特許第5722017号(P5722017)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5722017接触情報を用いたプローブデータのマッピング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722017
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】接触情報を用いたプローブデータのマッピング
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20150430BHJP
   A61B 5/05 20060101ALI20150430BHJP
   A61B 5/044 20060101ALI20150430BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20150430BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20150430BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   A61B5/00 101L
   A61B5/05 B
   A61B5/04 314K
   A61B5/04 300J
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-272291(P2010-272291)
(22)【出願日】2010年12月7日
(65)【公開番号】特開2011-120906(P2011-120906A)
(43)【公開日】2011年6月23日
【審査請求日】2013年10月31日
(31)【優先権主張番号】12/633,324
(32)【優先日】2009年12月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510322649
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
【審査官】 増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−061789(JP,A)
【文献】 特開2001−087392(JP,A)
【文献】 特開2009−254779(JP,A)
【文献】 特開平11−076169(JP,A)
【文献】 特開2004−275776(JP,A)
【文献】 特開2007−301403(JP,A)
【文献】 特開2008−183097(JP,A)
【文献】 特表2008−531170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
A61B 5/00−5/03
A61B 5/04−5/055
A61F 2/82−2/97
A61M 25/00−29/04
A61M 35/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に挿入されるよう構成された遠位端を有するプローブであって、前記体腔内の複数位置において前記プローブと組織との間の各接触特性を測定するための接触センサを含む、プローブと、
前記各位置それぞれにおける前記接触特性を示す入力を前記プローブから受信し、前記各接触特性が規定範囲外となる前記入力を拒否し、拒否されない前記入力を用いて前記体腔のマップを作成するよう構成された操作部と、を備える、マッピング装置。
【請求項2】
前記体腔が心腔を含む、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記プローブが、前記体腔内の前記プローブの遠位端の座標を示す入力を前記操作部に提供するよう構成された位置検出器を含む、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記プローブが、患者の前記体腔内の前記各位置における生理学的パラメータを測定する生理学的センサを含み、前記操作部が、前記腔上の前記生理学的パラメータをマッピングするよう構成された、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記生理学的センサが、前記組織内における電気的活動を示す信号を生成するよう構成された電極を含む、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記接触センサが、前記プローブの遠位端に加わる圧力を測定するよう構成された、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記接触センサが、前記プローブ内の力センサを含む、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記操作部が、前記圧力が所定の下限値を下回るときの測定ポイントを拒否するよう構成された、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記操作部が、前記圧力が所定の上限値を上回るときの測定ポイントを拒否するよう構成された、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記操作部が、前記測定圧力に応じて前記プローブを自動制御し、前記プローブを前記体腔内で動かすよう構成された、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記接触センサが電極を含み、前記電極が前記プローブと前記組織との間の電気インピーダンスを測定するよう連結された、請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記操作部が、前記位置のうち1または2以上における前記各接触特性を示すタグを前記マップに加えるよう構成された、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して侵襲的診断技法に関し、より詳しくは体内の生理学的パラメータのマッピングに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医療処置に伴い、センサ、チューブ、カテーテル、投薬装置、及び埋没物などの物体が体内に設置される。このような物体を追跡するために位置検知システムが開発されている。当該技術分野において既知の方法の1つに磁気位置検知がある。磁気位置検知では、磁界発生器が患者胴体下方の、患者外部の既知の位置に設置される。プローブの遠位端内の磁界センサがこれらの磁界に応じて電気信号を生成し、この信号が処理されてプローブの遠位端の位置座標が決定される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同6,332,089号、PCT特許公報第WO 96/05768号、並びに米国特許出願公報第2002/0065455 A1号、同第2003/0120150 A1号、及び同第2004/0068178 A1号に記載され、これらの開示事項は参照することにより全て本明細書に含まれる。
【0003】
体内にプローブを設置するとき、プローブの遠位端点を体内の組織に直接接触させるのが望ましい場合がある。遠位端点と体内の組織との間の電気インピーダンス又は接触圧のいずれかを測定することにより、接触を確認することができる。例えば米国特許出願公報第2007/0100332号(Paul et al)及び同第2009/0093806(Govari et al)は、カテーテルの遠位端点と体腔内の組織との間の接触圧を、カテーテルに埋設された力センサを用いて検知する方法を記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、患者の体腔内の各位置にてプローブにより測定された入力を受信することを含むマッピング方法を提供する。各位置それぞれにて、プローブと体腔内の組織との間の各接触特性が測定される。各接触特性が規定範囲外となる入力は拒否され、拒否されない入力を用いて体腔のマップが作成される。
【0005】
開示の実施形態においては、体腔は心腔を含み、入力を受信することは、プローブ内の位置検出器からの、体腔内のプローブの遠位端の座標を示す信号を受信することを含む。
【0006】
幾つかの実施形態において、入力を受信することは、上記各位置において生理学的パラメータを測定することを含み、マップを作成することは、腔上の生理学的パラメータをマッピングすることを含む。生理学的パラメータを測定することは、組織内の電気的活動を示す信号を受信することを含んでもよい。
【0007】
開示の実施形態においては、各接触特性を測定することが、プローブの遠位端に加わる圧力を測定することを含む。圧力を測定することは通常、プローブ内の力センサから信号を受信することを含む。入力を拒否することは、圧力が所定の下限値を下回るとき、及び/又は圧力が所定の上限値を上回るとき、測定値を拒否することを含んでもよい。一実施形態において、本方法は、測定圧力に応じてプローブを自動制御し、プローブを体腔内で動かすことを含む。
【0008】
代替的実施形態においては、各接触特性を測定することが、プローブと組織との間の電気インピーダンスを測定することを含む。
【0009】
一実施形態において、マップを作成することは、位置のうち1または2以上における各接触特性を示すタグをマップに加えることを含む。
【0010】
また、本発明の実施形態によれば、体腔内に挿入されるよう構成された遠位端を有するプローブであって、体腔内の複数位置においてプローブと組織との間の各接触特性を測定するための接触センサを含む、プローブを含む、マッピング装置が提供される。各位置それぞれにおける接触特性を示す入力をプローブから受信し、各接触特性が規定範囲外となる入力を拒否し、拒否されない入力を用いて体腔のマップを作成するよう、操作部が構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示を本明細書にて、単に例示を目的として、添付の図面を参照しながら説明する。
図1】本発明の実施形態によるマッピングシステムの概略絵図。
図2】本発明の実施形態によるカテーテル遠位端部の詳細を示す概略側面図。
図3】本発明の実施形態による、接触特性に基づく規制マッピング方法を概略図示するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
心臓内の電気的マッピングなどの、侵襲的プローブを用いた電気生理学的診断処置においては、プローブと組織との間の力のレベルを適切に保つことが重要である。プローブと組織との間の良好な電極接触を確実にするためには充分な力を必要とする。電気接触が悪いと不正確な測定値につながりかねない。一方で、力が過大であると組織が変形し、マップが歪みかねない。重大なケースでは、過大な圧力が体腔壁に物理的損傷を与える場合もある。
【0013】
本発明の実施形態では、電気生理学的マッピングデータ(即ち、プローブ位置と、その位置でプローブと接触する組織における電気的活動の双方とのマッピング)の取得が規制される(gated)ことにより、プローブと組織との間に適切な接触があるときのみデータポイントが取得される。接触特性(即ち、プローブと組織との間の接触が適切かどうかの測定)は、プローブから組織に対し加えられる接触圧を、以下に更に説明するよう力センサを用いて測定することにより確認することができる。あるいは、電気インピーダンスの測定などその他の手段により接触特性を確認してもよい。マップのデータポイントは、接触特性が所望範囲内にあるときのみ取得される。接触特性が範囲外の場合、操作者にカテーテルを再位置決めするよう促してもよい。
【0014】
以下に記載の実施形態においては、心臓電気生理学的マッピングにおいて接触規制を用いる。接触規制により、プローブからのマップポイントの収集が、接触特性が所望範囲内にある場合に限られる。本特許出願の文脈及び請求の範囲における「マップポイント」という用語は、位置座標の組を指し、その座標の位置における生理学的パラメータに関する信号値も共に指す場合もある。以下に記載の実施形態においては、マップポイントにおいて測定される信号値は心臓の電気的活動を表すものである。この種の接触規制は、例えば二極法電気的マッピング及び局所活性時間マッピングなどの技法とともに特に有用に用いることができる。あるいは接触規制をその他の器官のマッピングのみならず、その他の種類の生理学的パラメータのマッピングにも用いることができる。これに加え又はこれに代えて、マップ内のデータポイントに関連のタグに接触特性情報を加えてもよい。
【0015】
更にこれに代えて、マップ上に他のいかなる生理学的パラメータを必ずしも記録することなく、位置座標を用いマップを作成してよい場合もある。例えば、カテーテルの先を心腔(又はその他の体腔)の内表面上で移動させ、接触圧が所定の閾値を上回るときのみデータポイントを収集し、表面の物理的マップを作成してもよい。あるいは、カテーテルを体腔内で移動させ、接触圧が所定の閾値を下回るときのみデータポイントを収集し、腔容積のマップを作成してもよい。(容積の外点を取得し関連づけることで、この容積マップを表面マップに変換してもよい。この目的のためには、米国特許第6,968,299号に記載のボールピボットアルゴリズムなどの様々な方法を用いることができ、この開示事項は参照により本明細書中に含まれる。)
【0016】
接触特性の測定は様々な方法で行うことができる。第1の実施形態では、力センサをプローブの遠位端に埋設することができる。プローブが体内の組織と接触すると、プローブの遠位端点から組織に対し加わる圧力が制御ユニットに送信され、制御ユニットは、圧力が特定範囲内にあるときのみマッピングデータを受け入れる。代替的実施形態では、センサにより電気インピーダンス情報を検知し制御ユニットにリレーしてもよく、制御ユニットは、インピーダンスが特定範囲内にあるときのみマッピング情報を受け入れる。
【0017】
図1は、本発明で開示される実施形態により構成され作動する、位置検知システム10の図である。システム10は例えば、カリフォルニア州ダイアモンド・バー(Diamond Bar,California)のバイオセンスウェブスター社(Biosense Webster Inc.)製造のCARTO(商標)システムに基づくことができる。システム10は、カテーテルなどのプローブ18及び制御操作部24を備える。以下に記載の実施形態においては、プローブ18を1又は複数の心腔の電気生理学的マップの作成に使用することを仮定している。あるいは、プローブ18を心臓又はその他の体内器官において、その他の治療及び/又は診断目的のために準用してもよい。
【0018】
心臓専門医などの操作者16は、患者14の血管系内にプローブ18を挿入し、プローブ18の遠位端20が患者の心臓12の心腔内に入るようにする。操作者16はプローブ18を進め、プローブ18の遠位端点を所望の位置又は複数位置にて心内膜組織と係合させる。プローブ18は通常、その基端にて適切なコネクタにより操作部24に接続されている。
【0019】
操作部24は磁気位置検知を用いて、心臓内12の遠位端20の位置座標を決定する。位置座標を決定するため、操作部24内の駆動回路28が磁界発生器22を駆動し患者14の体内で磁界を発生させる。通常、磁界発生器22はコイルを備え、コイルは患者胴体下方の、患者14外部の既知の位置に設置されるこれらのコイルが、心臓12を含む規定の動作容積の磁界を発生する。プローブ18の遠位端20内の磁界センサ(図2に示す)が、これらの磁界に応じて電気信号を生成する。信号プロセッサ26はこれらの信号を処理し、通常は位置及び配向座標の双方を含む、遠位端20の位置座標を決定する。以上に記載した位置検知方法は、上述のCARTO(商標)システムにおいて実行され、上で引用した特許及び特許出願に詳しく記載されている。
【0020】
プロセッサ26は通常、プローブ18からの信号を受信し操作部24のその他の構成要素を制御するのに適したフロントエンド回路及びインターフェース回路を有する、汎用コンピュータを備えている。プロセッサ26は本明細書に記載の機能を実行するようソフトウェア内にプログラムしてもよい。ソフトウェアは、例えばネットワークを通じて電子的形態で操作部24にダウンロードするか、又は、光学的、磁気的、若しくは電子的記録媒体などの有形媒体上に提供することができる。あるいは、プロセッサ26の機能の一部又は全部を、専用又はプログラム可能なデジタルハードウエアの構成要素により実行することもできる。
【0021】
操作部24は、入出力インターフェース30によりプローブ18と相互作用することができる。プローブ18及びシステム10のその他の構成要素から(インターフェース30を介し)受信した信号に基づき、プロセッサ26は表示部32を駆動し、操作者16に、心臓の電気生理学的活動のマップ34を提示するだけでなく、患者体内における遠位端20の位置に関する視覚的フィードバック、及び、進行中の処置に関するステータス情報及びガイダンスを提供する。本実施形態においては、プロセッサ26はプローブの信号を規制し、遠位端20の心臓12壁に対する接触力が特定範囲内にあるときのみ、マップ34用のデータポイントを受け入れる。本発明の幾つかの実施形態においては、表示部32が操作者16に接触圧に関する視覚的フィードバックを提供する。接触圧が特定範囲外にある場合、操作者16にプローブ18を再位置決めするよう促してもよい。
【0022】
これに代え又はこれに加えて、システム10は、プローブ18を患者14体内で動かし操作する自動機構(図示せず)を備えていてもよい。このような機構は通常、プローブ18の長手方向の動き(進退)及びプローブ18の遠位端20の横方向の動き(偏位/操舵)の双方を制御することができる。このような実施形態では、プロセッサ26は、プローブ18内の磁界センサにより与えられる信号に基づいてプローブ18の動きを制御するための制御入力を生成する。これらの信号は、以下で更に説明するように、プローブ18の遠位端20の位置及び遠位端20に加わる力の双方を表わす。これに代え又はこれに加えて、測定圧力を体内でのプローブ自動制御に用いてもよい。圧力測定は、プローブを適切なマッピング位置へ誘導する際と、プローブが組織に過大な力を加えるのを防ぐことにより処置の安全性を向上するための、双方に用いることができる。
【0023】
図1では特定のシステム構成を示しているが、本発明の実施形態の実行にはその他のシステム構成も使用でき、したがって、それらは本発明の趣旨及び範囲内であると考えられる。例えば、以下に記載の方法は、インピーダンスに基づくセンサ又は超音波位置センサなど、その他の種類の位置検出器を用いて適用してもよい。本明細書で用いる際の「位置検出器」という用語は、プローブ18上に取り付けられる素子であって、その素子の座標を示す信号を操作部24に受信させるものを指す。したがって、位置検出器は、プローブ上に、検出器が受信したエネルギーに基づき制御ユニットに向け位置信号を生成する受信器を含むことができ、又は、プローブ外部の受信器で検知されるエネルギーを発する送信器を含むことができる。更に、以下に記載の方法は同様に、心臓内、並びにその他の体内器官及び領域内の双方において、カテーテルだけでなく、その他種類のプローブを用いたマッピング用途及び測定用途に適用することができる。
【0024】
図2は、本発明の実施形態によるプローブ18の遠位端20の概略側面図である。特に、図2は心臓の電気的活動のマップ作成に用いられる遠位端20の機能要素を示す。プローブの遠位端点46における電極40は、組織内の電気信号を検知する。電極40は通常、プラチナ/イリジウム合金又はその他の適切な材料などの金属材料からできている。あるいは、この目的のために、プローブの長さに沿う複数の電極(図示せず)を用いてもよい。
【0025】
位置センサ42は、遠位端点46の位置座標を示す信号を操作部24に向け生成する。位置センサ42は、1又は複数の小型コイルを含んでいてもよく、通常は異なる軸に沿って配される複数のコイルを備える。あるいは、位置センサ42は、別の種類の磁気センサ、位置検出器として機能する電極、又は、インピーダンスに基づくセンサ若しくは超音波位置センサなどのその他種類の位置検出器のいずれかを含んでもよい。図2は単一の位置センサを有するプローブを示すが、本発明の実施形態では、2つ以上の位置センサを有するプローブを使用してもよい。
【0026】
代替的な実施形態においては、位置センサ42及び磁界発生器22の役割が逆であってもよい。言い換えると、駆動回路28が遠位端20内の磁界発生器を駆動し、1又は複数の磁界を発生させてもよい。発生器22内のコイルは、磁界を検知し、これら磁界の成分の振幅を示す信号を生成するよう構成されていてもよい。プロセッサ26はこれらの信号を受信及び処理し、心臓12内の遠位端20の位置座標を決定する。
【0027】
力センサ44は、遠位端点46が組織に加える圧力を示す信号を操作部にむけ生成することにより、遠位端点46と心臓12の心内膜組織との間の接触を検知する。一実施形態において、力センサは、磁界送信器及び遠位端20における機械的要素とともに位置センサ42を含んでいてもよく、遠位端点の撓み測定に基づく力の表示を生成してもよい。この種のプローブ及び力センサの更なる詳細は、米国特許出願公報第2009/0093806号及び同第2009/0138007号に記載されており、これらの開示事項は参照により本明細書に含まれる。あるいは、遠位端20が別の種類の接触センサを含んでもよい。
【0028】
図3は、本発明の実施形態による、接触特性に基づく規制マッピング方法を概略図示するフロー図である。操作者16がプローブ18を位置決めした後(ステップ50)、プロセッサ26が力センサ44により生成される信号を処理し、プローブ18の遠位端点46により心臓12の心内膜組織上に加えられる圧力の表示などの、接触特性の測定値を導き出す(ステップ52)。圧力が低いことは、遠位端点46における電極40と心内膜組織との間の接触が不適切である可能性を意味する。圧力が高いことは、電極40が心内膜組織を強く押圧し過ぎていることを意味する場合がある。ここに記載の例では接触特性の判定に圧力を用いているが、これに代えて、電気インピーダンス測定などその他の方法もこの目的のために用いることができる。
【0029】
接触特性が特定範囲内にないとき(工程54)、操作部24は表示部32に力センサ4を用いて測定した圧力の表示を出力し、圧力が低すぎる又は高すぎる場合に警告を発し、操作者16にプローブ18を再位置決めするよう促す(ステップ56)ことができ、方法はステップ50に戻る。例えば、カテーテルの先から心臓壁に加わる力が5グラム以上のとき、接触特性はマッピングには充分と考えることができるが、力が35グラムを上回るときは高すぎて危険な場合がある。これに代え又はこれに加えて、以上に記載したように、プローブ18を動かし操作する自動機構の閉回路制御において、圧力の表示を用い、機構がプローブ18の遠位端点46を確実に適切な位置で、かつ組織に対する適切な圧力で、心内膜と係合するようにしてもよい。
【0030】
図3に戻って、接触特性が特定範囲内である場合(ステップ54)は、プロセッサ26は、位置センサ42からの座標指数及び電極40からの電気信号を含むマップポイントを収集し(ステップ58)、マップ34を更新する。最後に、操作者16が更なるマッピングデータを収集したい場合は、マップが完成するまで方法はステップ50に戻る。
【0031】
以上に、カテーテルを用いて電気生理学的マッピングデータを取得するという状況における位置センサ42及び力センサ44の操作について説明したが、本発明の原理は、心臓12及びその他の体内器官の双方における、侵襲的プローブを用いたその他の治療用途及び診断用途に同様に適用することができる。例えば、システム10において実行される装置及び技法は、心臓及びその他器官の双方における温度又は化学的活動などのその他の生理学的パラメータの規制マッピングに準用することができる。これに代え又はこれに加えて、上述したように、接触規制を用いて、(その他のパラメータを必ずしも測定することなく)体腔の表面又は容積の物理的マッピングに用いるための座標ポイントを収集することもできる。
【0032】
以下の請求項における、特定機能を果たすための手段又は工程として記載された全ての構成要素に対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に請求されているその他の請求構成要素と組み合わされる、該機能を果たすためのあらゆる構造、材料、又は行為を含むことを意図している。本開示の説明は、例示及び説明の目的で提示したが、包括的であること、又は開示される形態に限定することを意図するものではない。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの改変や変更ができることは当業者にとって明らかであろう。実施形態は、本開示の原理及び実際的な用途を最も良く説明し、意図される特定用途に適するような様々な変更形態を伴う様々な実施形態について他の当業者が本開示を理解できるよう選択し、説明したものである。
【0033】
添付の特許請求の範囲は、本開示の趣旨及び範囲内に該当する全てのかかる特徴及び利点を含むものとする。当業者であれば多くの改変及び変更を容易に想到するため、本開示は本明細書に記載の限定された数の実施形態に限定されるものではない。したがって、当然のことながら、本開示の趣旨及び範囲内に該当する、好適な全ての変更、改変、及び均等物を利用することができる。
【0034】
〔実施の態様〕
(1) 患者の体腔内の各位置にてプローブにより測定される入力を受信することと、
前記各位置それぞれにおいて前記プローブと前記体腔内の組織との間の各接触特性を測定することと、
前記各接触特性が規定範囲外となる前記入力を拒否することと、
拒否されない前記入力を用いて前記体腔のマップを作成することと、を含む、マッピング方法。
(2) 前記体腔が心腔を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記入力を受信することが、前記プローブ内の位置検出器からの、前記体腔内の前記プローブの遠位端の座標を示す信号を受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記入力を受信することが、前記位置における生理学的パラメータを測定することを含み、前記マップを作成することが、前記腔上の前記生理学的パラメータをマッピングすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記生理学的パラメータを測定することが、前記組織内の電気的活動を示す信号を受信することを含む、実施態様4に記載の方法。
(6) 前記各接触特性を測定することが、前記プローブの遠位端に加わる圧力を測定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記圧力を測定することが、前記プローブ内の力センサからの信号を受信することを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記入力を拒否することが、前記圧力が所定の下限値を下回るときの測定値を拒否することを含む、実施態様6に記載の方法。
(9) 前記入力を拒否することが、前記圧力が所定の上限値を上回るときの測定値を拒否することを含む、実施態様6に記載の方法。
(10) 前記測定圧力に応じて前記プローブを自動制御し、前記プローブを前記体腔内で動かすことを含む、実施態様6に記載の方法。
【0035】
(11) 前記各接触特性を測定することが、前記プローブと前記組織との間の電気インピーダンスを測定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記マップを作成することが、前記位置のうち1または2以上における前記各接触特性を示すタグを前記マップに加えることを含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 体腔内に挿入されるよう構成された遠位端を有するプローブであって、前記体腔内の複数位置において前記プローブと組織との間の各接触特性を測定するための接触センサを含む、プローブと、
前記各位置それぞれにおける前記接触特性を示す入力を前記プローブから受信し、前記各接触特性が規定範囲外となる前記入力を拒否し、拒否されない前記入力を用いて前記体腔のマップを作成するよう構成された操作部と、を備える、マッピング装置。
(14) 前記体腔が心腔を含む、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記プローブが、前記体腔内の前記プローブの遠位端の座標を示す入力を前記操作部に提供するよう構成された位置検出器を含む、実施態様13に記載の装置。
(16) 前記プローブが、患者の前記体腔内の前記各位置における生理学的パラメータを測定する生理学的センサを含み、前記操作部が、前記腔上の前記生理学的パラメータをマッピングするよう構成された、実施態様13に記載の装置。
(17) 前記生理学的センサが、前記組織内における電気的活動を示す信号を生成するよう構成された電極を含む、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記接触センサが、前記プローブの遠位端に加わる圧力を測定するよう構成された、実施態様13に記載の装置。
(19) 前記接触センサが、前記プローブ内の力センサを含む、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記操作部が、前記圧力が所定の下限値を下回るときの測定ポイントを拒否するよう構成された、実施態様18に記載の装置。
【0036】
(21) 前記操作部が、前記圧力が所定の上限値を上回るときの測定ポイントを拒否するよう構成された、実施態様18に記載の装置。
(22) 前記操作部が、前記測定圧力に応じて前記プローブを自動制御し、前記プローブを前記体腔内で動かすよう構成された、実施態様18に記載の装置。
(23) 前記接触センサが電極を含み、前記電極が前記プローブと前記組織との間の電気インピーダンスを測定するよう連結された、実施態様13に記載の装置。
(24) 前記操作部が、前記位置のうち1または2以上における前記各接触特性を示すタグを前記マップに加えるよう構成された、実施態様13に記載の装置。
図1
図2
図3