【文献】
谷口 典之 他,コグニティブ無線ネットワークにおけるパケット順序維持のためのパケット分配方式の検討,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.106 No.44 IEICE Technical Report,日本,社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electro,2006年 5月,pp.55-60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、リレーアタックの実施を困難にするようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置とが無線通信を行う通信システムであって、第1の通信装置は、
第2の通信装置からの信号を受信する第1の受信部と、第1の受信部を制御する第1の受信制御部と、第2の通信装置に信号を送信する第1の送信部と、第1の送信部を制御する第1の送信制御部とを備え、第2の通信装置は、
第1の通信装置から受信する信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数を設定する設定部と、第1の通信装置に信号を送信する第2の送信部と、第2の送信部を制御する第2の送信制御部と、第1の通信装置からの信号を受信する
第2の受信部と、
第2の受信部を制御する
第2の受信制御部と、
第2の受信部が受信した信号の処理を行う信号処理部と、
第2の受信部が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、
設定部は、所定の第1の信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数を設定し、第2の送信制御部は、設定部による設定内容を示す設定情報を含む第2の信号を第1の通信装置に送信するように制御し、第1の送信制御部は、第1の信号を送信する際に、
設定部により設定された分割方法により第1の信号を複数のセグメントに分割し、各セグメントの送信周波数を設定部により設定された送信周波数に設定し、第2の受信制御部は、第1の信号を受信する際に、
設定部により設定されたセグメントの分割方法及び各セグメントの送信周波数に基づいて、第2の受信部の受信周波数を変更し、信号処理部は、第1の信号のセグメントを合成し、判定部は、合成後の第1の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0011】
本発明の第1の側面の通信システムにおいては、
所定の第1の信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数が設定され、設定内容を示す設定情報を含む第2の信号が第1の通信装置に送信され、第1の信号を送信する際に、
設定された分割方法により第1の信号が複数のセグメントに分割され、各セグメントの送信周波数が設定された送信周波数に設定され、第1の信号を受信する際に、
設定されたセグメントの分割方法及び各セグメントの送信周波数に基づいて、受信周波数が変更され、第1の信号のセグメントが合成され、合成後の第1の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0012】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0013】
この第1の通信装置及び第2の通信装置は、例えば、一方が車両用のキーフォブにより構成され、他方が車載用の通信装置により構成される。この第1の送信部
及び第2の送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この第1の送信制御部、第1の受信制御部、
第2の送信制御部、第2の受信制御部、信号処理部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この第1の受信部
及び第2の受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。
【0019】
この第2の通信装置を車両に設け、この第2の通信装置には、車両の処理の制御を行う車両制御部をさらに設け、この第2の送信制御部には、車両に対して所定の操作が行われたとき、又は、定期的に第2の信号を送信するように制御させ、この第1の送信制御部には、第2の信号に対する応答信号として第1の信号を送信するように制御させ、この車両制御部は、第1の信号が正規の信号であると判定された場合、車両の所定の処理の実行を指令させることができる。
【0020】
これにより、例えば、自動エントリ機能を有する車両においてリレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0021】
この設定部には、前記第1の信号における各前記セグメントの位置を設定させ、この第1の送信制御部には、
設定された位置で前記第1の信号を
複数の前記セグメントに分割させ
ることができる。
この設定部には、セグメント数nを設定させ、この第1の送信制御部には、第1の信号をn等分することにより複数のセグメントに分割させることができる。
この設定部には、第1の信号の所定のブロックの分割数mを設定させ、この第1の送信制御部には、第1の信号のブロックをm分割することにより第1の信号を複数のセグメントに分割させることができる。
【0022】
この判定部には、さらに第1の信号のセグメント毎に正規の信号であるか否かを判定させることができる。
【0023】
これにより、第1の信号に対するセキュリティがより厳しくなり、リレーアタックの実施をより困難にすることができる。
【0024】
本発明の第2の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、
他の通信装置からの信号を受信する受信部と、受信部を制御する受信制御部と、他の通信装置に信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部とを備え、
受信制御部は、所定の第1の信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数を示す設定情報を含む第2の信号の他の通信装置からの受信を制御し、送信制御部は、
第1の信号を送信する際に、
設定情報に基づく分割方法により第1の信号を複数のセグメントに分割し、各セグメントの送信周波数を設定情報に基づく送信周波数に設定する。
【0025】
本発明の第2の側面においては、
所定の第1の信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数を示す設定情報を含む第2の信号が他の通信装置から受信され、第1の信号を送信する際に、
設定情報に基づく分割方法により第1の信号が複数のセグメントに分割され、各セグメントの送信周波数が設定情報に基づく送信周波数に設定される。
【0026】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0027】
この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この
受信制御部、送信制御部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。
【0028】
本発明の第3の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、
他の通信装置から受信する信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数を設定する設定部と、他の通信装置に信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と、他の通信装置からの信号を受信する受信部と、受信部を制御する受信制御部と、受信部が受信した信号の処理を行う信号処理部と、受信部が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、
設定部は、所定の第1の信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数を設定し、送信制御部は、設定部による設定内容を示す設定情報を含む第2の信号を他の通信装置に送信するように制御し、受信制御部は、
第1の信号を受信する際に、設定部により設定されたセグメントの分割方法及び各セグメントの送信周波数に基づいて、受信部の受信周波数を変更し、信号処理部は、所定の信号のセグメントを合成し、判定部は、合成後の所定の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0029】
本発明の第3の側面においては、
所定の第1の信号のセグメントの分割方法、及び、各セグメントの送信周波数が設定され、設定内容を示す設定情報を含む第2の信号が他の通信装置に送信され、第1の信号を受信する際に、設定されたセグメントの分割方法及び各セグメントの送信周波数に基づいて、受信部の受信周波数が変更され、所定の信号のセグメントが合成され、合成後の所定の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0030】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0031】
この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この
設定部、送信制御部、受信制御部、信号処理部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第1の側面乃至第3の側面によれば、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0035】
<1.実施の形態>
[通信システム101の構成例]
図1は、本発明を適用した通信システム101の一実施の形態を示している。通信システム101は、車両102の所定の機能を実現するために用いられる。ここで、所定の機能とは、例えば、機械的な鍵を使用したり、携帯機112を操作したりしなくても、車両102のドアの開錠及び施錠を実行したり(自動エントリ機能)、車両102のボタン等を操作するだけでエンジンやモータ等の駆動機関を始動できるようにしたり(以下、プッシュスタート機能と称する)、ウェルカムランプを点灯したり(以下、ウェルカムランプ点灯機能と称する)する機能等である。なお、ウェルカムランプとは、車内やドアミラーの付近等に設けられ、周囲が暗い場合に車両102や周囲の状況を確認する等の目的で点灯するランプである。
【0036】
また、後述するように、通信システム101は、中継器104を用いたリレーアタックを防止するための対策が施されている。
【0037】
通信システム101は、車両102に設けられる車載通信装置111、及び、ユーザが所持する携帯機112を含むように構成される。車載通信装置111と携帯機112は、双方向の無線通信を行う。
【0038】
車載通信装置111は、アンテナ121、受信部122、制御部123、送信部124、及び、アンテナ125を含むように構成される。
【0039】
受信部122は、例えば、各種の受信回路、又は、専用のICにより構成される。受信部122は、制御部123の受信制御部132の制御の下に、アンテナ121を介して、UHF帯の信号(以下、RF信号と称する)を携帯機112から受信し、受信したRF信号を復調する。また、受信部122は、受信制御部132の制御の下に、受信周波数を変更することができる。さらに、受信部122は、RF信号の復調により得られたベースバンド信号を受信制御部132に供給する。
【0040】
制御部123は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU(Electronic Control Unit)等により構成される。制御部123は、設定部131、受信制御部132、信号処理部133、判定部134、送信制御部135、及び、車両制御部136を含むように構成される。
【0041】
設定部131は、携帯機112から送信されるRF信号の送信方法を設定し、設定内容を示す設定情報を受信制御部132及び信号処理部133に供給する。ここで、RF信号の送信方法とは、例えば、RF信号を複数のセグメントに分割して送信する際の分割方法、各セグメントの送信周波数等である。
【0042】
受信制御部132は、受信部122の制御を行う。例えば、受信制御部132は、受信部122の受信周波数を制御する。また、受信制御部132は、受信部122から供給されるベースバンド信号を信号処理部133に供給する。
【0043】
信号処理部133は、受信制御部132から供給されるベースバンド信号に対する各種の信号処理(例えば、信号の解析や解析結果に基づく処理等)を行う。また、信号処理部133は、必要に応じて、信号処理の結果や信号処理後の信号を、判定部134、送信制御部135及び車両制御部136に供給する。さらに、信号処理部133は、判定部134による判定結果に基づいて、信号処理の実施の有無や信号処理の内容を切り替える。また、信号処理部133は、信号処理の結果や、車両制御部136からの指令等に基づいて、携帯機112に送信する信号(ベースバンド信号)を生成し、送信制御部135に供給する。
【0044】
判定部134は、携帯機112から受信したRF信号が正規の信号であるか否かを判定し、判定結果を受信制御部132及び信号処理部133に通知する。
【0045】
送信制御部135は、信号処理部133から供給されるベースバンド信号を、送信部124に供給する。また、送信制御部135は、送信部124の制御を行う。
【0046】
車両制御部136は、車両102に設けられている他の装置(例えば、ECU等)と通信を行い、各種の情報の送受信を行ったり、指令を与えたり、指令を受けたりする。また、車両制御部136は、車両102に設けられている操作部103からの指令を受ける。
【0047】
なお、操作部103には、例えば、自動エントリ機能を実施するための車両102のドア付近のボタンや、プッシュスタート機能を実施するための車両102内のボタン等が含まれる。
【0048】
送信部124は、例えば、各種の送信回路、又は、専用のIC等により構成される。送信部124は、送信制御部135の制御の下に、送信制御部135から供給されるベースバンド信号をLF帯の搬送波により変調する。また、送信部124は、送信制御部135の制御の下に、変調後の信号(以下、LF信号と称する)を、アンテナ125を介して、携帯機112に送信する。
【0049】
なお、送信部124の変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式、FSK(Frequency Shift Keying)変調方式、PSK(Phase Shift Keying)変調方式等を採用することが可能である。なお、以下、送信部124の変調方式として、ASK変調方式を採用した場合について説明する。
【0050】
携帯機112は、例えば、車両102を利用するユーザが所持するキーフォブにより構成される。携帯機112は、アンテナ141、受信部142、操作部143、制御部144、送信部145、及び、アンテナ146を含むように構成される。
【0051】
受信部142は、例えば、各種の受信回路、又は、専用のIC等により構成される。受信部142は、制御部144の受信制御部151の制御の下に、アンテナ141を介して、車載通信装置111からLF信号を受信し、受信したLF信号を復調する。また、受信部122は、LF信号の復調により得られたベースバンド信号を受信制御部151に供給する。
【0052】
操作部143は、例えば、ボタンやスイッチ等により構成され、車両102の所定の操作を行うときに操作される。操作部143は、操作内容を示す信号を制御部144の信号処理部152に供給する。
【0053】
制御部144は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。制御部144は、受信制御部151、信号処理部152、判定部153、及び、送信制御部154を含むように構成される。
【0054】
受信制御部151は、受信部142の制御を行う。また、受信制御部151は、受信部142から供給されるベースバンド信号を、信号処理部152に供給する。
【0055】
信号処理部152は、受信制御部151から供給されるベースバンド信号に対する各種の信号処理(例えば、信号の解析や解析結果に基づく処理等)を行う。また、信号処理部152は、必要に応じて、信号処理の結果や信号処理後の信号を、判定部153及び送信制御部154に供給する。さらに、信号処理部152は、判定部153による判定結果に基づいて、信号処理の実施の有無や信号処理の内容を切り替える。また、信号処理部152は、信号処理の結果や、操作部143からの操作信号等に基づいて、車載通信装置111に送信する信号(ベースバンド信号)を生成し、送信制御部154に供給する。
【0056】
判定部153は、車載通信装置111から受信したLF信号が正規の信号であるか否かを判定し、判定結果を信号処理部152に通知する。
【0057】
送信制御部154は、信号処理部152から供給されるベースバンド信号を、送信部124に供給する。また、送信制御部154は、送信部145の制御を行う。例えば、送信制御部154は、送信部145の送信周波数を制御する。
【0058】
送信部145は、例えば、各種の送信回路、又は、専用のIC等により構成される。送信部145は、送信制御部154の制御の下に、送信制御部154から供給されるベースバンド信号をUHF帯の搬送波により変調する。また、送信部145は、送信制御部154の制御の下に、送信周波数を変更することができる。さらに、送信部145は、送信制御部154の制御の下に、変調後の信号(以下、RF信号と称する)を、アンテナ146を介して、車載通信装置111に送信する。
【0059】
なお、送信部145の変調方式としては、例えば、ASK変調方式、FSK変調方式、PSK変調方式等を採用することが可能である。なお、以下、送信部145の変調方式として、FSK変調方式を採用した場合について説明する。
【0060】
[通信システム101の処理]
次に、
図2乃至
図4を参照して、通信システム101の処理について説明する。具体的には、車載通信装置111が認証要求信号を送信し、認証要求信号を受信した携帯機112が応答信号を送信し、正規の応答信号を受信した車載通信装置111が、自動エントリ機能、プッシュスタート機能、ウェルカムランプ点灯機能等の処理を実行させる場合の処理について説明する。
【0061】
なお、この処理は、例えば、車両102の操作部103に対して所定の操作(例えば、車両102のドアに設けられているボタン等を操作する等)が行われた場合、又は、定期的に実行される。
【0062】
ステップS1において、車載通信装置111の設定部131は、応答信号の送信方法を設定する。具体的には、後述するように、携帯機112は、応答信号を送信する際に、応答信号を複数のセグメントに分割し、セグメント単位で送信周波数を変更する。そこで、設定部131は、その応答信号の分割方法や、各セグメントの送信周波数等を設定する。
【0063】
ここで、
図5乃至
図7を参照して、応答信号の構成例及びセグメントの設定例について説明する。
【0064】
図5乃至
図7に示されるように、応答信号は、プリアンブル、ヘッダ、データ部及びCW部の4つのブロックに分かれる。
【0065】
プリアンブルは、例えば、車載通信装置111と携帯機112との間の同期をとるための、所定の値の同期コードを含むブロックである。
【0066】
ヘッダは、信号の種類、長さ等の認証要求信号に関するデータを含むブロックである。
【0067】
データ部は、車載通信装置111の処理に必要なデータを含むブロックである。例えば、データ部は、携帯機112を識別するためのID等の認証情報、車両102に対して所定の処理の実行を指令するためのコマンド等を含む。
【0068】
CW部は、応答信号の電波強度を測定するための連続波を含むブロックである。
【0069】
また、
図5乃至
図7では、応答信号をセグメントSG1乃至SG4の4つのセグメントに分割した場合の例が示されている。なお、セグメントは、応答信号のブロックとは異なる概念であり、ブロックとは独立して設定することが可能である。
【0070】
例えば、
図5の例では、ヘッダがサブブロックSB1乃至SB3の3つのサブブロックに分割されている。そして、プリアンブル及びヘッダのサブブロックSB1がセグメントSG1に設定され、ヘッダのサブブロックSB2がセグメントSG2に設定され、ヘッダのサブブロックSB3がセグメントSG3に設定され、データ部及びCW部がセグメントSG4に設定されている。
【0071】
図6の例では、データ部がサブブロックSB1乃至SB3の3つのサブブロックに分割されている。そして、プリアンブル、ヘッダ及びデータ部のサブブロックSB1がセグメントSG1に設定され、データ部のサブブロックSB2がセグメントSG2に設定され、データ部のサブブロックSB3がセグメントSG3に設定され、CW部がセグメントSG4に設定されている。
【0072】
なお、
図7に示されるように、各セグメントを応答信号のブロック単位で設定することも可能である。すなわち、プリアンブルをセグメントSG1に設定し、ヘッダをセグメントSG2に設定し、データ部をセグメントSG3に設定し、CW部をセグメントSG4に設定することも可能である。
【0073】
また、上述したセグメントの数及び位置は、その一例であり、任意に変更することが可能である。すなわち、セグメントの数を2以上の任意の数に設定したり、セグメントの分割位置を上述した例以外の任意の位置に設定したりすることが可能である。例えば、
図5の例において、ヘッダのサブブロックSB1乃至SB3をそれぞれ独立したセグメントとし、合計で5つのセグメントを設定することが可能である。すなわち、プリアンブルをセグメントSG1に設定し、ヘッダのサブブロックSB1をセグメントSG2に設定し、ヘッダのサブブロックSB2をセグメントSG3に設定し、ヘッダのサブブロックSB3をセグメントSG4に設定し、データ部及びCW部をセグメントSG5に設定することが可能である。
【0074】
さらに、セグメントの数及び位置を固定にするようにしてもよいし、任意に変更できるようにしてもよい。また、セグメントの数を固定にして、セグメントの位置を任意に変更できるようにしてもよい。
【0075】
そして、セグメントの数や位置を可変にする場合、設定部131は、応答信号の分割方法を設定する。ここで、応答信号の分割方法とは、応答信号内の各セグメントの位置を決定するための方法である。
【0076】
例えば、応答信号の分割方法として、応答信号内における各セグメントの位置を具体的に設定するようにしてもよいし、各セグメントの位置を計算するためのパラメータやアルゴリズム等を設定するようにしてもよい。後者の場合、例えば、セグメント数nのみを設定し、応答信号をn等分することにより、各セグメントの位置を設定することが考えられる。また、例えば、応答信号の所定のブロック(例えば、データ部)の分割数mのみを設定し、応答信号の当該ブロックをm分割することにより、各セグメントの位置を設定することが考えられる。
【0077】
また、セグメントの数や位置が固定であるか可変であるかに関わらず、設定部131は、各セグメントの送信周波数を設定する。各セグメントの送信周波数は、携帯機112の送信部145が送信可能で、かつ、車載通信装置111の受信部122が受信可能な周波数の範囲内において、任意の値に設定することができる。ただし、隣接するセグメントの送信周波数については、あまり近くなり過ぎないように、互いに所定の閾値以上離れた周波数に設定することが望ましい。
【0078】
図5乃至
図7には、セグメントSG1の送信周波数が周波数f1に設定され、セグメントSG2の送信周波数が周波数f2に設定され、セグメントSG3の送信周波数が周波数f3に設定され、セグメントSG4の送信周波数が周波数f1に設定された例が示されている。
【0079】
また、例えば、送信周波数に基づいて、各セグメントの位置を設定するようにしてもよい。例えば、n個の送信周波数及び順番を設定することにより、応答信号をn個のセグメントに分割するとともに、各セグメントの幅を送信周波数の比率に基づいて設定することが考えられる。
【0080】
そして、設定部131は、応答信号の送信方法の設定内容を示す設定情報を受信制御部132及び信号処理部133に供給する。
【0081】
なお、以下、
図5に示されるように各セグメントの位置及び送信周波数が設定された場合について説明する。
【0082】
ステップS2において、車載通信装置111は、設定情報を含む認証要求信号を送信する。具体的には、信号処理部133は、認証要求信号を生成し、送信制御部135を介して送信部124に供給する。この認証要求信号は、車載通信装置111を識別するためのID等の認証情報、及び、ステップS1の処理で設定部131により設定された設定情報を含む。送信部124は、送信制御部135の制御の下に、認証要求信号をASK変調し、アンテナ125を介して変調後の認証要求信号を送信する。
【0083】
これにより、
図8に示されるように、認証情報及び設定情報を含む認証要求信号が、車載通信装置111から携帯機112に送信される。
【0084】
ステップS3において、車載通信装置111は、受信周波数を周波数f1に設定して待機する。すなわち、車載通信装置111の受信制御部132は、受信部122の受信周波数を周波数f1に設定する。そして、
図8に示されるように、車載通信装置111は、携帯機112から送信される応答信号のセグメントS1の送信周波数に合わせて、周波数f1で受信待機する状態となる。
【0085】
その後、車載通信装置111の処理は、ステップS10に進む。
【0086】
一方、ステップS4において、携帯機112は、認証要求信号の受信に成功したか否かを判定する。具体的には、携帯機112の受信部142は、ステップS2の処理で車載通信装置111から送信された認証要求信号を、アンテナ141を介して受信した場合、受信した認証要求信号を復調する。また、受信部142は、復調した認証要求信号を、受信制御部151を介して信号処理部152に供給する。受信制御部151は、以上の処理を所定の時間内に失敗せずに実行できた場合、認証要求信号の受信に成功したと判定し、処理はステップS5に進む。
【0087】
ステップS5において、携帯機112の判定部153は、正規の認証要求信号であるか否かを判定する。具体的には、信号処理部152は、認証要求信号を判定部153に供給する。このとき、信号処理部152は、認証要求信号に含まれるデータが暗号化されている場合、暗号化されたデータを復号して判定部153に供給する。
【0088】
判定部153は、所定の判定条件に基づいて、正規の認証要求信号であるか否かを判定する。例えば、判定部153は、認証要求信号のフォーマットが正しいか否か、認証要求信号に含まれるデータの復号の成否、CRC(Cyclic Redundancy Check)等の誤り検出符号の判定結果、認証要求信号に含まれる認証情報の認証結果等に基づいて、正規の認証要求信号であるか否かを判定する。正規の認証信号であると判定された場合、処理はステップS6に進む。
【0089】
ステップS6において、信号処理部152は、応答信号を生成する。具体的には、信号処理部152は、
図5乃至
図7を参照して上述したフォーマットに基づく応答信号を生成する。また、信号処理部152は、認証要求信号に含まれる設定情報に基づいて、生成した応答信号をセグメントSG1乃至SG4に分割する。信号処理部152は、生成した応答信号のセグメントSG1乃至SG4を、送信制御部154を介して送信部145に供給する。また、信号処理部152は、認証要求信号に含まれる設定情報を送信制御部154に供給する。
【0090】
ステップS7において、携帯機112の送信制御部154は、送信部145の送信周波数を周波数f1に設定する。
【0091】
ステップS8において、携帯機112は、応答信号のセグメントSG1を送信する。具体的には、携帯機112の送信部145は、送信制御部154の制御の下に、応答信号のセグメントSG1をPSK変調し、アンテナ146を介して、変調後のセグメントSG1を送信する。
【0092】
これにより、
図8に示されるように、周波数f1で受信待機する車載通信装置111に向けて、データd1を含む応答信号のセグメントSG1が周波数f1で携帯機112から送信される。
【0093】
ステップS9において、携帯機112は、規定時間待機する。
【0094】
その後、携帯機112の処理は、ステップS13に進む。
【0095】
一方、ステップS4において、認証要求信号の受信に失敗したと判定された場合、又は、ステップS5において、正規の認証要求信号でないと判定された場合、応答信号の送信は行われずに、携帯機112の処理は終了する。
【0096】
一方、ステップS10において、車載通信装置111は、応答信号のセグメントSG1の受信に成功したか否かを判定する。具体的には、車載通信装置111の受信部122は、ステップS8の処理で携帯機112から送信された応答信号のセグメントSG1を、アンテナ121を介して受信した場合、受信した応答信号を復調する。また、受信部142は、復調した応答信号を、受信制御部132を介して信号処理部133に供給する。受信制御部132は、以上の処理を所定の時間内に失敗せずに実行できた場合、応答信号のセグメントSG1の受信に成功したと判定し、処理はステップS11に進む。
【0097】
ステップS11において、車載通信装置111の判定部134は、セグメントSG1が正規の信号であるか否かを判定する。具体的には、信号処理部133は、セグメントSG1を判定部134に供給する。このとき、信号処理部133は、セグメントSG1に含まれるデータが暗号化されている場合、暗号化されたデータを復号して判定部134に供給する。
【0098】
判定部134は、所定の判定条件に基づいて、セグメントSG1が正規の信号であるか否かを判定する。例えば、判定部134は、セグメントSG1のフォーマットが正しいか否か、セグメントSG1に含まれるデータの復号の成否、CRC等の誤り検出符号の判定結果等に基づいて、セグメントSG1が正規の信号であるか否かを判定する。そして、セグメントSG1が正規の信号であると判定された場合、処理はステップS12に進む。
【0099】
ステップS12において、車載通信装置111は、受信周波数を周波数f2に設定して待機する。具体的には、判定部134は、応答信号のセグメントSG1が正規の信号であることを、受信制御部132及び信号処理部133に通知する。受信制御部132は、受信部122の受信周波数を周波数f2に変更する。そして、
図8に示されるように、車載通信装置111は、携帯機112から送信される応答信号のセグメントS2の送信周波数に合わせて、周波数f2で受信待機する状態となる。
【0100】
その後、車載通信装置111の処理は、ステップS16に進む。
【0101】
一方、ステップS10において、応答信号のセグメントSG1の受信に失敗したと判定された場合、又は、ステップS11において、応答信号のセグメントSG1が正規の信号でないと判定された場合、車載通信装置111の処理は終了する。
【0102】
一方、ステップS13において、携帯機112の送信制御部154は、送信部145の送信周波数を周波数f2に設定する。
【0103】
ステップS14において、携帯機112は、ステップS8の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG2を送信する。
【0104】
これにより、
図8に示されるように、周波数f2で受信待機する車載通信装置111に向けて、データd2を含む応答信号のセグメントSG2が周波数f2で携帯機112から送信される。
【0105】
ステップS15において、携帯機112は、規定時間待機する。
【0106】
その後、携帯機112の処理は、ステップS19に進む。
【0107】
一方、ステップS16において、車載通信装置111は、ステップS10の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG2の受信に成功したか否かを判定する。応答信号のセグメントSG2の受信に成功したと判定された場合、処理はステップS17に進む。
【0108】
ステップS17において、車載通信装置111は、ステップS11の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG2が正規の信号であるか否かを判定する。応答信号のセグメントSG2が正規の信号であると判定された場合、処理はステップS18に進む。
【0109】
ステップS18において、車載通信装置111は、ステップS12の処理と同様にして、受信周波数を周波数f3に設定して待機する。
【0110】
その後、車載通信装置111の処理はステップS22に進む。
【0111】
一方、ステップS16において、応答信号のセグメントSG2の受信に失敗したと判定された場合、又は、ステップS17において、応答信号のセグメントSG2が正規の信号でないと判定された場合、車載通信装置111の処理は終了する。
【0112】
一方、ステップS19において、携帯機112の送信制御部154は、送信部145の送信周波数を周波数f3に設定する。
【0113】
ステップS20において、携帯機112は、ステップS8の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG3を送信する。
【0114】
これにより、
図8に示されるように、周波数f3で受信待機する車載通信装置111に向けて、データd3を含む応答信号のセグメントSG3が周波数f3で携帯機112から送信される。
【0115】
ステップS21において、携帯機112は、規定時間待機する。
【0116】
その後、携帯機112の処理は、ステップS25に進む。
【0117】
一方、ステップS22において、車載通信装置111は、ステップS10の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG3の受信に成功したか否かを判定する。応答信号のセグメントSG3の受信に成功したと判定された場合、処理はステップS23に進む。
【0118】
ステップS23において、車載通信装置111は、ステップS11の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG3が正規の信号であるか否かを判定する。応答信号のセグメントSG3が正規の信号であると判定された場合、処理はステップS24に進む。
【0119】
ステップS24において、車載通信装置111は、ステップS12の処理と同様にして、受信周波数を周波数f1に設定して待機する。
【0120】
その後、車載通信装置111の処理はステップS27に進む。
【0121】
一方、ステップS25において、携帯機112の送信制御部154は、送信部145の送信周波数を周波数f1に設定する。
【0122】
ステップS26において、携帯機112は、ステップS8の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG4を送信する。
【0123】
これにより、
図8に示されるように、周波数f1で受信待機する車載通信装置111に向けて、データd4を含む応答信号のセグメントSG4が周波数f1で携帯機112から送信される。
【0124】
その後、携帯機112の処理は終了する。
【0125】
一方、ステップS27において、車載通信装置111は、ステップS10の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG4の受信に成功したか否かを判定する。応答信号のセグメントSG4の受信に成功したと判定された場合、処理はステップS28に進む。
【0126】
ステップS28において、車載通信装置111は、ステップS11の処理と同様にして、応答信号のセグメントSG4が正規の信号であるか否かを判定する。応答信号のセグメントSG4が正規の信号であると判定された場合、処理はステップS29に進む。
【0127】
ステップS29において、車載通信装置111は、セグメントを合成する。具体的には、判定部134は、応答信号のセグメントSG4が正規の信号であることを、受信制御部132及び信号処理部133に通知する。信号処理部133は、セグメントSG1乃至S4を合成することにより、応答信号を復元する。
【0128】
ステップS30において、車載通信装置111の判定部134は、正規の応答信号であるか否かを判定する。具体的には、信号処理部133は、合成することにより復元した応答信号を判定部134に供給する。判定部134は、所定の判定条件に基づいて、正規の応答信号であるか否かを判定する。例えば、判定部134は、応答信号に含まれる携帯機112の認証情報の認証結果、応答信号に含まれるコマンドが正規のコマンドであるか否か等に基づいて、正規の応答信号であるか否かを判定する。そして、応答信号が正規の信号であると判定された場合、処理はステップS31に進む。
【0129】
ステップS31において、車両制御部136は、車両102の所定の処理の実行を指令する。具体的には、判定部134は、応答信号が正規の信号であることを信号処理部133に通知する。信号処理部133は、応答信号に含まれるコマンドを車両制御部136に供給する。車両制御部136は、取得したコマンドに対応する処理を実行するように、ECU等の車両102の他の装置に指令する。これにより、例えば、上述した自動エントリ機能、プッシュスタート機能、ウェルカムランプ点灯機能等の処理が実行される。
【0130】
その後、車載通信装置111の処理は終了する。
【0131】
一方、ステップS30において、正規の応答信号でないと判定された場合、ステップS31の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行は指令されずに、車載通信装置111の処理は終了する。
【0132】
また、ステップS27において、セグメントSG4の受信に失敗したと判定されるか、又は、ステップS28において、セグメントSG4が正規の信号でないと判定された場合、車載通信装置111の処理は終了する。
【0133】
以上のように、応答信号の送信周波数がセグメント単位で変化する一方、中継器104は送信周波数の変化に追従するのは難しいため、リレーアタックの実施が困難になる。
【0134】
また、通信毎に、セグメントの数、セグメントの位置、送信周波数等を変化させることにより、さらに中継器104が対応することが難しくなり、リレーアタックの実施がより困難になる。
【0135】
さらに、応答信号のセグメント毎に正規性の判定を行うので、応答信号に対するセキュリティがより厳しくなり、リレーアタックの実施がより困難になる。
【0136】
<2.変形例>
以下、上述した本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0137】
[変形例1:セグメント及び送信周波数等に関する変形例]
例えば、応答信号のセグメントの数及び位置、並びに、各セグメントの送信周波数を可変とせずに、予め定められた値に固定するようにしてもよい。この場合、可変にする場合と比較して通信の安全性が若干低下するが、中継器104が応答信号の送信周波数の変化に追従することが困難なため、可変にする場合と同様に、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0138】
また、以上の説明では、受信側の車載通信装置111の主導の下に応答信号の送信周波数等を変化させる例を示したが、送信側の携帯機112の主導の下に応答信号の送信周波数等を変化させるようにしてもよい。すなわち、携帯機112が、自身で応答信号の分割方法や送信周波数等を設定し、設定した内容に従って応答信号を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、応答信号の先頭部分の送信周波数を固定値とし、その先頭部分において、セグメントの数や位置、各セグメントの送信周波数等を携帯機112から車載通信装置111に通知することが考えられる。これにより、応答信号の送信開始時に、携帯機112の送信周波数と車載通信装置111の受信周波数を合わせることができるとともに、応答信号の送信中に周波数を自由に変更することができる。
【0139】
さらに、認証要求信号を送信する場合にも、応答信号を送信する場合と同様に、認証要求信号を複数のセグメントに分割し、送信周波数をセグメント単位で変更するようにすることが可能である。なお、通信毎に、認証要求信号のセグメントの数や位置、各セグメントの送信周波数等を可変にする場合、例えば、応答信号の先頭部分の送信周波数を固定値とし、その先頭部分において、セグメントの数や位置、各セグメントの送信周波数等を車載通信装置111から携帯機112に通知することが考えられる。
【0140】
また、応答信号と認証要求信号の両方の送信周波数をセグメント単位で変更するようにしてもよいし、どちらか一方の送信周波数のみをセグメント単位で変更するようにしてもよい。
【0141】
[変形例2:装置の構成に関する変形例]
また、車載通信装置111の構成は、
図1に示される例に限定されるものではなく、様々に変更することが可能である。例えば、受信制御部132や送信制御部135を制御部123の外部に設けたり、受信部122や送信部124を制御部123の内部に設けたりすることが可能である。また、例えば、受信部122と受信制御部132を組み合わせたり、送信部124と送信制御部135を組み合わせたりすることが可能である。さらに、例えば、受信部122と送信部124を組み合わせることが可能である。また、車載通信装置111の送信処理を行う部分と受信処理を行う部分を2つの装置に分けるようにすることも可能である。
【0142】
さらに、携帯機112の構成は、
図1に示される例に限定されるものではなく、様々に変更することが可能である。例えば、受信制御部151や送信制御部154を制御部144の外部に設けたり、受信部142や送信部145を制御部144の内部に設けたりすることが可能である。また、例えば、受信部142と受信制御部151を組み合わせたり、送信部145と送信制御部154を組み合わせたりすることが可能である。さらに、例えば、受信部142と送信部145を組み合わせることが可能である。
【0143】
また、携帯機112の数は1台に限定されるものではなく、2台以上設けることも可能である。また、車載通信装置111の数も1台に限定されるものではなく、2台以上設けることも可能である。
【0144】
[変形例3:その他の変形例]
例えば、以上の説明では、合成後の応答信号だけでなく、セグメント毎に正規性の判定を行うようにしたが、セグメント毎の正規性の判定処理を省略し、合成後の応答信号の正規性のみを判断するようにしてもよい。
【0145】
また、例えば、携帯機112が応答信号のセグメントを送信した後の待機時間も車載通信装置111から設定できるようにしてもよい。
【0146】
さらに、本発明を適用する車両の種類は、特に限定されるものではない。例えば、自動車等の四輪車だけでなく、二輪車やその他の種類の車両にも適用することが可能である。
【0147】
また、本発明は、車両以外の無線通信システムにも適用することが可能である。特に、本発明は、例えば、一方の通信装置からの要求に対して他方の通信装置が自動的に応答信号を送信するシステムに適用する場合に有効である。例えば、建物のドアを操作した場合に、建物に設けられている通信装置から携帯機に認証要求信号が送信され、携帯機からの応答信号に応じて、ドアの開錠又は施錠を行うシステムにおいて有効である。
【0148】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0149】
また、コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディアに記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0150】
その他、プログラムは、例えば、ROMや記憶部に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0151】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0152】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0153】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0154】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0155】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。