特許第5722148号(P5722148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5722148-液体圧送装置のモニタリングシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722148
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】液体圧送装置のモニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   F16T 1/20 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   F16T1/20 Z
   F16T1/20 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-157347(P2011-157347)
(22)【出願日】2011年7月19日
(65)【公開番号】特開2013-24275(P2013-24275A)
(43)【公開日】2013年2月4日
【審査請求日】2014年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】湯本 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】杉江 悠一
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−181287(JP,A)
【文献】 特開平04−025698(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02164754(GB,A)
【文献】 特開平11−257591(JP,A)
【文献】 特開2001−027395(JP,A)
【文献】 特開平08−075035(JP,A)
【文献】 特開2001−060992(JP,A)
【文献】 特開平01−304680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16T 1/20
F16T 1/24
F16T 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器に作動気体の給気口と排気口及び圧送液体の流入口と圧送口が設けられ、密閉容器内にフロートが配置され、フロートが所定高位に達すると給気口が開口されると共に排気口が閉口されて給気口から密閉容器内に作動気体が供給されることにより密閉容器内の液体が圧送口から圧送され、フロートが所定低位に達すると給気口が閉口されると共に排気口が開口されてフロートが所定高位に達するまで密閉容器内の作動気体が排気口から排気されると共に液体が流入口から密閉容器内に流入される液体圧送装置において、液体圧送装置の温度や圧力あるいは液位レベルを検出したり液体圧送装置の作動に伴う振動や音あるいは超音波を検出したりする作動検出器と、フロートが所定高位よりも少し低位の第2所定高位まで浮上したときにONしフロートが第2所定高位よりも降下したときにOFFするスイッチを具備し、スイッチのONにより作動検出器の電源をONしスイッチのON後の所定時間後にあるいはスイッチのOFF後の第2所定時間後に作動検出器の電源をOFFすることを特徴とする液体圧送装置のモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水や燃料等の液体を圧送する液体圧送装置のモニタリングシステムに関するものである。本発明の液体圧送装置のモニタリングシステムは、各種蒸気使用装置で発生した復水をボイラーや廃熱利用箇所に送る装置のモニタリングシステムとして特に適するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液体圧送装置のモニタリングシステムは、例えば特許文献1に開示されている。これは、密閉容器に作動気体の給気口と排気口及び圧送液体の流入口と圧送口が設けられ、密閉容器内にフロートが配置され、フロートが所定高位に達すると給気口が開口されると共に排気口が閉口されて給気口から密閉容器内に作動気体が供給されることにより密閉容器内の液体が圧送口から圧送され、フロートが所定低位に達すると給気口が閉口されると共に排気口が開口されてフロートが所定高位に達するまで密閉容器内の作動気体が排気口から排気されると共に液体が流入口から密閉容器内に流入される液体圧送装置において、液体圧送装置の温度や圧力あるいは液位レベルを検出して液体圧送装置の作動を検出する作動検出器を具備したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−181287
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の液体圧送装置のモニタリングシステムは、液体圧送装置に流入する液体の流入流量が少ない場合、フロートが所定低位に達したときから次に所定高位に達するときまでの時間が長くなるが、作動検出器の電源を常時ONしたものであるので、消費電力が大きいという問題点があった。
【0005】
したがって本発明が解決しようとする課題は、消費電力を小さくできる液体圧送装置のモニタリングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の液体圧送装置のモニタリングシステムは、密閉容器に作動気体の給気口と排気口及び圧送液体の流入口と圧送口が設けられ、密閉容器内にフロートが配置され、フロートが所定高位に達すると給気口が開口されると共に排気口が閉口されて給気口から密閉容器内に作動気体が供給されることにより密閉容器内の液体が圧送口から圧送され、フロートが所定低位に達すると給気口が閉口されると共に排気口が開口されてフロートが所定高位に達するまで密閉容器内の作動気体が排気口から排気されると共に液体が流入口から密閉容器内に流入される液体圧送装置において、液体圧送装置の温度や圧力あるいは液位レベルを検出したり液体圧送装置の作動に伴う振動や音あるいは超音波を検出したりする作動検出器と、フロートが所定高位よりも少し低位の第2所定高位まで浮上したときにONしフロートが第2所定高位よりも降下したときにOFFするスイッチを具備し、スイッチのONにより作動検出器の電源をONしスイッチのON後の所定時間後にあるいはスイッチのOFF後の第2所定時間後に作動検出器の電源をOFFすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体圧送装置の温度や圧力あるいは液位レベルを検出したり液体圧送装置の作動に伴う振動や音あるいは超音波を検出したりする作動検出器と、フロートが所定高位よりも少し低位の第2所定高位まで浮上したときにONしフロートが第2所定高位よりも降下したときにOFFするスイッチを具備し、スイッチのONにより作動検出器の電源をONしスイッチのON後の所定時間後にあるいはスイッチのOFF後の第2所定時間後に作動検出器の電源をOFFすることにより、液体圧送装置のモニタリングシステムの消費電力を小さくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係わる液体圧送装置のモニタリングシステムの構成図である。
図2図1の液体圧送装置の断面図である。
図3図1の液体圧送装置のスイッチの拡大断面図である。
図4図1の液体圧送装置の作動検出器の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。液体圧送装置24は、本体1と蓋2で密閉容器を構成して、密閉容器内にフロート3とフロート弁4とスナップ機構部5を配置すると共に、蓋2に作動気体の給気口6と排気口7及び圧送液体の流入口8と圧送口9を設ける。流入口8が密閉容器への液体の流れだけを許容する流入側逆止弁20を介して蒸気使用装置としての熱交換器25に連通する流入管21に接続され、圧送口9が液体圧送先への液体の流れだけを許容する圧送側逆止弁22を介して液体圧送先としてのボイラー29に連通する圧送管30に接続され、給気口6が高圧の作動蒸気源から熱交換器25に蒸気が供給される蒸気配管31に連通する給気管32に接続され、排気口7が蒸気循環側(図示せず)に連通する排気管23に接続される。
【0010】
フロート3は支点10を回転中心として上下に浮上降下して、ダブル弁機構のフロート弁4を上下に移動させて圧送口9を連通遮断すると共に、第1レバー11を支点12を中心として上下に変位させる。同じく支点12を中心として回転自在に第2レバー13を配置し、この第2レバー13の端部と第1レバー11の端部の間に圧縮状態のコイルバネ14を取り付ける。第2レバー13の上部に操作棒15を連結する。操作棒15の上部には、排気口7を開閉する球状の排気弁体16を取り付けると共に、操作棒15の中段部に操作レバー17を固着する。操作レバー17の上部に上下動自在に給気棒18を配置して、この給気棒18の更に上方に給気口6を開閉する球状の給気弁体19を自由状態で配置する。
【0011】
液体圧送装置24とスイッチ33及び作動検出器34とで液体圧送装置のモニタリングシステムを構成する。スイッチ33は図3に示すように、本体1にねじ結合により固定されたケース36と、ケース36の内端二又部分36aに中心軸37により回転自在に取付けられた回転板38と、回転板38に一端が圧入により固定され他端がフロート3の上方に延びてフロート3の浮上降下により回転して回転板38を回転せしめる密着コイルバネ39と、一端二又部分40aが連結軸41により回転板38に連結され回転板38の回転に伴って軸心方向に変位する可動軸40と、可動軸40の他端に内蔵された永久磁石42と、ケース35の隔壁35bにより永久磁石42とは隔てられ永久磁石42の磁界により動作する磁気スイッチ43とから構成する。作動検出器34は液体圧送装置24の作動に伴う振動や音あるいは超音波を検出するものであり、本実施の形態の振動計は図4に示すように、本体1にねじ結合により固定されたケース44と、ケース44内にケース44の軸方向に摺動自在に配置した検出針45と、検出針45にねじ結合した振動伝達板46と検出針45に挿入した電極板47、圧電素子48、電極板49、ウエイト50、防振ゴム51と検出針45に固定したナット52とから成る感振素子53と、防振ゴム51とケース44の上壁の間に配置され検出針45の先端を本体1に付勢するコイルスプリング53と、検出針45の先端に取付けた温度センサ54とから構成する。
【0012】
図2は、密閉容器内の液位が低くフロート3が底部に位置する状態を示している。フロート弁4は閉弁して密閉容器内と圧送口9を遮断し、給気弁体19が給気口6を閉口すると共に排気弁体16が排気口7を開口している。密閉容器内の作動蒸気が排気口7から排気管23を通して蒸気循環側に排気されると共に熱交換器25で発生した液体が流入管21から流入側逆止弁20を介して流入口8から密閉容器内に流入される。密閉容器内の液位上昇に伴ってフロート3が上昇してフロート弁4が開弁する。フロート3が浮上して密着コイルバネ39に当接後は密着コイルバネ39を介して回転板38が中心軸37の回りに反時計方向に回転し、回転板38の回転に伴って可動軸40が左方に変位して永久磁石42が磁気スイッチ43に近づき第2所定高位で磁気スイッチ43がONし、磁気スイッチ43のONにより作動検出器34の電源がONする。作動検出器34が液体圧送装置24の作動に伴う振動を検出する。フロート3が所定高位に達すると、スナップ機構部5がスナップ移動して給気弁体19が給気口6を開口すると共に排気弁体16が排気口7を閉口し、給気口6から密閉容器内に供給される作動蒸気によって、密閉容器内の液体が圧送口9から圧送側逆止弁22を介してボイラー29へ圧送される。液体の圧送による密閉容器内の液位低下に伴ってフロート3が降下すると、密着コイルバネ39及び回転板38が中心軸37の回りに時計方向に回転し、回転板38の回転に伴って可動軸40が右方に変位して永久磁石42が磁気スイッチ43から遠ざかりフロート3が第2所定高位よりも低下したときに磁気スイッチ43がOFFする。磁気スイッチ43のON後の所定時間後にあるいは磁気スイッチ43のOFF後の所定時間後に作動検出器34の電源をOFFする。その後、フロート3が所定低位に達すると、フロート弁4が閉弁し、スナップ機構部5が反対側にスナップ移動して給気弁体19が給気口6を閉口すると共に排気弁体16が排気口7を開口する。このような作動サイクルを繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、各種蒸気使用装置で発生した液体を作動気体により液体圧送先に圧送する液体圧送装置のモニタリングシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0014】
1 本体
2 蓋
6 給気口
7 排気口
8 流入口
9 圧送口
24 液体圧送装置
33 スイッチ
34 作動検出器
図1
図2
図3
図4