【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の実施例1に係る信号生成回路100のブロック図である。
図1に示すように、信号生成回路100は、第1D/Aコンバータ(上限電圧生成部)11と、第2D/Aコンバータ(下限電圧生成部)12と、第3D/Aコンバータ(傾き制御信号生成部)13と、傾き制御回路(積分器)14と、信号制限部15と、を備える。信号制限部15は、第1加算器16と、第2加算器17と、第3加算器18と、を有する。
【0027】
第1D/Aコンバータ11は、入力された上限電圧設定信号SULをD/A変換して、正極性(第1極性)の上限電圧VULを生成する。
【0028】
第2D/Aコンバータ12は、入力された下限電圧設定信号SLLをD/A変換して、正極性の下限電圧VLLを生成する。
【0029】
第3D/Aコンバータ13は、入力された傾き設定信号SSLをD/A変換して、基準電圧と傾き制御電圧SLとの間でステップ状に変化する傾き制御信号VSLを生成する。以下、本実施例では、基準電圧は0V(接地電圧)であるとする。また、傾き制御電圧SLは正極性を有する。
【0030】
傾き制御回路14は、傾き制御信号VSLを積分した積分信号Vintを出力する。積分信号Vintは負極性(第2極性)を有する。
【0031】
信号制限部15は、積分信号Vintの最大値と最小値を制限し、この制限された信号に基づいて試験電圧信号Vtestを出力する。
【0032】
本実施例では、信号制限部15は次のように構成されている。第1加算器16は、積分信号Vintと上限電圧VULとを加算した第1加算結果(Vint+VUL)が負極性の場合に、第1加算結果(Vint+VUL)の極性を反転して第1加算信号Va1として出力する。即ち、この場合には第1加算結果の絶対値を出力する。一方、第1加算器16は、第1加算結果(Vint+VUL)が正極性の場合に基準電圧を第1加算信号Va1として出力する。
【0033】
第2加算器17は、積分信号Vintと下限電圧VLLとを加算した第2加算結果(Vint+VLL)が正極性の場合に、第2加算結果(Vint+VLL)の極性を反転して第2加算信号Va2として出力する。一方、第2加算器17は、第2加算結果(Vint+VLL)が負極性の場合に基準電圧を第2加算信号Va2として出力する。
【0034】
第3加算器18は、積分信号Vintと、第1加算信号Va1と、第2加算信号Va2とを加算した第3加算結果(Vint+Va1+Va2)の極性を反転して試験電圧信号Vtestを出力する。
【0035】
つまり、信号制限部15は、負極性の積分信号Vintの最大値を、下限電圧VLLの極性を反転した値に制限すると共に、積分信号Vintの最小値を、上限電圧VULの極性を反転した値に制限し、この制限された信号(第3加算結果(Vint+Va1+Va2))の極性を反転して試験電圧信号Vtestを出力する。
【0036】
このようにして、信号生成回路100は、図示しない電源装置を試験するための試験電圧信号Vtestを生成する。信号生成回路100のより詳細な動作については、後述する。
【0037】
次に、本実施例における信号生成回路100の具体的な回路構成の一例について説明する。
図2は、本発明の実施例1に係る信号生成回路100の回路図である。
図2は、傾き制御回路14、第1加算器16、第2加算器17および第3加算器18の具体的な回路構成を示している。
【0038】
傾き制御回路14は、レンジ切り替え抵抗(可変抵抗)RVと、第1演算増幅器OP1と、レンジ切り替え容量(可変容量)CVと、を有する。
【0039】
レンジ切り替え抵抗RVの一端には、第3D/Aコンバータ13から出力された傾き制御信号VSLが加えられる。第1演算増幅器OP1は、レンジ切り替え抵抗RVの他端が反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられ、積分信号Vintを出力端子から出力する。レンジ切り替え容量CVは、第1演算増幅器OP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。即ち、傾き制御回路14は積分回路として構成されている。
【0040】
レンジ切り替え抵抗RVは、抵抗RV1,RV2,RV3と、スイッチSW1、SW2,SW3と、を有する。抵抗RV1とスイッチSW1は直列に接続され、抵抗RV2とスイッチSW2は直列に接続され、抵抗RV3とスイッチSW3は直列に接続されている。抵抗RV1,RV2,RV3のスイッチSW1、SW2,SW3に接続されていない3つの端子は互いに接続されて、レンジ切り替え抵抗RVの一端となっている。スイッチSW1、SW2,SW3の抵抗RV1,RV2,RV3に接続されていない3つの端子は互いに接続されて、レンジ切り替え抵抗RVの他端となっている。例えば、抵抗RV1は1kΩ、抵抗RV2は10kΩ、抵抗RV3は100kΩである。
【0041】
レンジ切り替え容量CVは、容量CV1,CV2と、スイッチSW4と、を有する。容量CV1は、第1演算増幅器OP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。容量CV2とスイッチSW4は、第1演算増幅器OP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に、直列に接続されている。例えば、容量CV1は100pF、容量CV2は0.01μFである。
【0042】
第1加算器16は、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第2演算増幅器OP2と、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、第3抵抗R3と、を有する。
【0043】
第1抵抗R1の一端には、傾き制御回路14から出力された積分信号Vintが加えられる。第2抵抗R2の一端には、第1D/Aコンバータ11から出力された上限電圧VULが加えられる。第2演算増幅器OP2は、第1抵抗R1の他端と第2抵抗R2の他端とが反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられる。
【0044】
第1ダイオードD1は、アノードが第2演算増幅器OP2の反転入力端子(−)に接続され、カソードが第2演算増幅器OP2の出力端子に接続されている。第2ダイオードD2は、アノードが第2演算増幅器OP2の出力端子に接続され、第1加算信号Va1をカソードから出力する。
【0045】
第3抵抗R3は、第2ダイオードD2のカソードと第2演算増幅器OP2の反転入力端子(−)との間に接続されている。例えば、第1抵抗R1、第2抵抗R2および第3抵抗R3は、同一の抵抗値を有している。
【0046】
第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2により、第1加算器16は、前述のように第1加算信号Va1として基準電圧以上を出力し、負電圧を出力しないように構成されている。
【0047】
第2加算器17は、第4抵抗R4と、第5抵抗R5と、第3演算増幅器OP3と、第3ダイオードD3と、第4ダイオードD4と、第6抵抗R6と、を有する。
【0048】
第4抵抗R4の一端には、傾き制御回路14から出力された積分信号Vintが加えられる。第5抵抗R5の一端には、第2D/Aコンバータ12から出力された下限電圧VLLが加えられる。第3演算増幅器OP3は、第4抵抗R4の他端と第5抵抗R5の他端とが反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられる。
【0049】
第3ダイオードD3は、カソードが第3演算増幅器OP3の反転入力端子(−)に接続され、アノードが第3演算増幅器OP3の出力端子に接続されている。第4ダイオードD4は、カソードが第3演算増幅器OP3の出力端子に接続され、第2加算信号Va2をアノードから出力する。
【0050】
第6抵抗R6は、第4ダイオードD4のアノードと第3演算増幅器OP3の反転入力端子(−)との間に接続されている。例えば、第4抵抗R4、第5抵抗R5および第6抵抗R6は、同一の抵抗値を有している。
【0051】
第3ダイオードD3及び第4ダイオードD4により、第2加算器17は、前述のように第2加算信号Va2として基準電圧以下を出力し、正電圧を出力しないように構成されている。
【0052】
第3加算器18は、第7抵抗R7と、第8抵抗R8と、第9抵抗R9と、第4演算増幅器OP4と、第10抵抗R10と、を有する。
【0053】
第7抵抗R7の一端には、傾き制御回路14から出力された積分信号Vintが加えられる。第8抵抗R8の一端には、第1加算器16から出力された第1加算信号Va1が加えられる。第9抵抗R9の一端には、第2加算器17から出力された第2加算信号Va2が加えられる。第4演算増幅器OP4は、第7抵抗R7、第8抵抗R8および第9抵抗R9の他端が反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられ、試験電圧信号Vtestを出力端子から出力する。
【0054】
第10抵抗R10は、第4演算増幅器OP4の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。例えば、第7抵抗R7、第8抵抗R8、第9抵抗R9および第10抵抗R10は、同一の抵抗値を有している。
【0055】
次に、
図3の波形図を参照して、信号生成回路100の動作をより詳細に説明する。
図3は、本発明の実施例1に係る信号生成回路100の波形図である。
【0056】
(1)時刻t1以前
時刻t1以前の初期状態では、第1D/Aコンバータ11、第2D/Aコンバータ12及び第3D/Aコンバータ13が0Vを出力するように、上限電圧設定信号SUL、下限電圧設定信号SLL及び傾き設定信号SSLが設定されている。これにより、傾き制御信号VSL、積分信号Vint、上限電圧VUL、第1加算信号Va1、下限電圧VLL、第2加算信号Va2および試験電圧信号Vtestは0Vとなっている。
【0057】
(2)時刻t1から時刻t2
時刻t1において、第3D/Aコンバータ13が傾き制御電圧SLを出力するように、傾き設定信号SSLが設定される。これにより、時刻t1において、傾き制御信号VSLは、0Vから傾き制御電圧SLにステップ状に変化する。この傾き制御信号VSLのステップ状の変化によって、積分信号Vintは、所定の傾きで0Vから負電圧に低下していく。この傾きは、次の様に決定される。
【0058】
ここでは、積分信号Vintの電圧をVとして、変化時間をTとして、レンジ切り替え抵抗RVからレンジ切り替え容量CVに流れる電流をIとして、レンジ切り替え容量CVの容量値をCとして、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値をRとする。
【0059】
レンジ切り替え容量CVにおける電荷の関係式から、次の式(1)が得られる。
C・V=I・T、つまり、V/T=I/C (1)
【0060】
また、レンジ切り替え抵抗RVに流れる電流Iは次の式(2)で表すことができる。
I=SL/R (2)
【0061】
以上の式(1)と式(2)から、積分信号Vintの傾きであるV/Tは、次の式(3)で表すことができる。
V/T=傾き制御電圧SL/レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値R/レンジ切り替え容量CVの容量値C (3)
【0062】
即ち、積分信号Vintの傾きは、傾き制御電圧SLを決定する傾き設定信号SSLと、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値Rと、レンジ切り替え容量CVの容量値Cと、によって任意の値に設定できる。予め、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値RはスイッチSW1、SW2,SW3のオン/オフによって設定しておき、レンジ切り替え容量CVの容量値CはスイッチSW4のオン/オフによって設定しておく。
【0063】
これに加え、時刻t1において、第1D/Aコンバータ11からの上限電圧VULが電圧ULとなるように、上限電圧設定信号SULが設定される。ここでは、電圧UL<電圧SLである。
【0064】
上述した所定の傾きで0Vから低下していく積分信号Vintは、時刻t2において、電圧−ULに達する。
【0065】
つまり、時刻t1から時刻t2では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0066】
また、時刻t1から時刻t2では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=0V)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0067】
よって、時刻t1から時刻t2では、積分信号Vintと、第1加算信号Va1と、第2加算信号Va2とを加算した第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は、積分信号Vintに等しくなる。従って、第3加算器18は、積分信号Vintを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t1から所定の傾きで増加して、時刻t2で電圧ULに達する。
【0068】
(3)時刻t2から時刻t3
積分信号Vintは、時刻t1から時刻t2までと同一の傾きで電圧−ULから更に低下していく。そして、積分信号Vintは、時刻t3において電圧−SLに達する。
【0069】
つまり、時刻t2から時刻t3では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、負極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として−(Vint+VUL)を出力する。
【0070】
また、時刻t2から時刻t3では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=0V)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0071】
よって、時刻t2から時刻t3では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−ULになる。従って、第3加算器18は、電圧−ULを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t2から時刻t3まで電圧ULである。
【0072】
(4)時刻t3から時刻t4
傾き制御信号VSLが一定の傾き制御電圧SLであるため、積分信号Vintは一定の電圧−SLである。
【0073】
つまり、時刻t3から時刻t4では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、負極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として−(Vint+VUL)=SL−ULを出力する。
【0074】
時刻t3から時刻t4の間において、第2D/Aコンバータ12からの下限電圧VLLが電圧LLとなるように、下限電圧設定信号SLLが設定される。電圧LL<電圧UL<電圧SLである。
【0075】
時刻t3から時刻t4では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=0V又は電圧LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0076】
よって、時刻t3から時刻t4では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−ULになる。従って、第3加算器18は、電圧−ULを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t3から時刻t4まで電圧ULである。
【0077】
(5)時刻t4から時刻t5
時刻t4において、第3D/Aコンバータ13が電圧0Vを出力するように、傾き設定信号SSLが設定される。これにより、時刻t4において、傾き制御信号VSLは、傾き制御電圧SLから0Vにステップ状に変化する。
【0078】
傾き制御信号VSLのステップ状の変化によって、積分信号Vintは、所定の傾きで電圧−SLから0Vに増加していく。この傾きの絶対値は、時刻t1から時刻t3までの傾きの絶対値と同一である。そして、積分信号Vintは、時刻t5において電圧−ULに達する。
【0079】
つまり、時刻t4から時刻t5では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、負極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として−(Vint+VUL)を出力する。
【0080】
また、時刻t4から時刻t5では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0081】
よって、時刻t4から時刻t5では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−ULになる。従って、第3加算器18は、電圧−ULを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t2から時刻t3まで電圧ULである。
【0082】
(6)時刻t5から時刻t6
積分信号Vintは、時刻t4から時刻t5までと同一の傾きで電圧−ULから更に増加していき、時刻t6において電圧−LLに達する。
【0083】
つまり、時刻t5から時刻t6では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0084】
また、時刻t5から時刻t6では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0085】
よって、時刻t5から時刻t6では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は積分信号Vintに等しくなる。従って、第3加算器18は、積分信号Vintを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t5から所定の傾きで低下して、時刻t6で電圧LLに達する。
【0086】
(7)時刻t6から時刻t7
積分信号Vintは、時刻t4から時刻t6までと同一の傾きで電圧−LLから更に増加して、時刻t7において0Vに達する。
【0087】
つまり、時刻t6から時刻t7では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0088】
また、時刻t6から時刻t7では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、正極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として−(Vint+VLL)を出力する。
【0089】
よって、時刻t6から時刻t7では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−LLになる。従って、第3加算器18は、電圧−LLを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t6から時刻t7まで電圧LLである。
【0090】
(8)時刻t7以降
傾き制御信号VSLが一定の0Vであるため、積分信号Vintは0Vである。つまり、時刻t7以降では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0091】
また、時刻t7以降では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、正極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として−(Vint+VLL)=−LLを出力する。
【0092】
よって、時刻t7以降では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−LLになる。従って、第3加算器18は、電圧−LLを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、時刻t7以降、試験電圧信号Vtestは電圧LLである。
【0093】
このように、試験電圧信号Vtestは、時刻t1以前では下限電圧VLL(=0V)であり、時刻t1からt2では正の傾きで増加し、時刻t2から時刻t5では上限電圧VUL(=UL)であり、時刻t5からt6では負の傾きで低下し、時刻t6以降では下限電圧VLL(=LL)である。
【0094】
以上で説明した様に、本実施例の信号生成回路100によれば、基準電圧(0V)と傾き制御電圧SLとの間でステップ状に変化する傾き制御信号VSLを生成して、この傾き制御信号VSLを積分することで、傾き制御電圧SLと、傾き制御回路14のレンジ切り替え抵抗RVの抵抗値Rと、レンジ切り替え容量CVの容量値Cと、に応じた傾きを有する積分信号Vintを出力するようにしている。その上で、積分信号Vintの最大値と最小値を制限し、この制限された信号(第1加算信号Va1+第2加算信号Va2+積分信号Vint)を反転して試験電圧信号Vtestを出力するようにしている。従って、傾き制御電圧SLと傾き制御回路14の抵抗値Rと容量値Cとを調整することで、試験電圧信号Vtestの傾きを容易に調整できる。さらに、試験電圧信号Vtestの最大値と最小値も任意の値に設定できる。