特許第5721425号(P5721425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5721425遠心分離板、所属の流体ユニット用の流体ポンプ及び所属の流体ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721425
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】遠心分離板、所属の流体ユニット用の流体ポンプ及び所属の流体ユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/18 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   F04B21/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-290352(P2010-290352)
(22)【出願日】2010年12月27日
(65)【公開番号】特開2011-137468(P2011-137468A)
(43)【公開日】2011年7月14日
【審査請求日】2013年12月24日
(31)【優先権主張番号】10 2009 055 348.7
(32)【優先日】2009年12月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ フェルケル
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴァイスファール
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3253456(JP,B2)
【文献】 特開2002−317775(JP,A)
【文献】 実開平05−061487(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0021976(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 53/18
F04B 39/02
F04C 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離板であって、開口(14,114)を備えており、規定された回転運転において少なくとも一方の表面(16,18,116,118)に生じる漏れ流体を外側に向かって遠心分離するために、前記開口を介して当該遠心分離板(10,110)が回転可能な軸(2)と結合可能である形式のものにおいて、
遠心分離板(10,110)の一方の表面(16,116)に、遠心分離板(10,110)と隣接する構成群(6)との間のスペースを拡大する輪郭(12,112)が付与されているように、遠心分離板(10,110)の形状が構成されており
前記輪郭(12,112)が、潜在的な漏れ源(4)とは反対の側に配置された、遠心分離板(10,110)の第1の表面(16,116)に付与されている
ことを特徴とする、遠心分離板。
【請求項2】
前記輪郭(12,112)が、環状の段部(12)として遠心分離板(10,110)の第1の表面(16)に構成されている、請求項記載の遠心分離板。
【請求項3】
前記輪郭(12,112)が、規定された縁部(119)を備えた環状のアンダカット(112)として第1の表面(16)に構成されている、請求項記載の遠心分離板。
【請求項4】
アンダカット(112)として構成された輪郭の位置が、遠心分離板(110)と隣接する構成群との間の狭小部の位置によって規定されている、請求項記載の遠心分離板。
【請求項5】
遠心分離板(10,110)が、プレス嵌めを介して回転可能な軸(2)に相対回動不能に押嵌め可能であるように、開口(14,114)の寸法が、回転可能な軸(2)の寸法に適合されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の遠心分離板。
【請求項6】
流体ユニット用の流体ポンプであって、電動モータと、回転可能に支承された軸(2)と、少なくとも1つのポンプエレメント(5)とを備えている形式のものにおいて、
モータ側の玉軸受け(6)と、ポンプエレメント側の偏心軸受け(4)との間に、請求項1からまでのいずれか1項記載の遠心分離板(10,110)が配置されていることを特徴とする、流体ユニット用の流体ポンプ。
【請求項7】
遠心分離板(10,110)の第1の表面(16,116)に付与された輪郭(12,112)が、玉軸受け(6)に面しており且つ偏心軸受け(4)とは反対の側に配置されている、請求項記載の流体ポンプ。
【請求項8】
遠心分離板(10,110)が、開口(14,114)を介して回転可能な軸(2)に相対回動不能に押し嵌められている、請求項又は記載の流体ポンプ。
【請求項9】
請求項からまでのいずれか1項記載の流体ポンプが設けられていることを特徴とする、車両用の流体ユニット。
【請求項10】
前記流体ユニット(1)が、アンチロックブレーキシステム、トラクションコントロール、エレクトロニックスタビリティプログラム又は接続されたホイールブレーキにおけるブレーキ圧変換用のブレーキアシスタントシステムの、少なくともいずれか1つにおいて使用可能である、請求項記載の流体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の上位概念に記載の形式、即ち、遠心分離板であって、開口を備えており、規定された回転運転において少なくとも一方の表面に生じる漏れ流体を外側に向かって遠心分離するために、前記開口を介して当該遠心分離板が回転可能な軸と結合可能である形式の遠心分離板、独立請求項7の上位概念に記載の形式、即ち、流体ユニット用の流体ポンプであって、電動モータと、回転可能に支承された軸と、少なくとも1つのポンプエレメントとを備えている形式の、所属の流体ポンプ及び所属の流体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4303946号明細書には、例えば電気機械が記載されており、この電気機械では、軸を貫通させるために機械ケーシングのエンドシールドに設けられた貫通開口に、シール装置が備えられている。このシール装置は、外側で前記貫通開口の第1の軸方向の通流ギャップの手前に配置された、軸と相対回動不能に結合された第1の遠心分離部材と、前記貫通開口内に形成された、流出開口を備えた環状室内で第2の軸方向の通流ギャップの手前に配置された、やはり軸と相対回動不能に結合された第2の遠心分離部材とを有している。無接触式で作用するシール部材から成る前記シール装置に基づいて、機械の永続的なシールが保証されている。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許第19726387号明細書には、例えば整流子を備えた電動モータが記載されている。この電動モータは、整流子と、この整流子に隣接する滑り軸受けとの間に、軸と一体化された回転対称的な構成部材を有しており、この構成部材は例えばリングディスクの形で形成されており且つ焼結された滑り軸受けブシュに面して、軸の材料に比べて小さな表面張力を有するコーティングを有している。焼結された滑り軸受けブシュから出発して軸区分に沿ってクリープするオイル状の潤滑剤は、例えばポリテトラフルオロエチレンから成る前記コーティングによって更なるクリープを防止され、これにより整流子から遠ざけられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第4303946号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第19726387号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、公知の欠点を回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明では、遠心分離板の一方の表面に、遠心分離板と隣接する構成群との間のスペースを拡大する輪郭が付与されているように、遠心分離板の形状が構成されているようにした。
【発明の効果】
【0007】
これに対して独立請求項1に記載の構成を有する本発明による遠心分離板は、遠心分離板の一方の表面に、この遠心分離板と、隣接する構成群との間のスペースを拡大する輪郭が付与されているように、遠心分離板の形状が構成されているという利点を有している。遠心分離板は、その表面に生じる流体を回転により外側に向かって遠心分離するという基本的な課題を有している。拡大されたスペースに基づいて、有利には毛管作用を減少させ且つ漏れ流体が遠心分離板と隣接する構成群との間に引き込まれることを防止することができる。これにより、漏れ流体は遠心分離板の静止状態において、有利には下方に向かって漏れリザーバに流出可能である。
【0008】
本発明による遠心分離板は、例えば流体ユニット用の車両ポンプにおいて使用可能である。このような流体ユニットは、車両において有利にはアンチロックブレーキシステム(ABS)及び/又はトラクションコントロール(ASR)及び/又はエレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)及び/又は接続されたホイールブレーキにおけるブレーキ圧変換用のブレーキアシスタントシステムにおいて使用され得る。
【0009】
本発明の構成は、遠心分離板によって、有利には漏れ流体がモータ側の玉軸受けに向かって引き込まれ且つ流体ユニットにおける少なくとも1つのポンプエレメントを作動させるために設けられた電動モータ内への漏れ通流が行われることを防止する。つまり本発明の構成は、種々様々な車両システムにおいて漏れ浸入を減少させるためのモータインタフェースの構造的な最適化を可能にする。従って、本発明による遠心分離板を使用することにより、漏れによって脅かされる車両システムの摩耗及び損傷を防止することができるので、システムの頑丈性が有利に高められ且つ増大し続けるシステム運転時間に適合され得る。輪郭無しの単純な遠心分離板若しくは遠心分離板無しの流体ポンプ又は流体ユニットとは異なり、漏れ流体の通流を何倍も先延ばしにすることが可能である。本発明による遠心分離板の構成は、小さな製作手間と少ないコストで以て当該システムの頑丈性の多大な向上を有利に達成する。
【0010】
従属請求項に記載された構成手段及び改良によって、独立請求項1に記載された遠心分離板、独立請求項7に記載された流体ユニットのための流体ポンプ及び独立請求項10に記載された流体ユニットの有利な改善が可能である。
【0011】
特に有利には、前記輪郭が、潜在的な漏れ源とは反対の側に配置された、遠心分離板の第1の表面に付与されている。これにより、潜在的な漏れ源に面した側の、遠心分離板の第2の表面に生じる漏れ流体を、規定された回転運転の間に外側に向かって遠心分離することができる一方で、同時に遠心分離板と隣接する構成群との間の拡大されたスペースに基づき、有利には毛管作用が減少され、これにより、漏れ流体が、遠心分離板の漏れ源とは反対の側の第1の表面と、隣接する構成群との間に引き込まれることが防止され得る。
【0012】
本発明による遠心分離板の構成では、前記輪郭が、例えば環状の段部として遠心分離板の第1の表面に構成されている。択一的に、前記輪郭は規定された縁部を備えた環状のアンダカットとして第1の表面に構成することができる。アンダカットとして構成された輪郭の位置は、有利には遠心分離板と隣接する構成群との間の狭小部の位置によって規定されている。前記両構成は、小さな製作手間と少ないコストで以て有利な形式で、対応する流体ポンプ若しくは流体ユニット等の、重要な構成群の頑丈性の多大な向上を可能にする。
【0013】
本発明による遠心分離板の別の構成では、遠心分離板がプレス嵌めを介して回転可能な軸に相対回動不能に押嵌め可能であるように、開口の寸法が、回転可能な軸の寸法に適合されている。このことは、遠心分離板の簡単且つ迅速な組込みを可能にする。
【0014】
本発明による流体ポンプの構成では、偏心軸受けから到来する、少なくとも1つのポンプエレメントにより惹起された漏れ流体を外側に向かって遠心分離して、モータ側の玉軸受けを漏れ流体の侵入から保護するために、遠心分離板の第1の表面に付与された輪郭が、玉軸受けに面しており且つ偏心軸受けとは反対の側に配置されている。
【0015】
本発明による流体ポンプの別の構成では、遠心分離板が開口を介して回転可能な軸に相対回動不能に押し嵌められており、この場合、遠心分離板の開口と回転可能な軸との間にはプレス嵌めが生ぜしめられる。
【0016】
本発明の有利な構成は図面に示されており且つ以下で説明する。図面に示した同一の符号、コンポーネント若しくはエレメントは、同一の若しくは類似の機能を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による遠心分離板の第1実施例を備えた流体ユニットの1範囲を概略的に断面して示した図である。
図2図1に示した本発明による遠心分離板の第1実施例を概略的に断面して示した図である。
図3図2に示した範囲IIIの詳細な断面図である。
図4】本発明による遠心分離板の第2実施例を備えた流体ユニットの1範囲を概略的に断面して示した図である。
図5図4に示した本発明による遠心分離板の第2実施例を概略的に断面して示した図である。
図6図5に示した範囲VIの詳細な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を実施するための最良の実施形態を図面につき詳しく説明する。
【0019】
図1及び図4から判るように、例えばアンチロックブレーキシステム(ABS)及び/又はトラクションコントロール(ASR)及び/又はエレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)及び/又は接続されたホイールブレーキにおけるブレーキ圧を変換するためのブレーキアシスタントシステムで使用される流体ユニット1,101は、電子機器構成群(図示せず)若しくは制御装置及び少なくとも1つのポンプエレメント5と流体調節部材、流体通路等の複数の流体コンポーネント(図示せず)とを備えた流体領域、並びにケーシング7及び電動ポンプモータ(図示せず)を有している。このような流体ユニット1,101は、制御される車両ブレーキ装置に関してその構成が従来公知なので、更に詳細に説明はしない。流体ユニット1,101は、例えば接続されたホイールブレーキ(図示せず)におけるブレーキ圧を、運転者のブレーキ要求及び車両ホイールのスリップ特性を考慮して変換するために役立つ。
【0020】
更に図1及び図4から判るように、流体ポンプのポンプエレメント側の偏心軸受け4と、モータ側の玉軸受け6との間で、遠心分離板10,110が、回転可能に支承された軸2に押し嵌められて(aufgepresst)おり、この軸2は、流体ポンプの電動モータ(図示せず)により駆動される。本発明では、遠心分離板10,110の形状は、この遠心分離板10,110の第1の表面16,116に所定の輪郭12,112が付与されているように構成されており、この輪郭12,112は、遠心分離板10,110と、隣接する構成群、本実施例では玉軸受け6との間のスペースを拡大する。この場合、輪郭12,112は、潜在的な漏れ源、本実施例ではポンプエレメント5若しくはこのポンプエレメント5に続く偏心軸受け4とは反対の側に配置された、遠心分離板10,110の第1の表面16,116に付与されている。説明した実施例においては、遠心分離板10,110が回転対称的な円盤として構成されている。但し択一的に、例えば多角形等の別の形も、遠心分離板10,110用に選択することができる。
【0021】
以下に、図1から図3に基づき本発明による遠心分離板10の第1実施例を説明し且つ図4から図6に基づき本発明による遠心分離板110の第2実施例を説明する。
【0022】
図1図3から判るように、遠心分離板10は開口14を介して回転可能な軸2に押し嵌められており、この場合、開口14の寸法は、遠心分離板10がプレス嵌めによって、回転可能な軸2と相対回動不能に結合されているように、回転可能な軸2の寸法に適合されている。遠心分離板10の第1の表面16に設けられた輪郭は、外側の縁部域11において環状の段部12として構成されている。遠心分離板10の板厚さに設けられた前記段部12は、玉軸受け6に面した、遠心分離板10の第1の表面16に配置されている。前記段部12によって、玉軸受け6の外輪と、遠心分離板10の外側の縁部域11との間の間隔9若しくはギャップが拡大されており、その結果、毛管作用が有利な形式で低減される。これにより、漏れ流体が遠心分離板10と玉軸受け6との間に引き込まれることが防止され得る。更に、遠心分離板10の外径とポンプケーシング7との間の間隔8もやはり、毛管作用が発生しないように選択される。遠心分離板10は、例えば金属から製作されており且つ回転により、当該遠心分離板の第2の表面18に生じる流体を外側に向かって遠心分離させるという課題を有しており、この場合、第2の表面18は、潜在的な漏れ流体源、本実施例ではポンプエレメント5若しくはポンプエレメント5に続く偏心軸受け4に面している。但しこのことは、遠心分離板10の回転時にのみ機能する。静止状態では流体が、毛管作用により玉軸受け6に向かって引き込まれる恐れがある。しかし、玉軸受け6に面した段部12が、遠心分離板10と玉軸受け6との間のスペースを拡大しているので、漏れ流体は最早玉軸受け6に向かって引き込まれることはなく、流体ユニット1のモータへの漏れ流出が防止され得る。漏れ流体は遠心分離板10の静止状態において、有利には下方に向かって漏れリザーバ(図示せず)内に流出する。
【0023】
図4図6から判るように、遠心分離板110は第1実施例と同様に開口114を介して、回転可能な軸2に押し嵌められており、この場合、開口114の寸法は、遠心分離板110がプレス嵌めによって相対回動不能に回転可能な軸2に結合されているように、回転可能な軸2の寸法に適合されている。遠心分離板110の第1の表面116の輪郭は、環状のアンダカット112として構成されている。遠心分離板110の板厚さに設けられたこのアンダカット112もやはり、遠心分離板110の玉軸受け6に面した第1の表面116に配置されている。アンダカット112として構成された輪郭の位置は、遠心分離板110と玉軸受け6との間の狭小部の位置によって規定されている。図示の実施例では、アンダカット112は遠心分離板110の外側の縁部域111に配置されており、この場合、遠心分離板110の外周には、規定された幅を有する縁部119が残されている。前記アンダカットによって、玉軸受けの外輪と遠心分離板110の外側の縁部域111との間の間隔109若しくはギャップが拡大されているので、毛管作用が有利な形式で低減される。これにより、漏れ流体が遠心分離板110と玉軸受け6との間に引き込まれることが防止され得る。更に、遠心分離板110の外径とポンプケーシング7との間の間隔108もやはり、毛管作用が発生しないように選択される。遠心分離板110は、例えば金属から製作されており且つ回転により、当該遠心分離板110の第2の表面118に生じる流体を外側に向かって遠心分離させるという課題を有しており、この場合、第2の表面118は、潜在的な漏れ流体源、本実施例ではポンプエレメント5若しくはポンプエレメント5に続く偏心軸受け4に面している。但しこのことは、遠心分離板110の回転時にのみ機能する。静止状態では流体が、毛管作用により玉軸受け6に向かって引き込まれる恐れがある。しかし、玉軸受け6に面したアンダカット112が、第1実施例と同様に遠心分離板110と玉軸受け6との間のスペースを拡大しているので、漏れ流体は最早玉軸受け6に向かって引き込まれることはなく、流体ユニットのモータへの漏れ流出が防止され得る。漏れ流体は遠心分離板110の静止状態において、有利には下方に向かって漏れリザーバ(図示せず)内に流出する。
【0024】
本発明の構成は、本発明に基づく遠心分離板によって、小さな製作手間及び僅かなコストで以て有利な形式で走行安全システム若しくはブレーキアシスタントシステムの頑丈性の多大な向上を達成し且つこれらのシステムを漏れによる損傷から保護する。本発明による遠心分離板の構成は、漏れ流体が流体ユニットのモータに浸入することを防ぎ、しかもこの場合、流体ユニットにおける漏れ浸入を減少させるための、モータインタフェースの構造的な最適化を可能にする。
【符号の説明】
【0025】
1,101 流体ユニット、 2 軸、 4 偏心軸受け、 5 ポンプエレメント、 6 玉軸受け、 7 ケーシング、 8,9,108,109 間隔、 10,110 遠心分離板、 11,111 外側の縁部域、 12 輪郭、 14,114 開口、 16,116 第1の表面、 18,118 第2の表面、 112 アンダカット、 119 縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6