手段1210と、特別遊技時ラウンド情報の保険コマンドを管理するラウンド情報保険コマンド管理手段1220と、遊技状態の保険コマンドを管理する遊技状態情報保険コマンド管理手段1230と、特別遊技開始デモ情報の保険コマンドを管理する特別遊技開始デモ情報保険コマンド管理手段1240と、を有している。尚、本最良形態では、主制御基板と副制御基板間での様々な情報送信の内、(1)最初に送信した情報と当該情報の保険コマンドの内容が同一でなく、保険コマンドの送信回数が複数回であり且つ保険コマンドの送信タイミングが予め定められているものとして、装飾図柄情報(本例では、特別図柄情報)を例示し、(2)最初に送信した情報と当該情報の保険コマンドの内容が同一でなく、保険コマンドの送信回数が一回であり且つ保険コマンドの送信タイミングが不定であるものとして、ラウンド情報を例示し、(3)最初に送信した情報と当該情報の保険コマンドの内容が同一であり、保険コマンドの送信回数が複数回であり且つ保険コマンドの送信タイミングが予め定められているものとして、特別遊技開始デモ情報を例示し、(4)最初に送信した情報と当該情報の保険コマンドの内容が同一であり、保険コマンドの送信回数が一回であり且つ保険コマンドの送信タイミングが不定であるものとして、遊技状態情報を例示している。しかしながら、これには何ら限定されず(後掲する表11参照)、保険コマンドの内容、保険コマンドの送信回数、保険コマンドの送信タイミング等は適宜設定される。
【0061】
ここで、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、特別図柄に関する情報(例えば、現在実行されている特別図柄の変動態様や停止図柄に関する情報)を一時記憶しておく特別図柄情報保険コマンド関連情報一時記憶手段1211と、特別図柄情報の保険コマンド送信タイミング時間処理をする特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理手段1212と、を更に有している。また特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理手段1212は、コマンド送信タイミングを計測する特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1212aと、コマンド送信タイミングを把握する際に参照される特別図柄情報保険コマンド送信参照用テーブル1221bと、を更に有している。尚、当該テーブルの内容については処理の欄で詳述する。
【0062】
また、ラウンド情報保険コマンド管理手段1220は、現在のラウンド数を一時記憶しておくラウンド情報一時記憶手段1221を更に有している。
【0063】
また、遊技状態情報保険コマンド管理手段1230は、特別遊技終了後に移行すべき遊技状態の情報を一時記憶しておく遊技状態移行結果情報一時記憶手段1231を更に有している。
【0064】
ここで、特別遊技開始デモ情報保険コマンド管理手段1240は、特別遊技開始デモ情報の保険コマンド送信タイミング時間処理をする特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理手段1241を更に有している。また、特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理手段1241は、コマンド送信タイミングを計測する特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマを更に有している。
【0065】
次に、遊技周辺機器2000について説明する。尚、一部の周辺機器については既に詳細構成を述べたので、残る構成について簡潔に説明する。まず、遊技周辺機器2000は、第1遊技側の周辺機器である第1遊技周辺機器と、第2遊技側の周辺機器である第2遊技周辺機器と、第1遊技側と第2遊技側の共用周辺機器である第1・第2遊技共用周辺機器と、補助遊技に関する補助遊技周辺機器2400とを有している。以下、これらの周辺機器を順番に説明する。
【0066】
まず、第1遊技周辺機器は、特別遊技移行の契機となる第1特図始動口2210と、第1特別図柄の停止表示及び変動表示が可能な第1特別図柄表示装置2130とを有している。
【0067】
次に、第2遊技周辺機器は、特別遊技移行の契機となる第2特図始動口2110と、第2特別図柄の停止表示及び変動表示が可能な第2特別図柄表示装置2230とを有している。
【0068】
次に、第1・第2遊技共用周辺機器は、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技(大当たり)の際には所定条件下で開状態となる第1大入賞口2120と、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技(大当たり)の際には所定条件下で開状態となる第2大入賞口2220と、装飾図柄の停止表示及び変動表示や特別遊技中の遊技進行状況を示す表示を含め、演出に係る表示を行う演出表示装置2310と、演出に係る一切の表示制御を司る演出制御手段2320とを有する。尚、演出は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動と時間的に同期の取れた形での装飾図柄の変動を含め、遊技の結果に影響を与えない情報のみの表示に係るものである。
【0069】
ここで、演出制御手段2320は、主制御装置1000側からの各種情報を受信するための情報受信手段2321と、主制御装置1000側からの前記情報に基づき、演出表示装置2310上で演出表示制御を行う表示制御手段2322と、を有している。以下、上記各手段を詳述する。
【0070】
まず、情報受信手段2321は、主制御装置1000側からのシリアル通信で送信された主遊技に関する図柄情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段2321aを有している。尚、メイン側情報一時記憶手段2321aに一時記憶された図柄情報は、以下で説明する各処理において、後述の各種手段により必要に応じ適宜参照される。
【0071】
次に、表示制御手段2322は、演出表示装置2310の装図表示部2311上での装飾図柄の変動表示や停止表示に関する制御を司る装飾図柄表示制御手段2322aと、主制御装置1000から図柄変動中に逐次送信される特別図柄情報に係る保険コマンドに従い、装飾図柄の表示補正制御を司る装飾図柄表示補正制御手段2500と、主制御装置1000から特別遊技中に逐次送信される特別遊技時ラウンド情報に係る保険コマンドに従い、ラウンド情報の表示補正制御を司るラウンド表示補正制御手段2510と、主制御装置1000から特別遊技開始直前及び特別遊技終了直後に逐次送信される遊技状態移行結果情報に従い、特別遊技終了後の演出表示装置2310上での背景表示に関する制御を司る遊技状態背景変化表示補正制御手段2520と、演出表示装置2310の装図保留表示部2312上での保留情報の表示処理に関する一切の制御を司る装図保留情報表示制御手段2322bと、当該演出の際に当該演出に関連する情報を一時記憶する演出表示関連情報一時記憶手段2322cと、を有している。
【0072】
ここで、装飾図柄表示制御手段2322aは、メイン側情報一時記憶手段2321a内に一時記憶された主制御装置1000側からの図柄情報に基づき、装飾図柄の停止図柄と変動態様を決定するための装図表示内容決定手段2322a−1と、装飾図柄や装飾図柄の変動態様に関するデータ(各種オブジェクトデータ、動画像データ、音声データ等)を含め演出に関する一切のデータを記憶するための装図変動態様記憶手段2322a−2と、を有している。ここで、装図表示内容決定手段2322a−1は、装飾図柄の変動態様を決定する際に参照するための装図変動内容決定用抽選(参照)テーブル2322a−1−1と、装飾図柄の停止図柄を決定する際に参照するための停止図柄決定用抽選(参照)テーブル2322a−1−2と、を更に有している。ここで、表11は、装図変動内容決定用抽選(参照)テーブル2322a−1−1の一例である。この表から分かるように、本最良形態では、主制御基板側から送信された特別図柄の種類(第1特別図柄及び第2特別図柄)、変動時間情報(10秒、30秒、60秒)及び当否結果(大当たり・小当たり、ハズレ)に基づき、一義的に装飾図柄の変動態様が決定されるように構成されている。また、表12は、停止図柄決定用抽選(参照)テーブル2322a−1−2の一例である。こちらに関しても、本最良形態では、主制御基板側から送信された特別図柄の種類(第1特別図柄及び第2特別図柄)及び停止図柄情報に基づき決定される。但し、ハズレ図柄については、主制御基板側からの特別図柄の変動時間情報も踏まえ、リーチ変動態様とすべき変動時間(本例では30秒、60秒)であるときにはリーチハズレ目を決定し、非リーチ変動態様とすべき時間(本例では10秒)であるときにはバラ目を決定する。
【表11】
【表12】
【0073】
次に、装飾図柄表示補正制御手段2500は、主制御基板側から送信された保険コマンド(装飾図柄表示の保険コマンド)に基づき装飾図柄表示の補正が必要であると判定された場合、装飾図柄表示の補正内容を決定する装図表示補正内容決定手段2501と、図柄変動中に一定間隔で逐次送信されメイン側情報一時記憶手段2321a内に一時記憶された主制御装置1000側からの図柄情報を参照し、当該情報を一時記憶する装図変動態様補正情報一時記憶手段2502と、を更に有している。また、装図表示補正内容決定手段2501は、装飾図柄変動態様に係る補正内容を決定する際、当該補正内容を決定するために参照される装図変動補正内容決定用参照テーブル2501aと、装飾図柄の停止図柄に係る補正内容を決定する際、当該補正内容を決定するために参照される補正停止図柄決定用参照テーブル2501bと、を更に有している。ここで、表13は、装図変動補正内容決定用参照テーブル2501aの一例である。表13に示されるように、装飾図柄変動の際に保険コマンドを受信した場合、受信した保険コマンドから「非特別遊技中」・「図柄変動中」であることを確認した上、「特別図柄の種類」・「変動態様」・「進行状況」を踏まえて「現在実行されている筈である変動内容」を導出した上、当該「現在実行されている筈である変動内容」と「現在実行されている装飾図柄の変動内容(現在実行されていない場合も含む)」とが一致していない場合、受信した補正コマンドから導かれた内容の変動態様と差替える補正処理が実行される。
【表13】
【0074】
次に、表14は、補正停止図柄決定用参照テーブル2501bの一例である。表14から分かるように、装飾図柄変動の際に保険コマンドを受信した場合、後述した処理の欄で詳述するように、「現在実行されている装飾図柄の変動内容」と「受信した保険コマンドから導かれた変動内容」とが一致していない場合、受信した補正コマンドから導かれた内容の変動態様と差替える補正処理が実行される。表14に示されるように、装飾図柄変動の際に保険コマンドを受信した場合、受信した保険コマンドから「非特別遊技中」・「図柄変動中」であることを確認した上、「特別図柄の種類」・「変動態様」・「特別図柄の停止図柄」を踏まえて「確定表示が予定されている装飾図柄の停止図柄」を導出した上、当該「確定表示が予定されている装飾図柄の停止図柄」と「現在セットされている装飾図柄の停止図柄」とが一致していない場合、受信した補正コマンドから導かれた内容の停止図柄と差替える補正処理が実行される。尚、表中の点線囲みで示すように、装飾図柄の停止図柄が特別図柄の停止図柄から一義的に導けない場合、具体的には、本例ではハズレ図柄である場合には、変動時間を参照してリーチとなる変動態様であるか否かを判定した上で、リーチとなる場合にはハズレリーチ図柄とし、リーチとならない場合には非リーチ図柄とする。
【表14】
【0075】
次に、ラウンド表示補正制御手段2510は、特別遊技中に不定タイミングで逐次送信されメイン側情報一時記憶手段2321a内に一時記憶された主制御装置1000からの保険コマンド(ラウンド情報)を参照し、当該情報を一時記憶するラウンド情報一時記憶手段2511、を更に有している。
【0076】
次に、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520は、特別遊技終了後に移行する遊技状態の補正内容を決定する特定遊技可否・補正内容決定手段2521と、特別遊技開始直前と特別遊技終了直後に送信されメイン側情報一時記憶手段2321a内に一時記憶された主制御装置1000からの遊技状態移行結果情報を参照し、当該情報を一時記憶する遊技状態移行結果情報一時記憶手段2522と、を更に有している。また、特定遊技可否・補正内容決定手段2521は、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520により特別遊技終了後に移行する遊技状態を補正する必要があると判断された場合、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520が遊技状態移行結果に係る補正内容を決定するために参照される特図特定遊技可否・補正内容決定用抽選テーブル2521a及び普図特定遊技可否・補正内容決定用抽選テーブル2521bと、を更に有している。
【0077】
ここで、特図特定遊技可否・補正内容決定用抽選テーブル2521aと普図特定遊技可否・補正内容決定用抽選テーブル2521bの内容は、前述の特図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183aと、普図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183bの内容と夫々同一であり、その一例は表8に示した通りである。
【0078】
次に、装図保留情報表示制御手段2322bは、現在の保留球数を一時記憶するための装図保留情報一時記憶手段2322b−1を有している。
【0079】
尚、演出制御手段2320は、その他にも、遊技効果ランプ190の点灯及び消灯や、スピーカ114からの音声出力等の演出処理といった、画像表示以外の演出に係る一切の制御を更に制御する。また、本最良形態においては、演出制御手段2320が、装飾図柄、遊技ランプ及び音声の制御を一体的に行なうように構成しているが、機能的に別個の周辺機器として分離するように構成してもよい。この場合、当該周辺機器同士を基板対基板コネクタで接続するように構成してもよい。
【0080】
最後に、補助遊技周辺機器2400は、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112の開放の契機となる普図始動口2410と、普通図柄の停止表示及び変動表示が可能な普通図柄表示装置2420とを有している。
【0081】
尚、第1特別図柄表示装置2130、第2特別図柄表示装置2230及び普通図柄表示装置2420が、主制御装置1000と情報伝達可能に接続されており、残る演出表示装置2310が、演出制御手段2320と情報伝達可能に接続されている。即ち、第1特別図柄表示装置2130、第2特別図柄表示装置2230及び普通図柄表示装置2420は、主制御装置1000により制御され、演出表示装置2310は、演出制御手段2320により夫々制御されることを意味する。尚、主制御装置1000と片方向通信により制御される他の周辺機器を介して、別の周辺機器を制御するように構成してもよい。
【0082】
次に、図4図23のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の処理の流れを説明する。はじめに、図4図16のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のメイン基板側での処理の流れを説明する。まず、図4は、主制御装置1000が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。まず、ステップ10で、主制御装置1000は、特別遊技移行に係る始動口(間接的に寄与する普図始動口も含む)への入賞に関する処理を行う入賞処理10を実行する。次に、ステップ1200で、主制御装置1000は、後述の電チュー駆動判定処理を実行する。次に、ステップ14で、主制御装置1000は、後述の通常遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御装置1000は、後述の特別遊技制御処理を実行し、ステップ5000に移行する。そして、ステップ5000で、主制御装置1000(特に賞球払出決定手段1400)は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、賞球払出制御装置3000に対してコマンドを送信して所定の賞球数の払出処理を行い、再びステップ10に戻る。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
【0083】
次に、図5は、図4におけるステップ10のサブルーチンに係る、入賞処理のフローチャートである。まず、ステップ1100で、主制御装置1000は、後述の普通図柄当選乱数取得処理を実行する。そして、ステップ1300で、主制御装置1000は、後述の遊技内容決定乱数取得処理を実行し、ステップ1200に移行する。
【0084】
次に、図6は、図5におけるステップ1100のサブルーチンに係る、普通図柄当選乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、普図始動口入球判定手段1113は、普図始動口2410に遊技球が入球(流入、通過)したか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、普図乱数取得判定実行手段1123は、普図保留情報一時記憶手段1133aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1104でYesの場合、ステップ1106で、普図乱数取得判定実行手段1123は、普通図柄当選乱数を取得する。そして、ステップ1108で、普図保留手段1133は、何個目の保留であるかという順番情報と共に、当該乱数を普図保留情報一時記憶手段1133aにセットする形で保留球を1加算し、次の処理(遊技内容決定乱数取得処理1300)に移行する。尚、ステップ1102及びステップ1104でNoの場合も、次の処理(遊技内容決定乱数取得処理1300)に移行する。
【0085】
次に、図7は、図5におけるステップ1300のサブルーチンに係る、遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、第1特図始動口入球判定手段1111は、第1特図始動口2210の第1特図始動口入球検出装置2211から第1特図始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1304で、第1特図乱数取得判定実行手段1121は、第1特図保留情報一時記憶手段1131aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306及びステップ1308で、第1特図乱数取得判定実行手段1121は、第1遊技内容決定乱数(第1当選乱数、第1変動態様決定乱数、第1特別図柄決定乱数等)を取得し、第1特図保留手段1131が、第1特別図柄について何個目の保留であるかという順番情報と共に、当該第1遊技内容決定乱数を第1特図保留情報一時記憶手段1131aにセットする。次に、ステップ1309で、情報送信手段1300は、第1特図保留情報一時記憶手段1131aを参照し、当該乱数が第1特別図柄について何個目の保留として記憶されたのかの情報を取得すると共に、当該情報を演出制御手段2320側に送信する。次に、ステップ1310で、第2特図始動口入球判定手段1112は、第2特図始動口2110の第2特図始動口入球検出装置2111から第2特図始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1310でYesの場合、ステップ1312で、第2特図乱数取得判定実行手段1122は、第2特図保留情報一時記憶手段1132aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1312でYesの場合、ステップ1314及びステップ1316で、第2特図乱数取得判定実行手段1122は、第2遊技内容決定乱数(第2当選乱数、第2変動態様決定乱数、第2特別図柄決定乱数)を取得し、第2特図保留手段1132が、第2特別図柄について何個目の保留であるかという順番情報と共に、当該第2遊技内容決定乱数を第2特図保留情報一時記憶手段1132aにセットする。次に、ステップ1317で、情報送信手段1300は、第2特図保留情報一時記憶手段1132aを参照し、当該乱数が第2特別図柄について何個目の保留として記憶されたのかの情報を取得すると共に、当該情報を表示制御手段2320側に送信し、次の処理(電チュー駆動判定処理1200)に移行する。尚、ステップ1302及びステップ1304でNoの場合はステップ1310に移行し、ステップ1310及びステップ1312でNoの場合は次の処理(電チュー駆動判定処理1200)に移行する。
【0086】
次に、図8は、図4におけるステップ1200のサブルーチンに係る、電チュー駆動判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、電チュー開閉制御手段1160は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193aを参照して、電チュー開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、普図制御手段1154は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193aを参照して、普通図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、普図内容決定手段1143は、普図保留情報一時記憶手段1133aを参照し、普通図柄に関する保留球があるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1208で、普図内容決定手段1143は、当該保留球に基づく普通図柄乱数及び遊技状態に基づき停止図柄を決定する。具体的には、普図時短フラグがオフである場合には普図通常遊技時用の普図停止図柄決定用抽選テーブル1143a−1を参照し、普図時短フラグがオンである場合には普図時短遊技時用の普図停止図柄決定用抽選テーブル1143a−1を参照して、普通図柄の停止図柄を決定する(表4参照)。次に、ステップ1210で、普図変動時間管理手段1154aは、遊技状態に基づき、普図変動管理用タイマ1154a−1に所定時間をセットする。具体的には、普図時短フラグがオフである場合には普図通常遊技時の普図変動態様決定用参照テーブル1143a−2を参照し、普図時短フラグがオンである場合には普図時短遊技時の普図変動態様決定用参照テーブル1143a−2を参照し、普通図柄の変動態様(変動時間)を決定する(表5)。例えば、表5に示される例では、普図通常遊技状態では変動時間30秒がセットされる。そして、ステップ1212で、普図制御手段1154は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a内の普通図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1214で、普図保留手段1133は、普通図柄に関する当該保留球を1減算した上で普図保留情報一時記憶手段1133aに記録されている保留情報を更新すると共に、普図制御手段1154は、普図変動管理用タイマ1154a−1をスタートした後、普図表示部2421上で普通図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1216で、普図変動時間管理手段1154aは、普図変動管理用タイマ1154a−1を参照して、前記所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1216でYesの場合、ステップ1218で、普図制御手段1154は、普図表示部2421上で、前記ステップ1208で普図内容決定手段1143が決定した停止図柄を確定表示する。そして、ステップ1220で、普図制御手段1154は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a内の普通図柄変動中フラグをオフにする。次に、ステップ1222で、条件判定手段1161は、当該停止図柄が「当たり」であるか否かを判定する。ステップ1222でYesの場合、ステップ1224で、電チュー開閉制御手段1160は、当該普通図柄停止時(現在)の遊技状態に基づき、電チュー開放時間管理用タイマ1162に所定時間セットする。具体的には、普図時短フラグがオンである場合には3秒、普図時短フラグがオフである場合には0.5秒がセットされる(表6参照)。次に、ステップ1226で、電チュー開閉制御手段1160は、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a内の電チュー開放中フラグをオンにする。そして、ステップ1228で、電チュー開閉制御手段1160は、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112を開放する。次に、ステップ1230で、電チュー開閉制御手段1160は、電チュー開放時間管理用タイマ1162を参照して、前記所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1230でYesの場合、ステップ1232及びステップ1234で、電チュー開閉制御手段1160は、第2特図始動口2110の第2特図始動口電動役物2112を閉鎖すると共に、補助遊技関連情報一時記憶手段1193a内の電チュー開放中フラグをオフにし、次の処理(通常遊技処理14)に移行する。
【0087】
尚、ステップ1202でNoの場合はステップ1230に移行し、ステップ1204でNoの場合はステップ1216に移行し、ステップ1206、ステップ1216、ステップ1222及びステップ1230でNoの場合は次の処理(通常遊技処理14)に移行する。
【0088】
次に、図9は、図4におけるステップ14のサブルーチンに係る、通常遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1400(1)で、主制御装置1000は、後述する第1特別図柄表示処理を実行する。次に、ステップA11(1)で、主制御装置1000は、後述する第1特別図柄保険コマンド送信処理を実行する。次に、ステップ1400(2)で、主制御装置1000は、後述する第2特別図柄表示処理を実行する。次に、ステップA11(2)で、主制御装置1000は、後述する第2特別図柄保険コマンド送信処理を実行する。そして、ステップ1500で、主制御装置1000は、後述する特別遊技作動条件判定処理を実行し、次のステップ(特別遊技制御処理1600)に移行する。
【0089】
次に、図10は、図9におけるステップ1400(1)及び(2)のサブルーチンに係る、第1特別図柄表示処理及び第2特別図柄表示処理のフローチャートである。尚、本処理は、第1特別図柄側及び第2特別図柄側で共通するため、特記する場合を除き、第1特別図柄側を主に記載することとし、第2特別図柄側は括弧書きで記載する。まず、ステップ1800で、主制御装置1000は、後述する変動開始条件充足判定処理を実行する。次に、ステップ1402で、第1特図内容決定手段1141(第2特図内容決定手段1142)は、第1特別図柄(第2特別図柄)に係る変動開始許可フラグがオンであるか否かを判定する。尚、「変動開始許可フラグ」とは、後述する変動開始条件充足判定処理においてオンとなる、特別遊技中や特別図柄変動中でないこと等を条件としてオンになるフラグである。ステップ1402でYesの場合、ステップ1403で、第1特図内容決定手段1141(第2特図内容決定手段1142)は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域にアクセスし、第1特別図柄(第2特別図柄)に係る変動開始許可フラグをオフにする。次に、ステップ1404で、第1特図内容決定手段1141(第2特図内容決定手段1142)は、第1特図保留情報一時記憶手段1131a(第2特図保留情報一時記憶手段1132a)に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1遊技内容決定乱数(第2遊技内容決定乱数)を読み出す。次に、ステップ1406で、当否抽選手段1135は、第1遊技内容決定乱数(第1当選乱数){第2遊技内容決定乱数(第2当選乱数)}及び遊技状態に基づき、第1特図用当否抽選テーブル1135b−1(第2特図用当否抽選テーブル1135b−3)を参照し、特別図柄当否(大当たり、小当たり)抽選を実行する。尚、本最良形態では、同一の抽選テーブルで大当たり及び小当たりの抽選を実行したがこれには限定されない。例えば、当否抽選に際しては、先に大当たり抽選テーブルを参照して大当たり抽選を実行し、大当たり抽選にはずれた場合、更に小当たり抽選テーブルを参照して小当たり抽選を実行するように構成してもよい。更には、先に小当たり抽選テーブルを参照して小当たり抽選を実行し、小当たり抽選にはずれた場合又は当たった場合でも重ねて大当たり抽選を実行してもよい。そして、ステップ1408で、特別遊技移行決定手段1135aは、抽選結果が当たりか否かを判定する。ステップ1408でYesの場合、ステップ1410で、特別遊技移行決定手段1135aは、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)内の当たりフラグをオンにする。他方、ステップ1408でNoの場合には、ステップ1410をスキップする。
【0090】
そして、ステップ1412で、第1特図内容決定手段1141(第2特図内容決定手段1142)は、第1特図内容決定用抽選テーブル1141a(第2特図内容決定用抽選テーブル1142a)内の各抽選テーブルを参照し、第1遊技内容決定乱数(例えば、第1特別図柄決定乱数、第1変動態様決定乱数){第2遊技内容決定乱数(例えば、第2特別図柄決定乱数、第2変動態様決定乱数)}に基づいて第1特別図柄(第2特別図柄)に関する停止図柄及び変動態様を決定し、これらを第1特図情報一時記憶手段1191b(第2特図情報一時記憶手段1192b)に一時記憶する。尚、前記参照されるテーブルは、当否結果・遊技状態(確率変動遊技状態)に基づいて決定される(以下も同様)。次に、ステップ1414で、情報送信手段1300は、ステップ1412で決定した第1特別図柄(第2特別図柄)に関する図柄情報(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等)を演出制御手段2320側に送信する。尚、当該図柄情報を受信した副制御基板側では、当該情報に基づいて装飾図柄の変動内容を決定することになる。次に、ステップA1402で、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、特別図柄情報保険コマンド関連情報一時記憶手段1211内の保険コマンド送信フラグをオンにする。ここで、「保険コマンド送信フラグ」とは、主制御基板側から副制御基板側に図柄情報を送信したこと(ステップ1414)を契機としてオンとなり、主制御基板側から副制御基板側に図柄変動終了情報を送信したこと(ステップ1424)を契機としてオフとなるフラグである。ところで、このフラグがオンである状況では、ステップ1414で送信した図柄情報を副制御基板側で正常に受信できなかった場合(誤った情報として受信したり、受信そのものが出来なかった場合)が発生し得ることも想定し、後述する第1特別図柄保険コマンド送信処理(第2特別図柄保険コマンド送信処理)にて、本来実行されるべき図柄変動が正常に実行されるよう、正常実行に必要な情報である保険コマンドの送信処理が実行されることになる。次に、ステップ1416で、第1特図変動時間管理手段1151a(第2特図変動時間管理手段1152a)が、所定時間{前記ステップ1412で決定した変動態様に係る変動時間}を第1特図変動管理用タイマ1151a−1(第2特図変動管理用タイマ1152a−1)にセットする。次に、ステップA1404で、特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理手段1212は、特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1212aをスタートさせる。尚、後述する第1特別図柄保険コマンド送信処理(第2特別図柄保険コマンド送信処理)では、このタイマを参照することで、本来実行されている筈の変動内容の経過時間を把握し、予定経過時間に到達する度に、特別図柄(装飾図柄)に関する保険コマンドの送信処理が実行される。そして、ステップ1418で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1特別図柄表示装置2130の第1特図表示部2131(第2特別図柄表示装置2230の第2特図表示部2231)上で、第1特図情報一時記憶手段1191b(第2特図情報一時記憶手段1192b)に記憶された変動態様に従い、特別図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1420で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)内の変動中フラグをオンする。
【0091】
そして、ステップ1422で、第1特図変動時間管理手段1151a(第2特図変動時間管理手段1152a)が、所定時間に到達したか否かを判定する。ここで、ステップ1422でNoの場合には、次の処理(特別遊技作動条件判定処理1500)に移行する。他方、ステップ1422でYesの場合、ステップ1424で、情報送信手段1300は、所定時間に到達した旨のコマンドを演出制御手段2320側に送信する。次に、ステップA1406で、特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理手段1212は、特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1212aをリセットする。次に、ステップA1408で、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、特別図柄情報保険コマンド関連情報一時記憶手段1211内の保険コマンド送信フラグをオフにする。次に、ステップ1426で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1特別図柄表示装置2130の第1特図表示部2131(第2特別図柄表示装置2230の第2特図表示部2231)上での特別図柄の変動表示を停止し、第1特図情報一時記憶手段1191b(第2特図情報一時記憶手段1192b)に記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。
【0092】
次に、ステップ1438で、遊技制御手段1100は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)を参照し、当たりフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1438でYesの場合、ステップ1440で、遊技制御手段1100は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)内の当たりフラグをオフにする。次に、ステップ1446で、遊技制御手段1100は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技実行許可フラグをオンにし、ステップ1428に移行する。尚、ステップ1438でNoの場合にも、ステップ1428に移行する。
【0093】
次に、ステップ1428で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、ステップ1428で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)内の変動中フラグをオフにする。そして、ステップ1430で、第1特図変動時間管理手段1151a(第2特図変動時間管理手段1152a)は、第1特図変動管理用タイマ1151a−1(第2特図変動管理用タイマ1152a−1)をリセットする。次に、ステップ1450で、主制御装置1000は、後述の特定遊技終了判定処理を実行し、次の処理〔第1特別図柄保険コマンド送信処理S11(1){第2特別図柄保険コマンド送信処理S11(2)}〕に移行する。
【0094】
尚、ステップ1402でNoの場合には、ステップ1432で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)を参照し、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1432でYesの場合にはステップ1422に移行し、Noの場合には次の処理(特別遊技作動条件判定処理1500)に移行する。
【0095】
ここで、図24を参照しながら、ステップ1414において、主制御基板側から副制御基板側にシリアル通信される図柄情報のコマンド例を説明する。図中の(1)が、ステップ1414において送信される図柄情報のコマンド例である。ここで、「A」は、図柄変動開始時コマンドであることのID(「0001」)であり、「B」は、変動態様(変動時間)を特定するID(例えば「01」は変動時間=30秒)であり、「C」は、停止図柄を特定するID(例えば「0000」は「1A」)である。
【0096】
次に、図11は、図10におけるステップ1800(1)及び(2)のサブルーチンに係る、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動開始条件充足判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1802で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194をそれぞれ参照し、特別遊技中でないか否かを判定する。ステップ1802でYesの場合、ステップ1804で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、遊技状態一時記憶手段1190にアクセスし、現在第1特別図柄も第2特別図柄も変動中でないか否かを判定する。ステップ1804でYesの場合、ステップ1808で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、優先消化側の保留、即ち、本例では第2特別図柄側の保留が存在するか否かを判定する。ステップ1808でYesの場合、ステップ1810で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、優先消化側の特図情報一時記憶手段(第2特図情報一時記憶手段1192b)にアクセスし、優先消化側の第2特別図柄に係る変動開始許可フラグをオンにし、次の処理(ステップ1402)に移行する。他方、ステップ1808でNoの場合(優先消化側の保留が無い場合)には、ステップ1812で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、非優先消化側の保留が存在するか否かを判定する。ステップ1812でYesの場合、ステップ1814で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、非優先消化側の第1特別図柄に係る変動許可フラグをオンにし、次の処理(ステップ1402)に移行する。尚、ステップ1802又はステップ1804でNoの場合にも次の処理(ステップ1402)に移行する。
【0097】
次に、図12は、図10におけるステップ1450(1)及び(2)のサブルーチンに係る、特定遊技終了判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1451で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域を参照し、特図確変フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1451でYesの場合、ステップ1452で、特定遊技制御手段1180は、特図時短回数カウンタ1181aを参照して、特図時短回数カウンタ値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1454で、特定遊技制御手段1180は、特図時短回数カウンタ1181aの時短回数カウンタ値を1減算する。次に、ステップ1456で、特定遊技制御手段1180は、特図時短回数カウンタ1181aを参照して、特図時短回数が0であるか否かを判定する。ステップ1456でYesの場合、ステップ1458で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190内の特図時間短縮フラグをオフにする。更に、ステップ1459で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190内の普図時間短縮フラグをオフにする。このように、本最良形態では、普通図柄の時間短縮フラグは特別図柄の時間短縮フラグと連動するよう構成されている。以上で、時短遊技(特別図柄の時短遊技と、この特別遊技の時短遊技と連動する普通図柄の時短遊技)の終了処理を終了する。
【0098】
尚、ステップ1451、ステップ1452及びステップ1456でNoの場合には、次の処理〔第1特別図柄保険コマンド送信処理S11(1){第2特別図柄保険コマンド送信処理S11(2))}に移行する。
【0099】
次に、図13は、図9におけるステップA11(1)及び(2)のサブルーチンに係る、第1特別図柄保険コマンド送信処理及び第2特別図柄保険コマンド送信処理のフローチャートである。尚、本処理は、第1特別図柄側及び第2特別図柄側で共通するため、特記する場合を除き、第1特別図柄側を主に記載することとし、第2特別図柄側は括弧書きで記載する。まず、ステップA1102で、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、特別図柄情報保険コマンド関連情報一時記憶手段1211を参照し、保険コマンド送信フラグがオンであるか否かを判定する。ステップA1102でYesの場合、ステップA1104で、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、特別図柄情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1212aから経過時間を取得する。次に、ステップA1106で、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、第1遊技状態一時記憶手段1191(第2遊技状態一時記憶手段1192)を参照し、現在選択されている特別図柄の変動態様及び停止図柄に関する情報を取得した上、更に特別図柄保険コマンド送信タイミング参照テーブル1212bを参照し、取得した経過時間が特別図柄変動用保険コマンドを送信するタイミングに到達したか否かを判定する。ここで、表15は、当該処理で参照される特別図柄保険コマンド送信タイミング参照テーブル1212bの一例である。この表から分かるように、実行されている変動態様(変動時間)に基づき、特別図柄変動用保険コマンドの送信タイミングが異なるように構成されている。例えば、変動態様が10秒である場合、変動開始から2.5秒、5秒、7.5秒のタイミングで保険コマンドが送信される。
【表15】
【0100】
ステップA1106でYesの場合、ステップ1108で、特別図柄情報保険コマンド管理手段1210は、遊技状態一時記憶手段1190等を参照し、副制御基板側で正常な演出表示が実行されていない場合に正常な演出表示の実行を担保させることが可能な情報{例えば、表13及び表14の例の場合であれば、遊技状態が非特別遊技状態である旨の情報、図柄変動中である旨の情報、変動中である図柄が第1特別図柄又は第2特別図柄である旨の情報、実行されている変動態様(変動時間)に関する情報、今回送信される保険コマンドが送信された時点での当該図柄変動の残り時間(進行状況)に関する情報、停止図柄情報}を特別図柄情報保険コマンド関連情報一時記憶手段1211に一時記憶する。次に、ステップA1110で、情報送信手段1300は、特別図柄情報保険コマンド関連情報一時記憶手段1211に一時記憶されている第1特別図柄(第2特別図柄)に係る各種図柄情報を、図柄変動用保険コマンドとして演出制御手段2320側に送信し、次の処理(特別遊技作動条件判定処理1500)に移行する。尚、ステップA1102、ステップA1106でNoの場合には、次の処理(特別遊技作動条件判定処理1500)に移行する。
【0101】
ここで、図24を参照しながら、ステップA1108において、主制御基板側から副制御基板側にシリアル通信される図柄表示時保険コマンド例を説明する。図中の(2)が、ステップA1108において送信される図柄情報のコマンド例である。ここで、「A」は、図柄表示時保険コマンドであることのID(「0010」)であり、「D」は、特別遊技中であるか否かに関するID(例えば「0」は非特別遊技状態)であり、「E」は、図柄変動中であるか否かに関するID(例えば「1」は図柄変動中)であり、「B」は、変動態様(変動時間)を特定するID(例えば「01」は変動時間=30秒)であり、「F」は、図柄の種類を特定するID(例えば「0」は第1特別図柄)であり、「C」は、停止図柄を特定するID(例えば「0000」は「1A」)である。
【0102】
次に、図14は、図9におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、条件判定手段1171は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、特別遊技実行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、条件判定手段1171は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技実行許可フラグをオフにする。次に、ステップ1506で、特別遊技内容決定手段1172は、当該所定態様に基づき、特別遊技内容参照テーブル1172aを参照することにより、当該特別遊技の内容を特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットする。そして、ステップ1507で、特定遊技制御手段1180は、特定遊技関連情報一時記憶手段1182に現在の遊技状態(特別遊技に移行する直前の遊技状態)を一時記憶する。次に、ステップC1502で、遊技状態情報保険コマンド管理手段1230は、特定遊技関連情報一時記憶手段1182に一時記憶されている現在の遊技状態と、当該所定態様に基づき、特別遊技終了後に移行する遊技状態を先読みし、当該遊技状態移行結果情報を遊技状態移行結果情報一時記憶手段1231に一時記憶した後、情報送信手段1300は、遊技状態移行結果情報一時記憶手段1231内の遊技状態移行結果情報を演出制御手段2320側に送信し、ステップ1508に移行する。尚、この遊技状態情報は、特別遊技終了後の遊技状態を決定する際に利用される。以上で、特別遊技内容のセット処理を終了する。
【0103】
ここで、図24を参照しながら、ステップC1502において、主制御基板側から副制御基板側にシリアル通信される特別遊技終了後遊技状態情報例を説明する。図中の(3)が、ステップC1502において送信される特別遊技終了後遊技状態情報例である。ここで、「A」は、特別遊技終了後遊技状態情報であることのID(「0011」)であり、「G」は、特別図柄に関する遊技状態に関するID(例えば「0」は特図通常遊技状態)であり、「H」は、普通図柄に関する遊技状態に関するID(例えば「0」は普図通常遊技状態)である。
【0104】
次に、ステップ1508で、特定遊技終了条件判定手段1181は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、今回の当たりが小当たりでないか否かを判定する。ステップ1508でYesの場合、ステップ1510で、特定遊技終了条件判定手段1181は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域にアクセスし、特図確変フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1510でYesの場合、ステップ1512で、特定遊技終了条件判定手段1181は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域内の特図確変フラグをオフにする。
【0105】
次に、ステップ1516で、特定遊技終了条件判定手段1181は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域にアクセスし、特図時短フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1516でYesの場合、ステップ1518で、特定遊技終了条件判定手段1181は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域にアクセスし、特図時短フラグをオフにする。そして、ステップ1520で、特定遊技終了条件判定手段1181は、特図時短回数カウンタ1181bをクリアして時短回数を0回とする。更に、特定遊技終了条件判定手段1181は、遊技状態一時記憶手段1190のフラグ領域にアクセスし、普図時短フラグをオフにする。以上で、時短状態の一旦終了処理を終了する。
【0106】
以上の処理を終了した後、ステップ1528で、条件判定手段1171は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技移行許可フラグをオンにし、次の処理(ステップ1600の特別遊技制御処理)に移行する。尚、ステップ1502でNoの場合にも次の処理(ステップ1600の特別遊技制御処理)に移行する。
【0107】
次に、図15は、図4におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技開始デモ実行フラグをオンにする。ここで、「特別遊技開始デモ実行フラグ」とは、特別遊技開始デモが実行されている間オンとなるフラグである。次に、ステップD1604で、特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理手段1241は、特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1241aをスタートさせる。次に、ステップD1608で、情報送信手段1300は、特別遊技開始デモ実行コマンドを演出制御手段2320側に送信する。次に、ステップD1610で、特別遊技開始デモ情報保険コマンド管理手段1240は、特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1241aを参照して、所定時間(例えば、10秒)が経過しているか否かを判定する。ステップD1610でYesの場合、ステップD1612で、特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理手段1241は、特別遊技開始デモ情報保険コマンド送信タイミング管理用タイマ1241aをリセットする。次に、ステップD1614及びステップ1606で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技開始デモ実行フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにする。次に、ステップ1608で、情報送信手段1300は、演出制御手段2320側に特別遊技開始信号を送信し、ステップ1612に移行する。他方、ステップ1602でNoの場合、ステップD1606で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、特別遊技開始デモ実行フラグがオフであるか否かを判定する。そして、ステップD1606でNoの場合には、ステップD1608へ移行する。このように、特別遊技開始デモ期間中は、当該処理(ステップ1600)の割り込み処理が実行される度に、特別遊技開始デモ実行コマンドが副制御基板側に送信され続けることになる。他方、ステップD1606でYesもしくはステップD1610でNoの場合、ステップ1610で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1610でYesの場合には、ステップ1612に移行する。尚、ステップ1610でNoの場合には、特別遊技実行手段1173は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(賞球払出処理5000)に移行する。
【0108】
ここで、図24を参照しながら、ステップD1608において、主制御基板側から副制御基板側にシリアル通信される特別遊技開始デモ表示コマンド例を説明する。図中の(4)が、ステップD1608において送信される特別遊技開始デモ表示コマンド例である。ここで、「A」は、特別遊技開始デモ表示コマンドであることのID(「0100」)であり、「I」は、特別遊技開始デモ中であるか否かに関するID(例えば「1」は特別遊技開始デモ中)である。
【0109】
次に、ステップ1612で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、ラウンド継続フラグがオンであるか否か、換言すれば、当該ラウンドが途中であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、当該ラウンドが途中である場合、以下で詳述するステップ1614〜1622の処理を行うことなく、ステップ1626に移行する。他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、当該ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットした開放パターン(例えば、開放し続ける開放パターン、開閉を行うパターン)をセットする。次に、ステップ1616で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の入賞球カウンタをゼロクリアする。次に、ステップ1618で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド数カウンタに1を加算する。尚、特別遊技関連情報一時記憶手段1194に記憶されているラウンド数は、特別遊技開始直後(初期値)は0であり、以後ラウンドを重ねていく毎に1ずつインクリメントされる。次に、ステップ1620で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド継続フラグをオンにする。そして、ステップ1622で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照し、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220のいずれを開放するかを確認した上で、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220の第1大入賞口電動役物2122又は第2大入賞口電動役物2222を駆動して、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220を開放する。次に、ステップB1602で、情報送信手段1300は、ラウンド開始情報を演出制御手段2320側に送信する。次に、ステップB1604で、ラウンド情報保険コマンド管理手段1220は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド数カウンタを参照し、ラウンド情報一時記憶手段1221に一時記憶した後、情報送信手段1300は、ラウンド情報一時記憶手段1221に一時記憶されたラウンド数情報を、演出制御手段2320側に送信し、ステップ1626に移行する。ここで、ステップB1602でラウンド開始情報を副制御基板側に送信するが、これを受信した副制御基板側では当該情報の受信回数をインクリメントすることで、現在実行されているラウンド数を管理し、当該ラウンド数情報をディスプレー上に表示する処理を実行する。しかしながら、副制御基板側でこのラウンド開始情報を正常に受信できなかった場合、実際のラウンド数とディスプレーに表示されているラウンド数とが整合しない状況となる。そこで、このような状況を回避するため、ステップB1604にて現在のラウンド数情報を保険コマンドとして副制御基板側に送信しているのである。
【0110】
ここで、図24を参照しながら、ステップD1604において、主制御基板側から副制御基板側にシリアル通信されるラウンド開始情報例を説明する。図中の(5)が、ステップD1608において送信される特別遊技開始デモ表示コマンド例である。ここで、「A」は、特別遊技時ラウンドであることのID(「0101」)であり、「J」は、ラウンド数に関するID(例えば「1001」は10ラウンド)である。
【0111】
次に、ステップ1626で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照して当該ラウンドで所定球(例えば10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合には、ステップ1630に移行する。他方、ステップ1626でNoの場合、ステップ1628で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技管理用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)を参照して所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ1628でYesの場合にも、ステップ1630に移行し、Noの場合には、次の処理(賞球払出処理5000)に移行する。
【0112】
次に、ステップ1630で、特別遊技実行手段1173は、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220の第1大入賞口電動役物2122又は第2大入賞口電動役物2222の駆動を停止して、第1大入賞口2120又は第2大入賞口2220を閉鎖する。そして、ステップ1632で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技管理用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)をリセットする。次に、ステップ1634で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内のラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ1636で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194を参照して、当該ラウンドが最終ラウンド(例えば、大当たりであれば9ラウンド、小当たりであれば1ラウンド)であるか否かを判定する。ステップ1636でYesの場合、ステップ1638で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194内の特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ9000で、遊技制御手段1100は、後述の特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行する。そして、ステップ1640で、情報送信手段1300は、演出制御手段2320側に特別遊技終了信号を送信し、次の処理(賞球払出処理5000)に移行する。尚、ステップ1636でNoの場合にも、次の処理(賞球払出処理5000)に移行する。
【0113】
次に、図16は、図15におけるステップ9000のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。まず、ステップ9002で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190を参照して今回の当たりの契機となった図柄情報を取得すると共に、特定遊技関連情報一時記憶手段1182を参照して今回の当たり前の遊技状態情報(図14のステップ1507で一時記憶した情報)を取得する。次に、ステップ9004で、特定遊技制御手段1180は、ステップ9002で取得した情報に基づき、特図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183aを参照して特図遊技状態を決定し、遊技状態一時記憶手段1190に当該決定した特図遊技状態をセットする。次に、ステップ9006で、特定遊技制御手段1180は、ステップ9004で決定した特図遊技状態情報に基づき、普図特定遊技可否・内容決定用参照テーブル1183bを参照して普図遊技状態を決定し、遊技状態一時記憶手段1190に当該決定した普図遊技状態をセットする。次に、ステップC9002で、遊技状態情報保険コマンド管理手段1230は、ステップ9004及びステップ9006で決定した遊技状態移行結果を遊技状態移行結果情報一時記憶手段1231内に一時記憶した後、情報送信手段1300は、遊技状態移行結果情報一時記憶手段1231内に一時記憶された遊技状態移行結果を演出制御手段2320側に送信する。ここで、ステップC9002で送信する情報は、図24の(3)に示したものと同一である。そして、ステップ9008で、特定遊技制御手段1180は、遊技状態一時記憶手段1190に一時記憶されている当たり図柄情報及び特定遊技関連情報一時記憶手段1182に一時記憶されている今回の当たり前の遊技状態情報をクリアし、次の処理(ステップ5000の賞球払出処理)に移行する。
【0114】
次に、図17図23のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のサブ基板側での処理の流れを説明する。まず、図17は、演出制御手段2320が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。はじめに、ステップ7100で、演出制御手段2320は、後述する保留情報管理・保留表示処理を実行する。次に、ステップ6100(1)及び(2)で、演出制御手段2320は、後述する第1及び第2装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップ6200(1)及び(2)で、演出制御手段2320は、後述する第1及び第2装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップA6200(1)及び(2)で、後述する第1及び第2装飾図柄表示制御補正処理を実行する。次に、ステップ6300で、演出制御手段2320は、後述する特別遊技中(大当たり中)表示制御処理を実行する。そして、ステップC6400で、演出制御手段2320は、後述する特別遊技終了後遊技状態背景変化表示制御処理を実行し、ステップ7100に戻る処理を繰り返す。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
【0115】
はじめに、図18は、図17でのステップ7100のサブルーチンに係る、保留情報管理・保留表示処理のフローチャートである。まず、ステップ7102で、装図保留情報表示制御手段2322bは、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から保留情報を受信したか否かを判定する。ステップ7102でYesの場合、ステップ7104で、装図保留情報表示制御手段2322bは、装図保留情報一時記憶手段2322b−1の装図保留カウンタ値に1を加算する。そして、ステップ7105で、装図保留情報表示制御手段2322bは、装図保留情報一時記憶手段2322b−1の装図保留カウンタ値と同数の保留表示をし、次の処理{ステップ6100(1)の第1装飾図柄表示内容決定処理}に移行する。他方、ステップ7102でNoの場合、ステップ7106で、装図保留情報表示制御手段2322bは、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から新たな図柄情報を受信したか否かを判定する。ステップ7106でYesの場合、ステップ7108で、装図保留情報表示制御手段2322bは、装図保留情報一時記憶手段2322b−1の装図保留カウンタ値に1を減算する。そして、ステップ7110で、演出制御手段2320は、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアにアクセスし、図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップ7105に移行する。
【0116】
次に、図19は、図17でのステップ6100(1)及び(2)のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。ここで、第1装飾図柄に係るステップ6100(1)と第2装飾図柄に係るステップ6100(2)とは処理が共通するので、両者を一纏めにして説明することとする。まず、ステップ6102で、装図表示内容決定手段2322a−1は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御基板1000側から新たな図柄情報を受信したか否かを判定する。ステップ6102でYesの場合、ステップ6104で、装図表示内容決定手段2322a−1は、ステップ6102で受信した図柄情報に基づき、装図変動内容決定用抽選テーブル2322a−1−1及び停止図柄決定用抽選テーブル2322a−1−2を参照し、装飾図柄の変動態様と停止図柄を決定する。そして、ステップ6106で、装図表示内容決定手段2322a−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアにアクセスし、図柄内容決定フラグをオンにし、次の処理{ステップ6200(1)の第1装飾図柄表示制御処理}に移行する。
【0117】
次に、図20は、図17でのステップ6200(1)及び(2)のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。ここで、第1装飾図柄に係るステップ6200(1)と第2装飾図柄に係るステップ6200(2)とは処理が共通するので、両者を一纏めにして説明することとする。まず、ステップ6202で、装飾図柄表示制御手段2322aは、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアを参照し、図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ6202でYesの場合、ステップ6204で、装飾図柄表示制御手段2322aは、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアを参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ6204でYesの場合、ステップ6206及びステップ6208で、装飾図柄表示制御手段2322aは、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリア内の図柄変動中フラグをオンにすると共に、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ6210で、装飾図柄表示制御手段2322aは、演出表示関連情報一時記憶手段2322cの図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容に従い、演出表示装置2310の装図表示部2311上で装飾図柄の変動表示を開始する。
【0118】
そして、ステップ6212で、装飾図柄表示制御手段2322aは、メイン側情報一時記憶手段2121aを参照し、主制御装置1000側から確定表示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ6212でYesの場合、ステップ6214で、装飾図柄表示制御手段2322aは、演出表示関連情報一時記憶手段2322cの図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容(停止図柄)に従い、演出表示装置2310の装図表示部2311上で装飾図柄の停止図柄を確定表示する。そして、ステップ6216で、装飾図柄表示制御手段2322aは、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリア内の図柄変動中フラグをオフにし、次の処理{ステップ6200(1)の場合にはステップ6200(2)の第2装飾図柄表示制御処理、ステップ6200(2)の場合にはステップA6200(1)の第1装飾図柄表示制御補正処理}に移行する。
【0119】
尚、ステップ6202でNoの場合はステップ6212に移行し、ステップ6204及びステップ6212でNoの場合は次の処理{ステップ6200(1)の場合にはステップ6200(2)の第2装飾図柄表示制御処理、ステップ6200(2)の場合にはステップA6200(1)の第1装飾図柄表示制御補正処理}に移行する。
【0120】
次に、図21は、図17でのステップA6200(1)及び(2)のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御補正処理のフローチャートである。ここで、第1装飾図柄に係るステップA6200(1)と第2装飾図柄に係るステップA6200(2)とは処理が共通するので、両者を一纏めにして説明することとする。まず、ステップA6204で、装飾図柄表示補正制御手段2500は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から第1特別図柄(第2特別図柄)に係る各種図柄表示情報の保険コマンド{図24の(2)を参照}を受信したか否かを判定する。ステップA6204でYesの場合、装飾図柄表示補正制御手段2500は、装図表示補正内容決定用参照テーブル2501a及び補正停止図柄決定用参照テーブル2501bを参照し、受信した図柄表示情報の保険コマンドに基づき、現在実行されている筈である演出内容を導出すると共に、導出された当該演出内容が正常に実行されているか否かを判定する。そして、ステップA6206でYesの場合、装図表示補正内容決定手段2501は、受信した保険コマンドに基づき、装図表示補正内容決定用参照テーブル2501a及び補正停止図柄決定用参照テーブル2501bを参照することで、切り替えるべき補正内容を特定し、次の処理(特別遊技中表示制御処理6300)に移行する。例えば、(1)図柄表示に関する保険コマンドを受信した場合に図柄変動自体が実行されていない場合(図柄変動開始コマンドが正常に受信できなかったことが原因)には、当該保険コマンドから導かれた演出を途中から実行し(例えば、30秒の演出が実行されるべきところ実行されず5秒後に保険コマンドを受信した場合には、当該演出の前半5秒を削除したところから当該演出が実行)、(2)図柄表示に関する保険コマンドを受信した場合に図柄変動自体が実行されているものの正しい演出が実行されていない場合(図柄変動開始コマンドを誤ったデータとして受信したことが原因)には、当該保険コマンドから導かれた演出と差替え{例えば、30秒の演出が実行されるべきところ誤って10秒の演出が実行されている状況下、変動開始から5秒後に保険コマンドを受信した場合には、当該演出の前半5秒間は誤った演出(10秒演出)を実行し、その後の後半25秒で正しい演出(30秒演出)を実行}、(3)図柄表示に関する保険コマンドを受信した場合に誤った停止図柄がセットされていた場合(停止図柄情報を誤ったデータとして受信したことが原因)には、正しい停止図柄情報を上書きする。
【0121】
次に、図22は、図17でのステップ6300のサブルーチンに係る、特別遊技中(大当たり中)表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップD6320で、表示制御手段2322は、演出表示関連一時記憶手段2322cのフラグエリアを参照し、特別遊技開始デモフラグがオフであるか否かを判定する。ステップD6302でYesの場合、ステップD6304で、表示制御手段2322は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技開始デモ実行コマンドを受信したか否かを判定する。ステップD6304でYesの場合、表示制御手段2322は、演出表示関連一時記憶手段2322cのフラグエリア内の特別遊技開始デモフラグをオンにする。次に、ステップD6308で、演出制御手段2322は、演出表示装置2310上で大当たり開始デモを表示し、ステップ6302を実行する。尚、ステップD6302又はD6304でNoの場合、ステップ6302に移行する。ここで、前述したように、主制御基板側での特別遊技制御処理1600では、特別遊技開始デモ期間中は、初回+当該割り込み処理が実行される回数分、特別遊技開始デモ実行コマンドが副制御基板側に送信され続ける(図15参照)。したがって、主制御基板側から初回に送信された特別遊技開始デモ実行コマンドを副制御基板側で正常に受信できなかったとしても、その後に送信される特別遊技開始デモに関する保険コマンド{図24の(4)参照}の複数回受信により、正常に特別遊技開始デモを実行することが担保される。
【0122】
次に、ステップ6302で、表示制御手段2322は、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアを参照し、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ6302でYesの場合、ステップ6304で、表示制御手段2322は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技開始信号を受信したか否かを判定する。ステップ6304でYesの場合、ステップD6310、ステップ6306及びステップ6308で、表示制御手段2322は、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリア内の特別遊技開始デモフラグをオフにし、特別遊技中フラグをオンにすると共に、演出表示装置2310上で大当たり開始表示を行う。次に、ステップB6302で、ラウンド表示補正制御手段2510は、ラウンド情報一時記憶手段2511内のラウンドカウント情報をリセットする。次に、ステップB6304で、表示制御手段2322は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側からラウンド開始情報を受信したか否かを判定する。ステップB6304でYesの場合、ステップB6306で、表示制御手段2322は、ラウンド情報一時記憶手段2511内のラウンドカウント情報を1だけインクリメントする。次に、ステップB6308で、ラウンド表示補正制御手段2510は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側からラウンド数情報に関する保険コマンド{図24の(5)参照}を受信したか否かを判定する。ステップB6308でYesの場合、ラウンド表示補正制御手段2510は、受信した保険コマンドから導出されたラウンド数情報をラウンド情報一時記憶手段2511内のラウンド数管理情報に更新する。次に、ステップB6312で、ラウンド表示補正制御手段2510は、ラウンド情報一時記憶手段2511内のフラグエリアを参照し、ラウンドカウント情報とラウンド数管理情報が異なっているか否かを判定する。ステップB6312でYesの場合、ラウンド表示補正制御手段2510は、ラウンド情報一時記憶手段2511内のラウンドカウント情報をラウンド数管理情報に更新する。そして、ステップ6310で、表示制御手段2322は、演出表示装置2310上で、ラウンド情報一時記憶手段2511内のラウンド数管理情報に基づきラウンド数を表示し、ステップ1624で主制御装置1000側から逐次送信されている遊技情報に基づき入賞個数を逐次表示する。次に、ステップ6312で、表示制御手段2322は、メイン側情報一時記憶手段23121aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技終了信号を受信したか否かを判定する。ステップ6312でYesの場合、ステップ6314で、表示制御手段2322は、演出表示装置2310上で、大当たり終了表示を行う。そして、ステップ6316で、表示制御手段2322は、演出表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリア内の特別遊技中フラグをオフにし、次の処理(ステップ7100の保留情報管理・保留表示制御処理)に移行する。尚、ステップ6302でNoの場合はステップB6304に移行し、ステップB6304でNoの場合はステップB6308に移行し、ステップ6308でNoの場合はステップB6312に移行し、ステップB6312でNoの場合はステップ6310に移行し、ステップ6304及びステップ6312でNoの場合は次の処理(ステップ7100の保留情報管理・保留表示制御処理)に移行する。
【0123】
次に、図23は、図17でのステップC6400のサブルーチンに係る、特別遊技終了後遊技状態背景変化表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップC6402で、表示制御手段2322は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技終了後遊技状態に関する情報を受信したか否かを判定する。ここで、特別遊技終了後遊技状態に関する情報は、前述したように、特別遊技実行直前の特別遊技作動条件判定処理(図14参照)のステップC1502において主制御基板側から副制御基板側に送信される。ステップC6402でYesの場合、ステップC6404で、表示制御手段2322は、遊技状態移行結果情報一時記憶手段2522に、遊技状態移行結果情報を一時記憶する。次に、ステップC6406で、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520は、メイン側情報一時記憶手段2321aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技終了後遊技状態に関する保険コマンド{図24の(3)参照}を受信したか否かを判定する。ここで、当該保険コマンドは、前述したように、特別遊技終了後の遊技状態決定処理(図16)のステップC9002において主制御基板側から副制御基板側に送信される。このように、特別遊技終了後の遊技状態に関しては、特別遊技実行直前に受信して一時記憶されている筈である(ステップC6404)であるが、当該情報の受信が正常になされていない可能性を踏まえ、このタイミングで同一情報を保険コマンドとして受信し、正常に当該情報が一時記憶されていない場合に下記の処理にて正常化するのである。そこで当該処理を説明すると、ステップC6406でYesの場合、ステップC6408で、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520は、受信した特別遊技終了後遊技状態に関する保険コマンドから導出された「特別遊技終了後の遊技状態」が遊技状態移行結果情報一時記憶手段2522に一時記憶されている「特別遊技状態後の遊技状態」と異なっているか否かを判定する。ステップC6408でYesの場合、ステップC6414で、遊技状態背景変化表示補正制御手段2520は、特別遊技終了後遊技状態に関する保険コマンドから導出された遊技状態を正しい遊技状態として把握し遊技状態移行結果情報一時記憶手段2522に上書きする。そして、ステップC6416で、表示制御手段2322は、遊技状態移行結果情報一時記憶手段2522内の遊技状態情報に従い、背景変化処理を実行して終了する。尚、ステップC6402でNoの場合はステップC6406へ移行し、ステップC6408でNoの場合はステップC6416へ移行し、C6406でNoの場合は当該処理を終了する。
【0124】
次に、図25図26を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の作用について説明することとする。本最良形態に係るパチンコ遊技機においては、一方の基板から他方の基板に対してある情報を送信した後、当該ある情報に関連した保険情報(他方の基板が当該ある情報を導ける情報)を追加的に送信するように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0125】
図25に示すように主制御装置1000を含む第一基板と、演出制御手段2320を含む第二基板とは、第一基板から第二基板への一方向シリアル通信によって情報を送信できるように構成されている。このような構成において従来技術では、特別図柄の変動開始時に1回だけ第一基板から第二基板に対して、特別図柄種類「ハズレ」と変動態様「30秒」の情報を送信している。そのため、静電気ノイズなどの外的要因により、当該送信情報の特別図柄種類に係る情報が「ハズレ」から「大当たり」へ変化してしまった場合、第二基板側では変動終了まで変化してしまった不正な情報を基に動作することになる。その結果、特別図柄の変動終了時には、第一基板側では特別図柄種類「ハズレ」を意味する「─」が表示され、第二基板側では特別図柄種類「大当たり」を意味する「7・7・7」が表示されるという不正動作が表面化することが考えられる。
【0126】
本最良形態においても、特別図柄の変動開始時には第一基板から第二基板に対して、特別図柄種類「ハズレ」と変動態様「30秒」の情報を送信しており、静電気ノイズなどの外的要因により、当該送信情報の特別図柄種類に係る情報が「ハズレ」から「大当たり」へ変化してしまった場合には、第二基板側ではひとまず不正な情報を基に動作することになる。
【0127】
しかしながら、本最良形態においては、特別図柄の変動終了までの間に変動開始時に送信された情報を導出できる保険コマンド(保険情報)を複数回一定間隔で追加送信し続けることができるよう構成されているため、静電気ノイズなどの外的要因が取り除かれたm回目以降(変動開始から15秒以降)の送信においては、特別図柄種類「ハズレ」の正しい情報を第二基板側で受信できるという効果を奏し得る。その結果、第二基板側ではm回目に受信した正しい情報を基に動作を補正することが可能となるため、特別図柄の変動終了時には、第一基板側では特別図柄種類「ハズレ」を意味する「─」が表示され、第二基板側でも特別図柄種類「ハズレ」を意味する「7・6・7」が表示されることで正常動作に復帰することとなる。
【0128】
また図26は、第一基板から第二基板に対して、特別図柄の変動開始時に特別図柄種類「ハズレ」と変動態様「30秒」の情報を送信しており、当該送信情報の変動態様に係る情報が「30秒」から「10秒」へ変化してしまった例である。この例においても従来技術では、第二基板側では変動終了まで変化してしまった不正な情報を基に動作することになる。その結果、特別図柄の変動開始から10秒後において、第一基板側では特別図柄の変動中状態であり、特別図柄種類「ハズレ」を意味する「─」が未だ表示されない状態である一方、第二基板側では特別図柄種類「ハズレ」を意味する「7・6・6」が表示されるという不正動作が表面化することが考えられる。
【0129】
本例における最良形態においても、特別図柄の変動開始時に特別図柄種類「ハズレ」と変動態様「30秒」の情報を送信しており、当該送信情報の変動態様に係る情報が「30秒」から「10秒」へ変化してしまった場合には、第二基板側ではひとまず不正な情報を基に動作することになる。
【0130】
しかしながら、本最良形態においては、特別図柄の変動終了までの間に変動開始時に送信された情報を導出できる保険コマンド(保険情報)を複数回一定間隔で追加送信し続けることができるよう構成されているため、静電気ノイズなどの外的要因が取り除かれたm回目以降(変動開始から5秒以降)の送信においては、変動時間「30秒」の正しい情報を第二基板側で受信できるという効果を奏し得る。その結果、第二基板側ではm回目に受信した正しい情報を基に動作を補正することが可能となるため、特別図柄の変動開始から10秒後において、第一基板と第二基板共に図柄変動中の状態となることで正常動作に復帰することとなる。その後、特別図柄の変動終了時には、第一基板側では特別図柄種類「ハズレ」を意味する「─」が表示され、第二基板側でも特別図柄種類「ハズレ」を意味する「7・6・7」が表示されることとなる。
【0131】
また、本最良形態においては、当り図柄の種類によって特別遊技中に複数回のラウンド継続が可能となる場合がある(表7参照)。複数回のラウンド継続が可能な場合、特別遊技中のある時点において、現在までに継続しているラウンド回数を第一基板側から第二基板側に送信することが考えられる。このような場合においても本最良形態では、特別遊技開始時に加えて夫々のラウンド開始時点において当該情報を第一基板側から第二基板側へ追加送信することができるよう構成されているため、特別遊技開始時に送信されたラウンド情報を第二基板側が不正に受信してしまっても、第二基板側で正しい情報を受信したラウンド以降は、正常動作に復帰することが可能となるという効果を奏し得る。
【0132】
また、本最良形態においては、特別遊技開始時の遊技状態と当り図柄に基づき、特別遊技終了時の遊技状態移行結果を決定できるよう構成されており(表8参照)、決定された遊技状態移行結果を第一基板側から第二基板側に送信することが考えられる。このような場合においても本最良形態では、特別遊技開始直前に加えて特別遊技終了直後において当該情報を第一基板側から第二基板側へ追加送信することができるよう構成されているため、特別遊技開始直前に送信された遊技状態移行結果を第二基板側が不正に受信してしまっても、特別遊技終了直後に第二基板が正しい情報を受信することで、正常動作に復帰することが可能となるという効果を奏し得る。
【0133】
また、本最良形態においては、特別図柄が所定態様となり特別遊技が開始されるまでの間に、特別遊技開始デモが実行されるよう構成されており、特別遊技開始デモ実行指示を第一基板側から第二基板側に送信することが考えられる。このような場合においても本最良形態では、特別図柄が所定態様となった直後に加えて特別遊技が開始されるまでの一定間隔において、当該情報を複数回第一基板側から第二基板側へ追加送信することができるよう構成されているため、特別図柄が所定態様となった直後に送信された特別遊技開始デモ実行指示を第二基板側が不正に受信してしまっても、第二基板側で正しい情報を受信したタイミング以降は、正常動作に復帰することが可能となるという効果を奏し得る。
【0134】
次に、本最良形態の変更例を説明する。本最良形態では、特別図柄に係る情報、特別遊技中のラウンドに係る情報、遊技状態移行結果に係る情報、特別遊技開始デモ実行指示を、第一基板側から第二基板側へ追加送信することができるよう構成されているがこれには限定されず、例えば表16に記載されるコマンドを例に挙げることができる。
【表16】
【0135】
尚、表16において「限定頻度」とは、限定された回数だけ、特別図柄の変動態様を決定する際に、特図確変フラグ及び/又は特図時短フラグが所定状態であるときに、本来参照されるテーブルとは異なる特殊テーブルが参照される状態を指す。
【0136】
次の変更例を説明する。本最良形態では、静電気ノイズなどの外的要因が取り除かれた時点において、第一基板側から第二基板側へ送信された情報を正しい情報とするよう構成されているがこれには限定されない。例えば、第一基板側から第二基板側へ複数回に亘って追加送信された情報を一定回数(例えば5回)サンプリングし、所定回数(例えば3回)以上受信された種類の情報を正しい情報とするように構成してもよい。また、第一基板側から第二基板側へ複数回に亘って追加送信された情報を一定回数(例えば5回)サンプリングし、所定回数(例えば3回)以上連続して同一の情報を受信した場合に正しい情報とするように構成してもよい。
【符号の説明】
【0137】
1000 主制御装置
1140 図柄内容決定手段
1200 保険コマンド制御手段
1300 情報送信手段
2320 演出制御手段
2321 情報受信手段
2500 装飾図柄表示補正制御手段
2510 ラウンド表示補正制御手段
2520 遊技状態背景変化表示補正制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26