特許第5721927号(P5721927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5721927少なくとも1つのビタミンDまたは1つのビタミンDアナログおよび少なくとも1つのコルチコステロイドを含有する局所用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5721927
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】少なくとも1つのビタミンDまたは1つのビタミンDアナログおよび少なくとも1つのコルチコステロイドを含有する局所用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/573 20060101AFI20150430BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/592 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/593 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/44 20060101ALI20150430BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20150430BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   A61K31/573
   A61K9/06
   A61K31/592
   A61K31/593
   A61K47/08
   A61K47/10
   A61K47/14
   A61K47/34
   A61K47/44
   A61P17/00
   A61P17/06
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2008-191184(P2008-191184)
(22)【出願日】2008年7月24日
(62)【分割の表示】特願2002-537289(P2002-537289)の分割
【原出願日】2001年9月26日
(65)【公開番号】特開2008-297310(P2008-297310A)
(43)【公開日】2008年12月11日
【審査請求日】2008年9月25日
【審判番号】不服2013-1628(P2013-1628/J1)
【審判請求日】2013年1月29日
(31)【優先権主張番号】60/243,471
(32)【優先日】2000年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508069752
【氏名又は名称】レオ ファーマ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100067035
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 光隆
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト・ヘイ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ヨハネス・ディドリクセン
【合議体】
【審判長】 内田 淳子
【審判官】 穴吹 智子
【審判官】 増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−122618(JP,A)
【文献】 特開平11−188054(JP,A)
【文献】 特開平10−158147(JP,A)
【文献】 特開平02−500668(JP,A)
【文献】 特表平11−503160(JP,A)
【文献】 特許第4451061(JP,B2)
【文献】 特表平08−504776(JP,A)
【文献】 J.Am.Acad.Dermatol.,June 1998:p1010−1011
【文献】 Br.J.Dermatol.,1996,Vol.135,No.3,p379−384
【文献】 Br.J.Dermatol.,1998,Vol.138,No.2,p254−258
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-31/80
A61K9/00-9/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚に塗布する非水性の医薬ゲル組成物であって、
セオカルシトール、カルシポトリオール、カルシトリオール、タカルシトール、マクサカルシトール、パリカルシトール、ファレカルシトリオール、1α,24S−ジヒドロキシ−ビタミンD2および1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−[((3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのビタミンDまたはビタミンDアナログ;
ベタメタゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、デソキシメタゾン、ジフルコルトロン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルメタゾン、フルオシノロン、フルチカゾン、フルプレドニデン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、それらの薬学的に受容可能なエステルおよびアセトニドならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのコルチコステロイド;および
(i)一般式R3(OCH2C(R1)H)xOR2(I)の化合物(式中、xは2〜60の範囲内であり、x個のユニットのそれぞれにおけるR1は独立してHまたはCH3であり、R2は直鎖または分枝鎖のC1〜20アルキルまたはベンゾイルであり、R3はHまたはフェニルカルボニルオキシである);
(ii)C4〜C8ジカルボン酸のジ(直鎖または分枝鎖)C4〜10アルキルエステル;
(iii)直鎖または分枝鎖のC12〜18アルキルベンゾエート;
(iv)直鎖または分枝鎖のC10〜18アルカン酸またはアルケン酸の直鎖または分枝鎖C2〜4アルキルエステル;
(v)C8〜14アルカン酸とのプロピレングリコールジエステル;および
(vi)分枝鎖の一級C18〜24アルカノール
からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒
を含有し、5mPa・s〜500mPa・sの範囲内の粘度をもたらす量で増粘用賦形剤としてチキソトロープゲル化剤をさらに含む医薬ゲル組成物(但し、
カルシポトリオールまたはその水和物;
ベタメタゾンおよびその薬学的に受容可能なエステルからなる群から選択されるコルチコステロイド;および
一般式H(OCH2C(CH3)H)xOR2(II)(式中、xは2〜60の範囲内であり、R2は直鎖または分枝鎖のC1〜20アルキルまたはベンゾイルである)の化合物およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒
を含有し、5mPa・s〜500mPa・sの範囲内の粘度をもたらす量で増粘用賦形剤としてチキソトロープゲル化剤をさらに含む非水性の医薬ゲル組成物ではない)
【請求項2】
粘度が10mPa・s〜250mPa・sの範囲内である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
チキソトロープゲル化剤が硬化ひまし油である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記溶媒が一般式H(OCH2C(R1)H)xOR2(II)(式中、R1、xおよびR2は請求項1に定義される通りである)の化合物およびその混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
R1がCH3である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記溶媒がポリオキシプロピレン−15−ステアリルエーテルである、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記ビタミンDアナログが、カルシポトリオール、カルシトリオール、タカルシトール、マクサカルシトールおよび1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−[((3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
ビタミンDアナログが、ヒトにおける乾癬および頭皮の皮脂乾癬に対して有効である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記ビタミンDアナログがカルシポトリオールまたはその水和物である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記コルチコステロイドのエステルまたはアセトニドが、17−バレレート、17−プロピオネート、17,21−ジプロピオネート、アセトニド、アセトニド−21−N−ベンゾイル−2−メチル−β−アラニネート、アセトニド−21−(3,3−ジメチルブチレート)および17−ブチレートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
0.001〜0.25mg/g(またはml)の前記ビタミンDアナログおよび0.05〜2mg/g(またはml)の前記コルチコステロイドを含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
頭皮に塗布する、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
ヒトにおける乾癬および頭皮の皮脂乾癬を局所的に処置する医薬品を製造するための、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項14】
頭皮の乾癬を局所的に処置する医薬品を製造するための、請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのビタミンDまたはビタミンDアナログおよび少なくとも1つのコルチコステロイドを含有する、皮膚に塗布される局所用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚への塗布を使用して多数の状態を処置することにおいて、例えば、乾癬の処置において、多くの場合、2つまたはさらにはそれ以上の異なる薬理学的に活性な化合物を用いる組み合わせ処置を行うことが指示されている。従って、例えば乾癬の処置では、コルチコステロイド化合物などのステロイド化合物と、カルシポトリオールなどのビタミンDアナログとを伴う組み合わせ処置を使用することが知られているが、この場合、コルチコステロイドがアルカリ性pH値で不安定であり、そしてビタミンDアナログが酸性pH値で不安定であるために、活性な化合物はそれぞれが別個の調製物中に配合される。
【0003】
その結果、医師は、このタイプの2成分療法を受ける患者に、その最大安定性のpHで配合されているこれらの化合物の一方をそれぞれが含有する2つのクリーム/軟膏を連続的に塗布させるようにしなければならなかった。これにより調製物の不適合性が生じ得るので、患者は例えば、一方のクリーム/軟膏を朝に塗布し、他方を夜に塗布しなければならない。言うまでもなく、患者が治療法に順うこと、および正確な量で投与することが、そのような状況下では問題となる。Richards,H.L.他は、J Am Acad Dermatol、1999年10月、41(4):581〜3において、乾癬患者および患者の投薬遵守の研究について報告している。Richards,H.L.他は、乾癬などの慢性状態において治療的アドバイスに従い難いことが医療従事者にとって大きい課題であると報告している:調査対象者の39パーセントが、勧められた処置療法に従っていないことを報告した。非遵守群は、遵守者よりも、自己評価で乾癬の大きい重篤度を有し、若年であり、そして発症年齢が低かった。非遵守群の方が、乾癬が日常生活に対して大きい影響を有していることを報告した。
【0004】
国際特許出願公開WO00/64450には、乾癬および関連皮膚疾患を処置するための2成分治療法または多成分治療法の不便さを軽減する、ビタミンDアナログおよびコルチコステロイドの組合せを含む皮膚用医薬組成物が記載される。しかし、この組成物はかなり油性になりやすく、塗布したとき、吸収されない賦形剤の油膜が皮膚に残りやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、改善された皮膚吸収(かつ、あまり油性でない外観)および塗布の容易さ(これらの特性はともに改善された患者遵守をもたらす)を示す配合物中に両活性成分を含む組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膚に塗布される医薬ゲル組成物であって、少なくとも1つのビタミンDまたはビタミンDアナログおよび少なくとも1つのコルチコステロイドを含み、一方では組成物の塗布時および保存時にコルチコステロイドを実質的に沈降させないために十分であり、かつ他方では罹患皮膚領域への組成物の均一な分布を容易にするために十分である粘度をもたらす量で増粘用賦形剤をさらに含む医薬ゲル組成物に関する。
【0007】
本発明のゲル組成物は、容易に塗布することができるために、そしてかなり低い油性の外観のために(これにより、頭皮の乾癬に苦しんでいる患者に組成物がより受容され易い)、頭皮への塗布に特に好都合であることが見出された。
別の局面において、本発明は、ヒトにおける乾癬および関連した状態(例えば、頭皮の皮脂乾癬)を局所的に処置する医薬品を製造するための、上記に定義されるゲル組成物の使用に関する。
【0008】
本発明に関連して、用語「十分」は、粘度に関連して使用されるとき、一方では、コルチコステロイド(これは分散粒子の形態で組成物中に存在する)が組成物から沈降しないことを確保するために十分に粘度が高いことを意味すると理解される(沈降すると、患部領域にわたるコルチコステロイドの塗布が必然的に不均一になり得る)。他方では、塗布物の粘度は、活性成分のむらのない投薬を確実にするために、患者が、組成物の必要量を利用可能な容器(例えば、チューブなど)から容易に取り出し、必要量を患部領域全体に一様に塗布することができるように十分に低くなければならない。
【0009】
本発明の組成物を頭皮に塗布する場合、粘度は、組成物が塗布された領域から他の領域(特に、顔)に「漏出」することを実質的に防止するように十分に高く確保することが特に重要である。同様に、活性成分の正確な投薬を確実にするために、毛髪で覆われている皮膚領域に組成物が容易に塗布されることが重要である。
【0010】
実際、これは、粘度を、好ましくは、約5mPa・s〜約500mPa・s(特に約10mPa・s〜約250mPa・s、例えば、約20mPa・s〜約100mPa・s)の範囲内にすべきであることを意味する。粘度は、好適には、700s−1および20℃で、Haake VT550粘度計において、NV1デバイスを伴うカップ/ローター法によって測定することができる。
【0011】
現在好ましい実施形態において、組成物の好適な粘度は、組成物が静置時にゲルの形態であるように、チキソトロープゲル化剤を増粘用賦形剤として含むことによって得ることができる。チキソトロープ剤は、容易に塗布される一方で、塗布後などの静置時に粘度が増大し、その結果、組成物が塗布された皮膚の患部領域から非患部領域に典型的には漏出しなくなるという利点を有する。好適なチキソトロープゲル化剤の一例は硬化ひまし油である。
別の実施形態では、増粘用賦形剤は、ワックス(例えば、Cera Alba(白蝋)またはCera Flava(黄蝋))、ポリエチレン、または微結晶ワックス(Esma−P(登録商標)など)から選択され得る。
【0012】
組成物がエマルションであるとき、エマルションは、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルもしくはポリオキシエチレンオレイルエーテル、またはポリエチレングリコールジポリヒドロキシステアレートから選択され得る好適な乳化剤を含む油中水型エマルションまたは水中油型エマルションであり得る。
【0013】
ある種のビタミンDアナログ(それらは約8を越えるpHで最大の安定性を有する)が酸性環境において不安定であるという問題、およびコルチコステロイド(それらは約4〜6のpHで最大の安定性を有する)がアルカリ性環境において不安定であるという問題を回避するために、さらには、組成物が実質的に非水性であることが好ましい。用語「実質的に非水性」は、組成物が約5%未満(好ましくは約2%未満、例えば、約1.5%未満)の水分含有量を有することを意味することが意図される。
【0014】
従って、組成物は好ましくは、ビタミンDアナログを溶解または可溶化するその能力の故に選択された少なくとも1つの実質的に非水性の溶媒を含む。溶媒は、好適には、
(i)一般式R3(OCH2C(R1)H)xOR2(I)の化合物(式中、xは2〜60の範囲内であり、x個のユニットのそれぞれにおけるR1は独立してHまたはCH3であり、R2は直鎖または分枝鎖のC1〜20アルキルまたはベンゾイルであり、R3はHまたはフェニルカルボニルオキシである);
(ii)C4〜C8ジカルボン酸のジ(直鎖または分枝鎖)C4〜10アルキルエステル;
(iii)直鎖または分枝鎖のC12〜18アルキルベンゾエート;
(iv)直鎖または分枝鎖のC10〜18アルカン酸またはアルケン酸の直鎖または分枝鎖のC2〜4アルキルエステル;
(v)C8〜14アルカン酸とのプロピレングリコールジエステル;および
(vi)分枝鎖の一級C18〜24アルカノール
からなる群から選択され得る。
【0015】
上記に示された群の1つから選択される溶媒を含有するそのような組み合わせ組成物において、そして実質的に非水性の環境において、活性成分は、それらの異なるpH/安定性プロフィルにもかかわらず、分解することなく共存し得ることが見出された。活性化合物が、pHに関して相互に影響する傾向は最小限であるか、または除かれる。
【0016】
上記に定義される一般式(I)において、因子x(これは括弧内のユニットの数を表す)は好ましくは4〜50の範囲内であり、より好ましくは4〜40の範囲内であり、特に4〜30の範囲内であり、特に5〜25の範囲内であり、より詳細には約15などの10〜20の範囲内である。さらに、R1がCH3であることが好ましい。
溶媒が、一般式H(OCH2C(R1)H)xOR2(II)の化合物(式中、R1、xおよびR2は上記に定義される通りである)およびその混合物から選択されることが好ましい。
【0017】
上記に定義されるタイプ(i)〜(vi)の溶媒の非限定的な具体例として、商品名を含めて、下記を挙げることができる:
Arlamol E(ポリオキシエチレン(15)ステアリルエーテル);
Arlamol DoA(アジピン酸のジイソオクチルエステル);
Arlasolve 200(ポリオキシエチレン−20−イソヘキサデシルエーテル);
Eutanol G(2−オクチルドデカノール);
Finsolv(安息香酸イソステアリル);
Finsolv P(ポリオキシプロピレン−15−ステアリルエーテルベンゾエート);
直鎖または分枝鎖のC10〜C18アルカン酸またはアルケン酸のイソプロピルエステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルリノレートおよびイソプロピルモノオレエートなど;
Miglyol 840(カプリル酸およびカプリン酸のプロピレングリコールジエステル);
DPPG(プロピレングリコールジペラゴネート);
Procetyl AWS(CH3(CH214CH2(OCH(CH3)CH25−(OCH220OH)。
【0018】
本発明に関連して、用語「ビタミンDアナログ」は、ビタミンD骨格を有し、側鎖が修飾され、および/またはビタミンD骨格自体が修飾された合成化合物を意味することが意図される。この用語は、天然に存在するビタミンD誘導体(代謝産物など)を含むことを意図しない。
【0019】
本発明の組成物に含まれるビタミンDアナログは、好ましくは、セオカルシトール(seocalcitol)、カルシポトリオール(calcipotriol)、カルシトリオール(calcitriol)、タカルシトール(tacalcitol)、マクサカルシトール(maxacalcitol)、パリカルシトール(paricalcitol)、ファレカルシトリオール(falecalcitriol)、1α,24S−ジヒドロキシ−ビタミンD2および1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−[((3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンならびにそれらの混合物からなる群から選択される化合物である。
【0020】
より好ましくは、ビタミンDアナログは、カルシポトリオール、カルシトリオール、タカルシトール、マクサカルシトールおよび1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−[((3−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンならびにそれらの混合物からなる群から選択される。合成されたビタミンDアナログが、本発明による組成物では、天然に存在するビタミンD類またはビタミンD誘導体よりも好ましい。これは、後者の治療効果が、乾癬などの皮膚疾患の処置に対してあまり選択的でないことがあると考えられるからである。
【0021】
ビタミンDアナログのさらなる例を以下に挙げるが、それらは本発明を制限するものではない:
アルファカルシドール(alphacalcidol);
1α-ヒドロキシ-ビタミンD2;
1α-ヒドロキシ-ビタミンD5;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6-ヒドロキシ-6-メチル-1-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタ-1(E)-エン-1-イル-9,10)-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6-エチル-6-ヒドロキシ-1-オクチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(7-ヒドロキシ-7-メチル-1-オクチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-1(E)-エン-1-イル-9,10)-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0022】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6'-メチル-1'-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(5'-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4'-ヒドロキシ-4'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6'-ヒドロキシ-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5'-ヒドロキシ-5'-エチル-1'-ヘプチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5'-ヒドロキシ-5'-メチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5'-メチル-1'-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4'-ヒドロキシ-4'-(1"-プロピル)-1'-ヘプチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0023】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4'-ヒドロキシ-4'-メチル-1'-ペンチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3'-ヒドロキシ-3'-メチル-1'-ブチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-ヘプチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1(E)-エン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5'-ヒドロキシ-5'-メチルヘキサ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5'-エチル-5'-ヒドロキシヘプタ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(6'-ヒドロキシ-ヘキサ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5'-シクロプロピル-5'-ヒドロキシペンタ-1'(E),3'(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン(5'(R)異性体および5'(S)異性体);
【0024】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(6'-ヒドロキシ-6'-メチルヘプタ-1'(E),3"(E)-ジエン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-(2-ヒドロキシ-2-ペンチル)フェニルメトキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-(3-ヒドロキシ-3-プロピル)フェニルメトキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンタ-2-イニルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-5,5,5-トリフルオロ-1-ペンタ-2-イニルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェノキシメチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)-5-メチルフェニル)メトキシ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)-5-メトキシフェニル)メトキシ)メチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0025】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-ヒドロキシ-3-エチル-1-ペンチルチオメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-ヒドロキシ-3-エチル-1-ペンチルスルホニルメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-((1-ヒドロキシ-1-メチル)エチル)フェニルチオメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチルオキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(6'-エチル-6'-ヒドロキシオクタ-1'-イン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(7'-エチル-7'-ヒドロキシノナ-1'-イン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1,5-ジヒドロキシ-5-エチル-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メトキシ-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-エトキシ-5-エチル-5-ヒドロキシ-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-メトキシ-4-ヒドロキシ-4-エチル-2-ヘキシン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
【0026】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-エトキシ-4-ヒドロキシ-4-エチル-2-ヘキシン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)(Z)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(5-エチル-5-ヒドロキシ-1-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)(Z)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-(6-エチル-6-ヒドロキシ-1-オクチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)(Z)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-4,4-ジフルオロ-5-ヒドロキシヘプチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4,4-ジクロロ-5-ヒドロキシ-5-メチルヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4,4-ジフルオロ-5-ヒドロキシ-5-メチルヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-フルオロ-4-メチルペンチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-エチル-4-フルオロヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-フルオロ-5-メチルヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
【0027】
1(S),3(R),20(S)-トリヒドロキシ-20-(4-メチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-メトキシ-20-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-エトキシ-20-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-[3-(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロポキシ)プロパ-1E-エン-1-イル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(4-エチル-4-ヒドロキシ-1-ヘキシルチオ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[5-メチル-5-ヒドロキシ-1-ヘキシルチオ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[3-(1-メチル-1-ヒドロキシエチル)ベンジルチオ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-メチル-3-ヒドロキシ-1-ブチルチオ]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1(E)-エン-3-イン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
24-オキソ-1(S),3(R),25-トリヒドロキシ-20(S)-9,10-セココレスタ-5(Z),7(E)-,10(19)-トリエン;
【0028】
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-オキソ-4-ヒドロキシ-4-エチル-1-ヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(5-メチル-5-ヒドロキシヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-エチル-4-ヒドロキシヘキシルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-エチル-4-ヒドロキシヘキサ-2-イニニルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンタ)-2-イン-1-イルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20-メチル-18-(3,1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニルメチルオキシ)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-メトキシ-4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(1-エトキシ-4-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;異性体A;
1(S),3(R),25-トリヒドロキシ-(20(S)-9,10-セココレスタ-5(Z),7(E),10(19),23(E)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-(20(S)-(6'-ヒドロキシ-6'-メチル-4'(E)-ヘプテン-1'-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン;
1(S),3(R),22(S),25-テトラヒドロキシ-20(R),9,10-セココレスタ-5(Z),7(E),10(19),23(E)-テトラエン;
【0029】
22(S)-エトキシ-1(S),3(R),25-トリヒドロキシ-10(R)-9,10-セココレスタ-5(Z),7(E),10(1,23(E)-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(3-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェノキシメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(R)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(3-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニルチオメチル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(R)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンタ-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエン;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(S)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(5-エチル-5-ヒドロキシヘプタ-1(E),3(E)-ジエン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエンまたはその対応する20(S)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-(3-シクロプロピル-3-ヒドロキシプロパ-1(E)-エン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),16-テトラエン(24(S)異性体)またはその対応する24(R)異性体;
1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(1,5-ジヒドロキシ-5-エチル-2-ヘプチン-1-イル)-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19),17(20)Z-テトラエン、両方の22-異性体。
【0030】
コルチコステロイドは、I、II、IIIまたはIV群の局所用ステロイドであり得る。コルチコステロイドは、好ましくは、ベタメタゾン(9−フルオロ−11,17,21−トリヒドロキシ−16−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン)およびそのエステル(21−アセテート、17−アダマントエート、17−ベンゾエート、17−バレレートおよび17,21−ジプロピオネートなど);アルクロメタゾンおよびそのエステル(ジプロピオネートなど);クロベタゾールおよびそのエステル(プロピオネートなど);クロベタゾンおよびそのエステル(17−ブチレートなど);デソキシメタゾン;ジフルコルトロンおよびそのエステル、ジフロラゾンおよびそのエステル(ジアセテートなど);フルオシノニド;フルメタゾンおよびそのエステル(ピバレートなど);フルオシノロンならびにそのエーテルおよびエステル(アセトニドなど);フルチカゾンおよびそのエステル(プロピオネートなど);フルプレドニデンおよびそのエステル(アセテートなど);ハルシノニド;ヒドロコルチゾンおよびそのエステル(17−ブチレートなど);モメタゾンおよびそのエステル(フロエートなど);トリアムシノロンならびにそのエーテルおよびエステル(アセトニドなど);それらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
コルチコステロイドのより好ましい例は、ベタメタゾンまたはそのエステル(17−バレレートまたは17,21−ジプロピオネートなど);クロベタゾールまたはそのエステル(プロピオネートなど);トリアムシノロンまたはそのエーテルおよび/または(アセトニドまたはアセトニド−21−N−ベンゾイル−2−メチル−β−アラニネートまたはアセトニド−21−(3,3−ジメチルブチレート)など)、あるいはヒドロコルチゾンまたはそのエステル(17−ブチレートなど)である。
【0032】
本発明の組成物は、製薬配合の分野の当業者には十分に知られている方法に従って調製することができる。例えば、非水性の組成物は、流動パラフィンまたはPlastibase(商標)(ポリエチレン(約21,000の平均MW)および流動パラフィンから調製される基剤)またはESMA−P(商標)(微結晶ワックス)などの十分に知られている軟膏基剤賦形剤またはローション基剤賦形剤に成分を配合することによって調製することができる。しかし、塗布したとき、流動パラフィンがもたらすよりも低い油性の外観を、皮膚、毛髪および頭皮にもたらす軟膏基剤賦形剤またはローション基剤賦形剤(例えば、ヘプタメチルノナンなど)を選択することが一般には好ましい。
【0033】
一例として、本発明による組成物の調製は、典型的には、基剤賦形剤(例えば、ヘプタメチルノナンおよび/または硬化ひまし油)を融解し、必要量の溶媒(例えば、Arlamol(登録商標)Eなど)中のビタミンDアナログの(典型的には0.0005%w/w〜2.5%w/wの範囲の濃度での)溶液を加え、その後、典型的には粒子サイズが0.1μm〜20μmである、コルチコステロイドの基剤賦形剤中の分散物を加え、次いで、混合物を冷却することによって行われる。本発明による仕上がった組成物における様々な成分の典型的な含有量範囲は、約0.005%w/w〜約0.3%w/w(好ましくは0.01%w/w〜0.2%w/w)のコルチコステロイド、約0.0001%w/w〜約0.035%w/wのビタミンDアナログ、約0.1%w/w〜約25%w/w(好ましくは約0.5%w/w〜10%w/w)の増粘剤、場合により約0.5%w/w〜約10%w/wの界面活性剤、および約1%w/w〜約30%w/wの溶媒であり、残部は、典型的には主として、上記のヘプタメチルノナンなどの基剤賦形剤である。組成物はまた、抗酸化剤(例えば、α−トコフェロール)などの他の広く使用されている添加剤を含有することができる。
【0034】
頭皮への塗布のために意図された具体的な実施形態において、本発明の組成物は界面活性剤をさらに含むことができる。これは、組成剤を塗布し、活性成分が頭皮の皮膚に吸収されることを確実にするために十分な時間にわたって組成剤を頭皮に残し、その後、残った組成物を、毛髪を「清浄」(非油性)の外観にするために洗い除かれ得ることが意図される場合には好都合であり得る。界面活性剤は、頭皮に塗布するために好適であると一般に見なされるタイプの脂肪エステルから、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選択することができる。
【0035】
しかし、一部のビタミンDアナログは、不純物としてエステル中に見出される少量の遊離脂肪酸の存在下でも分解しやすい。従って、そのようなビタミンDアナログを含む組成物に含められる好ましい界面活性剤はエーテルであり、例えば、式C8H17C6H4(OCH2CH2nOH(式中、nは1〜70の整数である)のオクトキシノール−n、式C9H19C6H4(OCH2CH2pOH(式中、pは4〜40の整数である)のノノキシノール−n、およびポリオキシエチレンC12〜22アルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテル)からなる群から選択されるエーテルである。
【0036】
得られた組成物は、適切な容器(例えば、金属チューブもしくはプラスチックチューブ、ビン、または正確な用量の組成物を計量するための好適な手段を備えるディスペンサー)に都合よく充填することができる。
【0037】
本発明の組成物はさらに、例えば、ミコナゾール、クロトリマゾール、テルビナフィン、シクロピロクス、ビフォナゾール、ナイスタチン、ケトコナゾール、エコナゾールおよびフルコナゾールからなる群から選択される抗真菌剤を含むことができる。
好ましくは、本発明による組成物には、キサンチン誘導体のペントキシフィリン、プロペントフィリンおよびトルバフィリン、または任意の他のキサンチンもしくはキサンチン誘導体からなる群から選択される治療効果的な化合物は含有されない。
【0038】
本発明はまた、乾癬および関連した皮膚疾患(例えば、頭皮の皮脂乾癬)を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、本発明による組成物の効果的な量を局所投与することを含む方法に関する。前記方法は、好ましくは、1日に1回または2回、前記組成物の治療効果的な投薬量を局所投与することを含む。本発明による組成物は、好ましくは、約0.001〜0.5mg/g(またはml)(好ましくは、約0.001〜0.25mg/g(またはml))のビタミンDまたはビタミンDアナログおよび約0.05〜2mg/g(またはml)(好ましくは、約0.1〜1.5mg/g(またはml))のコルチコステロイドを含有する。
本発明は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定することをいかなる点においても意図しない下記の実施例によってさらに説明される。
【実施例1】
【0039】
カルシポトリオールおよびベタメタゾンを含有するゲル配合物
1kgのゲル配合物を製造するために、30gの硬化ひまし油を749gのヘプタメチルノナンと一緒に85℃〜90℃で融解して、均質化しながら約60℃に冷却した。その後、混合物を撹拌しながら25℃〜30℃に冷却した。643mgのベタメタゾンジプロピオネートを50gのヘプタメチルノナンに懸濁して、均質化されたゲル基剤に加えた。52.2mgのカルシポトリオール水和物または50mgのカルシポトリオールを170gのポリオキシプロピレン−15−ステアリルエーテルに溶解して、それ以外の成分の混合物に加え、そして配合物を、活性成分の均質な分布を確実にするために均質化した。得られたゲル配合物は、40℃で3ヶ月間保存したとき、安定であった。これは、保存寿命が室温で少なくとも2年であることを示す。安定性の数字が下記の表1および表2に示される。
【0040】
【表1】
【表2】
【0041】
1gのローションは下記を含有する: