特許第5721414号(P5721414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721414
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】外科用クリップ適用具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   A61B17/12 320
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2010-273070(P2010-273070)
(22)【出願日】2010年12月7日
(65)【公開番号】特開2011-120908(P2011-120908A)
(43)【公開日】2011年6月23日
【審査請求日】2013年10月22日
(31)【優先権主張番号】61/285,006
(32)【優先日】2009年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/939,296
(32)【優先日】2010年11月4日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスラウ ティー. マルコウスキー
(72)【発明者】
【氏名】ケネス シャウ
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3675688(US,A)
【文献】 国際公開第2008/127968(WO,A2)
【文献】 実開昭51−094654(JP,U)
【文献】 特開2003−210469(JP,A)
【文献】 特開平02−004359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068― 17/072
A61B 17/10
A61B 17/115
A61B 17/12 ― 17/128
G06M 1/04 ― 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用クリップ適用具であって、該外科用クリップ適用具は、
筐体と、
該筐体に旋回可能に接続されている少なくとも1つのハンドルと、
該筐体から遠位に延伸しているチャネルアセンブリと、
クリップキャリア内に装填されている複数のクリップと、
該筐体内および該チャネルアセンブリ内に並進可能に支持されているドライブチャネルであって、該ドライブチャネルは、該少なくとも1つのハンドルが作動すると並進される、ドライブチャネルと、
該筐体内に支持されているカウンタ機構と
を含み、
該カウンタ機構は、
該筐体内に回転可能に支持されたカウンタダイヤルと、
該ドライブチャネルと該カウンタダイヤルに動作可能に接続されているカウンタクラッチであって、該カウンタクラッチの第1の回転方向の回転は、該カウンタダイヤルの該第1の回転方向の回転を生じさせる結果となり、該カウンタクラッチの第2の回転方向の回転は、該カウンタダイヤルの回転を生じさせない結果となり、該カウンタクラッチは、該カウンタダイヤル内に規定された開口部内に同心で回転可能に入れ子に収められており、該カウンタ機構に対して第1の並進方向に該ドライブチャネルが並進することは、該第1の回転方向に該カウンタクラッチが回転することを直接的に引き起こし、該カウンタ機構に対して第2の並進方向に該ドライブチャネルが並進することは、該第2の回転方向に該カウンタクラッチが回転することを直接的に引き起こす、カウンタクラッチと、
該カウンタダイヤル上に配置されている印であって、該筐体を通して視認可能な印と
を含み、
該印は、該クリップ適用具内に装填されているクリップの量に対応し、該クリップ適用具の毎回の発射の結果、該複数のクリップのうちの残留しているクリップの量が低減すると、該印が減算する、外科用クリップ適用具。
【請求項2】
前記カウンタ機構は、前記カウンタダイヤルと動作可能に係合されているラッチ部材を含み、該ラッチ部材は、該カウンタダイヤルが前記第1の回転方向に回転することを可能にし、かつ、該カウンタ機構が該第1の回転方向と逆の方向に回転することを禁止する、請求項1に記載のクリップ適用具。
【請求項3】
前記カウンタダイヤルは、該カウンタダイヤルの外周に形成された複数の溝を含み、前記ラッチ部材は、該カウンタダイヤルの該複数の溝と係合するように付勢されている弾性の指を含む、請求項2に記載のクリップ適用具。
【請求項4】
前記カウンタクラッチは、前記カウンタダイヤルの前記開口部の周囲の表面に形成された単方向の歯と係合するために、該カウンタクラッチから延伸している少なくとも1つの弾性の指を含む、請求項1に記載のクリップ適用具。
【請求項5】
前記ドライブチャネルは、該ドライブチャネル内に斜めのスロットを規定し、前記カウンタクラッチは、該カウンタクラッチの表面から延伸し、かつ、該ドライブチャネルの該斜めのスロット内にスライド可能に配置されているクラッチピンを含み、前記カウンタ機構に対して前記第1の並進方向に該ドライブチャネルが並進することは、該ドライブチャネルの該斜めのスロットによって該クラッチピンがカム作用され、それによって該カウンタクラッチを前記第1の回転方向に回転させ、該カウンタ機構に対して前記第2の並進方向に該ドライブチャネルが並進することは、該ドライブチャネルの該斜めのスロットによって該クラッチピンがカム作用され、それによって該カウンタクラッチを前記第2の回転方向に回転させる、請求項4に記載のクリップ適用具。
【請求項6】
前記カウンタ機構は、前記カウンタダイヤルと動作可能に係合されているラッチ部材を含み、該ラッチ部材は、該カウンタダイヤルが前記第1の回転方向に回転することを可能にし、かつ、該カウンタ機構が該第1の回転方向と逆の方向に回転することを禁止する、請求項5に記載のクリップ適用具。
【請求項7】
前記カウンタダイヤルは、該カウンタダイヤルの外周に形成された複数の溝を含み、前記ラッチ部材は、該カウンタダイヤルの該複数の溝と係合するように付勢されている弾性の指を含む、請求項6に記載のクリップ適用具。
【請求項8】
前記カウンタ機構は、
前記カウンタダイヤルの外周の縁に形成されているロックアウト溝と、
前記筐体内に支持されているロックアウトであって、該ロックアウトは、該ロックアウトの第1の捕捉部が該カウンタダイヤルの外周の縁に対して係合するように付勢されている、ロックアウトと
を含み、
該カウンタダイヤルが回転されて、該カウンタダイヤルの該ロックアウト溝が該ロックアウトの該第1の捕捉部と契合するようになった場合、該ロックアウトの該第1の捕捉部は、該ロックアウト溝の中へ推進され、それによって該カウンタダイヤルが逆方向に回転することを防止する、請求項1に記載のクリップ適用具。
【請求項9】
前記ロックアウトは、第2の捕捉部を含み、該第2の捕捉部は、該ロックアウトの前記第1の捕捉部が前記カウンタダイヤルの前記ロックアウト溝の中へ移動される場合、前記クリップ適用具の並進部材の進路の中へ移動し、それによって該クリップ適用具の該並進部材の並進を禁止する、請求項8に記載のクリップ適用具。
【請求項10】
前記カウンタダイヤルの前記ロックアウト溝は、前記複数のクリップのうちの最後のクリップが発射された場合、前記ロックアウトの前記第1の捕捉部と契合するように移動する、請求項9に記載のクリップ適用具。
【請求項11】
前記カウンタダイヤルの前記ロックアウト溝は、前記カウンタ機構の上の印に関連付けられ、該印は、前記最後のクリップが発射されたことを示す、請求項10に記載のクリップ適用具。
【請求項12】
前記複数のクリップのうちの前記最後のクリップが発射されたことを示す前記カウンタ機構の上の前記印は、数「零」によって表象される、請求項11に記載のクリップ適用具。
【請求項13】
ラチェット機構をさらに含み、
該ラチェット機構は、
前記筐体内に旋回可能に支持されているラチェット歯止と、
前記並進部材上に提供されているラック部材と
を含み、
該ラック部材は、該ラチェット歯止との位置を合わせて動作し、該ラック部材は、該並進部材が並進する場合、該ラチェット歯止を横切って並進する、請求項9に記載のクリップ適用具。
【請求項14】
前記ラチェット機構は、前記ラック部材が完全に並進し終わっていない場合、リセットすることが防止される、請求項13に記載のクリップ適用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月9日出願の米国仮特許出願第61/285,006号の利益と優先権を主張し、該仮特許出願の全体内容が本明細書において参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、外科用器具に関する。より詳細には、本開示は、外科手術の期間中に体組織および管にクリップを適用するための複数のクリップを有する外科用クリップ適用具に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の議論)
外科用クリップ適用具は本分野において公知であり、従来の体組織および管の縫合に対する代替手段を提示することによって、外科医の間で人気が増している。典型的な器具は、Greenらに対する特許文献1およびBurbank,IIIらに対する特許文献2において開示されている。これらの器具は一般的に複数のクリップを提供し、複数のクリップは、器具内に格納され、器具の近位の端にあるハンドルを開閉することによって、器具の遠位の端にあるあご構造に逐次的に供給される。ハンドルが閉じられると、あごはあご部材の間に位置したクリップを加圧変形させるように閉じ、あごが加圧変形されたクリップを開放するように開かれると、新たなクリップが一連のクリップからあごの間にある位置に供給される。このプロセスは、一連のクリップ中のすべてのクリップが使用されるまで繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,030,226号明細書
【特許文献2】米国特許第5,431,668号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クリップ適用具内にいくつのクリップが残っているかを知る、および/または、いつ複数のクリップのうちの最後のクリップが発射されたかを知るニーズが、クリップ適用具の使用者に存在する。
【0006】
本出願は、外科手術の期間中に体組織および管にクリップを適用するための複数のクリップを有する外科用クリップ適用具と、その使用方法とに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面に従って、外科用クリップ適用具は、筐体と、筐体に旋回可能に接続された少なくとも1つのハンドルと、筐体から遠位に延伸しているチャネルアセンブリと、クリップキャリア内に装填された複数のクリップと、筐体内およびチャネルアセンブリ内に並進可能に支持されたドライブチャネルと、少なくとも1つのハンドルが作動されると並進されるドライブチャネルと、筐体内に支持されたカウンタ機構とを含み、カウンタ機構は筐体を通して視認可能な印を含み、ここで印は、クリップ適用具内に装填されたクリップの量に対応し、印は、クリップ適用具の毎回の発射の結果、複数のクリップのうちの残留しているクリップの量が低減すると減算するように提供される。
【0008】
カウンタ機構は、筐体内に回転可能に支持され得、カウンタ機構が単一の方向に回転することを可能にする単方向クラッチを含み得る。カウンタ機構は、筐体内に回転可能に支持されたカウンタダイヤルを含み得、ここで、カウンタダイヤルはその印を含み、カウンタクラッチはカウンタダイヤルに動作可能に接続され、それによって、カウンタクラッチが第1の方向に回転する結果、カウンタダイヤルは第1の方向に回転し、カウンタクラッチが第2の方向に回転する結果、カウンタダイヤルは回転しない。
【0009】
カウンタ機構は、カウンタダイヤルと動作可能に係合されたラッチ部材を含み得る。使用において、ラッチ部材は、カウンタダイヤルが第1の方向に回転することを可能にし、カウンタ機構が第1の方向と逆の方向に回転することを禁止する。
【0010】
カウンタダイヤルは、その外周に形成された複数の溝を含み得、ラッチ部材は、カウンタダイヤルの複数の溝と係合するように付勢された弾性の指を含み得る。
【0011】
カウンタクラッチは、カウンタダイヤル内に規定された開口部内に同心で回転可能なように入れ子に収められ得る。カウンタクラッチは、カウンタダイヤルの開口部の周囲の表面に形成された単方向の歯と係合するために、カウンタクラッチから延伸する少なくとも1つの弾性の指を含み得る。
【0012】
ドライブチャネルは、その中に斜めのスロットを規定し得、カウンタクラッチは、その表面から延伸し、ドライブチャネルの斜めのスロット内にスライド可能に配置され得るクラッチピンを含み得る。使用において、カウンタ機構に対して第1の方向にドライブチャネルを並進することにより、クラッチピンがドライブチャネルの斜めのスロットによってカム作用され、それによってカウンタクラッチが第1の方向に回転し、カウンタ機構に対して第2の方向にドライブチャネルを並進することにより、クラッチピンがドライブチャネルの斜めのスロットによってカム作用され、それによってカウンタクラッチが第2の方向に回転する。
【0013】
カウンタ機構は、カウンタダイヤルと動作可能に係合されたラッチ部材を含み得る。使用において、ラッチ部材は、カウンタダイヤルが第1の方向に回転することを可能にし、カウンタ機構が第1の方向と逆の方向に回転することを禁止する。
【0014】
カウンタ機構は、その外周の縁に形成されたロックアウト溝を規定するカウンタダイヤルを含み得、ロックアウトは筐体内に支持される。ロックアウトは、その第1の捕捉部がカウンタダイヤルの外周の縁に対して係合するように付勢され得る。使用において、カウンタダイヤルが回転され、カウンタダイヤルのロックアウト溝がロックアウトの第1の捕捉部と契合するようになったとき、ロックアウトの第1の捕捉部はロックアウト溝の中へ推進させられ、それによって、カウンタダイヤルが逆方向に回転することを防止する。
【0015】
ロックアウトは第2の捕捉部を含み得る。使用において、ロックアウトの第2の捕捉部は、ロックアウトの第1の捕捉部がカウンタダイヤルのロックアウト溝の中へ移動される場合、クリップ適用具の並進部材の進路の中へ移動し、それによって、クリップ適用具の並進部材の並進を禁止する。
【0016】
カウンタダイヤルのロックアウト溝は、複数のクリップのうちの最後のクリップが発射された場合、ロックアウトの第1の捕捉部と契合するように移動し得る。カウンタダイヤルのロックアウト溝は、カウンタ機構の上の印に関連付けられ得、この印は、最後のクリップが発射されたことを指示する。複数のクリップのうちの最後のクリップが発射されたことを指示するカウンタ機構の上の印は、数「零」によって表象され得る。
【0017】
クリップ適用具は、筐体内に旋回可能に支持されたラチェット歯止を有するラチェット機構をさらに含み得、ラック部材が並進部材上に提供される。ラック部材は、ラチェット歯止との位置を合わせて動作し得る。使用において、ラック部材は、並進部材が並進するとき、ラチェット歯止を横切って並進する。ラチェット機構は、ラック部材が完全に並進し終わっていない場合、リセットすることが防止され得る。
【0018】
以上により、本発明は、以下の手段を提供する。
【0019】
(項目1)
外科用クリップ適用具であって、
筐体と、
該筐体に旋回可能に接続されている少なくとも1つのハンドルと、
該筐体から遠位に延伸しているチャネルアセンブリと、
クリップキャリア内に装填されている複数のクリップと、
該筐体内および該チャネルアセンブリ内に並進可能に支持されているドライブチャネルであって、該ドライブチャネルは、該少なくとも1つのハンドルが作動すると並進される、ドライブチャネルと、
該ハウジング内に支持されているカウンタ機構であって、該カウンタ機構は、該筐体を通して視認可能な印を含み、該印は、該クリップ適用具内に装填されている複数のクリップに対応し、該印は、該クリップ適用具の毎回の発射の結果、該複数のクリップのうちの残留しているクリップの量が低減すると減算する、外科用クリップ適用具。
【0020】
(項目2)
上記カウンタ機構は、上記筐体内に回転可能に支持され、該カウンタ機構が単一の方向に回転することを可能にする単方向クラッチ部材を含む、項目1に記載のクリップ適用具。
【0021】
(項目3)
上記カウンタ機構は、
上記筐体内に回転可能に支持されているカウンタダイヤルであって、該カウンタダイヤルは該カウンタダイヤルの上記印を含む、カウンタダイヤルと、
該カウンタダイヤルに動作可能に接続されているカウンタクラッチであって、該カウンタクラッチの第1の方向の回転は、該カウンタダイヤルの該第1の方向の回転を生じ、該カウンタクラッチの第2の方向の回転は、該カウンタダイヤルの回転を生じない、カウンタクラッチと
を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0022】
(項目4)
上記カウンタ機構は、上記カウンタダイヤルと動作可能に係合されているラッチ部材を含み、該ラッチ部材は、該カウンタダイヤルが上記第1の方向に回転することを可能にし、該カウンタ機構が該第1の方向と逆の方向に回転することを禁止する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0023】
(項目5)
上記カウンタダイヤルは、該カウンタダイヤルの外周に形成された複数の溝を含み、上記ラッチ部材は、該カウンタダイヤルの該複数の溝と係合するように付勢されている弾性の指を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0024】
(項目6)
上記カウンタクラッチは、上記カウンタダイヤル内に規定された開口部内に同心で回転可能に入れ子に収められ、該カウンタクラッチは、該カウンタダイヤルの該開口部の周囲の表面に形成された単方向の歯と係合するために、該カウンタクラッチから延伸している少なくとも1つの弾性の指を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0025】
(項目7)
上記ドライブチャネルは、該ドライブチャネル内に斜めのスロットを規定し、上記カウンタクラッチは、該カウンタクラッチの表面から延伸し、かつ、該ドライブチャネルの該斜めのスロット内にスライド可能に配置されているクラッチピンを含み、上記カウンタ機構に対して第1の方向に該ドライブチャネルが並進することは、該ドライブチャネルの該斜めのスロットによって該クラッチピンがカム作用され、それによって該カウンタクラッチを該第1の方向に回転させ、該カウンタ機構に対して第2の方向に該ドライブチャネルが並進することは、該ドライブチャネルの該斜めのスロットによって該クラッチピンがカム作用され、それによって該カウンタクラッチを該第2の方向に回転させる、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0026】
(項目8)
上記カウンタ機構は、上記カウンタダイヤルと動作可能に係合されているラッチ部材を含み、該ラッチ部材は、該カウンタダイヤルが上記第1の方向に回転することを可能にし、該カウンタ機構が該第1の方向と逆の方向に回転することを禁止する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0027】
(項目9)
上記カウンタダイヤルは、該カウンタダイヤルの外周に形成された複数の溝を含み、上記ラッチ部材は、該カウンタダイヤルの該複数の溝と係合するように付勢されている弾性の指を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0028】
(項目10)
上記カウンタ機構は、
ロックアウト溝を規定しているカウンタダイヤルであって、該ロックアウト溝は、該カウンタダイヤルの外周の縁に形成されている、カウンタダイヤルと、
上記筐体内に支持されているロックアウトであって、該ロックアウトは、該ロックアウトの第1の捕捉部が該カウンタダイヤルの外周の縁に対して係合するように付勢されている、ロックアウトと
を含み、
該カウンタダイヤルが回転されて、該カウンタダイヤルの該ロックアウト溝が該ロックアウトの該第1の捕捉部と契合するようになった場合、該ロックアウトの該第1の捕捉部は、該ロックアウト溝の中へ推進され、それによって該カウンタダイヤルが逆方向に回転することを防止する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0029】
(項目11)
上記ロックアウトは第2の捕捉部を含み、該第2の捕捉部は、該ロックアウトの上記第1の捕捉部が上記カウンタダイヤルの上記ロックアウト溝の中へ移動される場合、上記クリップ適用具の並進部材の進路の中へ移動し、それによって該クリップ適用具の該並進部材の並進を禁止する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0030】
(項目12)
上記カウンタダイヤルの上記ロックアウト溝は、上記複数のクリップのうちの最後のクリップが発射された場合、上記ロックアウトの上記第1の捕捉部と契合するように移動する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0031】
(項目13)
上記カウンタダイヤルの上記ロックアウト溝は、上記カウンタ機構の上の印に関連付けられ、該印は、上記最後のクリップが発射されたことを指示する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0032】
(項目14)
上記複数のクリップのうちの上記最後のクリップが発射されたことを指示する、上記カウンタ機構の上の上記印は、数「零」によって表象される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0033】
(項目15)
ラチェット機構であって、
上記筐体内に旋回可能に支持されているラチェット歯止と、
上記並進部材上に提供されているラック部材と
をさらに備え、
該ラック部材は、該ラチェット歯止との位置を合わせて動作し、該ラック部材は、該並進部材が並進する場合、該ラチェット歯止を横切って並進する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0034】
(項目16)
上記ラチェット機構は、上記ラック部材が完全に並進し終わっていない場合、リセットすることが防止される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のクリップ適用具。
【0035】
(摘要)
外科用クリップ適用具は、筐体と、筐体に旋回可能に接続された少なくとも1つのハンドルと、筐体から遠位に延伸しているチャネルアセンブリと、クリップキャリア内に装填された複数のクリップと、筐体内およびチャネルアセンブリ内に並進可能に支持されたドライブチャネルと、少なくとも1つのハンドルが作動されると並進されるドライブチャネルと、筐体内に支持されたカウンタ機構とを含み、カウンタ機構は筐体を通して視認可能な印を含み、ここで印は、クリップ適用具内に装填されたクリップの量に対応し、印は、クリップ適用具の毎回の発射の結果、複数のクリップのうちの残留しているクリップの量が低減すると減算するように提供される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本願のクリップ適用具は、以下の図面と関連して考慮される場合、以下の詳細な説明からより理解されるのに伴ってより完全に認識されよう。
図1図1は、本開示の実施形態に従った外科用クリップ適用具の斜視図である。
図2図2は、図1の外科用クリップ適用具の上面平面図である。
図3図3は、図2の細部に指示されているエリアの拡大図である。
図4図4は、図1および図2の外科用クリップ適用具の機械的カウンタアセンブリの透視図である。
図5図5は、図1図4の外科用クリップ適用具の分解斜視図である。
図6図6は、ハンドルアセンブリの斜視図であって、ハンドルアセンブリから取り除かれた筐体の半断面を有し、ドライブチャネルと係合された機械的カウンタアセンブリのカウンタを図示している。
図7図7は、ハンドルアセンブリの斜視図であって、ハンドルアセンブリから取り除かれた筐体の半断面とドライブチャネルとを有し、ラチェットと係合された機械的カウンタアセンブリのカウンタを図示している。
図8図8は、図7の細部に指示されているエリアの拡大図である。
図9図9は、ハンドルアセンブリの斜視図であり、ハンドルアセンブリから取り除かれた筐体の半断面と、ドライブチャネルと、ラチェットとを有している。
図10図10は、部品が分離された、機械的カウンタアセンブリのカウンタおよびクラッチの前面斜視図である。
図11図11は、部品が分離された、図10の機械的カウンタアセンブリのカウンタおよびクラッチの背面斜視図である。
図12図12は、図10および図11の機械的カウンタアセンブリのカウンタおよびクラッチの背面斜視図である。
図13図13は、図1図4のクリップ適用具のロックアウトの斜視図である。
図14図14は、クリップ適用具が元来の未作動の位置にある場合の、ドライブチャネルに動作可能に接続された機械的カウンタアセンブリの上面平面の模式図である。
図14A図14Aは、図14の14A−14Aに沿って見たときの機械的カウンタアセンブリの側面図である。
図14B図14Bは、図14の細部に指示されたエリアの拡大図である。
図14C図14Cは、図14Aの14C−14Cに沿って取られたときの機械的カウンタアセンブリの断面図である。
図15図15は、クリップ適用具が初期作動された場合の、ドライブチャネルに動作可能に接続された機械的カウンタアセンブリの上面平面の模式図である。
図15A図15Aは、図15の細部に指示されたエリアの拡大図である。
図15B図15Bは、クリップ適用具の初期作動の期間中、図14Aの14C−14Cに沿って取られたときの機械的カウンタアセンブリの断面図である。
図16図16は、クリップ適用具が目一杯に作動された場合の、ドライブチャネルに動作可能に接続された機械的カウンタアセンブリの上面平面の模式図である。
図16A図16Aは、図16の細部に指示されたエリアの拡大図である。
図16B図16Bは、クリップ適用具の目一杯の作動後、図14Aの14C−14Cに沿って取られたときの機械的カウンタアセンブリの断面図である。
図17図17は、クリップ適用具が目一杯の作動後に解放された場合の、ドライブチャネルに動作可能に接続された機械的カウンタアセンブリの上面平面の模式図である。
図17A図17Aは、図17の細部に指示されたエリアの拡大図である。
図17B図17Bは、クリップ適用具の目一杯の作動後の解放の期間中、図14Aの14C−14Cに沿って取られたときの機械的カウンタアセンブリの断面図である。
図18図18は、図14Aの14C−14Cに沿って取られたときの機械的カウンタアセンブリの断面図であり、完全にリセットされた機械的カウンタアセンブリを図示している。
図19図19は、機械的カウンタアセンブリの上面平面図であり、「零」位置でロックアウトされたカウンタを図示している。
図19A図19Aは、図14Aの14C−14Cに沿って取られたときの機械的カウンタアセンブリの断面図であり、「零」位置でロックアウトされたカウンタを図示している。
図19B図19Bは、図19Aの細部に指示されたエリアの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(実施形態の詳細な説明)
本開示に従った外科用クリップ適用具の実施形態は、ここで図面を参照して詳細に記載され、図面において、同一の参照番号は同様または同一の構造要素を識別する。図面に示され、および以下の記載を通して記載されるように、外科用器具上の相対的な位置を指す場合に伝統的であるように、「近位の」の用語は、使用者により近接した装置の端を指し、「遠位の」の用語は、使用者から遠く離れた装置の端を指す。
【0038】
ここで図1図5を参照すると、本開示の一実施形態に従った外科用クリップ適用具は、一般的に100として示される。外科用クリップ適用具100は一般的にハンドルアセンブリ102を含み、ハンドルアセンブリ102は筐体104を含み、筐体104は筐体の上位の半分104aと筐体の下位の半分104bとを有する。ハンドルアセンブリ102は一組のハンドル106をさらに含み、一組のハンドル106は、筐体104に旋回可能に固定され、そこから外側に向かって延伸する。チャネルアセンブリ108は、筐体104に確固として固定され、そこから外側に向かって延伸し、あごアセンブリ110において終端する。
【0039】
図1図5で理解されるように、クリップ適用具の筐体の半分104aおよび104bは、互いにスナップ嵌め係合によって嵌まり合う。筐体104は、以下により詳細が論述されるように、カウンタ機構を支持および表示するために、筐体の下位の半分104bに形成された窓104cを規定する。
【0040】
図5で理解されるように、ハンドル106は、ハンドル旋回軸支柱104dによって筐体104に固定され、ハンドル旋回軸支柱104dは、筐体の下位の半分104bからハンドル106内に形成された各穴106aの中へ延伸する。ハンドルアセンブリ102は、各ハンドル106内に形成された旋回軸支点106bで各ハンドル106に旋回可能に接続されたリンク部材122を含む。各リンク部材122の遠位の端は、ドライブピン124を介して、ドライブチャネル140内に形成された旋回軸支点に旋回可能に接続される。ドライブピン124の各端は、筐体の上位の半分104aおよび下位の半分104bのそれぞれの中に形成された細長いチャネル内にスライド可能に受け取られる。使用において、以下により詳細が記載されるように、ハンドル106が握り締められると、リンク部材122は、ドライブピン124を介してドライブチャネル140を遠位に押す。
【0041】
チャネルアセンブリ108は、筐体の上位の半分104aと下位の半分104bとの間において、チャネルまたはカートリッジカバー130と、外側または下位のチャネル132とを含み、チャネルまたはカートリッジカバー130と、外側または下位のチャネル132とはそれぞれ、筐体アセンブリ102内に保持された近位の端を有する。
【0042】
図5で理解されるように、クリップ適用具100は、カートリッジカバー130の下にスライド可能に配置されたクリッププッシャバー160と、プッシャバー160の上に重なってプッシャバー160と係合するように構成されたスタビライザ162と、筐体104内に支持された動き増倍システム155と、チャネルアセンブリ108内でプッシャバー160の下に配置されたクリップキャリア170と、クリップキャリア170内で、および/またはクリップキャリア170に沿ってスライドするような態様でクリップキャリア170内に装填および/または保持された外科用クリップ「C」の束と、クリップキャリア170内にスライド可能に配置され、外科用クリップ「C」の束の背後に位置したクリップフォロワ174と、ハンドルアセンブリ102内およびチャネルアセンブリ108内にスライド可能に配置されたくさびプレート180と、くざびプレート180の並進に対するドライブチャネル140の並進を伝達するために、筐体104の下位の筐体の半分104b内に旋回可能に支持されたくさびプレート旋回アーム179と、ハンドルアセンブリ102の筐体104とチャネルアセンブリ108との間において、往復運動するように支持され、および延伸する、ドライブチャネル140と、ドライブピン124を介してドライブチャネル140に接続された聴覚的/触覚的なインジケータ148と、チャネルアセンブリ108上に、またはチャネルアセンブリ108の遠位の端に搭載され、ハンドルアセンブリ102のハンドル106によって作動可能なあごアセンブリ110とを含む。
【0043】
外科用クリップ適用具100の様々な構成部品のアセンブリの構造、動作、および方法の詳細な論述のために、2008年8月25日出願の「Surgical Clip Applier」と題された米国仮特許出願第61/091,467号と、2008年8月25日出願の「Surgical Clip Applier and Method of Assembly」と題された米国仮特許出願第61/091,485号とに参照がなされ得、それら各出願の全体内容が本明細書において参照により援用される。外科用クリップ適用具100の様々な構成部品のアセンブリの構造、動作、および方法のさらなる詳細な論述のために、2009年12月15日出願の「Surgical Clip Applier」と題された米国仮特許出願第61/286,569号(代理人整理番号H−US−02062(203−6802))にもまた参照がなされ得、その出願の全体内容が本明細書において参照により援用される。
【0044】
図1図12で理解されるように、クリップ適用具100は、ハンドルアセンブリ102の筐体104内に支持された機械的カウンタ機構190をさらに含む。カウンタ機構190は、筐体の下位の半分104b内に形成された窓104cの上に重なるよう筐体内に回転可能に配置されたカウンタダイヤル192と、カウンタダイヤル192に動作可能に接続され、カウンタダイヤル192の単方向の回転を可能にするように構成されたカウンタクラッチ194と、カウンタダイヤル192と係合するように構成されたラッチ部材196とを含む。
【0045】
図4図11で理解されるように、カウンタダイヤル192は、筐体の下位の半分104bに形成された窓104cに隣接して配置された第1の面192aを含む。第1の面192aは、そこに配置された、実質的にその放射状の外周の周囲の連続番号の形態において、複数の印192bを含む。印192bは、クリップ適用具100内に装填されるクリップの数に対応し得る。例示のみを目的として、印192bは「0〜22」の数字であり得る。印192bは、筐体の下位の半分104b内に形成された窓104cと契合するように、第1の面192a上に位置付けられる。カウンタダイヤル192は、第1の面192aと反対側の第2の面192cを含み、その中に開口部192dを規定する。開口部192dは、その中に形成された単方向の歯192eの放射状の配列を含む。カウンタダイヤル192は、複数の溝192fを規定する第1の、または外側のリムと、単一の溝192gを規定する第2の、または内側のリムとをさらに含み、複数の溝192fは、第1の、または外側のリムの外周の周囲に形成され、単一の溝192gは、第2の、または内側のリムの外周に形成される。
【0046】
引き続き図4図11を参照すると、カウンタクラッチ194は、カウンタダイヤル192の開口部192d内に同心で回転可能なように入れ子に収められる。機械的カウンタ機構190のカウンタクラッチ194は、カウンタダイヤル192の開口部192d内で回転可能な配置であるような構成および寸法にされた本体部分194aを含む。カウンタクラッチ194は、本体部分194aから実質的に接線方向に延伸する互いに反対側の弾性の指194b、194cの組を含む。弾性の指194b、194cは、ダイヤル192の単方向の歯192eと弾性的に係合するのに十分な大きさで、本体部分194aから延伸する。カウンタクラッチ194は、本体部分194aから延伸してカウンタダイヤル192の開口部192dから突き出るクラッチピン194dを含む。
【0047】
図4図9で理解されるように、機械的カウンタ機構190のラッチ部材196は、筐体の下位の半分104bに固定される。ラッチ部材196は、カウンタダイヤル192の外周の周囲に形成された溝192fと接触および選択的に係合するように構成された弾性の指196aを含む。
【0048】
図5および図6で理解されるように、ドライブチャネル140は、カウンタクラッチ194の本体部分194aから延伸するクラッチピン194dをスライド可能に受け取るような位置に、ドライブチャネル140内に形成された斜めのスロット140aを規定する。ドライブチャネル140の斜めのスロット140aは、クリップ適用具100の長手方向の軸から離れる方向に、近位から遠位の方向に延伸する。
【0049】
図4図5図7および図8で理解されるように、クリップ適用具100は、筐体の下位の半分104b内にスライド可能に配置されたラチェットラック部材141を含む。ラック部材141は、筐体104に対してドライブピン124が並進する結果としてラック部材141が随伴して並進するように、ドライブピン124にピン留めされる。ラック部材141は、カウンタクラッチ194のクラッチピン194dがラック部材141の片側の縁に沿って乗り、または接触するように、筐体104内に配置される。ラック部材141は、その縁に沿って形成されたラチェット歯141aを含み、筐体104内に支持されたラチェット歯止142と係合するように構成および適合される。ラック部材141および歯止142はラチェット機構144を規定する。
【0050】
使用において、ドライブチャネル140がドライブピン124によって軸方向に移動されると、ラック部材141もまた移動される。ラック部材141のラック歯141aは、ドライブチャネル140が最も近位または最も遠位の位置に到達したときにラック部材141が近位の動きと遠位の動きとの間で変化する場合、歯止142が逆転してラック部材141に対して後進するのを可能にする長さを有する。
【0051】
歯止142は、歯止142がラック部材141と実質的に動作可能な係合にある位置で、歯止ピンによって筐体の下位の半分104bに旋回可能に接続される。歯止142は、ラック部材141の長手方向の動き、ひいてはドライブチャネル140の長手方向の動きを制限するように、ラック部材141と係合可能である。ラチェット機構144は、ラック部材141と動作可能に関連付けるように歯止142を付勢するように構成され、および位置付けられた歯止ばね145をさらに含む。歯止ばね145は、歯止142の歯をラック部材141の歯141aと係合したまま維持するように機能し、歯止142を回転した位置または傾斜した位置に維持するようにも機能する。
【0052】
図4図5図7図9および図13で理解されるように、クリップ適用具100は、筐体104内に旋回可能に接続または支持されたロックアウト146をさらに含む。ロックアウト146は、本体部分146aと、本体部分146aの一端に形成された第1の捕捉部146bと、本体部分146aの片側の縁から延伸する第2の捕捉部146cとを含む。第1の捕捉部146bは、カウンタダイヤル192の内側のリムの外周に形成された溝192gと係合するような構成および寸法にされる。第2の捕捉部146cは、ラック部材141の片側の縁に形成されたノッチ141cと係合するような構成および寸法にされる。付勢部材147は、ロックアウト146の第1の捕捉部146bを、カウンタダイヤル192の内側のリムの外周と接触したまま維持するように提供される。
【0053】
ここで図14図19Bに注目すると、クリップ適用具100の動作が提供される。図14図14Cで理解されるように、クリップ適用具100がクリップ「C」で目一杯に装填されたクリップ適用具100のハンドル106を最初に握り締める前において、ドライブチャネル140は最も近位の位置に位置し、機械的カウンタ機構190のカウンタダイヤル192の印192bは、目一杯に装填されたクリップ適用具100に関連して、二十二(22)個のクリップで目一杯に装填された本例において、筐体の半分104b内に形成された窓104cを通して視認可能である。従って、図14Bで理解されるように、数字「22」が窓104cを通して視認可能である。また、図14Bで理解されるように、ラッチ部材196の弾性の指196aは、カウンタダイヤル192の外周の周囲に形成された溝192f内に係合される。
【0054】
図14Cで理解されるように、ハンドル106を僅かでも握り締める前において、カウンタクラッチ194のクラッチピン194dは、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aの遠位の端に配置されている。また、ロックアウト146の第1の捕捉部146bはカウンタダイヤル192の内側のリムの外周と接触しており、それにより、ロックアウト146の第2の捕捉部146cはラック部材141から係合を解かれている。さらには、ハンドル106を僅かでも握り締める前において、クリップ適用具100がクリップで目一杯に装填されている場合、カウンタダイヤル192の内側のリムの外周に形成された溝192gは、ロックアウト146の第1の捕捉部146bの遠位に配向されている。
【0055】
図15図15Bで理解されるように、矢印「A1」で指示されるように、ハンドル106を最初に握り締める期間中、矢印「B1」で指示されるように、ドライブピン124は、ドライブチャネル140およびラック部材141を遠位の方向に並進させる。ドライブチャネル140が遠位の方向に並進されると、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aは、カウンタクラッチ194のクラッチピン194dに対して遠位の方向に移動され、クラッチピン194dは、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aを通してカム作用され、カウンタクラッチ194を矢印「C1」の方向に回転させる。図15Bで理解されるように、カウンタクラッチ194が矢印「C1」の方向に回転されると、その弾性の指194b、194cはダイヤル192の単方向の歯192eと係合し、それによって、ダイヤル192をもまた矢印「C1」の方向に回転させる。さらには、ダイヤル192が矢印「C1」の方向に回転されると、カウンタダイヤル192の内側のリムの外周に形成された溝192gは、ロックアウト146の第1の捕捉部146bがカウンタダイヤル192の内側のリムの外周に沿って乗り続けるように、第1の捕捉部146bから離れるように回転される。
【0056】
図15Aで理解されるように、ダイヤル192は矢印「C1」の方向に回転され、数字「22」の印192bは、筐体の半分104b内に形成された窓104cに対して移動され、それによって減算を始める。さらに、ダイヤル192が矢印「C1」の方向に回転されると、ラッチ部材196の弾性の指196aは、カウンタダイヤル192の外周の周囲に形成された溝192fから係合を解き始める。
【0057】
図16図16Bで理解されるように、矢印「A1」で指示されるように、ハンドル106を最後まで、または完全に握り締める期間中、矢印「B1」で指示されるように、ドライブピン124は、ドライブチャネル140およびラック部材141を遠位の方向にさらに並進させる。ドライブチャネル140が遠位の方向にさらに並進されると、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aは、カウンタクラッチ194のクラッチピン194dに対して遠位の方向にさらに移動され、クラッチピン194dは、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aを通してさらにカム作用され、カウンタクラッチ194を矢印「C1」の方向にさらに回転させる。図16Bで理解されるように、カウンタクラッチ194が矢印「C1」の方向に回転されると、弾性の指194b、194cは、ダイヤル192を矢印「C1」の方向に回転させ続ける。さらには、ダイヤル192が矢印「C1」の方向にさらに回転されると、カウンタダイヤル192の内側のリムの外周に形成された溝192gは、ロックアウト146の第1の捕捉部146bがカウンタダイヤル192の内側のリムの外周に沿ってさらに乗り続けるように、第1の捕捉部146bからさらに離れるように回転される。
【0058】
図16Aで理解されるように、ダイヤル192が矢印「C1」の方向にさらに回転されると、数字「22」の印192bは、筐体の半分104b内に形成された窓104cの視界から完全に外れるように移動され、新たな数字「21」が窓104cの視界に入るように移動され、これによって完全に減算される。この数字の変化、または減算は、クリップ適用具100からのクリップの形成および/または発射/排出/解放と同時に起こる。この態様において、使用者は、クリップ適用具100内に残留して発射可能なクリップの数が示される。さらに、ダイヤル192が矢印「C1」の方向にさらに回転されると、ラッチ部材196の弾性の指196aは、カウンタダイヤル192の外周の周囲に形成された溝192fに隣接する溝192f’と係合するように移動する。
【0059】
ここで図17図18に注目すると、矢印「A2」で指示されるように、ハンドル106を開く期間中、矢印「B2」で指示されるように、ドライブピン124は、ドライブチャネル140およびラック部材141を近位の方向に並進させる。ドライブチャネル140が近位の方向に並進されると、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aは、カウンタクラッチ194のクラッチピン194dに対して近位の方向に移動され、クラッチピン194dは、ドライブチャネル140の斜めのスロット140aを通してカム作用され、それによって、カウンタクラッチ194を矢印「C1」とは逆の矢印「C2」の方向に回転させる。図17Bで理解されるように、カウンタクラッチ194が矢印「C2」の方向に回転される結果、弾性の指194b、194cは、ダイヤル192の単方向の歯192eを離脱し、飛び越える。図17Aから理解されるように、ダイヤル192をも矢印「C2」の方向に回転させようとするあらゆる摩擦力は、カウンタダイヤル192の外周の周囲に形成された溝192f’におけるラッチ部材196の弾性の指196aの係合によって打ち消され、それによって、ダイヤル192の回転方向を維持する。
【0060】
ダイヤル192が保持され、またはこの回転方向に維持されることにより、数字「21」の印192bが窓104c内の視界の中に維持される。
【0061】
図18で理解されるように、ドライブチャネル140が目一杯近位の位置に戻るように移動された場合、カウンタクラッチ194の弾性の指194b、194cはリセットされ、ダイヤル192の隣接した単方向の歯192eと係合する。
【0062】
さらに、ダイヤル192が矢印「C1」の方向にさらに回転されると、ラッチ部材196の弾性の指196aは、カウンタダイヤル192の外周の周囲に形成された溝192fに隣接した溝192f’内に係合するように移動する。
【0063】
ここで図19図19Bに注目すると、ハンドル106を握り締める期間中、クリップ適用具100内に装填された最後のクリップを発射すると、数字「0」の形態におけるダイヤルの印192bが筐体の半分104b内に形成された窓104cの視界に完全に入るように移動され、それによって、クリップ適用具100内にクリップが1つも存在していないことを使用者に指示する。図19Aおよび図19Bで理解されるように、ダイヤル192がこの位置に回転された場合、カウンタダイヤル192の内側のリムの外周に形成された溝192gは、ロックアウト146の第1の捕捉部146bと契合するように回転される。この位置において、ロックアウト146に作用する付勢部材147は、ロックアウト146の第1の捕捉部146bをダイヤル192の溝192gの中へ推進させる。
【0064】
さらに、本位置において、ロックアウト146の第2の捕捉部146cは、ラック部材141の側の縁に形成されたノッチ141cの中へ、ひいてはラック部材141の近位の並進の進路の中へ移動される。従って、ハンドル106が解放されて、ドライブピン124がラック部材141を近位の方向に移動させ始める場合、ラック部材141のノッチ141cは、ロックアウト146の第2の捕捉部146cと係合し、それによって、ラック部材141が最も近位の位置または定位置に復帰することを禁止する。ラック部材141が最も近位の位置に復帰することを禁止または阻止されることによって、ラチェット機構のラチェット歯止142(図5参照)は、それ自身がリセットすることを防止される。歯止142はそれ自身がリセットすることを防止されるから、ハンドル106は、部分的にしか開かれていないので、再び作動され、または再び握り締められることができない。再度、外科用クリップ適用具100の様々な構成部品のアセンブリの構造、動作、および方法の詳細な論述のために、2008年8月25日出願の「Surgical Clip Applier」と題された米国仮特許出願第61/091,467号と、2008年8月25日出願の「Surgical Clip Applier and Method of Assembly」と題された米国仮特許出願第61/091,485号と、2009年12月15日出願の「Surgical Clip Applier」と題された米国仮特許出願第61/286,569号(代理人整理番号H−US−02062(203−6802))とに参照がなされ得る。
【0065】
前述の記載は単に本開示の例示であることを理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、様々な代替および改変が当業者によって考案され得る。従って、本開示は、すべてのこのような代替、改変および変形を包含することが意図されている。添付の図面を参照して記載された実施形態は、本開示の特定の例を論証するためにのみ提示されている。上述および/または添付の特許請求の範囲に記載されたのと実質的に相違しない他の要素、段階、方法および技術もまた、本開示の範囲内にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0066】
100 外科用クリップ適用具
102 ハンドルアセンブリ
104 筐体
104a 筐体の上位の半分
104b 筐体の下位の半分
104c 窓
104d ハンドル旋回軸支柱
106 ハンドル
106a 穴
106b 旋回軸支点
108 チャネルアセンブリ
110 あごアセンブリ
122 リンク部材
124 ドライブピン
130 カートリッジカバー
132 外側または下位のチャネル
140 ドライブチャネル
140a 斜めのスロット
141 ラチェットラック部材
141a ラチェット歯
141c ノッチ
142 ラチェット歯止
144 ラチェット機構
145 歯止ばね
146 ロックアウト
146b、146c 捕捉部
147 付勢部材
148 インジケータ
155 動き増倍システム
160 クリッププッシャバー
162 スタビライザ
170 クリップキャリア
174 クリップフォロワ
179 くさびプレート旋回アーム
180 くさびプレート
190 機械的カウンタ機構
192 カウンタダイヤル
192b 印
192d 開口部
192e 単方向の歯
192f、192f’、192g 溝
194 カウンタクラッチ
194b、194c、196a 弾性の指
194d クラッチピン
196 ラッチ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図14A
図14B
図14C
図15
図15A
図15B
図16
図16A
図16B
図17
図17A
図17B
図18
図19
図19A
図19B