(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721715
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】永久磁石励磁型電気モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 23/04 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
H02K23/04
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-522096(P2012-522096)
(86)(22)【出願日】2010年7月16日
(65)【公表番号】特表2013-500696(P2013-500696A)
(43)【公表日】2013年1月7日
(86)【国際出願番号】EP2010060353
(87)【国際公開番号】WO2011012472
(87)【国際公開日】20110203
【審査請求日】2012年1月27日
(31)【優先権主張番号】102009028036.7
(32)【優先日】2009年7月27日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート シュステーク
【審査官】
松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−007862(JP,A)
【文献】
実開昭53−019720(JP,U)
【文献】
特開昭63−117647(JP,A)
【文献】
特開平09−168245(JP,A)
【文献】
特開平07−123667(JP,A)
【文献】
特開昭63−023546(JP,A)
【文献】
特開平09−084315(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02073344(EP,A2)
【文献】
英国特許出願公開第02130810(GB,A)
【文献】
独国特許出願公開第19833802(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 23/04
H02K 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子がポールハウジング(28)と、該ポールハウジング(28)に保持された永久磁石(31)とを有し、該永久磁石(31)には磁束案内部材(300)が割り当てられており、永久磁石(31)と磁束案内部材(300)をポールハウジング(28)の内側(307)に固定するための固定手段が設けられている永久磁石励磁型電気モータにおいて、
少なくとも1つの永久磁石(31)と磁束案内部材(300)とが周方向で形状的に互いに係合するよう配置されており、
半径方向で外側にある永久磁石(31)の第1のエッジ(310)と、半径方向で内側にある永久磁石(31)の第2のエッジ(311)と前記第1のエッジ(310)との間に位置する磁束案内部材(300)のエッジ(313)とが、永久磁石(31)と磁束案内部材(300)との間の係合領域を通る1つの半径線(312)に対して相互に反対側に位置しており、かつ、永久磁石(31)の前記第1のエッジ(310)と前記第2のエッジ(311)との間に位置する永久磁石(31)の第3のエッジ(314)と前記第2のエッジ(311)とが、前記半径線(312)に対して相互に反対側に位置しており、
取り付けられた状態では永久磁石(31)と磁束案内部材(300)との間に半径方向の形状的な結合が得られる、ことを特徴とする電気モータ。
【請求項2】
請求項1に記載の電気モータにおいて、
取り付けられた状態では付加的に、永久磁石(31)と磁束案内部材(300)との間に周方向の形状的な結合が得られる電気モータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気モータにおいて、
磁束案内部材(300)にあって周方向に伸長する突起(317)が、永久磁石(31)にある相補形の切欠部(316)に突入する電気モータ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
固定手段は磁束案内部材(300)にだけ係合し、該磁束案内部材(300)をポールハウジング(28)に確保する保持力を及ぼす電気モータ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
固定手段は、ポールハウジング(28)に保持された保持ばね(301)として構成されている電気モータ。
【請求項6】
請求項5に記載の電気モータにおいて、
保持ばね(301)はU字形を有し、保持ばね(301)の一方の脚部(302)が周方向に磁束案内部材(300)または永久磁石(31)を押し付け、ポールハウジング(28)に支持されている電気モータ。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電気モータにおいて、
保持ばね(301)と磁束案内部材(300)または永久磁石(31)との間には線形の接点がある電気モータ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
固定手段は内側にある保持リング(319)として構成されており、該保持リングは磁束案内部材(300)および/または永久磁石(31)を半径方向の位置でポールハウジング(28)に確保する電気モータ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
磁束案内部材(300)と永久磁石(31)の間にはスリット(309)があり、該スリットは、磁束案内部材(300)と永久磁石(31)の互いに向かい合う側面(303)の部分領域にわたって半径方向に伸長している電気モータ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
磁束案内部材(300)は角形の断面を有する電気モータ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
磁束案内部材(300)はその全長にわたり、半径方向で見て一定の断面を有する電気モータ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電気モータにおいて、
磁束案内部材(300)はその全長にわたり、半径方向で見て変化する断面を有する電気モータ。
【請求項13】
請求項12に記載の電気モータにおいて、
磁束案内部材(300)の周方向における厚さは、ポールハウジング(28)に向かって半径方向に増大する電気モータ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の電気モータを備える、内燃機関用のスタータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による永久磁石励磁型電気モータに関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、内燃機関用の電気スタータモータが公知であり、このモータはポールハウジングに永久磁石を有し、永久磁石は電機子軸をその上に配置された電機子とともに包囲する。永久磁石は保持ばねによってハウジング内に固定される。この保持ばねは隣接する磁石の間に配置されており、磁石の一方の端面に弾性に当接するばねアームを有する。低い回転数でも大きなトルクが出力される直巻特性を達成するために、永久磁石には磁束案内部材が割り当てられており、この磁束案内部材は良導磁性の材料からなり、磁束を案内するために用いられる。特許文献1によれば、保持ばねはハウジングに付加的にリベットによって固定されており、これにより磁束案内部材に作用する半径方向の力を吸収し、磁束案内部材を含めた磁石をハウジング内に所望の位置で保持することができる。
【0003】
特許文献1に記載された別の実施形態によれば、永久磁石は磁束案内部材も含めて保持リングによってポールハウジングに位置決めされており、この保持リングが永久磁石を磁束案内部材を、周囲のポールハウジングに対して半径方向に確保する。保持リングから90°に突き出たばね舌片が、磁束案内部材を周方向に磁石にあてがう。適切な保持ばねを介した保持も、保持リングを介した保持も、または単純な保持ばねと溶接もしくはリベット留めされた磁束案内部材としての実施形態も比較的面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE3539851A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎とする課題は、研磨のような面倒な副次的作業なしで磁石と磁束案内部材がポールハウジングに確実に保持されるように永久磁石励磁型電気モータを、単純な構造的措置により構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は本発明により、請求項1の特徴によって解決される。従属請求項は有利な改善形態を示す。
【0007】
本発明は、内燃機関用のスタータモータとして使用される永久磁石励磁型電気モータから出発する。この電気モータはとりわけインナロータモータとして構成されており、固定子が電機子を備える電機子軸を包囲する。固定子はポールハウジングを有し、ポールハウジングの内側には永久磁石と磁束案内部材が固定手段によって固定されている。
【0008】
本発明によれば、少なくとも1つの永久磁石と少なくとも1つの磁束案内部材とが互いに噛み合うように配置されており、半径方向に、有利には周方向にも噛み合っている。たとえばこれは周方向に伸長する突起によって実現され、この突起は構成部材の一方に配置されており、他方の構成部材の切欠部に相補的形状で突入する。ここでは、突起が永久磁石の一方の端面に配置されており、切欠部が磁束案内部材の向かい合う端面に取り付けられている実施形態も、突起が磁束案内部材にあり、切欠部が永久磁石にある反対の実施形態も両方とも可能である。両方の場合とも(場合によっては互いに組み合わせることもできる)、突起と切欠部は周方向に伸長し、これにより半径方向では互いに噛み合う区間の間にアンダカットが生じ、形状的に結合するようになる。突起または切欠部が形成されている端面は、それぞれの構成部材を周方向に制限する。
【0009】
形状的に結合しているので、構成部材の1つだけを、すなわち永久磁石または磁束案内部材のいずれかだけを固定手段によってポールハウジングに固定すれば基本的に十分である。形状的な結合を介して保持力が、固定手段により直接固定されていない構成部材にも伝達され、この構成部材がポールハウジングの内側の位置に確保される。したがって基本的に、固定手段と直接接触していない構成部材を、別の固定手段により確保する必要はなく、または2つの構成部材を同じ固定手段により直接保持する必要もない。同じことが変形実施形態でも可能である。
【0010】
本発明の実施形態のさらなる利点は、永久磁石の側面が、従来技術の場合よりもわずかしか後処理する必要がないか、またはまったく後処理の必要がないことである。基本的に磁石を作製後に、側方制限面の処理なしで、とりわけ研磨工程なしで電気モータに直接取り付けることができる。なぜなら作製に起因して平行な磁石の側面でも、磁束案内部材により形状的に噛み合っているため使用することができるからである。プレス後に存在する側面が平行な磁石は、この形状のままでポールハウジングに直接嵌め込むことができる。
【0011】
側面が後処理される場合であっても、従来技術の実施形態と比較して、この後処理はわずかなものとすることができる。したがって側面を半径方向の伸長部の一部でだけ研磨すれば十分であり、これにより角度の付いた側方の制限面が永久磁石に得られる。研磨された部分面を角度を付けて配向することで、磁束案内部材による形状的な噛み合いを実現することができ、永久磁石と磁束案内部材とが互いに噛み合う際に付加的な構造空間を必要としない。
【0012】
形状的な確保に加えて、永久磁石をポールハウジングの内側に保持するためにドーム作用が利用される。これは永久磁石が対向する両方の側面に支持され、一方の側面に磁束案内部材が配置されることによって行われる。磁束案内部材はスタータモータのスイッチオン時に、半径方向で内側に作用する高められた力を受けるから、磁束案内部材と当接する永久磁石との間の形状的な結合を介して、電機子軸の方向での半径方向のずれに対して改善された相互の支持が得られる。
【0013】
好ましい実施形態によれば、磁束案内部材と永久磁石との間の接触面の領域にスリットがあり、このスリットは互いに向き合う側面の部分領域を少なくとも超えて半径方向に伸長している。このスリットは、磁石および/または磁束案内部材の製造公差を補償するために用いられ、したがって磁石の製造の際に研磨後処理を省略することができる。このスリットはとりわけ、磁束案内部材による磁気的短絡を減少させる。
【0014】
別の好ましい実施形態によれば、永久磁石と磁束案内部材の互いに向き合う側面では、一方では半径方向で外側の永久磁石のエッジに、他方では半径方向でさらに内側にある磁束案内部材のエッジに、
係合領域を通る
半径線を基準にして異なる側になるような幾何形状が付与されている。これはその実施形態では、永久磁石と磁束案内部材の間の接触面が
半径線に対して角度をなしていることを意味し、これにより十分な形状的な結合が保証される。ここでは、半径方向で外側にある永久磁石のエッジが、半径方向で内側にある永久磁石のエッジよりさらに周方向に伸長している実施形態も、半径方向で外側にあるエッジが半径方向で内側にあるエッジよりも同じ側面ではわずかしか周方向に伸長していない実施形態も考えられる。ここで磁束案内部材の向かい合う側面はそれぞれ相補形の断面形状を有する。さらに、互いに角度を付けて配置された2つの部分面を永久磁石の側にも、磁束案内部材の側にも有する角度のある側面幾何形状も可能である。
【0015】
さらに別の実施形態によれば、半径方向に伸長する接触面も基本的に可能である。この場合、一方の構成部材にあって周方向に伸長する少なくとも1つの突起と、他方の構成部材にあって対応して構成された切欠部とが形状的な結合を保証する。
【0016】
さらに別の実施形態によれば、永久磁石とこれに割り当てられて磁束案内部材をポールハウジングの内側に保持するための固定手段が保持ばねとして構成されており、保持ばねはドーム作用によってポールハウジングに当接し、たとえばノーズを介してポールハウジング内に位置が保持される。保持ばねは有利にはU字形を有し、一方の脚部を周方向に磁束案内部材に対して、または永久磁石に対して押し付ける。保持ばねは磁束案内部材結合体に割り当てられる。この場合、隣接する2つの永久磁石が磁束案内部材も含めて共通のばねを介して確保される保持ばねの実施形態も考えられる。保持ばねの脚部は、磁束案内部材もしくは永久磁石を点、線または面で押し付ける。
【0017】
成形された結束部を有する端面側の保持リングとして固定手段を構成する実施形態も基本的に可能である。この保持リングは磁束案内部材および/または永久磁石の位置を、ポールハウジングに対して半径方向に保持する。
【0018】
別の好ましい実施形態によれば、磁束案内部材が半径方向で見て一定の断面を有し、たとえば矩形であるその基本幾何形状に関係なく、部分円形または角形の断面を有することができる。しかし半径方向に変化する断面、とりわけ半径方向で内側から外側に拡大する断面を有する磁束案内部材を使用することもできる。
【0019】
磁束案内部材は好ましくは、薄板部材、曲げ部材、打抜き部材、またはフロープレス部材として実施される。
【0020】
さらなる利点および有利な実施形態は、請求の範囲、図面の説明および図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】内燃機関用のスタータ装置の縦断面図である。
【
図2】スタータ装置の電気モータの、縦軸に対して横の断面図である。
【
図3】角形に構成され、側方に続く磁束案内部材を有する永久磁石の拡大平面図である。
【
図4】角形の磁束案内部材の2つの脚部が非対称に構成されている別の変形実施形態を示す図である。
【
図5】磁束案内部材が半径方向に変化する断面を有する別の変形実施形態を示す図である。
【
図6】磁束案内部材にあって周方向に伸長する突起が、永久磁石の側面にある対応の切欠部に突入する別の変形実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図中、同じ構成部材には同じ参照符合が付してある。
【0023】
図1は、スタータ装置10の縦断面を示す。このスタータ装置10は、たとえばスタータモータ13と噛み合いリレー16を有する。スタータモータ13と噛み合いリレー16は、共通の駆動支承部ハウジング19に固定されている。スタータモータ13は機能的に、ここの図示しない内燃機関のリングギヤ25に噛み合ったときにクランキングピニオン22を駆動するために用いられる。
【0024】
スタータモータ13は、永久磁石励磁型電気モータとして構成されており、ハウジングとしてポールチューブ28を有する。ポールチューブ28の内周には永久磁石31が支持されており、永久磁石にはそれぞれ磁束案内部材が割り当てられている。永久磁石31はさらに電機子37を包囲する。電機子37は、薄板40から構成された電機子積層板43と溝46に配置された電機子巻線49を有する。電機子積層板43は、電機子軸または駆動軸44にプレスされている。さらにクランキングピニオン22とは反対側の駆動軸44の端部には整流子52が取り付けられており、この整流子は個別の整流子積層板55から構成されている。整流子積層板55は公知のように電機子巻線49と電気的に接続されており、炭素ブラシ58による整流子積層板55の通電の際に、ポールチューブ28内で電機子37の回転運動が生じる。噛み合いリレー16とスタータモータ13との間に配置された電流供給部61は、スイッチオン状態で炭素ブラシ58に電流を供給する。駆動軸44は、整流子側で軸ジャーナル64と滑り軸受67内で支持されており、滑り軸受67はさらに整流子ベアリングカバー70内に位置固定されて保持されている。整流子カバー70はさらに、ポールチューブ28の周囲にわたって分散して配置された通しボルト73(たとえば2,3または4つの部材のねじ)により駆動支承部ハウジング19内に固定されている。ここでポールチューブ28は駆動支承部ハウジング19に支持されており、整流子ベアリングカバー70はポールチューブ28に支持されている。
【0025】
駆動方向で電機子37にはいわゆるサンギヤ80が続いており、このサンギヤは遊星伝動装置83の一部である。サンギヤ80は複数のプラネットギヤ86、通例は3つのプラネットギヤ86により取り囲まれており、これらはローラベアリング89によって軸ジャーナル92に支持されている。プラネットギヤ86は中空ギヤ95内を回転する。中空ギヤ95はポールチューブ28内で外側に支承されている。駆動側に向いた方向で、プラネットギヤ86にはプラネット支持体98が続いており、このプラネット支持体98内には軸ジャーナル92が収容されている。プラネット支持体98はさらに、中間ベアリング101とその中に配置された滑り軸受104に支承されている。中間ベアリング101は台形に構成されており、この中にプラネット支持体98もプラネットギヤ86も収容されている。さらに台形の中間ベアリング101内には中空ギヤ95が配置されており、中空ギヤ95は最終的にカバー107により電機子37に対して閉鎖されている。中間ベアリング101の外周はポールチューブ28の内側に支持されている。電機子37は、整流子52とは反対側の駆動軸44の端部に別の軸ジャーナル110を有し、この軸ジャーナル110も同様に滑り軸受113内に収容されている。滑り軸受113はさらに、プラネット支持体98の中央孔部内に収容されている。プラネット支持体98は駆動軸116と一体的に結合されている。中間ベアリング101とは反対側の駆動軸116の端部は、駆動支承部ハウジング19に固定された別のベアリング122に支持されている。駆動軸116は種々の部分に分割されている。中間ベアリング101の滑り軸受104内に配置された部分には、いわゆる軸ハブ結合部の一部である平歯車125を備える部分が続いている。この場合この軸ハブ結合部128により、ドライバ131の軸方向の直線状のスライドが可能になる。このドライバ131はスリーブ状の突起であり、フライホイール137の台形の外側リングと一体になっている。このフライホイール137(回転方向ロック)はさらに、半径方向で外側リング132の内部に配置された内側リング140からなる。内側リング140と外側リング132との間には締付け体138が配置されている。この締付け体138は、内側リングと外側リングのV字経路に関連して、第2の方向での外側リングと内側リングとの間の相対的回転を阻止する。言い替えると、フライホール137により、内側リング140と外側リング132との間の相対運動は一方向でだけ可能である。この実施例では、内側リング140がクランキングピニオン22およびそのはす歯143(外側はす歯)と一体的に構成されている。
【0026】
完全にするため、ここでさらに噛み合い機構について説明する。噛み合いリレー16は、電気接点であるボルト150を有し、ここに図示しないスタータバッテリーのプラス極に接続されている。このバルト150は、リレーカバー153を貫通して案内されている。このリレーカバー153はリレーハウジング156を閉鎖し、リレーハウジング156は複数の固定エレメント159(ねじ)によって駆動支承部ハウジング19に固定されている。さらに噛み合いリレー16には、吸着コイル162といわゆる保持コイル165が配置されている。吸着コイル162と保持コイル165は両方とも、それぞれスイッチオン状態で磁界に作用する。この磁界は、(導磁性材料からなる)リレーハウジング156、線形に運動する電機子168および電機子受け座171を通って流れる。電機子168はストラストロッド174を支持し、このストラストロッド174は電機子168が線形に吸着する際にスイッチボルト177の方向へ運動する。スイッチボルト177へのこのストラストロッド174の運動により、スイッチボルト177がその静止位置から2つの接点180と181の方向へ運動し、これにより、接点180と181側の端部に取り付けられたスイッチボルト177の接点ブリッジ184が2つの接点180と181を互いに電気接続する。これにより、ボルト150からの電気出力が接点ブリッジ184を介して電流供給部61に、そして炭素ブラシ58に導かれる。そしてスタータモータ13は通電される。
【0027】
しかし噛み合いリレー16または電機子168はさらに、駆動支承部ハウジング19に回動可能に配置されたレバーを引張りエレメント187によって運動させるという役目も有する。このレバー190は通例、フォークレバーとして構成されており、ここに図示しない2つの「歯」の外周が2つのディスク193と194に係合する。そしてこれらの間に締め付けられたドライバリング198をフライホール137の方に、ばね200の抵抗に抗して運動させ、これによりクランキングピニオン22がリングギヤ25に噛み合う。
【0028】
電気モータとして構成されたスタータモータの固定子13が、
図2に断面図で示されている。シリンダ状のポールハウジング28の内側には、周囲にわたって分散されて永久磁石31が配置されている。各永久磁石31には、周方向に続く磁束案内部材30がそれぞれ1つ割り当てられている。この磁束案内部材は良導磁性材料からなる。磁束案内部材300は割り当てられた永久磁石31と接触しており、場合により永久磁石31と磁束案内部材300の向き合う側面の間には製造技術に起因する小さな空隙がある。
【0029】
図3には、ポールハウジング28の内側にある永久磁石31と、これに割り当てられた磁束案内部材300との間の形状的な結合が示されている。永久磁石31は磁気中央面を基準にして鏡対称に構成されており、部分的に円形の断面形状を有する。半径方向で外側308はポールハウジング28の内壁に直接当接しており、半径方向で内側307は電機子に対して小さな半径方向間隔を有する。磁石を周方向で画定する側壁303はそれぞれ角度を付けて構成されており、半径方向外側にある部分304およびこれに対して角度をなして伸長するノーズ305を有する。部分304と305の互いに角度は、プレス技術に起因して60゜より小さい。ノーズ305と半径方向内側307との移行部には磁石脚部306が取り付けられている。永久磁石31の対向する2つの側面にある半径方向外側部分304は、互いに平行である。
【0030】
側方の境界面303の1つには磁束案内部材300が続いており、その断面形状は永久磁石31の側面形状に適合されている。磁束案内部材300は、永久磁石31に向いた側に、永久磁石の側面303に対して相補的な幾何形状を有する。したがって磁束案内部材300も角形に構成されており、2つの角度部分はほぼ同じ長さである。永久磁石31の側面と磁束案内部材300の間の
係合領域には、公差空隙として用いられるスリット309があり、とりわけ永久磁石31の製造公差を補償する。スリット309は、
係合領域の全軸長を超えては伸長せず、永久磁石31の半径方向内側307と半径方向外側308に隣接しており、永久磁石の側面303と磁束案内部材300とは直接接触している。
【0031】
永久磁石31および割り当てられた磁束案内部材300をポールハウジング28の内側に保持するために、保持ばね301として構成された固定手段が設けられている。この固定手段は、磁束案内部材300に周方向に保持力を及ぼす。保持ばね301の一方の脚部はポールハウジング28の内側に支持されており、保持ばねの他方の脚部は磁束案内部材300のエッジと線形に接触しており、磁束案内部材300に周方向に、ポールハウジングに付加的なエレメントにより半径方向に力を及ぼす。保持ばね301はU字形に構成されているが、簡単に図示するため一方の脚部302だけが図示されている。保持ばね301は、半径方向に伸長する軸315に対して対称である。保持ばねは図示しないノーズを介してポールハウジング内に位置決めされる。
【0032】
磁束案内部材300と永久磁石31は半径方向で見て互いに形状的に結合しており、したがって永久磁石31をポールハウジング28の内側でその半径方向位置に確保するためには、保持ばね301を介して磁束案内部材300を保持するだけで基本的に十分である。永久磁石31と磁束案内部材300の側面に角度が付けられているので、これらの構成部材間には半径方向に形状な結合が得られる。ここで
、永久磁石31の半径方向外側にあるエッジ310は、永久磁石と磁束案内部材との間
の係合領域を通
る半径線312を基準にして、中央のエッジ313
とは反対側にある。この中央のエッジ313は、磁束案内部材300の角度のある2つの部分の間に角度を付けて形成されている。同じように、磁束案内部材300の半径方向内側エッジ311は、側面303にある永久磁石31の中央のエッジ314に対
して半径線312の
反対側にある。このようにして、永久磁石31と磁束案内部材300が周方向で互いに噛み合い、半径方向での形状的な結合が得られることが保証される。
【0033】
図3の実施例では、永久磁石31の側面303にある2つの側方の部分304と305がそれぞれ少なくとも近似的に同じ長さに構成されている。これに対して
図4の実施例では、半径方向で外側308に達する部分304が半径方向で内側を向いた部分305より長く構成されている。部分304は部分305の少なくも2倍の長さである。先行の実施例と同じように、半径方向で外側を指す部分304は対向する側面で互いに平行である。
【0034】
図5の実施例では、永久磁石31に
図4に対応する幾何形状が付されている。磁束案内部材300は、先行の実施例とは異なり半径方向に変化する断面形状を有する。半径方向で内側307に隣接する側に、磁束案内部材300は半径方向で外側308に向いた側より小さい伸長部を周方向に有する。
【0035】
先行の実施例とのさらなる相違は、半径方向で外側308に伸長する部分304に、永久磁石31と磁束案内部材300との偏平な接点があることである。これに対して、側面303にある半径方向で内側にある部分305と、磁束案内部材300にある向かい側の側面との間には空隙309がある。
【0036】
図6の実施例では、永久磁石31の研磨された側面303が半径方向に配向されており、切欠部316が設けられている。この切欠部316には、磁束案内部材300にある相補形に構成された突起317が突入する。この突起317の領域では、切欠部316の壁に向かって空隙309を形成することができる。
【0037】
磁束案内部材300は、突起317に対向する壁側に相補形の切欠部を有する。この切欠部は、磁束案内部材が作製される一定の厚さの薄板を、突起317を形成するためのプレスすることにより生じる。破線318が示すように、磁束案内部材300は周方向に場合により比較的大きな厚さを有することができる。厚さを大きくするためには、部分円直径の増大とともに大きくなる断面が有利である。
【0038】
固定手段として
図6では保持リング319が設けられている。この保持リング319は半径方向で内側307に配置されており、永久磁石31ならびに磁束案内部材300を半径方向に支持する。周方向では、磁束案内部材300が図示しないばね舌片により磁石31に当接している。