特許第5721431号(P5721431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5721431多官能ビニルエーテル及びそれを含む樹脂組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721431
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】多官能ビニルエーテル及びそれを含む樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 16/32 20060101AFI20150430BHJP
   C08L 33/00 20060101ALI20150430BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20150430BHJP
   C07C 43/16 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   C08F16/32
   C08L33/00
   C08L63/00
   C07C43/16CSP
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-517988(P2010-517988)
(86)(22)【出願日】2009年6月15日
(86)【国際出願番号】JP2009061253
(87)【国際公開番号】WO2009154284
(87)【国際公開日】20091223
【審査請求日】2012年4月10日
(31)【優先権主張番号】特願2008-158889(P2008-158889)
(32)【優先日】2008年6月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004592
【氏名又は名称】日本カーバイド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】高松 広明
(72)【発明者】
【氏名】山本 恭子
(72)【発明者】
【氏名】山縣 登
【審査官】 渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06410130(US,B1)
【文献】 特開平10−130185(JP,A)
【文献】 特開平10−139708(JP,A)
【文献】 特開平07−043924(JP,A)
【文献】 特開2001−081055(JP,A)
【文献】 特開2005−113109(JP,A)
【文献】 特開2005−170996(JP,A)
【文献】 特開2008−105417(JP,A)
【文献】 特開平07−005684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 16
C07C 43
C08F 2/44
C08G 65/18
C08L 33,63
C09D5,11,129
C09J 129/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される多官能ビニルエーテル。
ただし、上記式(I)中のl、m、nは、l+m+n>3を満たす整数を示す。
【請求項2】
l、m、nが、l+m+n≧5を満たす請求項1に記載の多官能ビニルエーテル。
【請求項3】
l、m、nが、l+m+n=9を満たす請求項2に記載の多官能ビニルエーテル。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の多官能ビニルエーテルを含んでなる樹脂組成物。
【請求項5】
前記樹脂組成物がアクリル、エポキシ及びオキセタンから選ばれた、少なくとも1種の樹脂成分を含む請求項4に記載の樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低皮膚刺激性、低臭気性で、重合開始剤の溶解性に優れた多官能ビニルエーテルに関する。本発明は、また、重合時に酸素の影響を受けにくく、硬化性に優れた多官能ビニルエーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インキ、塗料、接着剤やレジストなどの多くの分野で、樹脂組成物の主剤として一般的にアクリル系化合物が用いられている。しかし、アクリル系化合物を主剤として用いた場合、皮膚刺激性や臭気があり、酸素による硬化阻害など作業性に問題がある。近年、樹脂への要求性能が高度化してきており、アクリル系化合物では十分ニーズに対応できなくなってきている。一方、ビニルエーテル化合物類は、低皮膚刺激性、低臭気性であり、カチオン重合において速硬性を示し、かつこれを用いた樹脂組成物は硬化時に酸素の影響を受けにくいという特徴をもつ。しかし、一般にビニルエーテル化合物類は、重合開始剤の溶解性が低いという問題がある。そこで、重合開始剤を良好に溶解し、低皮膚刺激性、低臭気性で、かつ重合時に酸素の影響を受けにくく、硬化性に優れたビニルエーテル化合物類が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−5684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、低皮膚刺激性、低臭気性で重合開始剤を良好に溶解し、かつ重合時に酸素の影響を受けにくく、硬化性に優れた多官能ビニルエーテル及びそれを含む樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、下記式(I)で表される多官能ビニルエーテルが、重合開始剤を良好に溶解することを見出した。
ただし、上記式(I)中のl、m、nは、l+m+n>3を満たす整数を示す。
尚、上記式(I)において、(l,m,n)=(1,1,1)であるビニルエーテルに関する報告例(特許文献1)はあるが、この文献には、重合開始剤の溶解性については何ら記載も示唆もされていない。
一方、本発明者らは、上記式(I)においてl+m+n>3を満たす多官能ビニルエーテルが、重合開始剤を良好に溶解し、これを用いた樹脂組成物が硬化性に優れることを見出した。
【発明の効果】
【0006】
本発明における下記式(I)で表される多官能ビニルエーテルは、低皮膚刺激性、低臭気性であり、重合開始剤の溶解性に優れ、かつ硬化時に酸素の影響を受けにくい。更に、本発明の多官能ビニルエーテル(I)を含む樹脂組成物は、重合開始剤を良好に溶解すると共に、硬化性に優れていることから、インキ、塗料、接着剤やレジストなどの多くの分野で用いることが可能である。
ただし、上記式(I)中のl、m、nは、l+m+n>3を満たす整数を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は実施例6のトリメチロールプロパンエチルオキシビニルエーテルのHNMRスペクトルを示す。
図2は実施例6のトリメチロールプロパンエチルオキシビニルエーテルのFT−IRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書中及び添付した請求の範囲中において使用する単数形(a,an,the)は、文脈からそうでないことが明白な場合を除いては複数の対象を含むものと理解されたい。
上記式(I)で表わされる本発明の多官能ビニルエーテルの原料としては、下記式(II)に示すような、界面活性剤や樹脂改質剤などの工業原料として市販されているトリメチロールプロパンエチルオキシ付加化合物を使用することができる。また、所望により、これら市販の原料を更に精製して使用することもできる。
ただし、上記式(II)中の、p、q、rはp+q+r>3を満たす整数を示す。
本発明における前記式(I)で表される多官能ビニルエーテルは、重合開始剤の溶解性の点から、l+m+n≧5であることが好ましく、より好ましくはl+m+n≧7であり、特に好ましくはl+m+n≧9である。従って、本発明の多官能ビニルエーテルの好ましい原料としては、上記式(II)においてp+q+r≧5を満たす、より好ましくはp+q+r≧7を満たす、特に好ましくはp+q+r≧9を満たすトリメチロールプロパンエチルオキシ付加化合物である。
本発明の多官能ビニルエーテルを製造する方法は、特に制限されるものではないが、上記式(II)で表されるトリメチロールプロパンエチルオキシ付加化合物を用いる場合には、公知の方法を使用することができる。すなわち、トリメチロールプロパンエチルオキシ付加体を、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属化合物の存在下に、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)などの溶媒中で、アセチレン雰囲気下に反応させる方法を用いることができる。また、ビニル基交換反応(特開平5−221908号公報、特開2003−73321号公報及びJ.Org.Chem.2003,68,5225−など参照)などによることができる。
本発明の多官能ビニルエーテルの好ましい製造方法を具体的に記載すると、ステンレス鋼(SUS)製の耐圧反応容器中に、溶媒としてジメチルスルホキシドを加えた後、トリメチロールプロパンエチルオキシ付加体を加え、さらに反応触媒(例えば水酸化カリウム)を添加する。反応触媒の添加量としては、特に限定はないが、原料アルコール1.0モルに対して、0.05〜1.0モル用いることが好ましく、0.20〜0.50モル用いることがより好ましい。
次いで、前記反応容器内を窒素ガスで置換した後、反応容器を密封して、アセチレンを圧入しながら昇温して反応させると、本発明の多官能ビニルエーテルであるトリメチロールプロパンエチルオキシビニルエーテルが生成する。反応条件には特に限定はないが、アセチレン圧力0.01〜0.18MPaで、反応温度80〜180℃で実施するのが好ましい。より好ましくはアセチレン圧力は0.15〜0.18MPaで、反応温度は90〜150℃である。
反応時間に特に限定はないが、反応終了点が近づくにつれてアセチレンの消費量が低下するため、反応終了時を知ることができる。
反応終了後、反応液を抽出、水洗し、アルカリ成分や高沸点溶媒を除去することにより、粗生成物が得られる。この生成物を、さらに減圧蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの公知の精製分離法を適宜組み合わせて精製することにより、本発明の多官能ビニルエーテルを得ることができる。
次に本発明の多官能ビニルエーテルを用いた樹脂組成物について述べる。本発明の多官能ビニルエーテルは、低皮膚刺激性、低臭気性であり、重合開始剤の溶解性に優れており、本発明の多官能ビニルエーテルを用いた樹脂組成物は硬化性に優れるので、インキ、塗料、接着剤やレジストなどの多くの分野に用いることができる。例えばインキ、塗料等に用いる場合、アクリル、エポキシ、オキセタンなどから選ばれた樹脂成分に、本発明の多官能ビニルエーテルと重合開始剤、更に、所望により、溶媒、染料、顔料、可塑剤、架橋剤、充填剤や種々の重合性化合物を配合して樹脂組成物とすることができる。
本発明の樹脂組成物中における樹脂成分と多官能ビニルエーテルとの配合量比には特に限定はないが、硬化速度又は硬化物の硬度若しくは平滑性の観点から、樹脂成分100重量部に対し、多官能ビニルエーテル1〜200重量部を用いるのが好ましく、3〜120重量部であるのがより好ましく、10〜100重量部であるのが更に好ましい。
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤の何れであってもよく、ラジカル重合やイオン重合を起こし得るものであれば特に限定はない。重合開始剤の添加量は本発明の多官能ビニルエーテルの重量に対し、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%使用することができる。重合開始剤は、本発明の多官能ビニルエーテルに直接混合しても良く、樹脂組成物に混合しても良い。
【実施例】
【0009】
以下実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものでない。
下記実施例および比較例において、化合物の確認は核磁気共鳴スペクトル(NMR)及び赤外吸収スペクトル(IR)の測定によりおこなった。
実施例1
攪拌器、圧力ゲージ、温度計、ガス導入管及びガスパージラインを備えた300mlのSUS製耐圧反応容器に、ジメチルスルホキシド150g、トリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=4)50gを仕込み、触媒として純度95重量%の水酸化カリウムを原料アルコールに対し30モル%添加した。攪拌しながら窒素ガスを流入して反応容器内を窒素置換した後、反応容器を密封し、反応容器内にアセチレンガスを約0.18MPaの圧力で添加した。次いで、ゲージ圧力を約0.18MPaに保ちながら反応容器内温が120℃になるまで昇温し、反応温度120℃でアセチレンの消費が低下するまで反応させた。この間、逐次アセチレンガスを補充して反応容器内の圧力を常に約0.18MPaに保った。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液209gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=4)52g(収率83%)を得た。
実施例2
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=5)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液207gを得た。その後反応液を、ジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=5)50g(収率82%)を得た。
実施例3
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=6)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液207gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=6)52g(収率87%)を得た。
実施例4
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=7)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液202gを得た。その後反応液を、ジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=7)49g(収率83%)を得た。
実施例5
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=8)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液205gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=8)46g(収率79%)を得た。
実施例6
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=9)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液204gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=9)43g(収率76%)を得た。
実施例7
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r≧6)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液200gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n≧6)48gを得た。
実施例8
用いた溶媒をDMIに変更した以外は、実施例3と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液217gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより、本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=6)44g(収率73%)を得た。
実施例9
[Ir(cod)Cl](ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)IIイリジウム)342mg;0.51mmolと炭酸ナトリウム3.2g;30.0mmolをトルエン30mlと混合し、トリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=6)5.0g及び酢酸ビニル8.6mg;100.2mmolを加え、窒素雰囲気下、100℃で3時間半攪拌した後、反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=6)2.4g(収率39%)を得た。
比較例1
用いた原料をトリメチロールプロパンエチルオキシ付加アルコール体(前記式(II)においてp+q+r=3)50gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、残留するアセチレンガスをパージして反応液218gを得た。その後反応液をジエチルエーテルで抽出、水洗し、ジエチルエーテルを留去することにより下記式(III)で表される多官能ビニルエーテル56.2g(収率87%)を得た。
実施例1〜7および比較例1で製造した多官能ビニルエーテルを用い、各種重合開始剤の溶解性及び樹脂組成物の硬化性の評価をおこなった。
試験例1
実施例1〜7で得られた多官能ビニルエーテル1.0gに表Iに記載の重合開始剤を加えて溶解性の評価をおこなった。なお、比較例2としてエチレンオキサイド部をもたないトリメチロールプロパントリビニルエーテルにおいても同様の評価をおこなった。結果を以下の表Iに示す。
【表1】
上記配合の重合開始剤としては、TS−91;固体状態(三和ケミカル社製)、CPI−110P;固体状態(サンアプロ社製)、及びイルガキュア250;溶液状態(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を用いた。
試験例2
実施例1〜7で得られた多官能ビニルエーテル化合物に、CPI−110Pを0.5重量%加えた樹脂組成物を、QRM−2023−D−00高圧水銀ランプUV照射装置(オーク製作所製)を使用して空気中で硬化試験をおこなったところ、1パス(約118mJ/cm)で良好な硬化物を得ることができた。
試験例3
実施例1〜7で得られた多官能ビニルエーテル化合物の粘度を、レオメーターにより測定(25℃)したところ15〜65mPa・sと低い値となった。
特に、実施例3で得られた本発明の多官能ビニルエーテル(前記式(I)においてl+m+n=6)の粘度は39.8mPa・sであり、同等のエチレンオキサイド部をもつトリアクリレート化合物の65mPa・sよりも低粘度であった。これは低粘度の樹脂組成物が必要なインキ、特にインクジェット用インキ等へ利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明の多官能ビニルエーテルは、低皮膚刺激性、低臭気性であり、重合開始剤の溶解性に優れていることから、インキ、塗料、接着剤やレジストなどの多くの分野で用いることができる。
図1
図2