【実施例】
【0021】
以下、
図1乃至
図22を参照しながら、本発明の実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置を説明する。
図1は、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置に用いる噛合チェーンユニットの分解組み立て状態と噛み外れ状態を示す斜視図であり、
図2は、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置の正面側斜視図であり、
図3は、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置の背面側斜視図であり、
図4は、
図2及び
図3に示す噛合チェーン式進退作動装置の正面図であり、
図5は、噛合チェーンモジュールの一部を破断して示した斜視図であり、
図6は、
図5に示した噛合チェーンモジュールの平面図であり、
図7は、
図5に示した噛合チェーンモジュールの側面図であり、
図8は、
図5に示した噛合チェーンモジュールの伸張状態を示した斜視図であり、
図9は、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置の動作説明図であり、
図10は、噛合チェーンモジュールの一変形例を示した斜視図であり、
図11は、
図10に示した噛合チェーンモジュールの平面図であり、
図12は、
図10に示した噛合チェーンモジュールの側面図であり、
図13は、
図10に示した噛合チェーンモジュールの伸張状態を示した斜視図であり、
図14は、噛合チェーンモジュールの他の変形例を示した斜視図であり、
図15は、
図14に示した噛合チェーンモジュールの平面図であり、
図16は、
図14に示した噛合チェーンモジュールの側面図であり、
図17は、
図14に示した噛合チェーンモジュールの伸張状態を示した斜視図であり、
図18は、噛合チェーンモジュールの他の変形例を示した斜視図であり、
図19は、
図18に示した噛合チェーンモジュールの平面図であり、
図20は、
図18に示した噛合チェーンモジュールの側面図であり、
図21は、
図18に示した噛合チェーンモジュールの伸張状態を示した斜視図であり、
図22は、本発明の他の実施例である噛合チェーン式進退作動装置の正面側斜視図である。
【0022】
まず、
図1を参照しながら、本発明の実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置100に用いられる第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112の構成を詳細に説明する。
なお、第1及び第2噛合チェーンユニット111、112は、相互に同一の構成を有しているため、第1噛合チェーンユニット111の構成を詳細に説明し、第2噛合チェーンユニット112の詳細な説明を省略する。
図1に示すように、第1噛合チェーンユニット111は、後述するピン軸方向D3すなわちチェーン幅方向に沿って離間配置される一対のフック状内歯プレート111RA、111RA及びこの一対のフック状内歯プレート111RA、111RAの外側にそれぞれ隣接配置されるフック状外歯プレート111RB、111RBを前後一対の連結ピン111RC、111RCでチェーン長手方向に多数連結して構成されている。
また、ピン軸方向D3に沿って相互に対向する一対のフック状内歯プレート111RA、111RAは、連結ピン111RCを挿嵌したブシュ111RDを介して互いにピン軸方向D3に連結固定されている。
一対の第1噛合チェーン111R、111Lは、相互に対向配置した状態で後述の駆動用スプロケット113S−1によって駆動されて相互に噛み合って一体化するとともに噛み外れて分岐する。
なお、第1噛合チェーン111R、111Lは、ブシュにローラが遊嵌されているローラチェーンタイプでも、ピンとプレートのみから構成されているタイプでも、いずれであってもよい。
【0023】
次に、
図1乃至
図7を参照しながら、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置100を詳細に説明する。
なお、本実施例では、チェーンガイドプレート114Pの上下端のそれそれから
図9中の上下方向すなわち第1チェーン剛直化方向D1及び第2チェーン剛直化方向D2に第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれを長さL1だけ突出させた状態から駆動長L2だけ第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112をそれぞれ伸張させた状態を例に挙げて噛合チェーン式進退作動装置100の動作状態を説明する。
【0024】
図1乃至
図9に示すように、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置100は、相互に噛み合って対向配置した状態で第1チェーン剛直化方向D1に向かって一体に剛直化するとともに剛直化する手前で相互に噛み外れて分岐自在となることで進退自在に駆動される一対の第1噛合チェーン111R、111Lからなる第1噛合チェーンユニット111と相互に噛み合って対向配置した状態で第1チェーン剛直化方向D1に対して逆向きである第2チェーン剛直化方向D2に向かって一体に剛直化するとともに剛直化する手前で相互に噛み外れて分岐自在となることで進退自在に駆動される一対の第2噛合チェーン112R、112Lからなる第2噛合チェーンユニット112と第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのピン軸方向D3に沿って第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112の一方の側から第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン剛直化部分111G、112Gの間に延びるチェーン駆動軸113Aを有しているとともに第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれにチェーン駆動軸113Aを介して駆動力を供給するチェーン駆動用ユニット113と第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれの噛み外れ部分111H、112Hに対応した複数のチェーン収納部114Aを形成したチェーン収納ユニット114とを有している噛合チェーンモジュール110Aと、第1噛合チェーンユニット111の先端部に固定接続された第1接続部材120と、第2噛合チェーンユニット112の先端部に固定接続された第2接続部材130とを備えていることにより、第1噛合チェーン111R、111L及び第2噛合チェーン112R、112Lのそれぞれを収納するチェーン収納部114Aの全体を直線状に長くすることで生じる無駄なスペースを発生させない状態で第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112の一方のみを進退動させる場合に比べて装置全体のストローク長ΔLを2倍すなわち駆動長L2の2倍にするため、駆動モータ113Mのサイズ増大及び装置内における無駄なスペースの発生を回避して装置サイズの増大を回避した状態で装置全体のストローク長を長くするとともに昇降テーブル等の第1接続部材120の進退動速度を向上させ、しかもチェーン剛直化部分111G、112Gの曲がりや座屈の発生を回避するようになっている。
【0025】
なお、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置100では、チェーン駆動ユニット113が、チェーン駆動軸113Aと、チェーン駆動軸113Aを駆動軸として回転する2枚の駆動用スプロケット113S−1、113S−2と、駆動用モータ113Mと、駆動用モータ113Mの出力軸に接続されてチェーン駆動軸113Aを駆動する直交ギア113GCとから構成されている。
また、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置100では、第1チェーン剛直化方向D1及び第2チェーン剛直化方向D2が、第2接続部材130を設置した設置面Gすなわち水平方向DHに沿った平面に直交する鉛直方向DVに対して平行であり、噛合チェーンモジュール110と第1接続部材120及び第2接続部材130のそれぞれに上端部及び下端部を固定接続したパンタグラフ等の一対のリンク機構140、140が設けられている。
これにより、リンク機構140、140が第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112の進退動に応じたチェーン収納ユニット114の上下移動を阻害しないとともに噛合チェーンモジュール110Aの横方向すなわち噛合チェーンモジュール110Aからリンク機構140、140に向かう方向に沿って第1接続部材120を支持するため、噛合チェーン式進退作動装置100は、チェーン剛直化部分111G、112Gを形成した噛合チェーンモジュール110Aの横方向への倒れを回避するようになっている。
【0026】
また、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置100は、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112が、ピン軸方向D3に沿って相互にずらして設けられていることにより、第1噛合チェーン111R、111L及び第2噛合チェーン112R、112Lのそれぞれのチェーン軌道に平行な平面に沿って第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン剛直化部分111G、112Gを相互に近付けた状態で第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112を配置するため、同一平面内で第1噛合チェーン111R、111L及び第2噛合チェーン112R、112Lを進退動させる場合に比べて第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれチェーン剛直化部分111G、112Gを相互に近付けた状態で第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112を配置して装置サイズの増大をより一層回避するようになっている。
【0027】
また、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置100は、チェーン駆動用ユニット113が、チェーン駆動軸113Aに接続されているとともに第1噛合チェーンユニット111のチェーン剛直化部分111Gに係合する第1駆動用スプロケット113S−1と、チェーン駆動軸113Aに接続されているとともに第2噛合チェーンユニット112のチェーン剛直化部分112Gに係合する第2駆動用スプロケット113S−2とを有していることにより、一本のチェーン駆動軸113Aを介して第1駆動用スプロケット113S−1及び第2駆動用スプロケット113S−2を回転駆動して第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112を駆動するため、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれを別々のチェーン駆動軸を介して駆動する場合に比べてチェーン駆動用ユニット113を構成する部品点数の増大を回避してチェーン駆動用ユニット113の設置スペース増大を回避した状態で装置サイズの増大をより一層回避するようになっている。
【0028】
このようにして得られた本実施例の噛合チェーン式進退作動装置100は、相互に噛み合って対向配置した状態で第1チェーン剛直化方向D1に向かって一体に剛直化するとともに剛直化する手前で相互に噛み外れて分岐自在となることで進退自在に駆動される一対の第1噛合チェーン111R、111Lからなる第1噛合チェーンユニット111と相互に噛み合って対向配置した状態で第1チェーン剛直化方向D1に対して逆向きである第2チェーン剛直化方向D2に向かって一体に剛直化するとともに剛直化する手前で相互に噛み外れて分岐自在となることで進退自在に駆動される一対の第2噛合チェーン112R、112Lからなる第2噛合チェーンユニット112と第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのピン軸方向D3に沿って第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112の一方の側から第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン剛直化部分111G、112Gの間に延びるチェーン駆動軸113Aを有しているとともに第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれにチェーン駆動軸113Aを介して駆動力を供給するチェーン駆動用ユニット113と第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれの噛み外れ部分111H、112Hに対応した複数のチェーン収納部114Aを形成したチェーン収納ユニット114とを有している噛合チェーンモジュール110Aと、第1噛合チェーンユニット111の先端部に固定接続された第1接続部材120と、第2噛合チェーンユニット112の先端部に固定接続された第2接続部材130とを備えていることにより、駆動モータ113Mのサイズ増大及び装置内における無駄なスペースの発生を回避して装置サイズの増大を回避した状態で装置全体のストローク長を長くするとともに昇降テーブル等の第1接続部材120の進退動速度を向上させ、しかもチェーン剛直化部分111G、112Gの曲がりや座屈の発生を回避することができるなど、その効果は甚大である。
【0029】
次に、
図10乃至
図13を参照しながら、上述した噛合チェーンモジュール110Aの変形例に係る噛合チェーンモジュール110Bを詳細に説明する。
なお、以下では、各変形例に係る噛合チェーンモジュール及び噛合チェーン式進退作動装置と上述の噛合チェーンモジュール110A及び噛合チェーン式進退作動装置100とに共通する部分に共通の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0030】
図10乃至
図13に示すように、本変形例に係る噛合チェーンモジュール110Bは、第1噛合チェーンユニット111の第1チェーン剛直化方向D1と第2噛合チェーンユニット112の第2チェーン剛直化方向D2とのそれぞれに沿って縦長な形状を有するチェーン収納ユニット114を備えていることにより、上述の噛合チェーンモジュール110Aに比べて
図11中の左右方向に沿ってチェーン収納ユニット114のサイズを小さくするため、上述の噛合チェーンモジュール110Aと同様の効果を得られるだけでなく、特に
図11中の左右方向に沿って装置内における占有スペースを低減するようになっている。
【0031】
次に、
図14乃至
図17を参照しながら、上述した噛合チェーンモジュール110Aの他の変形例に係る噛合チェーンモジュール110Cを詳細に説明する。
図14乃至
図17に示すように、本変形例に係る噛合チェーンモジュール110Cは、チェーン駆動用ユニット113が、チェーン駆動軸113Aに接続された状態で第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン剛直化部分111G、112Gに係合する駆動用スプロケット113S−3を有していることにより、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれを別々の駆動用スプロケットで駆動することを回避するため、チェーン駆動用ユニット113を構成する部品点数の増大を回避した状態で装置サイズの増大をより一層回避するようになっている。
【0032】
また、本変形例に係る噛合チェーンモジュール110Cは、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のうち少なくとも第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン剛直化部分111G、112Gが、同一平面S内で進退駆動され、チェーン駆動用ユニット113が、同一平面S内で進退駆動される2つのチェーン剛直化部分111G、112Gに係合する駆動用スプロケット113S−3を有していることにより、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのピン軸方向D3に沿って第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれを相互にずらして配置する場合に比べて第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれの設置に伴って生じる装置内の無駄なスペースを低減するため、上述のピン軸方向D3に沿って装置サイズの増大をより一層回避するようになっている。
【0033】
次に、
図18乃至
図21を参照しながら、上述の噛合チェーンモジュール110Cの別の変形例を説明する。
図18乃至
図21に示すように、噛合チェーンモジュール110Cは、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のうち第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン噛み外れ部分111H、112Hを第1チェーン剛直化方向D1及び第2チェーン剛直化方向D2から見た際に、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン噛み外れ部分111H、112Hが、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれのチェーン剛直化部分111G、112Gの間の領域で相互に交差していることにより、第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112のそれぞれをピン軸方向D3に沿って完全にずらして同一平面内に配置しない場合に比べて第1噛合チェーンユニット111及び第2噛合チェーンユニット112の設置に伴って装置内に生じる無駄なスペースを低減するため、上述のピン軸方向D3に沿って装置サイズの増大をより一層回避するようになっている。
【0034】
次に、
図22を参照しながら、上述した噛合チェーン式進退作動装置100の変形例に係る噛合チェーン式進退作動装置200を説明する。
図22に示すように、本変形例に係る噛合チェーン式進退作動装置200は、リンク機構140の関節部141と噛合チェーンモジュール110Aとを相互に接続する中間保持部150を備え、中間保持部150が、水平方向DHに延びて関節部141をガイドする関節部移動用ガイド151を有している。
これにより、噛合チェーン式進退作動装置200は、チェーン収納ユニット114の上下方向移動に並行するリンク機構140の伸縮動作に応じてチェーン収納ユニット114の上下移動を阻害しないとともに噛合チェーンモジュール110Aの横方向すなわち噛合チェーンモジュール110Aからリンク機構140、140に向かう方向に沿って第1接続部材120を支持するため、チェーン剛直化部分111G、112Gを形成した噛合チェーンモジュール110Aの横方向への倒れを回避するようになっている。