(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721744
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】複数の割り当ての受信に応答する確認応答信号に対するリソースインデキシング
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20150430BHJP
H04J 11/00 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 111
H04J11/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-547960(P2012-547960)
(86)(22)【出願日】2011年1月6日
(65)【公表番号】特表2013-516886(P2013-516886A)
(43)【公表日】2013年5月13日
(86)【国際出願番号】KR2011000080
(87)【国際公開番号】WO2011083984
(87)【国際公開日】20110714
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】61/293,008
(32)【優先日】2010年1月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アリス・パパサケラリオウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−ヨン・チョ
【審査官】
石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/106786(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0245194(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0287155(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
H04J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)は、基地局が送信した複数のスケジューリング割り当て(SA)を検出し、かつ、それぞれのダウンリンク(DL)構成要素キャリア(CC)に対応し、各スケジューリング割り当ては、送信電力制御(TPC)情報要素(IE)を含む情報要素で構成され、各情報要素は、2進要素で表現される値を有する通信システムにおいて、
前記ユーザ機器による複数のスケジューリング割り当ての検出に応答してなされるアップリンク(UL)構成要素キャリアでの確認応答信号の送信のためのリソースを前記ユーザ機器が決定する方法であって、
前記ユーザ機器が、前記確認応答信号の送信電力を調整するために、前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうちの第1のダウンリンク構成要素キャリアに対応するスケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値を使用するステップと、
前記ユーザ機器が、前記確認応答信号の送信のために使用されるリソースを決定するために、前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうちの残りのダウンリンク構成要素キャリアに対応する各スケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値と前記基地局により構成されたリソースのセットを使用するステップと、
前記ユーザ機器が前記リソースを用いて確認応答信号を送信するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記各スケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値を使用するステップは、
第1のダウンリンク構成要素キャリアに対応するスケジューリング割り当てが検出されると、前記ユーザ機器が前記基地局により構成されたリソースのセットから前記リソースを暗示的に決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうち、残りのダウンリンク構成要素キャリアに対応するスケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素は同一の値を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザ機器(UE)は、基地局が送信した複数のスケジューリング割り当て(SA)を検出し、それぞれのスケジューリング割り当ては、送信電力制御(TPC)情報要素(IE)と、前記複数のスケジューリング割り当てに対して相対的な順序を提供するダウンリンク割り当てインデックス(DAI)情報要素とを含む情報要素で構成され、各情報要素は、2進要素で表現される値を有する通信システムにおいて、
前記ユーザ機器による複数のスケジューリング割り当ての検出に応答してなされる確認応答信号の送信のためのリソースを前記ユーザ機器が決定する方法であって、
前記ユーザ機器が、前記確認応答信号の送信電力を調整するために各ダウンリンク割り当てインデックス情報要素により前記複数のスケジューリング割り当ての第1のスケジューリング割り当てであるもので表示されたスケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値を使用するステップと、
前記ユーザ機器が、前記確認応答信号の送信のために使用されるリソースを決定するために、各ダウンリンク割り当てインデックス情報要素により前記複数のスケジューリング割り当ての第1のスケジューリング割り当てでないもので表示された各スケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値と前記基地局により構成されたリソースのセットを使用するステップと、
前記ユーザ機器が前記リソースを使用して確認応答信号を送信するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
前記各スケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値を使用するステップは、
前記複数のスケジューリング割り当てのうちの前記第1のスケジューリング割り当てが検出されると、前記ユーザ機器が前記基地局により構成されたリソースのセットから前記リソースを暗示的に決定するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスケジューリング割り当てと異なる各スケジューリング割り当てで各送信電力制御情報要素に対して同一の値が送信されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
各スケジューリング割り当て(SA)は、送信電力制御(TPC)情報要素(IE)を含む情報要素で構成され、各情報要素は、2進要素で表現される値を有し、各複数のダウンリンク(DL)構成要素キャリア(CC)に対して基地局が送信した複数のスケジューリング割り当ての検出に応答して通信システムのアップリンク(UL)構成要素キャリアで確認応答信号を送信するユーザ機器(UE)装置であって、
前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうちの第1のダウンリンク構成要素キャリアに対するスケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値に応答して確認応答信号の送信電力を調整する送信電力部と、
前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうちの残りのダウンリンク構成要素キャリアに対応する各スケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値と前記基地局により構成されたリソースのセットに応答してなされる確認応答信号送信のためのリソースを選択する制御器と、
前記リソースを使用して確認応答信号を送信する送信器と
を有することを特徴とするユーザ機器装置。
【請求項8】
前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうちの残りのダウンリンク構成要素キャリアに対応するスケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素は同一の値を有することを特徴とする請求項7に記載のユーザ機器装置。
【請求項9】
前記制御器は、前記複数のダウンリンク構成要素キャリアのうちの第1のダウンリンク構成要素キャリアが一つのみ検出されると、前記基地局により構成されたリソースのセットから暗示的に前記リソースを決定する特徴とする請求項7に記載のユーザ機器装置。
【請求項10】
各スケジューリング割り当て(SA)は、送信電力制御(TPC)情報要素(IE)と、複数のスケジューリング割り当てに対する相対的な順序を提供するダウンリンク割り当てインデックス(DAI)情報要素とを含む情報要素で構成され、各情報要素は、2進要素で表現される値を有し、基地局が送信した複数のスケジューリング割り当ての検出に応答して確認応答信号を送信するユーザ機器(UE)装置であって、
各ダウンリンク割り当てインデックス情報要素により前記複数のスケジューリング割り当ての第1のスケジューリング割り当てであるもので表示されたスケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値に応答して前記確認応答信号の送信電力を調整する送信電力部と、
各ダウンリンク割り当てインデックス情報要素により前記複数のスケジューリング割り当ての第1のスケジューリング割り当てでないもので表示された各スケジューリング割り当ての送信電力制御情報要素値と前記基地局により構成されたリソースのセットに応答してなされる確認応答信号送信のためのリソースを選択する制御器と、
前記リソースを使用して確認応答信号を送信する送信器とを有することを特徴とするユーザ機器装置。
【請求項11】
前記制御器は、前記複数のスケジューリング割り当てのうちの第1のスケジューリング割り当てが検出されると、前記基地局により構成されたリソースのセットから前記リソースを決定することを特徴とする請求項10に記載のユーザ機器装置。
【請求項12】
前記第1のスケジューリング割り当てと異なる各スケジューリング割り当てで各送信電力制御情報要素に対して同一の値が送信されることを特徴とする請求項10に記載のユーザ機器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、複数のスケジューリング割り当ての受信に応答して発生する確認応答信号の通信システムのアップリンクでの送信に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、基地局(“ノードB”とも呼ぶ)からユーザ機器(User Equipment:以下、“UE”と称する)への信号の送信を伝達するダウンリンク(DownLink:以下、“DL”と称する)とUEからノードBへの信号の送信を伝達するアップリンク(UpLink:以下、“UL”と称する)とから構成される。端末機又は移動局とも呼ばれるUEは固定されるか又は移動可能であり、無線装置、携帯電話、個人用コンピュータ装置などであってもよい。ノードBは、一般的に固定されたステーションであり、基地局送受信システム(Base Transceiver System:BTS)、アクセスポイントなどとも呼ぶ。
【0003】
通信システムのULは、情報コンテンツを運搬するデータ信号、通信システムのDLでのデータ信号の送信に関連した情報を提供する制御信号、パイロット信号とも知られている基準信号(RS)の送信をサポートする。また、DLは、データ信号、制御信号、及びRSの送信をサポートする。ULデータ信号は、物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel:PUSCH)を介して伝達される。DLデータチャネルは、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)を介して伝達される。PUSCH送信がない場合に、UEは、物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)を介してアップリンク制御情報(UCI)を伝達し、そうでない場合には、UCIがPUSCHでデータとともに伝達されてもよい。DL制御信号は、ブロードキャストされるか又はUEに関連してもよい。UE特定制御チャネルは、他の目的のうちでもPDSCH受信のためのスケジューリング割り当て(DL SA)又はPUSCH送信のためのスケジューリング割り当て(UL SA)をUEに提供するために使用することができる。SAは、ダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットを用いてそれぞれの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介してノードBからそれぞれのUEに送信される。
【0004】
UL制御信号は、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest:HARQ)過程に関連した確認応答信号を含み、通常、PDSCHを通して伝達されるデータ転送ブロック(TB)の正確な又は不正確な受信に応答する。
図1は、本例において、1つのサブフレームで構成される送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)でのHARQ確認応答(HARQ−ACK)信号の送信に対するPUCCH構造を示す。サブフレーム110は、2個のスロットを含む。各スロット120は、HARQ−ACK信号のコヒーレント復調を可能にするHARQ−ACK信号130又は基準信号(RS)140の送信のための
【数1】
個のシンボルを含む。各シンボルは、チャネル伝搬効果による干渉を緩和するためにサイクリックプレフィックス(CP)をさらに含む。第1のスロットでの送信は、周波数ダイバーシティを提供するために第2のスロットでの送信とは動作帯域幅(BW)が異なる部分にあってもよい。動作BWは、リソースブロック(RB)と呼ばれる周波数リソースユニットで構成されると仮定する。各RBは、
【数2】
個のサブキャリア又はリソース要素(RE)で構成されるものと仮定し、UEは、1つのRB150を介してHARQ−ACK信号及びRSを送信する。
【0005】
図2は、PUCCHの1つのスロットで一定振幅ゼロ自己相関(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation:CAZAC)を用いるHARQ−ACK信号送信のための構造を示す。他のスロットでの送信は、同一の構造を効果的に有するものと仮定する。HARQ−ACKビットb210は、CAZACシーケンス230、例えば、2位相偏移変調(Binary Phase Shift Keying:BPSK)又は4位相偏移変調(Quaternary Phase Shift Keying:QPSK)を用いて変調220を行い、次に説明するように、逆高速周波数変換(Inverse Fast Frequency Transform:IFFT)を実行した後に送信される。RS240は、非変調されたCAZACシーケンスを介して送信される。
【0006】
CAZACシーケンスの例は、下記の数式(1)で与えられる。
【0007】
【数3】
【0008】
ここで、LはCAZACシーケンスの長さであり、nはシーケンス要素のインデックスであり、n={0,1,2,...,L−1}であり、kはシーケンスインデックスである。Lが素数(prime integer)である場合に、{1,2,...,L−1}でk個の範囲で定義されたL−1個の区別される(distinct)シーケンスが存在する。1個のRBが
【数4】
個のREを含むと仮定すると、同一の長さを有するCAZACシーケンスは、CAZAC特性を満足するシーケンスに対するコンピュータ検索を介して直接発生することができる。
【0009】
図3は、RSとしての変調なしに、又はHARQ−ACK信号としてのBPSK、又はQPSK変調とともに使用することができるCAZACシーケンスに対する送信器構造を示す。コンピュータ発生CAZACシーケンスの周波数領域バージョンがステップ310で使用される。ステップ330で第1のスロット及び第2のスロットでCAZACシーケンスの送信のために、ステップ320で第1のRB及び第2のRBが選択され、ステップ340でIFFTが実行され、この後に説明されるように、ステップ350で循環シフト(CS)が出力に適用される。最後に、ステップ360でCPが挿入され、タイムウィンドーイングを介したフィルターリングが送信された信号380に適用される。UEは、自身の信号送信のために使用されないRE及び保護RE(図示せず)でゼロパディング(zero padding)を適用すると仮定する。また、簡潔さのために、ディジタル−アナログ変換器、アナログフィルター、増幅器、及び送信器アンテナのような追加の送信器回路は、当業者に知られているので図示しなかった。
【0010】
図4は、HARQ−ACK信号受信のための受信器構造を示す。アンテナは、RFアナログ信号を受信し、(フィルター、増幅器、周波数ダウンコンバータ、及びアナログ−ディジタル変換器のような)追加処理部を経た後に、ディジタル受信信号410は、ステップ420でフィルターリングされ、ステップ430でCPが除去される。この後に、ステップ440でCSが復元され、ステップ450で高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)が適用され、第1のスロット及び第2のスロットでステップ460での信号送信の第1のRB及び第2のRBがステップ465で選択され、この信号は、ステップ470において、ステップ480でのCAZACシーケンスのレプリカ(replica)と相関する。RSの場合には、時間−周波数補間器のようなチャネル推定部、又は送信されたHARQ−ACK信号に対する検出部に出力490が伝達することができる。
【0011】
同一のCAZACシーケンスの相互に異なるCSは、直交CAZACシーケンスを提供するので、同一のRBでHARQ−ACK信号送信のために相互に異なるUEに割り当てられることができ、直交UE多重化を達成することができる。このような原理は、
図5に示されている。同一のルートCAZACシーケンスの複数のCS520、540、560、580から対応して発生する複数のCAZACシーケンス510、530、550、570が直交することができるように、CS値Δ590はチャネル伝搬遅延拡散D(時間不確実性エラー及びフィルタースピルオーバー(spillover)効果を含む)を超過しなければならない。T
Sがシンボル期間(duration)である場合に、このようなCSの数は、比T
S/Dの数学的フロア(floor)と同一であり、このようなCSの数は、
【数5】
であり、
【数6】
(フロア)関数は、数をこのような数より小さい整数にラウンディングする。
【0012】
同一のRBでCAZACシーケンスの相互に異なるCSを用いて相互に異なるHARQ−ACK信号の直交多重化を行うことに加えて、直交カバーリングコード(OCC)を用いて時間領域でも直交多重化が達成することができる。例えば、
図2において、HARQ−ACK信号は、ウォルシュアダマール(Walsh-Hadamard:WH)OCCのような長さ4のOCCにより変調することができ、他方、RSは、DFT OCC(図示せず)のような長さ3のOCCにより変調することができる。このように、(さらに短い長さのOCCにより決定される)因数3により多重化容量が増加する。WH OCCのセット{W
0,W
1,W
2,W
3}及びDFT OCCのセット{D
0,D
1,D
2}は、次のようである。
【0013】
【数7】
【0014】
表1は、CAZACシーケンスに対してシンボル当たりの総12個のCSを仮定した場合に、HARQ−ACK信号送信に使用されるPUCCHリソースn
PUCCHに対するOCCn
OCC及びCSαへのマッピングの一例を示している。
【0015】
【表1】
【0016】
SAは、制御チャネル要素(CCE)と呼ばれる基本(elementary)単位で送信される。各CCEは複数のREで構成され、UEはノードBによる物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)の送信を介してDLサブフレームでCCEの総個数N
CCEの通知を受ける。周波数分割二重化(FDD)システムの場合に、UEは、(無線リソース制御(RRC)レイヤーのような)上位レイヤーによりノードBがUEに構成するオフセットN
PUCCHを加えて、DL SAの第1のCCEn
CCEからn
PUCCHを決定し、n
PUCCH=n
CCE+N
PUCCHである。時間分割二重化(TDD)システムの場合に、n
PUCCHの決定がさらに関連するが、DL SAのCCEを使用する同一のマッピング原理が適用される。
【0017】
図6は、CCEを使用するSAの送信をさらに示している。SA情報ビット(図示せず)のチャネル符号化及びレートマッチング(rate matching)の後にエンコーディングされたSAビットは、論理領域(logical domain)でCCEにマッチングされる。1番目の4個のCCEであるCCE1 601、CCE2 602、CCE3 603及びCCE4 604は、UE1へのSA送信のために使用される。次の2個のCCEであるCCE5 611及びCCE6 612は、UE2へのSA送信のために使用される。次の2個のCCEであるCCE7 621及びCCE8 622は、UE3へのSA送信のために使用される。最後に、最後のCCEであるCCE9 631は、UE4へのSA送信のために使用される。ビットスクランブリング、変調、インターリービング及びRE640へのマッピングを含むことができる追加の処理の後に、各SAは、DLサブフレーム650のPDCCH領域で送信される。UE受信器では、逆動作が実行され(簡潔にするために図示せず)、(UE識別子でマスキングされた循環リダンダンシーチェック(CRC)を通してUEにより決定されたように)SAが正しくデコーディングされる場合に、UEは、関連PDSCH(DL SA)を受信するか又は関連PUSCH(UL SA)を送信する。
【0018】
HARQ−ACK信号送信のためのリソースと、DL SA送信のために使用されるCCEの間に1対1マッピングが存在する。例えば、単一リソースがHARQ−ACK信号送信に使用される場合に、これは、各DL SAに対して最小のインデックスを有するCCEに対応することができる。UE1、UE2、UE3、及びUE4は、自身のHARQ−ACK信号送信のためにPUCCHリソース1、5、7、及び9をそれぞれ使用する。または、複数のCCEがDL SA送信に使用される場合に、HARQ−ACK情報は、変調されたHARQ−ACK信号により伝達することができるだけでなく、(DL SAを伝達するのに使用される複数のCCEのうちの1つに対応する)選択されたリソースにより伝達されることもできる。PUCCH RB内のすべてのリソースが使用される場合に、すぐ次のRBのリソースを使用することができる。
【0019】
単一構成要素キャリア(CC)で動作するレガシーFDD通信システムにおて可能なデータ率より高いデータ率をサポートするために、レガシー通信のためのCCのBWよりさらに広いBWが使用されてもよい。このようなさらに広いBWは、複数のCCの統合(aggregation)を介して達成することができる。例えば、100MHzのBWは、5個の20MHz CCの統合から得られる。ノードBは、複数のCCを通してUEとの通信を構成する。各DL CCでのUEによるPDSCH受信は、
図6に説明された各DL SAにより構成される。TDDシステムにおいて、DL又はULでさらに高いデータ率は、特定のリンクにさらに多くのサブフレームを割り当てることにより達成することができる。複数のCCの統合と類似しているように、複数のDLサブフレームの場合に、各DLサブフレームでPDSCH受信が各DL SAにより構成される。
【0020】
複数のDL CCにおいてUEによるDL SA受信に関連したHARQ−ACK信号の送信は、UEに対する“プライマリー”UL CCと呼ばれる単一UL CCのPUCCHであり得る(プライマリーUL CCはUE特異的である(UE−specific))。プライマリーUL CCにおいて個別のリソースが複数のDL CCでのDL受信に応答したHARQ−ACK信号の送信のためにUEにRRC−構成をすることができる。
【0021】
図7は、3個のDL CCであるDL CC1 710、DL CC2 720、及びDL CC3 730でのDL SA受信に対応して、プライマリーUL CC740で発生するHARQ−ACK信号送信を示している。DL CC1、DL CC2、及びDL CC3でのDL SA受信に対応するHARQ−ACK信号送信のためのリソースは、PUCCHリソースの第1のセット750、第2のセット760、及び第3のセット770にそれぞれ含まれる。
【0022】
UEがN>1 DL CCでのDL SA受信に応答してHARQ−ACK信号を送信する第1の方式は、プライマリーUL CCの各リソースでN>1 HARQ−ACKチャネルを同時に送信することである。第2の方式は、3GPP E−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access) LTE(Long Term Evolution)TDDと同様に、変調されたHARQ−ACK信号を送信し、送信されたHARQ−ACKビットの値に従ってHARQ−ACK信号送信に使用されるリソースを選択することである。この2つの場合のすべてにおいて、HARQ−ACK信号送信のための個別のリソースが各DL CCに対するDL SA受信に応答して要求される。第3の方式は、すべてのHARQ−ACKビットを共同で符号化し、各UEに対する排他的(exclusive)RRC−構成リソースで単一HARQ−ACK信号を送信することである。
【0023】
プライマリーUL CCでHARQ−ACK信号の送信の場合に、提供された(provisioned)リソースが各DL CCでSA送信のために使用されるすべてのCCEに対応すると、多くのDL CCが存在する場合があるのでこれに従うオーバーヘッドが相当であることができる。DL CCのサブセットでSAを受信するUEは、他のDL CCで使用されるCCEの数を知らないこともあるので、サブフレームで各HARQ−ACKリソースの数を認識することができない。したがって、各DL CCでCCEの最大個数に対応するHARQ−ACKリソースに対する最大個数が仮定される必要がある。最大HARQ−ACKリソースより少ないHARQ−ACKリソースがサブフレームで使用される場合に、通常、残りは、PUSCH送信のような他のUL送信に割り当てられることができないので、BWが浪費される。
【0024】
サブフレーム当たりの複数のDL CCに対するDL SAの受信を有するUEの数が通常は大きくないために、リソースのプール(pool)がHARQ−ACK信号送信に対するRRCにより構成することができる。プライマリーUL CCにリンクされたDL CCに対するDL SA受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースは、やはり各DL SAに対して最小のインデックスを有するCCEから決定することができる。DL CCとUL CC間のリンクは、単一セル通信システムの伝統的な意味内にある。HARQ−ACK信号送信のためにRRCシグナリング固有リソースを通して各UEに割り当てることによりリソース衝突を避けることができるが、UEがサブフレームでいずれのDL SA受信も有しない場合にはリソース浪費につながることもある。HARQ−ACK信号送信に対して他のUEとのRRCシグナリング共有リソースを通してUEに割り当てられることは、HARQ−ACK信号送信に対して共有されたリソースを有するUEが同一のサブフレームでそれぞれのDL SAを受信することができないので、スケジューラ制限事項のおかげでリソース浪費の確率を減少させることができる。
【0025】
前述の考慮事項は、1つ又はそれ以上のPUCCHリソースが各UEに対して予備される必要があるが、このようなリソースのうちの一部だけが通常に各サブフレームで使用される場合に、PUCCHでHARQ−ACK信号送信又は各リソースの決定に使用される特定の方法に関係なく適用される。
【0026】
したがって、プライマリーUL CCでHARQ−ACK信号送信のためのリソースオーバーヘッドを減少させる必要がある。
【0027】
また、複数のUEからのHARQ−ACK信号送信のためのリソース間の衝突を避ける必要がある。
【0028】
最後に、HARQ−ACK信号送信のためのリソースをUEに割り当てるための規則を決定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の目的は、少なくとも上述した問題点及び/又は不都合に取り組み、少なくとも以下の便宜を提供することにある。すなわち、本発明の目的は、先行技術に関連した問題点及び/又は短所のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に解決、緩和、又は予防を行う方法及び装置を提供することにある。
【0030】
本発明の他の目的は、複数の構成要素キャリア(CC)又は複数のDLサブフレームでノードBにより送信されたDL SAのUEによる受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースをUEが決定する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、各DL SAを伝達するDCIフォーマットは、UEがHARQ−ACK信号の送信電力を調整するためのTPC命令を提供する送信電力制御(TPC)情報要素(IE)を含むIEで構成される。プライマリーUL CCにリンクされたDL CCに対するDL SAを伝達するDCIフォーマットのTPC IEは、意図した目的であるHARQ−ACK信号送信電力調整のために使用される他方、UEが構成されたDL CCのうちの残りに対するDL SAを伝達するDCIフォーマットのTPC IEは、構成されたリソースのセットのうちでHARQ−ACK信号送信のためのリソースをUEに表示するのに使用される。
【0032】
本発明の他の態様によれば、各DL SAを伝達するDCIフォーマットは、UEがHARQ−ACK信号の送信電力を調整するためのTPC命令を提供する送信電力制御(TPC)情報要素(IE)及びUEがHARQ−ACK信号を発生する複数のDL SAの相対的な順序を提供するダウンリンク割り当てインデックス(DAI)IEを含むIEで構成される。DAI IEが第1のDL SAであるもので表示したDL SAを伝達するDCIフォーマットのTPC IEは、自身の意図した目的であるHARQ−ACK送信電力調整のために使用されるが、DAI IEが第1のDL SAでないもので表示したDL SAを伝達する、DCIフォーマットのTPC IEは、構成されたリソースのセットのうちでHARQ−ACK信号送信のためのリソースをUEに表示するのに使用される。
【発明の効果】
【0033】
本発明の他の目的、利点、及び顕著な特徴は、添付の図面及び本発明の実施形態からなされる以下の詳細な説明から、当業者にとって明確になるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】HARQ−ACK信号の送信のためのPUCCHサブフレームを示す図である。
【
図2】PUCCHサブフレームの1つのスロットでCAZACシーケンスを用いるHARQ−ACK信号送信のための構造を示す図である。
【
図3】CAZACシーケンスのための送信器構造を示すブロック図である。
【
図4】CAZACシーケンスのための受信器構造を示すブロック図である。
【
図5】相互に異なる循環シフトの適用を通したCAZACシーケンスの多重化を示す図である。
【
図6】PDCCH CCEを用いるSAの送信を示すブロック図である。
【
図7】それぞれの複数のDL CCに対する複数のSAの受信に応答してUL CCでのHARQ−ACK信号送信のための相互に異なるリソースの使用可能性(availability)を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に従ってUEがプライマリーUL CCにリンクされたDL CCですべてのSAを受信するという仮定の下にそれぞれの複数のDL CCに対する複数のSAを伝達するCCEを用いるHARQ−ACK信号送信リソースの発生の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に従ってUEがそれぞれの複数のDL CCに対する複数のSAを受信し、一部のSAは、プライマリーUL CCに接続されないDL CCで受信されるという仮定の下に、RRC構成されたリソースを用いるHARQ−ACK信号送信リソースの発生の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に従ってUEが複数のDL SAの受信に応答して送信したHARQ−ACK信号に対してリソースをインデキシングするためにDL SAでTPC IEのビットを用いる原理を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に従ってRRC構成されたHARQ−ACKリソースに適用されるオフセットとTPC IEに対する値との間の段階的(step-wise)マッピングを示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に従ってRRC構成されたHARQ−ACKリソースに適用されるオフセットとTPC IEに対する値との間の順次な(serial)マッピングを示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に従ってそれぞれのDL SAでプライマリーDL CCに対するリソース、TPC IE及びDAI IEの関数として、プライマリーDL CC外のDL CCでDL SAに対するHARQ−ACKリソースマッピングを示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態に従ってTPC IE値に従ってリソースを選択する制御器を含むHARQ−ACK信号送信器のブロックを示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態に従ってTPC IE値に従ってリソースを選択する制御器を含むHARQ−ACK信号受信器のブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、本発明を添付の図を参照してさらに完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの他の形態で実現することができ、ここで記述された実施形態に限定されるものと解釈されてはいけない。これらの実施形態は、開示が徹底し、十分であるため、及び当業者に本発明の範囲を完全に伝達するために提供される。
【0036】
また、本発明が直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)通信システムに関連して説明したが、一般的にすべての周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing:FDM)システムと、特に、単一キャリア周波数分割多重接続(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access:SC−FDMA)、OFDM、FDMA、離散フーリエ変換(DFT)−拡散OFDM、DFT−拡散OFDMA、SC−OFDMA、及びSC−OFDMにも適用される。
【0037】
複数のDL CC又は複数のDLサブフレームで複数のDL SA受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースをUEが決定する方法及び装置が説明される。
【0038】
本発明の一態様は、プライマリーUL CCでHARQ−ACK信号送信に対して使用可能なリソースの相対的な(relative)インデキシング(indexing)を提供する。このようなリソースは、各DL SAを通してRRC構成されるか、又は動的に決定することができる。RRC構成されたリソースを考慮することができるが、動的に決定されたリソースに対しても同一の原理が直接適用される(このような説明の反復は簡潔さのために省略する)。
【0039】
1番目の場合に、同一のプライマリーUL CCでHARQ−ACK信号送信を有するすべてのUEは、プライマリーUL CCにリンクされたDL CCでSAを受信するか、又は対応するPCFICHを信頼性よく受信することができると仮定する。プライマリーUL CCにリンクされたDL CCをプライマリーDL CCと呼ぶ。プライマリーDL CCに対するDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースは、各DL SAに対して最小のインデックスを有するCCEから決定することができるものと仮定する。プライマリーDL CC外のDL CCに対するDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースは、各UEに対するRRCシグナリングを介して構成され、プライマリーDL CCでPDCCHサイズにより順番通りに決定される、プライマリーDL CCでDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信に要求されるリソースの総個数に比例して(relative to)決定される。
【0040】
図8は、上述した第1の場合を示している。プライマリーDL CCにおいて、PDCCHは、サブフレームp810でP個のCCEを占め、サブフレームq820でQ個のCCEを占める。同一のプライマリーUL CCを有する各UEがプライマリーDL CCでSAを受信するか、又はプライマリーDL CCでPCFICHを信頼性よく受信するので、各UEは、プライマリーDL CC(DL CC1)でDL SAに応答してなされるプライマリーUL CCでのHARQ−ACK信号の送信に対して使用可能なリソースを認識する。このようなリソースは、サブフレームp830でPであり、サブフレームq840でQであるプライマリーDL CCでのCCEの総個数により決定される。したがって、UEは、HARQ−ACK信号送信に対する自身のRRC構成(RRC-configured)リソースがサブフレームpのP+N
PUCCHリソース(第1のRRC構成リソースは、P+1+N
PUCCHとしてインデキシングされ、カウンティングは1から開始される)の後にインデキシングされ、サブフレームqでQ+N
PUCCHリソース(第1のRRC構成リソースはQ+1+N
PUCCHとしてインデキシングされる)の後にインデキシングされることを認識する。サブフレームp及びqにおいて、DL SA受信に対応するHARQ−ACK信号送信に対するRRC構成リソースの数がそれぞれN
CA(p)及びN
CA(q)と仮定すると、サブフレームpにおいてHARQ−ACK信号送信のためのリソースの総個数はQ+N
PUCCH+N
CA(q)860である。各領域の開始の前にBWの上部(upper part)に対して図示されたリソースインデキシングは、サブフレームp、870、872、及び874であり、これは、BWの下部(lower part)及びサブフレームqに対しても同一の方式で拡張することができる(簡潔さのために省略される)。N
CAの単一値は、ブロードキャストシグナリングを介してアップデートされるまですべてのサブフレーム、すなわち、N
CA(p)=N
CA(q),∀p,qに適用することができる。また、ノードBが各UEにより使用されるリソースを知っているために、UEは、プライマリーDL CC外のDL CCに対するDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースをプライマリーDL CCのDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースの総個数に比例して決定する場合に、N
CA値の通知を受ける必要がないこともある。
【0041】
2番目の場合において、同一のプライマリーUL CCでHARQ−ACK信号送信を有するUEのうちの一部は、プライマリーDL CCでSAを受信せず、プライマリーDL CCでPCFICHを信頼性よく受信すると想定することができない。プライマリーDL CC外のDL CCでDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースは、やはり各UEに対してRRC構成がなされるが、このようなリソースは、プライマリーDL CCでDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信に要求されるリソースの最大個数に比例して決定される。すなわち、与えられたサブフレームにおいて、最大PDCCHサイズは、プライマリーDL CC外のDL CCに対するDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースをインデキシングするためにプライマリーDL CCで常に仮定される。プライマリーDL CCで送信されるDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースは、やはり各DL SAに対する最小のインデックスを有するCCEから決定される。
【0042】
図9は、上述した2番目の場合を示す。プライマリーDL CCにおいて、PDCCHは、サブフレームp910でP個のCCEを占める一方、PDCCHは、サブフレームq920でQ個のCCEを占める。同一のプライマリーUL CCを有する一部のUEは、SAを受信せず、プライマリーDL CCでPCFICHを信頼性よく受信しないので、このような各UEは、プライマリーDL CC(DL CC1)でDL SAに応答してなされるプライマリーUL CCでのHARQ−ACK信号の送信に要求されるリソースがわからない。このようなリソースは、サブフレームp930でPと同一であり、サブフレームq940でQと同一のSAの送信のためのプライマリーDL CCでのCCEの総個数により決定される。したがって、N
max(j)がサブフレームjでSA送信に対するCCEの最大個数である場合に、UEは、HARQ−ACK信号送信に対する自身のRRC構成リソースがN
max(j)+N
PUCCHリソース(第1のRRC構成リソースはN
max(j)+1+N
PUCCHとしてインデキシングされ、カウンティングは1から開始する)の後にインデキシングされることを理解する。サブフレームpにおいてHARQ−ACK信号送信のための最後のRRC構成リソースがN
CA(p)であり、サブフレームqにおいてHARQ−ACK信号送信のための最後のRRC構成リソースがN
CA(q)であると仮定する場合に、サブフレームpにおいてHARQ−ACK信号送信のためのリソースの総個数はN
max(p)+N
PUCCH+N
CA(p)950であり、サブフレームqでHARQ−ACK信号送信のためのリソースの総個数はN
max(q)+N
PUCCH+N
CA(q)960である。各領域の開始の前にBWの上部に対して図示されたリソースインデキシングは、サブフレームp、970、972、974であり、これは、BWの下部及びサブフレームqに対しても同一の方式で拡張することができる(簡潔さのために省略される)。
【0043】
本発明の他の態様は、プライマリーUL CCでHARQ−ACK信号送信に対してRRC構成されるか、又は各DL SAを通して動的に決定されたリソースの実際のインデキシングを提供する。
【0044】
プライマリーUL CCにおいてHARQ−ACK信号送信に対してRRC構成された(又は動的に決定された)リソースの相対的なインデキシングが決定されると、大きいオーバーヘッドを避けるためにRRC構成された(又は動的に決定された)リソースの追加のインデキシングが必要である。これは、サブフレーム当たりの複数のDL CCにDL SAを有するUEの数が小さいとしても、複数のDL CCでDL SAを潜在的に有する多くのUEが存在することもあり、これらは、RRCシグナリングを通したHARQ−ACK信号送信のために構成されたリソースであるので、このようなリソースは、RRC構成リソースの速い再割り当てが可能でないか、又は要求されるシグナリングの観点で不十分であるので、サブフレームでDL SAを有しないとしてもUEに割り当てられたままに維持される必要がある。
【0045】
K個のDL CCの各々でDL SAを潜在的に有する総M個のUEを仮定し、プライマリーDL CCでDL SAに応答してなされる各HARQ−ACK信号送信のためのリソースが各DL SAに対する最小のインデックスを有するCCEから決定されると仮定すると、RRC構成リソースの数はM・(K−1)である。M=100であり、平均値K=3の場合に、各リソースを固有に割り当て、潜在的な衝突又はスケジューラ制限を避けるために総200個のリソースが各UEにRRC構成される必要がある。RB当たりの18個のHARQ−ACK信号の多重化容量をさらに仮定すると、表1に説明された通りに、RRC構成リソースでHARQ−ACK送信をサポートするためにプライマリーUL CCで約総11個のRBが要求される。単一のRBで18個のHARQ−ACK信号の多重化は相当な干渉をもたらすが、このようなオーバーヘッドは、小さく取った推定値(conservative estimate)であっても相当である(干渉は、RB当たりの単一HARQ−ACK信号送信に比例して10log
10(18)=12.55デシベル(dB)だけ増加する)。また、M=100個以上のUEは(これらのうちの一部だけが実際にサブフレーム当たりのDL SA受信を有することができるが)、複数のDL CCでDL SA受信で構成することができる。HARQ−ACK信号送信のためのRRC構成リソースと関連したオーバーヘッドを減少させるために、本発明は、このようなリソースがUEの間で共有することができ、追加のインデキシングが潜在的な衝突を避けるために適用することができる。
【0046】
DL SAは、PDSCH受信に対して相互に異なる側面を可能にする複数の情報要素(IE)を送信する。UEが後続HARQ−ACK信号送信の電力を調節するために、送信電力制御(TPC)命令を提供するIEは、DL SAのIEの内部にある。HARQ−ACK信号送信は、プライマリーUL CCにあり、複数のUL CCにないものと仮定するので、単一TPC命令だけが必要である。本発明では、TPC IEが、UEが構成されるプライマリーDL CCで送信されたDL SAにより提供され、このような複数のDL SAの場合に、TPC命令は、プライマリーDL CCでPDSCH受信をスケジューリングするDL SAにより提供される。また、本発明は、1つのDL SAからのTPC IEが意図した目的で使用されるか否かに関係なく、すべてのDL SAがTPC IEを含む。(同一の値を有するように設定することができる)残りのTPC IEは、各DL SAに対応するHARQ−ACK信号送信のためのRRC構成リソースをインデキシングするのに使用することができる。したがって、与えられたUEに対してプライマリーDL CCに対するDL SAに対応するHARQ−ACK信号送信のために使用可能なリソースをn
PUCCH(0)とし、プライマリーDL CC外のDL CCでDL SAに対応するHARQ−ACK信号送信のために使用可能なリソースはn
PUCCH(j),j>0とすると、次のようである。
【0047】
n
PUCCH(j)=f(n
PUCCH(0),TPC(j)),j>0
【0048】
また、本発明は、HARQ−ACK信号送信のためのRRC構成リソースを動的にインデキシングするためにTPC IEを使用する上述した実施形態は、このようなインデキシングのために使用される、DL SAでの新たなIEの導入を含むように一般化することができる。HARQ−ACKリソースインデキシングのために使用されるIEをHRI IEとすると、HARQ−ACK信号送信のために使用されるリソースは、次のように決定することができる。
【0049】
n
PUCCH(j)=f(n
PUCCH(0),TPC(j)),j>0
【0050】
ここで、jはDL CCインデックスを示す。また、HRI IEは、プライマリーDL CCでDL SAに応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースをインデキシングするのに使用することができる(最小のCCEインデックスへのリンクは適用されないこともある)。
【0051】
図10は、DL SAでTPC IEビットを用いて複数のDL SAの受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースをインデキシングすることを示す。プライマリーDL CC1010において、DL SA1のTPC IEは、各DL SA受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信1020のための電力をUEが決定するのに使用される。DL SA2 1030乃至DL SA K1050のTPC IEは、それぞれHARQ−ACK信号送信1040乃至1060のためのRRC構成リソースに対するインデックスとして使用される。
【0052】
図11及び
図12は、
図10の一般的な原理に対する2種類の特定例を示す。UEは、構成されたK=5のDL CCを有するものと仮定する。TPC IEは、“00”、 “01”、“10”、及び“11”の値を有する2個のビットで構成され、各値は、TPC IEがHARQ−ACK信号送信のリソースをインデキシングするのに使用される場合に、HARQ−ACK信号送信のためのRRC構成リソースの相互に異なる(different)オフセットに対応する。
【0053】
図11は、RRC構成HARQ−ACKリソースに適用されるオフセットとTPC IEビットに対する値との間の段階的マッピングを示す。可能なマッピングは、参照符号1110で図示され、ここで、“00”はオフセット0を示し、“01”はオフセット4を示し、“10”はオフセット8を示し、“11”はオフセット16を示す。UE1 1120、UE2 1130、及びUE3 1140は、重なる(overlapping)RRC構成HARQ−ACKリソースを有する。また、UE4 1150、UE5 1160、及びUE6 1170は、重なるRRC構成HARQ−ACKリソースを有する。RRC構成HARQ−ACKリソースのコンパクトネス(compactness)にもかかわらず(18個が必要である時に8個のリソースだけが構成される)、各DL SAのTPC IEビット1122、1132、1142、1152、1162、及び1172を用いるインデキシングを介して適用されるオフセットは、各々結果的なHARQ−ACKリソース1124、1134、1144、1154、1164、及び1174からオーバーラッピングを除去する。最小が18である時に24個のリソースが使用されるのでHARQ−ACK信号送信のための結果的なリソースに対するマッピングは多少コンパクトである(HARQ−ACK信号が経験する干渉を減らすために若干の重複は好ましい)。また、与えられたUEに対してプライマリーDL CCでのDL SA外の各DL SAでのTPC IEビットは同一の値を有するものと観察される。
【0054】
図12は、RRC構成されたHARQ−ACKリソースに適用されるオフセットとTPC IEビットに対する値との間の順次な(serial)マッピングを示す。可能なマッピングが参照符号1210で図示され、ここで、“00”はオフセット0を示し、“01”はオフセット1を示し、“10”はオフセット2を示し、“11”はオフセット3を示す。UE1 1220、UE2 1230、及びUE3 1240は、重なったRRC構成HARQ−ACKリソースを有する。また、UE4 1250、UE5 1260、及びUE6 1270は、重なったRRC構成HARQ−ACKリソースを有する。各DL SAでTPC IEビット1222、1232、1242、1252、1262、及び1272を用いるインデキシングを介して適用されるオフセットは、各々結果的なHARQ−ACKリソース1224、1234、1244、1254、1264、及び1274からオーバーラッピングを除去する。最小が18である時に21個のリソースが使用されるので、HARQ−ACK信号送信のための結果的なリソースに対するマッピングはさらにコンパクトである。基本的に、RRC構成リソースは、サブフレーム当たりの複数のDL CCにおいてDL SAの受信を有するUEの最大個数及びこのようなDL CCの個数を考慮する必要がある。TPC IEでの2ビットは、DL CCでDL SAに対して同一のRRC構成HARQ−ACKリソースを有する4個までのUEからのHARQ−ACK信号送信のためのリソースの衝突を避けるために使用することができる。
【0055】
本発明の他の側面は、ダウンリンク割り当て指示子(DAI)IEと呼ばれ、DL SAの数を示すカウンターIEをDL SAが含む時にHARQ−ACK信号送信のためのリソース決定を提供する。例えば、UEが4個のDL CCで構成されると、DAI IEは、各々プライマリーDL CC、第2、第3、及び第4のDL CCでPDSCH受信をスケジューリングするDL SAに1、2、3、及び4の値を有することができる。同一の内容がTDDシステム及び単一CC動作にも適用され、この場合に、DLサブフレームがDL CCに取って代わり、DAI IEは、それぞれ第1、第2、第3、及び第4のDLサブフレームでPDSCH受信をスケジューリングするDL SAに1、2、3、及び4の値を有することができる。プライマリーDL CC又はTDDシステムの場合に第1のDLサブフレームでPDSCH受信をスケジューリングするDL SAにより提供されるTPC IEは、HARQ−ACK信号送信の電力を決定するのに使用される。
【0056】
(プライマリーDL CC又は第1のDLサブフレーム外の)残りのDL CC又はDLサブフレームの各々でPDSCH受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のための各リソースは、それぞれのDL CC、又はDLサブフレームに対するDL SAで、プライマリーDL CC又は第1のDLサブフレームに対応するリソース、TPC IE及びDAI IEの関数(function)として決定される。与えられたUEに対して、プライマリーDL CC又は、第1のDLサブフレームでHARQ−ACK信号送信に使用されるリソースをn
PUCCH(0)とし、プライマリーDL CC又は、第1のDLサブフレーム外のDL CC又はDLサブフレームで使用されるリソースをn
PUCCH(j),j>0とすると、次のようである。
【0057】
n
PUCCH(j)=f(n
PUCCH(0),HRI(j),DAI(j)),j>0
【0058】
また、上述したように、各HARQ−ACK信号送信のために使用されるリソースをインデキシングするためにDL SAにHRI IEを導入することができる。リソースは、次のように決定される。
【0059】
n
PUCCH(j)=f(n
PUCCH(0),HRI(j),HRI(j)),j>0
【0060】
図13は、それぞれのDL SAでプライマリーDL CCに対するリソース、TPC IE及びDAI IEの関数として、プライマリーDL CC外のDL CCでDL SAの受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースマッピングを示す。プライマリーDL CCに対するDL SA外の各DL SAでのTPC IEビットは、HARQ−ACK信号送信リソースを示すのに使用される。可能なマッピングが参照符号1310で図示されており、ここで、“00”はオフセット1を示し、“01”はオフセット2を示し、“10”はオフセット3を示し、“11”はオフセット4を示す。オフセット値は、UEがHARQ−ACK信号送信のために送信器ダイバーシティで構成されたか否かに従って異なり、このような場合(送信器ダイバーシティで構成された場合)に、それぞれ2、4、6、及び8のように相互に異なるオフセット値が使用することができる(2個の送信器アンテナを仮定する時に)。UE1、UE2、UE3、UE4、UE5、及びUE6は、それぞれ(プライマリーDL CC外の)4個、2個、3個、3個、4個、及び2個のDL CCでDL SAの受信に成功し、各DL SAは、TPC IE値1322、1332、1342、1352、1362、及び1372をそれぞれ伝達する。
図13のマッピングにおいて、HARQ−ACK信号送信のためのリソースは、TPC IEにより特定のオフセット値をDAI IEの値でスケーリングし、その結果を各プライマリーDL CC1324、1334、1344、1354、1364、及び1374でDL SA受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースに加えることにより得られる。DAI IE値は、各DL SA受信に対して昇順である(プライマリーDL CCでのPDSCH受信に対して0から開始する)。したがって、
図13において与えられたUEに対して、DL CC jでPDSCH受信に応答してなされるHARQ−ACK信号送信のためのリソースn
PUCCH(j),j>0は、n
PUCCH(j)=n
PUCCH(0)+TPC・DAI,j>0である。
【0061】
図14は、HARQ−ACK信号送信のためのUE送信器の構成を示すブロック図である。HARQ−ACK信号送信のために使用されるRRC構成リソースは、UEが各DL SAから得られたTPC IE(又はHRI IE)値1490のマッピングのために制御器により特定されるオフセットに従うことを除外し、主要な構成要素は
図3に示すようである。コンピュータ発生CAZACシーケンス1410の周波数領域バージョンが使用される。CAZACシーケンスは、サブキャリア1430にマッピングされ、IFFTが実行1440され、循環シフト1450が実行される。このリソースは、RB1420及びCS1450(及びOCC−単純性のために図示せず)を含む。
図14は、制御器がTPC IEに加えてDAI IEを含むように簡素な方式で修正することができる。最後に、CP1460及びフィルターリング1470が送信された信号1480に適用される。
【0062】
図15は、HARQ−ACK信号受信のためのノードB受信器の構成を示すブロックである。HARQ−ACK信号受信のために使用されるRRC構成リソースは、ノードBが各DL SAに含むTPC IE(又はHRI IE)値1510のマッピングのために制御器により特定されたオフセットに従うことを除外し、主要な構成要素は
図4に示すようである。このリソースは、RB1565及びCS1530(及びOCC−単純性のために図示せず)を含む。ディジタル受信信号1510がフィルターリング(1515)され、CPが除去(1525)される。この後に、CSが復元(1530)され、FFT1535が適用され、FFT1535の出力がサブキャリア1540にデマッピングされる。また、ステップ1545において、乗算器により信号がステップ1550のCAZACシーケンスのレプリカと相関する。その後に、出力1560がRSに対する時間−周波数補間器のようなチャネル推定部又は送信されたHARQ−ACK信号に対する検出部に伝達することができる。
【0063】
図15は、制御器がTPC IEに加えてDAI IEを含むように簡素な方式で修正することができる。
【0064】
本発明は、特定の実施形態を参照して図示され説明されたが、当業者は、添付された請求項により定義されるように本発明の範囲を逸脱せず形態及び細部事項において様々な変更がなされることが可能なことを理解するのであろう。
【0065】
本発明の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合せの形態で実現することができる。このような任意のソフトウェアは、例えば、削除又は再記録が可能であるか否かに関係なく、ROMなどの記憶装置のような揮発性又は非揮発性記憶装置、又は、例えば、RAM、メモリチップ、装置又は集積回路のようなメモリ、又は例えばCD、DVD、磁気ディスク又は磁気テープなどの光学的又は磁気的に読み取り可能な媒体に記憶することができる。記憶装置及び記憶媒体は、本発明の実施形態を実現する指示を含むプログラム又はプログラムを格納するのに適合した機械可読の記憶装置の実施形態である。したがって、本発明の実施形態は、本願明細書の請求項のうちのいずれか1項で請求されるようなシステム又は方法を実現するためのコードを含むプログラム及びこのようなプログラムを格納する機械可読記憶装置を提供する。また、このようなプログラムは、有線又は無線接続を通じて搬送される通信信号のような任意の媒体を通じて電子的に移送され、実施形態はこれと均等なことを適切に含む。
【0066】
本願の詳細な説明及び請求項において、“含む(comprise)”、“具備する(contain)”、及びこれらの変形、例えば、“含む(comprising)”及び“含む(comprises)”は“含まれるが、これに限定されない”との意味を有し、他の半分(moieties)、添加物(additives)、構成要素、完成品又はステップを排除しようと意図されない(そして排除しない)。
【0067】
本願明細書の説明及び請求項にわたって、単数は文脈上これと異なることを要求しない限り複数を含む。特に、定められない対象が使用される場合に、文脈上異なることを必要としない限り、単数と同様に複数も考慮することと理解されなければならない。
【0068】
本発明の特定側面、実施形態、又は例と共に説明される特徴、併合、特性、複合又はグループは、それに不適合しない限り、ここに説明された他の側面、実施形態又は例に適用できることがわかる。
【0069】
本願の説明及び請求項において、一般的に“YのためのX”という一般的な形態の言語(ここで、Yは任意のアクション、動作又はステップであり、Xはこのようなアクション、動作又はステップを実行するための任意の手段)の表現は、これに限定されず、Yを実行するように設定又は適用される手段Xを含む。
【0070】
以上、本発明を具体的な実施形態に関して図示及び説明したが、添付した特許請求の範囲により規定されるような本発明の趣旨及び範囲を外れることなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【符号の説明】
【0071】
1410 CAZACシークエンス
1420 BR
1430 サブキャリア
1440 IFFT
1450 循環シフト(CS)
1460 CP
1470 フィルターリング
1480 送信された信号
1490 TPC値マッピングの制御