特許第5721847号(P5721847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721847
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】エネルギー蓄積装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20150430BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20150430BHJP
   G01D 5/353 20060101ALI20150430BHJP
   G01R 31/36 20060101ALN20150430BHJP
【FI】
   H02J7/00 Y
   G02B6/00 301
   G01D5/353 A
   !G01R31/36 Z
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-536576(P2013-536576)
(86)(22)【出願日】2010年10月29日
(65)【公表番号】特表2013-546292(P2013-546292A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2010054735
(87)【国際公開番号】WO2012057787
(87)【国際公開日】20120503
【審査請求日】2013年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】布施 憲一
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−059582(JP,A)
【文献】 特開2004−095361(JP,A)
【文献】 特開2002−289265(JP,A)
【文献】 特開2010−225692(JP,A)
【文献】 特開2002−289262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
G01D 5/353
G02B 6/00
G01R 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する端部の間に縦方向に延びる外壁を有する、バッテリと、
光導波路を含むセンサであって、前記光導波路は、前記対向する端部の間の前記外壁の少なくとも部分に沿って前記バッテリの縦方向に延び、前記光導波路は、外側クラッド層と内側クラッド層の間に配置されたコア層を備え、前記内側クラッド層は、前記バッテリの外壁の少なくとも前記部分に直接接触するように配置される、センサを備え、
前記センサは、前記バッテリの寸法変化を検出するように構成される、エネルギー蓄積デバイス。
【請求項2】
前記外壁は、前記内側クラッド層により被覆され、前記内側クラッド層は、前記コア層により被覆され、前記コア層は、前記外側クラッド層により被覆される、請求項1に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項3】
前記コア層が、硬化樹脂を含み、前記硬化樹脂が、フッ素化ポリイミド光硬化樹脂、アクリルベースの光硬化樹脂、および/またはエポキシベースの光硬化樹脂のうちの1つまたは複数を含む、請求項2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項4】
前記コア層の光透過率が、前記バッテリの外向きの拡張によって前記光導波路にかかる外向き方向の圧力に応答して、減少するように構成される、請求項2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項5】
前記光導波路が、
前記外壁を完全に取り囲む単一の光導波路、
前記外壁の一部を取り囲む単一の光導波路、および/または
前記外壁の周囲のそれぞれの位置に分散された複数の光導波路
のうちの1つまたは複数を備える、請求項4に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項6】
前記バッテリの端部に結合され、光信号を前記光導波路内に発出するように構成された光信号源と、
前記バッテリの他方の端部に結合され、前記光導波路を通過後の前記光信号を受け取るように構成され、前記光導波路を通過後の前記光信号の強度を検出するように構成された検出器と
をさらに備える、請求項4に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項7】
光信号を前記センサに送信するように構成された光源と、
前記センサの出力信号を検出するように構成された検出器と、
前記光源および前記検出器を制御するように構成された制御モジュールであって、前記出力信号の検出された強度が、所定の閾値を下回る、または正常な動作範囲の外側にあると判定された場合に、通知を発行するように構成される、制御モジュールと
をさらに備える、請求項1に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項8】
前記コアの厚さが、50マイクロメートルであり、前記内部クラッドおよび前記外部クラッドの厚さが、60マイクロメートルであり、前記コアの長さが、前記外壁の長さと同じである、請求項2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項9】
前記光導波路の開口数が、0.15である、請求項2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
【請求項10】
バッテリを含むエネルギー蓄積デバイスを形成する方法であって、
前記バッテリの外壁を第1の被覆で被覆することであって、前記外壁が、前記バッテリの対向する端部の間に延び、前記第1の被覆が、第1の光硬化被覆を含む、被覆することと、
前記第1の被覆の硬化部分が、光導波路の内側クラッド層を形成するように、前記第1の被覆の一部を硬化させることであって、前記内側クラッド層が前記バッテリの前記外壁の少なくとも部分に直接接するように配置される、硬化させることと、
前記第1の被覆の未硬化部分を除去することと、
前記第1の被覆の前記硬化部分を第2の被覆で被覆することであって、前記第2の被覆が、第2の光硬化被覆を含む、被覆することと、
前記第2の被覆が、前記光導波路のコア層を形成するように、前記第2の被覆の少なくとも一部を硬化させることと、
前記第2の被覆の未硬化部分を除去することと、
前記第2の被覆の前記硬化部分を第3の被覆で被覆することであって、前記第3の被覆が、第3の光硬化被覆を含む、被覆することと、
前記第3の被覆が、前記光導波路の外側クラッド層を形成するように、前記第3の被覆の少なくとも一部を硬化させることと
を含む方法。
【請求項11】
前記バッテリの前記外壁を前記第1の被覆で被覆することが、射出成形、浸漬被覆、またはロール被覆のうちの1つを使用して、前記外壁を被覆することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の被覆の一部を硬化させることが、前記硬化部分を形成するために、前記第1の被覆に硬化光を集めることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記バッテリの前記対向する端部の一方に反射要素を結合することであって、前記反射要素が、前記光導波路コアの出力信号を光ファイバを介して光検出器に向かわせるように構成される、結合することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記出力信号の強度を測定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記出力信号の前記強度が、閾値強度を下回る、または正常な強度値範囲の外側にある場合に、前記バッテリの寸法変化に関する通知を発行することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
エネルギー蓄積デバイスを監視する方法であって、
一定の強度を有する光信号を光導波路の第1の端部内に発出することであって、前記光導波路が、外側クラッド層と内側クラッド層の間に配置されたコア層を備え、前記内側クラッド層は、バッテリの外壁の少なくとも部分に直接接触するように配置される、発出することと、
前記光導波路を通して送信される前記光信号の強度を検出することと、
前記検出された強度が所定の強度閾値よりも低下したことに応答して、前記バッテリの寸法変化を知らせる通知をトリガすることと
を含む方法。
【請求項17】
前記バッテリの外向きの拡張およびそれに対応する前記光導波路の変形によって引き起こされた、前記光導波路の透過率の減少に応じて、前記検出された強度が、前記所定の強度閾値よりも低下する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記所定の強度閾値が、前記バッテリによって前記光導波路に外向きにかけられる所定の圧力に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記通知に応答して前記エネルギー蓄積デバイスを使用するデバイスをシャットオフすること、
前記バッテリの消費を低減させること、および/または
前記バッテリの寸法変化をユーザに通知することのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光導波路の前記第1の端部内に発出される前記光信号が、前記光導波路を通して前記光導波路の第2の端部に送信され、
前記光導波路を通して送信される前記光信号が、光検出器によって検出され、
前記方法が、前記強度を検出するのに先立って、前記光信号を前記第2の端部から光ファイバを介して前記光検出器にリダイレクトすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書において別途指摘がない限り、本セクションで説明される構成要素は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、また本セクションに含まれることによって先行技術であると認められることはない。
【0002】
今日では、多くの異なるタスクを実行できる多くの電子デバイスが市販されている。スマートフォンなど、いくつかの電子デバイスは、音声通信ばかりでなく、電子メールなど、文書による通信のためにも使用することができる。他の電子デバイスは、音楽を聴くこと、または映画およびテレビ番組を視聴することなど、娯楽目的で使用される。ラップトップコンピュータなど、また別の電子デバイスは、文書処理、表計算、および電子メールなどのために使用することができる。任意の与えられた電子デバイスの特定の機能は、様々であり得るが、一般に、これらのデバイスは、どれもが電力を必要とし、その多くがバッテリ電力を使用して動作するという共通の要件を有する。
【0003】
様々な理由で、これらのタイプの電子デバイス用の電源として、リチウムバッテリがしばしば使用される。リチウムバッテリは、軽量で、比較的大量のエネルギーを蓄積することができ、そのため、長時間にわたって使用することが可能である。電気自動車、およびより小型のハンドヘルドデバイスよりも大量のエネルギーを必要とすることがある他の応用例においても、リチウムバッテリの使用が期待されている。
【0004】
本開示では、リチウムバッテリは他のバッテリ技術にまさる重要な利点を有するが、リチウムバッテリにも対処する必要がある問題があるという点について検討する。特に、リチウムバッテリの安全性は、目下の課題である。リチウムバッテリでは、有機電解質がしばしば使用される。残念なことに、有機電解質は、揮発性および可燃性である。バッテリが過充電されたとき、または陽極もしくは陰極材料、結合剤、導電剤、または他のバッテリ構成要素に不純物が混入した場合、バッテリはしばしば熱くなる。リチウムバッテリが熱くなると、内部圧力が上昇し、バッテリの安全性が問題になり得る。例えば、バッテリが膨張し、破裂または発火することがある。これらの潜在的な安全性問題は、深刻な被害をもたらし得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、一般に、エネルギー蓄積デバイス(energy storage device)に関する。いくつかの例では、エネルギー蓄積デバイスは、バッテリと、センサとを含むことができる。バッテリは、バッテリの対向する端部の間に延びる外壁を有する。光導波路とすることができるセンサは、バッテリの外壁の少なくとも一部と接触するように配置することができる。センサは、バッテリに関連する安全状況(safety condition)を検出するように構成することができる。
【0006】
例示的なエネルギー蓄積デバイスは、光信号を発生するように構成された光源も含むことができる。センサを通して光信号を送信することができ、センサから出て行く光信号に関連する強度レベルを検出することができる。センサの出力信号の強度が、閾値を下回る、または閾値の正常もしくは予想範囲の外側にあると判定された場合、安全状況が検出され、安全状況に関する通知を発行することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスを形成するための方法が、一般的に説明される。バッテリの外壁は、最初に光硬化材料(light−curable material)で被覆される。第1の被覆の一部は、光導波路のコア層(core layer)を形成するために硬化させることができ、外壁から所定の距離のところに配置される。その後、第1の被覆の未硬化部分は、除去することができる。次に、硬化部分が、第2の被覆で被覆され、第2の被覆の一部は、コア層上にクラッド層(cladding layer)を形成するために硬化させられる。
【0008】
様々な実施形態では、エネルギー蓄積デバイスを監視するための方法が、一般的に説明される。実質的に一定の強度を有する光信号を、バッテリの外壁上に配置された光導波路内に発出することができる。光信号の強度を光導波路を通して伝達することができ、その後、検出することができる。強度が所定の強度閾値よりも低下したと判定された場合、バッテリに関連する安全状況を知らせる通知をトリガすることができる。
【0009】
上述の要約は、例示的なものにすぎず、決して限定的であることは意図していない。上で説明した例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、エネルギー蓄積デバイスを含むデバイスのブロック図である。
図2】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、エネルギー蓄積デバイスの説明的な例を示す図である。
図3】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、正常状態にある導波路の上面図の説明的な例を示す図である。
図4】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、損傷状態にあるバッテリおよび導波路の説明的な例を示す図である。
図5】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、バッテリ上の導波路の形成についての説明的な例を示す図である。
図6】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、エネルギー蓄積デバイスを監視するための方法についての説明的な例を示す図である。
図7】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、エネルギー蓄積デバイスを形成するための方法についての説明的な例を示す図である。
図8】本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、ケージ内に取り付けられたエネルギー蓄積デバイスを含むデバイスの図解を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、文脈からそうではないと分かる場合を除いて、一般に、同様の記号は、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲において説明される例示的な実施形態は、限定的であることを意図していない。本明細書で提示される本発明の主旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を施すことができる。本明細書で一般的に説明され、図に示されるような、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計することができ、それらのすべてが本明細書において明示的に企図されていることが容易に理解されよう。
【0012】
本開示の実施形態は、一般に、エネルギー蓄積デバイスに関し、より詳細には、安全性問題を引き起こし得る状況を含むバッテリの状況を感知することに関する。本開示の実施形態は、あるバッテリ状況を識別するために使用できるセンサも含むことができる。これらの状況が検出された場合、バッテリ状況をユーザに通知するために、または検出された状況に対するデバイスによって実施される解決策を開始するために、通知を生成することができる。
【0013】
内部圧力の上昇またはバッテリの寸法の変化などの状況を検出することができる。これらの状況が検出されると、その結果として、バッテリが潜在的な不安全状況にあり得ることを知らせる通知が生成される。この通知によって、不安全状況が継続することを防止するための、または不安全状況を是正し、もしくは不安全状況に関する通知を提供するための、アクションを取ることが可能になる。バッテリが爆発、燃焼、もしくは破裂すること、または他の危険状況にあることを防止するために、例えば、電力消費を低減させること、またはデバイスをシャットオフすることなど、様々なアクションを取ることができる。
【0014】
一例では、センサは、バッテリのケーシングまたはハウジング上に形成される光導波路を含む。バッテリが何らかの理由(例えば、内部発熱、不具合によって誘発されるバッテリの変化)で拡大した場合、バッテリの外部寸法が変化する。寸法の変化によって光導波路にかかる側圧は、光導波路の伝送特性を変化させる。光導波路を通して送られる信号の変化は、不安全状況が検出されたことを示すことができる。
【0015】
図1は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置されたエネルギー蓄積デバイス110を含む、デバイス100のブロック図を示している。デバイス100は、mp3プレーヤ、ビデオプレーヤ、セルラフォン、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ラップトップもしくはノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ラジオ、インターネット接続デバイス、または他のハンドヘルドもしくは電子デバイスなど、あるいはそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない、様々なデバイスを表す。別の例では、デバイス100は、別の物体内に含まれるバッテリパックを表すことができる。デバイス100は、例えば、電気自動車内で使用されるバッテリパックとすることができる。
【0016】
エネルギー蓄積デバイス110は、エネルギーを蓄積することが可能なデバイスを表し、再充電可能バッテリ(例えばリチウムタイプのバッテリ)などのバッテリ104を含む。エネルギー蓄積デバイス110は、再充電可能バッテリに限定されず、他のタイプのエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。エネルギー蓄積デバイス110は、直列および/または並列に結合された複数のセルを含むことができる。エネルギー蓄積デバイス110は、複数の独立にパッケージ化されたエネルギー蓄積デバイスも含むことができる。
【0017】
エネルギー蓄積デバイス110は、バッテリ104と、センサ106とを含むことができる。センサ106は、安全性問題など、バッテリ104に関連する問題を示すことができる、バッテリ104の変化を検出するように構成することができる。バッテリ104は、円筒形、直方体(rectangular)、または他の何らかの形状となるように成形することができる。いくつかの例では、センサ106は、センサ106をバッテリ104から分離できないように、エネルギー蓄積デバイス110内に組み込むことができる。一例では、センサ106は、バッテリ104の外面または外壁118の少なくとも一部の上に配置または形成する。結果として、バッテリ104またはバッテリ104の外壁118の形状のいかなる変化も、同様にセンサ106内に発生することができ、またはセンサ106もしくはセンサ106の出力に反映することができる。より具体的には、センサ106は、バッテリ104の物理的寸法の変化を検出するように構成することができる。
【0018】
エネルギー蓄積デバイス110は、光源102および検出器108に結合することができる。光源102および検出器108は、制御モジュール112(例えばデバイス100のプロセッサ)とインタフェースを取るように適合させることができる。制御モジュール112は、センサ106に結合される、またはセンサ106を介して結合される信号114を発生させるために、光源102に指令を出すように構成することができる。センサ106の出力信号116は、検出器108によって受け取ることができる。制御モジュール112は、検出器108によって受け取った出力信号116を解釈するように構成することができる。出力信号116の変化は、バッテリ104の寸法の変化を反映することができ、寸法の変化は、バッテリ104の上昇内部圧力を反映することができる。
【0019】
制御モジュール112は、デバイス100のメモリ120内に記憶された所定の情報を使用して、出力信号116を解釈するように構成することができる。メモリ120は、例えば、出力信号116を用いて識別できるような、デバイス100に関連する正常な動作範囲を識別するデータを記憶するように適合させることができる。代替として、デバイス100においてエネルギー蓄積デバイス110を使用する準備ができた後に、出力信号116を較正することができる。例えば、バッテリ104が正常に動作しているときに、制御モジュール112は、検出器108を使用して、センサ106の出力信号116を測定するように適合させることができる。出力信号116のこの測定値は、バッテリ104の正常動作中の出力信号116に関連する値の範囲によって示されるような、デバイス100の正常な動作範囲を決定するために使用することができる。較正中にメモリ120内に記憶されるデータが、バッテリ104の、またはより一般にはエネルギー蓄積デバイス110の正常動作を反映することを保証するために、較正中には、例えば、バッテリ104の温度を監視することができる。代替として、デバイス100にエネルギー蓄積デバイス110の正常動作を反映するデータが事前ロードされるように、事前に較正を実行することができる。
【0020】
制御モジュール112は、センサ106の出力信号116を監視するように構成することができる。監視は、所定のスケジュールに従って、デバイス100の使用中に、もしくは感知されたバッテリ104の温度に従ってなど、またはそれらの任意の組合せで、実行することができる。
【0021】
センサ106の出力信号116が、変化した場合、または正常な動作範囲であると見なされる範囲の外側にあると判定された場合、制御モジュール112は、エネルギー蓄積デバイス110に関する潜在的な問題を知らせる通知を生成することができる。通知に応答して、デバイス100は、可能な場合は、是正アクションを取ることができる。是正アクションの例は、ユーザへの通知の発行(例えば、デバイス100のサウンド機能を使用する聴覚通知、デバイスのディスプレイ上に文章を表示するなどの視覚通知など)、バッテリ需要を低減させるアクションの実行、もしくはデバイス100のシャットオフなど、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0022】
図2は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置されたエネルギー蓄積デバイス200の説明的な例を示している。エネルギー蓄積デバイス200は、エネルギー蓄積デバイス110の一例である。エネルギー蓄積デバイス200は、バッテリ104の一例であるバッテリ202と、センサ106の一例である導波路204とを含む。導波路204は、バッテリ204の外壁222上に形成することができるが、一般に、バッテリ202の上部領域218または底部領域220上には形成されない。しかし、導波路204は、バッテリ204の任意の領域もしくは面上、またはバッテリ204の複数の面もしくは側面上に形成することができる。加えて、導波路204は、いくつかの例では、面の一部の上に形成することができる。
【0023】
導波路204は、内側クラッド層206と、コア層208と、外側クラッド層210とを含む、複数の層を含むことができる。エネルギー蓄積デバイス200への入力212は、光源102からの、導波路204に結合された光信号とすることができる。入力212は、導波路204のコア層208に結合することができる。この例では、導波路204は、バッテリ204の円筒部分の周囲に形成することができ、コア層208は、バッテリ202の上部領域218において露出させることができる。
【0024】
光信号とすることができる入力212は、例えば、光ファイバを介してコア層208に伝えることができる。光ファイバの端部は、光ファイバから出て行く信号が導波路204に、より詳細には、コア層208に結合されるように配置することができる。入力212は、バッテリ204の上部領域218において露出させられたコア層208の複数の位置において結合することができる。コア層208は、例えば、オーダが0.15の開口数(numerical aperture)を有することができるが、他の開口数も企図されている。
【0025】
層206、208、210の配置は、入力212が導波路204内を導かれることを保証するように構成される。入力212は、出力信号214として導波路204から出て行く。出力信号214は、直接的に、または鏡などの反射要素216を使用して、検出器108に結合することができる。反射要素216は、光が検出器108上に集まるように構成することもできる。検出器108は、検出された光または光信号の強度に光検出器の出力が依存するように構成された光検出器とすることができる。導波路204内の光信号は、環状の光として導波路204から出て行くことができるが、この構成は、バッテリ204の形状および/または導波路204の構成に応じて変化し得る。出力信号214の変化は、エネルギー蓄積デバイス200に関する安全性問題を示すことができる。
【0026】
コア層208は、出力信号214に反映する透過率を有する。言い換えると、出力信号214の強度は、コア層208の透過率に依存する。したがって、検出器108によって測定されるような出力信号214の強度は、導波路204の透過率の反映である。バッテリ204の寸法が変化した(例えば、バッテリの外壁の形状が変形した)場合、導波路204の物理的特性も同様に変化する。バッテリ202の寸法の変化は、導波路204の透過率に反映することができ、それを出力信号214の強度の変化として検出することができる。
【0027】
例えば、バッテリ202の上昇内部圧力は、バッテリ202の寸法を拡大し、導波路204に圧力をかける、側圧をもたらすことができる。導波路204にかかる側圧、および/またはバッテリ202の寸法の変化は、導波路204の伝送特性を変化させることができる。一般に、伝送特性は悪化する。その結果、出力信号214を監視することで、バッテリ202における潜在的な不安全状況を検出することが可能になる。
【0028】
図3は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、正常状態にある導波路204の上面図の説明的な例を示している。図3は、バッテリ202の外面または外壁302上に導波路204を配置できることを示している。先に述べたように、導波路204は、エネルギー蓄積デバイス200に組み込まれた部分とすることができ、またバッテリ202の変化(例えば寸法の変化)を導波路204によって検出できるように、バッテリ202の外壁302上に形成すること、または外壁302と密に結合することができる。
【0029】
図3では、バッテリ202は、円筒形をしているが、立方体(square)、直方体、円盤(round)、または他の形状を含む、他のバッテリ形状も本開示の範囲内にある。この例では、導波路204は、円筒壁302の周囲に配置することができる。導波路204は、光信号がバッテリ202の一方の側(例えば上部領域)から入り、バッテリ202の他方の側(例えば底部)から出て行くように構成することができる。したがって、導波路は、対向する端部(バッテリ202の上部領域と底部領域)から外壁302に沿って縦方向に延びるように構成することができる。
【0030】
図3には、内側クラッド層206が示されているが、バッテリ202の外壁302は、外壁302(またはその一部)がコア層208のための内側クラッド層として機能することを可能にする特性を有することができる。一般に、コア層208の屈折率は、内側クラッド層206の屈折率および外側クラッド層210の屈折率とは異なる。このことが、コア層の入力からコア層の出力まで光信号をコア層208によって導き得ることを保証する。
【0031】
図4は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態による、損傷状態にあるバッテリ402の説明的な例を示している。図4は、損傷状態にあるエネルギー蓄積デバイス200を示しており、正常状態と損傷状態を区別するために、異なる参照番号を使用している。先に述べたように、(例えば、過熱、過充電、不純物など)様々な状況が、バッテリ402が損傷を受ける原因となり得る。図4は、バッテリ402が拡大し、形状を変化させたところ(例えばバッテリ壁の隆起)を示している。これは、この例では、バッテリ402の楕円形状によって示されているが、(例えば、熱または上昇内部圧力からの)ストレス下にあるバッテリ402の特定の形状は、異なることがあり、バッテリ402の特定の構成に依存し得る。
【0032】
バッテリ402が形状を変化させた(例えば、拡大、膨張、隆起などを起こした)場合、導波路404は、エネルギー蓄積デバイス400に組み込まれた部分であるので、同様に影響を受ける。図4は、内側クラッド層406、コア層408、外側層410が、ある条件下で、異なる形状、構成、および/または方向性(orientation)を有するところを示している。これらの変化は、少なくともコア層408の寸法を変化させる原因となる。例えば、バッテリ402の膨張は、少なくともコア層408が位置412および414において薄くなる原因となり得る。バッテリの寸法の変化は、導波路404の信号経路を変化させ得る。
【0033】
バッテリ402の寸法の変化は、それに対応した影響をコア層408の伝送特性に対して有する。その結果、導波路404の出力信号416は、バッテリ202が正常に、または正常範囲内で動作しているときの、導波路204の出力信号214とは異なり得る。出力信号416の変化は、検出器108から決定することができる。例えば、制御モジュール112は、出力信号416の光強度が予想または正常強度を下回ったことを決定し、したがって、バッテリ402がストレス下にあり得ること、または潜在的な安全性問題を引き起こすおそれがあることを示すインジケータ信号を出力するように構成することができる。制御モジュール112は、出力信号416の強度を出力信号214の強度と比較することによって、バッテリ402に関して問題があり得ることを決定することもできる。
【0034】
図5は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置されたバッテリ524上の導波路522の形成についての説明的な例を示している。導波路522は、センサ106および導波路204の一例である。図5は、導波路522の形成を段階に分けて示している。一般に、各段階は、バッテリの外壁526上に、または導波路522の直近に形成された層上に、樹脂を付着させることを含む。その後、樹脂は、少なくとも部分的に硬化させることができる。より具体的には、樹脂は、樹脂の少なくとも一部を硬化させるために、厚さ方向の所定の位置において照射を受けることができる。未硬化樹脂は、除去することができる。このプロセスは、バッテリ524の外壁の少なくとも一部の上に導波路522が形成されるまで、繰り返すことができる。
【0035】
段階502は、内側クラッド層510の形成を示している。最初に、バッテリ524の外壁526上に樹脂が付着される。外壁526または外壁526の一部は、層形成デバイスによって樹脂で被覆することができる。層形成デバイスは、射出成形(injection molding)、ロール被覆(roll coating)、浸漬被覆(dip coating)、または静電噴霧(electrostatic spraying)などを用いて外壁526を被覆することができる。層形成デバイスは、様々な樹脂または樹脂溶剤を入れるように構成された1つまたは複数の容器を含むことができる。層形成デバイスは、バッテリ524を保持するように構成されたアームも含むことができる。例えば、アームを制御して、バッテリ524を樹脂容器内に浸漬させ、その後、本明細書で開示されたように、樹脂が硬化できるようにバッテリ524を保持させることができる。
【0036】
外壁526上に樹脂が形成または配置された後、樹脂の少なくとも一部が、適切な光を用いて硬化される。一般に、内側クラッド層510を形成できるように樹脂に光が集められるが、部分512は硬化させない。言い換えると、この例では、内側クラッド層510に対応する樹脂の部分は、硬化させることができるが、部分512は、硬化させない。硬化光は、樹脂の厚さ方向524に向けることができる。樹脂の未硬化部分512は、例えば、洗浄によって除去することができる。
【0037】
段階504は、内側クラッド層510の周囲におけるコア層514の形成を示している。この例では、(内側クラッド層510を形成するために使用された樹脂と同じでも、または異なってもよい)樹脂を、先に説明したように、内側クラッド層510の周囲に配置することができる。その後、樹脂は、コア層514に対応する樹脂の部分に硬化光を集めることによって、コア層514を形成するために部分的に硬化させることができる。部分516は、未硬化のまま残され、洗浄によって除去することができる。
【0038】
段階506は、コア層514の周囲における外側クラッド層518の形成を示している。外側クラッド層518は、内側クラッド層510およびコア層514と同様に形成することができる。樹脂をコア層514上に配置し、少なくとも部分的に硬化させて、外側層518(硬化部分)を形成することができる。樹脂の未硬化部分520は、洗浄または他の適切な方法によって除去することができる。
【0039】
段階508は、内側クラッド層510と、コア層514と、外側クラッド層518とを含む、導波路522を示している。この例では、導波路522は、バッテリ524の選択された面上に形成することができる。先に説明したように、導波路522は、円筒形バッテリの上部および底部が導波路を含まないように、円筒形バッテリの円筒面の周囲に形成することができる。加えて、導波路522は、バッテリ524の変化を検出するために必要なように、光信号が導波路522に入り、導波路522から出て行くことができるように、導波路の上部および底部において、処理(例えば、切断、研磨など)を施すことができる。
【0040】
硬化プロセス中、異なる層を硬化させるために、異なる波長の光を使用することができる。例えば、コア層514を硬化させるために、400ナノメートルのオーダの波長を選択することができ、クラッド層510および518を硬化させるために、別の波長を使用することができる。コア層514の厚さは、約50マイクロメートルのオーダとすることができ、クラッド層の厚さは、60ミリメートルのオーダとすることができる。導波路522の長さは、63ミリメートルのオーダとすることができる。これらの寸法は、もっぱら例として提供されたものであり、導波路522の寸法または構成を限定する意図はない。いくつかの事例では、導波路522内の層の寸法は、基礎をなすバッテリのサイズおよび/または形状によって部分的に決定することができる。
【0041】
先に述べたように、例えば、バッテリ524を樹脂または樹脂溶剤に浸漬させることによって、様々な樹脂を付着させることができる。導波路500の各層毎に、バッテリ524を樹脂または樹脂溶剤に浸漬させることができ、バッテリ524を樹脂から取り出すことができ、その後、導波路500の様々な層を作成するために樹脂を硬化させることができる。導波路500の各層毎に、未硬化樹脂を、洗い流すこと、または他の方法で除去することができる。代替として、導波路500内の層の少なくともいくつかは、射出成形によって形成することができる。この場合、バッテリは、金型内に配置することができ、樹脂が、射出され、本明細書で開示したように硬化させられる。
【0042】
いくつかの例では、層形成デバイスは、各バッテリまたはバッテリの一団に対して適切な量の樹脂が供給されたかどうかを判定するために、プロセスを監視するように構成することができる。したがって、層形成デバイスは、同時に複数のバッテリ上に導波路を形成できることがある。樹脂は、シリル化によってフッ素含有の脂環式ジアミン(alicyclic diamine)および脂環式テトラカルボン酸二無水物(alicyclic tetracarbonic dianhydraide)から作成されるフッ素化ポリイミド樹脂(fluorinated polyimide resin)など、液体の光硬化樹脂とすることができる。代替として、樹脂は、アクリルベースまたはエポキシベースの光硬化樹脂とすることができる。
【0043】
図6は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置されたエネルギー蓄積デバイスを監視するための方法600についての説明的な例を示している。方法600は、ブロック602、604、606、および/または608の1つまたは複数によって示されるような、様々な動作、機能、またはアクションを含む。
方法600は、ブロック602において開始することができる。
【0044】
ブロック602(「光信号を発生させる」)において、光源は、光信号を発生させるように構成することができる。光信号を発生させる場合、光信号は、光源によって実質的に一定の強度で発出することができる。光信号を実質的に一定の強度で発出することによって、検出器は、検出器における強度の変化をより容易に識別することができる。ブロック602には、ブロック604が続くことができる。
【0045】
ブロック604(「光信号をセンサを通して送信する」)において、デバイスは、光信号をセンサを通して送信するように構成することができる。発出された光信号は、光導波路などのセンサを通して送信することができる。光導波路は、エネルギー蓄積デバイス内に含まれるバッテリの外面または外壁上に配置することができる。ブロック604には、ブロック606が続くことができる。
【0046】
ブロック606(「光信号を検出する」)において、検出器は、光信号を検出するように構成することができる。より具体的には、導波路から出て行く光信号は、検出器によって検出することができる。検出器は、光信号の強度を決定することができる。例えば、光信号の強度は、導波路の出力信号が制御モジュールによって平均されるように、制御モジュールによって経時的に測定することができる。ブロック606には、ブロック608が続くことができる。
【0047】
ブロック608(「バッテリステータスの通知を生成する」)において、制御モジュールが、バッテリステータスの通知を生成するように構成することができる。エネルギー蓄積デバイスのステータスの通知は、制御モジュールによって生成することができる。光信号の強度が予想される正常範囲よりも低下したと判定された場合、または強度が出力信号の強度の先の測定値とは異なると判定された場合、または強度が強度閾値よりも低下したと判定された場合、通知は、エネルギー蓄積デバイスに関連する安全状況を知らせる警告をトリガすることができる。通知は、自動アクションの発生をトリガするために利用することができる。例えば、通知を使用して、エネルギー蓄積デバイス(バッテリ)が安全性問題を有し得る旨の表示をユーザ向けに生成すること、またはデバイスをオフにすることなどができる。通知に応答して実施されるアクションは、通知の原因となった状況を低減、除去するように構成することができる。
【0048】
本明細書で開示される上記および他のプロセスおよび方法について、プロセスおよび方法において実行される機能は、異なる順序で実施できることを当業者は理解されよう。さらに、概説したステップおよび動作は、もっぱら例として提供されたものであり、開示される実施形態の本質を損なうことなく、ステップおよび動作のいくつかは、任意選択とすることができ、組み合わせてより僅かなステップおよび動作にすることができ、または拡張して追加ステップおよび動作にすることができる。
【0049】
図7は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態に従って配置されたエネルギー蓄積デバイスを形成するための方法700についての説明的な例を示している。方法700は、ブロック702、704、706、および708の1つまたは複数によって示されるような、様々な動作、機能、またはアクションを含む。方法700は、ブロック702において開始することができる。
【0050】
ブロック702(「内側クラッド層を形成する」)において、層形成デバイスは、内側クラッド層を形成するように適合させることができる。内側クラッド層は、層形成デバイスを使用して、バッテリ上に、または必要であれば他のエネルギー装置上に形成することができる。いくつかの事例では、内側クラッド層は、バッテリ自体の外面または外壁の側または周囲に形成することができる。内側クラッド層の形成は、バッテリの外面の少なくとも一部を樹脂で被覆することと、その後、樹脂の一部を硬化させることとを含むことができる。バッテリの外面または外壁と接触する樹脂の一部は、内側クラッド層の硬化部分がバッテリの外面と接触するように、硬化させることができる。このようにして、樹脂の特定の部分を硬化させることができる。樹脂の未硬化部分は、例えば、洗浄によって除去することができる。ブロック704には、ブロック702が続くことができる。
【0051】
ブロック704(「コア層を形成する」)において、層形成デバイスは、コア層を形成するように適合させることができる。コア層は、内側クラッド層上に、または内側クラッド層の周囲に形成することができる。コア層は、内側クラッド層を(内側クラッド層を形成する際に使用された樹脂と同じでも、または異なってもよい)樹脂で被覆し、その後、内側クラッド層と接触する樹脂の一部を硬化させることによって形成することができる。しばしば、コア層を形成するために使用される樹脂は、内側クラッド層を硬化させるために使用された硬化光とは異なる波長を有する硬化光を用いて硬化させることができる。このことは、コア層が内側クラッド層とは異なる屈折率を有することを保証する。その後、未硬化樹脂を除去することができる。コア層を形成する場合、内側クラッド層に隣接する樹脂の部分を硬化させることができ、樹脂被覆の外側部分は未硬化のまま残されるように、硬化光を集めることができる。ブロック704には、ブロック706が続くことができる。
【0052】
ブロック706(「外側クラッド層を形成する」)において、層形成デバイスは、外側クラッド層を形成するように適合させることができる。外側クラッド層は、コア層上に形成することができる。外側クラッド層は、内側クラッド層と同様の方法で形成することができる。したがって、コア層は、(コア層および内側クラッド層を形成する際に使用された樹脂と同じでも、または異なってもよい)樹脂で被覆することができる。その後、コア層と接触する樹脂の一部を硬化させることができ、未硬化樹脂はすべて除去される。一例では、外側クラッド層を形成する際に使用される樹脂のすべてを、一例では硬化させることができる。ブロック706には、ブロック708が続くことができる。
【0053】
ブロック708(「導波路を研磨する」)において、仕上げデバイスは、導波路を研磨するように適合させることができる。したがって、内側クラッド層と、コア層と、外部コア層とによって形成される導波路は、研磨することができる。より具体的には、研磨機が、導波路の入口および/または出口を研磨することができる。これには、光信号を導波路に進入させ、または導波路と結合し、導波路から受け取ることができるように、導波路の端部を下処理することを含むことができる。端部は、層形成デバイス内に含まれ得る仕上げデバイスによって、この態様中に切断および/または研磨することができる。
【0054】
図8は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態による、ケージ804内に取り付けられたエネルギー蓄積デバイス802を含む、デバイス800の説明的な例を示している。エネルギー蓄積デバイス802は、エネルギー蓄積デバイス110の一例である。この例では、エネルギー蓄積デバイス802は、デバイス800のケージ804内に取り付けることができる。ケージ804は、エネルギー蓄積デバイス802がデバイス800に電力を供給できるように構成された、接点812および814を含むことができる。
【0055】
この例では、光源102から導波路816に光信号を伝えるために、ケージ804内に光ファイバ806を配置することができる。光ファイバ806は、光信号を導波路816内の複数の位置に送信するために、接合することができる。この例では、光ファイバ806の端部818は、光源102からの光信号を導波路816に送信することができるように、導波路816の端部に十分に接近して配置することができる。
【0056】
光信号が導波路816から出て来ると、反射要素216は、出力信号をアグリゲータ(aggregator)に向かわせることができ、アグリゲータは、出力信号を光ファイバ810に送り込むように構成され、光ファイバ810は、出力信号を検出器108に結合するように構成される。
【0057】
本開示は、様々な態様の例示として意図されている、本出願で説明された特定の実施形態に関して限定されない。当業者には明らかなように、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更および変形を施すことができる。本明細書で列挙された方法および装置に加えて、本開示の範囲内にある機能的に等価な方法および装置も、上述の説明から当業者には明らかであろう。そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲に権利が与えられる均等物の全範囲を伴う、そのような特許請求の範囲の請求項によってのみ限定される。本開示は、当然のこととして様々であり得る、特定の方法、試薬、化合物、合成物、または生体系に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、もっぱら特定の実施形態の説明を目的としたものであり、限定する意図はないことも理解されたい。
【0058】
例示的な実施形態では、本明細書で説明された動作、プロセスなどはいずれも、コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令として実施することができる。コンピュータ可読命令は、モバイルユニット、ネットワーク要素、および/または他の任意のコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行することができる。
【0059】
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができる様々な達成手段があり(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。例えば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの何らかの組合せを選択することができる。
【0060】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、装置および/またはプロセスの様々な実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組合せにより、個別におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは実質上それらの任意の組合せとして、等価に集積回路に実装することができることを、当業者は認識するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムを様々な形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
【0061】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(例えば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、コンポーネントの移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。
【0062】
本明細書に記載された主題は、様々なコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他の様々なコンポーネントに包含されるか、または他の様々なコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0063】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0064】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0065】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループに関して説明される場合、本開示が、それによって、マーカッシュグループのいずれか個々の要素またはマーカッシュグループの要素からなるサブグループに関しても説明されていることが当業者には理解されよう。
【0066】
当業者であれば理解されるように、文書による説明を提供することなどに関するありとあらゆる目的のため、本明細書で開示されたすべての範囲は、すべての範囲のありとあらゆる可能な部分範囲および部分範囲の組合せも包含する。いずれの列挙された範囲も、当該範囲を十分に説明したものとして、また当該範囲を少なくとも等分に2分割、3分割、4分割、5分割、10分割などすることが可能なものとして容易に認識することができる。非限定的な一例として、本明細書で説明された各範囲は、下位3分の1、中間3分の1、および上位3分の1などに容易に分割することができる。やはり当業者であれば理解されるように、「最大で」、「少なくとも」などのすべての言葉は、挙げられた数を含み、上で説明されたように後で部分範囲に分割できる範囲に言及している。最後に、当業者であれば理解されるように、範囲は、各個別要素を含む。したがって、例えば、1つ〜3つのセルを有する群は、1つ、2つ、または3つのセルを有する群に言及している。同様に、1つ〜5つのセルを有する群は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのセルを有する群に言及しており、その他についても同様である。
【0067】
上記のことから、本開示の様々な実施形態は、本明細書では説明の目的で説明されたこと、本開示の範囲および主旨から逸脱することなく、様々な変更を施すことができることが理解されよう。したがって、本明細書で開示された様々な実施形態は、限定的であることは意図しておらず、真の範囲および主旨は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8