(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の
参考実施形態1》
図1は、本発明の
参考実施形態1に係るオイルストレーナ1を示す。該オイルストレーナ1は、樹脂材からなり、図示しないが車両のエンジン下部のオイルパン内部に配置されてエンジンの潤滑経路の一部を構成していて、オイルを濾過してゴミ等の不純物を取り除くようになっている。
【0015】
上記オイルストレーナ1は、
図2に示すように、細長くて扁平な角筒状体3と、オイルを濾過する板状フィルタ5とを備えている。
【0016】
上記筒状体3は、下方に開放する断面凹状の第1半割体31と、上方に開放する断面凹状の第2半割体33とからなっていて、長手方向一端側が他端側より下方に位置するように緩やかに傾斜している。
【0017】
上記第1半割体31の開放端縁は、外側方に延出するフランジ状をなしていて、その内方には、上記フィルタ5の周縁が嵌合可能な段差状のフィルタ嵌合部31bが形成され、該フィルタ嵌合部31bに上記フィルタ5を嵌合させると、当該フィルタ5のフィルタ面が上記第1半割体31の開放面に沿うようになっている。
【0018】
一方、上記第2半割体33の開放端縁は、上記第1半割体31の開放端縁に対応するように、外側方にフランジ状に延出している。
【0019】
そして、上記フィルタ嵌合部31bに上記フィルタ5を嵌合させた状態で、上記第1半割体31及び上記第2半割体33の互いの開放端縁を合わせて両者間に上記フィルタ5を挟着することにより、内部にオイルが通過する中空部30が形成された筒状体3が組み立てられ、該筒状体3の半割面は、当該筒状体3の長手方向に沿って延びるようになっている。
【0020】
上記筒状体3の長手方向一端側下部には、オイルを上記中空部30へ流入させる流入孔37aを備えた流入パイプ37が突設される一方、長手方向他端側上部には、オイルを上記中空部30から流出させる流出孔39aを備えた流出パイプ39が突設されていて、該流出パイプ39の突出端には、オイルストレーナ1をエンジン下部に取り付けるための板状取付部6がオイルストレーナ1の幅方向に延出している。
【0021】
上記フィルタ5は、
図3に示すように、当該フィルタ5の外周縁に沿って形成された外周フレーム5aと、該外周フレーム5aの内方において、長手方向及び幅方向に格子状に延びる内側フレーム5bとを備えている。上記フィルタ5の長手方向一端側及び他端側には、上記外周フレーム5a及び内側フレーム5bで囲まれたオイルを濾過する網目部51が形成されていて、当該網目部51のフィルタ5全面に対する割合は、オイルストレーナ1の濾過機能を十分果たせるものとなっている。
【0022】
上記フィルタ5の略中央部分には、上記網目部51に連続し、オイルを上流側から下流側に沿って案内する板状の非網目部(オイル非透過領域)53が形成されている。したがって、上記オイルストレーナ1が長筒状であっても、該オイルストレーナ1の長手方向に沿って延びるフィルタ5の網目部51が短くなるので、濾過機能を十分保有したままフィルタ5自身の剛性を高めることができる。また、網目部51がオイルストレーナ1の長手方向に短くなることによって、フィルタ5成形時において当該フィルタ5を金型から脱型する際に網目部51が破れにくくなり、フィルタ5を容易に成形することができる。
【0023】
次に、オイルストレーナ1内のオイルの流れについて説明する。
【0024】
潤滑回路の一部であるポンプ(図示せず)が作動すると、オイルに浸された流入パイプ37の流入孔37aから中空部30にオイルが吸い上げられる。吸い上げられたオイルは、上記筒状体3の長手方向一端側から他端側に向かって上記中空部30を通過する。上記中空部30を通過するオイルは、上記フィルタ5の非網目部53に沿って流れつつ、且つ、上記網目部51を下側から上側に通過して濾過される。そして、上記中空部30を通過したオイルは、上記流出パイプ39の流出孔39aを通過して、エンジン各部(図示せず)へと供給されていく。したがって、上記網目部51に沿って非網目部53が形成されているので、オイルが非網目部53に案内されるようになって、中空部30内を流れるオイルの流通抵抗が減り、オイルをスムーズに流すことができる。
【0025】
図4は、本発明の
参考実施形態1の変形例を示す。この変形例は、以下の点が上記で詳述した
参考実施形態1と異なっている。すなわち、変形例では、
図4(b)に示すように、フィルタ5長手方向一端側の上記流入孔37aに対応する位置に略円形状の非網目部53aが形成されている。該非網目部53aの下面側は、
図4(a)に示すように、下方に突出していて、その形状は、先端側に行くに連れて緩やかに湾曲しながら縮径し、上記流入孔37aから吸い上げられたオイルを上記湾曲面で拡散するようにしている。したがって、上記流入孔37aから吸い上げられたオイルがフィルタ5の流入孔37aに対応する位置を集中して通過することがなく、当該箇所に集中してオイル内のゴミ等が付着するのを回避して、部分的な濾過機能の早期低下を防ぐことができる。
【0026】
尚、この変形例では、非網目部53aが略円形状をなしているが、それ以外の形状でもよく、例えば、楕円形や多角形であってもよい。また、非網目部53aの下端面が下方に突出しているが、平坦であってもよく、さらには、当該平坦な下端面から板状部材を突設させるような構成としてもよい。
《発明の
参考実施形態2》
図5及び
図6は、本発明の
参考実施形態2に係るオイルストレーナ1を示す。この
参考実施形態2では、筒状体3及びフィルタ5の一部構造が
参考実施形態1と異なっているだけで、その他は
参考実施形態1と同じであるため、以下、
参考実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0027】
参考実施形態2では、第1半割体31の開放端縁内方ではなく、第2半割体33の開放端縁内方にフィルタ5の周縁が嵌合可能な段差状のフィルタ嵌合部33bが形成されている。
【0028】
また、上記第2半割体33の長手方向一端側下部には、下方に突出する円筒形状の外筒部35が形成されていて、該外筒部35の基端側には、環状凹部36が基端側開口縁部に沿って形成されている。
【0029】
上記フィルタ5の長手方向略中央部分から他端側には、網目部51が形成される一方、上記フィルタ5の長手方向一端側には、非網目部53が形成されていて、該非網目部53は、上記流入孔37aに対応する位置となっている。
【0030】
また、上記フィルタ5の長手方向一端には、下方に突出する板状の可撓性連結部57が形成されていて、該可撓性連結部57の下端には、上記外筒部35に嵌挿される円筒形状の内筒部55が一体に吊り下げ支持されている。
【0031】
上記内筒部55の上端縁には、外側方に延出する環状延出部54が形成されていて、該環状延出部54の延出端縁には、上記外筒部35の環状凹部36に嵌合可能な環状突出部56が下方に向かって突設されている。
【0032】
そして、
参考実施形態2の流入孔37aは、上記外筒部35と上記内筒部55とからなっていて、上記外筒部35に上記内筒部55が嵌挿されて隙間無く組み付けられるようになっている。
【0033】
上記内筒部55の下端縁は、上記外筒部35の下端縁より下方に突出していて、上記内筒部55に下方から荷重がかかると、上記可撓性連結部57が湾曲変形することにより、上記内筒部55の下端縁が上記外筒部35の下端縁と同じ位置となるまで、上記内筒部55が上記外筒部35に対して上方に変位し、上記湾曲変形した可撓性連結部57が上記非網目部53に接触するようになっている。
【0034】
そして、上記オイルストレーナ1は、
図6に示すように、オイルパン内のオイルの油面高さの最大の位置が外筒部35基端側となるように、且つ、オイルの油面高さの最小の位置が外筒部35の先端縁が浸される位置となるようにオイルパン内に配設されていて、上記可撓性連結部57は、オイルパン内のオイルの油面高さが最大の位置よりもさらに高い位置で変形するようになっている。
【0035】
尚、
図6のラインM1は、車両が左側に旋回したときの油面の位置を、ラインM2は、車両が右側に旋回したときに油面の位置を示していて、上記外筒部35の先端縁は、車両が左右に旋回しても上記ラインM1及びM2より上方に飛び出さないようになっている。したがって、オイルパン内の油面が揺れても常に外筒部35の先端縁がオイルに浸されているので、オイルストレーナ1内にエアが吸い込まれるのを防ぐことができる。
【0036】
尚、可撓性連結部57は上記フィルタ5の長手方向一端に設けられているが、例えば、非網目部53に設けるようにしてもよく、中空部30内の流通抵抗が大きくならない位置に設けるのであればいずれの場所であっても構わない。
【0037】
また、
参考実施形態2では、可撓性連結部57が1つだけ設けられているが、複数設けるようにしてもよい。
【0038】
尚、
参考実施形態2に係るオイルストレーナ1内のオイルの流れは、
参考実施形態1の変形例と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0039】
次に、例えば車両走行時等に、オイルパン下部に縁石等が接触した場合について説明する。
【0040】
まず、車両走行時においてオイルパン下部(図示せず)に縁石等が接触し、上記流入孔37aの下方に位置するオイルパン底面が上方に変形すると、当該オイルパン底面は、上記内筒部55下端縁に接触する。すると、その衝撃で上記内筒部55に下方から荷重がかかり、上記可撓性連結部57が変形しながら上記内筒部55の下端縁が上記外筒部35の下端縁と同じ位置となるまで上記内筒部55が上記外筒部35に対して上方に移動する。そして、上記湾曲変形した可撓性連結部57が上記フィルタ5の非網目部53に接触する。
【0041】
したがって、本発明の
参考実施形態2によれば、
参考実施形態1と同様の効果が得られるとともに、不意に流入孔37aに下方から衝撃が加わっても、可撓性連結部57が変形しながら内筒部55が外筒部35に対して相対的に上方に移動して衝撃を吸収するようになる。したがって、流入孔37aに衝撃が加わっても流入孔37aが塞がれてオイルが中空部30内を流れなくなってしまうということを回避することができる。また、上記内筒部55が流入孔37aに加わる衝撃を吸収することでオイルストレーナ1の破損を防止し、当該オイルストレーナ1の破損を起因としたエアの吸い込みを防止することができる。
【0042】
また、内筒部55が上方に移動しても、可撓性連結部57がフィルタ5の非網目部53に接触するようになるので、可撓性連結部57が衝撃に脆弱な網目部51に接触して、当該網目部51を破いてしまうといったことを回避することができる。
【0043】
尚、
参考実施形態2では、可撓性連結部57を介して内筒部55がフィルタ5に一体に形成されているが、フィルタ5、可撓性連結部57及び内筒部55をそれぞれ別体としてもよく、上記フィルタ5に可撓性連結部57及び内筒部55を組み付けるようにしてもよい。また、可撓性連結部57と内筒部55とが一体のものをフィルタ5に組み付けるようにしてもよいし、フィルタ5に一体形成された可撓性連結部57に内筒部55を組み付けるようにしてもよい。
【0044】
また、
参考実施形態2では、連結部57が可撓性を有していて、内筒部55の上方移動により変形するようになっているが、例えば、連結部57の一部に脆弱部分を設けて、内筒部55の上方移動により、上記連結部57の脆弱部分で破断するような構成としてもよい。
【0045】
また、上記第1分割体31の長手方向一端側上壁を下方に変形させて上記非網目部53に接近させる(又は接触させる)ようにしてもよい。これにより、内筒部55が下方から強い衝撃を受けて上方移動して非網目部53に接触しても、上記第1分割体31の変形部分が上記非網目部53の上方移動を防止するようになり、当該非網目部53の破壊を防止することができる。また、第1分割体31の長手方向一端側を下方に変形させた分だけオイルストレーナ1がコンパクトになる。さらに、第1分割体31の長手方向一端側と非網目部53との間は、オイルが滞留し易い構造となっているが、第1分割体31の長手方向一端側と非網目部53との間の空間を狭くし、第1分割体31の長手方向一端側と非網目部53との間にオイルが入り込まないようにして、中空部30内のオイルの流れをスムーズにすることができる。
《発明の実施形態
1》
図7及び
図8は、本発明の実施形態
1に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
1では、筒状体3の一部構造とフィルタ5の非網目部53の位置とが
参考実施形態1と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは
参考実施形態1と同じであるため、以下、
参考実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0046】
実施形態
1に係るフィルタ5は、
図8に示すように、長手方向一端側及び他端側より、略中央部分が幅広に形成されていて、当該中央部分には、上記非網目部53が平面視で略L字状に形成されている。
【0047】
上記第1半割体31の長手方向略中央には、
図7(a),(c)に示すように、例えば、障害物を避けるために下方に窪む湾曲部31cが幅方向の一方側にのみ形成されていて、上記非網目部53が、上記湾曲部31cに対応する位置となっている。
【0048】
また、上記第2半割体33の長手方向他端側には、
図7(b)に示すように、例えば、障害物を避けるために上方に窪む湾曲部33cが形成されていて、上記非網目部53が、上記湾曲部33cに対応する位置となっている。
【0049】
そして、上記筒状体3の外形は、上記中空部30の断面積が筒状体3の長手方向のどの位置においても略同じ広さとなるように形成されていて、上記中空部30を通過するオイルの流通抵抗が少なくなるようにしている。例えば、上記湾曲部33cが形成されている中空部30の断面積S1、上記湾曲部31cが形成されている中空部30の断面積S2及びオイルストレーナ1の長手方向一端側の断面積S3は略同じ広さとなっている。
【0050】
以上より、本発明の実施形態
1によれば、
参考実施形態1と同様の効果が得られるとともに、上記中空部30内のオイルの流れが大きく変化する筒状体3の湾曲部31c、33cにおいて、上記非網目部53がオイルの流れを整流するようになるので、オイルの流通抵抗を減らして、オイルをスムーズに流すことができる。
《発明の実施形態
2》
図9は、本発明の実施形態
2に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
2では、筒状体3の長手方向一端から略中央部分までが上方に段差状に変形していて、当該部分に対応するようにフィルタ5の一部を変形させている点が
参考実施形態1と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは
参考実施形態1と同じであるため、以下、
参考実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0051】
上記第1半割体31の長手方向一端から略中央部分までが上方に段差状に変形する一方、上記第2半割体33の長手方向一端から略中央部分までが、上記第1半割体31の変形部分に対応するように上方に段差状に変形し、その変形部分の内面が、上記第1半割体31の開放面に沿って延びている。そして、上記フィルタ5の長手方向一端から略中央部分までが、上記第1半割体31及び第2半割体33に対応するように上方に段差状に変形していて、当該変形部分の外周フレーム5a下端側には、歩留まりを良くするための切欠部5cが複数形成されている。
【0052】
以上より、本発明の実施形態
2によれば、
参考実施形態1と同様の効果が得られるとともに、オイルストレーナ1の一部外形を変形させることで、車両内部のスペースが殆どない場所であっても、部品を回避しながら当該オイルストレーナ1を配設することができる。
【0053】
また、第1半割体31又は第2半割体33の変形部分に対応するように非網目部53を設けているので、上記変形部分で乱れた流れとなったオイルがフィルタ5を通過し、通過した側のオイルの流れを乱して流通抵抗を増加させてしまうといったことを防ぐことができる。
《発明の実施形態
3》
図10は、本発明の実施形態
3に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
3では、フィルタ5を第1半割体31ではなく第2半割体33に嵌合させるようにしている点が実施形態
2と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは実施形態
2と同じであるため、以下、実施形態
2と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0054】
実施形態
3では、第1半割体31の開放端縁内方ではなく、第2半割体33の開放端縁内方にフィルタ5の周縁が嵌合可能な段差状のフィルタ嵌合部33bが形成されている。
【0055】
また、上記第1半割体31の長手方向他端から略中央部分までの内面が上記第2半割体33の開放面に沿って延びていて、上記フィルタ5の長手方向他端から略中央部分の外周フレーム5aの上端側には、歩留まりを良くするための切欠部5cが複数形成されている。
【0056】
以上より、本発明の実施形態
3によれば、フィルタ5を第2半割体33側に嵌合するようにしても、実施形態
2と同様の効果を得ることができる。
《発明の実施形態
4》
図11は、本発明の実施形態
4に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
4では、筒状体3の長手方向一端から略中央部分までが下方に段差状に変形していて、当該部分に対応してフィルタ5の一部を変形させている点が
参考実施形態1と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは
参考実施形態1と同じであるため、以下、
参考実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0057】
上記第1半割体31の長手方向一端から略中央部分までが下方に段差状に変形し、その変形部分の内面が上記第2半割体33の開放面に沿って延びる一方、上記第2半割体33の長手方向一端から略中央部分までは、上記第1半割体31の変形部分に対応するように下方に段差状に変形している。そして、上記フィルタ5の長手方向一端から略中央部分までが、上記第1半割体31及び第2半割体33に対応するように下方に段差状に変形していて、当該変形部分の外周フレーム5a上端側には、歩留まりを良くするための切欠部5cが複数形成されている。
【0058】
以上より、本発明の実施形態
4によれば、
参考実施形態1と同様の効果が得られるとともに、オイルストレーナ1の一部外形を変形させることで、車両内部のスペースが殆どない場所であっても、部品を回避しながら当該オイルストレーナ1を配設することができる。
【0059】
また、第1半割体31又は第2半割体33の変形部分に対応するように非網目部53を設けているので、上記変形部分で乱れた流れとなったオイルがフィルタ5を通過し、通過した側のオイルの流れを乱して流通抵抗を増加させてしまうといったことを防ぐことができる。
《発明の実施形態
5》
図12は、本発明の実施形態
5に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
5では、フィルタ5を第1半割体31ではなく第2半割体33に嵌合させるようにしている点が実施形態
4と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは実施形態
4と同じであるため、以下、実施形態
4と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0060】
実施形態
5では、第1半割体31の開放端縁内方ではなく、第2半割体33の開放端縁内方にフィルタ5の周縁が嵌合可能な段差状のフィルタ嵌合部33bが形成されている。
【0061】
また、上記第1半割体31の長手方向一端から略中央部分までの内面が上記第2半割体33の開放面に沿って延びていて、上記フィルタ5の長手方向一端から略中央部分の外周フレーム5a上端側には、歩留まりを良くするための切欠部5cが複数形成されている。
【0062】
以上より、本発明の実施形態
5によれば、フィルタ5を第2半割体33側に嵌合するようにしても、実施形態
4と同様の効果を得ることができる。
《発明の実施形態
6》
図13は、本発明の実施形態
6に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
6では、筒状体3及びフィルタ5の一部構造が
参考実施形態1と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは
参考実施形態1と同じであるため、以下、
参考実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0063】
上記筒状体3の長手方向略中央部分には、側面視で上側に膨らむように円弧状に湾曲する湾曲部3aが形成されていて、上記フィルタ5長手方向略中央部分の非網目部53は、上記湾曲部3aに対応するように円弧状に湾曲している。
【0064】
以上より、本発明の実施形態
6によれば、
参考実施形態1と同様の効果が得られるとともに、中空部30内のオイルの流れが大きく変化する筒状体3の湾曲部3aにおいて、上記非網目部53がオイルの流れを整流するようになるので、オイルの流通抵抗を減らして、オイルをスムーズに流すことができる。
【0065】
また、第1半割体31又は第2半割体33の変形部分に対応するように非網目部53を設けているので、上記変形部分で乱れた流れとなったオイルがフィルタ5を通過し、通過した側のオイルの流れを乱して流通抵抗を増加させてしまうといったことを防ぐことができる。
《発明の実施形態
7》
図14は、本発明の実施形態
7に係るオイルストレーナ1を示す。この実施形態
7では、筒状体3及びフィルタ5の長手方向略中央部分が、側面視で下側に膨らむように円弧状に湾曲している点と、フィルタ5を第1半割体31ではなく第2半割体33に嵌合させるようにしている点が実施形態
6と異なっているだけで、その他の構造とオイルストレーナ1内のオイルの流れは実施形態
6と同じであるため、以下、詳細な説明を省略する。
【0066】
以上より、本発明の実施形態
7によれば、実施形態
6と同様の効果を得ることができる。
《発明の参考実施形態
3》
図15及び
図16は、本発明の参考実施形態
3に係るオイルストレーナ1を示す。この参考実施形態
3では、非網目部53の無いフィルタ5が筒状体3の下流側にのみ配設されていて、それに伴って筒状体3の一部構造を変更している点が
参考実施形態1と異なっているだけで、その他は
参考実施形態1と同じであるため、以下、
参考実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0067】
上記第1半割体31の長手方向他端側は、下方に開放する断面凹状をなしていて、その開放端縁には、長手方向一端側の外側方に延びる延出部31dが形成されている。該延出部31dは、本発明のオイル非透過領域を構成していて、上記開放端縁内方に形成されたフィルタ嵌合部31bに嵌合するフィルタ5のフィルタ面と面一に連続している。
【0068】
上記第2半割体33は、筒状体3の長手方向他端側より一端側の方が下方に位置するように段差状に形成されていて、上記第2半割体33の長手方向略中央部分には、上記フィルタ5周縁の上記延出部31dとの連続部分に向かって突出する突出部33dが形成されている。
【0069】
該突出部33dは、板面が上記中空部30内を流れるオイルの流れに沿う板状をなしていて、その先端が上記フィルタ5周縁に接触するようになっている。
【0070】
次に、オイルストレーナ1内のオイルの流れについて説明する。
【0071】
上記流入孔37aから中空部30に吸い上げられたオイルは、まず、筒状体3の長手方向一端側を上記延出部31dに案内されて下流側に向けて流れ、筒状体3の長手方向略中央部分で上記突出部33dに整流されて筒状体3の長手方向他端側に流れていく。
【0072】
次いで、筒状体3の長手方向他端側まで流れてきたオイルは、上記網目部51を下側から上側に通過して濾過される。そして、上記中空部30を通過したオイルは、上記流出パイプ39の流出孔39aを通過して、エンジン各部(図示せず)へと供給されていく。
【0073】
以上より、本発明の参考実施形態
3によれば、オイルストレーナ1が長筒状であっても、フィルタ5が、筒状体3の長手方向他端側にのみ設けられているので、オイルストレーナ1の長手方向に沿って延びるフィルタ5の網目部51が短くなり、濾過機能を十分保有したままフィルタ5自身の剛性を高めることができる。また、網目部51がオイルストレーナ1の長手方向に短くなり、さらに、網目部51に沿って延出部31dが形成されているので、オイルが延出部31dに案内されるようになってオイルの流通抵抗が減り、オイルをスムーズに流すことができる。
【0074】
また、筒状体3のフィルタ5が配設されていない長手方向一端側は、筒状体3の断面積が小さくなるので、オイルストレーナ1の形状をコンパクトにでき、設置の際にレイアウトの設計自由度が増す。
【0075】
さらに、上記オイルストレーナ1を組み立てたときに、突出部33dが第1半割体31及び第2半割体33に挟持されていないフィルタ5外周縁を支持するようなるので、フィルタ5をオイルストレーナ1内に強固に固定することができる。
【0076】
それに加えて、上記突出部33dが中空部30を流れるオイルを整流するようになるので、オイルの流通抵抗を減らして、オイルをスムーズに流すことができる。
【0077】
図17は、本発明の参考実施形態
3の変形例1を示す。この変形例1は、以下の点が上記で詳述した参考実施形態
3と異なっている。すなわち、変形例1のフィルタ5は、平面視で筒状体3幅方向に幅広の略楕円形状に形成されていて、その網目部51の濾過面積は、参考実施形態
3のフィルタ5と略同じとなっている。尚、筒状体3の形状は、上記フィルタ5の形状に対応するように変形させている。したがって、参考実施形態
3の変形例1では、フィルタ5を筒状体3幅方向に幅広にした分だけ、オイルストレーナ1の長手方向の寸法を短くして、当該オイルストレーナ1全体をコンパクトにすることができる。
【0078】
図18は、本発明の参考実施形態
3の変形例2を示す。この変形例2は、以下の点が上記で詳述した参考実施形態
3と異なっている。すなわち、変形例2では、筒状体3の長手方向一端側の一部が上方に段差状に変形していて、第2半割体33の変形部分の内面が上記第1半割体31の開放面に沿って延びている。したがって、車両内部のスペースが殆どない場所であっても、筒状体3の段差状に変形させた部分に部品等を配設することで、当該部品等を回避しながらオイルストレーナ1を配設することができる。
《発明の参考実施形態
4》
図19及び
図20は、本発明の参考実施形態
4に係るオイルストレーナ1を示す。この参考実施形態
4では、非網目部53の無いフィルタ5が筒状体3の上流側にのみ配設されていて、それに伴って筒状体3の一部構造を変更している点が参考実施形態
3と異なっているだけで、その他は参考実施形態
3と同じであるため、以下、参考実施形態
3と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0079】
上記第2半割体33の長手方向一端側は、上方に開放端縁を有する断面凹状をなしていて、該開放端縁には、長手方向他端側の外側方に延びる延出部33eが形成されている。該延出部33eは、本発明のオイル非透過領域を構成していて、開放端縁内方のフィルタ嵌合部33bに嵌合するフィルタ5のフィルタ面と面一に連続している。
【0080】
上記第1半割体31の長手方向略中央には、上記フィルタ5周縁の上記延出部33eとの連続部分に向かって突出する突出部31eが形成されていて、該突出部31eは、板面が上記中空部30内を流れるオイルの流れに沿う板状をなしていて、その先端が上記フィルタ5周縁に接触するようになっている。
【0081】
次に、オイルストレーナ1内のオイルの流れについて説明する。
【0082】
上記流入孔37aから中空部30に吸い上げられたオイルは、まず、フィルタ5の網目部51を下側から上側に通過して濾過される。そして、網目部51を通過したオイルは、筒状体3の長手方向略中央部分で上記突出部31eに整流されて筒状体3の長手方向他端側に流れていく。しかる後、筒状体3の長手方向他端側まで流れてきたオイルは、上記延出部33eに案内されて中空部30の下流側へ流れるとともに、上記流出パイプ39の流出孔39aを通過して、エンジン各部(図示せず)へと供給されていく。
【0083】
以上より、本発明の参考実施形態
4によれば、フィルタ5が筒状体3の上流側にのみ配設されていても、参考実施形態
3と同様の効果を得ることができる。
【0084】
図21は、本発明の参考実施形態
4の変形例1を示す。この変形例1は、以下の点が上記で詳述した参考実施形態
4と異なっている。すなわち、変形例1では、筒状体3の長手方向他端側の一部が下方に段差状に変形していて、第1半割体31の変形部分の内面が上記第2半割体33の開放面に沿って延びている。したがって、車両内部のスペースが殆どない場所であっても、筒状体3の段差状に変形させた部分に部品等を配設することで、当該部品を回避しながらオイルストレーナ1を配設することができる。
《発明の参考実施形態
5》
図22は、本発明の参考実施形態
5に係るオイルストレーナ1を示す。この参考実施形態
5では、非網目部53の無いフィルタ5が筒状体3の長手方向略中央部分にのみ配設されていて、それに伴って筒状体3の一部構造を変更している点が参考実施形態
3,
4と異なっているだけで、その他は参考実施形態
3,
4と同じであるため、以下、参考実施形態
3,
4と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0085】
上記第1半割体31の長手方向略中央から他端までの部分は、下方に開放端縁を有する断面凹状をなしていて、該開放端縁には、長手方向一端側の外側方に延びる延出部31fが形成されている。該延出部31fは、本発明のオイル非透過領域を構成していて、開放端縁内方のフィルタ嵌合部31bに嵌合するフィルタ5のフィルタ面と面一に連続している。
【0086】
また、上記第1半割体31の長手方向中央部分の他側寄りには、下方に向かって突出する突出部31gが形成されていて、該突出部31gの突出端には、筒状体3長手方向一端側に段差部31hが形成されている。
【0087】
そして、フィルタ嵌合部31b及び上記段差部31hに上記フィルタ5を嵌合させると、当該フィルタ5のフィルタ面が上記第1半割体31の開放面に沿うようになっている。
【0088】
上記第2半割体33の長手方向中央から一端までの部分は、上方に開放端縁を有する断面凹状をなしていて、該開放端縁には、長手方向他端側の外側方に延びる延出部33fが形成されている。該延出部33fは、本発明のオイル非透過領域を構成していて、フィルタ5のフィルタ面と面一に連続している。
【0089】
上記第2半割体33の長手方向中央部分の一側寄りには、上方に向かって突出する突出部33gが形成されていて、該突出部33gは、板面が上記中空部30内を流れるオイルの流れに沿う板状をなしている。
【0090】
そして、上記第1半割体31及び第2半割体33を組み立てた状態で、上記第2半割体33の開放端縁の長手方向他端側が、上記突出部31gの先端とフィルタ5周縁の長手方向他端に接触するようになっている。
【0091】
また、上記突出部33gの先端が上記フィルタ5周縁の長手方向一端に接触するようになっている。
【0092】
次に、オイルストレーナ1内のオイルの流れについて説明する。
【0093】
上記流入孔37aから中空部30に吸い上げられたオイルは、まず、筒状体3の長手方向一端側を上記延出部31fに案内されて中空部30の下流側に向けて流れ、筒状体3の長手方向の略中央部分手前で上記突出部33gに整流され、筒状体3の長手方向略中央に流れていく。
【0094】
次いで、筒状体3の長手方向略中央まで流れてきたオイルは、上記網目部51を下側から上側に通過して濾過される。
【0095】
しかる後、網目部51を通過したオイルは、筒状体3の長手方向略中央部分を越えた箇所で上記突出部31gに整流されて筒状体3の長手方向他端側に流れていく。
【0096】
そして、筒状体3の長手方向他端側に流れてきたオイルは、上記延出部33fに案内されて中空部30の下流側へ流れるとともに、上記流出パイプ39の流出孔39aを通過して、エンジン各部(図示せず)へと供給されていく。
【0097】
したがって、本発明の参考実施形態
5によれば、フィルタ5が筒状体3の長手方向略中央部分にのみ配設されていても、
参考実施形態
3,
4と同様の効果を得ることができる。
【0098】
尚、上記実施形態1〜
7,参考実施形態1〜
5では、エンジンに係るオイルストレーナ1について説明したが、上記オイルストレーナ1は、例えば、変速機等の動力装置に設けてもよい。