【文献】
能塒善美,金融機関事務における帳票イメージ処理技術の応用,OKIテクニカルレビュー,沖電気工業株式会社,2009年 4月 1日,Vol.76 No.1,pp.26-29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の画像データに対して文字認識を行い、文字認識対象の単語辞書に含まれる単語と一致する文字列を、前記複数の画像データの各々に対応する文字データとして前記複数の画像データごとに出力する認識装置と、
前記複数の文字データの各々が属する分類区分を前記一致した単語の区分により判定する判定部と、
分類区分を特定する特定部と、
前記複数の文字データのうち、前記特定部により特定された前記分類区分に属する文字データを端末に通知する通知部と、
を備え、
前記特定部は、
前記複数の文字データの分類区分ごとの件数に基づいて、分類区分を特定する、
サーバと、
を有することを特徴とする、情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
[構成の説明]
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1は、読取装置10と、認識装置20と、サーバ30と、複数の端末40とを備える。なお、複数の端末40の各々を区別するときには、複数の端末40の各々を、端末40A、端末40B、端末40Cのように記載し、複数の端末40の各々を区別しない場合には、単に、端末40と記載する。
【0022】
サーバ30と端末40とは、ネットワークに接続されており、
図1に示した例では、サーバ30と端末40とが直接的に集線装置50に接続されている。また、
図1に示した例では、認識装置20は、集線装置50に接続されているが、サーバ30に直接接続されていてもよい。また、認識装置20は、サーバ30と別体であってもよく、サーバ30と一体化されていてもよい。
【0023】
読取装置10は、帳票を読み取る機能を有しており、帳票を読み取ることにより得られた画像データを認識装置20に出力する。なお、以下では、記入用紙の一例として帳票を使用する場合を説明するが、読取装置10により読み取られる記入用紙は、帳票に限定されない。
図2は、記入用紙の一例としての帳票を示す図である。
図2に示した例では、帳票は、「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」「口座番号」「その他」の各々のフィールドを含んでいる。
【0024】
帳票は、例えば、銀行の店舗に訪れた顧客により記載される。
図2に示した例では、顧客により「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」「口座番号」「その他」の各々のフィールドに所望の内容が手書きで記載される。顧客により記載された帳票は、例えば、銀行の店舗の窓口に配属されている銀行員等により受け取られ、読取装置10により読み取られる。読取装置10は、複数の帳票を読み取った場合には、複数の帳票を読み取ることにより得られた複数の画像データを認識装置20に出力する。
【0025】
認識装置20は、画像データに対して文字認識を行うことにより文字データを取得する機能を有している。例えば、認識装置20は、読取装置10から複数の画像データが入力された場合、複数の画像データに対して文字認識を行うことにより複数の画像データの各々に対応する文字データを複数の文字データとして取得する。
【0026】
例えば、1枚目の帳票に「札幌市中央区北1条3丁目」と記載されており、2枚目の帳票に「札幌市中央区南12条8丁目1−18」と記載されていた場合、認識装置20は、1枚目の帳票から取得された画像データから文字データ「札幌市中央区北1条3丁目」を取得し、2枚目の帳票から取得された画像データから文字データ「札幌市中央区南12条8丁目1−18」を取得することができる。
【0027】
なお、
図2に示した例では、帳票が複数のフィールドを有している。かかる場合には、認識装置20により文字データがフィールドごとに取得され得る。
【0028】
認識装置20は、文字データに日時を関連付けて、文字データと日時とが関連付けられた状態のデータをサーバ30に通知してもよい。日時としては、例えば、認識装置20により認識装置20の内部または外部に存在する時計から取得された現在時刻を使用し得る。また、認識装置20は、文字データに画像データを関連付けて、文字データと画像データとが関連付けられた状態のデータをサーバ30に通知してもよい。
【0029】
サーバ30は、認識装置20から入力された複数の文字データの各々が属する分類区分を判定する機能を有している。サーバ30は、例えば、類似している文字データが存在すれば、類似している文字データが同一の分類区分に属すると判定する。サーバ30は、この判定結果に基づいて適切な分類区分を特定し、特定した分類区分に属する1または複数の文字データを端末40に通知する。サーバ30は、例えば、端末40から送信要求があった場合、その送信要求に対する応答として、特定した分類区分に属する1または複数の文字データを返信することができる。サーバ30が有する機能については、後に詳細に説明する。
【0030】
端末40は、サーバ30から受信した1または複数の文字データを表示することができる。端末40を操作するオペレータは、端末40を操作することにより、サーバ30から受信した1または複数の文字データに対する処理(例えば、文字データに対する訂正等)を行うことができる。サーバ30から受信した1または複数の文字データは、同一の分類区分に属しており、類似していることが想定されるため、オペレータは作業を効率良く進めることができる。端末40が有する機能については、後に詳細に説明する。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係るサーバ30の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ30は、制御部310、通信部330、記憶部340を備えている。制御部310は、サーバ30の動作全体を制御する機能を有しており、判定部311、計測部312、特定部313、通知部314を有している。通信部330は、認識装置20および端末40の各々と通信を行う機能を有している。記憶部340は、サーバ30の動作に使用される各種プログラムや各種データを記憶する機能を有している。
【0032】
判定部311は、複数の文字データの各々が属する分類区分を判定する。上記したように、複数の文字データは、認識装置20から取得され得る。例えば、認識装置20から送信された複数の文字データが通信部330により受信され、通信部330により受信された複数の文字データが判定部311により取得される。
【0033】
複数の文字データは認識装置20から通信部330によって受信された後、制御部310による制御に従って、記憶部340により記憶されてもよい。例えば、文字データに、日時および画像データが関連付けられている場合には、文字データに、日時(以下、「登録日時」とも言う。)、状態(0:未処理)および画像データが関連付けられた帳票データという形式で帳票データテーブルに追加され得る。
図4は、帳票データテーブルの構成例を示す図である。帳票データテーブルは、記憶部340により記憶される。帳票データテーブルの更新結果は、認識装置20に通知されてもよい。
【0034】
例えば、認識装置20により、1枚目の帳票から取得された画像データから文字データ「札幌市中央区北1条3丁目」が取得され、2枚目の帳票から取得された画像データから文字データ「札幌市中央区南12条8丁目1−18」が取得された場合を想定する。この場合、判定部311は、認識装置20からこれらの文字データを取得するが、これらの文字データは、それぞれの一部である「札幌市中央区」が共通しているため、それぞれの文字データが同一の分類区分「札幌市中央区」に属すると判定する。
【0035】
この例のように、判定部311は、複数の文字データの中に、一部が一致する複数の文字データが存在する場合、この一部が一致する複数の文字データが同一の分類区分に属すると判定することができる。また、判定部311は、複数の文字データの中に、全部が一致する複数の文字データが存在する場合、全部が一致する複数の文字データが同一の分類区分に属すると判定してもよい。
【0036】
あるいは、分類区分の判定を後から行うのではなく、認識装置20での文字認識の過程で行うこともできる。
【0037】
例えば、住所フィールドの文字認識の過程では、一文字ごとの認識結果は複数候補が出力され、住所辞書データベースに含まれる住所単語とのマッチングにより、複数候補のうち実際の住所にマッチする文字が選択される。「札幌市中央区北1条3丁目」の場合は、まず先頭から3文字について、住所辞書の「札幌市」という単語とマッチングを行い、候補中に含まれていれば、それぞれ「札」「幌」「市」が正しい文字として選択される。以下、「中央区」「北1条」「3丁目」も同様にマッチングを行い、正しい文字を候補から選択する。その結果、認識結果として「札幌市中央区北1条3丁目」という文字列が得られる。この過程で、住所辞書のどの単語と一致したかは把握可能であるので、当該文字列が、どの地域に分類されるかのフラグを文字認識結果とともに記憶管理することで、同一の地域を同一の分類区分に属すると判定することができる。
【0038】
また、例えば「札幌市中央区」までを同一の分類区分としたときにその数が所定数を超過する場合は、さらに下の地域(「北1一条」等)で分類しなおせば、ひとつの分類区分に含まれる文字データの数、すなわちオペレータに確認させるデータの数を適正に保つことができる。
【0039】
計測部312は、複数の文字データの分類区分ごとの件数を計数する機能を有する。
図6は、本発明の実施形態に係るサーバによる分類を説明するための図である。
図6に示した例では、帳票の「住所」フィールドの認識結果を文字データの一例として使用する場合の分類の様子を示している。
図6に示すように、判定部311は、例えば、複数の文字データのうち、その一部または全部に「札幌市中央区」を含んでいるものを「札幌市中央区」に分類することができる。
【0040】
このように、判定部311は、例えば、複数の文字データを「札幌市中央区」「札幌市白石区」「札幌市清田区」「札幌市厚別区」「札幌市手稲区」「札幌市東区」「札幌市南区」のいずれかに分類することができる。
図6に示した例では、計測部312は、「札幌市中央区」「札幌市白石区」「札幌市清田区」「札幌市厚別区」「札幌市手稲区」「札幌市東区」「札幌市南区」の各々に、12件、4件、3件、1件、1件、1件、1件が属すると計測することができる。分類区分とその分類区分に属する文字データの件数とオペレータIDとが関連付けられたデータは、帳票グルーピングテーブルとして記憶部340により記憶され得る。
【0041】
特定部313は、分類区分を特定する機能を有する。
図6に示した例では、特定部313は、分類区分「札幌市中央区」「札幌市白石区」「札幌市清田区」「札幌市厚別区」「札幌市手稲区」「札幌市東区」「札幌市南区」の中から分類区分を少なくとも1つ特定する。特定部313は、例えば、端末40から送信要求を取得したタイミングで分類区分を特定すればよい。特定部313は、複数の文字データの分類区分ごとの件数に基づいて、分類区分を特定することができる。特定された分類区分に属する文字データは、端末40を操作するオペレータにより処理される。複数の文字データの分類区分ごとの件数は、上記したように、例えば、計測部312により計数され得る。
【0042】
特定部313による分類区分の特定の手法は、特に限定されない。特定部313は、例えば、件数が最大である分類区分を特定することができる。また、特定部313は、所定条件を満たす登録日時が関連付けられている文字データが複数の文字データに存在する場合には、その文字データが属する分類区分を特定し、所定条件を満たす登録日時が関連付けられている文字データが存在しない場合には、複数の文字データの分類区分ごとの件数に基づいて分類区分を特定してもよい。
【0043】
所定条件は、例えば、現在よりも所定期間古いという条件である。このように、特定部313は、例えば、現在よりも所定期間古いという条件を満たす登録日時が関連付けられている文字データが複数の文字データに存在する場合には、その文字データが属する分類区分を特定することができる。これにより、古いデータが未処理のまま長期間放置されてしまうことを防止することができる。
【0044】
通知部314は、複数の文字データのうち、特定部313により特定された分類区分に属する1または複数の文字データを端末40に通知する機能を有する。通知部314は、例えば、複数の文字データのうち、特定部313により特定された分類区分に属する1または複数の文字データの全部を端末40に通知してもよい。あるいは、通知部314は、例えば、複数の文字データのうち、特定部313により特定された分類区分に属する1または複数の文字データの一部を端末40に通知してもよい。
【0045】
図7〜
図11は、本発明の実施形態に係るサーバ30の機能を説明するための図である。
図7に示すような帳票データテーブルと帳票グルーピングテーブルとが記憶部340により記憶されているとする。特定部313は、例えば、第1オペレータが操作する端末40から送信要求を取得すると、帳票データテーブルを参照して、登録日時が所定期間より古いデータがあるか否かを判定する。
【0046】
図7に示した例では、特定部313は、登録日時「2010/10/01/09:00」が現在よりも所定期間古いデータであると判定し、このデータが属する分類区分「札幌市厚別区」を特定する。特定部313は、帳票グルーピングテーブルの分類(分類区分)「札幌市厚別区」に関連付けられている「オペレータID」に第1オペレータのIDを設定する。オペレータのIDは、例えば、送信要求に設定されている。
【0047】
通知部314は、特定部313により特定された分類区分に属する帳票データを第1オペレータの操作する端末40に返信する。その際、通知部314は、通知した帳票データに相当する帳票データテーブル内の帳票データの「状態」に「1:処理中」を設定する。通知部314は、端末40からこの帳票データに対する処理が完了した旨が通知された場合には、この「状態」に「2:処理済み」を設定し、この帳票データが属する分類区分に相当する帳票グルーピングテーブルの「件数」から1を減算する。通知部314は、同一の分類区分に属する次の帳票データを第1オペレータの操作する端末40に送信することができる。
【0048】
続いて、特定部313は、例えば、第2オペレータが操作する端末40から送信要求を取得すると、帳票データテーブルを参照して、「状態」が「0:未処理」であり、かつ、「登録日時」が所定期間より古いデータがあるか否かを判定する。
【0049】
図8に示した例では、特定部313は、「登録日時」が現在よりも所定期間古いデータがないと判定し、帳票グルーピングテーブルを参照する。特定部313は、帳票グルーピングテーブルの中に、「オペレータID」にオペレータIDが設定されておらず、かつ、「件数」が最大である分類(分類区分)が存在するか否かを判定する。
図8に示した例では、特定部313は、「札幌市中央区」が該当する分類(分類区分)であると判定し、「札幌市中央区」に関連付けられている「オペレータID」に第2オペレータのIDを設定する。
【0050】
通知部314は、特定部313により特定された分類区分に属する帳票データを第2オペレータの操作する端末40に返信する。その際、通知部314は、通知した帳票データに相当する帳票データテーブル内の帳票データの「状態」に「1:処理中」を設定する。通知部314は、端末40からこの帳票データに対する処理が完了した旨が通知された場合には、この「状態」に「2:処理済み」を設定し、この帳票データが属する分類区分に相当する帳票グルーピングテーブルの「件数」から1を減算する。通知部314は、同一の分類区分に属する次の帳票データを第2オペレータの操作する端末40に送信することができる。
【0051】
続いて、特定部313は、例えば、第3オペレータが操作する端末40から送信要求を取得すると、帳票データテーブルを参照して、「状態」が「0:未処理」であり、かつ、「登録日時」が所定期間より古いデータがあるか否かを判定する。
【0052】
図9に示した例では、特定部313は、「登録日時」が現在よりも所定期間古いデータがないと判定し、帳票グルーピングテーブルを参照する。特定部313は、帳票グルーピングテーブルの中に、「オペレータID」にオペレータIDが設定されておらず、かつ、「件数」が最大である分類(分類区分)が存在するか否かを判定する。
図9に示した例では、特定部313は、「札幌市白石区」が該当する分類(分類区分)であると判定し、「札幌市白石区」に関連付けられている「オペレータID」に第3オペレータのIDを設定する。
【0053】
通知部314は、特定部313により特定された分類区分に属する帳票データを第3オペレータの操作する端末40に返信する。その際、通知部314は、通知した帳票データに相当する帳票データテーブル内の帳票データの「状態」に「1:処理中」を設定する。通知部314は、端末40からこの帳票データに対する処理が完了した旨が通知された場合には、この「状態」に「2:処理済み」を設定し、この帳票データが属する分類区分に相当する帳票グルーピングテーブルの「件数」から1を減算する。通知部314は、同一の分類区分に属する次の帳票データを第3オペレータの操作する端末40に送信することができる。
【0054】
続いて、特定部313は、例えば、第4オペレータが操作する端末40から送信要求を取得すると、帳票データテーブルを参照して、「状態」が「0:未処理」であり、かつ、「登録日時」が所定期間より古いデータがあるか否かを判定する。
【0055】
図10に示した例では、特定部313は、「登録日時」が現在よりも所定期間古いデータがないと判定し、帳票グルーピングテーブルを参照する。特定部313は、帳票グルーピングテーブルの中に、「オペレータID」にオペレータIDが設定されておらず、かつ、「件数」が最大である分類(分類区分)が存在するか否かを判定する。
図10に示した例では、特定部313は、「札幌市清田区」が該当する分類(分類区分)であると判定し、「札幌市清田区」に関連付けられている「オペレータID」に第4オペレータのIDを設定する。
【0056】
通知部314は、特定部313により特定された分類区分に属する帳票データを第4オペレータの操作する端末40に返信する。その際、通知部314は、通知した帳票データに相当する帳票データテーブル内の帳票データの「状態」に「1:処理中」を設定する。通知部314は、端末40からこの帳票データに対する処理が完了した旨が通知された場合には、この「状態」に「2:処理済み」を設定し、この帳票データが属する分類区分に相当する帳票グルーピングテーブルの「件数」から1を減算する。通知部314は、同一の分類区分に属する次の帳票データを第4オペレータの操作する端末40に送信することができる。
【0057】
続いて、特定部313は、例えば、第5オペレータが操作する端末40から送信要求を取得すると、帳票データテーブルを参照して、「状態」が「0:未処理」であり、かつ、「登録日時」が所定期間より古いデータがあるか否かを判定する。
【0058】
図11に示した例では、特定部313は、「登録日時」が現在よりも所定期間古いデータがないと判定し、帳票グルーピングテーブルを参照する。特定部313は、帳票グルーピングテーブルの中に、「オペレータID」にオペレータIDが設定されておらず、かつ、「件数」が最大である分類(分類区分)が存在するか否かを判定する。
図11に示した例では、特定部313は、「札幌市手稲区」「札幌市東区」「札幌市南区」が該当する分類(分類区分)であると判定する。
【0059】
このように、特定部313は、帳票グルーピングテーブルの中に、「オペレータID」にオペレータIDが設定されておらず、かつ、「件数」が最大である分類(分類区分)が複数存在すると判定した場合には、登録日時が最も古い帳票データを判定し、このデータが属する分類区分「札幌市手稲区」を特定する。特定部313は、帳票グルーピングテーブルの分類(分類区分)「札幌市手稲区」に関連付けられている「オペレータID」に第5オペレータのIDを設定する。
【0060】
通知部314は、特定部313により特定された分類区分に属する帳票データを第5オペレータの操作する端末40に返信する。その際、通知部314は、通知した帳票データに相当する帳票データテーブル内の帳票データの「状態」に「1:処理中」を設定する。通知部314は、端末40からこの帳票データに対する処理が完了した旨が通知された場合には、この「状態」に「2:処理済み」を設定し、この帳票データが属する分類区分に相当する帳票グルーピングテーブルの「件数」から1を減算する。減算すると「件数」が「0」になるため、通知部314は、その分類区分を帳票グルーピングテーブルから削除してもよい。
【0061】
図12は、本発明の実施形態に係る端末40の機能構成を示すブロック図である。
図12に示すように、端末40は、制御部410、入力部420、通信部430、記憶部440、出力部450を備えている。制御部410は、端末40の動作全体を制御する機能を有しており、操作取得部411、送信制御部412、取得部413、表示制御部414を有している。入力部420は、端末40を操作するオペレータからの操作の入力を受け付ける機能を有している。通信部430は、サーバ30と通信を行う機能を有している。記憶部440は、端末40の動作に使用される各種プログラムや各種データを記憶する機能を有している。出力部450は、例えば表示装置により構成され、制御部410による制御に従って、各種データを出力する機能を有している。
【0062】
操作取得部411は、入力部420により入力が受け付けられた操作を取得する機能を有する。例えば、操作取得部411は、帳票に関する処理を開始する旨を示す処理開始操作を取得した場合には、オペレータIDを含んだ送信要求を生成する。オペレータIDは、どのように取得されてもよいが、例えば、端末40の起動時にオペレータから入力されるオペレータIDを取得してもよい。
【0063】
送信制御部412は、操作取得部411により生成された送信要求をサーバ30に送信するよう通信部430を制御する機能を有する。送信制御部412による制御にしたがって、通信部430により送信要求がサーバ30に送信される。例えば、送信制御部412は、文字データに対する処理が完了した場合には、この文字データに対する処理が完了した旨をサーバ30に通知してもよい。
【0064】
取得部413は、サーバ30から送信要求に対する応答として文字データを取得する機能を有している。取得部413は、例えば、通信部430によりサーバ30から受信された文字データを取得することができる。文字データには、登録日時、画像データなどが関連付けられていてもよい。サーバ30から取得される複数の文字データは、サーバ30により特定された同一の分類区分に属している。
【0065】
表示制御部414は、取得部413により取得された文字データを出力するように表示制御部414を制御する機能を有している。オペレータは、出力された文字データに基づいて、文字データに関する処理を行うことができる。例えば、文字データが上記したような「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」「口座番号」「その他」を含んでいる場合に、入力部420を介して正しい住所を入力することにより、「住所」を訂正する作業を行うことができる。
【0066】
[動作の説明]
図13は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1により実行される登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理システム1により実行される登録処理の説明を行う。
【0067】
まず、読取装置10は、顧客等により記入された帳票を読み取る(ステップS11)。認識装置20は、読取装置10により読み取られて得られた読取データ(画像データ)からOCRにより文字認識を行う(ステップS12)。文字認識の結果、例えば、認識装置20は、帳票に含まれる「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」「口座番号」「その他」の各々のフィールドから文字データを認識することができる。
【0068】
認識装置20は、文字データを含む帳票データをサーバ30に通知すると、サーバ30は、認識装置20から取得した帳票データを帳票データテーブルに登録することができる(ステップS13)。サーバ30は、取得した帳票データに基づいて帳票データグルーピングテーブルを更新する(ステップS14)。
【0069】
具体的には、サーバ30は、取得した帳票データの分類区分を判定し、帳票グルーピングテーブルにおいてこの分類区分に一致する「分類区分」が存在する場合には、その「分類区分」に関連付けられている「件数」を1加算し、帳票グルーピングテーブルにおいてこの分類区分に一致する「分類区分」が存在しない場合には、その「分類区分」を追加してその「分類区分」に関連付けられる「件数」に1を設定する。
【0070】
サーバ30は、帳票グルーピングテーブルを参照して、帳票データが所定数に達したグループ(あるいは分類区分)が存在するか否かを判定する(ステップS15)。サーバ30は、帳票データが所定数に達したグループが存在しないと判定した場合には(ステップS15で「No」)、ステップS17に進む。サーバ30は、帳票データが所定数に達したグループが存在すると判定した場合には(ステップS15で「Yes」)、そのグループを閉じて、ステップS17に進む。グループを閉じた場合には、そのグループに属する帳票データは、それ以降増加しない。
【0071】
サーバ30は、所定時間以上前の帳票データを含むグループが存在するか否かを判定する(ステップS17)。サーバ30は、所定時間以上前の帳票データを含むグループが存在しないと判定した場合には(ステップS17で「No」)、登録処理を終了する。サーバ30は、所定時間以上前の帳票データを含むグループが存在すると判定した場合には(ステップS17で「Yes」)、そのグループを閉じて、登録処理を終了する。
【0072】
図14は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1により実行される登録処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
図14を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理システム1により実行される登録処理の他の一例の説明を行う。
【0073】
図14に示したステップS11〜ステップS14については、
図13に示したステップS11〜ステップS14と同様に実行され得る。
【0074】
サーバ30は、帳票グルーピングテーブルを参照して、所定時間が経過した帳票データが属するグループ(あるいは分類区分)が存在するか否かを判定する(ステップS21)。サーバ30は、所定時間が経過した帳票データが属するグループが存在しないと判定した場合には(ステップS21で「No」)、登録処理を終了する。サーバ30は、所定時間が経過した帳票データが属するグループが存在すると判定した場合には(ステップS21で「Yes」)、そのグループを閉じて、登録処理を終了する。
【0075】
図15は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1により実行される割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理システム1により実行される割り当て処理の一例の説明を行う。
【0076】
まず、サーバ30は、端末40から送信要求を取得すると、「状態」が「0:未処理」であり、かつ、「登録日時」が所定時間以上前の帳票データを帳票データテーブルから検索する(ステップS31)。サーバ30は、該当するデータが存在した場合には(ステップS32で「Yes」)、サーバ30は、該当データが存在した場合には、該当データをオペレータによる処理対象とし、複数の該当データが存在する場合には、最も古い帳票データをオペレータによる処理対象とする。サーバ30は、処理対象としたデータが属する分類区分を特定して、ステップS34に進む。
【0077】
サーバ30は、該当するデータが存在しなかった場合には(ステップS32で「No」)、オペレータが割り当てられておらず、かつ、件数が最も多い分類区分に属するデータを処理対象データとして検索する(ステップS33)。サーバ30は、帳票データの件数が最も多い分類区分を特定して、ステップS34に進む。なお、件数が最も多い分類区分が複数存在する場合には、登録日時がより古い帳票データが含まれる分類区分を特定する。
【0078】
サーバ30は、特定した分類区分に関連付けられて帳票グルーピングテーブルに登録されているオペレータIDに、送信要求に含まれるオペレータIDを設定することにより、帳票グルーピングテーブルを更新する(ステップS34)。サーバ30は、帳票データテーブルにおいて処理対象データの「状態」に「1:処理中」を設定して、処理対象データを端末40に通知すると、端末40は、通知された処理対象データを入力処理の対象とする帳票として表示する(ステップS35)。
【0079】
端末40は、オペレータによる操作に基づいて、表示した帳票に関する入力処理を行う(ステップS36)。この入力処理が完了すると、この帳票に関する入力処理が完了した旨がサーバ30に通知され、サーバ30は、帳票データテーブルにおいてこの帳票データに関連する「状態」に「2:処理済み」を設定し、帳票グルーピングテーブルにおいてこの帳票データが属する分類区分の「件数」から1減算することにより、帳票グルーピングテーブルを更新する(ステップS37)。
【0080】
サーバ30は、特定した分類区分に属し、かつ、オペレータによる入力処理が完了していない帳票データを処理対象データとして検索する(ステップS38)。サーバ30は、処理対象データが存在すると判定した場合は(ステップS39で「Yes」)、ステップS35に戻り、その処理対象データに関する入力処理を継続する。サーバ30は、処理対象データが存在しないと判定した場合は(ステップS39で「No」)、割り当て処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、内容が類似している複数の文字データに対する作業を同一のオペレータに割り当てることが可能となる。したがって、オペレータは、類似の文字データに関する処理(入力処理等)を連続して行うことができるため、処理効率を向上させることができる。
【0082】
[変形例の説明]
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0083】
例えば、本実施形態においては、通信部330および通信部430における通信は、どのような通信手段により行われてもよい。例えば、通信部330および通信部430における通信は、Bluetooth、ZigBee、無線LANなどの無線通信により行われてもよく、ケーブル接続による有線通信により行われてもよい。
【0084】
記憶部340および記憶部440などは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性メモリなどにより構成され得る。制御部310および制御部410などは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などから構成され、記憶部340および記憶部440により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。
【0085】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。