【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膚に塗布される医薬ゲル組成物であって、少なくとも1つのビタミンDまたはビタミンDアナログおよび少なくとも1つのコルチコステロイドを含み、一方では組成物の塗布時および保存時にコルチコステロイドを実質的に沈降させないために十分であり、かつ他方では罹患皮膚領域への組成物の均一な分布を容易にするために十分である粘度をもたらす量で増粘用賦形剤をさらに含む医薬ゲル組成物に関する。
【0007】
本発明のゲル組成物は、容易に塗布することができるために、そしてかなり低い油性の外観のために(これにより、頭皮の乾癬に苦しんでいる患者に組成物がより受容され易い)、頭皮への塗布に特に好都合であることが見出された。
別の局面において、本発明は、ヒトにおける乾癬および関連した状態(例えば、頭皮の皮脂乾癬)を局所的に処置する医薬品を製造するための、上記に定義されるゲル組成物の使用に関する。
【0008】
本発明に関連して、用語「十分」は、粘度に関連して使用されるとき、一方では、コルチコステロイド(これは分散粒子の形態で組成物中に存在する)が組成物から沈降しないことを確保するために十分に粘度が高いことを意味すると理解される(沈降すると、患部領域にわたるコルチコステロイドの塗布が必然的に不均一になり得る)。他方では、塗布物の粘度は、活性成分のむらのない投薬を確実にするために、患者が、組成物の必要量を利用可能な容器(例えば、チューブなど)から容易に取り出し、必要量を患部領域全体に一様に塗布することができるように十分に低くなければならない。
【0009】
本発明の組成物を頭皮に塗布する場合、粘度は、組成物が塗布された領域から他の領域(特に、顔)に「漏出」することを実質的に防止するように十分に高く確保することが特に重要である。同様に、活性成分の正確な投薬を確実にするために、毛髪で覆われている皮膚領域に組成物が容易に塗布されることが重要である。
【0010】
実際、これは、粘度を、好ましくは、約5mPa・s〜約500mPa・s(特に約10mPa・s〜約250mPa・s、例えば、約20mPa・s〜約100mPa・s)の範囲内にすべきであることを意味する。粘度は、好適には、700s
−1および20℃で、Haake VT550粘度計において、NV1デバイスを伴うカップ/ローター法によって測定することができる。
【0011】
現在好ましい実施形態において、組成物の好適な粘度は、組成物が静置時にゲルの形態であるように、チキソトロープゲル化剤を増粘用賦形剤として含むことによって得ることができる。チキソトロープ剤は、容易に塗布される一方で、塗布後などの静置時に粘度が増大し、その結果、組成物が塗布された皮膚の患部領域から非患部領域に典型的には漏出しなくなるという利点を有する。好適なチキソトロープゲル化剤の一例は硬化ひまし油である。
別の実施形態では、増粘用賦形剤は、ワックス(例えば、Cera Alba(白蝋)またはCera Flava(黄蝋))、ポリエチレン、または微結晶ワックス(Esma−P(登録商標)など)から選択され得る。
【0012】
組成物がエマルションであるとき、エマルションは、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルもしくはポリオキシエチレンオレイルエーテル、またはポリエチレングリコールジポリヒドロキシステアレートから選択され得る好適な乳化剤を含む油中水型エマルションまたは水中油型エマルションであり得る。
【0013】
ある種のビタミンDアナログ(それらは約8を越えるpHで最大の安定性を有する)が酸性環境において不安定であるという問題、およびコルチコステロイド(それらは約4〜6のpHで最大の安定性を有する)がアルカリ性環境において不安定であるという問題を回避するために、さらには、組成物が実質的に非水性であることが好ましい。用語「実質的に非水性」は、組成物が約5%未満(好ましくは約2%未満、例えば、約1.5%未満)の水分含有量を有することを意味することが意図される。
【0014】
従って、組成物は好ましくは、ビタミンDアナログを溶解または可溶化するその能力の故に選択された少なくとも1つの実質的に非水性の溶媒を含む。溶媒は、好適には、
(i)一般式R
3(OCH
2C(R
1)H)
xOR
2(I)の化合物(式中、xは2〜60の範囲内であり、x個のユニットのそれぞれにおけるR
1は独立してHまたはCH
3であり、R
2は直鎖または分枝鎖のC
1〜20アルキルまたはベンゾイルであり、R
3はHまたはフェニルカルボニルオキシである);
(ii)C
4〜C
8ジカルボン酸のジ(直鎖または分枝鎖)C
4〜10アルキルエステル;
(iii)直鎖または分枝鎖のC
12〜18アルキルベンゾエート;
(iv)直鎖または分枝鎖のC
10〜18アルカン酸またはアルケン酸の直鎖または分枝鎖のC
2〜4アルキルエステル;
(v)C
8〜14アルカン酸とのプロピレングリコールジエステル;および
(vi)分枝鎖の一級C
18〜24アルカノール
からなる群から選択され得る。
【0015】
上記に示された群の1つから選択される溶媒を含有するそのような組み合わせ組成物において、そして実質的に非水性の環境において、活性成分は、それらの異なるpH/安定性プロフィルにもかかわらず、分解することなく共存し得ることが見出された。活性化合物が、pHに関して相互に影響する傾向は最小限であるか、または除かれる。
【0016】
上記に定義される一般式(I)において、因子x(これは括弧内のユニットの数を表す)は好ましくは4〜50の範囲内であり、より好ましくは4〜40の範囲内であり、特に4〜30の範囲内であり、特に5〜25の範囲内であり、より詳細には約15などの10〜20の範囲内である。さらに、R
1がCH
3であることが好ましい。
溶媒が、一般式H(OCH
2C(R
1)H)
xOR
2(II)の化合物(式中、R
1、xおよびR
2は上記に定義される通りである)およびその混合物から選択されることが好ましい。
【0017】
上記に定義されるタイプ(i)〜(vi)の溶媒の非限定的な具体例として、商品名を含めて、下記を挙げることができる:
Arlamol E(ポリオキシエチレン(15)ステアリルエーテル);
Arlamol DoA(アジピン酸のジイソオクチルエステル);
Arlasolve 200(ポリオキシエチレン−20−イソヘキサデシルエーテル);
Eutanol G(2−オクチルドデカノール);
Finsolv(安息香酸イソステアリル);
Finsolv P(ポリオキシプロピレン−15−ステアリルエーテルベンゾエート);
直鎖または分枝鎖のC
10〜C
18アルカン酸またはアルケン酸のイソプロピルエステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルリノレートおよびイソプロピルモノオレエートなど;
Miglyol 840(カプリル酸およびカプリン酸のプロピレングリコールジエステル);
DPPG(プロピレングリコールジペラゴネート);
Procetyl AWS(CH
3(CH
2)
14CH
2(OCH(CH
3)CH
2)
5−(OCH
2)
20OH)。
【0018】
本発明に関連して、用語「ビタミンDアナログ」は、ビタミンD骨格を有し、側鎖が修飾され、および/またはビタミンD骨格自体が修飾された合成化合物を意味することが意図される。この用語は、天然に存在するビタミンD誘導体(代謝産物など)を含むことを意図しない。
【0019】
本発明の組成物に含まれるビタミンDアナログは、好ましくは、セオカルシトール(seocalcitol)、カルシポトリオール(calcipotriol)、カルシトリオール(calcitriol)、タカルシトール(tacalcitol)、マクサカルシトール(maxacalcitol)、パリカルシトール(paricalcitol)、ファレカルシトリオール(falecalcitriol)、1α,24S−ジヒドロキシ−ビタミンD2および1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−[((3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンならびにそれらの混合物からなる群から選択される化合物である。
【0020】
より好ましくは、ビタミンDアナログは、カルシポトリオール、カルシトリオール、タカルシトール、マクサカルシトールおよび1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−[((3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンならびにそれらの混合物からなる群から選択される。合成されたビタミンDアナログが、本発明による組成物では、天然に存在するビタミンD類またはビタミンD誘導体よりも好ましい。これは、後者の治療効果が、乾癬などの皮膚疾患の処置に対してあまり選択的でないことがあると考えられるからである。
【0021】
ビタミンDアナログのさらなる例を以下に挙げるが、それらは本発明を制限するものではない:
アルファカルシドール(alphacalcidol);
1α-ヒドロキシ-ビタミンD2;
1α-ヒドロキシ-ビタミンD5;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6-ヒドロキシ-6-メチル-1-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタ-1(E)-エン-1-イル-9,10)-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6-エチル-6-ヒドロキシ-1-オクチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(7-ヒドロキシ-7-メチル-1-オクチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-1(E)-エン-1-イル-9,10)-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0022】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6'-メチル-1'-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(5'-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4'-ヒドロキシ-4'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6'-ヒドロキシ-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5'-ヒドロキシ-5'-エチル-1'-ヘプチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5'-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5'-メチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4'-ヒドロキシ-4'-(1"-プロピル)-1'-ヘプチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0023】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4'-ヒドロキシ-4'-メチル-1'-ペンチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3'-ヒドロキシ-3'-メチル-1'-ブチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1(E)-エン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5'-ヒドロキシ-5'-メチルヘキサ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5'-エチル-5'-ヒドロキシヘプタ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(6'-ヒドロキシ-ヘキサ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5'-シクロプロピル-5'-ヒドロキシペンタ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン(5'(R)異性体および5'(S)異性体);
【0024】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(6'-ヒドロキシ-6'-メチルヘプタ-1'(E),3"(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-(2-ヒドロキシ-2-ペンチル)フェニルメトキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-(3-ヒドロキシ-3-プロピル)フェニルメトキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンタ-2-イニルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-5,5,5-トリフルオロ-1-ペンタ-2-イニルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェノキシメチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)-5-メチルフェニル)メトキシ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)-5-メトキシフェニル)メトキシ)メチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0025】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-ヒドロキシ-3-エチル-1-ペンチルチオメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-ヒドロキシ-3-エチル-1-ペンチルスルホニルメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-((1-ヒドロキシ-1-メチル)エチル)フェニルチオメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6'-エチル-6'-ヒドロキシオクタ-1'-イン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(7'-エチル-7'-ヒドロキシノナ-1'-イン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1,5-ジヒドロキシ-5-エチル-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メトキシ-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-エトキシ-5-エチル-5-ヒドロキシ-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-メトキシ-4-ヒドロキシ-4-エチル-2-ヘキシン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
【0026】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-エトキシ-4-ヒドロキシ-4-エチル-2-ヘキシン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)(Z)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)(Z)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(6-エチル-6-ヒドロキシ-1-オクチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)(Z)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-4,4-ジフルオロ-5-ヒドロキシヘプチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4,4-ジクロロ-5-ヒドロキシ-5-メチルヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4,4-ジフルオロ-5-ヒドロキシ-5-メチルヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-フルオロ-4-メチルペンチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-エチル-4-フルオロヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-フルオロ-5-メチルヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0027】
1(S),3(R),20(S)-トリヒドロキシ-20-(4-メチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-メトキシ-20-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-エトキシ-20-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-[3-(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロポキシ)プロパ-1E-エン-1-イル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシルチオ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[5-メチル-5-ヒドロキシ-1-ヘキシルチオ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[3-(1-メチル-1-ヒドロキシエチル)ベンジルチオ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-メチル-3-ヒドロキシ-1-ブチルチオ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1(E)-エン-3-イン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
24-オキソ-1(S),3(R),25-トリヒドロキシ-20(S)-9,10-セココレスタ-5(Z),7(E)-,10(19)-トリエン;
【0028】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-オキソ-4-ヒドロキシ-4-エチル-1-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(5-メチル-5-ヒドロキシヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-エチル-4-ヒドロキシヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-エチル-4-ヒドロキシヘキサ-2-イニニルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンタ)-2-イン-1-イルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(3,1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニルメチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-メトキシ-4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-エトキシ-4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R),25-トリヒドロキシ-(20(S)-9,10-セココレスタ-5(Z),7(E),10(19),23(E)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-(20(S)-(6'-ヒドロキシ-6'-メチル-4'(E)-ヘプテン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R),22(S),25-テトラヒドロキシ-20(R),9,10-セココレスタ-5(Z),7(E),10(19),23(E)-テトラエン;
【0029】
22(S)-エトキシ-1(S),3(R),25-トリヒドロキシ-10(R)-9,10-セココレスタ-5(Z),7(E),10(1,23(E)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(3-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェノキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(R)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(3-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニルチオメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(R)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンタ-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(S)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1(E),3(E)-ジエン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(S)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-シクロプロピル-3-ヒドロキシプロパ-1(E)-エン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエン(24(S)異性体)またはその対応する24(R)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(1,5-ジヒドロキシ-5-エチル-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)Z-テトラエン、両方の22-異性体。
【0030】
コルチコステロイドは、I、II、IIIまたはIV群の局所用ステロイドであり得る。コルチコステロイドは、好ましくは、ベタメタゾン(9−フルオロ−11,17,21−トリヒドロキシ−16−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン)およびそのエステル(21−アセテート、17−アダマントエート、17−ベンゾエート、17−バレレートおよび17,21−ジプロピオネートなど);アルクロメタゾンおよびそのエステル(ジプロピオネートなど);クロベタゾールおよびそのエステル(プロピオネートなど);クロベタゾンおよびそのエステル(17−ブチレートなど);デソキシメタゾン;ジフルコルトロンおよびそのエステル、ジフロラゾンおよびそのエステル(ジアセテートなど);フルオシノニド;フルメタゾンおよびそのエステル(ピバレートなど);フルオシノロンならびにそのエーテルおよびエステル(アセトニドなど);フルチカゾンおよびそのエステル(プロピオネートなど);フルプレドニデンおよびそのエステル(アセテートなど);ハルシノニド;ヒドロコルチゾンおよびそのエステル(17−ブチレートなど);モメタゾンおよびそのエステル(フロエートなど);トリアムシノロンならびにそのエーテルおよびエステル(アセトニドなど);それらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
コルチコステロイドのより好ましい例は、ベタメタゾンまたはそのエステル(17−バレレートまたは17,21−ジプロピオネートなど);クロベタゾールまたはそのエステル(プロピオネートなど);トリアムシノロンまたはそのエーテルおよび/または(アセトニドまたはアセトニド−21−N−ベンゾイル−2−メチル−β−アラニネートまたはアセトニド−21−(3,3−ジメチルブチレート)など)、あるいはヒドロコルチゾンまたはそのエステル(17−ブチレートなど)である。
【0032】
本発明の組成物は、製薬配合の分野の当業者には十分に知られている方法に従って調製することができる。例えば、非水性の組成物は、流動パラフィンまたはPlastibase(商標)(ポリエチレン(約21,000の平均MW)および流動パラフィンから調製される基剤)またはESMA−P(商標)(微結晶ワックス)などの十分に知られている軟膏基剤賦形剤またはローション基剤賦形剤に成分を配合することによって調製することができる。しかし、塗布したとき、流動パラフィンがもたらすよりも低い油性の外観を、皮膚、毛髪および頭皮にもたらす軟膏基剤賦形剤またはローション基剤賦形剤(例えば、ヘプタメチルノナンなど)を選択することが一般には好ましい。
【0033】
一例として、本発明による組成物の調製は、典型的には、基剤賦形剤(例えば、ヘプタメチルノナンおよび/または硬化ひまし油)を融解し、必要量の溶媒(例えば、Arlamol(登録商標)Eなど)中のビタミンDアナログの(典型的には0.0005%w/w〜2.5%w/wの範囲の濃度での)溶液を加え、その後、典型的には粒子サイズが0.1μm〜20μmである、コルチコステロイドの基剤賦形剤中の分散物を加え、次いで、混合物を冷却することによって行われる。本発明による仕上がった組成物における様々な成分の典型的な含有量範囲は、約0.005%w/w〜約0.3%w/w(好ましくは0.01%w/w〜0.2%w/w)のコルチコステロイド、約0.0001%w/w〜約0.035%w/wのビタミンDアナログ、約0.1%w/w〜約25%w/w(好ましくは約0.5%w/w〜10%w/w)の増粘剤、場合により約0.5%w/w〜約10%w/wの界面活性剤、および約1%w/w〜約30%w/wの溶媒であり、残部は、典型的には主として、上記のヘプタメチルノナンなどの基剤賦形剤である。組成物はまた、抗酸化剤(例えば、α−トコフェロール)などの他の広く使用されている添加剤を含有することができる。
【0034】
頭皮への塗布のために意図された具体的な実施形態において、本発明の組成物は界面活性剤をさらに含むことができる。これは、組成剤を塗布し、活性成分が頭皮の皮膚に吸収されることを確実にするために十分な時間にわたって組成剤を頭皮に残し、その後、残った組成物を、毛髪を「清浄」(非油性)の外観にするために洗い除かれ得ることが意図される場合には好都合であり得る。界面活性剤は、頭皮に塗布するために好適であると一般に見なされるタイプの脂肪エステルから、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選択することができる。
【0035】
しかし、一部のビタミンDアナログは、不純物としてエステル中に見出される少量の遊離脂肪酸の存在下でも分解しやすい。従って、そのようなビタミンDアナログを含む組成物に含められる好ましい界面活性剤はエーテルであり、例えば、式C
8H
17C
6H
4(OCH
2CH
2)
nOH(式中、nは1〜70の整数である)のオクトキシノール−n、式C
9H
19C
6H
4(OCH
2CH
2)
pOH(式中、pは4〜40の整数である)のノノキシノール−n、およびポリオキシエチレンC
12〜22アルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテル)からなる群から選択されるエーテルである。
【0036】
得られた組成物は、適切な容器(例えば、金属チューブもしくはプラスチックチューブ、ビン、または正確な用量の組成物を計量するための好適な手段を備えるディスペンサー)に都合よく充填することができる。
【0037】
本発明の組成物はさらに、例えば、ミコナゾール、クロトリマゾール、テルビナフィン、シクロピロクス、ビフォナゾール、ナイスタチン、ケトコナゾール、エコナゾールおよびフルコナゾールからなる群から選択される抗真菌剤を含むことができる。
好ましくは、本発明による組成物には、キサンチン誘導体のペントキシフィリン、プロペントフィリンおよびトルバフィリン、または任意の他のキサンチンもしくはキサンチン誘導体からなる群から選択される治療効果的な化合物は含有されない。
【0038】
本発明はまた、乾癬および関連した皮膚疾患(例えば、頭皮の皮脂乾癬)を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、本発明による組成物の効果的な量を局所投与することを含む方法に関する。前記方法は、好ましくは、1日に1回または2回、前記組成物の治療効果的な投薬量を局所投与することを含む。本発明による組成物は、好ましくは、約0.001〜0.5mg/g(またはml)(好ましくは、約0.001〜0.25mg/g(またはml))のビタミンDまたはビタミンDアナログおよび約0.05〜2mg/g(またはml)(好ましくは、約0.1〜1.5mg/g(またはml))のコルチコステロイドを含有する。
本発明は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定することをいかなる点においても意図しない下記の実施例によってさらに説明される。