(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721872
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】アダプタアセンブリおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 19/00 20060101AFI20150430BHJP
G01D 11/30 20060101ALI20150430BHJP
G01K 1/14 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
G01L19/00 101
G01D11/30 S
G01K1/14 E
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-13162(P2014-13162)
(22)【出願日】2014年1月28日
(62)【分割の表示】特願2010-502193(P2010-502193)の分割
【原出願日】2008年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-132268(P2014-132268A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2014年2月21日
(31)【優先権主張番号】11/731,393
(32)【優先日】2007年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506297016
【氏名又は名称】アッシュクロフト インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】ベセッテ タイラー ジョン
【審査官】
森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−135949(JP,U)
【文献】
実開昭57−11318(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
G01K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を含む測定装置の第1の継ぎ手であって、前記軸部が雄ねじを含む第1の継ぎ手と、
前記第1の継ぎ手を受け入れるサイズの開口部を画成する第2の継ぎ手であって、(i)当接面を画成し、(ii)雄ねじを含む第2の継ぎ手と、を備え、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定されない場合に、前記第1の継ぎ手の軸部が、第1の外部容器の第1の開口部に作動的に直接連結され、前記測定装置が前記第1の外部容器に関連する処理媒質から測定を行うよう構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合に、前記第2の継ぎ手が、(i)前記当接面を前記第1の継ぎ手の外方端に当接させて前記第1の継ぎ手の周囲に配置され、(ii)少なくとも1つの溶接部を介して前記第1の継ぎ手に固定され、(iii)第2の外部容器の第2の開口部に作動的に直接連結され、前記測定装置が前記第2の外部容器に関連する処理媒質から測定を行うよう構成され、
前記軸部が前記第1の外部容器の前記第1の開口部に作動的に直接連結される場合に、前記軸部の前記雄ねじが、前記第1の外部容器の前記第1の開口部に直接螺合されるように構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第2の外部容器の前記第2の開口部に作動的に直接連結される場合に、前記第2の継ぎ手の前記雄ねじが、前記第2の外部容器の前記第2の開口部に直接螺合されるように構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され、前記第1の継ぎ手に固定される場合に、前記第2の継ぎ手の前記雄ねじの少なくとも一部が、前記軸部の径方向において前記軸部の前記雄ねじの少なくとも一部に重なり、
前記第1の外部容器の第1の開口部のサイズが、前記第2の外部容器の第2の開口部のサイズと異なる、
測定装置システム。
【請求項2】
前記第2の継ぎ手は、前記第1の継ぎ手の前記軸部の前記雄ねじに螺合する雌ねじをさらに備え、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合に、前記第2の継ぎ手は、前記軸部の雄ねじによって前記第1の継ぎ手の周囲に配置され、前記軸部は、前記第2の継ぎ手の当接面が前記第1の継ぎ手の外方端に当接するまで前記第2の継ぎ手の雌ねじに螺合する、
請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項3】
前記第1の継ぎ手を前記第2の継ぎ手に固定する前記少なくとも1つの溶接部がタングステン不活性ガス(「TIG」)溶接によるものである、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項4】
前記第1の継ぎ手を前記第2の継ぎ手に固定する前記少なくとも1つの溶接部が、前記溶接部と作動的に関係する溶加材またはインサート材なしの溶接によるものである、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項5】
前記測定装置が圧力測定装置または温度測定装置である、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項6】
前記軸部がガスケットをさらに備え、前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合、前記ガスケットが前記第1の継ぎ手と前記第2の継ぎ手との間の封止部を形成する、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項7】
軸部を含む、測定装置の第1の継ぎ手であって、前記軸部が雄ねじを含む第1の継ぎ手を用意するステップと、
前記第1の継ぎ手を受け入れるサイズの開口部を画成する第2の継ぎ手であって、(i)当接面を画成し、(ii)雄ねじを含む第2の継ぎ手を用意するステップと、
前記第2の継ぎ手の前記当接面を前記第1の継ぎ手の外方端に当接させて前記第2の継ぎ手を前記第1の継ぎ手の周囲に配置するステップと、
前記第1の継ぎ手を前記第2の継ぎ手に溶接し、これによって少なくとも1つの溶接部によって前記第1の継ぎ手を前記第2の継ぎ手に固定するステップと、
を含み、
前記第1の継ぎ手の軸部が、第1の外部容器の第1の開口部に作動的に直接連結されるように構成および寸法設計され、前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される前において前記測定装置が前記第1の外部容器に関連する処理媒質から測定を行うよう構成され、
固定された前記第2の継ぎ手が、第2の外部容器の第2の開口部に作動的に直接連結されるように構成および寸法設計され、前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合に、前記測定装置が前記第2の外部容器に関連する処理媒質から測定を行うよう構成されており、
前記軸部が前記第1の外部容器の前記第1の開口部に作動的に直接連結される場合に、前記軸部の前記雄ねじが、前記第1の外部容器の前記第1の開口部に直接螺合されるように構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第2の外部容器の前記第2の開口部に作動的に直接連結される場合に、前記第2の継ぎ手の前記雄ねじが、前記第2の外部容器の前記第2の開口部に直接螺合されるように構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され、前記第1の継ぎ手に固定される場合に、前記第2の継ぎ手の前記雄ねじの少なくとも一部が、前記軸部の径方向において前記軸部の前記雄ねじの少なくとも一部に重なり、
第1の外部容器の第1の開口部のサイズが、第2の外部容器の第2の開口部のサイズと異なる、
測定装置システムの製造方法。
【請求項8】
前記第2の継ぎ手は、前記第1の継ぎ手の前記軸部の前記雄ねじに螺合する雌ねじをさらに備え、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合に、前記第2の継ぎ手は、前記軸部の雄ねじによって前記第1の継ぎ手の周囲に配置され、前記軸部は、前記第2の継ぎ手の当接面が前記第1の継ぎ手の外方端に当接するまで前記第2の継ぎ手の雌ねじに螺合する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の継ぎ手への前記第1の継ぎ手の溶接がタングステン不活性ガス(「TIG」)溶接によるものである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の継ぎ手への前記第1の継ぎ手の溶接が、前記溶接部と作動的に関係する溶加材またはインサート材なしの溶接によるものである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記測定装置が圧力測定装置または温度測定装置である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記軸部がガスケットをさらに備え、前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合に、前記ガスケットが前記第1の継ぎ手と前記第2の継ぎ手との間の封止部を形成する、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
軸部を含む、測定装置の第1の継ぎ手であって、前記軸部が雄ねじを含む第1の継ぎ手と、
前記第1の継ぎ手を受け入れるサイズの円筒開口部を画成する第2の継ぎ手であって、前記第2の継ぎ手が(i)当接面を画成し、(ii)前記第1の継ぎ手の軸部の雄ねじと螺合する雌ねじを含み、(iii)雄ねじを含む第2の継ぎ手と、を備え、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定されない場合に、前記第1の継ぎ手の軸部が、第1の外部容器の第1の開口部に作動的に直接連結され、前記測定装置が前記第1の外部容器に関連する処理媒質から測定を行うよう構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され固定される場合に、前記第2の継ぎ手が、(i)前記軸部の雄ねじによって前記第1の継ぎ手の周囲に配置され(ここで前記軸部は、前記第2の継ぎ手の当接面が前記第1の継ぎ手の外方端に当接するまで前記第2の継ぎ手の雌ねじに螺合する)、(ii)少なくとも1つの溶接部を介して前記第1の継ぎ手に固定され、(iii)第2の外部容器の第2の開口部に作動的に直接連結され、前記測定装置が前記第2の外部容器に関連する処理媒質から測定を行うよう構成され、
前記軸部が前記第1の外部容器の前記第1の開口部に作動的に直接連結される場合に、前記軸部の前記雄ねじが、前記第1の外部容器の前記第1の開口部に直接螺合されるように構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第2の外部容器の前記第2の開口部に作動的に直接連結される場合に、前記第2の継ぎ手の前記雄ねじが、前記第2の外部容器の前記第2の開口部に直接螺合されるように構成され、
前記第2の継ぎ手が前記第1の継ぎ手の周囲に配置され、前記第1の継ぎ手に固定される場合に、前記第2の継ぎ手の前記雄ねじの少なくとも一部が、前記軸部の径方向において前記軸部の前記雄ねじの少なくとも一部に重なり、
前記第1の外部容器の第1の開口部のサイズが、前記第2の外部容器の第2の開口部のサイズと異なる、
測定装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アダプタアセンブリとアダプタアセンブリの作製方法とに関し、特に圧力計などの測定装置と組み合わせて使用されまたはその一部として形成される基本的なねじ込み式継ぎ手と連係するねじ込み式アダプタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温度および圧力の測定に用いられる器具および計器などの測定装置は、産業界において無数の用途を有する。さまざまな製造業者間の価格競争は、市場における1つの因子である。したがって、製造業者が材料や労力などのコストを節減すれば、その製造業者の売り上げ、市場占有率、および販売利益にかなりの影響を及ぼしうる。したがって、これらの製造業者間には、費用効率の良い製造手法の開発が常に必要とされている。
【0003】
例えば、処理媒質の圧力を測定する圧力計は周知である。圧力計は、多種多様な環境において商業用および工業用に有用である。一般に、圧力計は圧力を測定し、その値を表示する。圧力値は、通常、アナログ形態で(例えば、ポインタによって)、またはデジタル形態で(例えば、電子値によって)表示される。
【0004】
測定装置、例えば圧力計、は、容器またはシステムの内容物に対して圧力測定を行うために、その容器またはシステムに取り外し可能に連結しうるソケット継ぎ手を含むこともある。一般に、ソケット継ぎ手の外方端には、このソケット継ぎ手およびこれに連結された圧力計を容器/システム、例えばタンク、パイプ、反応器など、に連結および連結解除するためのねじが形成されている。例えば、多くの圧力計は、ねじ込み式開口または代替のねじ込み式受け口との連係用の1/4インチNPTねじをソケット継ぎ手に含む。
【0005】
ただし、ねじゲージがそれぞれ異なる、例えば1/2インチNPTねじ対1/4インチNPTねじ、の圧力計継ぎ手を収容するように工業用途が設計される場合もある。このような状況においては、適切に寸法設計されたNPTねじをソケット継ぎ手に設けるように圧力計を設計する必要がある。一般に、さまざまな工業ニーズを満たそうとする納入業者は、所望される各ねじ寸法用のソケット継ぎ手を有する製品を製造する必要がある。したがって、顧客の要求を満足させるには、一般的な測定機器メーカは、同じ製品の在庫、例えばねじ寸法がそれぞれ異なるさまざまなソケット継ぎ手を有する同じ圧力計の在庫、を保持することが要求されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さまざまなサイズ/寸法のソケット継ぎ手の製造において、製造業者は、一般に、外径がそれぞれ異なる複数の管材を製造/調達し、必要なねじをその外面に機械加工する。単一の圧力計設計への取り付けのために複数の異なるソケット継ぎ手を作製するという点で、かなりの非効率性が生じる。例えば、サイズがそれぞれ異なるソケット継ぎ手を収容するには、基になる圧力計に対する設計変更が一般に必要とされ、例えば、圧力計の筐体は、より大きなソケット継ぎ手を受け入れるために、より大きな開口および/またはより深い空隙を必要としうる。逆に、より小さいソケット継ぎ手の場合は、より小さいサイズ/深さの開口が必要になる。したがって、さまざまなサイズの継ぎ手が必要になるばかりでなく、連結される圧力計筐体/アセンブリに対して異なる部品表が必要になりうる。これらの設計および製造上の違いは、製造工程および在庫コストにかなりの影響を及ぼす。実際に、ソケット継ぎ手の寸法のみが異なる圧力計ごとにそれぞれ別個の部品在庫を保持する必要があることは、極めて非効率的であり、費用がかさむ。
【0007】
本開示のアセンブリおよび方法は、上記および他の非効率性および改良の機会に取り組み、および/または打開するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、好ましいアダプタアセンブリと、好ましいアダプタアセンブリの製造方法とを提供する。複数の例示的実施態様において、本開示は、ねじ込み式アダプタアセンブリと、圧力計などの測定装置と組み合わせて使用されまたはその一部を構成する基本的なねじ込み式継ぎ手と連係するねじ込み式アダプタの作製方法とを提供する。
【0009】
本開示は、軸部を含む第1の測定装置の第1の継ぎ手と、第1の継ぎ手を受け入れるサイズの開口部を画成する第2の継ぎ手と、第1の継ぎ手を第2の継ぎ手に固定する少なくとも1つの溶接部とを含み、第2の継ぎ手は当接面を画成し、その当接面を第1の継ぎ手の外方端に当接させて第2の継ぎ手が第1の継ぎ手の周囲に配置される測定装置システムを提供する。
【0010】
本開示は、第1の継ぎ手の軸部が雄ねじをさらに含む測定装置システムをさらに提供する。本開示は、第2の継ぎ手が第1の継ぎ手の軸部の雄ねじに螺合する雌ねじをさらに含む測定装置システムをさらに提供する。本開示は、第2の継ぎ手が雄ねじをさらに含む測定装置システムをさらに提供する。
【0011】
本開示は、第1の継ぎ手を第2の継ぎ手に固定する少なくとも1つの溶接部がタングステン不活性ガス(「TIG」)溶接によるものである測定装置システムをさらに提供する。本開示は、第1の継ぎ手を第2の継ぎ手に固定する少なくとも1つの溶接部が、この溶接部と作動的に関係する溶加材またはインサート材なしの溶接によるものである測定装置システムをさらに提供する。
【0012】
本開示は、第1の測定装置が圧力測定装置である測定装置システムをさらに提供する。本開示は、第1の測定装置が温度測定装置である測定装置システムをさらに提供する。
【0013】
本開示は、軸部がガスケットをさらに含み、このガスケットが第1の継ぎ手と第2の継ぎ手との間の封止部を形成する測定装置システムをさらに提供する。本開示は、ガスケットがOリングである測定装置システムをさらに提供する。
【0014】
本開示は、軸部を含む、第1の測定装置の第1の継ぎ手を用意するステップと、第1の継ぎ手を受け入れるサイズの開口部を画成する第2の継ぎ手であって、当接面を画成する第2の継ぎ手を用意するステップと、第2の継ぎ手の当接面を第1の継ぎ手の外方端に当接させて第2の継ぎ手を第1の継ぎ手の周囲に配置するステップと、第1の継ぎ手を第2の継ぎ手に溶接し、これによって第1の継ぎ手を第2の継ぎ手に少なくとも1つの溶接部によって固定するステップとを含む、測定装置システムの製造方法をさらに提供する。
【0015】
本開示は、第1の継ぎ手の軸部が雄ねじをさらに含む測定装置システムの製造方法をさらに提供する。本開示は、第2の継ぎ手が第1の継ぎ手の軸部の雄ねじに螺合する雌ねじをさらに含む測定装置システムの製造方法をさらに提供する。本開示は、第2の継ぎ手が雄ねじをさらに含む測定装置システムの製造方法をさらに提供する。
【0016】
本開示は、第2の継ぎ手への第1の継ぎ手の溶接がタングステン不活性ガス(「TIG」)溶接によるものである測定装置システムの製造方法をさらに提供する。本開示は、第2の継ぎ手への第1の継ぎ手の溶接が、溶接部と作動的に関係する溶加材またはインサート材なしの溶接によるものである測定装置システムの製造方法をさらに提供する。
【0017】
本開示は、第1の測定装置が圧力測定装置である測定装置システムの製造方法をさらに提供する。本開示は、第1の測定装置が温度測定装置である測定装置システムの製造方法をさらに提供する。
【0018】
本開示は、軸部がガスケットをさらに含み、このガスケットが第1の継ぎ手と第2の継ぎ手との間の封止部を形成する測定装置システムの製造方法をさらに提供する。本開示は、このガスケットがOリングである測定装置システムの製造方法をさらに提供する。
【0019】
本開示は、軸部を含む、第1の測定装置の第1の継ぎ手であって、この軸部が雄ねじを含む第1の継ぎ手と、第1の継ぎ手を受け入れるサイズの円筒開口部を画成する第2の継ぎ手であって、第2の継ぎ手は当接面を画成し、第2の継ぎ手は雄ねじを含み、その当接面を第1の継ぎ手の外方端に当接させて第1の継ぎ手の周囲に配置される第2の継ぎ手と、第1の継ぎ手を第2の継ぎ手に固定する少なくとも1つの溶接部とを含む測定装置システムをさらに提供する。
【0020】
本開示は、軸部の雄ねじが1/4インチNPTねじであり、第2の継ぎ手の雄ねじが1/2インチNPTねじである、測定装置システムをさらに提供する。
【0021】
開示されているシステムおよび方法を当業者が作製および使用しやすいように、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示による測定装置およびアダプタ継ぎ手の一例示的実施形態の組み付け前の前面斜視図である。
【
図2】ソケット継ぎ手とそのアダプタ継ぎ手アセンブリの一例示的実施形態の断面図である。
【
図3】本開示によるアダプタ継ぎ手の一例示的実施形態の前面立面図である。
【
図4】本開示による
図3の線A−Aにほぼ沿った切断立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明において、同様の部分は、明細書本文および全図面にわたって、同じ参照符号で示されている。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、一部の図においては、分かりやすくするために誇張されている部分もある。
【0024】
次に図面を参照すると、特に
図1おいて、そこから測定を行うねじ込み式開口(図示せず)に測定装置10を取り付けるためのねじ込み式軸部16を有するソケット継ぎ手14に嵌合しているケース12を有する測定装置10の一実施形態が図示されている。例えば、測定装置10は圧力測定装置でもよく、例えば圧力計や圧力変換器などが挙げられるが、これだけに限定されるものではない。別の実施形態において、測定装置10は温度測定装置である。ただし、本願明細書に記載されている説明から当業者には容易に明らかなように、圧力または温度測定装置だけが本開示の原理に従って使用できる測定装置ではない。
【0025】
測定対象の(または測定先の)容器、反応器、または他のシステムに結合されているねじ込み式開口へのソケット継ぎ手14の接続は、ねじ込み式軸部16の雄ねじ18により可能になる。例えば、ソケット継ぎ手14をタンク、パイプ、加圧水炉などの容器に作動的に連結することもできる。一実施形態において、ねじ込み式軸部16の雄ねじ18は、1/4インチNPTねじである。ソケット継ぎ手14の中心部には、容器、反応器、または他のシステムへの測定装置10の連結または切り離しを容易にするために、レンチを受け止める、および/またはレンチと連係する、1つ以上の平坦領域28が通常設けられる。
【0026】
ソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16は、外方端22をさらに含む。
図1および
図3には、雄ねじ54を有するねじ部52を含むアダプタ継ぎ手50がさらに示されている。一実施形態において、アダプタ継ぎ手50の雄ねじ54は、1/2インチNPTねじである。
【0027】
図2を参照すると、ソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16の周囲に配置されたアダプタ継ぎ手50が図示されている。
図2および
図4から分かるように、アダプタ継ぎ手50は、ソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16を受け入れるサイズの開口部58(
図4)を画成するように構成される。一実施形態において、開口部58は円筒開口部である。
【0028】
一実施形態において、アダプタ継ぎ手50はねじ込み式軸部16の周囲への滑り嵌めによって嵌まる。この場合、ねじ込み式軸部16の外方端22がアダプタ継ぎ手50の当接面56に当接するまで、ねじ込み式軸部16を開口部58に挿入するか、あるいは開口部58をねじ込み式軸部16の周囲に配置する。一代替実施形態において、アダプタ継ぎ手50は、アダプタ継ぎ手50をねじ込み式軸部16の周囲に配置するときにねじ込み式軸部16の雄ねじ18に螺合する雌ねじ(図示せず)を含む。この場合、ねじ込み式軸部の外方端22がアダプタ継ぎ手50の当接面56に当接するまで、アダプタ継ぎ手50をねじ込み式軸部16にねじ込む。
【0029】
アダプタ継ぎ手50は、
図2および
図4に示すように、アダプタ内腔62へのアダプタ入り口60をさらに含む。一実施形態において、アダプタ内腔62は円筒形である。
【0030】
図2から分かるように、ねじ込み式軸部16の外方端22がアダプタ継ぎ手50当接面56に当接するまでアダプタ継ぎ手50をソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16の周囲に配置すると、アダプタ内腔62により状態の測定が可能になる。すなわち、アダプタ内腔62とソケット入り口開口部26とを介してソケット内腔24内に状態を通し/検知することによって、温度や圧力、または他の何らかの値であろうと、その状態の測定が可能になる。一実施形態において、ソケット内腔24は円筒形である。ソケット内腔24は、入り口開口部26から測定装置機構、例えばブルドン管など、までソケット継ぎ手14内に延在する。一実施形態において、インジケータ30は、一般に、圧力や温度、または他の何らかの状態であろうと、測定装置によって測定された値を表す角度位置まで測定装置の中心軸を中心に回転するように、測定装置10に取り付けられる。測定装置機構の実際の素子は、従来からのものであり、本開示の一部を形成していないので、図示されていない。
【0031】
一実施形態においては、
図2および
図4から分かるように、アダプタ継ぎ手は、溶接接合部64をさらに含む。一実施形態においては、
図2から分かるように、ねじ込み式軸部16の外方端22がアダプタ継ぎ手50の当接面56に当接するまでアダプタ継ぎ手50がソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16の周囲に配置されると、溶接接合部64と、溶接接合部64の最も内側の部分に隣接するソケット継ぎ手14との間の接触領域が溶接対象の線を構成する。アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64は、ソケット継ぎ手14に溶接される。溶接後、溶接された部分の間の線に沿ってビード(図示せず)が一般に形成される。
【0032】
一代替実施形態において、ねじ込み式軸部16の外方端22がアダプタ継ぎ手50の当接面56に当接するまでアダプタ継ぎ手50がソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16の周囲に配置されると、当接面56の最も内側の部分に隣接するソケット継ぎ手14の外方端22と当接面56との間の接触領域が溶接対象の別の線を構成する。アダプタ継ぎ手50の当接面56は、ソケット継ぎ手14に溶接される。溶接後、溶接された部分の間の線に沿ってビード(図示せず)が一般に形成される。
【0033】
一実施形態においては、アダプタ継ぎ手50の当接面56をソケット継ぎ手14に溶接する前に、アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64をソケット継ぎ手14に溶接する。別の実施形態においては、アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64をソケット継ぎ手14に溶接する前に、アダプタ継ぎ手50の当接面56をソケット継ぎ手14に溶接する。アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64をソケット継ぎ手14に溶接し、アダプタ継ぎ手50の当接面56をソケット継ぎ手14に溶接すると、溶接接合部64のみをソケット継ぎ手14に溶接したアダプタアセンブリに比べ、あるいは当接面56のみをソケット継ぎ手14に溶接したアダプタアセンブリに比べ、溶接されたアダプタアセンブリの強度(破壊圧力およびアンダートルク)が向上する。
【0034】
溶接工程は、一般に金属接合工程であり、溶加材を追加して、または追加せずに、母材同士が溶融し合う適温まで加熱することによって融合を生じさせる。溶加材を使用する場合、溶加材は、一般に母材とほぼ同じ融点と組成とを有する。溶接工程の一種として、ろう付けおよび半田付けが挙げられる。ろう付けは、融点が接合対象の母材の融点よりは低いが、華氏800°(摂氏425°)よりは高い非鉄溶加材を用いて融合を生じさせる金属接合方法である。半田付けは、融点が接合対象の母材の融点より低く、華氏800°(摂氏425°)未満で溶融しうる非鉄合金を用いて、適温まで加熱することによって融合を生じさせる金属接合方法である。
【0035】
一般に、溶加材またはインサート材を使用しない溶接は、1つの要素を工程および最終製品の両方から排除することによって、部品の結合コストを最小限に抑える。溶加材またはインサート材を使用しない溶接は、溶接を行う作業者側に求められる技術的手腕および方法ステップも減らす。さらに、溶加材またはインサート材を使用しない溶接は、工程を自動化または半自動化しやすくする。したがって、溶加材またはインサート材を使用しない溶接は、このような溶接が可能であるか、または技術的に実施可能である場合に、一般に好ましい。
【0036】
本開示の一実施形態において、アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64は、溶加材またはインサート材を用いずに、ソケット継ぎ手14に溶接される。別の実施形態において、アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64は、溶加材またはインサート材を用いずに、ソケット継ぎ手14に溶接され、アダプタ継ぎ手50の当接面56は、溶加材またはインサート材を用いずに、ソケット継ぎ手14に溶接される。別の実施形態において、アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64は、溶加材またはインサート材を用いずに、タングステン不活性ガス(「TIG」)溶接により、ソケット継ぎ手14に溶接される。別の実施形態において、アダプタ継ぎ手50の溶接接合部64は、溶加材またはインサート材を用いずに、タングステン不活性ガス(「TIG」)溶接により、ソケット継ぎ手14に溶接され、アダプタ継ぎ手50の当接面56は、溶加材またはインサート材を用いずに、タングステン不活性ガス(「TIG」)溶接により、ソケット継ぎ手14に溶接される。
【0037】
一実施形態においては、ケース12、ソケット継ぎ手14、および/またはアダプタ継ぎ手50を手または1つ以上の適切な固定具(図示せず)のどちらかによって支持して各部品をそれぞれの望ましい最終的な向きに機械的に保持することによって、部品の溶接を行う。支持用の固定具を利用する場合、支持用固定具は、放熱特性、または溶接技術において通常の特性以外の特性、を提供するための特別な配慮を一般に必要としない。
【0038】
本開示は、溶接装置を溶接対象の部品間の接触線に隣接させて配置する。一実施形態においては、市販のガスタングステンアーク溶接機(タングステン不活性ガス(「TIG」)溶接機としても公知)(図示せず)を、約75%のヘリウムと約25%のアルゴンの被覆混合物と共に、溶接対象の部品間の接触線に密接させる。ガス比、圧力制御比、エンベロープ調整制御などに関する溶接装置または機構の設定は、全て市販のアーク溶接機の一般的な動作パラメータの範囲内である。これらの設定の調整は、溶接対象の部品に応じた溶接技術の当業者の標準的技能の範囲内である。次に、溶接装置と溶接対象の部品との間で動きを生じさせる。例えば、固定具と支持されている部品とを手で、または機械的に、回転させることによって、溶接線を連続的に絶え間なく溶接装置に向けるための動きを生じさせることができる。
【0039】
溶接工程中、溶接機構と固定具(利用する場合)とは、溶接装置によって熱エネルギー、すなわち熱、を加えることによって、金属部品の連続部分を絶え間なく溶融させる。材料の連続的なパッドリングおよび混合により、冷却後に分子間結合が生じる。この溶接部は、溶接された部品間の接触線に対応する溶接線が単一であることを特徴とする。溶加材またはインサート材を利用した場合は、金属部品および溶接部の横断切断部は、溶接線が1本ではなく、2本になるであろう。上記の方法は、手動、半自動、または自動溶接に容易に適合化可能である。
【0040】
本開示により実施される溶接が申し分ないものであることを実証するためにテストを行った。一実施形態においては、溶接後、アダプタ継ぎ手50がソケット継ぎ手14に溶接された測定装置は、媒質を漏らすことなくソケット継ぎ手14内に封止できた。さらに、溶接後、溶接部が破裂することなく75,000psiに保持され、安全な破裂圧力が達成された。75,000psiにおいて、アダプタ継ぎ手50と測定を行うねじ込み式開口との間のねじ込み式継ぎ手は壊れ始めたが、溶接されたアダプタ継ぎ手50からの破壊はなかった。
【0041】
ただし、TIG溶接装置の代わりに他の種類の溶接装置、例えば市販の抵抗溶接装置など、も使用できることを理解されたい。
【0042】
本開示の別の実施形態においては、少なくとも1つのガスケット材(図示せず)がねじ込み式軸部16に配置されるので、ねじ込み式軸部16の外方端22がアダプタ継ぎ手50の当接面56に当接するまでアダプタ継ぎ手50をソケット継ぎ手14のねじ込み式軸部16の周囲に配置すると、ガスケット材がアダプタ継ぎ手50とねじ込み式軸部16との間のさらなる封止部を形成する。一実施形態において、ガスケット材はOリングである。
【0043】
本開示の少なくとも1つの実施形態の1つの利点は、完全なソケットに比べ、アダプタ継ぎ手50への機械加工を必要とする形状構成が少ないことである。したがって、完全なソケットに比べ、アダプタ継ぎ手の機械加工に必要な機械加工時間が一般に短くなるため、結果としてコスト優位性がもたらされる。さらに、本開示は、一般的な測定機器メーカが数種類の異なるねじサイズ用にそれぞれ異なるソケット継ぎ手を有する同じ製品の在庫を保持する必要をなくし、ソケット継ぎ手の周囲に配置されるアダプタ継ぎ手を提供し、これによって製造業者および納入業者の在庫要件を減らし、結果としてかなりの商業上の利点をもたらす。
【0044】
この開示の範囲から逸脱することなく、上記の構成に多くの変更を行い、この開示の多くのさまざまな実施形態を実施できるであろう。したがって、添付図面および明細書本文に含まれている全ての事項は例示として解釈され、限定の意味では解釈されないものとする。さらなる修正、変更、および置換は上記の開示内容に含まれるものとする。したがって、添付の特許請求の範囲は広義に、かつ本発明の範囲と矛盾しないように解釈されることが適切である。