(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721835
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】コンパクトなクーロンダンパー
(51)【国際特許分類】
F01N 13/08 20100101AFI20150430BHJP
【FI】
F01N13/08 Z
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-527075(P2013-527075)
(86)(22)【出願日】2011年7月11日
(65)【公表番号】特表2013-536915(P2013-536915A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】US2011043497
(87)【国際公開番号】WO2012030434
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2013年7月16日
(31)【優先権主張番号】13/050,032
(32)【優先日】2011年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/379,491
(32)【優先日】2010年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599107371
【氏名又は名称】ザ・プルマン・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ロデッカー,トロイ ピー.
【審査官】
稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−198137(JP,A)
【文献】
特開2008−298060(JP,A)
【文献】
特開平10−089062(JP,A)
【文献】
実開平03−056823(JP,U)
【文献】
特開2011−74914(JP,A)
【文献】
実開平4−59325(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気システムと組み合わせるクーロンダンパーであって、
当該組み合わせは、
閉チャンバーを規定する内側部材であって、湾曲した内側表面を有する内側部材と、閉チャンバーを規定する外側部材であって、湾曲した内側表面を有する外側部材とを有するキャニスターと、
金属ショットまたは砂から選択される、前記キャニスターの中に含まれた衝撃剤であって、前記湾曲した内側表面の間に全体的に広がり、前記チャンバーにおける前記湾曲平面の全周囲の長さにおける前記湾曲した内側表面の両方に直接接触し、軸方向に前記キャニスターの一部において広がる衝撃剤と、
前記キャニスターの前記内側部材の湾曲した凹んだ外側表面と近接する外側表面を有し、前記キャニスターと分離した前記排気システムのコンポーネントとを含み、
前記キャニスターの前記内側部材の前記外側表面は、前記内側部材の第1側面において、前記軸方向に前記キャニスターの全長に亘って広がる第1凸部分を規定し、
前記キャニスターの前記内側部材の前記外側表面は、前記第1側面と反対の前記内側部材の第2側面において、前記軸方向に前記キャニスターの全長に亘って広がる第2凸部分を規定し、
前記第1凸部分および前記第2凸部分は、前記排気システムの前記コンポーネントの前記外側表面と直接接触していることを特徴とする排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項2】
前記密な接触は、前記キャニスターの軸長に沿って広がる一組の接触領域を構成することを特徴とする請求項1に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項3】
前記一組の接触領域のそれぞれに沿って広がる溶接部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項4】
前記第1凸部分と前記第2凸部分との間の距離は、前記排気システムのコンポーネントの直径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項5】
前記第1凸部分と前記第2凸部分との間の距離は、前記排気システムのコンポーネントの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項6】
前記キャニスターは、前記排気システムの前記コンポーネントの形状に一致するように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項7】
前記キャニスターは、前記排気システムの前記コンポーネントに溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項8】
前記キャニスターの前記内側部材は、前記排気システムの前記コンポーネントの一部の周囲に広がり、該一部は前記排気システムの前記コンポーネントの全周囲より小さいことを特徴とする請求項1に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【請求項9】
前記キャニスターは、前記排気システムの前記コンポーネントの一部の周囲に広がり、該一部は前記排気システムの前記コンポーネントの全周囲より小さいことを特徴とする請求項1に記載の排気システムと組み合わせるクーロンダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車/運搬車の排気システムのためのクーロンダンパーに関するものである。より具体的には、自動車/運搬車の排気システムの排気パイプに、直接密に取り付けるコンパクトなクーロンダンパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2011年3月17日に出願された13/050,032号の、米国実用新案登録出願に基づく優先権を主張し、2010年9月2日に出願された61/379,491号の、米国仮出願の利益を享受するものである。上記出願の開示全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
〔背景技術〕
この章では、必ずしも先行技術でない本開示に関連する基礎的な事情を説明する。
【0004】
一般に、乗用車および運搬車を含む自動車車両は、少なくともトランスミッションおよび当該車両の駆動輪に動力を供給するためのデファレンシャル(差動装置)と連結された内燃エンジン(ガソリンまたはディーゼル)を備えている。燃焼プロセスを和らげ、排気ガスをクリーンにし、当該エンジンを避けて燃焼による生成物を排出するために、1つ以上の排気パイプ(exhaust pipes)、1つ以上のターボチャージャー(turbochargers)、1つ以上の触媒コンバーター(catalytic converters)、1つ以上のマフラー、および1つ以上の排気管(tailpipes)を通常含むエンジンの排気システムが、当該エンジンに取り付けられている。当該車両において、フレームまたは他の支持構造と当該エンジンとの間に配置された一組の軟性エンジンマウントの上に、内燃エンジンは支持されている。当該排気システムと車体のフレームまたは他の支持構造との間に配置された排気マウントによって、上記排気システムは支持されている。車体に伝わるエンジンの振動を最小限に抑えるために、上記排気マウントは、軟性の支持部材、および/または、弾性のサスペンション部材を組み込んでいる。
【0005】
軟性エンジンマウントおよび軟性排気マウントを用いたとしても、エンジンの多様な動作条件における当該エンジンの動作は、耳障りなノイズ(Noise)、振動(Vibration)、または荒々しい印象(Harshness;NVH)を生じる原因になる。当該NVH問題に対する様々な解決策が提案されてきた。当該システムに単なる重し(dead mass weights)を追加することによって、調整されたダンパー(tuned damper)を追加することによって、および/または、クーロンダンパー(coulomb damper)を追加することによって、NVH問題の頻度に対処できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記システムに単なる重しを追加しても、当該システムの固有振動数を低周波数側にずらすに過ぎない。上記調整されたダンパーを追加しても、特定の周波数に対処できるだけである。すなわち、元の周波数を上回る及び下回る周波数において、固有振動数の振幅を低減することによって、当該調整されたダンパーは上記を達成する。クーロンダンパーは、ショット(shot)や砂(sand)などの衝撃剤(impact media)で満たされたキャニスターを備える。クーロンダンパーは広く適用される解決法であるが、キャニスター内部の衝撃剤の量、密度、配置、および抵抗に頑健でない。また、当該排気システムからクーロンダンパーの上記衝撃剤へのエネルギーの伝送効率は、当該クーロンダンパーの動作および効率に対して決定的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この章では、本開示の一般的な要約を記載するものであり、すべての範囲にわたって包括的に開示するもの、またはその特徴のすべてではない。
【0008】
本開示は、大量の衝撃剤を含み、当該衝撃剤に効率よくエネルギーを伝えるために、排気システムに密に載置されるクーロンダンパーを提供する。衝撃剤を含む硬いキャニスターは、排気システムから当該キャニスターの壁面に接触している任意の衝撃剤に、エネルギーを伝える。クーロンダンパーが排気パイプに直接ボルトで連結されるという、少なくとも3点の載置システムを用いることによって、当該排気システムとクーロンダンパーとの間のエネルギー伝送が改善される。または、クーロンダンパーが当該排気パイプに直接溶接される場合、上記エネルギー伝送が改善される。このシステムは、ダンパーを載置するために取り付け金具(bracket)を用いるシステムに対する改善となる。当該取り付け金具は、上記エネルギー伝送を阻害するからである。
【0009】
以下の説明によって、応用範囲が明らかになる。当該説明および本要約における特定の例は、説明を目的としたものに過ぎず、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0010】
以下で説明される図面は、選ばれた実施の形態を説明する目的に過ぎず、すべての可能な実施を示すものでも、本開示の範囲を限定しようとするものでもない。
【0011】
対応する符号は、図面のいくつかの視点をとおして、対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示に係るクーロンダンパーを含む排気システムの透視図である。
【
図2】
図1に示した上記クーロンダンパーの1つの透視図である。
【
図3】
図1に示した排気システムの排気パイプに取り付けられた、
図2に示したクーロンダンパーの端面図である。
【
図4】
図1に示したクーロンダンパーの端断面図(end cross-sectional view)である。
【
図5】本開示の他の実施の形態に係るクーロンダンパーの透視図である。
【
図6】
図5に示したクーロンダンパーの端断面図である。
【
図7】本開示の他の実施の形態に係るクーロンダンパーの一部断面図における端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で、添付された図面を参照して、実施例をより詳細に説明する。
【0014】
いくつかの図面をとおして、類似の符号は類似の部材または対応する部材を示す。ここで上記図面を参照すると、
図1は本開示による排気システムを表し、当該排気システムは符号10で示される。排気システム10は、内燃エンジン14の排気ヘッダ12に取り付けられている。先行技術において公知であるように、トランスミッション(図示せず)および1以上のデファレンシャル(図示せず)を介して、車両が備える1以上の駆動輪に動力を与えるように、内燃エンジン14は設計されている。
【0015】
排気システム(exhaust system)10は、一組のフロント排気パイプ(front exhaust pipes)16、中央パイプ(mid-pipe)18、触媒コンバーター(catalytic converter)20、リア排気パイプ(rear exhaust pipe)22、マフラー(muffler)24、テールパイプ(tailpipe)26、一組のクーロンダンパー(coulomb dampers)28、および1以上のターボチャージャー30(概略的に示される)を含む。排気システム10は、排気ヘッダ12によって集められた燃焼による生成物を、内燃エンジン14から当該車両の外側周辺に排出する。
図1に示されるように、排気システム10は、内燃エンジン14の燃焼による生成物を、当該車両の後方に排出する。燃焼による生成物を当該車両の後方に排出するように示されているが、排気システム10は、側面または当該車両の側方を含む(ただしこれに限られない)当該車両の任意の外側に、燃焼による生成物を排出するように設計されてよい。
【0016】
図示のように、一組のフロント排気パイプ16は一組のターボチャージャー30に取り付けられている。当該ターボチャージャーは1つの中央パイプ18に取り付けられており、当該中央パイプは1つの触媒コンバーター20に取り付けられている。当該触媒コンバーターは1つのリア排気パイプ22に取り付けられており、当該リア排気パイプは1つのマフラー24に取り付けられており、当該マフラーは1つのテールパイプ26に取り付けられている。単一経路の排気システムを実現するために、触媒コンバーター20に取り付けられた1つのターボチャージャーに取り付けられた1つのフロント排気パイプ16を含む構成も、本開示の範囲に含まれる。二重経路の排気システムを実現するために、一組のフロント排気パイプ16が一組のターボチャージャー30に取り付けられ、一組のターボチャージャー30が一組の中央パイプ18に取り付けられ、一組の中央パイプ18が一組の触媒コンバーター20に取り付けられ、一組の触媒コンバーター20が一組のリア排気パイプ22に取り付けられ、一組のリア排気パイプ22が一組のマフラー24に取り付けられ、一組のマフラー24が一組のテールパイプ26に取り付けられるという構成も、本開示の範囲に含まれる。したがって、排気システム10は、単一経路の排気システム、二重経路の排気システム、または先行技術として公知の排気システムの任意の他の設計により設計されてよい。
【0017】
車両および内燃エンジン14の動作時において、内燃エンジン14によって発生する振動、ターボチャージャー30、および当該車両は、耳障りなノイズ(Noise)、振動(Vibration)、または荒々しい印象(Harshness;NVH)の問題を生じる。上記の不快なNVH問題に対処するために、クーロンダンパー28は、排気システム10のコンポーネントに密に取り付けられている。クーロンダンパー28は、中央パイプ18に密に取り付けられるように示されているが、フロント排気パイプ16、中央パイプ18、触媒コンバーター20、リア排気パイプ22、マフラー24、および/または、テールパイプ26を含む(ただしこれに限られない)排気システム10の任意のコンポーネントに、クーロンダンパー28を取り付ける構成も、本開示の範囲に含まれる。
【0018】
ここで、
図2〜
図4を参照すると、クーロンダンパー28がより詳細に表されている。クーロンダンパー28は、外側部材(outer member)32、内側部材(inner member)34、および所定の量または塊の衝撃剤(impact media)36によって構成されるキャニスター(canister)を含む。外側部材32は、クーロンダンパー28に必須の剛性または強度を与えるとともに、内側部材34に対するアライメント特性として振る舞う複数の補強用肋材38を構成する、弓形または湾曲形状の金属スタンピング(metal stamping)である。クーロンダンパー28への衝撃材36の注入が容易となるような特定の位置において、注入口40が外側部材32を貫いて開口している。衝撃剤36を注入した後、ボタンキャップ42が注入口40を閉栓する。クーロンダンパー28によって規定されるチャンバー44の中の衝撃剤36を維持するために、ボタンキャップ42は外側部材32に溶接されているか、または取り付けられている。長手方向の長さ、湾曲した長さ、および外側部材32と内側部材34と間の空間は、衝撃剤36の所定量を確保するために選択され、同時に、排気システム10が車両に導入されたとき、当該車両の他のコンポーネントに特定の除去を提供する。さらに、クーロンダンパー28を設計する場合、排気システム10の組み立て位置における除去、および、日常保守および/または当該車両の部品交換を行うために必要となる除去が考慮される。
【0019】
内側部材34は、中央パイプ18に適合した弓形または湾曲形状の金属スタンピングであり、チャンバー44を規定する外側部材32に溶接されている、または取り付けられている。内側部材34は、当該内側部材34の長手方向(すなわちクーロンダンパー28)の長さに沿って広がる一組の小さな範囲46(本実施の形態においては5mmが好ましい)を規定する。
図3および
図4に示されるように、内側部材34の弓形部または湾曲部の直径は、中央パイプ18の外側の湾曲よりも若干小さく設計されている。中央パイプ18とクーロンダンパー28とを密着させるために、内側部材34の全長を広げる一組の接触領域に完全に沿って、範囲46によって規定される内側部材34の外側表面が中央パイプ18に接触することが、この機構によって可能になる。また、当該機構は、クーロンダンパー28を中央パイプ18に溶接することを容易にする溶接された隅肉(weld fillet)を最小化できる。
【0020】
衝撃剤36は、先行技術において公知のスチールショット(steel shot)、砂、または任意の他の衝撃剤でよい。中央パイプ18から衝撃剤36に高い効率でエネルギーを伝送するために、クーロンダンパー28の設計は、中央パイプ18に密接に取り付けられた(溶接された)大量の衝撃剤36(本実施の形態においては25立方インチが好ましい)を提供する。外側部材32および内側部材34の設計によって、外側部材32および内側部材34の内側表面に直接接触する任意の衝撃剤36に、エネルギーが伝わる。クーロンダンパー28は、中央パイプ18と密に接触するように制約されたキャニスターの容量を大きく確保し、任意の応用においてコンパクトに設計される。高い効率でエネルギーを伝送するために、クーロンダンパー28は中央パイプ18に溶接されている。外側部材32および内側部材34は、密度、配置、量、動作のための空隙、および衝撃剤36のための摩擦を最適化するように設計されている。
【0021】
ここで
図5〜
図7を参照すると、中央パイプ118に取り付けられたクーロンダンパー128および128’が描かれている。排気システム10において、中央パイプ118は中央パイプ18と置き換えることができ、クーロンダンパー128および128’は、クーロンダンパー28と置き換えることができる。また、クーロンダンパー128および128’は、上述したクーロンダンパー28と同様に、排気システム10の任意のコンポーネントに取り付けられる。クーロンダンパー128および128’は、外側部材132、内側部材134、内部チューブ136、および衝撃剤36によって構成されるキャニスターを含む。
【0022】
外側部材132は、弓形または湾曲形状の金属スタンピングである。
図5〜
図7には示されていないが、外側部材32において上述したように、アライメントおよび剛性を増すため、外側部材132は補強用肋材38を含んでよい。衝撃剤36をクーロンダンパー128および128’に注入することを容易にする特定の位置において、注入口40が外側部材132を貫いて開口している。衝撃剤36を注入した後、ボタンキャップ42が注入口40を閉栓する。クーロンダンパー128および128’によって規定されるチャンバー144の中の衝撃剤36を維持するために、ボタンキャップ42は外側部材132に溶接されているか、または取り付けられている。長手方向の長さ、湾曲した長さ、および外側部材132と内側部材134と間の空間は、衝撃剤36の所定量を確保するために選択され、同時に、排気システム10が車両に導入されたとき、当該車両の他のコンポーネントに特定の除去を提供する。さらに、クーロンダンパー128および128’を設計する場合、排気システム10の組み立て位置における除去、および、日常保守および/または当該車両の部品交換を行うために必要となる除去が考慮される。
【0023】
内側部材134は、弓形または湾曲形状の金属スタンピングであり、チャンバー144を規定する外側部材132に溶接されている、または取り付けられている。内側部材134は、当該内側部材34の長手方向(すなわちクーロンダンパー128および128’)の長さに沿って広がる内側湾曲表面146を規定する。
図6に示されるように、内側湾曲表面146のサイズは、中央パイプ118の外側直径と同じになるように設計される。
図5における低位置148および高位置148’として図示されるように、この設計によって、クーロンダンパー128および128’と中央パイプ118とが3点で接触する。
図5に示される低位置148によって描かれる初期接触点を作るために、クーロンダンパー128および128’は、中央パイプ118で曲げられたパイプの上部に接触する障害とともに設計される。載置ボルト(mounting bolt)から乖離する安定した三点立地(tripod footing)を実現するために、離昇することによって、
図5の高位置148’によって示される第2の接触位置および第3の接触位置が作られる。上記三点接触によって、載置ボルトから乖離する上記安定した三点立地が、当該載置ボルトにのみ引っ張り荷重を生じさせる。当該載置ボルトには、カンチレバー荷重は存在しない。上記3点接触および後述する載置ボルトにおける止めナットの締め付けによって、中央パイプ118とクーロンダンパー128および128’との密な接触が実現される。
図7の実施の形態は、前述した3点接触を含む。
【0024】
図6および
図7に示されるように、外側部材132および内側部材134の間に、内部チューブ136が伸びている。
図6において、中央パイプ118に溶接された、または固定された載置ボルトを挿入可能となるように、内部チューブ136は設計されている。
図7において、中央パイプ118に溶接された、ねじ式で固定された、または他の方法で取り付けられた載置ボルトを挿入可能に設計されたチューブ状の軸受筒(tubular bushing)150が挿入可能となるように、内部チューブ136は設計されている。内側部材134は、内部チューブ136によって形成される引出口(drawn hole)152を規定する。外側部材132は、開口部154を規定する。
図6の実施の形態において、内部チューブ136は外側部材132の外に向かって伸びており、開口部154を規定する外側部材132の一部と溶接され、または他に固定されている。
図7の実施の形態において、チューブ状の軸受筒150は、内部チューブ136、引出口152、および開口部154を通って伸びている。軸受筒150は、内部チューブ136に溶接されているか、または固定されている。そして、軸受筒150は、開口部154を規定する外側部材132の一部に溶接されているか、または固定されている。
図6において、内部チューブ136および軸受筒150は、載置ボルトの保証荷重を耐えるようには設計されていない。したがって、載置ボルトにおける止めナットに加わった過剰なトルクによって、内部チューブ136および軸受筒150が崩れるため、載置ボルトが役に立たなくなる原因にならない。
図7の実施の形態において、内部チューブ136、軸受筒150、および外側部材132は、当該載置ボルトの保証荷重を超過するよう設計されている。したがって、載置ボルトにおける止めナットに加わった過剰なトルクによって、載置ボルトが壊れる。
図7における載置ボルトは、容易に取り替えることができる。
図7の実施の形態において、内部チューブ136は、載置ボルトの溶接突起(welding boss)を除去するために、内部チューブ136の外側の一部を大きくする。
【0025】
衝撃剤36は、先行技術において公知のスチールショット、砂、または任意の他の衝撃剤でよい。中央パイプ118から衝撃剤36に高い効率でエネルギーを伝送するため、クーロンダンパー128および128’の設計は、中央パイプ118と3点接触で密に取り付けられた、またはボルト連結された大量の衝撃剤36(本実施の形態においては25立方インチが好ましい)を提供する。外側部材132および内側部材134の設計によって、外側部材32および内側部材34の内側表面に、直に接触する任意の衝撃剤36に、エネルギーが伝送される。クーロンダンパー128および128’は、中央パイプ18と密に接触するように制約されたキャニスターの容量を大きく確保し、任意の応用においてコンパクトに設計される。高い効率でエネルギーを伝送するために、クーロンダンパー128および128’は、中央パイプ118にボルトで連結されている。外側部材132および内側部材134は、密度、配置、量、動作のための空隙、および衝撃剤36のための摩擦を最適化するように設計されている。
【0026】
上記実施の形態は、解説および説明を目的として記載されている。当該記載は包括的な開示でもなく、開示を限定するものでもない。ある実施の形態における個々の要素または特徴は、その特定の実施の形態に限定されるものではなく、特定のことが示され、説明されていなくとも、選択された実施の形態において適用可能であるように、あるいは交換可能であるように用いられ得る。同じものが、多様な方法においては変化し得る。そうした変化は、本開示から乖離したものとみなされず、そうした変形も本開示の範囲に含まれるとみなされる。