(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
以下:(18:1(3))-DAP-(18:1(3))、(18:1(5))-DAP-(18:1(5))、(18:1(7))-DAP-(18:1(7))、(18:1(9))-DAP-(18:1(9))、(18:1(11))-DAP-(18:1(11))、(18:1(12))-DAP-(18:1(12))、(18:1(3))-DAP-(18:1(5))、(18:1(3))-DAP-(18:1(7))、(18:1(3))-DAP-(18:1(9))、(18:1(3))-DAP-(18:1(11))、(18:1(3))-DAP-(18:1(12))、(18:1(5))-DAP-(18:1(7))、(18:1(5))-DAP-(18:1(9))、(18:1(5))-DAP-(18:1(11))、(18:1(5))-DAP-(18:1(12))、(18:1(7))-DAP-(18:1(9))、(18:1(7))-DAP-(18:1(11))、(18:1(7))-DAP-(18:1(12))、(18:1(9))-DAP-(18:1(11))、(18:1(9))-DAP-(18:1(12))、(18:1(11))-DAP-(18:1(12))、(18:1(3))-DAP-(18:2(9,12))、(18:1(5))-DAP-(18:2(9,12))、(18:1(7))-DAP-(18:2(9,12))、(18:1(9))-DAP-(18:2(9,12))、(18:1(11))-DAP-(18:2(9,12))、(18:1(12))-DAP-(18:2(9,12))、(18:2(9,12))-DAP-(18:1(3))、(18:2(9,12))-DAP-(18:1(5))、(18:2(9,12))-DAP-(18:1(7))、(18:2(9,12))-DAP-(18:1(9))、(18:2(9,12))-DAP-(18:1(11))、(18:2(9,12))-DAP-(18:1(12))、(18:2(9,12))-DAP-(18:2(9,12))
および上述のいずれかのカチオン形態から選択される化合物。
がん、膀胱がん、頸部のがん、肝がん、肝疾患、高コレステロール血症、炎症性疾患、代謝病、炎症、関節炎、関節リウマチ、脳炎、骨折、心疾患およびウイルス性疾患を包含する疾患を治療するための医薬組成物の調製における、請求項1に記載の化合物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、治療学ならびに疾患および状態の診断および治療を包含する、最終的に薬物送達に向けられる幅広い化合物、組成物、製剤および使用を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞または被験体における遺伝子発現または遺伝子活性を変調するための幅広い化合物、組成物、製剤および使用を提供する。より具体的には、本開示は活性産生送達分子に関する。
【0035】
いくつかの態様において、活性産生送達分子は、ナノ粒子形態、または層構造もしくはベシクル、または他の形態の送達増強組成物に構成され得る。
【0036】
ある特定の態様において、本発明の活性産生送達分子は、低減した、または有意でないサーモトロピックまたは融解転移を有することにより区別され得る。
【0037】
本開示の分子および組成物はさらに、核酸剤等の治療、予防および診断剤、ポリヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、ならびに小分子化合物および薬物の送達にも使用され得る。
【0038】
本発明の分子および組成物は、ナノ粒子または層状ビヒクル内に封入されている等の形態での治療剤の送達に有用である。これらの形態は、種々の直径のナノ粒子、または二層もしくは多層構造を包含し得る。
【0039】
活性産生送達分子
本発明は、幅広い合成活性産生送達分子を提供する。
【0040】
本発明の合成活性産生送達化合物は、アミノ酸のN末端およびC末端の両方において送達増強基を置換することによって調製できる。
【0041】
本開示の送達増強基は、長鎖基、もしくは親油性尾部、もしくは長鎖アルケニル、または前述のいずれか1つの置換変化形を包含し得、該送達増強基は不飽和であり、1個または複数の炭素−炭素二重結合を含有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明の合成活性産生送達分子は、アミノ酸のN末端およびC末端の両方に長鎖アルケニル基を有する。
【0043】
さらなる実施形態において、本発明の合成活性産生送達分子は、アミノ酸の各末端が、1個または複数の炭素−炭素二重結合を有する長鎖置換基に結合するように、アミノ酸のN末端およびC末端の両方に長鎖アルケニル基を有する。
【0044】
追加の実施形態において、本発明の合成活性産生送達分子は、アミノ酸の各末端が、2個以上の炭素−炭素二重結合を有する長鎖置換基に結合するように、アミノ酸のN末端およびC末端の両方に長鎖アルケニル基を有する。
【0045】
本開示の送達増強または長鎖基は、炭素、酸素、窒素、硫黄および水素原子からなり、12から24個までの炭素原子または12から40個までの炭素原子を有する有機基を包含し得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明は、式Iに示される通りの幅広い活性産生送達分子:
R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4 式I
[式中、
Xaaは、一般式−NR
N−CR
1R
2−(C=O)−(式中、
R
1は、アミノ酸の水素ではない置換側鎖または非置換側鎖であり、
R
2、R
Nは、独立に、水素、または、炭素、酸素、窒素、硫黄および水素原子からなり、1から20個までの炭素原子を有する有機基、または、C(1〜5)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、C(3〜5)アルケニル、C(3〜5)アルキニル、C(1〜5)アルカノイル、C(1〜5)アルカノイルオキシ、C(1〜5)アルコキシ、C(1〜5)アルコキシ−C(1〜5)アルキル、C(1〜5)アルコキシ−C(1〜5)アルコキシ、C(1〜5)アルキル−アミノ−C(1〜5)アルキル−、C(1〜5)ジアルキル−アミノ−C(1〜5)アルキル−、ニトロ−C(1〜5)アルキル、シアノ−C(1〜5)アルキル、アリール−C(1〜5)アルキル、4−ビフェニル−C(1〜5)アルキル、カルボキシルもしくはヒドロキシルである)
を有する任意のD−またはL−アミノ酸残基であり、
R
3−(C=O)−は、独立に、天然に存在するリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシドもしくはガングリオシドから誘導され得る長鎖基(前記長鎖基は、1個または複数の炭素−炭素二重結合を含有する)、または置換もしくは非置換C(12〜24)アルケノイルであり、
−NH−R
4は、独立に、天然に存在するリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシドもしくはガングリオシドから誘導され得る長鎖基(前記長鎖基は、1個または複数の炭素−炭素二重結合を含有する)、または置換もしくは非置換C(12〜24)アルケニルアミノである]
およびその塩を提供する。
【0047】
いくつかの実施形態において、R
1は、アミノ酸の水素ではない置換側鎖または非置換側鎖であり、側鎖の置換基は、水素、炭素、酸素、窒素および硫黄原子から選択される1から40個の原子からなる有機基であってよい。
【0048】
さらなる実施形態において、本発明は、上記式Iに示される通りの幅広い活性産生送達分子[式中、
Xaaは、一般式−NR
N−CR
1R
2−(C=O)−(式中、
R
1は、アミノ酸の水素ではない置換側鎖または非置換側鎖であり、
R
2、R
Nは、独立に、水素、または、炭素、酸素、窒素、硫黄および水素原子からなり、1から20個までの炭素原子を有する有機基、または、C(1〜5)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、C(3〜5)アルケニル、C(3〜5)アルキニル、C(1〜5)アルカノイル、C(1〜5)アルカノイルオキシ、C(1〜5)アルコキシ、C(1〜5)アルコキシ−C(1〜5)アルキル、C(1〜5)アルコキシ−C(1〜5)アルコキシ、C(1〜5)アルキル−アミノ−C(1〜5)アルキル−、C(1〜5)ジアルキル−アミノ−C(1〜5)アルキル−、ニトロ−C(1〜5)アルキル、シアノ−C(1〜5)アルキル、アリール−C(1〜5)アルキル、4−ビフェニル−C(1〜5)アルキル、カルボキシルもしくはヒドロキシルである)を有する任意のD−またはL−アミノ酸残基であり、
R
3−(C=O)−は、独立に、置換もしくは非置換C(14〜24)アルケノイルであり、
−NH−R
4は、独立に、置換もしくは非置換C(14〜24)アルケニルアミノである]
およびその塩を提供する。
【0049】
さらなる実施形態において、本発明は、式R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4を有する幅広い活性産生送達分子[式中、Xaaは、任意のD−またはL−アミノ酸残基であり、R
3−(C=O)−は、独立に、置換または非置換C(14〜24)アルケノイルであり、−NH−R
4は、独立に、置換または非置換C(14〜24)アルケニルアミノである]およびその塩を提供する。
【0050】
本発明の活性産生送達分子は、中性、アニオン性、カチオン性、両性イオン性または非イオン性であってよい。
【0051】
本明細書において使用される場合、分子の物理的電荷、状況またはイオン性は、別段の指定がない限り、pH7を有する環境を指す。
【0052】
いくつかの実施形態において、本発明は、構造
【0053】
【化1】
[式中、R
1、R
2、R
N、R
3およびR
4は、上記の通り定義される]
によって表される式Iに対応する幅広い活性産生送達分子を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態において、R
3およびR
4は、水/オクタノール分配によって定義されるもの等の十分な親油性特徴または脂溶性を付与して膜を横断する送達または細胞による取り込みを提供する、独立に選択される基である。
【0055】
ある特定の実施形態において、R
3およびR
4は、親油性特徴を付与して膜を横断する送達または細胞による取り込みを提供する、独立に選択される長鎖基である。
【0056】
いくつかの実施形態において、R
3、R
4は、独立に、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル、C17アルケニル、C18アルケニル、C19アルケニル、C20アルケニル、C21アルケニル、C22アルケニル、C23アルケニルまたはC24アルケニルであってよい。ある特定の実施形態において、R
3、R
4は、独立に、C(14〜24)アルケニル、C(16〜24)アルケニルまたはC(18〜24)アルケニルであってよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C12アルケノイル、C13アルケノイル、C14アルケノイル、C15アルケノイル、C16アルケノイル、C17アルケノイル、C18アルケノイル、C19アルケノイル、C20アルケノイル、C21アルケノイル、C22アルケノイル、C23アルケノイルまたはC24アルケノイルであってよい。ある特定の実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(14〜24)アルケノイル、C(16〜24)アルケノイルまたはC(18〜24)アルケノイルであってよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C12アルケニルアミノ、C13アルケニルアミノ、C14アルケニルアミノ、C15アルケニルアミノ、C16アルケニルアミノ、C17アルケニルアミノ、C18アルケニルアミノ、C19アルケニルアミノ、C20アルケニルアミノ、C21アルケニルアミノ、C22アルケニルアミノ、C23アルケニルアミノまたはC24アルケニルアミノであってよい。ある特定の実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(14〜24)アルケニルアミノ、C(16〜24)アルケニルアミノまたはC(18〜24)アルケニルアミノであってよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(12:1)アルケノイル、C(12:2)アルケノイルまたはC(12:3)アルケノイルであってよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(12:1)アルケニルアミノ、C(12:2)アルケニルアミノまたはC(12:3)アルケニルアミノであってよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(14:1(5))アルケノイルつまりミリストレイン酸およびC(14:1(9))アルケノイルを包含する、C(14:1)アルケノイル、C(14:2)アルケノイルまたはC(14:3)アルケノイルであってよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(14:1(5))アルケニルアミノおよびC(14:1(9))アルケニルアミノを包含する、C(14:1)アルケニルアミノ、C(14:2)アルケニルアミノまたはC(14:3)アルケニルアミノであってよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(16:1(7))アルケノイルつまりパルミトレイン酸およびC(16:1(9))アルケノイルを包含する、C(16:1)アルケノイル、C(16:2)アルケノイルまたはC(16:3)アルケノイルであってよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(16:1(7))アルケニルアミノおよびC(16:1(9))アルケニルアミノを包含する、C(16:1)アルケニルアミノ、C(16:2)アルケニルアミノまたはC(16:3)アルケニルアミノであってよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(18:1(3))アルケノイル、C(18:1(5))アルケノイル、C(18:1(7))アルケノイルつまりcis−バクセン酸、C(18:1(9))アルケノイルつまりオレイン酸、C(18:1(11))アルケノイル、およびC(18:1(12))アルケノイルつまりペトロセリン酸を包含する、C(18:1)アルケノイル、C(18:2)アルケノイルまたはC(18:3)アルケノイルであってよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(18:1(3))アルケニルアミノ、C(18:1(5))アルケニルアミノ、C(18:1(7))アルケニルアミノ、C(18:1(9))アルケニルアミノ、C(18:1(11))アルケニルアミノおよびC(18:1(12))アルケニルアミノを包含する、C(18:1)アルケニルアミノ、C(18:2)アルケニルアミノまたはC(18:3)アルケニルアミノであってよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、cis,cis−9,12−オクタデカジエノイルであってよいC(18:2(9,12))アルケノイル、またはC(18:2(9,11))アルケノイルであってよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(18:2(9,12))アルケニルアミノ、またはC(18:2(9,11))アルケニルアミノであってよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(18:3(9,12,15))アルケノイルまたは9,12,15−オクタデカトリエノイルであってよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(18:3(9,12,15))アルケニルアミノであってよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(18:3(6,9,12))アルケノイル、または6,9,12−オクタデカトリエノイルであってよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(18:3(6,9,12))アルケニルアミノであってよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(18:3(9,11,13))アルケノイルまたは9,11,13−オクタデカトリエノイルであってよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(18:3(9,11,13))アルケニルアミノであってよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(18:4(6,9,12,15))アルケノイル、またはC(18:4(9,11,13,15))アルケノイルであってよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(18:4(6,9,12,15))アルケニルアミノ、またはC(18:4(9,11,13,15))アルケニルアミノであってよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(20:1(9))アルケノイル、C(20:1(11))アルケノイル、C(22:1(9))アルケノイル、C(22:1(13))アルケノイル、またはC(24:1(9))アルケノイルであってよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(20:1(9))アルケニルアミノ、C(20:1(11))アルケニルアミノ、C(22:1(9))アルケニルアミノ、C(22:1(13))アルケニルアミノ、またはC(24:1(9))アルケニルアミノであってよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(20:2(8,11))アルケノイルまたは8,11−イコサジエノイル、C(20:2(5,8))アルケノイル、またはC(20:2(11,14))アルケノイルであってよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(20:2(8,11))アルケニルアミノ、C(20:2(5,8))アルケニルアミノ、またはC(20:2(11,14))アルケニルアミノであってよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(20:3(5,8,11))アルケノイルまたは5,8,11−イコサトリエノイルであってよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(20:3(5,8,11))アルケニルアミノであってよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(20:4(5,8,11,14))アルケノイル、またはC(20:4(7,10,13,16))アルケノイルであってよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(20:4(5,8,11,14))アルケニルアミノ、またはC(20:4(7,10,13,16))アルケニルアミノであってよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(20:5(5,8,11,14,17))アルケノイルであってよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(20:5(5,8,11,14,17))アルケニルアミノであってよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、R
3−(C=O)−は、独立に、C(20:6(4,7,10,13,16,19))アルケノイルであってよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、−NH−R
4は、独立に、C(20:6(4,7,10,13,16,19))アルケニルアミノであってよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、R
3およびR
4は、独立に、下記の構造:
【0091】
ある特定の実施形態において、R
3およびR
4は、独立に、オレイン酸(C18:1、炭素9における二重結合)アルケニル、リノール酸(C18:2、炭素9または12における二重結合)アルケニル、リノレン(linonenic)酸(C18:3、炭素9、12または15における二重結合)アルケニル、アラキドン酸(C20:4、炭素5、8、11または14における二重結合)アルケニル、およびエイコサペンタエン酸(C20:5、炭素5、8、11、14または17における二重結合)アルケニルの尾部等の脂肪酸様尾部から誘導され得る。脂肪酸様尾部の他の例は、Donald VoetおよびJudith Voet、Biochemistry、第3版(2005年)、383頁において見られる。
【0092】
アミノ酸の定義
本明細書において使用される場合、用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸を包含する。故に、本発明の活性産生送達分子は、遺伝的にコードされたアミノ酸、天然に存在する遺伝的にコードされていないアミノ酸、または合成アミノ酸から作製され得る。
【0093】
アミノ酸の例は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValを包含する。
【0094】
アミノ酸の例は、アゼチジン、2−アミノオクタデカン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、2,2−ジアミノ酢酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2,3−ジアミノ酪酸、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、4−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、6−アミノヘキサン酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、デスモシン、オルニチン、シトルリン、N−メチルイソロイシン、ノルロイシン、tert−ロイシン、フェニルグリシン、t−ブチルグリシン、N−メチルグリシン、サルコシン、N−エチルグリシン、シクロヘキシルグリシン、4−オキソ−シクロヘキシルグリシン、N−エチルアスパラギン、シクロヘキシルアラニン、t−ブチルアラニン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、3−クロロアラニン、3−ベンゾチエニルアラニン、4−ハロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、2−フルオロフェニルアラニン、3−フルオロフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、ペニシラミン、2−チエニルアラニン、メチオニン、メチオニンスルホキシド、ホモアルギニン、ノルアルギニン、ノル−ノルアルギニン、N−アセチルリジン、4−アミノフェニルアラニン、N−メチルバリン、ホモシステイン、ホモセリン、ヒドロキシリジン、アロ−ヒドロキシリジン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ−イソロイシン、6−N−メチルリジン、ノルバリン、O−アリル−セリン、O−アリル−スレオニン、アルファ−アミノヘキサン酸、アルファ−アミノ吉草酸およびピログルタミン酸を包含する。
【0095】
本明細書において使用される場合、用語「アミノ酸」は、アルファ−およびベータ−アミノ酸を包含する。
【0096】
他のアミノ酸残基は、Fasman、CRC Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology、CRC Press, Inc.、(1989年)において見ることができる。
【0097】
概して、化合物は1つまたは複数のキラル中心を含有し得る。1つまたは複数のキラル中心を含有する化合物は、「異性体」、「立体異性体」、「ジアステレオマー」、「鏡像異性体」、「光学異性体」として、または「ラセミ混合物」として記述されるものを包含し得る。立体化学命名法に関する協定、例えば、Cahn、IngoldおよびPrelogの立体異性体命名規則、ならびに、立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当技術分野において公知である。例えば、Michael B. SmithおよびJerry March、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、2001年を参照されたい。本開示の化合物および構造は、考えられるすべての異性体、立体異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体、および/またはそのラセミまたは別様の任意の混合物を包含する規定の化合物もしくは構造について存在することが理解されるであろう光学異性体を包括するように意味付けられている。
【0098】
特に、長鎖基R
3−(C=O)−および−NH−R
4は、その任意の混合物を包含する、存在すると理解されるであろうシスまたはトランス異性体の任意の組合せであってよい。
【0099】
本発明の活性産生送達分子の名称
本明細書において使用される場合、呼称「(18:1(9))−norArg−(18:1(9))」は、例えば、(C17:1(9)アルケニル)−(C=O)−norArg−NH−(C18:1(9)アルケニル)を指し、これは(C18:1(9)アルケノイル)−norArg−NH−(C18:1(9)アルケニル)と同じであり、これは(C18:1(9)アルケノイル)−norArg−(C18:1(9)アルケニルアミノ)と同じである。この命名において、内括弧における数字、例えば18:1(9)における9は、(C=O)から数えた、または第一位としてのNHに結合している炭素原子から数えた二重結合の位置を指す。
【0100】
DAP活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−ジアミノプロピオン(diaminoproprionic)酸残基である]を包含する。
【0101】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAP−NH−R
4[式中、DAPはD−またはL−ジアミノプロピオン酸残基であり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0102】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAP−NH−R
4[式中、DAPはD−またはL−ジアミノプロピオン酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含し、(18:1)アルケニルアミノは、C(18:1(3))アルケニルアミノ、C(18:1(5))アルケニルアミノ、C(18:1(7))アルケニルアミノ、C(18:1(9))アルケニルアミノ、C(18:1(11))アルケニルアミノおよびC(18:1(12))アルケニルアミノを包含する。
【0104】
【化3】
N−(3−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0105】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAP−NH−R
4[式中、DAPはD−またはL−ジアミノプロピオン酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含し、(18:2)アルケニルアミノはC(18:2(9,12))アルケニルアミノを包含する。
【0107】
【化4】
N−(3−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0108】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAP−NH−R
4[式中、DAPはD−またはL−ジアミノプロピオン酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0110】
【化5】
(9Z,12Z)−N−(3−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0111】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAP−NH−R
4[式中、DAPはD−またはL−ジアミノプロピオン酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0113】
【化6】
(9Z,12Z)−N−(3−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0120】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−DAP−(18:2(9,12))を包含する。
【0121】
XaaがD−またはL−ジアミノプロピオン酸残基である前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて−NH
3+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基(「R」基)によって四級化されて−NH
2R
+、−NHR
2+もしくは−NR
3+を形成する残基の側鎖アミノ基を有し得、これらはいずれも側鎖第四級アンモニウム基またはカチオン形態である。
【0122】
DAB活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基である]を包含する。
【0123】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAB−NH−R
4[式中、DABはD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基であり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0124】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAB−NH−R
4[式中、DABはD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0126】
【化10】
N−(4−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0127】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAB−NH−R
4[式中、DABはD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0129】
【化11】
N−(4−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0130】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAB−NH−R
4[式中、DABはD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0132】
【化12】
(9Z,12Z)−N−(4−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0133】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAB−NH−R
4[式中、DABはD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は、本明細書においてC(18:2)オレオイル−DAB−C(18:2)アルケニルアミノとも称される(18:2)アルケニルアミノ、またはC18:2−DAB−C18:2である]を包含する。
【0135】
【化13】
(9Z,12Z)−N−(4−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0136】
この分子のイオン形態は、C(18:2)オレオイル−DAB(NH
3+Cl
−)−C(18:2)アルケニルアミノまたはC18:2−DAB(NH
3+Cl
−)−C18:2である。
【0137】
【化14】
活性産生送達分子の例は、
【0143】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−DAB−(18:2(9,12))を包含する。
【0144】
XaaがD−またはL−2,4−ジアミノ酪酸残基である前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて−NH
3+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基(「R」基)によって四級化されて−NH
2R
+、−NHR
2+もしくは−NR
3+を形成する残基の側鎖アミノ基を有し得、これらはいずれも側鎖第四級アンモニウム基またはカチオン形態である。
【0145】
DAA活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基である]を包含する。
【0146】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAA−NH−R
4[式中、DAAはD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基であり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0147】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAA−NH−R
4[式中、DAAはD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含し、(18:1)アルケニルアミノは、C(18:1(3))アルケニルアミノ、C(18:1(5))アルケニルアミノ、C(18:1(7))アルケニルアミノ、C(18:1(9))アルケニルアミノ、C(18:1(11))アルケニルアミノおよびC(18:1(12))アルケニルアミノを包含する。
【0149】
【化18】
N−(1−アミノ−2−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−2−オキソエチル)オレアミド
を包含する。
【0150】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAA−NH−R
4[式中、DAAはD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含し、(18:2)アルケニルアミノはC(18:2(9,12))アルケニルアミノまたはcis,cis−9,12−オクタデカジエニルアミノを包含する。
【0152】
【化19】
N−(1−アミノ−2−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−2−オキソエチル)オレアミド
を包含する。
【0153】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAA−NH−R
4[式中、DAAはD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0155】
【化20】
(9Z,12Z)−N−(1−アミノ−2−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−2−オキソエチル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0156】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−DAA−NH−R
4[式中、DAAはD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基であり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0158】
【化21】
(9Z,12Z)−N−(1−アミノ−2−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−2−オキソエチル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0165】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−DAA−(18:2(9,12))を包含する。
【0166】
XaaがD−またはL−2,2−ジアミノ酢酸残基である前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて−NH
3+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基(「R」基)によって四級化されて−NH
2R
+、−NHR
2+もしくは−NR
3+を形成する残基の側鎖アミノ基を有し得、これらはいずれも側鎖第四級アンモニウム基またはカチオン形態である。
【0167】
Orn活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−オルニチンである]を包含する。
【0168】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Orn−NH−R
4[式中、OrnはD−またはL−オルニチンであり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0169】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Orn−NH−R
4[式中、OrnはD−またはL−オルニチンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0171】
【化25】
N−(5−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0172】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Orn−NH−R
4[式中、OrnはD−またはL−オルニチンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0174】
【化26】
N−(5−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0175】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Orn−NH−R
4[式中、OrnはD−またはL−オルニチンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0177】
【化27】
(9Z,12Z)−N−(5−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0178】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Orn−NH−R
4[式中、OrnはD−またはL−オルニチンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0180】
【化28】
(9Z,12Z)−N−(5−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0187】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−Orn−(18:2(9,12))を包含する。
【0188】
XaaがD−またはL−オルニチンである前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて−NH
3+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基(「R」基)によって四級化されて−NH
2R
+、−NHR
2+もしくは−NR
3+を形成するオルニチンの側鎖アミノ基を有し得、これらはいずれも側鎖第四級アンモニウム基またはカチオン形態である。
【0189】
Lys活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−リシンである]を包含する。
【0190】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Lys−NH−R
4[式中、LysはD−またはL−リシンであり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0191】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Lys−NH−R
4[式中、LysはD−またはL−リシンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0193】
【化32】
N−(6−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0194】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Lys−NH−R
4[式中、LysはD−またはL−リシンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0196】
【化33】
N−(6−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0197】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Lys−NH−R
4[式中、LysはD−またはL−リシンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0199】
【化34】
(9Z,12Z)−N−(6−アミノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0200】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Lys−NH−R
4[式中、LysはD−またはL−リシンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0202】
【化35】
(9Z,12Z)−N−(6−アミノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0209】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−Lys−(18:2(9,12))を包含する。
【0210】
XaaがD−またはL−リシンである前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて−NH
3+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基(「R」基)によって四級化されて−NH
2R
+、−NHR
2+もしくは−NR
3+を形成するリシンの側鎖アミノ基を有し得、これらはいずれも側鎖第四級アンモニウム基またはカチオン形態である。
【0211】
NorArg活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−ノルアルギニンである]を包含する。
【0212】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−norArg−NH−R
4[式中、norArgはD−またはL−ノルアルギニンであり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0213】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−norArg−NH−R
4[式中、norArgはD−またはL−ノルアルギニンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0215】
【化39】
N−(4−グアニジノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0216】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−norArg−NH−R
4[式中、norArgはD−またはL−ノルアルギニンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0218】
【化40】
N−(4−グアニジノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0219】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−norArg−NH−R
4[式中、norArgはD−またはL−ノルアルギニンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0221】
【化41】
(9Z,12Z)−N−(4−グアニジノ−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0222】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−norArg−NH−R
4[式中、norArgはD−またはL−ノルアルギニンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0224】
【化42】
(9Z,12Z)−N−(4−グアニジノ−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0231】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−nonArg−(18:2(9,12))を包含する。
【0232】
XaaがD−またはL−ノルアルギニンである前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて=NH
2+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基によって四級化されて=NHR
+もしくは=NR
2+を形成するノルアルギニンのグアニジノ基の窒素原子を有し得、これらはカチオン形態であり、かつ任意の互変異性形態を包含する。
【0233】
His活性産生送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−ヒスチジンである]を包含する。
【0234】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−His−NH−R
4[式中、HisはD−またはL−ヒスチジンであり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0235】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−His−NH−R
4[式中、HisはD−またはL−ヒスチジンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0237】
【化46】
N−(3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0238】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−His−NH−R
4[式中、HisはD−またはL−ヒスチジンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0240】
【化47】
N−(3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オレアミド
を包含する。
【0241】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−His−NH−R
4[式中、HisはD−またはL−ヒスチジンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0243】
【化48】
(9Z,12Z)−N−(3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0244】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−His−NH−R
4[式中、HisはD−またはL−ヒスチジンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0246】
【化49】
(9Z,12Z)−N−(3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)オクタデカ−9,12−ジエンアミド
を包含する。
【0253】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−His−(18:2(9,12))を包含する。
【0254】
XaaがD−またはL−ヒスチジンである前述の活性産生送達分子のいずれかは、メチル、エチル、プロピルまたはブチル基によって置換されて側鎖N−メチルヒスチジン誘導体を形成するヒスチジンの側鎖の水素原子を有し得る。
【0255】
XaaがD−またはL−ヒスチジンである前述の活性産生送達分子のいずれかは、水素によって四級化されて
【0256】
【化53】
を形成する、またはメチル、エチルもしくはプロピル基によって四級化されて
【0257】
【化54】
を形成するヒスチジンの側鎖の窒素原子を有し得、これらはカチオン形態であり、かつ任意の互変異性形態を包含する。
【0258】
活性産生促進送達分子
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Xaa−NH−R
4[式中、R
3およびR
4は上記で定義された通りであり、XaaはD−またはL−プロリンである]を包含する。
【0259】
本発明の活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Pro−NH−R
4[式中、ProはD−またはL−プロリンであり、R
3およびR
4は、置換または非置換C(14〜24)アルケニルである]およびその塩を包含する。
【0260】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Pro−NH−R
4[式中、ProはD−またはL−プロリンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は上記で定義された通りの(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0262】
【化55】
N−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルアミノ)−1−オレオイルピロリジン−2−カルボキサミド
を包含する。
【0263】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Pro−NH−R
4[式中、ProはD−またはL−プロリンであり、R
3−(C=O)−は(18:1)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0265】
【化56】
N−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イル)−1−オレオイルピロリジン−2−カルボキサミド
を包含する。
【0266】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Pro−NH−R
4[式中、ProはD−またはL−プロリンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:1)アルケニルアミノである]を包含する。
【0268】
【化57】
N−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イル)−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイル)ピロリジン−2−カルボキサミド
を包含する。
【0269】
活性産生送達分子の例は、R
3−(C=O)−Pro−NH−R
4[式中、ProはD−またはL−プロリンであり、R
3−(C=O)−は(18:2)オレオイルであり、−NH−R
4は(18:2)アルケニルアミノである]を包含する。
【0271】
【化58】
N−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イル)−1−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエノイル)ピロリジン−2−カルボキサミド
を包含する。
【0278】
活性産生送達分子の例は、(18:2(9,12))−Pro−(18:2(9,12))を包含する。
【0279】
XaaがD−またはL−プロリンである前述の活性産生送達分子のいずれかは、アミノ基によって置換されて下記の図:
【0280】
【化62】
4−アミノ−N−((Z)−オクタデカ−9−エン−1−イル)−1−オレオイルピロリジン−2−カルボキサミド
に示される通りの4−アミノプロリンまたはPro(4−アミノ)を形成するプロリンの側鎖を有し得る。
【0281】
XaaがD−またはL−アミノプロリンである前述の活性産生送達分子は、水素によって四級化されて−NH
3+を形成する、または1個もしくは複数のメチル、エチル、プロピルもしくはブチル基(「R」基)によって四級化されて−NH
2R
+、−NHR
2+もしくは−NR
3+を形成するアミノプロリンのアミノ基の窒素原子を有し得、これらはカチオン形態であり、任意の互変異性形態を包含する。
【0282】
活性産生化合物およびその製剤を合成するための方法
本開示の活性産生送達分子は、当技術分野において公知の方法によって合成され得る。
【0283】
種々の有機基および保護基を調製するための方法は当技術分野において公知であり、それらの使用および修飾は、概して当業者の能力内である。例えば、Stanley R. SandlerおよびWolf Karo、Organic Functional Group Preparations(1989年);Greg T. Hermanson、Bioconjugate Techniques(1996年);Leroy G. Wade、Compendium Of Organic Synthetic Methods(1980年)を参照されたく、保護基の例は、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、Protective Groups In Organic Synthesis(第3版、1991年)において見られる。
【0284】
活性剤を含有するナノ粒子含有組成物を作製するための方法およびプロセスの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUS2010−0112042 A1において記述されている。
【0285】
核酸剤
ある特定の態様において、本発明は、細胞または被験体における核酸剤の活性を産生するための分子および方法を提供する。概して、核酸は、細胞または血液に導入された場合、限られた時間の間だけ安定である。しかしながら、核酸ベースの作用物質は、組成物および製剤中で安定化することができ、次いでこれを細胞送達のために投与および分散させてよい。
【0286】
核酸剤の例は、遺伝子サイレンシング剤、遺伝子調節剤、アンチセンス剤、ペプチド核酸剤、リボザイム剤、RNA剤およびDNA剤等、任意の核酸含有部分を包含する。
【0287】
本開示の活性核酸剤の例は、UsiRNAを包含する。核酸剤のさらなる例は、二または三本鎖RNA構造、RNAペプチド共役体、縮合RNAナノ粒子、ダイサー基質RNA、dsRNA、siRNA、マイクロRNA、ヘアピンRNA、および他の活性RNA形態を包含する。
【0288】
本開示の活性剤は、活性RNA剤のペプチド縮合物であってよい。例えば、活性RNA剤をペプチドまたは他の生体分子と縮合することによって形成されたナノ粒子、RNAとポリマー種との縮合物は、本開示のナノ粒子組成物に積荷として充填され得る。ナノ粒子は架橋していてよい。
【0289】
本開示の活性剤の例は、UsiRNAを包含する。UsiRNAはUNA含有siRNAであり、UNAは「アンロック核酸塩基類似体」である。本開示の核酸剤の例は、PCT国際出願公開第WO2008/147824号において記述されている1つまたは複数の非環式単量体を含有し得る。
【0290】
加えて、本明細書において使用される場合、用語「dsRNA」、「RNAi誘発剤」および「RNAi剤」は、メロデュープレックスRNA(mdRNA)、ニックdsRNA(ndsRNA)、ギャップdsRNA(gdsRNA)、低分子干渉核酸(siRNA)、siRNA、マイクロRNA(miRNA)、一本鎖RNA、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉オリゴヌクレオチド、低分子干渉置換オリゴヌクレオチド、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾dsRNA、および転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)、ならびに上記のいずれかの前駆体を包含する配列特異的RNAiを媒介することができる核酸分子を記述するために使用される他の用語と同義になるように意味付けられている。
【0291】
用語「大型二本鎖(ds)RNA」は、約40塩基対(bp)から約100bp以上よりも長い、特に最大約300bpから約500bpの任意の二本鎖RNAを指す。大型dsRNAの配列は、mRNAの断片またはmRNA全体を表し得る。二本鎖構造は、自己相補的な核酸分子によって、または2本以上の別個の相補的な核酸分子鎖のアニーリングによって形成され得る。
【0292】
追加の活性剤
本開示の化合物および組成物は、任意の生理学的または生物学的活性剤、ならびに上記した通りのまたは当技術分野において公知である活性剤の任意の組合せの送達に使用され得る。活性剤は、本開示の組成物および使用において、所望の生理学的または寛解性効果を提供するのに十分な量で存在し得る。
【0293】
本開示の化合物および組成物は、小分子化合物および薬物、ペプチド、タンパク質、抗体、モノクローナル抗体、抗体ベースの薬物、ならびにワクチン剤を包含する、哺乳類被験体における幅広い薬物剤および生物学的活性剤の送達を増強することに向けられる。
【0294】
活性剤の例は、ペプチド、タンパク質、プロテアーゼ、抗体、モノクローナル抗体、抗体ベースの薬物、ワクチン剤、または小分子薬物を包含する。
【0295】
活性剤の例は、ペプチド、タンパク質、核酸、二本鎖RNA、造血薬、抗感染薬、抗認知症薬、抗ウイルス薬、抗腫瘍薬、解熱薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗潰瘍薬、抗アレルギー薬、抗鬱薬、向精神薬、強心薬、抗不整脈薬(antiarrythmic)、血管拡張薬、降圧薬、降圧利尿薬、抗糖尿病薬、抗凝血薬、コレステロール低下剤、骨粗しょう症の治療薬、ホルモン、抗生物質、ワクチン、サイトカイン、ホルモン、成長因子、心血管因子、細胞接着因子、中枢または末梢神経系因子、液性電解質因子(humoral electrolyte factor)、血液有機物質、骨成長因子、胃腸因子、腎臓因子、結合組織因子、感覚器官因子、免疫系因子、呼吸器系因子、生殖器因子、アンドロゲン、エストロゲン、プロスタグランジン、ソマトトロピン、ゴナドトロピン、インターロイキン、ステロイド、細菌性トキソイド、抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体フラグメント、および免疫グロブリン(immunoglobin)を包含する。
【0296】
活性剤の例は、エリスロポイエチン、顆粒球コロニー刺激因子、インスリン、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、インターフェロン、ヘパリン、ヒルゲン、ヒルロス(hirulos)、およびヒルジンを包含する。
【0297】
活性剤の例は、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール(lovorphanol)、レバロルファン、コデイン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン(nalozone)、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、またはナルブフィン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン、フルオシノロン、コルセチン、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤NSAID、アシクロビール、リバビリン(ribavarin)、トリフルオロチミジン(trifluorothyridine)、Ara−Aアラビノフラノシルアデニン、アシクログアノシン(acylguanosine)、ノルデオキシグアノシン、アジドチミジン、ジデオキシアデノシン、ジデオキシシチジン、スピロノラクトン、テストステロン、エストラジオール、プロゲスチン、ゴナドトロピン、エストロゲン、プロゲステロン、パパベリン、ニトログリセリン、血管活性腸管ペプチド、カルシトニン遺伝子に関係するペプチド、シプロヘプタジン、ドクセピン、イミプラミン、シメチジン、デキストロメトルファン、クロザリル、スーパーオキシドジスムターゼ、ニューロエンケファリナーゼ(neuroenkephalinase)、アンホテリシンB、グリセオフルビン、ミコナゾール、ケトコナゾール、チオコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、セファロスポリン、テトラサイクリン、アミノグルコシド、エリスロマイシン(erythromicin)、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、メトトレキサート、ヒドロキシ尿素、ジデオキシイノシン、フロクシウリジン、6−メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、タキソール、パクリタキセル、トコフェロール、キニジン、プラゾシン、ベラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼム、組織プラスミノゲン活性化因子TPA、上皮成長因子EGF、線維芽細胞成長因子FGF酸性または塩基性、血小板由来成長因子PDGF、形質転換成長因子TGF−アルファまたはベータ、血管活性腸管ペプチド、腫瘍壊死因子TNF、視床下部(hypothalmic)放出因子、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモンTSH、副腎皮質刺激ホルモンACTH、副甲状腺ホルモンPTH、卵胞刺激ホルモンFSF、黄体形成ホルモン放出ホルモンLHRH、エンドルフィン、グルカゴン、カルシトニン、オキシトシン、アルドエテコン(aldoetecone)、エンケファリン(enkaphalin)、ソマトスタチン(somatostin)、ソマトトロピン、ソマトメジン、アルファ−メラニン細胞刺激ホルモン、リドカイン、スフェンタニル(sufentainil)、テルブタリン、ドロペリドール、スコポラミン、ゴナドレリン、シクロピロックス、ブスピロン、クロモグリク酸ナトリウム、ミダゾラム、シクロスポリン、リシノプリル、カプトプリル、デラプリル、ラニチジン、ファモチジン、スーパーオキシドジスムターゼ、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニンデアミナーゼ(deaminease)、アデノシンデアミナーゼリボヌクレアーゼ、トリプシン、キモトリプシン(chemotrypsin)、パパイン、ボンベシン、物質P、バソプレッシン、アルファ−グロブリン、トランスフェリン、フィブリノーゲン、ベータ−リポタンパク質、ベータ−グロブリン、プロトロンビン、セルロプラスミン、アルファ2−糖タンパク質、アルファ2−グロブリン、フェチュイン、アルファ1−リポタンパク質、アルファ1−グロブリン、アルブミン、およびプレアルブミンを包含する。
【0298】
活性剤の例は、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、コデイン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノールおよびナルブフィン等のオピオイドまたはオピオイドアンタゴニスト;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾンおよびフルオシノロン等のコルチコステロン;コルセチン、イブプロフェン、インドメタシンおよびピロキシカム等の他の抗炎症薬;アシクロビール、リバビリン、トリフルオロチミジン、Ara−A(アラビノフラノシルアデニン)、アシクログアノシン、ノルデオキシグアノシン、アジドチミジン、ジデオキシアデノシンおよびジデオキシシチジン等の抗ウイルス剤;スピロノラクトン等の抗アンドロゲン;テストステロン等のアンドロゲン;エストラジオール等のエストロゲン;プロゲスチン;パパベリン等の筋弛緩薬;ニトログリセリン、血管活性腸管ペプチドおよびカルシトニンに関係する遺伝子ペプチド等の血管拡張薬;シプロヘプタジン等の抗ヒスタミン薬;ドクセピン、イミプラミンおよびシメチジン等のヒスタミン受容体部位遮断活性を持つ作用物質;デキストロメトルファン等の鎮咳薬;クロザリル等の神経弛緩薬;抗不整脈薬;抗てんかん薬;スーパーオキシドジスムターゼおよびニューロエンケファリナーゼ等の酵素;アンホテリシンB、グリセオフルビン、ミコナゾール、ケトコナゾール、チオコナゾール、イトラコナゾールおよびフルコナゾール等の抗真菌剤;ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、アミノグルコシド、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB等の抗菌薬;5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、メトトレキサートおよびヒドロキシ尿素、ジデオキシイノシン、フロクシウリジン、6−メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、タキソールおよびパクリタキセル等の抗がん剤;トコフェロール、レチノイド、カロテノイド、ユビキノン、金属キレート剤およびフィチン酸等の酸化防止剤;キニジン等の抗不整脈剤;プラゾシン、ベラパミル、ニフェジピンおよびジルチアゼム等の降圧剤;アセトアミノフェンおよびアスピリン等の鎮痛薬;ヒト化抗体を包含するモノクローナルおよびポリクローナル抗体ならびに抗体フラグメント;アンチセンスオリゴヌクレオチド;ならびに、RNA、調節RNA、干渉RNA、DNA、および治療用ペプチドおよびタンパク質をコードする遺伝子を含むウイルスベクターを包含する。
【0299】
RNA剤を持つ製剤における活性産生送達分子の使用
本開示の活性産生送達分子は、薬物剤または生物学的活性剤の、様々な細胞、組織または器官へのインビボでの送達に使用され得る。作用物質をインビボで送達するためのモダリティーは、局所、経腸および非経口経路を包含する。作用物質をインビボで送達するためのモダリティーの例は、粒子または液滴の吸入、経鼻もしくは鼻咽頭(nasal−pharngyl)滴下剤、粒子または懸濁液の送達、経皮および経粘膜経路、ならびに、筋肉内、皮下、静脈内、動脈内、心臓内、くも膜下、骨内(intraosseus)、腹腔内および硬膜外経路による注射または注入を包含する。いくつかの実施形態において、作用物質は、哺乳類被験体由来の細胞、組織または器官への直接暴露により、エクスビボで投与され得る。
【0300】
いくつかの実施形態において、本開示は、哺乳類被験体における疾患または障害を治療するための方法を提供する。活性RNA剤および1種または複数の活性産生送達分子を含有する治療有効量の本開示の組成物を、他の添加剤とともに、該組成物によって低減、減少、下方調節またはサイレンシングされ得る遺伝子の発現または過剰発現に関連する疾患または障害を有する被験体に投与してよい。
【0301】
治療的使用に許容される溶媒、ビヒクルまたは賦形剤は、薬学分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R. Gennaro編、1985年)において記述されている。
【0302】
病状を予防し、その発生を阻害し、病状を治療し、またはその症状を軽減するために必要とされる薬学的有効用量は、1日当たり体重1kgにつき0.01mgから50mgの投与されるべき活性核酸の量を包含する。
【0303】
本開示は、がん、膀胱がん、肝がん、肝疾患、高コレステロール血症、炎症性疾患、代謝病、炎症、関節炎、関節リウマチ、脳炎、骨折、心疾患、ウイルス性疾患、肝炎およびインフルエンザを包含する疾患を治療するための方法を包括する。
【0304】
本開示の組成物または製剤を使用して送達される薬物剤または生物学的活性剤は、例えば、純粋形態、結晶形態、固体形態、ナノ粒子、縮合形態、複合形態または共役形態を包含する任意の形態のものが見出され得る。
【0305】
本開示は、核酸剤または遺伝子サイレンシングRNAの治療的送達のための、種々の活性産生送達分子を持つ幅広い薬学的に許容される核酸組成物をさらに提供する。
【0306】
特に、本開示は、活性産生送達分子の製剤、および、標的核酸配列の翻訳または遺伝子の発現を減少させ、下方調節し、またはサイレンシングするための活性RNA剤の、インビトロまたはインビボ送達方法を提供する。これらの活性産生送達分子の製剤は、哺乳動物における疾患の予防または治療に使用され得る。
【0307】
いくつかの態様において、本開示は、本開示の1種または複数の活性産生送達分子ならびに核酸剤の送達および投与に使用され得る1種または複数の脂質を包含する幅広い製剤を提供する。
【0308】
より詳細には、本開示の組成物は、本発明の1種または複数の活性産生送達分子を、1種または複数のカチオン性脂質または非カチオン性脂質とともに包含し得る。本開示の組成物は、本発明の1種または複数の活性産生送達分子を、1種または複数のカチオン性脂質および1種または複数の非カチオン性脂質とともに包含し得る。
【0309】
カチオン性脂質は、モノカチオン性であってもポリカチオン性であってもよい。いくつかのカチオン性脂質は、中性脂質、および特定のpHにおいておよそゼロの正味荷電を有する脂質、例えば両性イオン脂質を包含する。非カチオン性脂質は、アニオン性脂質も包含する。
【0310】
中性脂質の例は、コレステロール、DOPC、DOPE、DDPC、DDPE、DLPC、DLPE、DMPC、DMPE、DPPC、DPPE、DSPC、DSPE、DPhyPE、スフィンゴミエリン(sphingomylin)、セラミド、ジアシルグリセロールおよびスフィンゴシンを包含する。
【0311】
カチオン性脂質の例は、DOTAP、DC−CHOL、DOTMA、エチルPC、DDABおよびDODAPを包含する。
【0312】
アニオン性脂質の例は、CHEMS、DOPS、POPS、DLPS、DMPS、DPPS、DOPI、POPI、DMPIまたはDPPIを包含する。
【0313】
非カチオン性脂質は、中性、両性イオン性およびアニオン性脂質を包含する。故に、非カチオン性両性イオン脂質は、カチオン性頭部基を含有し得る。
【0314】
本開示の活性産生送達分子を、種々の標的リガンド、または活性剤を生物の細胞、組織、器官もしくは領域へ送達するための作用物質と混和、またはそれらに結合させてよい。標的化剤の例は、抗体、受容体用リガンド、ペプチド、タンパク質、レクチン、ポリ(サッカリド)、ガラクトース、マンノース、シクロデキストリン、核酸、DNA、RNA、アプタマー、およびポリアミノ酸を包含する。
【0315】
本発明の活性産生送達分子の核酸組成物を作製するための方法は、エタノール注射法、および規定細孔径の積層ポリカーボネート膜フィルター付きNorthern Lipidsリペックスエクストゥルーダーシステムを使用する押出法を包含する。プローブチップおよび浴ソニケーターを使用する音波破砕を用いて、均一経の粒子を生成することができる。相同かつ単分散の粒径は、核酸成分を添加することなく取得できる。インビトロトランスフェクション組成物では、トランスフェクション剤を作製し、緩衝剤成分によって安定化させた後に、核酸成分が添加され得る。インビボ送達組成物では、核酸成分は製剤の一部である。
【0316】
本開示の活性産生送達分子を含有する製剤は、例えば、静脈内、非経口または腹腔内経路を介して全身送達を実現するための種々の経路によって投与され得る。いくつかの実施形態において、作用物質は、例えば、肺もしくは肝臓等の標的組織の細胞内、または炎症組織内に、細胞内送達され得る。本開示に包含されるのは、被験体の細胞を除去し、除去した細胞に作用物質を送達し、該細胞を被験体に再導入することによる作用物質の送達のための、組成物および方法である。いくつかの実施形態において、本開示は、作用物質のインビボでの送達方法を提供する。組成物は被験体に、静脈内、皮下または腹腔内投与され得る。いくつかの実施形態において、本開示は、哺乳類被験体の肺への、作用物質のインビボ送達方法を提供する。
【0317】
本開示の活性産生送達分子を含有する製剤は、活性剤の医薬組成物においてインビボで使用され得る。本開示の活性剤組成物の被験体への投与は、非経口、経口、吸入、局所、経粘膜、直腸、または口腔内経路によるものであってよい。非経口使用は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、髄腔内(intrastemal)、くも膜下、病巣内、および頭蓋内注射または注入技術を包含する。
【0318】
特定の疾患を治療するための、本開示の活性剤組成物の有効量は、概して、疾患の症状を寛解または低減させるのに十分な量である。組成物を単回投薬量として投与してよく、または反復投薬によって投与してよい。
【0319】
化学的定義
明示的な電荷を有する本開示における分子の図面は、対イオンが図面内に明らかに包含されていようがいまいが、薬学的に許容される対イオンを包含するものであることが理解されよう。
【0320】
本明細書において使用される場合、用語「ホモ」は、アミノ酸に言及する場合、追加の炭素が側鎖に付加されていることを意味し、一方で、用語「ノル」は、アミノ酸に言及する場合、炭素が側鎖から減じられていることを意味する。故に、ホモリジンは側鎖:(CH
2)
5NH
2を指す。
【0321】
概して、本明細書において使用される場合、一般的な化学用語は、別段の指定がない限り、任意の数および種類の原子を有する基を包含する、指定されている種類のすべての基を指す。例えば、「アルケニル」は、以下で定義する通りの2から24個の炭素原子を有するアルキルを広く指し、一方で、(C18:1)アルケニルは、18個の炭素原子および1個の二重結合を有するアルケニルを指す。
【0322】
用語「アルキル」は、本明細書において使用される場合、1〜24個までの炭素原子を含有する飽和、分枝鎖または非分枝鎖、置換または非置換脂肪族基を指す。この定義は、例えば、アルコキシ、アルカノイル、アラルキル、および以下で定義する他の基等、他の基のアルキル部にも当てはまる。用語「シクロアルキル」は、本明細書において使用される場合、3から12個までの炭素原子を含有する飽和、置換または非置換環式アルキル環を指す。
【0323】
アルキル基の置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ビニルまたはエテニル、アリルまたは2−プロペニル、1−プロペニル、イソプロペニルまたは1−メチルビニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、フェニル、およびナフチルを包含する、アルキル、アルケニルおよびアリール置換基を包含する。
【0324】
アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルおよびsec−ブチルを包含する。シクロアルキルの例は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびシクロヘプタンを包含する。
【0325】
アルキル基の置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ビニルまたはエテニル、アリルまたは2−プロペニル、1−プロペニル、イソプロペニルまたは1−メチルビニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、フェニル、およびナフチルを包含する、アルキル、アルケニルおよびアリール置換基を包含する。
【0326】
用語「アルケニル」は、本明細書において使用される場合、2から24個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、不飽和、分枝鎖または非分枝鎖、置換または非置換アルキルまたはシクロアルキルを指す。用語「アルキニル」は、本明細書において使用される場合、2から24個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、不飽和、分枝鎖または非分枝鎖、置換または非置換アルキルまたはシクロアルキルを指す。
【0327】
アルケニル基の例は、ビニルまたはエテニル、アリルまたは2−プロペニル、1−プロペニル、イソプロペニルまたは1−メチルビニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、および2−ペンテニルを包含する。
【0328】
アルケニル基の置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ビニルまたはエテニル、アリルまたは2−プロペニル、1−プロペニル、イソプロペニルまたは1−メチルビニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、フェニル、およびナフチルを包含する、アルキル、アルケニルおよびアリール置換基を包含する。
【0329】
用語「アルコキシ」は、本明細書において使用される場合、酸素原子と共有結合しているアルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。用語「アルカノイル」は、本明細書において使用される場合、代替として「アシル」と称され得る−C(=O)−アルキルを指す。用語「アルカノイルオキシ」は、本明細書において使用される場合、−O−C(=O)−アルキル基を指す。用語「アルキルアミノ」は、本明細書において使用される場合、RおよびR’がそれぞれ水素またはアルキルのいずれかであり、RおよびR’の少なくとも一方がアルキルである、基−NRR’を指す。アルキルアミノは、RおよびR’が環を形成する、ピペリジノ等の基を包含する。用語「アルキルアミノアルキル」は、−アルキル−NRR’を指す。
【0330】
用語「アリール」は、本明細書において使用される場合、各環中4から12個までの原子の、任意の安定な単環式、二環式または多環式炭素環系を指し、少なくとも1個の環は芳香族である。アリールのいくつかの例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニルを包含する。任意の置換基が二環式であり、かつ1個の環が非芳香族である場合、その結合は芳香族環とのものであることが理解される。
【0331】
アリールは、置換されていても非置換であってもよい。アリール基の置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ビニルまたはエテニル、アリルまたは2−プロペニル、1−プロペニル、イソプロペニルまたは1−メチルビニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、フェニルおよびナフチルを包含するアルキル、アルケニルおよびアリール置換基を包含する。
【0332】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書において使用される場合、各環中4から12個までの原子の、任意の安定な単環式、二環式または多環式炭素環系を指し、少なくとも1個の環は芳香族であり、酸素、窒素および硫黄から選択される1から4個までのヘテロ原子を含有する。ヘテロアリールのいくつかの例は、アクリジニル、キノキサリニル、ピラゾリルまたはピラゾリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピリダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはピリジル、ピリミジニル、ピロリル、およびテトラヒドロキノリニルを包含する。ヘテロアリールは、窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体を包含する。
【0333】
用語「複素環」または「ヘテロシクリル」は、本明細書において使用される場合、5から22個までの原子の芳香族または非芳香族環系を指し、該環原子の1から4個までは、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。故に、複素環は、ヘテロアリールまたはそのジヒドロもしくはテトラヒドロ型であってよい。
【0334】
複素環基または部分の例は、炭素原子の1つまたは複数、例えば1、2または3個が、N、O、S、S(O)およびS(O)
2から選択される部分で置き換えられている、単環式非芳香族、飽和または不飽和C
5〜C
10炭素環式環を包含する。適切なヘテロシクリル基および部分は、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、チオモルホリニル、S−オキソ−チオモルホリニル、S,S−ジオキソ−チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキソリルおよびピラゾリニル基および部分を包含する。
【0335】
用語「アロイル」は、本明細書において使用される場合、置換安息香酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるアリールラジカルを指す。用語「アラルキル」は、本明細書において使用される場合、アルキル基、例えばベンジル基と結合しているアリール基を指す。
【0336】
用語「カルボキシル」は、本明細書において使用される場合、式−C(=O)OHまたは−C(=O)O
−の基を表す。用語「カルボニル」および「アシル」は、本明細書において使用される場合、酸素原子が炭素原子>C=Oと二重結合している基を指す。用語「ヒドロキシル」は、本明細書において使用される場合、−OHまたは−O
−を指す。用語「ニトリル」または「シアノ」は、本明細書において使用される場合、−CNを指す。用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)およびヨード(−I)を指す。
【0337】
用語「置換されている」は、本明細書において使用される場合、同じであっても異なっていてもよく、かつ水素置換基を包含し得る、1つまたは複数の置換または置換基を有する原子を指す。故に、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アロイルおよびアラルキルという用語は、本明細書において使用される場合、置換されている変形形態を包含する基を指す。置換されている変形形態は、線形、分枝鎖および環式変形形態、ならびに基の任意の炭素原子に結合している1個または複数の水素を置き換える置換基(複数可)を有する基を包含する。該基の炭素原子に結合し得る置換基は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アロイル、アラルキル、アシル、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アミノアシル、アルキルアミノアシル、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、メルカプト、ニトロ、カルバミル、カルバモイルおよび複素環を包含する。例えば、エチルという用語は、−CH
2CH
3、−CHFCH
3、−CF
2CH
3、−CHFCH
2F、−CHFCHF
2、−CHFCF
3、−CF
2CH
2F、−CF
2CHF
2、−CF
2CF
3、および上記した通りの他の変形形態を包含するがこれらに限定されない。概して、置換基は、任意の原子または原子群でさらに置換されていてよい。
【0338】
置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ビニルまたはエテニル、アリルまたは2−プロペニル、1−プロペニル、イソプロペニルまたは1−メチルビニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、フェニルおよびナフチルを包含するアルキル、アルケニルおよびアリール置換基を包含する。
【0339】
十分に塩基性である本開示の活性産生送達分子の薬学的に許容される塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、二リン酸、クロロスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸または酒石酸等の無機または有機酸、ならびに、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸およびカンファースルホン酸等のアルカン−またはアレーンスルホン酸との酸付加塩であってよい。
【0340】
十分に酸性である本開示の活性産生送達分子の薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムもしくはカリウム塩、またはアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムもしくはマグネシウム塩、または亜鉛もしくはマンガン塩、またはアンモニウム塩、または、生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基との塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ピペリジン、モルホリンもしくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの、アルギン酸塩等のアミノ酸の塩を包含する塩、ならびに、グルクロン酸またはガラクツロン(galactunoric)酸等の有機酸の塩であってよい。例えば、Bergeら、J. Pharm. Sci.、66巻:1〜19頁、1977年を参照されたい。
【0341】
本開示のいくつかの化合物は、化合物を塩基または酸付加塩のいずれかにすることができる塩基性および酸性官能性の両方を含有し得る。
【0342】
本開示のいくつかの化合物、ペプチドおよび/またはタンパク質組成物は、1つまたは複数のキラル中心および/または幾何異性体中心(E−およびZ−異性体)を有し得、本開示は、1つの異性体しか図面に出現していない場合であっても、すべてのそのような光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、およびそれらの混合物を包括することを理解すべきである。
【0343】
本開示は、本明細書において開示されている化合物、ペプチドおよび/またはタンパク質組成物の、ありとあらゆる互変異性、溶媒和または非溶媒和、水和または非水和形態、および任意の原子同位体形態を包括する。
【0344】
1つまたは複数のキラル中心を含有する本開示の化合物は、鏡像異性的にもしくはジアステレオ異性的に純粋な形態で、または異性体の混合物の形態で使用され得る。誤解を避けるために付言すれば、本開示の化合物を、必要に応じて、溶媒和物の形態で使用してよい。さらに、誤解を避けるために付言すれば、本発明の化合物を任意の互変異性形態で使用してよい。
【0345】
追加の実施形態
本明細書において引用されるすべての刊行物、参考文献、特許、特許公報および特許出願は、参照によりその全体がそれぞれ個別に本明細書に組み込まれる。
【0346】
ある特定の実施形態との関係で本開示について記述し、例証目的で多くの詳細を説明してきたが、本開示は追加の実施形態を包含すること、および本明細書において記述されている詳細のいくつかは本開示から逸脱することなく大幅に変動し得ることが当業者には明白であろう。本開示は、そのような追加の実施形態、修正形態および均等物を包含する。特に、本開示は、種々の例証的な構成成分および例の特色、用語または要素の任意の組合せを包含する。
【0347】
本開示を記述する際および請求項中での、用語「a」、「an」、「the」および同様の用語の本明細書における使用は、単数形および複数形の両方を包含するものと解釈すべきである。
【0348】
用語「を含む」、「を有する」、「を包含する」および「を含有する」は、例えば「を包含するがこれらに限定されない」を意味するオープンエンドタームとして解釈されるべきである。故に、「を含む」、「を有する」、「を包含する」および「を含有する」等の用語は、排他的ではなく包含的であるとして解釈されるべきである。
【0349】
本明細書における値の範囲の列挙は、範囲内の値のいくつかが明らかに列挙されていようがいまいが、本明細書においてそれが個々に列挙されているかの如く、範囲内に収まる各任意の別々の値を個々に指す。例えば、範囲「4から12」は、値5、5.1、5.35、および4以上かつ12以下である任意の他の全体値、整数値、分数値または有理数値を包含するがこれらに限定されない。本明細書において用いられる特定値は、本開示の範囲を限定するものとしてではなく、例示的なものとして理解されるであろう。
【0350】
本明細書における炭素原子数の範囲の列挙は、範囲内の値のいくつかが明らかに列挙されていようがいまいが、本明細書においてそれが個々に列挙されているかの如く、範囲内に収まる各任意の別々の値を個々に指す。例えば、用語「C1〜24」は、種C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23およびC24を包含するがこれらに限定されない。
【0351】
本明細書において提供されている術語の定義は、列挙されていなくても、当業者に公知であるこれらの用語に関連する意味を包含すると解釈されるべきであり、本開示の範囲を限定することは意図されていない。本明細書において提供されている術語の定義は、当技術分野における代替的な定義に、または代替的な定義が本明細書において提供されている定義と矛盾する程度まで参照により本明細書に組み込まれる定義に優先すると解釈されるものとする。
【0352】
本明細書において記される例、および本明細書において使用される例示的な言葉は、単に例証を目的とするものであり、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0353】
本開示に適切な化合物または分子の一覧等、例の一覧が記されている場合、収載されている化合物または分子の混合物も適切であることが当業者には明白であろう。
【実施例】
【0354】
(実施例1)
C18:2−DAP(N,N−diMe)−C18:2の製剤で産生されるインビボ遺伝子サイレンシング活性
本発明の合成活性産生送達分子は、有利にも、RNA干渉のための作用物質により、遺伝子サイレンシング活性をインビボで提供する。
【0355】
図1において、活性産生送達分子C18:2−DAP(N,N−diMe)−C18:2を包含する製剤での尾静脈注射によって投与される第VII因子に対するUsiRNAについての遺伝子サイレンシング用量応答インビボマウスの図表が示されている。算出されたED50は、30μg/kgであった。
図1のx軸は、薬学的慣習により、体重1kg当たりの活性UsiRNAのmgであるmgA/kgを指す。ここでは、二重になっており、活性産生送達分子によって封入または担持されているUsiRNAの画分を指す。
【0356】
このデータは、0.5、0.1、0.05、0.025、0.01、0.005および0.001mg/kgの用量レベルで、正常Balb/cマウスにおいて取得した。動物にはそれぞれ単回の尾静脈IV注射を投与し、投薬48時間後、血清F−VIIの分析のために屠殺した。
【0357】
活性産生分子C18:2−DAP(N,N−diMe)−C18:2は、コレステロール、第二の活性産生分子C18:2−DAB−C16、およびDSPE−PEG2kとともに、それぞれ51:31:17:1モル%の濃度で製剤化した。
【0358】
【化63】
(実施例2)
C18:2−DAP(N,N−diMe)−C18:2の調製
Boc−DAP(N,N−diMe)−OHの合成
CH
3CN中のトリフェニルホスフィンの溶液を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)をシリンジで滴下添加した。得られた淡黄色溶液を0℃で15分間(すべての固体が溶解するまで)撹拌し、CH
3CN中のBoc−Ser−OHの溶液をゆっくり添加した。添加完了後、混合物を0℃で10分間撹拌し、冷却浴を除去し、混合物を撹拌しながらゆっくり加温した。撹拌を終夜続け、減圧下で溶媒を除去し、ヘキサン/酢酸エチル勾配溶媒系でのフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を直ちに精製した。減圧下で溶媒を除去した後、精製化合物をCH
3CNに溶解し、N,N−ジメチルトリメチルシリルアミンをラクトンの溶液に添加した。撹拌を室温で1.5続け、次いで、反応混合物を濃縮し、メタノール、続いてクエン酸を添加した。5時間後、得られた固体を濾過除去し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をDCM/H2Oに取り、水相をDCMで逆抽出し、濃縮し、凍結乾燥して、オフホワイトの固体を生じさせた。
【0359】
リノレイルアミンの合成
フタルイミドカリウム(1当量)およびリノレイルメタンスルホネート(1当量)の混合物を、窒素雰囲気下70℃で撹拌した。4時間の撹拌後、出発材料の100%変換がTLCによって観察された。約50℃まで冷却後、反応混合物を水に注ぎ入れ、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機画分を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去し、油性固体残留物をヘキサンで処理した。固体を濾過除去し、濾液を蒸発乾固させ、粗リノレイルフタルイミドを次のステップにおいて使用した。残留物をEtOHに溶解し、ヒドラジンを添加した。混合物を2時間穏やかに還流させた(85〜90℃)。混合物を約50℃に冷却しながら、得られた濃厚な白色固体を濾過し、温エタノールで洗浄した。濾液をほぼ濃縮乾固し、クロロホルムを添加した。得られた白色固体を再度濾過除去し、有機相を水で2回洗浄し、Na
2CO
3で乾燥させた。溶媒を除去して、粗黄色油(収率95%)を得た。
【0360】
C18:2−DAP(N,N−diMe)−C18:2の合成
Boc−DAP(N,N−diMe)−OHを、THF/DCM溶媒混合物中の3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン(DEPBT)および2当量のDIPEAで10分間予め活性化させ、続いてリノレイルアミンを添加し、その後30分間撹拌した。粗化合物を、フラッシュクロマトグラフィー:1)順相シリカゲル(DCM/MeOH勾配)および2)アミンキャップシリカゲル(ヘキサン/AcOEt勾配)によって2回精製した。純粋なモノアルキル化中間体を1M HCl/酢酸エチル溶液に溶解し、Boc基を1時間以内に除去し、続いて減圧下で溶媒を除去した。リノール酸の遊離カルボキシル基を、DMFおよびDCMの1:1混合物中の(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)(EDC)およびN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)で10分間予め活性化させることにより、第二アルキル鎖を結合させ、続いてDCMに溶解したモノアルキル化diMeDAP(DIPEAでpHを6に調整したもの)を添加し、その後30分間撹拌した。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt勾配)によって精製し、1M HCl/AcOEtとともに撹拌することにより、塩酸塩に変換した。最終生成物を凍結乾燥させた。
【0361】
TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、5.8であった。
【0362】
(実施例3)
C18:1−DAP(NH
3+Cl
−)−C18:1の調製
C18:1−DAP−C18:1は、下記の通りに合成した。Fmoc−Nβ−Boc−L−2,3−ジアミノプロピオン酸を、ジクロロメタン(DCM)、2当量のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)に溶解し、得られた溶液を2−クロロトリチルクロリド樹脂に添加した。1時間後、樹脂をDCMで洗浄し、DMF中20%のピペリジンでの処理によってFmoc基を除去し、遊離α−アミンを生み出した。オレイン酸を、2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアンモニウム(tetramethylaminium)ヘキサフルオロホスフェート(HCTU)および2当量のDIPEAで予め活性化させ、樹脂に添加すると、陰性カイザー試験により反応は完了したと思われた。ジクロロメタン中1%のトリフルオロ酢酸(TFA)での複数回処理により、脂質付加化合物を樹脂から開裂し、続いて減圧下で蒸発させて、遊離カルボキシレート中間体を生み出した。遊離カルボキシル基を、DMFおよびDCMの1:1混合物中の(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)(EDC)およびN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)で10分間予め活性化させることにより、第二アルキル鎖を結合させ、続いて同溶媒中のC(18:1)アミンを添加し、その後30分間撹拌した。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt勾配)によって精製した。純粋なジアルキル化中間体を1M HCl/酢酸エチル溶液に溶解し、1時間以内にBoc基を除去し、続いて減圧下で溶媒を除去し、得られた残留物を水で洗浄し、乾燥させた。
【0363】
TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、6.0および9.7であった。
【0364】
(実施例4)
C18:2−DAA(NH
3+Cl
−)−C18:2の調製
C18:2−DAA−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0365】
TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、4.9であった。
【0366】
(実施例5)
C18:2−DAP(NH
3+Cl
−)−C18:2の調製
C18:2−DAP−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、7.6であった。
【0367】
(実施例6)
C18:2−DAP(Me,Me)−C18:1の調製
C18:2−DAP(Me,Me)−C18:1は、実施例3での方法に準じ、適正な成分および下記の追加ステップを用いて合成した。MeOHに溶解した前ステップからの2本の脂肪族鎖を持つアミノ酸の粗塩酸塩に、10当量のAcOHおよび10当量の37%ホルムアルデヒドを添加し、反応溶液を非常に緩やかに加熱還流した。次いで、10当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応物を30分間撹拌し、室温まで冷却し、H2Oおよび飽和NaHCO3の添加によってワークアップした。生成物をDCMで抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で有機溶媒を除去した。粗ジメチル化生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH勾配)によって精製した。
【0368】
TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、5.3であった。
【0369】
(実施例7)
C18:2−DAP(NH
3+Cl
−)−C18:1の調製
C18:2−DAP−C18:1は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0370】
(実施例8)
C18:3−DAP(NH
3+Cl
−)−C18:3の調製
C18:3−DAP−C18:3は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、5.7であった。
【0371】
(実施例9)
C18:1−DAB−C18:1の調製
C18:1−DAB−C18:1は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0372】
(実施例10)
C18:1−DAB(N−Me,N−Me)−C18:1の調製
C18:1−DAB(Me,Me)−C18:1は、実施例3での方法に準じ、適正な成分および下記の追加ステップを用いて合成した。MeOHに溶解した前ステップからの2本の脂肪族鎖を持つアミノ酸の粗塩酸塩に、10当量のAcOHおよび10当量の37%ホルムアルデヒドを添加し、反応溶液を非常に緩やかに加熱還流した。次いで、10当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応物を30分間撹拌し、室温まで冷却し、H2Oおよび飽和NaHCO3の添加によってワークアップした。生成物をDCMで抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で有機溶媒を除去した。粗ジメチル化生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH勾配)によって精製した。
【0373】
TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、3.9および7.3であった。
【0374】
(実施例11)
C18:2−DAB−C18:2の調製および熱特性
C18:2−DAB−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0375】
示差走査熱量測定を使用して、本発明の活性産生送達分子C(18:2)−DAB−C(18:2)の特性を他の化合物から区別した。
【0376】
例えば、
図2において、化合物CH
3(CH
2)
16(CO)−norArg−NH(CH
2)
17CH
3の、示差走査熱量測定によって評価した第二の融解挙動および熱相特性の図表が示されている(US2008−0317839 A1参照)。
図2の大ピークは、有意な熱または融解転移の存在を指示する。
【0377】
比較のために、
図3において、本発明の実施形態を代表する示差走査熱量測定によって評価した化合物C(18:2)オレオイル−DAB−C(18:2)アルケニルアミノの第二の融解挙動および熱相特性の図表が示されている。
図3のDSC走査は、化合物における熱転移ピークの完全な欠如を明らかにする。
【0378】
(実施例12)
C18:2−DAB(Me,Me)−C18:2の調製
C18:2−DAB(Me,Me)−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分および下記の追加ステップを用いて合成した。MeOHに溶解した前ステップからの2本の脂肪族鎖を持つアミノ酸の粗塩酸塩に、10当量のAcOHおよび10当量の37%ホルムアルデヒドを添加し、反応溶液を非常に緩やかに加熱還流した。次いで、10当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応物を30分間撹拌し、室温まで冷却し、H2Oおよび飽和NaHCO3の添加によってワークアップした。生成物をDCMで抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で有機溶媒を除去した。粗ジメチル化生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH勾配)によって精製した。
【0379】
(実施例13)
C18:2−Orn−C18:2の調製
C18:2−Orn−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0380】
(実施例14)
C18:2−Lys(NH
3+Cl
−)−C18:2の調製
C18:2−Lys−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0381】
(実施例15)
C18:1−norArg−C18:1の調製
C18:1−norArg−C18:1は、下記の通りに合成した。Fmoc−Nγ−Boc−L−2,3−ジアミノ酪酸を、ジクロロメタン(DCM)、2当量のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)に溶解し、得られた溶液を2−クロロトリチルクロリド樹脂に添加した。1時間後、樹脂をDCMで洗浄し、DMF中20%のピペリジンでの処理によってFmoc基を除去し、遊離α−アミンを生み出した。オレイン酸を、2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)および2当量のDIPEAで予め活性化させ、樹脂に添加すると、陰性カイザー試験により反応は完了したと思われた。ジクロロメタン中1%のトリフルオロ酢酸(TFA)での複数回処理により、脂質付加化合物を樹脂から開裂し、続いて減圧下で蒸発させて、遊離カルボキシレート中間体を生み出した。遊離カルボキシル基を、DMFおよびDCMの1:1混合物中の(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)(EDC)およびN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)で10分間予め活性化させることにより、第二アルキル鎖を結合させ、続いて同溶媒中のオレイルアミンを添加し、その後30分間撹拌した。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt勾配)によって精製した。純粋なジアルキル化中間体を1M HCl/酢酸エチル溶液に溶解し、1時間以内にBoc基を除去し、続いて減圧下で溶媒を除去した。得られた白色固体をDCMに溶かし、これにTEAを添加して溶解を容易にし、続いて1,3ジ−Boc−2−(トリフルオロメチルスルホニル)グアニジンで1時間処理した。反応が完了したら、DCMを、2M重硫酸ナトリウム、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で除去した。得られた残留物を無水エタノールに溶解し、溶解化合物を12N HClに滴下添加することによって2個のBoc基を除去した。反応中に最終生成物が沈殿し、EtOHから結晶化させた。
【0382】
(実施例16)
C18:2−norArg−C18:2の調製
C18:2−norArg−C18:2は、実施例15での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0383】
(実施例17)
C18:1−Me−His−C18:1の調製
C18:1−Me−His−C18:1は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、3.9であった。
【0384】
(実施例18)
C18:2−アミノ−Pro−C18:2の調製
C18:2−アミノ−Pro−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分を用いて合成した。
【0385】
(実施例19)
C18:2−アミノ−Pro(N,N−ジMe)−C18:2の調製
C18:2−アミノ−Pro(Me,Me)−C18:2は、実施例3での方法に準じ、適正な成分および下記の追加ステップを用いて合成した。MeOHに溶解した前ステップからの2本の脂肪族鎖を持つアミノ酸の粗塩酸塩に、10当量のAcOHおよび10当量の37%ホルムアルデヒドを添加し、反応溶液を非常に緩やかに加熱還流した。次いで、10当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応物を30分間撹拌し、室温まで冷却し、H2Oおよび飽和NaHCO3の添加によってワークアップした。生成物をDCMで抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で有機溶媒を除去した。粗ジメチル化生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH勾配)によって精製した。
【0386】
TNS色素アッセイによって計測した際の、この化合物のpKaは、6.6であった。
【0387】
(実施例20)
pKaについてのTNSアッセイ
pH応答性蛍光を計測するために、TNS/リポソーム反応混合物を下記の通りに調製した:16μLのTNSを1mg/mLで(20%DMFに溶解したもの)、160μLのリポソーム試験試料を1mMで、および3824μLのH2O。手短に述べると、Costar96ウェルプレート中に、100μL/ウェルの2倍汎用緩衝液を添加した(50mMのシトレート;40mMのリン酸ナトリウム;40mMの酢酸アンモニウム;300mMのNaCl、2倍緩衝液を、pH3.0からpH11.0までの0.5pH増分で、NaOHまたはHClを使用して、異なるpHに滴定した)。次いで、100μLの汎用緩衝液を含有する各ウェルに、100μLのTNS/リポソーム反応混合物を添加して、ウェル当たり、200μLの最終体積、5.92μMのTNS濃度および20μMの最終脂質濃度を達成した。37℃で30分後、322nmの励起波長および431nmの発光波長で蛍光を読み取った。シグモイド当てはめソフトウェアを利用して、最大および最小蛍光強度の間の中点に相当するpHでpKaを決定した。
【0388】
TNS色素(2,6−TNS(2−(p−トルイジニル)ナフタレン−6−スルホン酸、ナトリウム塩;Invitrogen T53;MW 335.4)。
【0389】
(実施例21)
融解挙動についてのDSC計測
活性産生送達分子の第二の融解挙動は、0.5から1.5mgの粉末をアルミニウム皿に秤量し、20℃/分で175℃に加熱し、10℃/分で−50℃に冷却し、20℃/分で200℃に加熱することによる加熱/冷却/加熱サイクルにおいて、TA Instruments Q200示差走査熱量計で評価した。
【0390】
いかなる特定の理論にも縛られることを意図しないが、活性産生送達分子の融解挙動は、層状、二層、または、相互作用し、細胞内コンパートメントに入って薬理学的もしくは生物学的活性を産生する活性剤を担持するために有用となり得る他の秩序構造を形成するその能力と関係し得る。有意なサーモトロピック相または転移を呈する高秩序構造と、サーモトロピック転移をほとんどまたは全く呈さない低秩序構造との間の平衡が望ましいものとなり得る。低秩序構造を有する物質は、細胞への活性剤の送達に必要となり得る優れた膜融合能力を提供できる。このように、示差走査熱量測定を使用して、ある特定の有意なサーモトロピック相または転移を持つ化合物の特性を、異なる特性およびあまり有意でないサーモトロピック相または転移を持つ化合物から区別することができる。
【0391】
(実施例22)
RNA含有ナノ粒子製剤を調製するための方法
本実施例は、RNA含有ナノ粒子製剤を作製するための方法の実施形態について記述する。該方法において使用されるいくつかの材料を以下にまとめる:
C18:1−norArg−C16(パルミトイルオレイルノル−アルギニン、PONA)(Marina Biotech,Inc.)(式量683.3)
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(DMPE−PEG2k)(Genzyme Pharmaceuticals、Cambridge、Mass.)
コレステロール(Solvay Pharmaceuticals)
コレステリル−ヘミスクシネート(CHEMS)GMP(Merck Eprova AG)
エタノール(無水、200プルーフ);注射用滅菌水
リン酸ナトリウム:一塩基、無水物、二塩基、無水物
スクロース、99+%
5N水酸化ナトリウム;2N塩酸;氷酢酸
トロメタミン(トリス)USPグレード(Research Organics)
150mL容量0.2μmフィルターボトル、PES
目盛付きのRainin 20μL、200μLおよび1mLピペッター
Iso−ディスクフィルターPTFE25−10
Cole−Parmerインライン静止混合器
Watson Marlow520Diポンプ;Watson Marlow523ポンプ;Filtertecポンプ
ビバフロー50 100,00MWCO PES(Sartorius)
スライド−a−ライザー透析カセット10,000MWCO(Pierce) 。
【0392】
緩衝溶液スクロースホスフェート(SUP)製剤緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム、215mMのスクロース、pH7.4)を、下記の通りに調製した。2.17gの無水リン酸二水素ナトリウムおよび8.79gの無水リン酸水素ナトリウムを、メスシリンダー中の3600mLのミリQ DI水に添加し、撹拌子で徹底的に混合した。5N水酸化ナトリウムまたは2N塩化水素で、pHをpH7.4に調整した。294.38gのスクロースをゆっくり添加し、徹底的に溶解した。最終水体積を4Lに調整した。溶液を0.2μmのフィルターで濾過した。
【0393】
90%v/vエタノールUSP中のナノ粒子形成分子の25mMストック溶液を、下記の通りに調製した。90mLのエタノールUSP(200プルーフ)を、クリーンオートクレーブにかけた100mLのパイレックス(登録商標)ボトルに分注した。エタノールに、1291umolのC18:1−norArg−C16(PONA)、721.6umolのコレステリル−ヘミスクシネート(CHEMS)粉末、61.7umolのDMPE−PEG2K粉末および515umolのコレステロールを連続的に添加した。原料をそれぞれ溶液に添加し、撹拌子で徹底的に混合した。混合物を15分間音波破砕した。10mLの注射用滅菌水USPを、徹底的に混合しながら添加した。ストック溶液を、ISO−ディスクフィルターPTFE−25mm、1um細孔径に通して濾過した。ストック溶液を80℃で貯蔵し、蒸発光散乱検出を用いる逆相HPLCにより、C18:1−norArg−C16および脂質成分について分析した。
【0394】
siRNAストック溶液を、下記の通りにして注射用滅菌水中に調製した。5mLの注射用滅菌水を滅菌15mLファルコンチューブに分注した。100mgのsiRNA粉末をチューブに添加し、徹底的にボルテックスした。10mLのシリンジを使用し、溶液を0.22uMのマイレクスGPフィルターユニットに通して濾過した。siRNA溶液を−20℃で貯蔵し、OD(A260およびA280)により、1:1000希釈で純度および濃度について試験した。
【0395】
Watson Marlow520Di蠕動ポンプを、40mL/分の流速に較正した。ポンプを210rpmに設定し、管類から外した。40mLの90%エタノールをポンプで通して、ラインをすすいだ。エタノールを15秒間ビーカーに投入し、秤量して、流速をmL/分で決定した。ポンプ速度を調整して、40±0.5mL/分の流速を提供した。siRNAおよびスクロースホスフェート溶液用のポンプを、同様の様式で較正した。
【0396】
3つの溶液を使用し、下記の通りにしてsiRNA製剤を調製した。(a)ポンピング用の第一溶液は、siRNA溶液であった。第一溶液は、siRNAを50mLの円錐チューブ中のSUP緩衝液で希釈し、徹底的にボルテックスすることによって作製した。(b)ポンピング用の第二溶液は、C18:1−norArg−C16プラス3種の脂質の溶液であった。下記の脂質:CHEMS、コレステロールおよびDMPE−PEGを含有する、90%エタノール中の混合脂質ストックを調製した。脂質ストックに、C18:1−norArg−C16を添加した。脂質ストックに、注射用滅菌水中アリコートのトリスを添加して、溶液中1:1モル濃度のトリス:CHEMS濃度とした。ポンピング用の第二溶液は、混合脂質ストックを用い、容積式ピペットで取って50mLの円錐チューブに移し、90%エタノールで希釈し、徹底的にボルテックスすることによって作製した。(c)ポンピング用の第三溶液は、SUP緩衝溶液であった。
【0397】
siRNA製剤は、下記の通りに調製した。第一のsiRNA溶液およびナノ粒子形成分子の第二溶液を、衝突流に同時に投入した。流出衝突流の最初の1mLを廃棄し、次いで、siRNA製剤を容器中に収集した。Watson Marlow323ポンプを使用して、SUP緩衝溶液を容器に投入し、エタノールの濃度を約33%に調整した。容器内のsiRNA製剤を、緩やかにかき混ぜながら磁気撹拌プレート上で1時間インキュベートした。
【0398】
インキュベーション後、製剤をPierceスライド−A−ライザー透析カセットに10,000MWCOで充填し、100体積のSUPに対し4℃で12〜18時間透析した。
【0399】
本実施例はさらに、接線流および血液透析濾過によってRNA含有ナノ粒子製剤を作製するための方法の実施形態について記述する。最後の透析ステップを接線流濾過(TFF)プロセスに置き換えたことを除き、siRNA製剤を上記した通りに準備した。
【0400】
siRNA製剤を、緩やかにかき混ぜながら磁気撹拌プレート上で2分間、10%(v/v)最終エタノール濃度に希釈した。
【0401】
Sartoriusビバフロー50 100,000MWCO PES膜を使用するTFFシステムを、50mLの70%エタノールUSPですすぎ、次いで、100mLの70%エタノールとともに60mL/分のポンプ流速で再循環させた。TFFシステムを50mLの滅菌水ですすぎ、次いで、100mLの滅菌水とともに60mL/分のポンプ流速で再循環させた。TFFシステムを50mLのSUPですすぎ、次いで、100mLのSUPとともに60mL/分のポンプ流速で再循環させた。
【0402】
希釈したsiRNA製剤をTFF容器に充填し、5倍に濃縮して0.5mg/mLの最終siRNA濃度とした(フィード圧約20psi、リテンテート圧<0.2psi、および約2mL/分の透過流速)。膜cm
2当たり、ナノ粒子組成物に製剤化された最大1mgのsiRNAを加工した。
【0403】
濃縮したsiRNA製剤を、エタノールが除去された5体積のSUPに対する血液透析濾過によって、流速2mL/分で濾過した。
【0404】
濃縮したsiRNA製剤をさらに濃縮して、1mg/ml siRNAの所望の体積とした。
【0405】
本実施例はさらに、siRNAナノ粒子製剤の滅菌濾過によってRNA含有ナノ粒子製剤を作製するための方法の実施形態について記述する。siRNA製剤を上記した通りに準備した。10mLのsiRNA製剤を10mLのポリプロピレンシリンジ中に作り、気泡を除去した。siRNA製剤を、0.22uMのマイレクスGPフィルターユニットに通して濾過した。10mgのsiRNA製剤(1mg siRNA/mL)を、シリンジ上にて中圧で、マイレクスGPフィルターユニットに通して濾過した。1mLアリコートのこの薬物生成物を、使用前に、3mLのI型滅菌ガラスバイアル中、80℃で貯蔵した。
【0406】
(実施例23)
活性産生送達分子のインビトロ遺伝子サイレンシング活性を決定する
活性産生送達分子のインビトロ遺伝子サイレンシング活性を決定するための方法は、下記の通りであった。Hep3B細胞を、活性産生送達分子の製剤およびUsiRNAとともに、ApoBに対して三通りの96ウェルフォーマットでトランスフェクトした。24時間後、細胞RNAを調製し、標的ApoBおよび正規化群36B4についての定量的RT−PCRおよびGAPDH発現レベルによって評定した。
【0407】
(実施例24)
活性RNA剤を持つC18:1−Me−His−C18:1の製剤
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表1に示す。
【0408】
【表1】
(実施例25)
活性RNA剤を持つC18:1−DAP−C18:1の製剤
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表2に示す。
【0409】
【表2】
(実施例26)
UsiRNAを持つC18:2−アミノPro(N−Me,N−Me)−C18:2の製剤によって産生されるインビトロ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表3に示す。インビトロ活性は、Hep3B細胞中のApoBに対し、UsiRNAによって産生された。
【0410】
【表3】
(実施例27)
UsiRNAを持つC18:2−Dap(N−Me,N−Me)−C18:1の製剤によって産生されるインビトロ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表4に示す。インビトロ活性は、Hep3B細胞中のApoBに対し、UsiRNAによって産生された。
【0411】
【表4】
(実施例28)
UsiRNAを持つC18:2−DAP(N−Me,N−Me)−C18:2の製剤によって産生されるインビトロ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表5に示す。インビトロ活性は、Hep3B細胞中のApoBに対し、UsiRNAによって産生された。
【0412】
【表5】
(実施例29)
UsiRNAを持つC18:1−DAP(NH
3+Cl−)−C18:1の製剤によって産生されるインビトロ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表6に示す。インビトロ活性は、Hep3B細胞中のApoBに対し、UsiRNAによって産生された。
【0413】
【表6】
(実施例30)
UsiRNAを持つC18:2−Dap(NH
3+Cl−)−C18:1の製剤によって産生されるインビトロ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表7に示す。インビトロ活性は、Hep3B細胞中のApoBに対し、UsiRNAによって産生された。
【0414】
【表7】
(実施例31)
UsiRNAを持つC18:2−DAP(NH
3+Cl
−)−C18:1の製剤によって産生されるインビトロ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表8に示す。インビトロ活性は、Hep3B細胞中のApoBに対し、UsiRNAによって産生された。
【0415】
【表8】
(実施例32)
UsiRNAを持つC18:2−アミノPro(N,N−diMe)−C18:2の製剤によって産生されるインビボ活性
本発明の活性産生送達分子を含有する製剤例を、表9に示す。インビボ遺伝子ノックダウン活性は、活性産生送達分子と第VII因子 mRNAに対するUsiRNAとを包含する製剤が尾静脈注射によって投与されたBalb/cマウスにおいて産生された。
【0416】
【表9】