(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カーボンナノチューブ複合構造体は、カーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料からなり、前記カーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料は、柔軟性高分子構造体及び複数のカーボンナノチューブからなり、
前記複数のカーボンナノチューブは、均一に前記柔軟性高分子構造体内に分散され、相互に接続して電気伝導ネットワークを形成していることを特徴とする、請求項1に記載のタッチペン。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例1に係るタッチペンの構造を示す図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン本体の構造を示す図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先の断面図である。
【
図4】本発明の実施例1に係るタッチペンの中空構造を有するタッチペンの構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例1に係るタッチペンの螺旋状に配置された条状のタッチ層を有するタッチペンの構造を示す図である。
【
図6】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるカーボンナノチューブ構造体の構造を示す図である。
【
図7】
図6中のカーボンナノチューブアレイからなるカーボンナノチューブ構造体の構造を示す図である。
【
図8】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるドローン構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【
図9】
図8中のカーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブセグメントの構造を示す図である。
【
図10】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【
図11】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる同じ方向に配列されるカーボンナノチューブを含むプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【
図12】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる異なる方向に配列されるカーボンナノチューブを含むプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【
図13】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる複数の相互に平行しているカーボンナノチューブワイヤからなるカーボンナノチューブ構造体が、柔軟性の高分子基材の表面に設置されることによって形成されたタッチ層の構造を示す図である。
【
図14】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる複数の相互に交叉しているカーボンナノチューブワイヤからなるカーボンナノチューブ構造体が、柔軟性の高分子基材の表面に設置されることによって形成されたタッチ層の構造を示す図である。
【
図15】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤの走査型電子顕微鏡写真である。
【
図16】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるねじれ状カーボンナノチューブワイヤの走査型電子顕微鏡写真である。
【
図17】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるカーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料の構造を示す図である。
【
図18】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるカーボンナノチューブ構造体を有するカーボンナノチューブ複合材料の構造を示す図である。
【
図19】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるカーボンナノチューブ構造体を有するカーボンナノチューブ複合材料の構造を示す図である。
【
図20】カーボンナノチューブアレイにおいて、カーボンナノチューブが柔軟性の高分子基材の表面から露出したタッチ層の構造を示す図である。
【
図21】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられる複数のカーボンナノチューブ及び導電性材料からなり、複数の微孔を有するカーボンナノチューブ−導電性材料複合構造体の構造を示す図である。
【
図22】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるグラフェン高分子複合材料の構造を示す図である。
【
図23】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるグラフェンの構造を示す図である。
【
図24】本発明の実施例1に係るタッチペンのペン先に用いられるタッチ層の構造を示す図である。
【
図25】本発明の実施例2に係るタッチペンの構造を示す図である。
【
図26】本発明の実施例2に係るタッチペンのペン先の構造を示す図である。
【
図27】本発明の実施例3に係るタッチペンの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0016】
(実施例1)
図1を参照すると、本実施例のタッチペン100は、ペン本体110と、該ペン本体110の一端に設置されたペン先120と、を含む。前記ペン先120は、靭性及び導電性を有する。
【0017】
前記ペン本体110は、把持部として、前記ペン先120を制御することができる。前記タッチペン100は、人体の導電特性によって作動する場合、前記ペン本体110と前記ペン先120とは電気的に接続される。前記タッチペン100は、人体の導電特性によらず作動する場合、前記ペン先120がタッチパネルに接触する場合、該ペン先120と前記タッチパネルとの間に静電容量の変化が生じる。前記タッチペン100の材料、構造、形状及びそれと前記ペン先120との接続方式は、実際の応用に応じて選択することができる。
【0018】
図2を参照すると、前記ペン本体110は、中空筒状の構造体であり、固定端114を有する。前記固定端114の裏側には、雌螺子が形成される。
【0019】
図3を参照すると、前記ペン先120は、支持体121及びタッチ層125を含む。前記タッチ層125は、前記支持体121の一部の表面を被覆している。前記支持体121は、柔軟性材料からなるが、前記タッチ層125は、柔軟性を有する導電性材料からなる。前記ペン先120の形状は、例えば、球状、錐状、円台状などの形状であり、本実施例において、前記ペン先120は、円錐状である。前記ペン先120は、柔軟性を有するので、それを利用する場合、前記ペン先120に所定の圧力を加えて前記ペン先120とタッチパネルとの接触面積を制御することによって、前記タッチペン100と前記タッチパネルとの間で静電容量を制御することができる。
【0020】
前記支持体121は、固定部122及び本体124を含む。前記固定部122及び前記本体124は、一体成型の中実構造体である。前記固定部122の外表面に雄螺子が形成されている。前記固定部122の雄螺子は、前記ペン本体110の固定端114の裏側に形成された雌螺子と相互に噛み合うことができるので、前記ペン先120を前記ペン本体110の固定端114に固定させることができる。前記本体124の形状は、実際の応用に応じて選択する。例えば、前記本体124の形状は、球状、錐状、円台状などの形状である。前記タッチ層125は、前記支持体124の外表面に設置されるが、該支持体124の全部又は一部の外表面を被覆している。前記タッチ層125の少なくとも一部は、前記固定部122と前記本体124とが接続した部分を被覆している。これにより、前記ペン先120を前記ペン本体110の固定端114に固定させた後、前記タッチ層125と前記ペン本体110とを電気的に接続させることができる。
【0021】
前記支持体121は、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリスチレン、ポリブタジエン及びポリアクリロニトリル又はそれらの混合物のいずれか一種である。または、前記支持体121は、高い比誘電率を有するコロイド状態の柔軟性のポリマー、又は高い比誘電率を有する導電性高分子材料からなる。該支持体121は、導電性高分子材料からなる場合、その材料が、ポリアニリン、ポリピロール又はポリチオフェンである。本実施例において、前記支持体121はシリコーンゴムからなる。
【0022】
図4を参照すると、前記支持体121は中空の構造体であることもできる。この場合、前記本体124の内部に密封空間126が形成され、中空の構造体を有するペン先120が形成される。前記支持体121は中空の構造体である場合、その壁の厚さが0.1mm〜2mmである。これに対して、前記支持体121が中実の構造体である場合、該ペン先120の靭性が高くなる。
【0023】
図5を参照すると、前記ペン先120は紡錘状である。前記タッチ層125は、螺旋のストリップ状であり、前記本体124の外表面に巻き付いている。具体的には、前記本体124の外表面に螺旋の溝を設置する。前記タッチ層125は、前記螺旋の溝の内部に設置されることができ、且つその厚さが前記螺旋の溝の深さより大きい。これにより、前記タッチ層125が前記本体124の外部に突出し、タッチパネルに接触する。前記タッチペン100を使用する場合、前記ペン先120に与える圧力が大きいほど、該ペン先120の変形程度が大きくなり、前記タッチ層125とタッチパネルとの接触面積が大きくなる。前記タッチ層125とタッチパネルとの接触面積を制御することにより、前記タッチパネルに表示するパターンの寸法を制御することができる。前記タッチ層125は、前記本体124の一部の表面にだけ被覆されるので、前記タッチ層125の材料を減少させることができる。更に、前記本体124の表面に螺旋の溝を設置せず、前記タッチ層125を直接前記本体124の外表面に設置することもできる。
【0024】
前記タッチ層125は導電性を有し、その厚さが1μm〜2mmである。前記タッチ層125は、複数のカーボンナノチューブ、又は複数のグラフェンを含む構造体である。
【0025】
第一例として、
図6を参照すると、前記タッチ層125は、カーボンナノチューブ構造体12である。該カーボンナノチューブ構造体12は、複数のカーボンナノチューブ22からなる。前記カーボンナノチューブ構造体12は、接着剤で前記本体124に接着させる。
【0026】
図7参照すると、前記カーボンナノチューブ構造体12は、カーボンナノチューブアレイである場合、前記カーボンナノチューブ構造体12における複数のカーボンナノチューブ22は、同じ方向に配列している。前記カーボンナノチューブアレイにおいて、隣接するカーボンナノチューブ間の間隔は、距離L(0μm<L≦1μm)で分離して配列されているので、前記カーボンナノチューブアレイに複数の隙間が形成される。
【0027】
化学気相堆積(CVD)法で、前記カーボンナノチューブアレイを成長させる。まず、基板を準備する。次に、該基板に触媒層を堆積させる。該触媒層は、Fe、Co、Ni又はその合金のいずれか一種からなる。次に、前記触媒層が堆積された前記基板を空気雰囲気において700〜900℃で30〜90分間アニーリングする。次に、前記基板を反応装置に置いて、該反応装置に保護ガスを導入して、500〜740℃に加熱する。前記保護ガスは不活性ガス又は窒素ガスであり、アルゴンガスが好ましい。次に、前記反応装置の内にカーボンを含むガスを導入して、5〜30分間加熱してカーボンナノチューブアレイを成長させる。前記カーボンを含むガスは、エチン又はエテンであり、エチンが好ましい。
【0028】
前記カーボンナノチューブアレイは、複数の相互に平行なカーボンナノチューブ、又は前記基板に垂直なカーボンナノチューブを含む。前記カーボンナノチューブアレイは高さが100μm程度になる。
【0029】
前記カーボンナノチューブ構造体12は、複数のカーボンナノチューブ22からなる自立構造を有するものであることもできる。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体12を独立して利用することができるという形態のことである。即ち、前記カーボンナノチューブ構造体12を対向する両側から支持して、前記カーボンナノチューブ構造体12の構造を変化させずに、前記カーボンナノチューブ構造体12を懸架させることができることを意味する。前記カーボンナノチューブ構造体12に、前記複数のカーボンナノチューブ22が配向し又は配向せずに配置されている。前記複数のカーボンナノチューブ22の配列方式により、前記カーボンナノチューブ構造体12は非配向型のカーボンナノチューブ構造体及び配向型のカーボンナノチューブ構造体の二種に分類される。本実施例における非配向型のカーボンナノチューブ構造体では、カーボンナノチューブ22が異なる方向に沿って配置され、又は絡み合っている。配向型のカーボンナノチューブ構造体では、前記複数のカーボンナノチューブ22が同じ方向に沿って配列している。又は、配向型のカーボンナノチューブ構造体において、配向型のカーボンナノチューブ構造体が二つ以上の領域に分割される場合、各々の領域における複数のカーボンナノチューブ22が同じ方向に沿って配列されている。この場合、異なる領域におけるカーボンナノチューブ22の配列方向は異なる。前記カーボンナノチューブ22は、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブ22が単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブ22が二層カーボンナノチューブである場合、直径は1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブ22が多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5nm〜50nmに設定される。前記カーボンナノチューブ構造体12は複数の隙間を含む。
【0030】
自立構造を有する前記カーボンナノチューブ構造体12としては、以下の(一)〜(四)のものが挙げられる。
【0031】
(一)ドローン構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体12は、
図8に示すように、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム143aを含む。このカーボンナノチューブフィルムはドローン構造カーボンナノチューブフィルム(drawn carbon nanotube film)である。前記カーボンナノチューブフィルム143aは、超配列カーボンナノチューブアレイから引き出して得られたものである。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って、端と端が接続されている。即ち、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、分子間力で長軸方向端部同士が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。
図8及び
図9を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、複数のカーボンナノチューブセグメント143bを含む。前記複数のカーボンナノチューブセグメント143bは、長軸方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143bは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143bにおいて、前記複数のカーボンナノチューブ145の長さは同じである。前記カーボンナノチューブフィルム143aを有機溶剤に浸漬させることにより、前記カーボンナノチューブフィルム143aの強靭性及び機械強度を高めることができる。前記カーボンナノチューブフィルム143aの幅は100μm〜10cmに設けられ、厚さは0.5nm〜100μmに設けられる。
【0032】
前記カーボンナノチューブ構造体12は、積層された複数の前記カーボンナノチューブフィルムを含むことができる。この場合、隣接する前記カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で結合されている。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、それぞれ0°〜90°の角度で交差している。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが0°以上の角度で交差する場合、前記カーボンナノチューブ構造体12に複数の微孔が形成される。又は、前記複数のカーボンナノチューブフィルムは、隙間なく並列されることもできる。前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、特許文献1に掲載されている。
【0033】
前記カーボンナノチューブ構造体12において、前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブ22は、同じ方向に配列している。前記カーボンナノチューブ構造体12を前記タッチ層125に利用する場合、該タッチ層125におけるカーボンナノチューブは、前記ペン先120から前記ペン本体110までの方向に沿って配列している。これにより、前記ペン先120から前記ペン本体110までの方向に沿って、前記タッチペン100の導電性を高めて、該タッチペン100の感度を向上させることができる。
【0034】
(二)綿毛構造カーボンナノチューブフィルム
図10を参照すると、前記カーボンナノチューブ構造体12は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)である。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブは、絡み合い、等方的に配列されている。前記カーボンナノチューブ構造体12においては、前記複数のカーボンナノチューブが均一に分布されている。複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されている。単一の前記カーボンナノチューブの長さは、10μm以上であり、200nm〜900cmであることが好ましい。前記複数のカーボンナノチューブ22は、分子間力で接近して、相互に絡み合って、カーボンナノチューブネット状構造体を形成している。前記複数のカーボンナノチューブ22は配向せずに配置されて、多くの微小な穴を形成している。ここで、単一の前記微小な穴の直径が10μm以下になる。前記カーボンナノチューブ構造体12におけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、該カーボンナノチューブ構造体12は柔軟性に優れ、任意の形状に湾曲して形成させることができる。用途に応じて、前記カーボンナノチューブ構造体12の長さ及び幅を調整することができる。前記カーボンナノチューブ構造体12の厚さは、1μm〜1mmである。前記綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、特許文献2に掲載されている。
【0035】
(三)プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム
図11及び
図12を参照すると、前記カーボンナノチューブ構造体12は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)である。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブ22は、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブフィルムは、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけて前記カーボンナノチューブアレイを押し、該カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、前記押し器具の形状及び前記カーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。
【0036】
単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブ22が配向せずに配置される場合には、該カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されている複数のカーボンナノチューブ22を含む。隣接するカーボンナノチューブが分子間力で相互に引き合って接続している。該カーボンナノチューブ構造体は平面等方性を有する。該カーボンナノチューブフィルムは、平面を有する押し器具を利用して、カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを押すことにより形成される。
【0037】
単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブ22が配向して配列される場合には、該カーボンナノチューブフィルムは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ローラー形状を有する押し器具を利用して、同じ方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、基本的に同じ方向に配列されるカーボンナノチューブ22を含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。また、ローラー形状を有する押し器具を利用して、異なる方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、前記異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されるカーボンナノチューブ22を含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0038】
前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブ22の傾斜の程度は、前記カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブ22の長手方向と前記カーボンナノチューブフィルムの表面方向との間の角度をβとすると、角度βは0°以上15°以下である。好ましくは、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブ22が該カーボンナノチューブフィルムの表面に平行する。前記圧力が大きくなるほど、前記傾斜の程度が大きくなる。前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは、前記カーボンナノチューブアレイの高さ及び該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。即ち、前記カーボンナノチューブアレイの高さが大きくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が小さくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが大きくなる。これとは逆に、カーボンナノチューブアレイの高さが小さくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が大きくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが小さくなる。前記プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの厚さは、50μmである。前記プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、特許文献3に掲載されている。
【0039】
(四)カーボンナノチューブワイヤ
図13及び
図14を参照すると、前記カーボンナノチューブ構造体12は、一本又は数本のカーボンナノチューブワイヤ152からなることができる。前記カーボンナノチューブ構造体12は、数本のカーボンナノチューブワイヤ152からなる場合、
図13を参照すると、該数本のカーボンナノチューブワイヤ152は、相互に平行して配列されている。また、
図14を参照すると、前記数本のカーボンナノチューブワイヤ152は、相互に交叉して網状のカーボンナノチューブ構造体12を形成している。前記カーボンナノチューブ構造体12は、一本のカーボンナノチューブワイヤ152からなる場合、該カーボンナノチューブワイヤ152を曲げて、前記柔軟性高分子構造体24の一つの表面に敷くことによって、一定の面積を有する平面形状のカーボンナノチューブ構造体12を形成することができる。前記カーボンナノチューブ構造体12におけるカーボンナノチューブワイヤ152は、捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はそれらの組み合わせのいずれか一種からなることができる。
【0040】
図15を参照すると、前記捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤは、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。前記カーボンナノチューブセグメントは、同じ長さ及び幅を有する。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記複数のカーボンナノチューブはカーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。前記カーボンナノチューブセグメントの長さ、厚さ、均一性及び形状は制限されない。一本の前記捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤの長さは制限されなく、その直径は、0.5nm〜100μmである。
【0041】
図16を参照すると、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおいてカーボンナノチューブの長手方向の両端に相反する力を印加することにより、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。ここで、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列されている。好ましくは、前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記カーボンナノチューブセグメントの長さ、厚さ、均一性及び形状は制限されない。一本の前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの長さは制限されなく、その直径は、0.5nm〜100μmである。前記カーボンナノチューブワイヤの製造方法は、特許文献4及び特許文献5に掲載されている。
【0042】
更に、前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを有機溶剤に浸漬させることにより、前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの強靭性及び機械強度を高めることができる。前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、自立構造を有するドローン構造カーボンナノチューブフィルムから得られるので、該ねじれ状カーボンナノチューブワイヤも自立構造を有する。前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤにおいて、隣接するカーボンナノチューブ22間で隙間を有するので、前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは複数の微孔を有する。前記複数の微孔のサイズは、10μm以下である。
【0043】
第二例として、前記タッチ層125は、カーボンナノチューブ複合構造体からなることもできる。前記カーボンナノチューブ複合構造体は、カーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料からなる。
図17を参照すると、前記カーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料は、柔軟性高分子構造体24及び該柔軟性高分子構造体24内に分散された複数のカーボンナノチューブ22からなる。前記複数のカーボンナノチューブ22は、均一に前記柔軟性高分子構造体24内に分散され、且つ相互に接続して電気伝導ネットワークを形成する。前記カーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料において、カーボンナノチューブ22の質量比は5%以上である。前記カーボンナノチューブ22は、大きな比表面積及び良好な導電性を有するので、前記タッチ層125も大きな比表面積を有する。これにより、前記ペン先120がタッチパネルの表面に接触した場合、前記タッチ層125は人体から伝導した静電荷を保存し、前記ペン先120と前記タッチパネルとの間の静電容量を高めることができ、タッチペン100の感度を高めることができる。更に、前記複数のカーボンナノチューブ22は、中空の構造体であり、その質量が非常に小さい。その特殊な化学結合により、該複数のカーボンナノチューブ22は高い強度及び弾性率を有する。更に、前記複数のカーボンナノチューブ22は、非常に大きなアスペクト比(1000:1以上)を有し、良好な靭性を有するので、該カーボンナノチューブ22に外力を与えてそれを変形させても、該外力がなくなると、該カーボンナノチューブ22は元の形状に回復することができる。従って、前記カーボンナノチューブ22及び前記柔軟性高分子構造体24からなるカーボンナノチューブ−柔軟性高分子複合材料からなる前記タッチ層125は、その質量が軽く、その耐摩擦効果が高く、その使用寿命が長くなるという優れた点がある。更に、前記タッチ層125における一部の前記カーボンナノチューブ22を、前記柔軟性高分子構造体24の一つの表面から露出せることもできる。
【0044】
本実施例において、前記柔軟性高分子構造体24は、シリコーンゴムからなり、一定の厚さを有するシートであり、その厚さが1μm〜2mmである。
【0045】
更に、
図18を参照すると、前記カーボンナノチューブ複合構造体は、前記カーボンナノチューブ構造体12及び柔軟性高分子構造体24からなる。前記カーボンナノチューブ構造体12は、前記柔軟性高分子構造体24の一つの表面に被覆される。又は、
図19を参照すると、前記カーボンナノチューブ構造体12の全てが前記柔軟性高分子構造体24の中に埋め込まれる。前記カーボンナノチューブ構造体12は複数の隙間を含むので、前記柔軟性高分子構造体24の材料が前記カーボンナノチューブ構造体12の隙間に浸透し、前記カーボンナノチューブ構造体12と緊密に結合する。この場合、前記タッチ層125の導電性を保持するために、前記柔軟性高分子構造体24のタッチパネルに接触する一側から前記カーボンナノチューブ構造体12までの距離は、10μm以下であることが好ましい。更に、
図20を参照すると、前記カーボンナノチューブ構造体12は、前記柔軟性高分子構造体24の一つの表面から、前記柔軟性高分子構造体24の中に挿し込まれることもできる。
【0046】
更に、
図21を参照すると、本実施例において、前記タッチ層125は、カーボンナノチューブ及び導電性材料からなるカーボンナノチューブ−導電性材料複合構造体である。複数の前記カーボンナノチューブ−導電性材料複合構造体は複数の微孔225を有する。各々の前記微孔225のサイズは、5μm以下である。各々のカーボンナノチューブ22は、導電性材料層226で被覆されている。
【0047】
前記導電性材料層226は、導電性ポリマー層である。前記導電性ポリマー層の材料は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレン及びそれらの混合物のいずれか一種である。前記導電性材料層226の厚さは30nm〜150nmであることが好ましい。本実施例において、前記導電性材料層226の厚さは50nm〜90nmである。前記タッチ層125において、該導電性材料層226の質量比は、20%〜80%であることが好ましい。本実施例において、前記導電性材料層226の材料は、ポリアニリンであり、且つ該導電性材料層226は、前記各々のカーボンナノチューブ22に被覆されている。前記ポリアニリンは、高い比誘電率を有するので、前記タッチ層125も高い比誘電率を有する。これにより、前記ペン先120がタッチパネルの表面に直接接触する場合、該ペン先120と前記タッチパネルとの間に高い静電容量が生じる。
【0048】
前記導電性材料層226は、純金属又は合金からなる。前記純金属は銅、銀又は金であり、その厚さが1nm〜20nmである。本実施例において、前記導電性材料層226は銀からなり、その厚さが、5nmである。
【0049】
更に、前記カーボンナノチューブ22及び前記導電性材料層226の間に濡れ層を設置することができる。該濡れ層によって、前記カーボンナノチューブ22及び前記導電性材料層226を緊密に結合させることができる。前記濡れ層の材料は、ニッケル、パラジウム又はチタンのような、カーボンナノチューブに対して良好な濡れ性を有する金属又は合金である。前記濡れ層の厚さは1nm〜10nmである。
【0050】
更に、前記濡れ層及び前記導電性材料層226を緊密に結合させるために、前記濡れ層及び前記導電性材料層226の間に、過渡層(transition layer)を設置することもできる。前記過渡層は、前記濡れ層及び前記導電性材料層226に対して、良好な濡れ性を有する材料からなる。前記過渡層の厚さは、1nm〜10nmである。
【0051】
前記カーボンナノチューブ−導電性材料複合構造体は良好な導電性を有するので、前記タッチ層125がタッチパネルに接触した場合に、該カーボンナノチューブ複合構造体が、電荷を速く輸送することができる。これにより、前記タッチペン100の感度を向上させることができる。
【0052】
第三例として、
図22を参照すると、前記タッチ層125は、グラフェン−複合構造体である。前記グラフェン−複合構造体は、グラフェン−柔軟性高分子複合材料からなる。この場合、前記グラフェン−柔軟性高分子複合材料は、前記柔軟性高分子構造体24及び該柔軟性高分子構造体24内に分散された粉末状の複数のグラフェン28からなる。前記グラフェン−柔軟性高分子複合材料において、一部の前記グラフェン28は前記柔軟性高分子構造体24の一つの表面から突出し、更に前記タッチ層125の外表面から突出することができる。前記グラフェン−柔軟性高分子複合材料において、前記グラフェン28の体積比が10%〜60%である。
図23を参照すると、前記グラフェン28は、複数の炭素原子からなる六角形格子構造の層状構造体である。積層された複数のグラフェン(グラファイト)の厚さは、100nm以下である。本実施例において、前記積層された複数のグラフェン(グラファイト)の厚さは、0.5nm〜100nmである。前記グラフェン28は、良好な導電性を有するので、室温で電荷を速く輸送することができる。
【0053】
本実施例において、化学的分散方法で前記グラフェン28を製造することができる。該方法は、酸化黒鉛及び水を1:1000の質量比で混合して混合液を形成する第一ステップと、前記混合液を超音波処理して清澄な溶液を得る第二ステップと、前記清澄な溶液に所定量のヒドラジンを添加した後、該ヒドラジンを含む溶液を100℃で24時間回流させて、黒い沈殿物を生成する第三ステップと、前記黒い沈殿物を含む溶液を濾過し、黒い沈殿物を得る第四ステップと、前記黒い沈殿物を乾燥して、前記粉末状のグラフェン28を得る第五ステップと、を含む。
図24を参照すると、前記粉末状のグラフェン28を前記柔軟性高分子構造体24に添加した場合、前記グラフェン28は接着力を有するので、前記粉末状のグラフェン28は、前記柔軟性高分子構造体24の表面に接着して、グラフェン層280を形成する。更に、接着剤により、前記粉末状のグラフェン28を前記柔軟性高分子構造体24の表面に固定して、グラフェン層280を形成することができる。前記グラフェン層280の厚さは、100nm〜1mmである。前記グラフェン層280におけるグラフェンの配列方式は、相互に積層して設置されても、並列して設置されてもいい。
【0054】
第四例として、前記タッチ層125は、前記第三例における前記複数のグラフェン28を直接前記本体124の表面に被覆して形成された、グラフェンからなるグラフェン層である。前記グラフェン層の厚さは、100nm〜1μmである。
【0055】
(実施例2)
図25を参照すると、本実施例のタッチペン200は、ペン本体210と、該ペン本体210の一端に設置されペン先220と、を含む。前記タッチペン200のペン先220は、実施例1の支持体121を含まず、カーボンナノチューブ構造体、カーボンナノチューブ複合構造体、及びグラフェン−複合構造体からなる。前記カーボンナノチューブ構造体は、複数のカーボンナノチューブアレイ、複数の相互に平行するカーボンナノチューブワイヤ、又はカーボンナノチューブの凝集塊である。前記カーボンナノチューブ構造体がカーボンナノチューブワイヤからなる場合、前記複数のカーボンナノチューブワイヤは、前記複数のカーボンナノチューブワイヤの長手に沿って相互に平行し、束状構造体を形成する。前記カーボンナノチューブ複合構造体は、前記実施例1中のカーボンナノチューブ複合構造体と同じである。更に、前記カーボンナノチューブ複合構造体は、相互に平行する複数の線状カーボンナノチューブ複合構造体であってもよい。この場合、前記複数の線状カーボンナノチューブ複合構造体は、前記線状カーボンナノチューブ複合構造体の長手方向に沿って相互に平行し、束状構造体を形成する。前記複数の線状カーボンナノチューブ複合構造体は、複数のカーボンナノチューブワイヤ及び前記各々のカーボンナノチューブワイヤの外表面に被覆された金属層からなる。又は、前記複数の線状カーボンナノチューブ複合構造体は、複数のカーボンナノチューブワイヤ及び前記各々のカーボンナノチューブワイヤの間に浸漬されたポリマーからなる。前記グラフェン−複合構造体は、前記実施例1中のグラフェン−複合構造体と同じである。
【0056】
前記タッチペン200のペン先220が複数のカーボンナノチューブからなる場合、ダイカスト法によって形成されることができる。具体的には、実施例1のカーボンナノチューブ構造体12を金型中に置いて熱および圧力を与え、カーボンナノチューブからなる前記ペン先220を形成する。前記ペン先220は、複数の微孔(図示せず)を有するので、優れた靭性及び導電性を有する。単一の前記微孔の直径は、10μmであるので、前記ペン先220が大きな比表面積を有する。これにより、前記ペン先220は、大量の電荷を蓄積して、高い静電容量を有する。更に、前記ペン先220から前記ペン本体210までの導電性を高めるために、前記ペン先220におけるカーボンナノチューブを、前記ペン先220から前記ペン本体210までの方向に沿って配列させることにより、前記ペン先220の感度を高めることができる。前記ペン先220におけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブであり、多層カーボンナノチューブであることが好ましい。
【0057】
前記ペン先220の形状は、実施例1のペン先120と同じである。更に、
図25及び
図26に示すように、前記ペン先220は、カーボンナノチューブ複合構造体からなり毛筆の形状を有することもできる。本実施例において、前記ペン先220は、複数の線状カーボンナノチューブ構造体25からなる束状構造体である。この場合、前記ペン先220は、前記複数の線状カーボンナノチューブ構造体25を相互に接着剤で接着させて形成したものである。前記ペン先220は、固定部222と、タッチ部224と、を含む。前記固定部222によって、前記ペン先220は前記本体210に固定される。
【0058】
具体的に、単一の前記線状カーボンナノチューブ構造体25は、固定端252及び、該固定端252から離れるタッチ端254を有する。前記複数の固定端252は、接着剤で接着され、前記固定部222に固定される。前記複数の線状カーボンナノチューブ構造体25の長さは、前記ペン先220の中心軸から該ペン先220の半径に沿って、漸次に減少する。前記複数の線状カーボンナノチューブ構造体25のタッチ端254は、相互に接着剤で接着され、前記タッチ端254が形成される。本実施例において、前記ペン先220の固定部222は、直接前記本体210の固定端214に挿入して、接着剤で前記ペン先220を前記固定端214に接着させる。
【0059】
前記複数の線状カーボンナノチューブ構造体25は、実施例1の前記捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、及び複合のカーボンナノチューブワイヤからなる。前記複合のカーボンナノチューブワイヤとは、ポリマーを前記捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤ又は前記ねじれ状カーボンナノチューブワイヤにおけるカーボンナノチューブの間に浸透させることにより形成されたものである。前記ポリマーの材料は、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリエチレンテレフタラート及びそれらの混合物のいずれか一種である。前記複合のカーボンナノチューブワイヤの製造方法は、特許文献6に掲載される。
【0060】
更に、前記複合のカーボンナノチューブワイヤは、金属材料で前記捩っていない状態のカーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤにおけるカーボンナノチューブを被覆することによって、形成されることもできる。前記複合のカーボンナノチューブワイヤの製造方法は、特許文献7及び特許文献8に掲載される。
【0061】
(実施例3)
図27を参照すると、本実施例3のタッチペン300は、ペン本体310と、該ペン本体310の一端に設置されペン先320と、を含む。前記ペン先320は、同一の材料からなる中空の構造体である。前記ペン先320は、固定部322と、タッチ部324と、を含む。固定部322によって、前記ペン先320は前記本体310に固定される。前記タッチ部324は、タッチペンに接触することができる。
【0062】
前記固定部322及び前記タッチ部324は、一体成型の構造体である。前記固定部322の雄螺子は、前記ペン本体310の固定端314の裏側に形成された雌螺子と相互に噛み合うことができるので、前記ペン先120を前記ペン本体310の固定端314に固定させることができる。前記タッチ部324は、前記柔軟性の導電性材料からなる中空の構造体である。前記タッチ部324の中空部は、密封空間326が形成される。前記タッチ部324の形状は制限されず、実際の応用に応じて選択する。例えば、前記タッチ部324の形状は、球状、錐状、円台状などの形状である。本実施例において、前記ペン先320の固定部322及び前記タッチ部324の材料は、実施例1のタッチ層125の材料と同じである。
【0063】
本発明のタッチペンは、カーボンナノチューブまたはグラフェンを含むので、該タッチペンが優良な導電性、靭性及び大きな比表面積を有する。従って、該タッチペンは、タッチパネルを損傷させることなく、その感度を向上させることができる。