特許第5721813号(P5721813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5721813セラミックターゲットによって火花蒸着をする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721813
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】セラミックターゲットによって火花蒸着をする方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/32 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   C23C14/32 A
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-508382(P2013-508382)
(86)(22)【出願日】2011年4月13日
(65)【公表番号】特表2013-525611(P2013-525611A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2011001856
(87)【国際公開番号】WO2011137967
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2014年1月27日
(31)【優先権主張番号】61/330,935
(32)【優先日】2010年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598051691
【氏名又は名称】エリコン・サーフェス・ソリューションズ・アクチェンゲゼルシャフト,トリュープバッハ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レヒトハーラー,マルクス
【審査官】 浅野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−274280(JP,A)
【文献】 特開平01−263265(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0110749(US,A1)
【文献】 特開2001−040467(JP,A)
【文献】 特開平02−213463(JP,A)
【文献】 特表2002−525431(JP,A)
【文献】 特表2013−527315(JP,A)
【文献】 特表2004−523450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00〜14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーク蒸着ソースであって、
導電性のセラミックターゲットプレート(1)を備える陰極と、
陽極(21)と、
前記ターゲットプレート(1)を前記陽極(21)に対して負の電位にすることができるように前記ターゲットプレート(1)および前記陽極(21)と配線された電圧源(23)と、
アークを点火するための点火装置(20)とを含んでいる、そのようなアーク蒸着ソースにおいて、
前記ターゲットプレート(1)は冷却プレート(10)と広い面積で熱的に作用接続されており、
陰極スポットを強制的に移動させる手段が設けられており、
陰極スポットを強制的に移動させる前記手段は気化表面で、すなわち前記ターゲットプレートの表面で陰極スポットが到達することができるあらゆる個所で、実質的に同じ作用を有しており、
前記手段は、前記ターゲットプレートの前記表面で形成された磁界の水平成分によって陰極スポットを強制的に移動させる、アーク蒸着ソース。
【請求項2】
前記ターゲットプレート(1)は、前記冷却プレート(10)とボンディング接続を介して作用接続されている、請求項1に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項3】
強制的に移動させる前記手段は、前記ターゲットプレートにミクロ亀裂が存在しているときでさえ陰極スポットの移動を保つことができるように設計されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項4】
陰極スポットを強制的に移動させる前記手段は、陰極スポットの実質的に均等な移動につながる磁気的な手段を含んでいることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項5】
磁気的な前記手段は、気化表面での実質的に均一な磁界につながり、その磁束線が気化表面に対して実質的に垂直に向くように、または代替的に気化表面全体で気化表面に立てた法線に対して45°よりも大きい角度で向くように、構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項6】
強制的に移動させる前記手段は冷却プレート側に内側の永久磁石を含むとともに、内側の前記永久磁石に対して反対の極性に向けられ、それにより前記ターゲットプレート(1)の気化するべき表面(2)で磁界分布が生成されるようにする外側の永久磁石リングを含んでおり、強制的に移動させる前記手段は気化するべき表面(2)の中心領域(6)に遮蔽部(3)を含んでおり、前記遮蔽部(3)の表面は前記電圧源(23)から少なくとも実質的に電気絶縁されており、そのようにして蒸着ソースが作動したときに当該領域では補充電子を利用することができないことを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか1項に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項7】
前記遮蔽部(3)は電気絶縁性材料でできている、請求項に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項8】
前記遮蔽部(3)は酸化アルミニウムまたは窒化ホウ素でできており、または酸化アルミニウムもしくは窒化ホウ素の表面を有している、請求項7に記載のアーク蒸着ソース。
【請求項9】
請求項1からのうちいずれか1項に記載の少なくとも1つのアーク蒸着ソースを備えている、基板をコーティングするためのコーティング設備。
【請求項10】
基板をコーティングする方法において、コーティングのために請求項に記載のコーティング設備が適用されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明が対象とする技術分野
本発明は、陰極火花蒸着と導電性のセラミックターゲットによって工作物をコーティングする方法に関する。本発明は、特に、上に述べた方法を実施するコーティング設備のためのソースに関する。本発明は、特に、上に述べた方法を実施するためのコーティング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでの従来技術
真空室の中で高電流・低電圧・アーク放電の形態のプラズマが、以下においてターゲットと呼ぶ材料源で生成されることによって工作物をコーティングすることが知られている。蒸着されるべき材料は、このプロセスでは陰極として電圧源の負の極に置かれる。点火装置によってアークが点火される。アークは、電流遷移が集中する1つまたは複数の陰極スポットで、陰極を溶融させる。このとき基本的に陰極に由来する電子が利用される。したがってアークを維持するためには、相応の陰極表面に補充電子が絶えず供給されなければならない。同じ意味でArcとも呼ばれるアークは、陰極表面で程度の差こそあれ確率的に移動する。小さなターゲット表面領域の極端に迅速な加熱が生じ、それによって局所的に材料が気化する。このことは、金属のターゲット材料では問題にならない。そのようなターゲット材料は、そうしたアークにより誘起される点状の熱衝撃に損傷をうけることなく耐えるために、耐熱衝撃性と熱伝導性を両方とも基本的に有しているからである。
【0003】
しかし金属ターゲットの火花蒸着では、ドロップレット問題が大きな役割を演じる。金属ターゲット材料の迅速な局所的加熱によって、溶融したターゲット材料に由来するマクロ的な飛沫がターゲットからたたき出され、それがコーティングされるべき表面でドロップレットとして析出する。このようなドロップレットは、たとえば耐摩耗性や表面粗さといった層特性に極端にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。したがって、このようなドロップレットを実質的に回避するために、多大なコストが払われている。1つの選択肢の要諦は、ドロップレットが基板に堆積する前にこれを濾過して取り除くことにある。しかし、このような方策は高いコストがかかり、多くの場合、コーティング速度にマイナスの影響を及ぼす。ドロップレット形成が多くなればなるほど、アークが金属ターゲット表面でゆっくりと移動するようになるので、ターゲット表面のアークをたとえば水平に半径方向を向く磁束線を用いて高速に移動するよう強制することによって、ドロップレット問題を緩和するという選択肢もある。公開されている特許出願WO200016373は、金属ターゲットの後方に磁気手段が設けられており、これがターゲットの中心領域の範囲外でそうした所望の磁界分布を生じさせるコーティング源の構成を開示している。ターゲットの中心領域では、アークをいわば捕獲することになる磁界の垂直成分が支配的であるために、そこでは遮蔽部によって、アークがその中へ入ることが防止される。遮蔽部としては、たとえば窒化ホウ素および/または窒化チタンが挙げられている。このような材料は、同文献に記載されているように、金属ターゲット材料よりも低い二次電子放出率と低い表面エネルギーを有している。
【0004】
ここで付言しておくと、セラミックターゲットの枠内では、ドロップレット問題は基本的に生じることがない。セラミックターゲットでは、ターゲット材料の溶融は高い融点により、このような種類の金属化合物よりも大幅に複雑である。気化というよりはむしろ昇華プロセスであると推測される。アークによってマクロ的にセラミックターゲット表面からはじき出される物質の大半は、重力に基づき、コーティングされるべき工作物まで到達せずに、コーティング室の底面に堆積する程度の大きさである。それでも工作物で生じる層は、測定可能ないわゆるドロップレットをなおも含んでいる。しかしこのドロップレットは、それに対して別途の方策が必要ではない程度にわずかな密度である。
【0005】
それに対して、セラミック材料が多くの場合に非常に低い耐熱衝撃性しか有していないことに大きな問題を見ることができる。材料が耐熱衝撃性を備えていないと、アークの陰極スポットが通過することが難しい亀裂が生じてしまう。亀裂がなぜそうした捕獲につながるのかは完全には解明されていない。1つの可能な説明は、先端部やエッジ部で電子が外に出るのが容易になる、いわゆる電界放出効果を援用して考えることができる。滞留時間が長くなることによって材料がそこで追加的に加熱され、このことはセラミック材料においては、電子放出の閾値が局所的に下がるという帰結につながる。しかし、このことはひいては、もっとも容易に電子を放出することができる表面領域を常に探しているアークが、亀裂のところにいっそう長くとどまることを意味している。すなわち、これは自己増幅性の破壊現象である。したがって現在、火花蒸着ではセラミックターゲットは産業用としては基本的に採用されていない。その例外をなすのは炭化タングステンであり、その耐熱衝撃性は、特にたとえば窒化チタン(TiN)、二ホウ化チタン(TiB)、ZrB2、NbB2、ホウ化タングステン(WB)、窒化タングステン(W2N)といった他のセラミック材料に比べて低い。したがって現在、火花蒸着は炭化タングステンターゲット(WCターゲット)をベースとするものだけが普及している。
【0006】
しかしながら市場では、これまで少なくとも産業規模では可能でなかったセラミックターゲットの層材料も、アークによって経済的に蒸着できるようにしたいという需要がある。特にTiN、TiB、WB、および/またはWNなどのターゲットも、早期にターゲット破断を生じることなく、アークを用いた蒸着のために利用できるようにすることが望まれる。
【0007】
それに応じてTiB2ターゲットについては、O.Knotek, F.Loeffler著の記事「アーク物理蒸着用のセラミック陰極:開発と用途」(サーフェス・アンド・コーティング・テクノロジー49号(1991)、263頁から267頁)では、1つの局所的な個所に陰極スポットが集中することを問題視する報告がなされており、このことは過熱およびさらにはプレートの破断につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明の課題は、従来は少なくとも産業規模では可能でなかったセラミックターゲットの層材料でも、アークにより経済的に蒸着することができるようにすることである。特にTiN、TiB、WB、および/またはWNのターゲットを、早期にターゲット破断を生じることなく、アークを用いた蒸着に利用できるようにすることが意図される。
【0009】
したがって発明者らには、アークによってターゲットへ転移される熱衝撃をどうすれば効率的に吸収できるかという問題が課せられる。火花蒸着の代替としてのPVDコーティング方式であるスパッタテクノロジーから、スパッタターゲット材料をいわゆる冷却プレートと接着(ボンディング)して、効率的な熱排出を可能にすることが知られている。このような冷却プレートは高い熱伝導性を有しており、できる限り広い面積と良好な熱ブリッジでスパッタターゲット材料に取り付けられる。冷却プレートは、スパッタに使用されるターゲット材料と類似する膨張率を有しているのが好ましい。比較的高い放電電圧により得られる、スパッタの際の高いターゲット性能に基づき、スパッタターゲットへの高い熱注入が生じるが、これはターゲット全体にわたって均等に配分される。
【0010】
しかし熱衝撃につながる可能性がある、火花蒸着の場合に発生する熱負荷は局所的であり、温度勾配が大きいという特徴があり、このことはセラミックターゲットの機械的な過負荷につながる。これとは対照的にスパッタでは、ターゲットでの温度分布が均等なので耐熱衝撃性は重要ではない。
【0011】
したがって、アークによる蒸着のために用いられるセラミックターゲットでは、単純に冷却プレートを使用しても満足のいく結果にはつながらない。ターゲット破断の危険は引き続き顕著である。そのうえ、局所化された温度負荷は、他ならぬその局所でボンディング接続が損傷をうけ、そのために、本来もっとも必要であるはずの個所で良好な熱接触が成立しなくなるという帰結にしばしばつながる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
しかし発明者らは驚くべきことに、金属ターゲットの火花蒸着との関連でドロップレット問題の緩和につながるいくつかの方策が、セラミックターゲットとの関連で、冷却プレートを備えるセラミックターゲットの損傷なしに高い信頼度で火花蒸着を適用できるという帰結につながることを見出した。したがって本発明では、裏面に冷却プレートがボンディングされたセラミックターゲットによりアークを用いて蒸着が行われ、アークがターゲット表面で迅速な移動を強いられることを特徴とするように、火花蒸着が実施される。
【0013】
したがって、アーク蒸着によるコーティング設備のための本発明によるアークソースは、裏面に良好な熱接触により、好ましくはボンディングされて、冷却プレートが設けられた少なくとも1つのセラミックターゲットを含んでおり、局所的な加熱およびこれに伴うミクロ亀裂の形成を低減させ、小さなミクロ亀裂が形成された場合でさえ当該個所での陰極スポットの高い滞留確率を妨げる、アークの陰極スポットが移動するように強いられる手段が設備に設けられていることを特徴としている。
【0014】
次に、図面を参照しながら本発明について一例を挙げて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるターゲットプレートを備えた本発明のソースを示す模式的な側面図である。
図2】本発明によるアークソースの構成要素の1つの実施形態である。
図3】本発明によるアークソースの構成要素の別の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1には、基板をコーティングするためにアーク蒸着室で使用される、本発明によるアーク蒸着ソースが示されている。このアーク蒸着ソースは通常どおり、純粋に模式的に示すように、アークを点火するための点火装置20を含んでいる。さらに、ターゲットプレート1と陽極21の間には、同じく純粋に模式的に示すように、電気的な高電流(I)低電圧(U)DC電圧源23が介在している。
【0017】
本発明によるアークソースは、気化するべき表面2を備える導電性のセラミックターゲットプレート1を含んでいる。ターゲットプレート1の裏側の表面7には、すなわち、気化するべき表面2と反対を向いているほうの表面には、ターゲットプレート1と熱的に広い面積で作用接続された冷却プレート10が設けられている。冷却プレート10は、熱伝導性の高い材料でできている。広い面積での熱的な接触により、冷却プレートは、陰極スポットによってターゲット表面2で起こる局所的なエネルギー注入を迅速かつ効率的にターゲット断面全体に分散させることができる。このように、熱衝撃に基づくターゲットプレート1の破損の危険は、この防止策によってすでにかなり緩和されている。冷却プレートが追加的に導電性であるときは、電圧源23に対するターゲットプレート1の電気接触が、冷却プレート10を通じて具体化されていてよい。たとえば冷却プレートの材料はモリブデンが考慮の対象となるが、スパッタテクノロジーから知られているそれ以外の材料を使用することもできる。
【0018】
熱的な作用接続は、冷却プレートがターゲットプレートにボンディングされることによって成立しているのが好ましい。しかしながら、冷却プレートにもかかわらず局所的に加熱が起こり、その帰結として局所的に電子が外に出やすくなる可能性があることが判明している。したがって、さらに方策を講じなければその個所にスポットがとどまり、このことは、熱衝撃が冷却プレートでももはや吸収できないオーダーになるという帰結につながる。
【0019】
そこで本発明によるアークソースは、アークの1つの陰極スポットないし場合により複数の陰極スポットをターゲット上で、場合によりミクロ亀裂から離れるように動くように強いる手段をさらに含んでいる。図1に示す実施形態では、この手段は冷却プレートの後方に配置された内側の永久磁石11と、内側の永久磁石11に対して反対の極性を向く外側の環状磁石13とを含んでいる。内側の永久磁石11および外側の環状磁石13に基づき、気化するべき表面2には、N極からS極ないしS極からN極へ延びる磁束線が生じる。表面2で生成される磁界の水平成分は、表面2でのアークの陰極スポットの強制運動につながる。それに対して本例では、表面2で生成される磁界の垂直成分は、アークの1つの陰極スポットまたは複数の陰極スポットが基本的に表面の相応の個所にとどまり、もしくはその運動が少なくとも減速されることにつながる。
【0020】
したがって、ここで検討している本発明の実施形態では、磁界の垂直成分が支配的である表面2の領域から、陰極スポットを遠ざけておくための方策が講じられる。したがって、導電性のセラミックターゲットプレート1の表面2には中央領域の遮蔽部3が配置されており、遮蔽部3は、陰極スポットでアークを供給することができる補充電子が、当該領域で保証されなくなるような性質を備えている。本例では、遮蔽部3の表面はAlや窒化ホウ素のような非導電性材料でできている。しかしながら、遮蔽部3を導電性材料で製作するが、この材料を電圧源23から絶縁し、もしくは少なくとも電圧源23と電気接触が劣るようにすることも考えられる。このような構造によって補充電子が妨げられ、もしくは少なくとも大幅に阻止される。
【0021】
アークの陰極スポットは、十分な補充電子が供給される個所で、すなわち磁界の垂直成分が支配的である中心領域6を回避した個所で、移動するのが好ましい。
本発明によるさまざまな構造が考えられ、当業者は自身の問題に合わせたうえで、自身にもっとも良く適した具体化を選ぶことができる。
【0022】
図2は、ボンディングされた冷却プレート10を備えるターゲットプレート1を模式的に示している。ターゲットプレートは中央の穴を有しており、冷却プレート10は雌ねじを有しており、それにより、本発明に基づく遮蔽部3を、同じく図示しているねじ15を用いて、ターゲットプレート1および冷却プレート10からなる複合体にねじ止めすることができる。
【0023】
図3は、ボンディングされた冷却プレート10と遮蔽部3を備えるターゲットプレート1の、さらに別の本発明による実施形態を示している。この実施形態では、遮蔽部3はターゲットプレート1の広い面積の穴に入っている。図示するように、ターゲットプレート1への遮蔽部3の小さなオーバーハングがあるのが好ましく、これは、陰極スポットがターゲットプレート1のエッジ近傍へ移動し、そこでいわば捕えられるのを回避するためである。
図1
図2
図3