特許第5722113号(P5722113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722113
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】顧客操作端末
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   G07D9/00 426C
   G07D9/00 421
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-97094(P2011-97094)
(22)【出願日】2011年4月25日
(65)【公開番号】特開2012-230470(P2012-230470A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591051645
【氏名又は名称】株式会社OKIソフトウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100132001
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 政幸
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(72)【発明者】
【氏名】圓田 雅之
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−187542(JP,A)
【文献】 特開2007−226338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部及び視覚障がい者用音声出力部を有し、当該表示部による画面の表示及び当該視覚障がい者用音声出力部による音声信号の出力のいずれか一方又は双方によって、顧客の操作を誘導する顧客操作端末において、
前記顧客に暗証番号を入力させるための暗証番号入力画面の表示中に、前記顧客によって前記視覚障がい者用音声出力部を起動する操作が行われた場合に、前記視覚障がい者用音声出力部の音量調節処理を実行し、以後の処理時に、前記視覚障がい者用音声出力部が前記音量調節処理で決定された出力電力の音声信号を出力することにより、前記顧客の操作を誘導する
ことを特徴とする顧客操作端末。
【請求項2】
請求項1に記載の顧客操作端末において、
前記視覚障がい者用音声出力部の音量調節処理を実行する音量調節部を有し、
前記視覚障がい者用音声出力部は、前記音量調節部が前記音量調節処理を実行した場合に、以後の処理時に、前記音量調節処理で決定された出力電力の音声信号を出力することにより、前記顧客の操作を誘導する
ことを特徴とする顧客操作端末。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の顧客操作端末において、
前記表示部による前記暗証番号入力画面の表示中に、前記顧客によって前記視覚障がい者用音声出力部を起動する操作が行われた場合に、前記表示部が前記顧客に前記視覚障がい者用音声出力部に接続された音響変換器の音量を調節させるための音量調節画面を表示して、前記顧客による音量調節操作を受け付けることによって、前記音量調節処理を実行し、
前記音量調節処理の実行後に、前記表示部が元の前記暗証番号入力画面を再表示するとともに、前記視覚障がい者用音声出力部が前記音量調節処理で決定された出力電力の音声信号を前記音響変換器に出力する
ことを特徴とする顧客操作端末。
【請求項4】
請求項3に記載の顧客操作端末において、
当該顧客操作端末は、現金を取り扱う現金取扱装置として構成されており、
前記暗証番号入力画面の表示中に加え、前記顧客に取引の種別を選択させるための取引選択画面の表示中に、前記顧客によって前記視覚障がい者用音声出力部を起動する操作が行われた場合に、前記表示部が前記音量調節画面を表示して、前記顧客による音量調節操作を受け付けることによって、前記音量調節処理を実行し、
前記音量調節処理の実行後に、前記表示部が元の前記取引選択画面を再表示するとともに、前記視覚障がい者用音声出力部が前記音量調節処理で決定された出力電力の音声信号を前記音響変換器に出力することにより、前記顧客の操作を誘導する
ことを特徴とする顧客操作端末。
【請求項5】
請求項3に記載の顧客操作端末において、
当該顧客操作端末は、現金を取り扱う現金取扱装置として構成されている
ことを特徴とする顧客操作端末。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の顧客操作端末において、
前記表示部によって表示される前記暗証番号入力画面は、前記音量調節画面を前記表示部に表示させるためのボタンを含む構成となっている
ことを特徴とする顧客操作端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客によって操作される顧客操作端末に関し、特に、顧客の操作を誘導する顧客操作端末に関する。また、本発明は、その顧客操作端末に用いるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客によって操作される顧客操作端末は、例えば、金融機関や流通機関等に多数設置されている。顧客操作端末には、様々なタイプのものが存在する。顧客操作端末は、例えば、現金取扱装置や、チケット発行装置、無人契約装置等として構成されている場合がある。ここでは、顧客操作端末が現金取扱装置として構成されている場合を想定して説明する。なお、「現金取扱装置」とは、例えば、自動取引装置(ATM)やキャッシュディスペンサ等を意味している。
【0003】
「現金取扱装置」として構成された顧客操作端末は、残高照会や顧客の口座からの現金の引き出し等の、様々な取引を実行する。顧客操作端末は、取引時に、顧客が円滑に操作できるように、顧客の操作を誘導する画面を表示部に表示する。なお、表示部は、操作部としてのタッチパネルと一体に構成されている場合が多い。
【0004】
顧客は、表示部に表示された画面を見ながら、操作部を操作する。これにより、顧客は、顧客操作端末に対して、例えば、取引の種別の選択や引き出し金額の入力等の操作を行う。その際に、顧客操作端末は、装置に設けられたスピーカから顧客の操作を誘導する音声を出力したり、顧客によって操作されたキーの打鍵音等を出力したりする。
【0005】
このような顧客操作端末の中には、各種の画面を表示する際に、各画面の重要度レベルに応じて、音声の音量を切り替えて出力する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ところで、顧客操作端末は、健常者の顧客だけでなく、例えば、弱視者や色盲者、色弱者等の視覚障がい者の顧客が利用する場合がある。したがって、顧客操作端末は、このような視覚障がい者への配慮が必要となる。
【0007】
そこで、顧客操作端末の中には、顧客が視覚障がい者であっても、顧客の操作を好適に誘導することができるように、顧客によって持参されたイヤホン(又は、金融機関や流通機関等から顧客に貸し出されたイヤホン)が接続されるイヤホンジャックを有する装置(以下、「従来の顧客操作端末」と称する)がある。
【0008】
従来の顧客操作端末は、イヤホンがイヤホンジャックに接続されると、イヤホンを介して、視覚障がい者用の音声を出力する。これにより、従来の顧客操作端末は、音声で顧客の操作を誘導したり、音声で口座残高や打鍵金額等の情報を顧客に通知したりする。
【0009】
したがって、従来の顧客操作端末では、イヤホンは、視覚障がい者用の音声を出力する耳栓型の視覚障がい者用音響変換器として機能し、一方、イヤホンジャックは、そのイヤホンに視覚障がい者用の音声信号を出力する視覚障がい者用音声出力部として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−146272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の顧客操作端末は、顧客が視覚障がい者である場合に、顧客にとって聞き取り難い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力されるときがある、という課題があった。
【0012】
例えば、従来の顧客操作端末は、視覚障がい者用音声出力部から視覚障がい者用音響変換器としてのイヤホンに出力される音声信号(Output)の出力電力(Power)が、予め定められた固定値に設定されている。しかしながら、イヤホンは、種類によって、インピーダンスが異なる。また、顧客の聴力は、顧客毎に異なる。さらに、体感音量は、顧客操作端末の設置環境やその周りの状況によって、装置毎に異なる。
【0013】
そのため、従来の顧客操作端末は、視覚障がい者用音声出力部から固定値に設定された出力電力の音声信号をイヤホンに出力していても、これらの要因により、顧客にとって、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンを介して出力される音声の音量が小さすぎる現象や、逆に、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンを介して出力される音声の音量が大きすぎる現象が発生する場合があった。その結果、顧客は、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンを介して出力される音声の音量が小さすぎて、音声が聞こえ難い場合や、逆に、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンを介して出力される音声の音量が大きすぎて、音声が聞こえ過ぎる(騒々し過ぎる)場合があった。
【0014】
また、従来の顧客操作端末は、たとえ特許文献1に開示された装置のように、各画面の重要度レベルに応じて、音声の音量を切り替える構成を視覚障がい者用音声出力部に適用することができたとしても、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンに出力される音声信号の出力電力が各画面の重要度レベルに応じた固定値となり、前記した要因が解消されないため、顧客にとって、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンを介して出力される音声の音量が小さすぎる現象や、逆に、視覚障がい者用音声出力部からイヤホンを介して出力される音声の音量が大きすぎる現象が依然として発生する。
【0015】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、顧客が視覚障がい者である場合に、顧客にとって聞き取り易い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力される顧客操作端末、及び、当該顧客操作端末に用いるプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するため、第1発明は、表示部及び視覚障がい者用音声出力部を有し、当該表示部による画面の表示及び当該視覚障がい者用音声出力部による音声信号の出力のいずれか一方又は双方によって、顧客の操作を誘導する顧客操作端末であって、前記顧客に暗証番号を入力させるための暗証番号入力画面の表示中に、前記顧客によって前記視覚障がい者用音声出力部を起動する操作が行われた場合に、前記視覚障がい者用音声出力部の音量調節処理を実行し、以後の処理時に、前記視覚障がい者用音声出力部が前記音量調節処理で決定された出力電力の音声信号を出力することにより、前記顧客の操作を誘導する構成とする。
【0017】
この顧客操作端末は、暗証番号入力画面の表示中に、顧客によって視覚障がい者用音声出力部を起動する操作が行われた場合に、視覚障がい者用音声出力部の音量調節処理を実行する。そのため、この顧客操作端末は、視覚障がい者用音声出力部から出力される音声信号の出力電力を顧客にとって聞き取り易い出力電力に調節することができる。そして、この顧客操作端末は、以後の処理時に、視覚障がい者用音声出力部が、音量調節処理で決定された出力電力で音声信号を出力する。その結果、この顧客操作端末は、顧客が視覚障がい者である場合に、顧客にとって聞き取り易い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力されるようにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
発明によれば、顧客が視覚障がい者である場合に、暗証番号入力画面の表示中に、視覚障がい者用音声出力部を起動する操作が行われると、顧客にとって聞き取り易い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力されるようにする顧客操作端末を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1に係る顧客操作端末の構成を示す図(1)である。
図2】実施形態1に係る顧客操作端末の構成を示す図(2)である。
図3】実施形態1に係る顧客操作端末の構成を示す図(3)である。
図4】実施形態1に係る顧客操作端末の動作を示すフローチャートである。
図5】実施形態1に係る顧客操作端末の表示画面の一例を示す図(1)である。
図6】実施形態1に係る顧客操作端末の表示画面の一例を示す図(2)である。
図7】実施形態2に係る顧客操作端末の表示画面の一例を示す図である。
図8】実施形態2に係る顧客操作端末の動作を示すフローチャートである。
図9】変形例に係る顧客操作端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0022】
[実施形態1]
<顧客操作端末の構成>
以下、図1図3を参照して、本実施形態1に係る顧客操作端末の構成につき説明する。図1図3は、それぞれ、実施形態1に係る顧客操作端末の構成を示す図である。図1は、本実施形態1に係る顧客操作端末1の外観(特に、顧客と対面する部分の外観)を示している。図2は、後記するタッチパネル付表示部2の周囲の構成を示している。図3は、顧客操作端末1のブロック構成を示している。
【0023】
顧客操作端末1は、例えば、金融機関や流通機関等に設置される端末装置である。顧客操作端末1は、例えば、現金取扱装置や、チケット発行装置、無人契約装置等として構成される。ここでは、顧客操作端末1が、例えば、自動取引装置(ATM)やキャッシュディスペンサ等の現金取扱装置として構成されている場合を想定して説明する。
【0024】
顧客操作端末1は、顧客が例えば弱視者や色盲者、色弱者等の視覚障がい者である場合に、視覚障がい者用音声出力部から音響交換器を介して出力される音声の音量を、顧客にとって聞き取り易い音量に調節するための機能が付加されている。本実施形態1では、視覚障がい者用音声出力部は、後記するイヤホンジャック3a(図1及び図3参照)として構成されており、一方、音響交換器は、後記するイヤホン31(図3参照)として構成されているものとして説明する。
【0025】
図1に示す例では、顧客操作端末1は、顧客と対面する部分に、タッチパネル付表示部2、イヤホンジャック3a、ハンドセット型電話機(以下、「ハンドセット」と称する)3b、スピーカ3c、カード挿入口4a、通帳挿入口5a、紙幣投入口6a、及び、硬貨投入口6bを有する構成となっている。
【0026】
タッチパネル付表示部2は、顧客の操作を受け付ける操作部としてのタッチパネルが一体に構成された、各種の画面を表示する表示部である。なお、顧客操作端末1は、タッチパネル付表示部2の代わりに、操作部と表示部とが分離された構成にすることもできる。また、操作部は、タッチパネル以外の手段(例えば、可変抵抗器等)にすることもできる。
【0027】
イヤホンジャック3aは、顧客によって持参されたイヤホン31(又は、金融機関や流通機関等から顧客に貸し出されたイヤホン31)(図3参照)が接続される構成要素である。イヤホンジャック3aは、視覚障がい者用の音声信号をイヤホン31に出力して、イヤホン31に視覚障がい者用の音声を出力させる。したがって、顧客操作端末1では、イヤホン31は、視覚障がい者用の音声を出力する耳栓型の視覚障がい者用音響変換器として機能し、一方、イヤホンジャック3aは、そのイヤホン31に視覚障がい者用の音声信号を出力する視覚障がい者用音声出力部として機能する。
ハンドセット3bは、顧客操作端末1に設けられた電話機である。
スピーカ3cは、各種の情報を音声で出力する音声出力部である。
ハンドセット3b及びスピーカ3cは、それぞれ、装置に設けられた図示せぬコネクタに接続されており、各コネクタを介して、制御部10(図3参照)に接続されている。
【0028】
カード挿入口4aは、顧客によって所持されたカードが挿入される開口部である。
通帳挿入口5aは、顧客によって所持された通帳が挿入される開口部である。
紙幣投入口6aは、取引時に、紙幣が投入される部位である。
硬貨投入口6bは、取引時に、硬貨が投入される部位である。
【0029】
顧客操作端末1には、顧客が例えば弱視者や色盲者、色弱者等の視覚障がい者であっても容易に操作できるように、視覚障がい者に対する様々な構成が設けられている。
【0030】
例えば、顧客操作端末1は、図2に示すように、タッチパネル付表示部2の周囲に、触覚絵記号21が設けられている。触覚絵記号21は、視覚障がい者の顧客がタッチパネル付表示部2を容易に操作することができるように設けられた突起物である。触覚絵記号21は、取引時にタッチパネル付表示部2に表示される「取引の種別の記号」や「テンキー」等の各図柄に対応して、各図柄に隣接する位置に、各図柄と同じ形状の突起物として形成されている。触覚絵記号21は、例えば、触覚絵記号21が形成されたシールをタッチパネル付表示部2の周囲に貼り付けることにより、タッチパネル付表示部2の周囲に配置される。
【0031】
また、顧客操作端末1は、カード挿入口4aや、通帳挿入口5a、紙幣投入口6a、及び、硬貨投入口6bの周囲に、これらの構成要素を点字で表す図示せぬ突起物が設けられている。
また、顧客操作端末1は、視覚障がい者用音響変換器としてのイヤホン31(図3参照)が接続されるイヤホンジャック3aが設けられている。
【0032】
図3に示す例では、顧客操作端末1は、タッチパネル付表示部2、音声出力部3、カード取扱部4、通帳取扱部5、現金取扱部6、通信部9、制御部10、及び、記憶部20を有する構成となっている。
【0033】
タッチパネル付表示部2は、前記した通り、各種の画面を表示する表示部であるとともに、顧客の操作を受け付ける操作部である。
【0034】
音声出力部3は、各種の情報を音声で出力するための構成要素である。音声出力部3は、前記したイヤホンジャック3a、ハンドセット3b、及び、スピーカ3c(図1参照)を備えている。
【0035】
カード取扱部4は、顧客によって所持されたカードを取り扱う構成要素である。カード取扱部4は、カードに設けられた記憶手段から顧客の口座番号等の情報を読み取る。また、カード取扱部4は、運用によっては、カードに設けられた記憶手段に各種の情報を書き込む場合もある。なお、カードの記憶手段は、通常、磁気ストライプとして構成されているが、ICチップとして構成されている場合もある。カード取扱部4は、前記したカード挿入口4a(図1参照)の内部に設けられている。
【0036】
通帳取扱部5は、顧客によって所持された通帳を取り扱う構成要素である。通帳取扱部5は、通帳の磁気ストライプから顧客の口座番号等の情報を読み取る。また、通帳取扱部5は、実行された取引の情報を通帳に印字する。通帳取扱部5は、前記した通帳挿入口5a(図1参照)の内部に設けられている。
【0037】
現金取扱部6は、顧客に放出する現金や顧客が投入する現金を取り扱う構成要素である。現金取扱部6は、前記した紙幣挿入口6a(図1参照)及び硬貨挿入口6b(図1参照)の内部に設けられている。
【0038】
通信部9は、外部装置(ここでは、図示せぬホストコンピュータ)と通信するための構成要素である。現金取扱装置としての顧客操作端末1は、ホストコンピュータと通信することによって、残高照会や顧客の口座からの現金の引き出し、顧客の口座への現金の預け入れ、任意の口座への振込等の、様々な取引を実行する。
【0039】
制御部10は、顧客操作端末1の動作を制御する機能手段である。制御部10は、記憶部20に予め記憶された後記する制御プログラム20aを実行することにより、主制御部11、表示操作制御部12、音声制御部13、及び、取引制御部14として機能する。
【0040】
主制御部11は、顧客操作端末1の全体の動作を制御する機能手段である。
表示操作制御部12は、表示部及び操作部として構成されたタッチパネル付表示部2の動作を制御する機能手段である。表示操作制御部12は、状況に応じて、記憶部20に予め記憶された各種の画面をタッチパネル付表示部2に表示させる。また、表示操作制御部12は、顧客の指がタッチパネル付表示部2と接触すると、接触した位置を識別し、その位置に割り当てられていた情報を特定することにより、顧客の操作を受け付ける。
【0041】
音声制御部13は、音声出力部3の動作を制御する機能手段である。本実施形態1では、音声制御部13は、音量調節部13aを備えている。音量調節部13aは、視覚障がい者用音声出力部としてのイヤホンジャック3aの音量調節処理を実行する機能手段である。音声制御部13は、イヤホンジャック3aに接続されたイヤホン31から出力される音声の音量が顧客にとって聞き取り易い音量になるように、イヤホンジャック3aからイヤホン31に出力される音声信号(Output)の出力電力(Power)を調節する。
【0042】
取引制御部14は、各種の取引処理を実行する機能手段である。取引制御部14は、通信部9を介して、図示せぬホストコンピュータと通信して、各種の取引処理の実行をホストコンピュータに依頼する。
【0043】
例えば、取引制御部14は、引き出し取引時に、引き出し取引処理の実行をホストコンピュータに依頼する。すると、ホストコンピュータは、顧客の口座の預金残高から顧客によって指定された金額(以下、「引き出し金額」と称する)を差し引いた、仮の取引後の残高情報を一時的にデータベースに登録する。取引制御部14は、仮の取引情報がホストコンピュータのデータベースに一時的に登録されると、現金取扱部6を制御して、紙幣挿入口6a及び硬貨挿入口6bから引き出し金額分の現金を外部に放出する。このようにして、顧客操作端末1は、引き出し金額分の現金を顧客に支払う。ホストコンピュータは、引き出し金額分の現金が顧客に支払われると、仮の取引後の残高情報を、取引後の残高情報としてデータベースに登録する。このようにして、引き出し取引が行われる。
【0044】
記憶部20は、各種の情報やプログラムが記憶される記憶手段である。記憶部20は、例えば、制御部10を、主制御部11、表示操作制御部12、音声制御部13、及び、取引制御部14として機能させるための制御プログラム20aを記憶している。また、記憶部20は、例えば、顧客が視覚障がい者である場合に、イヤホンジャック3aを介してイヤホン31から出力する視覚障がい者用音声信号データ20bを記憶している。
【0045】
<顧客操作端末の動作>
以下、図4図6を参照して、顧客操作端末1の動作につき説明する。図4は、実施形態1に係る顧客操作端末の動作を示すフローチャートである。図5図6は、それぞれ、実施形態1に係る顧客操作端末の表示画面の一例を示す図である。図5は、取引選択画面91の一例を示している。取引選択画面91は、顧客に取引の種別を選択させるための画面である。図6は、音量調節画面92の一例を示している。音量調節画面92は、顧客にイヤホン31から出力される音声の音量を調節させるための画面である。
【0046】
ここでは、顧客が、顧客操作端末1を操作して、取引の種別を選択する場合を想定して説明する。また、ここでは、顧客操作端末1は、初期画面としての取引選択画面91(図5参照)をタッチパネル付表示部2に表示するものとして説明する。
【0047】
顧客操作端末1は、例えば、取引制御部14(又は、図示せぬ制御部)が図示せぬ近接センサによって顧客の接近を検出することによって、動作を開始する。
【0048】
顧客操作端末1は、顧客の接近を検出すると、表示操作制御部12(図3参照)が初期画面としての取引選択画面91をタッチパネル付表示部2に表示させる(S105)。
【0049】
顧客操作端末1は、取引選択画面91がタッチパネル付表示部2に表示されると、音声制御部13(図3参照)が、イヤホン31の使用の有無を判定する(S110)。ここでは、音響交換器としてのイヤホン31が視覚障がい者用音声出力部としてのイヤホンジャック3aに挿入されることにより、視覚障がい者用音声出力部が起動されるものとする。したがって、本実施形態1では、特許請求の範囲に記載された「視覚障がい者用音声出力部を起動する操作」とは、イヤホン31をイヤホンジャック3aに挿入する操作を意味している。
【0050】
S110の判定で、音声制御部13は、イヤホン31がイヤホンジャック3aに挿入されている場合に、イヤホン31が使用されている(“Yes”)と判定する。この場合に、処理は、S120に進む。一方、音声制御部13は、イヤホン31がイヤホンジャック3aに挿入されていない場合に、イヤホン31が使用されていない(“No”)と判定する。この場合に、処理は、S130に進む。
【0051】
S110の判定で、イヤホン31が使用されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、音声制御部13の音量調節部13aが、音量調節処理を実行する(S120)。S120の「音量調節処理」では、例えば、以下のS120a〜S120fの処理が実行される。その際に、顧客操作端末1は、S120bで、イヤホン31を介して、視覚障がい者用の音声を出力するようになる。
【0052】
まず、音量調節部13aは、表示操作制御部12に対して、音量調節画面92(図6参照)の表示を指示し、これに応答して、表示操作制御部12が、音量調節画面92をタッチパネル付表示部2に表示させる。その結果、タッチパネル付表示部2が、音量調節画面92を表示する(S120a)。
【0053】
音量調節画面92は、音量調節ボタン92a,92b、及び、終了ボタン92cを含む構成となっている。音量調節ボタン92aは、イヤホン31の音量を大きくする場合に使用されるボタンである。一方、音量調節ボタン92bは、イヤホン31の音量を小さくする場合に使用されるボタンである。以下、音量調節ボタン92a,92bを区別する場合に、それぞれ、「音量大ボタン92a」及び「音量小ボタン92b」と称する。終了ボタン92cは、音量調節処理を終了する場合に使用されるボタンである。
【0054】
次に、音量調節部13aは、イヤホンジャック3aに接続されたイヤホン31から、「イヤホン31の音量を調節することができる」旨の「音量調節誘導音声」を繰り返し出力する(S120b)。これにより、顧客操作端末1は、顧客に対して、イヤホン31の音量の調節操作を誘導する。
【0055】
顧客操作端末1は、イヤホン31に音声を出力するための初期の音量設定値を中間レベル(又は、なるべく大きなレベル)に設定している。顧客は、イヤホン31から繰り返し出力される「音量調誘導音声」の音量を聞きながら、音量調節画面92に表示された音量調節ボタン92a,92b、及び、終了ボタン92cのいずれか1つのボタンを押下する。
【0056】
顧客は、イヤホン31の音量が顧客にとって小さい場合に、音量大ボタン92aを押下する。また、顧客は、イヤホン31の音量が顧客にとって大きい場合に、音量小ボタン92bを押下する。顧客は、イヤホン31の音量が顧客にとって適度な音量(顧客にとって聞き取り易い音量)である場合に、終了ボタン92cを押下する。
【0057】
顧客が音量調節ボタン92a,92b、及び、終了ボタン92cのいずれか1つのボタンを押下すると、表示操作制御部12(図3参照)は、押下されたボタンの位置を識別し、その位置に割り当てられていた情報を特定することによって、顧客操作の内容を検出する(S120c)。
【0058】
表示操作制御部12は、顧客操作の内容を検出すると、検出結果を音量調節部13aに出力する。音量調節部13aは、表示操作制御部12から検出結果が入力されると、検出結果に基づいて、顧客操作の内容を識別する。そして、音量調節部13aは、終了ボタン92cが押下されたか否かを識別することによって、顧客操作が終了したか否かを判定する(S120d)。
【0059】
S120dの判定で、顧客操作が終了していないと判定された場合(“No”の場合)に、音量調節部13aは、イヤホン31の音量を変更する(S120e)。なお、「顧客操作が終了していないと判定された場合(“No”の場合)」とは、顧客操作の内容が音量大ボタン92a又は音量小ボタン92bを押下する操作である場合を意味する。
【0060】
S120eでは、音量調節部13aは、顧客操作の内容が音量大ボタン92aを押下する操作である場合に、イヤホン31の音量が大きくなるように、イヤホン31の音量を変更する。
【0061】
また、S120eでは、音量調節部13aは、顧客操作の内容が音量小ボタン92bを押下する操作である場合に、イヤホン31の音量が小さくなるように、イヤホン31の音量を変更する。そして、処理は、S120cに戻る。その結果、顧客操作端末1は、S120cの表示操作制御部12によって顧客操作の内容を検出する処理と、S120eの音量調節部13aによってイヤホン31の音量を変更する処理とを繰り返す。
【0062】
一方、S120dの判定で、顧客操作が終了したと判定された場合(“Yes”の場合)に、音量調節部13aは、イヤホン31の音量を、終了ボタン92cが押下された時点の音量に決定する(S120f)。
【0063】
このようにして、顧客操作端末1は、S120dの判定で、顧客操作が終了した(“Yes”)と判定されるまで、音量大ボタン92a又は音量小ボタン92bが押下される毎に、イヤホン31の音量を変更しながら、変更された音量で、「音量調節誘導音声」を出力する。そして、顧客操作端末1は、S120dの判定で、顧客操作が終了した(“Yes”)と判定されると、イヤホン31の音量を、終了ボタン92cが押下された時点の音量に決定する。これにより、S120の「音声調節処理」が終了する。以後、顧客操作端末1は、終了ボタン92cが押下された時点の音量で、イヤホン31から音声を出力する。
【0064】
S120の「音声調節処理」の後、顧客操作端末1は、表示操作制御部12が取引選択画面91をタッチパネル付表示部2に再表示させる(S125)。そして、顧客操作端末1は、S120cと同様にして、表示操作制御部12が顧客操作の内容を検出する(S130)。この後、顧客操作端末1は、取引制御部14(図3参照)がS130で検出された顧客操作の内容に基づいて、図示せぬホストコンピュータと通信して、取引処理を実行する。
【0065】
このような顧客操作端末1は、例えば、初期画面(ここでは、取引選択画面91)の表示時に、顧客が、視覚障がい者用音声出力部(ここでは、イヤホンジャック3a)から音響交換器(ここでは、イヤホン31)を介して出力される音声を聞きながら、その音量を顧客にとって聞き取り易い音量に調節することができる。これにより、顧客操作端末1は、視覚障がい者用音声出力部から音響交換器に出力される音声信号(Output)の出力電力(Power)を、顧客にとって聞き取り易い出力電力に調節することができる。
【0066】
そして、顧客操作端末1は、視覚障がい者用音声出力部から音響交換器に出力される音声信号の出力電力が調節されると、以後の操作時に、調節された出力電力で、視覚障がい者用音声出力部から音響交換器に音声信号を出力する。そのため、顧客操作端末1は、顧客が視覚障がい者である場合に、顧客にとって聞き取り易い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力されるようにすることができる。その結果、顧客操作端末1は、顧客が視覚障がい者である場合に、顧客にとって聞き取り易い音量で音響交換器を介して音声を出力することができる。
【0067】
以上の通り、本実施形態1に係る顧客操作端末1によれば、顧客が視覚障がい者である場合に、顧客にとって聞き取り易い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力されるようにすることができる。
【0068】
[実施形態2]
実施形態1では、顧客操作端末1は、初期画面(取引選択画面91(図5参照))の表示時に、S120の「音声調節処理」を実行している。しかしながら、S120の「音声調節処理」は、初期画面(取引選択画面91)以外の画面の表示時にも、実行することができる。
【0069】
本実施形態2では、顧客操作端末1は、暗証番号入力画面93(図7参照)の表示時に、S120の「音声調節処理」を実行する構成になっている。以下、本実施形態2に係る顧客操作端末1を「顧客操作端末1A(図示せず)」と称する。顧客操作端末1Aは、実施形態1に係る顧客操作端末1と同じ構成になっている。
【0070】
なお、図7は、実施形態2に係る顧客操作端末の表示画面の一例を示す図である。図7に示す暗証番号入力画面93は、顧客に暗証番号を入力させるための画面である。暗証番号入力画面93は、テンキー93a及び音量調節ボタン93bを含む構成となっている。テンキー93aは、暗証番号を構成する数字を入力するためのキーである。音量調節ボタン93bは、顧客が顧客の判断でS120の「音声調節処理」を顧客操作端末1に実行させる場合に、音量調節画面92(図6参照)をタッチパネル付表示部2に表示させるためのボタンである。
【0071】
なお、ここでは、音量調節ボタン93bが暗証番号入力画面93で表示される場合を想定して説明する。しかしながら、顧客操作端末1Aは、あらゆる任意の画面で音量調節ボタン93bを表示させることができる。例えば、顧客操作端末1Aは、実施形態1で説明した取引選択画面91で音量調節ボタン93bを表示されるようにしてもよい。この場合に、顧客は、取引選択画面91の表示時に、顧客の判断でS120の「音声調節処理」を顧客操作端末1Aに実行させることができるようになる。また、顧客操作端末1Aは、取引選択画面91以降の任意の画面でも音量調節ボタン93bを表示させるようにしてもよい。この場合に、顧客操作端末1Aは、取引が進行して、画面が他の画面に移行しても、常に、音量調節ボタン93bを表示させる。そのため、顧客は、取引選択画面91以降の任意の画面の表示時にも、顧客の判断でS120の「音声調節処理」を顧客操作端末1Aに実行させることができるようになる。
【0072】
以下、図8を参照して、本実施形態2に係る顧客操作端末1Aの動作につき説明する。図8は、実施形態2に係る顧客操作端末の動作を示すフローチャートである。ここでは、本実施形態2に係る顧客操作端末1Aの動作について、実施形態1に係る顧客操作端末1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1に係る顧客操作端末1と同様の動作(図参照)については、前記した実施形態1に係る顧客操作端末1の動作を本実施形態2に係る顧客操作端末1Aに読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
【0073】
図8に示すように、本実施形態2に係る顧客操作端末1Aの動作は、図4に示す実施形態1に係る顧客操作端末1の動作と比較すると、S105で取引選択画面91を表示する代わりに、S105aで暗証番号入力画面93を表示し、また、S125で取引選択画面91を再表示する代わりに、S125aで暗証番号入力画面93を再表示する点で相違している。これ以外の顧客操作端末1Aの動作は、顧客操作端末1の動作と同じである。
【0074】
このような顧客操作端末1Aは、初期画面(ここでは、取引選択画面91)以外の画面(ここでは、暗証番号入力画面93)の表示時に、視覚障がい者用音声出力部に対する音量調節処理を実行することができる。なお、顧客操作端末1Aは、実施形態1に係る顧客操作端末1と同様に、初期画面(ここでは、取引選択画面91)の表示時にも、視覚障がい者用音声出力部に対する音量調節処理を実行する構成にしてもよい。この場合に、顧客操作端末1Aは、顧客が視覚障がい者である場合に、初期画面及びそれ以降の画面を含む任意の画面の表示時に、顧客にとって聞き取り易い音量で視覚障がい者用音声出力部から音声を出力することができる。
【0075】
なお、顧客操作端末1Aは、実施形態1に係る顧客操作端末1と同様に、S110の判定で、イヤホン31が使用されている(“Yes”)と判定された場合に、S120の「音量調節処理」の中で、S120aを実行する際に、表示操作制御部12が音量調節画面92(図6参照)をタッチパネル付表示部2に表示させる。
【0076】
ただし、顧客操作端末1Aは、実施形態1に係る顧客操作端末1と異なり、S110の判定で、イヤホン31が使用されていない(“No”)と判定された場合であっても、任意の画面(ここでは、暗証番号入力画面93)の表示時に、画面に含まれている音量調節ボタン93bが顧客によって押下されることによっても、表示操作制御部12が音量調節画面92(図6参照)をタッチパネル付表示部2に表示させることができる。また、顧客操作端末1Aは、取引選択画面91を含むあらゆる任意の画面で音量調節ボタン93bを表示されるようにしてもよい。これにより、顧客操作端末1Aは、取引選択画面91を含むあらゆる任意の画面の表示時に、イヤホン31がイヤホンジャック3aに接続されていない状態でも、視覚障がい者用音声出力部に対する音量調節処理を実行することができる。
【0077】
以上の通り、本実施形態2に係る顧客操作端末1Aによれば、顧客が視覚障がい者である場合に、任意の画面の表示時に、顧客にとって聞き取り易い出力電力の音声信号が視覚障がい者用音声出力部から出力されるようにすることができる。
【0078】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0079】
例えば、実施形態1及び実施形態2では、自動取引装置(ATM)やキャッシュディスペンサ等の現金取扱装置を顧客操作端末1,1Aとして用いる場合を例にして説明した。しかしながら、本発明は、現金取扱装置に限らず、無人で稼動する顧客操作端末1全般に、適用することができる。
【0080】
また、例えば、実施形態1及び実施形態2では、イヤホン31を視覚障がい者用音響変換器として用いる場合を例にして説明した。しかしながら、本発明は、イヤホンジャック3aに限らず、ハンドセット3bが顧客操作端末1,1Aに設けられている場合に、そのハンドセット3bを視覚障がい者用音響変換器として用いるときにも、適用することができる。なお、この場合に、顧客操作端末1,1Aは、ハンドセット3bが接続された前記した図示せぬコネクタが、視覚障がい者用音声出力部として機能する。
【0081】
この場合に、顧客操作端末1は、例えば、図9に示すように動作する。図9は、変形例に係る顧客操作端末の動作を示すフローチャートである。図9は、イヤホンジャック3a及びハンドセット3bの双方を視覚障がい者用音声出力部として用いる場合のフローの一例を示している。
【0082】
この場合のフローは、図9に示すように、図4に示すフローと比較すると、S110の判定で、イヤホン31を使用していないと判定された場合(“No”の場合)に、S115で、音声制御部13がハンドセット3bの使用の有無を判定し、S115の判定で、ハンドセット3bが使用されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理がS115からS120に進み、一方、S115の判定で、ハンドセット3bが使用されていないと判定された場合(“No”の場合)に、処理がS115からS130に進む点で、相違している。
【符号の説明】
【0083】
1 顧客操作端末(現金取扱装置)
2 タッチパネル付表示部
3 音声出力部
3a イヤホンジャック(視覚障がい者用音声出力部)
3b ハンドセット型電話機(ハンドセット)
4 カード取扱部
4a カード挿入口
5 通帳取扱部
5a 通帳挿入口
6 現金取扱部
6a 紙幣投入口
6b 硬貨投入口
10 制御部
11 主制御部
12 表示操作制御部
13 音声制御部
13a 音量調節部
14 取引制御部
20 記憶部
20a 制御プログラム
21 触覚絵記号
31 イヤホン(視覚障がい者用音響変換器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9