特許第5721890号(P5721890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5721890
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20150430BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20150430BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20150430BHJP
   H03M 11/04 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   G06F3/048 654A
   G06F3/048 620
   G06F3/023 310L
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-153716(P2014-153716)
(22)【出願日】2014年7月29日
【審査請求日】2014年7月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507417422
【氏名又は名称】株式会社 ゆうちょ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和浩
【審査官】 海江田 章裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−350590(JP,A)
【文献】 特開2008−040984(JP,A)
【文献】 特開2007−172071(JP,A)
【文献】 特開2010−086064(JP,A)
【文献】 特開2014−212419(JP,A)
【文献】 BIGLOBE IDやパスワードを入力しやすく!「ソフトウェアキーボード」機能,BIGLOBE会員サポートブログ,2010年11月 5日,URL,http://voice.support.biglobe.ne.jp/201011/article_2.html
【文献】 セキュリティについて(ソフトキーボード),群馬銀行,2006年 3月20日,URL,https://www.gunmabank.co.jp/kojin/payeasy/softkey.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/023
G06F 3/0488
H03M 11/04
G06F 21/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理部と、
前記表示画面に表示されているポインタ移動中と判定した場合に前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する第1の機能、及び、前記表示画面のタッチ位置移動中と判定した場合に前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する第2の機能のうち少なくとも何れかの機能を有するキー内容表示処理部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記キー表示処理部は、前記情報処理装置がパスワード入力の受付処理を開始すると、前記キーを配列したパスワード入力の画像を表示し、
前記キー内容表示処理部は、前記受付処理の開始時に前記各キーに割り当てるキーの内容の割り当てを決定し、
前記キー内容表示処理部が前記第1の機能を有する場合、前記キー内容表示処理部は、前記受付処理の開始から終了までの間の前記ポインタの移動中、前記受付処理の開始時に決定した割り当てに従って前記各キーの領域にキーの内容を表示し、
前記キー内容表示処理部が前記第2の機能を有する場合、前記キー内容表示処理部は、前記受付処理の開始から終了までの間の前記タッチ位置の移動中、前記受付処理の開始時に決定した割り当てに従って前記各キーの領域にキーの内容を表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記キー内容表示処理部が前記第1の機能を有する場合、前記キー内容表示処理部は、前記ポインタが移動を開始すると前記各キーの領域にキーの内容を表示し、前記ポインタが移動を停止すると前記各キーの領域に表示されているキーの内容を非表示に
前記キー内容表示処理部が前記第2の機能を有する場合、前記キー内容表示処理部は、前記タッチ位置が移動を開始すると前記各キーの領域にキーの内容を表示し、前記タッチ位置が移動を停止すると前記各キーの領域に表示されているキーの内容を非表示にする、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記キー内容表示処理部が前記第1の機能を有する場合、前記キー内容表示処理部は、前記ポインタの移動中、前記キーを操作すると入力される文字を前記各キーの領域に表示

前記キー内容表示処理部が前記第2の機能を有する場合、前記キー内容表示処理部は、前記タッチ位置の移動中、前記キーを操作すると入力される文字を前記各キーの領域に表示する、
請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理と、
前記表示画面に表示されているポインタ移動中と判定した場合に前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する第1の機能、及び、前記表示画面のタッチ位置移動中と判定した場合に前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する第2の機能のうち少なくとも何れかの機能を実現するキー内容表示処理と、を実行する、
情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理と、
前記表示画面に表示されているポインタ移動中と判定した場合に前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する第1の機能、及び、前記表示画面のタッチ位置移動中と判定した場合に前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する第2の機能のうち少なくとも何れかの機能を実現するキー内容表示処理と、を実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理技術の発展に伴い、パスワードやその他各種の機密情報をコンピュータに入力する機会が増大している。このため、近年では、キー入力の内容が第三者へ漏洩する可能性を低減する各種技術が提案されている(例えば、特許文献1−2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−72262号公報
【特許文献2】特開2007−109106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画面に表示されているキーを操作する場合、ポインタや指、タッチペン等の各種指示手段が指し示すキーの刻印が第三者に盗み見られてキー入力の内容が漏えいする虞がある。このため、キーの刻印の表示を制限し、画面を盗み見た第三者がキー入力の内容を把握不能にする方策が考えられる。しかし、キー入力の作業中に刻印の表示が制限される場合、ユーザは、キー入力の開始前に操作対象のキーの位置を予め覚えておく必要がある。よって、誤入力の発生や入力作業の負担増大といった操作性の低下が懸念される。
【0005】
そこで、本願は、操作性の低下を抑制しつつ、画面に表示されているキーを操作する際の入力内容の漏洩を抑制可能な情報処理装置、方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、表示画面にキーを配列した画像を表示しておき、表示画面に表示されているポインタの移動中または表示画面のタッチ位置の移動中、各キーの領域にキーの内容を表示することで、操作性の低下を抑制しつつ、画面に表示されているキーを操作する際の入力内容の漏洩を抑制することにした。
【0007】
詳細には、情報処理装置であって、表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理部と、前記表示画面に表示されているポインタの移動中または前記表示画面のタッチ位置の移動中、前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示するキー内容表示処理部と、を備える。
【0008】
ここで、キーの内容とは、キーを押した場合に処理される入力内容であり、例えば、キーを押した場合に入力が認識される英字や数字といった各種の文字情報や、キーを押した場合に実行される各種機器の動作内容を示した情報が挙げられる。また、表示画面のタッチ位置とは、表示画面にタッチする指、タッチペン等の各種接触体が接触している位置である。
【0009】
上記情報処理装置であれば、キーを押す際のポインタまたはタッチ位置の移動停止により、ポインタや指、タッチペン等の各種指示手段が指し示すキーの内容が非表示になるので、表示画面を第三者に盗み見られてもキー入力の内容が漏えいする可能性が低減する。
【0010】
また、上記情報処理装置であれば、ポインタまたはタッチ位置が動けば各キーの領域に
キーの内容が表示されるため、キーを操作しようとするユーザは、ポインタまたはタッチ位置の移動を開始するだけで、操作したいキーの位置を確認できる。よって、ユーザは、キー入力の開始前に操作対象のキーの位置を予め覚えておかなくても、ポインタまたはタッチ位置の移動を開始した状態で操作対象のキーの位置を特定できる。これにより、誤入力の発生や入力作業の負担増大といった操作性の低下が抑制される。
【0011】
なお、前記キー表示処理部は、前記情報処理装置がパスワード入力の受付処理を開始すると、前記キーを配列したパスワード入力の画像を表示し、前記キー内容表示処理部は、前記受付処理の開始時に前記各キーに割り当てるキーの内容の割り当てを決定し、前記受付処理の開始から終了までの間の前記ポインタまたは前記タッチ位置の移動中、前記受付処理の開始時に決定した割り当てに従って前記各キーの領域にキーの内容を表示するものであってもよい。このような情報処理装置であれば、各キーに割り当てるキーの内容の割り当てが、パスワード入力の受付処理が開始される度に行われるため、キーの位置からキーの内容を把握することが困難となる。よって、ポインタや指、タッチペン等の各種指示手段が示すキーの位置を第三者に盗み見られても、キーの位置から入力内容が漏えいする可能性を抑制可能である。
【0012】
また、前記キー内容表示処理部は、前記ポインタまたは前記タッチ位置が移動を開始すると前記各キーの領域にキーの内容を表示し、前記ポインタまたは前記タッチ位置が移動を停止すると前記各キーの領域に表示されているキーの内容を非表示にするものであってもよい。このような情報処理装置であれば、ポインタまたはタッチ位置の移動を開始すれば、操作したいキーの位置を直ちに確認できる。また、ポインタまたはタッチ位置の移動を停止すれば、キーの内容が直ちに非表示になるので、キー入力の内容の漏洩を抑制できる。
【0013】
また、前記キー内容表示処理部は、前記ポインタまたは前記タッチ位置の移動中、前記キーを操作すると入力される文字を前記各キーの領域に表示するものであってもよい。このような情報処理装置であれば、表示画面を第三者に盗み見られてもキー入力する文字の情報が漏えいする可能性が低減する。
【0014】
なお、本発明は、方法としての側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、コンピュータが、表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理と、前記表示画面に表示されているポインタの移動中または前記表示画面のタッチ位置の移動中、前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示するキー内容表示処理と、を実行する入力方法であってもよい。
【0015】
また、本発明は、プログラムとしての側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、コンピュータに、表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理と、前記表示画面に表示されているポインタの移動中または前記表示画面のタッチ位置の移動中、前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示するキー内容表示処理と、を実行させる入力プログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記情報処理装置、方法およびプログラムであれば、操作性の低下を抑制しつつ、画面に表示されているキーを操作する際の入力内容の漏洩を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成図の一例である。
図2図2は、ユーザ端末のハードウェア構成図の一例である。
図3図3は、ユーザ端末内に実現される機能ブロックを示した図の一例である。
図4図4は、パスワードの入力画面を示した図の一例である。
図5図5は、ユーザ端末が実行する処理フローを示した図の一例である。
図6図6は、キーを配列した画像を示した図の一例である。
図7図7は、各キーの領域に英数字を配置した画像を示した図の一例である。
図8図8は、数字の「9」のキーがクリックされた際の画像を示した図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0019】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成図の一例である。実施形態に係る情報処理システムSYSは、図1に示すように、ユーザ端末1やネットワーク2、サーバ3によって形成される。サーバ3は、ユーザ端末1を操作するユーザへ提供する各種のサービスを実現する装置である。サーバ3は、パスワード入力によって承認したユーザに対してサービスを提供するものであれば、如何なる内容のサービスを提供するものであってもよい。パスワード入力によって承認されたユーザに対して提供するサービスとしては、例えば、預金を取り扱うインターネットバンキングサービス、各種有料コンテンツの配信サービス、ウェブメールやSNS(Social Networking Service)といった各種情報の取扱い
サービス、その他、ユーザ認証を伴う各種サービスを挙げることができる。
【0020】
ユーザ端末1は、サーバ3にアクセスするユーザが操作する情報処理装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレットPC、スマートフォン等の各種装置が挙げられる。ユーザ端末1には、ポインティングデバイスの一種であるマウス4が設けられている。
【0021】
図2は、ユーザ端末1のハードウェア構成図の一例である。ユーザ端末1は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む制御部、制御部が実行するプログラムや関連情報等の各種情報を記憶する
記憶装置、ネットワーク2を介した通信を行うための通信I/F(インタフェース)、各種情報を表示する表示装置、キーボードやマウス4等の入力装置を備える情報処理装置である。
【0022】
図3は、ユーザ端末1内に実現される機能ブロックを示した図の一例である。ユーザ端末1からサーバ3へのアクセスが行われると、サーバ3からダウンロードされるソフトウェアキーボードのプログラムをユーザ端末1の制御部においてCPUが解釈及び実行し、キー表示処理部1Aやキー内容表示処理部1B、入力処理部1Cを実現する。サーバ3からダウンロードされるソフトウェアキーボードのプログラムは、例えば、ユーザ端末1がサーバ3へアクセスした際にユーザ端末1へダウンロードされるホームページのHTML(HyperText Markup Language)文書に含まれる。
【0023】
キー表示処理部1Aは、マウス4が設けられているユーザ端末1の表示画面に、キーを配列した画像を表示する機能を司る。キー内容表示処理部1Bは、マウス4によるポインタの移動中、表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示する機能を司る。入力処理部1Cは、マウス4によって選択されたキーを特定し、特定したキーの内容をユーザ端末1への入力として受付処理する。
【0024】
ユーザがユーザ端末1を操作してサーバ3にアクセスすると、ホームページのHTML文書がユーザ端末1にダウンロードされ、ユーザ認証に用いるパスワードの入力画面が表示装置に表示される。図4は、パスワードの入力画面を示した図の一例である。ユーザが
マウス4を操作してポインタ5を動かし、パスワードの入力画面に表示されている「ソフトウェアキーボードを使う」というボタンにポインタ5を位置合わせした状態でクリック操作を行うと、ユーザ端末1は、以下のような情報処理を実現する。
【0025】
図5は、ユーザ端末1が実行する処理フローを示した図の一例である。以下、ユーザ端末1において実現される情報処理について、図5の処理フローを参照しながら説明する。
【0026】
ユーザ操作により、ソフトウェアキーボードの使用が選択されると、キー表示処理部1Aが、キーを配列した画像をユーザ端末1の表示装置に表示する(S101)。図6は、キーを配列した画像を示した図の一例である。パスワードの入力画面に表示されている「ソフトウェアキーボードを使う」というボタンがクリックされると、キーを配列した画像が表示される。
【0027】
次に、キー内容表示処理部1Bが、各キーの内容を決定する(S102)。各キーの内容は、例えば、次のようにして決定される。すなわち、例えば、パスワードが英数字によって構成される場合、キー内容表示処理部1Bは、AからZまでの英字26文字と、0から9までの数字10文字の全36文字を、キー表示処理部1Aが表示する各キーの何れかに各々ランダムに割り当てる。
【0028】
次に、キー内容表示処理部1Bは、ポインタ5が移動中であるか否かの判定を行う(S103)。キー内容表示処理部1Bは、ポインタ5が停止しており、ステップS103の処理で否定判定を行った場合、画面表示されている各キーの領域に「*」を表示し、ステップS102の処理において決定された各キーの内容を非表示の状態とする(S104)。
【0029】
一方、キー内容表示処理部1Bは、ポインタ5が移動しており、ステップS103の処理で肯定判定を行った場合、画面表示されている各キーの領域に、ステップS102の処理において決定した各キーの内容を表示する(S105)。図7は、各キーの領域に英数字を配置した画像を示した図の一例である。ステップS103の処理で肯定判定を行った場合、キー内容表示処理部1Bは、ステップS102の処理において決定した各キーの内容を表示したキー配列の画面を表示する。なお、キー内容表示処理部1Bは、ステップS102の処理において何れの文字も割り当てられないキーが存在する場合、当該キーの領域にダミーの文字を表示するか、或いはキーに何らの表示も無い状態とする。図7では、ダミーの文字として「ダイヤ」が表示されているが、ダミーの文字は英字および数字以外の如何なる文字であってもよい。
【0030】
入力処理部1Cは、画面表示されているキーがクリックされたか否かの判定を行う(S106)。入力処理部1Cは、画面表示されているキーがクリックされたことを検知した場合、クリックされたキーをポインタ5の座標から特定し、特定したキーの内容をユーザ端末1への入力として受付処理する。図8は、数字の「9」のキーがクリックされた際の画像を示した図の一例である。入力処理部1Cは、画面表示されているキーがクリックされたことを検知した場合、クリックされたキーが数字の「9」であることをポインタ5の座標から特定し、数字の「9」というキーの内容をユーザ端末1への入力として受付処理する。これにより、パスワードの入力欄には入力された文字に対応する「*」の文字が追加される。
【0031】
ユーザ端末1は、ソフトウェアキーボードのウィンドウをクローズする操作が行われるまでの間、上記ステップ103からステップS107までの処理を繰り返し実行する(S108)。また、ソフトウェアキーボードのウィンドウをクローズする操作が行われると、ユーザ端末1は、キー表示処理部1Aやキー内容表示処理部1B、入力処理部1Cの機
能を停止し、ソフトウェアキーボードの画像を画面から消去する。
【0032】
上記ユーザ端末1では、ソフトウェアキーボードの使用が選択されると、上記ステップS103からステップS107までの処理が繰り返し実行されるため、マウス4が操作されてポインタ5が移動を開始すると、図7に示したように各キーの領域にキーの内容が表示され、マウス4の操作が止まってポインタ5が移動を停止すると、図6に示したように各キーの領域に表示されているキーの内容が非表示になる。
【0033】
このため、上記実施形態に係るユーザ端末1であれば、キーを押す際のポインタ5の移動停止により、ポインタ5が指し示すキーの内容が非表示になるので、表示画面を第三者に盗み見られてもキー入力の内容が漏えいする可能性が低減する。例えば、ユーザ端末1に、マウス4をクリック操作した際の画面がキャプチャするスパイウェア等が仕組まれた場合であっても、クリック操作時はポインタ5が指し示すキーの内容が非表示になっているので、画面を盗み見た第三者はキー入力の内容を把握することができない。
【0034】
また、上記実施形態に係るユーザ端末1であれば、ポインタ5が動けば各キーの領域にキーの内容が表示されるため、キーを操作しようとするユーザは、マウス4でポインタ5の移動を開始するだけで、操作したいキーの位置を確認できる。よって、ユーザは、キー入力の開始前に操作対象のキーの位置を予め覚えておかなくても、マウス4の移動を開始した状態で操作対象のキーの位置を特定できる。これにより、誤入力の発生や入力作業の負担増大といった操作性の低下が抑制される。
【0035】
このように、上記実施形態に係るユーザ端末1であれば、操作性の低下を抑制しつつ、画面に表示されているキーをポインティングデバイスで操作する際の入力内容の漏洩を抑制することができる。なお、上記実施形態では、上記ステップS101からステップS108までの一連の処理を、CPU等を備える情報処理装置が実現していたが、これらの処理によって実現される機能は、ポインティングデバイスによる入力操作のみを受け付ける入力専門の装置や、その他各種の装置によって実現してもよい。また、上記実施形態では、ステップS101の処理を実行した後に、ステップS102の処理を実行しているが、キーの表示と各キーの内容の決定は如何なる順序で実行してもよい。また、上記実施形態では、英字のキーと数字のキーの両方を配列したソフトウェアキーボードの画像がユーザ端末1に表示されていたが、ユーザ端末1は、数字のキーのみを配列したソフトウェアキーボード、英字のキーのみを配列したソフトウェアキーボード、或いは数字や英字以外の文字のキーを配列したソフトウェアキーボードを表示してもよい。また、上記実施形態では、文字のキーを配列したソフトウェアキーボードの画像がユーザ端末1に表示されていたが、ユーザ端末1は、文字以外の各種入力操作を受け付けるためのキーを配列した操作パネル状の画像を表示し、文字以外の入力操作を受け付けるようにしてもよい。また、上記実施形態では、キーの枠を配列した画像がユーザ端末1に表示されていたが、ユーザ端末1は、枠の無いキーを配列した画像を表示するようにしてもよい。枠の無いキーを配列した画像としては、例えば、各キーの領域に互い違いの着色を施した画像や、キー配列であることを想起させるように「*」等の文字を縦横に並べた画像を挙げることができる。キー配列であることを想起させるように「*」等の文字を縦横に並べた画像の場合、本願でいう「各キーの領域」には少なくとも「*」等の文字が表示されている部位が含まれることになる。
【0036】
また、上記実施形態では、ポインタ5が動くと各キーの領域にキーの内容が表示されていたが、ユーザ端末1に設けられるポインティングデバイスは、マウスに限定されるものではない。例えば、タッチパッドやタッチパネルといった各種のポインティングデバイスを適用することも可能である。例えば、ユーザ端末1に設けられるポインティングデバイスとしてタッチパネルが適用されている場合、タッチパネルをタッチしている指やタッチ
ペン等の各種接触体が接触状態を維持したまま動くと、ユーザ端末1は、当該接触体が接触している位置が動いていることを検知し、キーの内容を表示することになる。
【符号の説明】
【0037】
SYS・・情報処理システム;1・・ユーザ端末;2・・ネットワーク;3・・サーバ;4・・マウス;5・・ポインタ;1A・・キー表示処理部;1B・・キー内容表示処理部;1C・・入力処理部
【要約】
【課題】本願は、操作性の低下を抑制しつつ、画面に表示されているキーを操作する際の入力内容の漏洩を抑制可能な情報処理装置、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置であって、表示画面にキーを配列した画像を表示するキー表示処理部と、前記表示画面に表示されているポインタの移動中または前記表示画面のタッチ位置の移動中、前記表示画面に表示されている各キーの領域にキーの内容を表示するキー内容表示処理部と、を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8