特許第5722143号(P5722143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722143
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】1
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-150445(P2011-150445)
(22)【出願日】2011年7月6日
(65)【公開番号】特開2013-13678(P2013-13678A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2013年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】木股 健二
(72)【発明者】
【氏名】菊谷 浩平
(72)【発明者】
【氏名】北出 雄
【審査官】 酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010-104471(JP,A)
【文献】 特開2007-312847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動演出装置を備えた遊技機であって、
前記可動演出装置は、
駆動手段の駆動により第1位置と第2位置との間を直線的にスライド移動しながら姿勢変位する第1可動演出部材と、
前記第1可動演出部材に配設され、該第1可動演出部材の姿勢変位に連動して回転する回転部材と、
前記第1可動演出部材の第1位置に対応する基準位置および前記第2位置に対応する移動位置の間を直線的にスライド移動自在に配設された連係部材と、
前記連係部材に設けられ、該連係部材のスライド移動方向と交差する方向へ延在する被連係部と、
前記回転部材に設けられて該回転部材の回転中心から偏倚して位置し、前記連係部材の被連係部に係合する連係部と、
支持部により前記第1可動演出部材に対して回転自在に連結されると共に、該支持部から間隔をおいて設けられた連結部により前記連係部材に連結され、前記第1位置に対応する第3位置および前記第2位置に対応する第4位置の間を第1可動演出部材に対して回転しながら姿勢変位する第2可動演出部材とを備え、
前記第1可動演出部材の姿勢変位に連動した前記回転部材の回転により、前記連係部が前記第1可動演出部材の第1位置から第2位置への移動方向と反対方向へ凸となる円弧状に移動することで、前記基準位置から移動位置に変位する間に前記連係部材が該第1可動演出部材に対して往復移動すると共に、前記連係部材が前記第1可動演出部材に対して相対的に移動するのに伴い前記支持部に対して前記連結部が移動することで、前記第2可動演出部材が該第1可動演出部材に対して往復回転するよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動手段により姿勢変位可能な可動演出装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等に代表される遊技機は、外枠に組み付けられる中枠と、裏側に設置部材が配設されて前記中枠に取り付けられる遊技盤と、前記中枠の前側に組み付けられる前枠等を備えている。前記遊技盤には、その前面に遊技領域が画成されて各種入賞装置が配設されると共に、前記設置部材に取り付けた図柄表示装置、装飾部材および可動演出装置等が、遊技領域に設けた開口を介して該遊技領域に臨んでいる。すなわち、遊技盤の遊技領域内には、前記図柄表示装置の表示部が臨むと共に可動演出装置等が配設された遊技演出領域が画成されている。前記可動演出装置は、モータ等の駆動手段や、この駆動手段により姿勢変位が可能な可動部材等を備え、駆動手段の駆動により、前記図柄表示装置の表示部の前側で該可動部材を姿勢変位させるよう構成されている。このような可動演出装置は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−124892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、1つの駆動手段(電動モーター)で複数の可動体(刀部材)を駆動させる構成の可動演出装置(役物装置)が開示されている。しかしながら、特許文献1の役物装置は、前記駆動手段により、複数の可動体のうちの何れか1つの可動体だけを選択的に駆動させるものである。すなわち、特許文献1の役物装置は、複数の可動体を同時に駆動させるよう構成されておらず、演出が単純で高い演出効果は期待できない。しかも、各可動体は何れも同じ動作をするよう構成されているから、該可動体の動作が単調で面白味に欠ける。
【0005】
そこで本発明は、前述した課題を解決するために案出されたものであって、高い演出効果が得られる可動演出装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
前記課題を解決するために、本願の請求項に記載の発明は、
可動演出装置(DU1)を備えた遊技機であって、
前記可動演出装置(DU1)は、
駆動手段(53)の駆動により第1位置と第2位置との間を直線的にスライド移動しながら姿勢変位する第1可動演出部材(50)と、
前記第1可動演出部材(50)に配設され、該第1可動演出部材(50)の姿勢変位に連動して回転する回転部材(55)と、
前記第1可動演出部材(50)の第1位置に対応する基準位置および前記第2位置に対応する移動位置の間を直線的にスライド移動自在に配設された連係部材(54)と、
前記連係部材(54)に設けられ、該連係部材(54)のスライド移動方向と交差する方向へ延在する被連係部(86)と、
前記回転部材(55)に設けられて該回転部材(55)の回転中心から偏倚して位置し、前記連係部材(54)の被連係部(86)に係合する連係部(93)と、
支持部(79)により前記第1可動演出部材(50)に対して回転自在に連結されると共に、該支持部(79)から間隔をおいて設けられた連結部(98)により前記連係部材(54)に連結され、前記第1位置に対応する第3位置および前記第2位置に対応する第4位置の間を第1可動演出部材(50)に対して回転しながら姿勢変位する第2可動演出部材(51)とを備え、
前記第1可動演出部材(50)の姿勢変位に連動した前記回転部材(55)の回転により、前記連係部(93)が前記第1可動演出部材(50)の第1位置から第2位置への移動方向と反対方向へ凸となる円弧状に移動することで、前記基準位置から移動位置に変位する間に前記連係部材(54)が該第1可動演出部材(50)に対して往復移動すると共に、前記連係部材(54)が前記第1可動演出部材(50)に対して相対的に移動するのに伴い前記支持部(79)に対して前記連結部(98)が移動することで、前記第2可動演出部材(51)が該第1可動演出部材(50)に対して往復回転するよう構成されたことを要旨とする。
従って、請求項に係る発明によれば、駆動手段の駆動により第1可動演出部材が姿勢変位する際には、該第1可動演出部材に対して連係部材が相対的に姿勢変位するので、第1可動演出部材および連係部材に連結された第2可動演出部材が、該第1可動演出部材と異なる態様で姿勢変位する。すなわち、1つの駆動手段により第1可動演出部材を姿勢変位させると、該第1可動演出部材の姿勢変位と連係部材の姿勢変位との差動により第2可動演出部材が該第1可動演出部材と異なる動きをするようになり、可動演出装置の動作が複雑になって高い演出効果を得ることができる。
また、第1位置と第2位置との間を姿勢変位する第1可動演出部材に対し、基準位置と移動位置との間を姿勢変位する連係部材が該第1可動演出部材と相対的に移動するから、第1可動演出部材に連結された第2可動演出部材は、該第1位置に対応する第3位置と第2位置に対応する第4位置との間を姿勢変位する際に、第1可動演出部材に対して相対的に移動するようになる。従って、第1可動演出部材の姿勢変位に第2可動演出部材が適切に連動して姿勢変位し、演出効果を高めることができる。
更に、第1可動演出部材の直線的な姿勢変位および連係部材の姿勢変位に伴い、第1可動演出部材と第2可動演出部材とを連結する支持部に対して第2可動演出部材と連係部材とを連結する連結部が移動することで、第1可動演出部材に回転自在に連結された第2可動演出部材が、該第1可動演出部材に対して回転しながら姿勢変位するようになる。すなわち、第1可動演出部材が直線的にスライド移動して姿勢変位するのに対し、第2可動演出部材は該第1可動演出部材に対して回転して姿勢変位するので、第1可動演出部材と第2可動演出部材との姿勢変位の態様が異なって演出効果を高めることができる。
【0010】
更にまた、第1可動演出部材の姿勢変位に連動して回転部材が回転することで、連係部が第1可動演出部材の第1位置から第2位置への移動方向と反対方向へ凸となる円弧状に移動するから、連係部材が該第1可動演出部材に対して往復移動するようになり、第2可動演出部材を第1可動演出部材に対して往復回転させることができる。これにより、第2可動演出部材が往復移動するので、該第2可動演出部材の姿勢変位量が大きくなって、演出効果が高められる。
【発明の効果】
【0012】
本願発明に係る遊技機によれば、1つの駆動手段により複数の本体部材が異なる動作を同時に行なうことで高い演出効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例のパチンコ機の正面図である。
図2】実施例のパチンコ機における遊技盤の正面図であって、第1可動演出部材が第2姿勢にあり、第2可動演出部材が第4姿勢にある状態を示している。
図3】遊技盤と、第1可動演出部材および第2可動演出部材が配設された設置部材とを示す斜視図である。
図4】(a)は、第1姿勢における第1可動演出部材の正面図であり、(b)は、第1姿勢における第1可動演出部材の背面図である。
図5】第1可動演出部材を前側から見た分解斜視図である。
図6】第1可動演出部材を後側から見た分解斜視図である。
図7】ベース部材および支持部材を透視した状態で示す第1姿勢の第1可動演出部材の背面図である。
図8図7のVIII-VIII線断面図である。
図9】ベース部材および支持部材を透視した状態で示す中間姿勢の第1可動演出部材の背面図である。
図10図9のX-X線断面図である。
図11】ベース部材および支持部材を透視した状態で示す第2姿勢の第1可動演出部材の背面図である。
図12図11のXII-XII線断面図である。
図13】第2可動演出部材の正面図である。
図14】第2可動演出部材の背面図である。
図15】第3姿勢の第2可動演出部材の正面図である。
図16】第4姿勢の第2可動演出部材の正面図である。
図17】中間姿勢の第1可動演出部材における第2可動演出部材と、第4姿勢の第2可動演出部材の移動領域との関係を示す説明図である。
図18図2のY-Y線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技機として、パチンコ球を遊技媒体として使用する一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、外枠Aに対して中枠Bを閉じた状態において、パチンコ機Pを正面(遊技者側)から見た状態を基準として指称する。
【実施例】
【0015】
先ず、実施例に係るパチンコ機Pの概略構成について、図1を参照して説明する。パチンコ機Pは、矩形枠状に形成されて遊技店に設けられた「島」とも称される設置枠台(図示せず)に縦向きに設置される固定枠としての外枠Aと、該外枠Aに対してヒンジ部材21を介して着脱および開閉可能に枢支された本体枠としての中枠Bと、該中枠Bに着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域30が画成される遊技盤Dと、ヒンジ部材24を介して中枠Bの前面側に着脱および開閉可能に枢支され、中枠Bに配設した遊技盤Dを透視保護する透明板26が配設される装飾枠としての前枠Cとを備えている。前記前枠Cには、遊技盤Dの遊技領域30と同等の開口サイズの開口部25が形成されて、該開口部25に臨むように前記透明板26が組み付けられると共に、前記透明板26が配設される部位の下方位置にパチンコ球を貯留可能な上球皿Eが組み付けられており、前枠Cの開閉に合わせて該上球皿Eが一体的に開閉するようになっている。また、前記中枠Bの前側における前記前枠Cの下方には、パチンコ球を貯留可能な下球皿Fを形成した球皿部材22が着脱および開閉可能に組み付けられている。そして、前記中枠Bにおける球皿部材22の右方位置には操作ハンドルGが設けられており、該操作ハンドルGを操作することで中枠Bに配設した打球発射装置(図示せず)が駆動されて、上球皿Eに貯留されたパチンコ球を遊技盤Dの遊技領域30に向けて打ち出すよう構成されている。
【0016】
(遊技盤)
前記遊技盤Dは、図1図3に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材やベニア等の木板を材質とし、前記中枠Bに設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側に前記遊技領域30が設けられると共に後側に設置部材40が配設されている。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール31と、この外レール31の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール32と、外レール31の右上部から内レール32の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材33等が配設されており、両レール31,32および盤面飾り部材33で囲まれた内側が前記遊技領域30として構成されている。これにより、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、外レール31と内レール32との間を通って遊技領域30の左上部に打ち出された後、該遊技領域30内を流下する。但し、前記内レール32の延在長を大きく設定して、前記外レール31および該内レール32で遊技領域30を形成するようにしてもよい。
【0017】
前記遊技盤Dには、図2および図3に示すように、中央に大きな貫通口29が形成されて、前後に開口して遊技演出領域とされる表示窓口34Aが形成された枠状装飾部材34が、該貫通口29の開口縁に配設されている。この枠状装飾部材34には、図柄表示装置H(後述)で行なわれる遊技内容に合わせた装飾が施されている。そして、設置部材40に着脱可能に配設された図柄表示装置Hにおける図柄変動演出やその他表示演出が行われる表示部H1や、該設置部材40の前側に配設される第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2(後述)が、枠状装飾部材34の表示窓口34Aを介して前側から視認可能に構成されている。また遊技盤Dには、図3に示すように、前記貫通口29の下方に、第1装着口27および第2装着口28が開設されている。前記第1装着口27には、図2に示す始動入賞装置35および特別入賞装置36が配設される。前記第2装着口28には、3つの第1普通入賞口37が左右に並んで配設される。更に前記第1装着口27には、前記特別入賞装置36の右側に第2普通入賞口38が配設される。なお、遊技盤Dの前面における前記遊技領域30内には、多数の球案内釘や球案内具等(図示省略)が配設されている。
【0018】
前記始動入賞装置35、特別入賞装置36、第1普通入賞口37および第2普通入賞口38には、入賞したパチンコ球を検知する球検知センサ(図示せず)が配設され、該球検知センサの球検知信号が、前記設置部材の後側に取り付けられて当該パチンコ機Pを総合的に制御する主制御装置(図示せず)に送出される。前記主制御装置は、前記始動入賞装置35の球検知センサからの検出信号を受けると、大当たり抽選を行なうと共に、前記設置部材40の後側に取り付けられた統括制御装置(図示せず)に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hに図柄変動演出を行なわせると共に、前記中枠Bの後側に配設された払出制御装置(図示せず)に制御信号を出力して、球払出装置(図示せず)に所定数の賞球を払い出させる。そして、前記主制御装置における前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生する場合には、図柄表示装置Hの表示部H1での図柄変動演出の後に該表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示され、前記特別入賞装置36の入賞口が開放される。また主制御装置は、特別入賞装置36の球検知センサからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。更に前記主制御装置は、前記第1普通入賞口37および第2普通入賞口38の球検知センサSからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。
【0019】
(設置部材)
前記設置部材40は、図3に示すように、前方に開放する略矩形のバケット状に一体形成された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。設置部材40は、遊技盤Dに対向して該遊技盤Dの後面を構成する設置板部41と、この設置板部41の周縁から前方へ延出形成された外周板部42と、この外周板部42の前端から外方に向けて屈曲形成された縁板部43等を備えている。設置部材40は、外周板部42で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が矩形状に形成されると共に、縁板部43の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。このような設置部材40は、縁板部43を遊技盤Dに当接して該遊技盤Dの後面にネジ止め固定され、遊技盤Dの後面から離間配置された設置板部41と遊技盤Dとの間に、第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2やその他の装飾部材等の配設を可能とする空間を画成する。また、前記設置部材40の設置板部41には、図2および図3に示すように、中央に略四角形状の表示開口45が前後に貫通形成されており、該設置板部41の後側には、前記図柄表示装置Hが、表示部H1を表示開口45に臨ませた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0020】
図3に示すように、前記設置板部41において、前記表示開口45の下側に位置する下板部41Aの前側には、前記第1可動演出部材DU1が配設されると共に、該表示開口45の左側に位置する左板部41Bの前側には、前記第2可動演出部材DU2が配設されている。また、前記設置板部41において、前記表示開口45の上側に位置する上板部および該表示開口45における右側に位置する右板部には、装飾部材48等が配設されている。更に、前記下板部41Aの前側には、前記第1普通入賞口37に入賞したパチンコ球の通出路を画成した通出路部材46や、第2普通入賞口38に入賞したパチンコ球の通出路を画成した通出路部材47等が形成されている。
【0021】
(第1可動演出部材)
第1可動演出部材DU1は、図4図6に示すように、前記表示窓口34Aに露出する可動演出部材として、第1可動演出部材50と、該第1可動演出部材50に対して相対的に移動する第2可動演出部材51,51とを備えている。第1可動演出部材DU1は、兎のキャラクターとして形成された可動演出装置であって、前記第1可動演出部材50が兎の頭部としてデザインされており、前記各第2可動演出部材51が兎の耳部としてデザインされている。そして第1可動演出部材DU1は、後述する駆動手段としての1つの駆動モータ53の駆動により、第1可動演出部材50が姿勢変位すると共に、この第1可動演出部材50の姿勢変位に連動して各第2可動演出部材51が該第1可動演出部材50に対して相対的に姿勢変位するように構成されている。これにより第1可動演出部材DU1は、第1可動演出部材50と第2可動演出部材51とが異なる動作をすることで、高い演出効果が得られるようになっている。このような第1可動演出部材DU1は、前記第1可動演出部材50、第2可動演出部材51および前記駆動モータ53の他に、該駆動モータ53やセンサ56等を設置するベース部材52、第1可動演出部材50に連動して該第1可動演出部材50に対して相対的に姿勢変位する連係部材54、該連係部材54の姿勢変位を発現させる回転部材55を備えている。なお実施例では、前記第1可動演出部材50が1つ設けられると共に、前記第2可動演出部材51は複数(実施例では2つ)設けられている。
【0022】
(ベース部材)
ベース部材52は、図4図6に示すように、合成樹脂製の一体成形部材であって、左右に長いプレート状をなしている。ベース部材52は、前記設置部材40の下板部41Aに対してネジで固定されるようになっている。このベース部材52は、前記下板部41Aに固定された際に略垂直に延在すると共に該下板部41Aから前方へ離間して位置する前板部52Aと、この前板部52Aの外周縁全周に亘って延在し、後方へ突出して前記下板部41Aの前面に当接する外周リブ52Bとから形成されている。なお以降では、ベース部材52の左右中央に位置する部分を本体支持部57、この本体支持部57の右側に連設される部分を第1設置部58、前記本体支持部57の左側に連設される部分を第2設置部59と指称する。
【0023】
前記本体支持部57は、前記第1可動演出部材50を上下のスライド移動が可能に支持する部分である。この本体支持部57には、図4(b)、図5および図6に示すように、前記第1設置部58および第2設置部59より上方へ突出して略正方形状をなしている。そして本体支持部57には、前板部52Aを貫通して上下に延在する複数(実施例では3つ)のガイド孔60A,60B,60Cが形成されている。このうち2つのガイド孔60A,60Bは、本体支持部57の上縁近傍から該本体支持部57の上下略中央まで延在すると共に左右に離間して設けられ、残りの1つのガイド孔60Cは、本体支持部57の下縁近傍から該本体支持部57の上下略中央まで延在すると共に前記2つのガイド孔60A,60Bの間に設けられている。これらガイド孔60A,60B,60Cには、図5図6および図8に示すように、第1可動演出部材50の後側から後方へ延出した各支持ボス72A,72B,72Cの先端が夫々前から整合して挿通されている(図8には、ガイド孔60Cおよび支持ボス72Cのみが図示されている)。前記各ガイド孔60A,60B,60Cは、上下に長く開口しているので、ベース部材52で支持された前記第1可動演出部材50の上下へのスライド移動を許容する。
【0024】
前記本体支持部57における前記前板部52Aの裏側には、図4(b)および図6に示すように、上下に延在する2本のガイドレール61,61が形成されている。前記ガイドレール61,61は、前板部52Aの裏側において、前記第1可動演出部材50の前記各支持ボス72A,72B,72Cに固定される支持部材63が、該第1可動演出部材50と共に上下にスライド移動する際のガイドとして機能する。すなわち各ガイドレール61は、前板部52Aの裏側において左右に離間して設けられ、該前板部52Aの裏側から後方へ突出すると共に、前記ガイド孔60A,60B,60Cと平行に延在する突状部である。そして各ガイドレール61は、前記支持部材63の前側に、上下へ延在するように設けた2本の凹溝部64(図4(b)、図6参照)に摺接するようになっている。なお、図6に示すように、各ガイドレール61の上下中央には、側方へ突出する突部61A,61Aが形成されると共に、図5に示すように、各凹溝部64の上端および下端には、該凹溝部64の内側に向けて突出する突部64A,64Bが形成されている。すなわち、凹溝部64の上端に設けられた突部64Aは、前記第1可動演出部材50が第1位置(後述)に位置して支持部材63が図4(b)または図7の位置にある場合に前記突部61Aに上側から当接して、該支持部材63が下側へ移動することを規制するストッパとして機能する。また、凹溝部64の下端に設けられた突部64Bは、前記第1可動演出部材50が第2位置(後述)に位置して支持部材63が図11または図12の位置にある場合に前記突部61Aに下側から当接して、該支持部材63が上側へ移動することを規制するストッパとして機能する。
【0025】
前記第1設置部58には、図4(b)、図5および図6に示すように、前板部52Aに形成した開口68に、出力軸53Aを前側から挿通させた駆動モータ53が取り付けられている。そして第1設置部58の後側には、前記出力軸53Aに固定されたピニオンギア65に噛合される中間ギア67が回転自在に枢支されている。なお、図5および図6において符号66は、前記中間ギア67を支持する支持軸である。
【0026】
前記第2設置部59の前側には、図4(a)、図5および図6に示すように、前記第1可動演出部材50の後側左下に設けた被検出部87を検出する前記センサ56が取り付けられている。このセンサ56には、前記第1可動演出部材50が第1位置(図7の状態)にある場合に前記被検出部87を検出するためのものである。
【0027】
(駆動モータ)
前記駆動モータ53は、例えば正逆回転が可能なステッピングモータ等の電動モータであり、減速用のギアボックス53Bを備えている。この駆動モータ53は、前述した統括制御装置により駆動制御される。なお、第1可動演出部材50を姿勢変位させるための駆動手段としては、前記駆動モータに限らず、流体を使用するアクチュエータや、ロータリーソレノイド等であってもよい。
【0028】
(第1可動演出部材)
第1可動演出部材50は、図4図8に示すように、横長の略楕円形状に形成されて前方へ膨出した丸みを帯びた前側部材70と、この前側部材70が前側にネジ等により取付固定される後側部材71とを備えている。前側部材70は、前記表示窓口34Aに臨んで遊技盤Dの前側から視認される部材であり、その前面には兎の頭部として認識される加飾が施されている。後側部材71は、前記前側部材70よりも下方へ延出する板状部材であり、前側上部が前記前側部材70の取付部となっている。
【0029】
後側部材71の後面において、上下中央より下側には、後方へ延出した前記3つの支持ボス72A,72B,72Cが設けられている。各支持ボス72A,72B,72Cは、下方へ突となる三角形の各頂点に位置する関係で配設されており、前述したように、ベース部材52に設けた3つの各ガイド孔60A,60B,60Cの夫々に個別に対応して前側から挿通され、各々の後端が前記ベース部材52の後側に配設した前記支持部材63にネジで固定されている。従って第1可動演出部材50は、各支持ボス72A,72B,72Cが各々の対応するガイド孔60A,60B,60Cに挿通されると共に支持部材63がベース部材52に設けた前記各ガイドレール61,61に支持されることで、該ベース部材52に対して安定的に支持されると共に上下にスライド移動が自在となっている。なお、図5および図6において符号73は、各支持ボス72A,72B,72Cの先端に装着されカラーであり、各カラー73は、対応するガイド孔60の開口端に摺接するようになっている。これらカラー73は、自己潤滑性を有する合成樹脂(ポリアセタール等)から形成されており、ベース部材52に対する第1可動演出部材50のスライド移動を滑らかにするよう機能する。
【0030】
前記支持部材63は、図4(b)、図5および図6に示すように、前記各支持ボス72A,72B,72Cの後端が当接する3つの連結部74が形成されている。各連結部74には、前後に貫通したネジ孔が設けられており、裏側からネジ孔に挿通したネジ(図示せず)を各支持ボス72A,72B,72Cの後端にねじ込むことで、支持部材63が第1可動演出部材50に強固に固定される。そして、支持部材63におけるモータ取付側(第1設置部58側)の端部には、上下に延在する第1ラックギア75が形成されており、前記中間ギア67が該第1ラックギア75に噛合するようになっている。従って、前記駆動モータ53を駆動して該中間ギア67が正回転(図4(b)において反時計方向へ回転)した場合には、支持部材63と共に前記第1可動演出部材50が上方へスライド移動し、前記駆動モータ53を逆駆動して該中間ギア67が逆回転(図4(b)において時計方向へ回転)した場合には、支持部材63と共に前記第1可動演出部材50が下方へスライド移動するように構成されている。すなわち前記第1可動演出部材50は、前記駆動モータ53の駆動により、第1位置(図4(a)、図4(b)、図7および図8参照)と、該第1位置より上方の第2位置(図11および図12参照)との間を、前記ベース部材52に対して相対的に上下にスライド移動するよう構成されている。
【0031】
第1可動演出部材50では、図6図8に示すように、後側部材71の裏面における左右中央に、前記連係部材54を配設するための連係部材配設部76が設けられている。この連係部材配設部76には、左右に離間する位置に一対のガイド部77,78が設けられている。前記ガイド部77,78は、連係部材配設部76の左右両側において垂直に延在すると共に対向するガイド壁77,77と、両ガイド壁77,77の下方において左右に離間して設けられたガイド端78,78とを備えている。そして前記連係部材54は、その左端および右端が、前記ガイド壁77,77およびガイド端78,78に夫々摺接するようになっている。また、後側部材71の裏面において上下中央より上側には、水平後方へ延出した2本の支持軸(支持部)79,79が、該後側部材71の左右中央を挟んで両側に立設されている。これら支持軸79,79には、前記第2可動演出部材51,51が、夫々回転可能に取り付けられる。更に、後側部材71の裏側において上下中央より下側には、水平後方へ延出した1本の回転支軸80が、該後側部材71の左右中央に立設されている。この回転支軸80には、前記回転部材55が回転自在に取り付けられる。
【0032】
更に、前記第1可動演出部材50には、図5図6および図8に示すように、後側部材71の前面に、LED88aが実装された発光基板(発光手段)88が配設されている。この発光基板88は、前側部材70と後側部材71の間に画成された空間内に位置して、該前側部材70を裏側から照射するように構成されている。ここで前記前側部材70は、その一部または全体が光透過可能に構成されている。従って、前記第1可動演出部材50の姿勢変位中または停止中の適時に前記発光基板88を発光制御した際には、前記前側部材70が明輝状態となって演出効果を高めるようになっている。
【0033】
(連係部材)
連係部材54は、図5図7に示すように、前記第1可動演出部材50の裏側に設けた前記連係部材配設部76に、上下にスライド移動可能に配設されている。この連係部材54は、前記左右のガイド壁77,77に摺接し得る幅寸法に形成された上板部81と、この上板部81から下方へ延出して該上板部81より幅狭に形成され、前記左右のガイド端78,78に摺接し得る幅寸法に形成された下板部82とが、一体的に形成された成形部材である。前記連係部材配設部76に配設された前記連係部材54は、前記第1可動演出部材50に対して、上部に位置する前記支持ボス72A,72B間に前記下板部82が移動する位置(以降「相対的初期位置」という)(図7図8図11および図12の状態)と、該連係部材配設部76に対して前記相対的初期位置よりも相対的に下方にスライド移動した位置(以降「相対的スライド位置」という)(図9図10の状態)との間を上下にスライド移動する。そして、前記連係部材54が前記相対的初期位置に停止している場合において、前記第1可動演出部材50が前記第1位置にある場合には、該連係部材54は前記ベース部材52に対して「基準位置」(図7図8の状態)に位置し、該第1可動演出部材50が前記第2位置にある場合には、該連係部材54は前記ベース部材52に対して「移動位置」(図11図12の状態)に位置するようになっている。
【0034】
前記連係部材54の前記上板部81には、図5および図6に示すように、上下に長く開口した第1挿通孔83,83が、左右に離間して形成されている。これら第1挿通孔83,83には、前記支持軸79,79がスライド移動が可能に挿通するようになっている。また、前記上板部81の前記第1挿通孔83,83間には、両第1挿通孔83,83の上下中央に、水平方向へ延在する連結溝84,84が形成されている。この連結溝84には、後述するように、各第2可動演出部材51,51に設けた連結ピン(連結部)98が後側から係合するようになっている。一方、前記下板部82には、図5および図6に示すように、上下に長く開口した第2挿通孔85が、左右中央に設けられている。この第2挿通孔85には、前記回転支軸80がスライド移動が可能に挿通するようになっている。更に、前記下板部82における前記第2挿通孔85の下方には、左右方向へ水平に延在する連係溝(被連係部)86が、該第2挿通孔85に連通した状態で形成される。この連係溝86には、後述するように、前記回転部材55に設けた連係ピン(連係部)93が後側から係合するようになっている。なお前記上板部81の左端部および右端部には前記ガイド壁77,77に対向して摺接する突部81A,81Aが、該端部から側方へ突出するように形成されている。
【0035】
前記連結溝84は、連係部材54の前記相対的初期位置においては前記支持軸79,79より上方に位置し(図7参照)、該連係部材54の前記相対的スライド位置においては該支持軸79,79より下方に位置するようになっている(図9参照)。また、前記連係溝86は、連係部材54の前記相対的初期位置においては前記回転支軸80と交差するように位置し(図7参照)、該連係部材54の前記相対的スライド位置においては該回転支軸80から下方へ離間するようになっている(図9参照)。
【0036】
(回転部材)
回転部材55は、図5図8に示すように、前記回転支軸80が前後に貫通可能な軸孔91が形成された円板部90の後側に設けられたギア92と、前記ギア92の外周端に形成された連係ピン93とを備えており、前記連係部材54の後側で回転支軸80に回転自在に枢支されている。前記ギア92は、前記ベース部材52における本体支持部57の前側に垂直に延在するよう形成された第2ラックギア62(図5参照)に噛合し得るモジュールおよび外径に形成されている。また前記連係ピン93は、前記回転支軸80が挿通する前記軸孔91から径方向に所要距離に偏倚した位置において、前方へ延出するように形成されている。従って、前記回転支軸80に枢支された前記回転部材55は、前記ギア92が前記第2ラックギア62に右側から噛合すると共に、前記連係ピン93が前記連係部材54の前記連係溝86に後側から係合している。
【0037】
そして回転部材55は、前記回転支軸80が前記第1可動演出部材50に取り付けられていることから、該第1可動演出部材50の上下スライド移動と同期して上下に移動し、ギア92が第2ラックギア62に噛合していることで上下の移動に連動して回転する。ここで回転部材55は、前記第1可動演出部材50の第1位置においては、図7および図8に示すように、前記第2ラックギア62の下端近くに位置する。このとき前記連係ピン93は、連係溝86の左端(図7では右端)に位置すると共に、回転支軸80の左側(図7では右側)に位置している。そして回転部材55は、前記第1可動演出部材50が第1位置から該第1位置と第2位置との中間の「中間位置」にスライド移動する際には、図7において時計方向へ回転し、図9および図10に示す該第1可動演出部材50の該中間位置においては、第2ラックギア62の上下方向の略中間に位置する。このとき前記連係ピン93は、連係溝86に沿って右方向(図9では左方向)へ移動して該連係溝86の左右中央に位置すると共に、回転支軸80の真下に位置している。また回転部材55は、前記第1可動演出部材50が中間位置から第2位置にスライド移動する際に図9において更に時計方向へ回転し、図11および図12に示す第1可動演出部材50の第2位置においては、第2ラックギア62の上端近くに位置する。このとき前記連係ピン93は、連係溝86に沿って右方向(図11では左方向)へ移動して該連係溝86の右端(図11では左端)に位置すると共に、回転支軸80の右側(図11では左側)に位置している。
【0038】
すなわち、前記回転部材55に設けた前記連係ピン93は、第1可動演出部材50のスライド移動に連動した該回転部材55の回転により、第1可動演出部材50の第1位置から第2位置への移動方向と反対方向である下方へ凸となる円弧状に移動する。すなわち連係ピン93は、回転部材55の回転により、第1可動演出部材50が第1位置から中間位置へスライド移動する際には下方へ円弧状に移動し、第1可動演出部材50の中間位置において該第1可動演出部材50に対して最下位置となり、第1可動演出部材50が中間位置から第2位置へスライド移動する際には上方へ円弧状に移動する。
【0039】
従って、前記回転部材55に連係された前記連係部材54は、前記第1可動演出部材50が第1位置から中間位置に向けてスライド移動する際に、該第1可動演出部材50に対しては前記相対的初期位置から下方へスライド移動し、第1可動演出部材50の中間位置においては前記相対的スライド位置となる。そして連係部材54は、図7図9とを比較すると、上方へスライド移動する第1可動演出部材50に対して相対的に下方へスライド移動して前記相対的スライド位置に変位した状態となり、ベース部材52に対しては殆ど上下に移動せずに前記基準位置にほぼ停止した状態となっている。また前記連係部材54は、前記第1可動演出部材50が中間位置から第2位置に向けてスライド移動する際に、該第1可動演出部材50に対しては前記相対的スライド位置から上方へスライド移動し、第1可動演出部材50の第2位置においては前記相対的初期位置に復帰する。そして連係部材54は、図9図11とを比較すると、上方へスライド移動する第1可動演出部材50に対して相対的に上方へスライド移動するから、ベース部材52に対しては該第1可動演出部材50よりも速い速度で上方へ移動して、前記基準位置から前記移動位置へ移動するようになる。
【0040】
一方、前記連係ピン93は、前記第1可動演出部材50が第2位置から第1位置に向けて下方へスライド移動する際には、前記回転部材55が逆に回転することで、前述した第1可動演出部材50が第1位置から第2位置へスライド移動する場合とは反対の経路を移動するようになる。従って、前記回転部材55に連係された前記連係部材54は、前記第1可動演出部材50が第2位置から中間位置に向けて下方へスライド移動する際に、該第1可動演出部材50に対しては前記相対的初期位置から下方へスライド移動し、第1可動演出部材50の中間位置においては前記相対的スライド位置となる。そして連係部材54は、下方へスライド移動する第1可動演出部材50に対して相対的に下方へスライド移動して前記相対的スライド位置となるため、ベース部材52に対しては該第1可動演出部材50よりも速い速度で下方へ移動して、前記移動位置から前記基準位置へ移動するようになる。また前記連係部材54は、前記第1可動演出部材50が中間位置から第1位置に向けてスライド移動する際に、該第1可動演出部材50に対しては前記相対的スライド位置から上方へスライド移動し、第1可動演出部材50の第1位置においては前記相対的初期位置に戻る。そして連係部材54は、下方へスライド移動する第1可動演出部材50に対して相対的に上方へスライド移動して前記相対的初期位置となるため、ベース部材52に対しては殆ど上下に移動せずに前記基準位置で停止する。
【0041】
(第2可動演出部材)
前記第2可動演出部材51,51は、図4図6に示すように、前記第1可動演出部材50の裏側上部において、左右に並んで配設されている。各第2可動演出部材51は、前方へ膨出して丸みを帯びた湾曲面形状に形成された本体部95と、該本体部95における長手方向の一端側から外方へ延出した支持部96とが一体的に形成されている。前記本体部95は、その前面に、兎の耳部として認識される加飾が施されている。なお、各第2可動演出部材51は、左右対称形状に形成されており、同一部材、部位は同一の符号で指示する。
【0042】
前記支持部96の先端側には、図7図8に示すように、前記第1可動演出部材50に設けた前記支持軸79が前後に貫通し得る貫通孔97が形成されている。従って各第2可動演出部材51は、支持軸79が貫通孔97に貫通することで、支持部96が該支持軸79に枢支された状態で第1可動演出部材50に連結される。これにより各第2可動演出部材51は、支持部96が設けられた一端側と反対の自由端の側が、上下に変位するように回転自在となっている。なお、各第2可動演出部材51の本体部95は、図8図10および図12に示すように、支持部96側より自由端側が後方へ位置するよう後方へ湾曲した形状に形成されている。
【0043】
また、図5図7に示すように、支持部96の先端側において、他方の第2可動演出部材51に隣接する側には、前記貫通孔97から所要の間隔をおいた位置に、前方へ延出する前記連結ピン98が設けられている。この連結ピン98は、前記第2可動演出部材51が前記支持軸79を支点として回転する際に、該支持軸79を中心として円弧状に移動するようになっている。そして連結ピン98は、前記連係部材54に設けた前記連結溝84に対し、後側から係合している。
【0044】
そして、図7および図8に示すように、前記第1可動演出部材50が前記第1位置に位置して連係部材54が前記相対的初期位置にある場合には、該連結溝84が前記支持軸79より上方に位置しているので、連結溝84に係合した連結ピン98は、該支持軸79より上方に位置するようになる。従って各第2可動演出部材51は、前記第1可動演出部材50が第1位置に位置している場合に、自由端側が下方へ移動して略水平に倒伏した「第3位置」に保持される。また、図9および図10に示すように、前記第1可動演出部材50が前記第1位置から前記中間位置にスライド移動して連係部材54が前記相対的初期位置から前記相対的スライド位置に相対的にスライド移動する場合には、連結溝84が前記支持軸79より下方に位置するようになるので、該連結溝84に係合した前記連結ピン98は、前記支持部96を通り該連係部材54の移動方向と直交する方向に延在する軸線L1を横切って該支持軸79より下方に位置するようになる。従って第2可動演出部材51は、前記第1可動演出部材50が中間位置に位置している場合に、自由端側が上方へ移動して約60度まで起立した「作動位置」まで移動するようになる。更に、図11および図12に示すように、前記第1可動演出部材50が前記中間位置から前記第2位置にスライド移動して連係部材54が前記相対的スライド位置から前記相対的初期位置にスライド移動する場合には、第1可動演出部材50に対して連結溝84が前記支持軸79より再び上方に位置するようになるので、該連結溝84に係合した前記連結ピン98は、前記軸線L1を横切って該支持軸79より上方に位置するようになる。従って第2可動演出部材51は、前記第1可動演出部材50が第2位置に位置している場合に、自由端側が下方へ移動して略水平に倒伏した「第4位置」に保持される。すなわち、前記連係部材54が前記相対的初期位置から前記相対的スライド位置へ姿勢変位する際に、前記連結溝84に係合した前記連結ピン98が前記軸線L1を横切って上下に往復移動するよう構成されているので、第1可動演出部材50が第1位置と第2位置との間をスライド移動する際に、第2可動演出部材51は第3位置と第4位置との間を往復回転する。そして、第3位置および第4位置における第2可動演出部材51は、図9および図11に示すように、第1可動演出部材50に対しては同じ姿勢となる。
【0045】
また、前記各第2可動演出部材51には、図5図7に示すように、支持部96の先端側において、他方の第2可動演出部材51とは反対側に、側方へ延出する突片部99が形成されている。この突片部99は、図7および図11に示すように、第2可動演出部材51が前記第3位置および第4位置に位置する場合に、前記第1可動演出部材50の後側部材71に設けたガイド壁77の上端77Aに、上方から当接するよう構成されている。すなわち第2可動演出部材51は、第3位置または第4位置となると突片部99がガイド壁77の上端77Aに当接することで、該第3位置および第4位置に保持されて過回転することが防止されるようになっている。
【0046】
前述のように構成された前記第1可動演出部材DU1は、前記第1可動演出部材50が前記駆動モータ53の駆動により前記第1位置および前記第2位置の間を姿勢変位し、この第1可動演出部材50に配設された連係部材54が、該第1可動演出部材50に対して相対的初期位置と相対的スライド位置との間をスライド移動することで、第1可動演出部材50の第1位置に対応する前記基準位置および第2位置に対応する前記移動位置の間を姿勢変位する。これにより、第1可動演出部材50および連係部材54に夫々連結された各第2可動演出部材51は、該第1可動演出部材50の姿勢変位と該連係部材54の姿勢変位との差動により、第1可動演出部材50の第1位置に対応する前記第3位置および第2位置に対応する前記第4位置の間を、往復回転しながら姿勢変位するよう構成されている。そして第1可動演出部材DU1は、第1可動演出部材50が第1位置、連係部材54がベース部材52との関係において基準位置でかつ第1可動演出部材50に対しては相対的初期位置、各第2可動演出部材51が第3位置となっている図1図4図7および図8の状態が「第1姿勢」とされる。また第1可動演出部材DU1は、第2可動演出部材51が第2位置、連係部材54がベース部材52との関係において移動位置でかつ第1可動演出部材50に対しては相対的初期位置、各第2可動演出部材51が第4位置となっている図2図11および図12の状態が「第2姿勢」とされる。更に第1可動演出部材DU1は、第1可動演出部材50が中間位置、連係部材54が第1可動演出部材50に対して相対的スライド位置、各第2可動演出部材51が作動位置となっている図9図10および図17の状態が「中間姿勢」とされる。
【0047】
(第2可動演出部材)
前記第2可動演出部材DU2は、図3図13および図14に示すように、前記設置部材40における設置板部41の左板部41Bの前側に配設される。この第2可動演出部材DU2は、前記表示窓口34Aに露出する可動演出部材として、湾曲アーム状に形成されたアーム部材100と、このアーム部材100の先端側に設けられた円形状の装飾部材101とを備えている。そして第2可動演出部材DU2は、後述する第1駆動手段としての第1駆動モータ107の駆動により、前記アーム部材100が、先端側が上下に移動するよう姿勢変位すると共に、後述する第2駆動手段としての第2駆動モータ141の駆動により、前記装飾部材101が回転するよう構成されている。このような第2可動演出部材DU2は、前記アーム部材100および装飾部材101、前記第1駆動モータ107および第2駆動モータ141の他に、第1駆動モータ107等を設置する取付ベース部材102、第1駆動モータ107とアーム部材100とを連係機構103等を備えている。
【0048】
(取付ベース部材)
前記取付ベース部材102は、図13および図14に示すように、合成樹脂製の一体成形部材であって、上下に長いプレート状をなしている。取付ベース部材102は、前記設置部材40の左板部41Bに対してネジで固定されるようになっている。この取付ベース部材102は、前記左板部41Bに固定された際に略垂直に延在すると共に該左板部41Bから前方へ離間して位置する前板部102Aと、この前板部102Aの外周縁全周に亘って延在し、後方へ突出して前記左板部41Bの前面に当接する外周リブ102Bとから形成されている。なお以降では、第1駆動モータ107を固定する部分を第1配設部104、この第1配設部104の上側に位置して前記連係機構103を配設する部分を第2配設部105、この第2配設部105の上側に位置して前記アーム部材100を配設する部分を第3配設部106と指称する。
【0049】
(第1駆動モータ)
前記第1配設部104に配設された第1駆動手段としての前記第1駆動モータ107は、例えば正逆回転が可能なステッピングモータ等の電動モータであり、減速用のギアボックス107Aを備えている。この第1駆動モータ107は、前述した統括制御装置により駆動制御される。なお第1駆動手段としては、電動モータに限らず、流体を使用するアクチュエータや、ロータリーソレノイド等であってもよい。
【0050】
(連係機構)
前記第2配設部105に配設された前記連係機構103は、図13および図14に示すように、前記第1駆動モータ107の出力軸107Bに設けたピニオンギア108に噛合する中間ギア109と噛合する作動ギア110と、該作動ギア110に連係されたL型のリンク部材111とを備えている。作動ギア110は、取付ベース部材102の前板部52Aの前側に回転支軸112を介して回転自在に配設されると共に、前面における回転中心から所要距離偏倚した位置に、支軸113を介して第1カム114が配設されている。前記第1カム114は、前記回転支軸112より左側に位置しており、前記第1駆動モータ107の駆動により作動ギア110が正逆回転することで、前記回転支軸80を通り水平に延在する軸線L2を上下に横切って円弧状に往復移動するようになっている。
【0051】
(リンク部材)
前記リンク部材111は、図13に示すように、左右方向へ水平に延在する第1杆部115と、この第1杆部115の左部分から上方へ垂直に延在する第2杆部116とから形成されている。前記第1杆部115には、左右方向へ水平に延在する第1カム孔117が形成されると共に、前記第2杆部116には、上下方向へ垂直に延在する第2カム孔118が形成されている。前記第1カム孔117には、前記作動ギア110に配設した前記第1カム114が摺動可能に係合していると共に、前記第2カム孔118には、前記取付ベース部材102の前板部102Aにおける前記作動ギア110の上方に支軸119を介して配設された第2カム120が摺動可能に係合している。従って、前記第1カム114が前記軸線L2より下方に位置する状態(図15の状態)において、第1駆動モータ107の駆動により作動ギア110が図15において時計方向へ正回転すると、第1カム114が第1カム孔117に沿って摺動しながら上方へ円弧状に移動し、第2カム120が第2カム孔118に沿って相対的に摺動することで、リンク部材111は上方へスライド移動する。一方、前記第1カム114が前記軸線L2より上方に位置する状態(図16の状態)において、第1駆動モータ107の駆動により作動ギア110が図16において反時計方向へ逆回転すると、第1カム114が第1カム孔117に沿って摺動しながら下方へ円弧状に移動し、第2カム120が第2カム孔118に沿って相対的に摺動することで、リンク部材111は下方へスライド移動する。また、図13に示すように、リンク部材111の第2杆部116における前記第2カム孔118の上部には、支軸121を介して第3カム122が配設されている。この第3カム122は、前記アーム部材100に設けたレバー部132に開設した長孔状の係合孔133に摺動可能に係合している。
【0052】
(アーム部材)
前記第3配設部106に配設された前記アーム部材100は、図13および図14に示すように、前記取付ベース部材102に回転自在に枢支された支持アーム125と、この支持アーム125の前側に取り付けられてその前面に所要の加飾が施された装飾部材126とを備えている。前記支持アーム125は、その左端部側に支持孔127が形成され、前記取付ベース部材102の前板部102Aに水平前方へ立設された回転支持軸128が該支持孔127に後側から突入係合することで、該回転支持軸128に回転自在に枢支されている。また、支持アーム125の左側上部の裏側には、前記回転支持軸128から所要距離偏倚した位置に、支軸129を介してガイドローラ130が配設されている。このガイドローラ130は、前記取付ベース部材102の前板部102Aに設けた円弧状のガイド溝131に摺動可能に係合している。また、支持アーム125の左側部には、前記レバー部132が左方へ延出した状態に一体的に形成され、前述したように該レバー部132の先端側に形成された係合孔133に前記リンク部材111の第3カム122が係合することで、該支持アーム125と該リンク部材111とが連結されている。
【0053】
従って支持アーム125は、前記第1駆動モータ107の駆動により前記リンク部材111が上方へスライド移動すると、前記第3カム122が上方へ移動することに伴い、回転支持軸128を支点として図15において時計方向へ回転して、装飾部材126が配設された先端側が下方へ変位して図16に示す「延出位置」に姿勢変位する。一方、支持アーム125は、前記第1駆動モータ107の駆動により前記リンク部材111が下方へスライド移動すると、前記第3カム122が下方へ移動することに伴い、回転支持軸128を支点として図16において反時計方向へ回転して、先端側が上方へ変位して図15に示す「待機位置」に姿勢変位するよう構成されている。なお、図13図15および図16に示すように、作動ギア110の正逆回転に際して、常に前記第1カム114がリンク部材111における第2杆部116の下方に位置するように構成されているため、L型の該リンク部材111の変形が抑制されて、該リンク部材111を介したアーム部材100の姿勢変位を正確かつ適切に行なうことが可能となっている。
【0054】
(装飾部材)
前記装飾部材101は、図13および図14に示すように、前記支持アーム125に連結される支持体135と、この支持体135に回転自在に配設されて前面に所要の加飾が施された円形状の回転体136とを備えている。前記支持体135は、前記支持アーム125に第1連結軸138を介して回転可能に連結されていると共に、一端が前記取付ベース部材102に連結されたリンクバー137の他端に第2連結軸139を介して回転可能に連結されている。前記リンクバー137の一端は、図14に示すように、前記回転支持軸128の真下に設けた第3連結軸140を介して取付ベース部材102に連結されている。すなわち、支持アーム125とリンクバー137とは、取付ベース部材102と支持体135とを連結する平行リンクを構成しており、アーム部材100が前記待機位置、前記延出位置および両位置間の適宜位置の何れの姿勢であっても、装飾部材101は常に一定の向きで移動するようになっている。
【0055】
前記支持体135には、前記回転体136を回転させるための第2駆動モータ141が配設されており、該第2駆動モータ141の出力軸141Aに設けたピニオンギア142と前記回転体136に配設された従動ギア145とが中間ギア143を介して連係されている。なお、支持体135における第2駆動モータ141が配設されたモータ配設部135Aは、回転体136から外側へ延出しているが、このモータ配設部135Aの前側には化粧部材146が配設されており、このモータ配設部135Aは該化粧部材146により前側からは見えないようになっている。
【0056】
前記回転体136は、図14に示すように、前記支持体135に回転軸144を介して回転可能に支持され、この回転軸144の先端に前記従動ギア145が配設されている。従って回転体136は、前記第2駆動モータ141を駆動制御することで、アーム部材100の姿勢変位とは非連動で前記支持体135に対して回転するようになっている。なお、前記第2駆動モータ141は、例えばステッピングモータ等の電動モータである。但し第2駆動手段は、電動モータに限らず、流体を使用するアクチュエータや、ロータリーソレノイド等であってもよい。
【0057】
前述のように構成された前記第2可動演出部材DU2は、前記第1駆動モータ107の駆動により、前記アーム部材100が前記待機位置および前記延出位置の間を回転しながら姿勢変位し、前記装飾部材101は、支持体135は該アーム部材100に従動して昇降移動する。そして第2可動演出部材DU2は、アーム部材100が待機位置となっている図15の状態が「第3姿勢」とされ、アーム部材100が延出位置となっている図16の状態が「第4姿勢」とされる。
【0058】
前記第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2を遊技盤Dの表示窓口34Aに臨むように備えた実施例のパチンコ機Pでは、図17に示すように、前記第1可動演出部材DU1は、前記第1可動演出部材50が前記中間位置となると共に前記第2可動演出部材51,51が前記作動位置となった前記中間姿勢に姿勢変位すると、前記第4姿勢まで姿勢変位する前記第2可動演出部材DU2の移動領域Sとオーバーラップする位置まで延出するように構成されている。また実施例のパチンコ機Pでは、図2および図18に示すように、前記第1可動演出部材DU1は、前記第2姿勢に姿勢変位すると、前記第2可動演出部材DU2の前記移動領域Sから外れた位置に退避するように構成されている。すなわち前記第1可動演出部材DU1は、前記第1可動演出部材50が前記第2可動演出部材DU2の前記移動領域Sとオーバーラップすることなく姿勢変位し、前記第2可動演出部材51が該移動領域Sとオーバーラップして姿勢変位するようになっている。
【0059】
そして、実施例のパチンコ機Pでは、前記第1可動演出部材DU1を前記第1姿勢から前記第2姿勢に変位させると共に前記第2可動演出部材DU2を前記第3姿勢から前記第4姿勢に姿勢変位させる際には、該第1可動演出部材DU1の第2可動演出部材51を前記移動領域Sから退避させた後に、該第2可動演出部材DU2を第4姿勢へ到来させるよう制御するようになっている。すなわち、第1可動演出部材DU1と第2可動演出部材DU2とを同時に姿勢変位させる場合には、該第1可動演出部材DU1が前記中間姿勢から前記第2姿勢に移行するタイミングまたは該第1可動演出部材DU1が中間姿勢から第1姿勢へ移行するタイミングで、該第2可動演出部材DU2を前記第4姿勢に姿勢変位するように制御される。
【0060】
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、前記遊技盤Dの遊技領域30へ打ち出されたパチンコ球が前記始動入賞装置35に入賞して、該始動入賞装置35に配設された球検知センサによる球検知信号を前記主制御装置が受けると、該主制御装置は、大当たり抽選を行なうと共に、前記統括制御装置に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hの図柄変動演出を行なわせる。そして主制御装置は、前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生すると、前記統括制御装置を介して図柄表示装置Hの表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄を停止表示させ、前記特別入賞装置36の入賞口(図示せず)を開放させる。
【0061】
また前記統括制御装置は、前記主制御装置からの制御信号に基づき、前記第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2等を、前記図柄表示装置Hの表示部H1での遊技内容に合わせて総合的に作動制御する。すなわち統括制御装置は、前記図柄表示装置Hの表示部H1での遊技内容に基づき、前記可動演出装置DU1および第2可動演出部材DU2の何れかを単独で作動させたり、前記可動演出装置DU1および第2可動演出部材DU2の両方を同時または同期的に作動させる。そして統括制御装置は、前記第1可動演出部材DU1を前記第1姿勢から前記第2姿勢に変位させると共に前記第2可動演出部材DU2を前記第3姿勢から前記第4姿勢に姿勢変位させる際に、該第1可動演出部材DU1が前記中間姿勢から第2姿勢へ姿勢変位して第2可動演出部材51が前記移動領域Sから退避した後に、該第2可動演出部材DU2を第4姿勢へ到来させるように制御する。これにより、第1可動演出部材DU1を第2姿勢に姿勢変位させると共に第2可動演出部材DU2を第4姿勢に姿勢変位させても、該第1可動演出部材DU1と第2可動演出部材DU2とが衝突することが回避され、両可動演出装置DU1,DU2の故障や破損を好適に防止し得る。
【0062】
そして、前記第1可動演出部材DU1では、前記駆動モータ53の駆動により、第1位置と第2位置との間を姿勢変位する第1可動演出部材50に対し、基準位置と移動位置との間を姿勢変位する連係部材54が、該第1可動演出部材50と相対的に相対的初期位置から相対的スライド位置へ移動する。従って、第1可動演出部材50と連係部材54とに連結された各第2可動演出部材51,51は、第1可動演出部材50の姿勢変位と連係部材54の姿勢変位との作動により、該第1位置に対応する第3位置と第2位置に対応する第4位置との間を姿勢変位する際に、第1可動演出部材50に対して相対的に移動するようになる。すなわち、第1可動演出部材50が上下にスライド移動するのに対して各第2可動演出部材51,51は該第1可動演出部材50に対して回転移動し、第1可動演出部材50と各第2可動演出部材51,51とが異なる動きをするから、第1可動演出部材DU1の動作が複雑になって高い演出効果を得ることができる。
【0063】
しかも前記第1可動演出部材DU1では、第1可動演出部材50の上下のスライド移動に連動して回転部材55が回転することで、該回転部材55に設けた連係ピン93が第1可動演出部材50の第1位置から第2位置への移動方向と反対方向へ凸となる円弧状に移動するから、連係部材54が該第1可動演出部材50に対して相対的初期位置と相対的スライド位置との間を往復移動するようになっている。従って、各第2可動演出部材51,51は、第1可動演出部材50に対する連係部材54の相対的な往復移動により、第1可動演出部材50に対して往復回転する。これにより、各第2可動演出部材51,51が第3位置と第4位置との間を姿勢変位する際に、第1可動演出部材50に対して作動位置まで起立しながら往復回転するから、該第2可動演出部材51,51の姿勢変位量が大きくなって視覚効果が高まり、より高い演出効果が得られる。
【0064】
更に、第2可動演出部材51と連係部材54とを連結する連結ピン98が、前記支持軸79を通り連係部材54の移動方向と直交する方向に延在する軸線L1を横切って往復するよう構成されているので、該連係部材54の姿勢変位に対する連結ピン98の移動量が大きく設定されている。これにより、連結ピン98の移動量が大きくなるので、第1可動演出部材50に対する第2可動演出部材51,51の姿勢変位量を大きくすることができ、演出効果を好適に高めることができる。
【0065】
また、前述したように、第1可動演出部材DU1を第2可動演出部材DU2の移動領域Sとオーバーラップする位置まで移動させ得ると共に、第2可動演出部材DU2も第1可動演出部材DU1とオーバーラップする位置まで移動させ得るから、両可動演出装置DU1,DU2の姿勢変位量(ストローク量)を大きく設定でき、各可動演出装置DU1,DU2を個別に姿勢変位させても高い演出効果を得ることができる。しかも、姿勢変位量(ストローク量)を大きく設定した第1可動演出部材DU1を第2姿勢へ姿勢変位させると共に第2可動演出部材DU2を第4姿勢へ姿勢変位させることもできるので、両可動演出装置DU1,DU2を同時または同期的に姿勢変位させることで、更に高い演出効果を得ることができる。
【0066】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、第1可動演出部材DU1について、第1可動演出部材50を上下にスライド移動する姿勢変位態様とすると共に、各第2可動演出部材51,51を該第1可動演出部材50に対して回転移動する姿勢変位態様とした形態を例示したが、両可動演出部材50,51の姿勢変位態様はこれに限定されない。例えば、第1可動演出部材50は、実施例と同様にベース部材52に対してスライド移動するよう構成すると共に、第2可動演出部材51は、第1可動演出部材50に対してスライド移動するよう構成してもよい。また、第1可動演出部材50は、ベース部材52に対して回転変位するよう構成すると共に、第2可動演出部材51は、実施例と同様に第1可動演出部材50に対して回転移動するように構成してもよい。更に、第1可動演出部材50は、ベース部材52に対して回転変位するよう構成すると共に、第2可動演出部材51は、第1可動演出部材50に対してスライド移動するよう構成してもよい。なお、第1可動演出部材50のスライド移動方向または回転移動方向や、第2可動演出部材51の回転移動方向やスライド移動方向は、上下に限らず、左右、前後または斜め等であってもよい。
(2)第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2の配設位置は、実施例に例示の態様に限定されず、上下方向で対向する配設態様、左右方向で対向する配設態様、前後方向で対向する配設態様であってもよい。
(3)第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2は、遊技盤Dの裏側に配設される設置部材40に配設されて該遊技盤Dの遊技演出領域である表示窓口34Aに臨むものに限らず、遊技盤Dのその他の部分に配設されるもの、中枠Bや前枠C等に配設されるものであってもよい。
(4)第1可動演出部材DU1および第2可動演出部材DU2に配設される各駆動手段は、実施例に例示したステッピングモータ等の電動モータに限らず、流体を使用するアクチュエータや、ロータリーソレノイド等であってもよい。
(5)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機等であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
50 第1可動演出部材,51 第2可動演出部材,53 駆動モータ(駆動手段),
54 連係部材,55 回転部材(部材),79 支持軸(支持部),
86 連係溝(被連係部),93 連係ピン(連係部),98 連結ピン(連結部),
DU1 第1可動演出部
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