特許第5722213号(P5722213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5722213医薬薬剤の加工性を改良するための固体担体粒子の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722213
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】医薬薬剤の加工性を改良するための固体担体粒子の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5377 20060101AFI20150430BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/635 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/4402 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20150430BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20150430BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150430BHJP
   A61K 9/14 20060101ALN20150430BHJP
   A61K 47/12 20060101ALN20150430BHJP
【FI】
   A61K31/5377
   A61K47/04
   A61K31/635
   A61K31/4402
   A61K9/20
   A61K47/38
   A61K47/02
   A61K31/675
   A61K31/513
   A61K31/47
   A61P31/12
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   !A61K9/14
   !A61K47/12
【請求項の数】50
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2011-507697(P2011-507697)
(86)(22)【出願日】2009年5月1日
(65)【公表番号】特表2011-522790(P2011-522790A)
(43)【公表日】2011年8月4日
(86)【国際出願番号】US2009042607
(87)【国際公開番号】WO2009135179
(87)【国際公開日】20091105
【審査請求日】2012年2月10日
(31)【優先権主張番号】61/049,935
(32)【優先日】2008年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/150,655
(32)【優先日】2009年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/150,652
(32)【優先日】2009年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】コジアラ, ジョアンナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】メニング, マーク エム.
(72)【発明者】
【氏名】オリヤイ, レザ
(72)【発明者】
【氏名】ストリックリー, ロバート ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ユー, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】キアニー, ブライアン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】マシアス, アニータ エー.
【審査官】 深草 亜子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/010921(WO,A1)
【文献】 特表2005−508977(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/111866(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/5377
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが表面および/または孔を有する複数の固体二酸化ケイ素担体粒子と、該固体二酸化ケイ素担体粒子の孔中または表面上の式(I)の化合物:
【化7】
または医薬として許容されるその塩とを含む医薬組成物
【請求項2】
前記組成物の圧縮率が、前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子の圧縮率よりも高い、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記固体二酸化ケイ素体粒子および前記化合物の吸湿性が、前記化合物/二酸化ケイ素担体粒子混合物の吸湿性よりも高い、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子は、平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子が親水性のヒュームドシリカである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子の平均粒径が、20〜40ミクロンである、請求項4から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子のBET表面積が、少なくとも150m/gである、請求項4から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記式(I)の化合物が、前記固体二酸化ケイ素担体粒子の孔中および表面上に被覆される、請求項4から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子に対する前記式(I)の化合物の重量百分率が50%±10%である、請求項1または4〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
医薬として許容される1種または複数の賦形剤をさらに含む請求項1または4〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
経口投与のために調合される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
錠剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記式(I)の化合物が、99±1%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体:
【化8】
を含む、請求項1または4〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
さらに、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HCVの非ヌクレオシド系阻害剤、CCR5阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記さらなる治療剤はダルナビルである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記さらなる治療剤はアタザナビルである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記式(I)の化合物:
【化9】
と、適切な溶媒と、各々が表面および/または孔を有する複数の固体二酸化ケイ素担体粒子とを組み合わせて混合物を提供することを含む、医薬組成物を製造する方法
【請求項18】
前記組成物の圧縮率が、前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子の圧縮率よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記固体二酸化ケイ素体粒子および前記化合物の吸湿性が、前記化合物/固体二酸化ケイ素担体粒子混合物の吸湿性よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子は、平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子が親水性のヒュームドシリカである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子の平均粒径が20〜40ミクロンである、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子のBET表面積が、少なくとも150m/gである、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記式(I)の化合物の重量を前記シリカ粒子の重量によって割った値が1.0±0.5である、請求項20から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
溶媒が(C〜C)アルコールである、請求項20から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
溶媒がエタノールを含む、請求項20から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
請求項1または20から2のいずれか一項に記載される方法によって調製される医薬組成物。
【請求項28】
1)式(I)の化合物:
【化10】
または医薬として許容されるその塩と、2)各々が表面および/または孔を有する複数の固体二酸化ケイ素担体とを含む錠剤
【請求項29】
前記組成物の圧縮率が、前記複数の固体担体粒子の圧縮率よりも高い、請求項2に記載の錠剤。
【請求項30】
前記固体二酸化ケイ素体粒子および前記化合物の吸湿性が、前記化合物/固体二酸化ケイ素担体粒子混合物の吸湿性よりも高い、請求項2に記載の錠剤。
【請求項31】
前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子は、平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子を含む、請求項2に記載の錠剤。
【請求項32】
別の治療剤をさらに含む、請求項2または31のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項33】
前記別の治療剤はダルナビルである、請求項32に記載の錠剤。
【請求項34】
前記別の治療剤はアタザナビルである、請求項32に記載の錠剤。
【請求項35】
3)微結晶性セルロース;4)ヒドロキシプロピルセルロース;5)クロスカルメロースナトリウム;および6)ステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項2に記載の錠剤。
【請求項36】
前記式(I)の化合物が、99±1%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体:
【化11】
を含む、請求項2または31〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項37】
10mgの前記式(I)の化合物と;115mgの前記固体二酸化ケイ素担体粒子と;151mgの微結晶性セルロースと;6mgのヒドロキシプロピルセルロースと;15mgのクロスカルメロースナトリウムと;3mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、請求項31から3のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項38】
25mgの前記式(I)の化合物と;115mgの前記固体二酸化ケイ素担体粒子と;136mgの微結晶性セルロースと;6mgのヒドロキシプロピルセルロースと;15mgのクロスカルメロースナトリウムと;3mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、請求項31から3のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項39】
100mgの式(I)の化合物と;115mgの前記二酸化ケイ素担体粒子と;61mgの微結晶性セルロースと;6mgのヒドロキシプロピルセルロースと;15mgのクロスカルメロースナトリウムと;3mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、請求項31から3のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項40】
各々が表面および/または孔を有する複数の固体二酸化ケイ素担体粒子と;式(Ia)
【化11A】

の化合物と;フマル酸テノホビルジソプロキシルと;エムトリシタビンと;エルビテグラビルとを含む医薬組成物
【請求項41】
前記組成物の圧縮率が、前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子の圧縮率よりも高い、請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記固体二酸化ケイ素体粒子および前記化合物の吸湿性が、前記化合物/固体二酸化ケイ素担体粒子混合物の吸湿性よりも高い、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記複数の固体二酸化ケイ素担体粒子が、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子が親水性のヒュームドシリカである、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記固体二酸化ケイ素担体粒子の平均粒径が20〜40ミクロンである、請求項43から44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記二酸化ケイ素担体粒子のBET表面積が少なくとも150m/gである、請求項43から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記式(I)の化合物が、前記二酸化ケイ素担体粒子の孔中および表面上に被覆される、請求項43から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記二酸化ケイ素担体粒子の重量に対する前記式(I)の化合物の重量の割合が、1±0.05%である、請求項43から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
経口投与のために調合される、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項50】
錠剤として調合される、請求項49に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の優先権)
本出願は、2008年5月2日に出願された米国仮特許出願第61/049,935号、2009年2月6日に出願された米国仮特許出願第61/150,655号、および2009年2月6日に出願された米国仮特許出願第61/150,652号に対する優先権を主張する。これらの出願の各々の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
特許文献1は、ある種の特定の医薬組成物中での、熱分解的に生成された二酸化シリコーンベースの顆粒材料の使用について論じている。顆粒材料とさらなる物質(例えば医薬として活性な成分)からなる吸着質についても論じられている。
【0003】
特許文献2は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼを阻害することによって、同時投与される薬物の薬物動態を増進させる化合物および医薬組成物について記載している。そのような阻害剤は、式(I)の化合物である。
【0004】
【化1】
残念ながら、式(I)の化合物の固体状態物性では、大規模での取り扱いや加工が難しい。例えば、そのガラス転移温度の低さ、吸湿性、結晶化度の欠如、ならびに非流動性により、(例えば錠剤として)加工や調合を行うのが特に難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/037379号
【特許文献2】国際公開第2008/010921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、式(I)の化合物の改良された製剤の必要性、ならびに式(I)の化合物を工業規模で加工および調合するための改良された方法の必要性がある。こうした改良されたプロセスおよび方法によって、該化合物の加工および調合に伴う現在の問題点のうちの1つまたは複数が排除されることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩が、ある種の特定の固体担体粒子(例えばシリカ誘導体)と組み合わされる場合、得られる組み合わせは、予想外に改良された物理的性質を有する。例えば、式(I)の化合物および実施例2におけるコロイド状二酸化ケイ素出発材料が、天然に吸湿性であるという事実にもかかわらず、得られる組み合わせの吸湿性は、比較的低い。さらに、得られる組み合わせは、式(I)の化合物の高い充填性、許容される物理的および化学的安定性、迅速な薬物放出特性、および優れた圧縮性を有する、流動性の粉末である。したがって、得られる組み合わせは、薬物放出特性に優れ、錠剤破砕性が低く、化学的および物理的安定性に優れ、残留溶媒の量が少ない固体剤形(例えば錠剤)に、容易に加工することができる。本発明の組成物は、HIVなどのウイルス性感染症の治療に使用するための式(I)の化合物の商業的発展を助長する著しい進歩を表す。
【0008】
したがって、一実施形態では、本発明は、それぞれが表面および/または孔を有する複数の固体担体粒子と、その固体担体粒子の孔中もしくは表面上の式(I)の化合物:
【0009】
【化2】
または医薬として許容されるその塩とを含む組成物を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明はまた、式(I)の化合物と、適切な溶媒と、複数の固体担体粒子とを組み合わせて、混合物を提供することを含む方法も提供する。こうした混合物は、式(I)の化合物を含む医薬製剤を調製するために有用である。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)複数の固体担体粒子とを含む錠剤を提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、複数の固体担体粒子;式(Ia)の化合物;フマル酸テノホビルジソプロキシル;エムトリシタビン;およびエルビテグラビルを含む医薬組成物を提供する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、本発明の組成物を調製するのに有用である方法および中間混合物を提供する。
【0014】
本発明はまた、シトクロムP−450を阻害する方法であって、こうした治療を必要とする哺乳類(例えばヒト)に、本発明の医薬として許容される組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0015】
本発明は、薬物療法に使用するための(例えば、哺乳類におけるシトクロムP−450の阻害に使用するための)本発明の組成物、ならびに、ヒトなどの哺乳類におけるシトクロムP−450の阻害に有用な医薬品の製造のための本発明の組成物の使用を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明はまた、本明細書に記載される方法によって調製される組成物も提供する。また、本発明は以下をも提供する。
(1)それぞれが表面および/または孔を有する複数の固体担体粒子と、該固体担体粒子の孔中または表面上の式(I)の化合物:
【化7】

または医薬として許容されるその塩とを含む組成物。
(2)前記固体担体粒子が、それぞれ、カオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミウニムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、またはタルクを含む、請求項1に記載の組成物。
(3)前記複数の固体担体粒子が、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が約10から約120ミクロンであり、BET表面積が約40から約400m/gである複数のシリカ粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
(4)前記シリカが親水性のヒュームドシリカである、請求項3に記載の組成物。
(5)前記シリカ粒子の平均粒径が、20〜40ミクロンである、請求項3から4のいずれか一項に記載の組成物。
(6)前記シリカ粒子のBET表面積が、少なくとも150m/gである、請求項3から5のいずれか一項に記載の組成物。
(7)前記式(I)の化合物が、前記シリカ粒子の孔中および表面上に被覆される、請求項3から6のいずれか一項に記載の組成物。
(8)前記固体担体粒子に対する前記式(I)の化合物の重量百分率が50%±10%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(9)医薬として許容される1種または複数の賦形剤をさらに含む医薬組成物である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
(10)経口投与のために調合される、請求項9に記載の組成物。
(11)錠剤である、請求項10に記載の組成物。
(12)前記式(I)の化合物が、99±1%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体:
【化8】

を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
(13)前記式(I)の化合物:
【化9】

と、適切な溶媒と、複数の固体担体粒子とを組み合わせて混合物を提供することを含む方法。
(14)前記固体担体粒子が、それぞれ、カオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミウニムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、またはタルクを含む、請求項13に記載の方法。
(15)前記複数の固体担体粒子が、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が約10から約120ミクロンであり、BET表面積が約40から約400m/gである複数のシリカ粒子を含む、請求項13に記載の方法。
(16)前記シリカ粒子が親水性のヒュームドシリカである、請求項15に記載の方法。
(17)前記シリカ粒子の平均粒径が20〜40ミクロンである、請求項15または16の方法。
(18)前記シリカ粒子のBET表面積が、少なくとも150m/gである、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
(19)前記式(I)の化合物の重量を前記シリカ粒子の重量によって割った値が1.0±0.5である、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
(20)溶媒が(C〜C)アルコールである、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
(21)溶媒がエタノールを含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
(22)請求項13から21のいずれか一項に記載される方法によって調製される生成物。
(23)1)式(I)の化合物:
【化10】

または医薬として許容されるその塩と、2)複数の固体担体粒子とを含む錠剤。
(24)前記固体担体粒子が、それぞれ、カオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミウニムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、またはタルクを含む、請求項23に記載の錠剤。
(25)前記複数の固体担体粒子が、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が約10から約120ミクロンであり、BET表面積が約40から約400m/gである複数のシリカ粒子を含む、請求項23に記載の錠剤。
(26)別の治療剤をさらに含む、請求項23から25のいずれか一項に記載の錠剤。
(27)3)微結晶性セルロース;4)ヒドロキシプロピルセルロース;5)クロスカルメロースナトリウム;および6)ステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項23に記載の錠剤。
(28)前記式(I)の化合物が、99±1%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体:
【化11】

を含む、請求項23から27のいずれか一項に記載の錠剤。
(29)約10mgの前記式(I)の化合物と;約115mgの前記シリカ粒子と;約151mgの微結晶性セルロースと;約6mgのヒドロキシプロピルセルロースと;約15mgのクロスカルメロースナトリウムと;約3mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、請求項25から28のいずれか一項に記載の錠剤。
(30)約25mgの前記式(I)の化合物と;約115mgの前記シリカ粒子と;約136mgの微結晶性セルロースと;約6mgのヒドロキシプロピルセルロースと;約15mgのクロスカルメロースナトリウムと;約3mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、請求項25から28のいずれか一項に記載の錠剤。
(31)約100mgの前記式(I)の化合物と;約115mgの前記シリカ粒子と;約61mgの微結晶性セルロースと;約6mgのヒドロキシプロピルセルロースと;約15mgのクロスカルメロースナトリウムと;約3mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、請求項25から28のいずれか一項に記載の錠剤。
(32)複数の固体担体粒子と;式(Ia)の化合物と;フマル酸テノホビルジソプロキシルと;エムトリシタビンと;エルビテグラビルとを含む医薬組成物。
(33)前記固体担体粒子が、それぞれ、カオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミウニムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、またはタルクを含む、請求項32に記載の医薬組成物。
(34)前記複数の固体担体粒子が、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子を含む、請求項33に記載の医薬組成物。
(35)前記シリカが親水性のヒュームドシリカである、請求項34の組成物。
(36)前記シリカ粒子の平均粒径が20〜40ミクロンである、請求項34から35のいずれか一項に記載の組成物。
(37)前記シリカ粒子のBET表面積が少なくとも150m/gである、請求項34から36のいずれか一項に記載の組成物。
(38)前記式(I)の化合物が、前記シリカ粒子の孔中および表面上に被覆される、請求項34から37のいずれか一項に記載の組成物。
(39)前記シリカ粒子の重量に対する前記式(I)の化合物の重量の割合が、1±0.05%である、請求項34から38のいずれか一項に記載の組成物。
(40)経口投与のために調合される、請求項34に記載の組成物。
(41)錠剤として調合される、請求項40に記載の組成物。
(42)本明細書に記述する通りの組成物または方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の医薬製剤の調製ならびに本発明の加工方法を例示する。
図2図2は、本発明の代表的な組成物についての、実施例2による吸水率データを示す。
図3図3は、本発明の代表的な組成物についての、実施例3による圧縮率データを示す。
図4図4は、本発明の医薬製剤の調製ならびに本発明の加工方法を例示する。
図5図5は、本発明の医薬製剤の調製ならびに本発明の加工方法を例示する。
図6図6は、本発明のさらなる医薬製剤の調製、ならびに本発明のさらなる加工方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
式(I)の化合物は、光学活性形およびラセミ形で存在する可能性があり、光学活性形およびラセミ形で単離できることが、当業者には理解されるであろう。ある種の化合物は、多型性を示す可能性がある。本発明は、式(I)の化合物の、本明細書に記載される有用な特性を有する、任意のラセミ、光学活性、多型、または立体異性の形、あるいはそれらの混合物を包含し、光学活性形を調製する方法(例えば、再結晶技術によるラセミ形の分割による、または光学活性のある出発材料からの合成による、またはキラル合成による、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフ分離によるなど)が、当分野で周知の方法であることを理解するべきである。
【0019】
本発明の一実施形態では、本発明の組成物に組み込まれる式(I)の化合物は、(2R,5R)−5−((S)−2−(3−((2−イソプロピルチアゾール−5−イル)メチル)−3−メチルウレイド)−4−モルホリノブタンアミド)−1,6−ジフェニルヘキサン−2−イルカルバミン酸チアゾール−5−イルメチルである式(Ia)の立体異性体が濃縮されている。
【0020】
【化3】
一実施形態では、式(I)の化合物は、85±5%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体を含む。別の実施形態では、式(I)の化合物は、90±5%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体を含む。別の実施形態では、式(I)の化合物は、95±2%という濃度の式(Ia)の立体異性体を有する。別の実施形態では、式(I)の化合物は、99±1%という濃縮された濃度の式(Ia)の立体異性体を含む。別の実施形態では、式(I)の化合物は、純粋な式(Ia)の立体異性体である。
【0021】
固体担体
式(I)の化合物は、もたらされる組み合わせが、親化合物よりも容易に調合可能な物理的性質を有するとの条件で、任意の適切な固体担体と組み合わせることができる。例えば、適切な固体担体としては、カオリン、ベントナイト、ヘクトライト、コロイド状ケイ酸アルミウニムマグネシウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、およびタルクが挙げられる。本発明の一実施形態では、固体担体は、ケイ酸カルシウム(Zeopharmなど)またはメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(Neusilinなど)を含むことができる。本明細書では、固体担体上に「充填される」ものとしては、それだけには限らないが、固体担体の孔中および表面上に被覆される、式(I)の化合物が挙げられる。
【0022】
本発明の組成物に使用するのに適したシリカ誘導体、およびこうしたシリカ誘導体を調製する方法としては、国際特許出願公開第WO03/037379号およびその中の引用文献中に記載されているものが挙げられる。一般的に、これらのシリカ誘導体は、平均粒径が10から120ミクロンであり、(窒素を用いるDIN 66 131に従って決定される)BET表面積が40から400m/gである、顆粒状の親水性ヒュームドシリカを含む。シリカ誘導体はまた、一般的に、約0.5から2.5mL/gの孔体積を有する。ここでは、全孔体積の約5%未満は、約5nm未満の孔直径であり、残りは、メソ孔およびマクロ孔である。加えて、シリカ誘導体は一般的に、pHが約3.6から約8.5の範囲であり、タップ密度(tamped density)が約220から約700g/Lである。
【0023】
本発明の組成物および方法に特に有用である特定のシリカ材料は、AEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)であり、これは、Evonik Degussa AG、Dusseldorf、Germanyから入手可能である。しかし、本明細書に記載されるシリカ材料と同様の物理および化学的特性を有する他の材料も使用することができる。
【0024】
本発明の一実施形態では、シリカ粒子は、平均粒径が20〜40ミクロンである。本発明の一実施形態では、シリカ粒子のBET表面積は、少なくとも150m/gである。本発明の一実施形態では、シリカ粒子のBET表面積は、少なくとも200m/gである。本発明の一実施形態では、シリカ粒子のBET表面積は、少なくとも250m/gである。本発明の一実施形態では、シリカ粒子のBET表面積は、少なくとも275m/gである。
【0025】
本発明の組成物においては、式(I)の化合物は一般的に、ヒュームドシリカ粒子の孔中および表面上に被覆される。一般的に、これらのシリカ粒子上に、約60%(w/w)までの式(I)の化合物を充填できることが測定されている。この高い充填能力は、医薬品用途のために有益である。本発明の一実施形態では、シリカ粒子に対する式(I)の化合物の重量百分率は、20%±15%である。本発明の一実施形態では、シリカ粒子に対する式(I)の化合物の重量百分率は、50%±10%である。本発明の一実施形態では、シリカ粒子に対する式(I)の化合物の重量百分率は、45%±15%である。本発明の一実施形態では、組成物中の(式IIの化合物の重量)を(固体担体、例えばシリカ誘導体の重量)で割った値は、約0.8から約1.2である。本発明の別の実施形態では組成物中の(式IIの化合物の重量)を(固体担体、例えばシリカ誘導体の重量)で割った値は、1.0±0.5である。
【0026】
医薬品としての投与に適した本発明の組成物は一般的に、医薬として許容される1種または複数の賦形剤を含むこととなる。
【0027】
充填
式(I)の化合物は、任意の適切な方法を使用して、固体担体上に充填することができる。例えば、式(I)の化合物は、以下によって、固体担体上に充填することができる:a)例えば、下の実施例1に記載する通りに、固体担体上に該化合物の溶液(例えば、エタノールなどのアルコール溶媒中に該化合物を入れた溶液)を吹き付けること;b)式(I)の化合物と、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタンなどの揮発性溶剤)と、固体担体を組み合わせて、溶媒を蒸発させて、得られた固体物質を単離すること;あるいはc)式(I)の化合物と、適切な揮発性溶剤(例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素)と、固体担体とを組み合わせ、逆溶剤(antisolvent)(例えば、ヘキサンまたはヘプタンなどの高度に無極性の溶媒)を加え、得られた固体物質を(実施例4に示す通りに)単離すること。
【0028】
図1は、本発明の方法による式(I)の化合物を含む医薬製剤の調製を例示する。式(I)の化合物を、適切な溶媒および複数のシリカ粒子と組み合わせて、混合物を提供することができる。式(I)の化合物は、任意選択で、同時に混合しながら、適切な溶媒と組み合わせることができる。一般的に、組み合わせる前の、シリカ粒子に対する式(I)の化合物の重量百分率は、約50%±10%である。本発明の一実施形態では、組み合わせる前の、シリカ粒子に対する式(I)の化合物の重量百分率は、約20%±10%である。本発明の別の実施形態では、組み合わせる前の、シリカ粒子に対する式(I)の化合物の重量百分率は、約30%±10%である。式(I)の化合物が溶解可能ないずれの溶媒も使用することができる。一般的に、溶媒は、揮発性有機溶媒、例えば(C〜C)アルコール(例えばエタノール)などを含む。
【0029】
下の実施例4に示す通り、式(I)の化合物はまた、適切な溶媒中に該化合物を溶解して、化合物Iを含む溶液を提供すること;この溶液にシリカ粒子を加えて、混合物を提供すること;この混合物を任意選択で振盪または撹拌すること;この混合物に対する逆溶剤を加えること;およびシリカ粒子上に式(I)の化合物を含む固体混合物を単離すること;によって、シリカ材料に充填することができる。適切な溶媒としては、ケトン(例えばアセトン)、アルコール(例えばエタノール)、およびハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)などの有機溶媒が挙げられる。適切な逆溶剤としては、高度に無極性の溶媒(例えばヘキサンまたはヘプタン)が挙げられる。最終の固体混合物は、任意の適切な分離技術(例えば濾過)によって単離することができる。
【0030】
この混合物と、医薬として許容される1種または複数の賦形剤を組み合わせて、第2の混合物を提供することができる。医薬として許容されるこうした賦形剤としては、充填剤、結合剤、および崩壊剤を挙げることができる。その後の水性造粒プロセスにおける混合物の加工性を改良するために、この水性プロセスと適合性のある充填剤および崩壊剤を選択することが有益であり得る。例えば、微結晶性セルロース(充填剤)およびクロスカルメロースナトリウム(崩壊剤)が、その後の水性造粒プロセスと特に適合性があることが判明した。ヒドロキシプロピルセルロース(結合剤)も、その後の造粒プロセスと特に適合性があることが判明した。本発明の一実施形態では、第2の混合物の総重量に対する微結晶性セルロースの重量百分率は、約50%±20%である。本発明の一実施形態では、第2の混合物の総重量に対するヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は、2%±1%である。本発明の一実施形態では、クロスカルメロースナトリウムの重量百分率は、5%±2%である。医薬として許容される賦形剤を加えた後、第2の混合物を、例えば、高剪断造粒機(Niro−Fielder、PMA−25型)などの機械的混合機を使用して混合することができる。
【0031】
第2の混合物に水を加え、湿った顆粒を提供し、これをその後、例えば20メッシュのふるいを用いて脱凝集することができる。例えば流動床乾燥機(Fluid Air、20型)を使用する乾燥によって、固体粒子を含む乾燥された材料が提供される。一実施形態では、乾燥された材料は、乾燥減量(LOD)によって決定される水分含有量が約10.0%未満である。別の実施形態では、乾燥された材料は、乾燥減量(LOD)によって決定される水分含有量が約5.0%未満である。別の実施形態では、乾燥された材料は、乾燥減量(LOD)によって決定される水分含有量が約1.0%未満である。これらの粒子のサイズを、例えば40メッシュのふるいまたは適切なミル(Quadro CoMil、197/S型)を使用して小さくし、第3の混合物を提供することができる。
【0032】
医薬として許容される適切な滑沢剤/流動促進剤(glidant)(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、またはアルファ化デンプン)を、第3の混合物と組み合わせて、第4の混合物を提供することができる。一実施形態では、第4の混合物の総重量に対するステアリン酸マグネシウムの重量百分率は、1%±0.5%である。
【0033】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載される方法によって調製される組成物を提供する。本発明はまた、本明細書に記載されるプロセスステップのいずれかによって調製される生成物を提供する。
【0034】
式(I)の化合物を含む医薬製剤
一実施形態では、本発明は、選択される投与経路(例えば、経口など)に適合された様々な形の、ヒト患者などの哺乳類宿主に投与することが可能な、式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0035】
したがって、本発明の組成物を、不活性希釈剤または吸収可能な食用担体などの、医薬として許容される1種または複数の成分と組み合わせて投与することができる。これを、ハードまたはソフトシェルゼラチンカプセル中に封入することもできるし、錠剤に圧縮することもできるし、患者の食事に直接的組み込むこともできる。経口的治療投与については、活性な化合物を、1種または複数の賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、オブラート(wafer)などの形で使用することができる。こうした組成物および調製物は一般に、少なくとも0.1%の活性な化合物を含有することとなる。組成物および調製物の割合は当然、変動する可能性があり、所与の単位剤形の重量の約2から約60%の間が好都合であり得る。こうした治療的に有用な組成物中の活性な化合物の量は、有効な投薬レベルが得られることとなる量である。
【0036】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセルなどはまた、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);充填剤(微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、デンプン、マンニトール、またはラクトース一水和物など);崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム、架橋ポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウムなど);滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、または他の金属ステアリン酸塩など);および甘味剤(スクロース、フルクトース、ラクトース、またはアスパルテームなど)を含有することができ、ハッカ、サリチル酸メチル、またはサクランボ香料などの着香剤を加えることもできる。単位剤形がカプセルである場合、これは、上のタイプの材料に加えて、植物油またはポリエチレングリコールなどの液体担体を含有することができる。コーティングとして、あるいは、固体単位剤形の物理的形態を改変するために、他の様々な材料が存在し得る。例えば、錠剤、丸薬、またはカプセルは、ゼラチン、ポリマー、ワックス、シェラック、または糖などで被覆することができる。当然、単位剤形を調製するのに使用されるいずれの材料も、一般に、利用される量で、医薬として許容され、かつ実質的に非毒性であるものとなる。さらに、本発明の組成物を、持続放出調製物および装置に組み込むことができる。
【0037】
本発明の組成物はまた、局所的に、例えば、経皮的に、口腔内に、または舌下的に投与することができる。したがって、本発明はまた、局所投与のこうした経路のために調製される医薬組成物を提供する。
【0038】
式Iの化合物の有用な投薬量は、そのin vitro活性と、動物モデルにおけるin vivo活性とを比較することによって決定することができる。マウスおよび他の動物における、またヒトに対する有効な投薬量の推定のための方法は、当技術分野で知られている。
【0039】
治療に使用するために必要とされる本発明の組成物の量は、投与経路、治療される状態の性質、ならびに患者の年齢および状態に伴って変動することとなり、最終的には、担当の医師または臨床医の判断である。
【0040】
しかし、一般的に、式(I)の化合物の適切な用量は、約0.05から約100mg/kg、例えば、1日につき体重1kgあたり約0.05から約50mgの範囲、好ましくは0.05から10mg/kg/日の範囲、最も好ましくは0.05から5mg/kg/日の範囲となる。
【0041】
化合物は、例えば約5から500mg、約5から250mg、または約10から100mgの式(I)の化合物を含有する単位剤形で調合することが好都合である。一実施形態では、本発明は、固体担体粒子(例えばシリカ粒子)および医薬として許容される1種または複数の担体をさらに含む単位剤形中に調合される、約5、約25、または約100mgの式(I)の化合物を含む組成物を提供する。
【0042】
式(I)の化合物のシトクロムP−450を阻害する能力は、国際特許出願公開第WO2008/010921号に記載される通りに評価することができる。
【0043】
組み合わせ製剤
国際特許出願公開第WO2008/010921号に論じられる通り、式(I)の化合物は、例えばシトクロムP−450モノオキシゲナーゼを阻害することによって、同時投与される薬物の薬物動態を向上させる。したがって、別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのさらなる治療剤をさらに含むことができる。
【0044】
さらなる治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用される場合に治療効果を有する任意の薬剤であり得る。例えば、式(I)の化合物と組み合わせて使用されるさらなる治療剤は、シトクロムP450酵素、特にシトクロムP450モノオキシゲナーゼ(例えば、1A2、2B6、2C8、2C19、2C9、2D6、2El、3A4、5、7など)による酸化的代謝を受けやすい任意の薬剤であり得る。
【0045】
一実施例では、さらなる治療剤は、任意の抗ウイルス剤(例えば、抗HIV、抗HCVなど)、抗菌剤、抗真菌剤、免疫調節剤(例えば、免疫抑制剤、抗悪性腫瘍剤、化学療法剤)、心血管性疾患や神経学的疾患などを治療するのに有用な薬剤であり得る。
【0046】
別の実施例では、さらなる治療剤は、任意のプロトンポンプ阻害剤、抗癲癇薬、NSAID、経口血糖降下薬、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、スルホニル尿素、ベータ遮断薬、抗うつ薬、抗精神病薬、または麻酔薬、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
【0047】
別の実施例では、さらなる治療剤は、任意の1)マクロライド系抗生物質、例えばクラリスロマイシン、エリスロマイシン、テリスロマイシン、2)不整脈治療剤、例えばキニジン=>3−OH、3)ベンゾジアゼピン、例えばアルプラゾラム、ジアゼパム=>3OH、ミダゾラム、トリアゾラム、4)免疫調節因子、例えばシクロスポリン、タクロリムス(FK506)、5)HIV抗ウイルス剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、6)腸管運動促進薬、例えばシサプリド、7)抗ヒスタミン剤,例えばアステミゾール、クロルフェニラミン、テルフェナジン(terfenidine)、8)カルシウムチャンネル遮断薬、例えば、アムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、レルカニジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミル、9)HMG CoA還元酵素阻害剤、例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、または10)ステロイド6ベータ−OH、例えば、エストラジオール、ヒドロコルチゾン、プロゲステロン、テストステロンであり得る。
【0048】
別の実施例では、さらなる治療剤は、アルフェンタニル(alfentanyl)、アプレピタント、アリピプラゾール、ブスピロン、カフェルゴット、カフェイン、TMU、シロスタゾール、コカイン、コデイン−N−脱メチル化(codeine−N−demethylation)、ダプソン、デキストロメトルファン、ドセタキセル、ドンペリドン、エプレレノン、フェンタニル、フィナステリド、グリーベック、ハロペリドール、イリノテカン、LAAM、リドカイン、メサドン、ナテグリニド、オンダンセトロン、ピモジド、プロプラノロール、クエチアピン、キニーネ、サルメテロール、シルデナフィル、シロリムス、タモキシフェン、パクリタキセル、テルフェナジン、トラゾドン、ビンクリスチン、ザレプロン、またはゾルピデム、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
ある特定の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)複数の固体担体粒子と、3)HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HCVの非ヌクレオシド系阻害剤、CCR5阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤と、4)医薬として許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0049】
ある特定の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子と、3)HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HCVの非ヌクレオシド系阻害剤、CCR5阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤と、4)医薬として許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0050】
別の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)複数の固体担体粒子と、3)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、GW640385X、DG17、PPL−100、DG35、AG 1859、カプラビリン、エミビリン、デラビルジン(delaviridine)、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、TMC−120、TMC−278(リルピビリン(rilpivirene))、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453061、RDEA806、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(Racivir)(±−FTC)、D−d4FC、ホスファジド、フォジブジンチドキシル、アプリシタビン(apricitibine)AVX754、アムドキソビル、KP−1461、およびフォサルブジンチドキシル(以前は、HDP 99.0003)、フマル酸テノホビルジソプロキシル、アデフォビルジピボキシル、GS−9131、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、L−870810、MK−0518(ラルテグラビル)エルビテグラビル、BMS−538158、GSK364735C、BMS−707035、MK−2048、BA 011、エンフュービルタイド、シフュービルタイド、FB006M、TRI−1144、AMD−070、SP01A、BMS−488043、BlockAide/CR、イムニチン(immunitin)、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、フェニルアラニン誘導体、アプラビロック、ビクリビロック、およびマラビロック、シクロスポリン、FK−506、ラパマイシン、パクリタキセル、タキソテール、クラリスロマイシン、A−77003、A−80987、MK−639、サキナビル、VX−478、AG1343、DMP−323、XM−450、BILA 2011 BS、BILA 1096 BS、BILA 2185 BS、BMS 186,318、LB71262、SC−52151、SC−629(N,N−ジメチルグリシル−N−(2−ヒドロキシ−3−(((4−メトキシフェニル)スルホニル)(2−メチルプロピル)アミノ)−1−(フェニルメチル)プロピル)−3−メチル−L−バリンアミド)、KNI−272、CGP 53437、CGP 57813、およびU−103017からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤と;4)医薬として許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0051】
別の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子と、3)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、GW640385X、DG17、PPL−100、DG35、AG 1859、カプラビリン、エミビリン、デラビルジン(delaviridine)、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、TMC−120、TMC−278(リルピビリン(rilpivirene))、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453061、RDEA806、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(±−FTC)D−d4FC、ホスファジド、フォジブジンチドキシル、アプリシタビン(apricitibine)AVX754、アムドキソビル、KP−1461、およびフォサルブジンチドキシル(以前は、HDP 99.0003)、フマル酸テノホビルジソプロキシル、アデフォビルジピボキシル、GS−9131、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、L−870810、MK−0518(ラルテグラビル)、エルビテグラビル、BMS−538158、GSK364735C、BMS−707035、MK−2048、BA 011、エンフュービルタイド、シフュービルタイド、FB006M、TRI−1144、AMD−070、SP01A、BMS−488043、BlockAide/CR、イムニチン、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、フェニルアラニン誘導体、アプラビロック、ビクリビロック、およびマラビロック、シクロスポリン、FK−506、ラパマイシン、パクリタキセル、タキソテール、クラリスロマイシン、A−77003、A−80987、MK−639、サキナビル、VX−478、AG1343、DMP−323、XM−450、BILA 2011 BS、BILA 1096 BS、BILA 2185 BS、BMS 186,318、LB71262、SC−52151、SC−629(N,N−ジメチルグリシル−N−(2−ヒドロキシ3−(((4−メトキシフェニル)スルホニル)(2−メチルプロピル)アミノ)−1−(フェニルメチル)プロピル)−3−メチル−L−バリンアミド)、KNI−272、CGP 53437、CGP 57813、およびU−103017からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤と;4)医薬として許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0052】
別の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)複数の固体担体粒子と、3)2種または3種のさらなる治療剤、例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVインテグラーゼ阻害剤のクラスから選択されるさらなる治療剤とを含む医薬組成物を提供する。2種または3種のさらなる治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってもよいし、異なるクラスの治療剤から選択されてもよい。
【0053】
別の実施形態では、本発明は、1)式(I)の化合物と、2)それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10〜120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子と、3)2種または3種のさらなる治療剤、例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVインテグラーゼ阻害剤のクラスから選択されるさらなる治療剤とを含む医薬組成物を提供する。2種または3種のさらなる治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってもよいし、異なるクラスの治療剤から選択されてもよい。
【0054】
別の実施形態では、本発明は、複数の固体担体粒子と、以下から選択される3成分の薬剤の組み合わせとを含む医薬組成物を提供する:式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ(efavrenz)、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ、式(I)/GS−9131/アタザナビル、式(I)/GS−9131/ダルナビル、式(I)/GS−9131/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル、式(I)/エムトリシタビン/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/ダルナビル/リルピビリン、および式(I)/ラルテグラビル/リルピビリン。
【0055】
別の実施形態では、本発明は、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子と、以下から選択される3成分の薬剤の組み合わせとを含む医薬組成物を提供する:式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ、式(I)/GS−9131/アタザナビル、式(I)/GS−9131/ダルナビル、式(I)/GS−9131/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル、式(I)/エムトリシタビン/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/ダルナビル/リルピビリン、および式(I)/ラルテグラビル/リルピビリン。
【0056】
別の実施形態では、本発明は、複数の固体担体粒子と、以下から選択される4成分の薬剤の組み合わせとを含む医薬組成物を提供する:式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/エムトリシタビン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/エルビテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/エルビテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/エルビテグラビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/エファビレンツ、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/アタザナビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/ダルナビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/GS−9131/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/GS−9131/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/エファビレンツ/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/アタザナビル/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/アタザナビル/ダルナビル/リルピビリン、および式(I)/ダルナビル/ラルテグラビル/リルピビリン。
【0057】
別の実施形態では、本発明は、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである複数のシリカ粒子と、以下から選択される4成分の薬剤の組み合わせとを含む医薬組成物を提供する:式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/エムトリシタビン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/エルビテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/GS−9131/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/エルビテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/フマル酸テノホビルジソプロキシル/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/エルビテグラビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/エファビレンツ、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/アタザナビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/ダルナビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/エムトリシタビン/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/GS−9131/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/GS−9131/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/GS−9131/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/GS−9131/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/エファビレンツ、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/アタザナビル、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/エルビテグラビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/エムトリシタビン/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/エムトリシタビン/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/アタザナビル、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/ダルナビル、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/エファビレンツ/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/エルビテグラビル/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/エルビテグラビル/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル/ダルナビル、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル/ラルテグラビル、式(I)/エファビレンツ/アタザナビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/エファビレンツ/ダルナビル/リルピビリン、式(I)/エファビレンツ/ラルテグラビル/リルピビリン、式(I)/アタザナビル/ダルナビル/ラルテグラビル、式(I)/アタザナビル/ダルナビル/リルピビリン、および式(I)/ダルナビル/ラルテグラビル/リルピビリン。
【0058】
組み合わせ療法
一実施形態では、式(I)の化合物を含む本発明の組成物を、例えばシトクロムP450モノオキシゲナーゼを阻害するために、単独で使用することができる。別の実施形態では、本発明の組成物を、他の活性な治療成分または治療剤と組み合わせて使用することができる。好ましくは、他の活性な治療成分または治療剤は、シトクロムP450酵素(例えば、1A2、2B6、2C8、2C19、2C9、2D6、2El、3A4、5、7などのモノオキシゲナーゼ酵素)による酸化的代謝によって代謝されるまたは代謝を受けやすいものである。
【0059】
式(I)の化合物を含む本発明の組成物を、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ酵素(例えばシトクロムP450モノオキシゲナーゼ3A)によってかなりの程度代謝される他の任意の活性な治療剤または治療成分と共に投与することができ、それによって、他の活性な治療剤または治療成分が代謝される量または速度が低下し、それによって、他の活性な治療剤または治療成分の薬物動態が向上するとも考えられる。こうした向上としては、式(I)の化合物を含む本発明の組成物無しで投与される他の治療剤または治療成分の血漿濃度と比較して、他の治療剤または治療成分の血漿濃度を上昇させること、または他の治療的活性剤または治療的活性成分の、より治療的に有効な血漿濃度を維持することが含まれ得る。
【0060】
1種または複数の他の活性な治療剤と共に式(I)の化合物を同時投与することは、一般に、式(I)の化合物と1種または複数の他の活性な治療剤とが同時または連続して投与され、治療有効量の式(I)の化合物と1種または複数の他の活性な治療剤とが、両方とも、患者の体内に存在するようになることを指す。
【0061】
同時投与には、単位投薬量の1種または複数の他の活性な治療剤の投与の前または後に、単位投薬量の式(I)の化合物を投与すること、例えば、1種または複数の他の活性な治療剤の投与の数秒、数分、または数時間以内に、式(I)の化合物を投与することが含まれる。例えば、単位用量の式(I)の化合物を最初に投与し、続いて数秒または数分以内に、単位用量の1種または複数の他の活性な治療剤を投与することができる。あるいは、単位用量の1種または複数の他の治療剤を最初に投与し、続いて数秒または数分以内に、単位用量の式(I)の化合物を投与することができる。ある種の場合では、単位用量の式(I)の化合物を最初に投与し、続いて数時間(例えば1から12時間)の期間の後に、単位用量の1種または複数の他の活性な治療剤を投与することが望ましい可能性がある。他の場合には、単位用量の1種または複数の他の活性な治療剤を最初に投与し、続いて数時間(例えば1から12時間)の期間の後に、単位用量の式(I)の化合物を投与することが望ましい可能性がある。
【0062】
さらに別の実施形態では、本発明は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の薬物動態を向上させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
さらに別の実施形態では、本発明は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の薬物動態を向上させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0064】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の薬物動態を向上させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0065】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の薬物動態を向上させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0066】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aによって代謝される薬物の薬物動態を向上させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0067】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aによって代謝される薬物の薬物動態を向上させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0068】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の血漿濃度を増大させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0069】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の血漿濃度を増大させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0070】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の血漿濃度を増大させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0071】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の血漿濃度を増大させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む本発明の組成物を投与する方法を提供する。
【0072】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aによって代謝される薬物の血漿濃度を増大させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0073】
さらに別の実施形態では、本出願は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aによって代謝される薬物の血漿濃度を増大させるための方法であって、前記薬物で治療される患者に、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0074】
さらに別の実施形態では、本出願は、患者におけるシトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aを阻害する方法であって、その必要性のある患者に、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aを阻害するのに有効な、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含むある量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0075】
さらに別の実施形態では、本出願は、患者におけるシトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aを阻害する方法であって、その必要性のある患者に、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ3Aを阻害するのに有効な、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含むある量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0076】
さらに別の実施形態では、本出願は、HIV感染症を治療する方法であって、その必要性のある患者に、以下からなる群から選択される治療有効量の1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する:HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤。
【0077】
さらに別の実施形態では、本出願は、HIV感染症を治療する方法であって、その必要性のある患者に、以下からなる群から選択される治療有効量の1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する:HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤。
【0078】
さらに別の実施形態では、本出願は、HIV感染症を治療する方法であって、その必要性のある患者に、以下からなる群から選択される治療有効量の1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する:アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、およびGW640385X、DG17、PPL−100、DG35、AG 1859、カプラビリン、エミビリン、デラビルジン(delaviridine)、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、TMC−120、TMC−278(リルピビリン(rilpivirene))、エファビレンツ、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453061、RDEA806、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(±−FTC)、D−d4FC、エムトリシタビン、ホスファジド、フォジブジンチドキシル、アプリシタビン(apricitibine)(AVX754)、アムドキソビル、KP−1461、フォサルブジンチドキシル(以前はHDP 99.0003)、フマル酸テノホビルジソプロキシル、アデフォビルジピボキシル、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、L−870810、MK−0518(ラルテグラビル)、エルビテグラビル、BMS−538158、GSK364735C、BMS−707035、MK−2048、およびBA 011、エンフュービルタイド、シフュービルタイド、FB006M、およびTRI−1144、AMD−070、侵入阻害剤、SP01A、BMS−488043、BlockAide/CR、G6PDおよびNADHオキシダーゼ阻害剤、イムニチン、アプラビロック、ビクリビロック、マラビロック、PRO−140、INCB15050、PF−232798(Pfizer)、CCR5mAb004、BAS−100、SPI−452、REP 9、SP−01A、TNX−355、DES6、ODN−93、ODN−112、VGV−1、PA−457(ベビリマット)、アンプリジェン(Ampligen)、HRG214、サイトリン(Cytolin)、VGX−410、KD−247、AMZ 0026、CYT 99007A−221 HIV、DEBIO−025、BAY 50−4798、MDX010(イピリムマブ)、PBS 119、ALG 889、およびPA−1050040(PA−040)。
【0079】
さらに別の実施形態では、本出願は、HIV感染症を治療する方法であって、その必要性のある患者に、以下からなる群から選択される治療有効量の1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する:アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、およびGW640385X、DG17、PPL−100、DG35、Ag 1859、カプラビリン、エミビリン、デラビルジン(delaviridine)、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、TMC−120、TMC−278(リルピビリン(rilpivirene))、エファビレンツ、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453061、RDEA806、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(±−FTC)、D−d4FC、エムトリシタビン、ホスファジド、フォジブジンチドキシル、アプリシタビン(apricitibine)(AVX754)、アムドキソビル、KP−1461、フォサルブジンチドキシル(以前はHDP 99.0003)、フマル酸テノホビルジソプロキシル、アデフォビルジピボキシル、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、L−870810、MK−0518(ラルテグラビル)、エルビテグラビル、BMS−538158、GSK364735C、BMS−707035、MK−2048、およびBA 011、エンフュービルタイド、シフュービルタイド、FB006MおよびTRI−1144、AMD−070、侵入阻害剤、SP01A、BMS−488043、BlockAide/Cr、G6PDおよびNADHオキシダーゼ阻害剤、イムニチン、アプラビロック、ビクリビロック、マラビロック、PRO−140、INCB15050、PF−232798(Pfizer)、CCR5mAb004、BAS−100、SPI−452、REP 9、SP−01A、TNX−355、DES6、ODN−93、ODN−112、VGV−1、PA−457(ベビリマット)、アンプリジェン、HRG214、サイトリン、VGX−410、KD−247、AMZ 0026、CYT 99007A−221 HIV、DEBIO−025、BAY 50−4798、MDX010(イピリムマブ)、PBS 119、ALG 889、およびPA−1050040(PA−040)。
【0080】
さらに別の実施形態では、本出願は、HCV感染症を治療する方法であって、その必要性のある患者に、以下からなる群から選択される治療有効量の1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、式(I)の化合物と複数の固体担体粒子とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する:PEG化されたrIFN−アルファ2b、PEG化されたrIFN−アルファ2a、rIFN−アルファ2b、rIFN−アルファ2a、コンセンサスIFNアルファ(インファージェン)、レアフェロン、インターマックスアルファ、r−IFN−ベータ、インファージェン+アクティミューン、DUROSを含むIFN−オメガ、ロクテロン、アルブフェロン、レビフ、経口インターフェロンアルファ、IFNアルファ−2b XL、AVI−005、PEG−インファージェン、およびPEG化されたIFN−ベータ、レベトール、コペガス、ビラミジン(タリバビリン)、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB 1941、XTL−2125、MK−0608、NM−107、R7128(R4048)、VCH−759、PF−868554、GSK625433、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、BILN−2065、BMS−605339、ITMN−191、MX−3253(セルゴシビル)、UT−231B、IDN−6556、ME 3738、LB−84451、MitoQ、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、フェニルアラニン誘導体、A−831、A−689、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリニア)、BIVN−401(ビロスタット)、PYN−17(アルティレックス)、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシール、GI−5005、ANA−975、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、NIM811、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ(Bavituximab)、オグルファニド(Oglufanide)、およびVX−497(メリメポジブ)。
【0081】
さらに別の実施形態では、本出願は、HCV感染症を治療する方法であって、その必要性のある患者に、以下からなる群から選択される治療有効量の1種または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、式(I)の化合物と複数のシリカ粒子(それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が10から120ミクロンであり、BET表面積が40から400m/gである)とを含む治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する:PEG化されたrIFN−アルファ2b、PEG化されたrIFN−アルファ2a、rIFN−アルファ2b、rIFN−アルファ2a、コンセンサスIFNアルファ(インファージェン)、レアフェロン、インターマックスアルファ、r−IFN−ベータ、インファージェン+アクティミューン、DUROSを含むIFN−オメガ、ロクテロン、アルブフェロン、レビフ、経口インターフェロンアルファ、IFNアルファ−2b XL、AVI−005、PEG−インファージェン、およびPEG化されたIFN−ベータ、レベトール、コペガス、ビラミジン(タリバビリン)、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB 1941、XTL−2125、MK−0608、NM−107、R7128(R4048)、VCH−759、PF−868554、GSK625433、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、BILN−2065、BMS−605339、ITMN−191、MX−3253(セルゴシビル)、UT−231B、IDN−6556、ME 3738、LB−84451、MitoQ、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、フェニルアラニン誘導体、A−831、A−689、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリニア)、BIVN−401(ビロスタット)、PYN−17(アルティレックス)、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)KRN−7000、シバシール、GI−5005、ANA−975、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、NIM811、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ、オグルファニド、およびVX−497(メリメポジブ)。
【0082】
本発明の特定の実施形態
本明細書に明らかにされる特定の実施形態は、実例のためのものであり、本発明の他の実施形態を、いかなる形であれ排除しない。
【0083】
ある特定の実施形態では、本発明は、
式(I)の化合物:
【0084】
【化4】
を、適切な溶媒および複数の固体担体粒子と組み合わせて、第1の混合物を提供することと;
第1の混合物を任意選択で混合することと;
この混合物に、医薬として許容される1種または複数の賦形剤(例えば充填剤、結合剤、および崩壊剤)を任意選択で加えて、第2の混合物を提供することと;
この混合物に任意選択で別の治療剤を加えることと;
第2の混合物を任意選択で混合することと;
第2の混合物に任意選択で水を加えて、湿った粒状体を提供することと;
湿った粒状体を任意選択で脱凝集させることと;
任意選択で乾燥させて、固体粒子を含む乾燥された材料を提供することと;
固体粒子のサイズを任意選択で小さくして、第3の混合物を提供することと;
第3の混合物と医薬として許容される滑沢剤とを任意選択で組み合わせて、第4の混合物を提供することと
を含む方法を提供する。
【0085】
ある特定の実施形態では、本発明は、上述の第1、第2、第3、または第4の混合物を提供する。
【0086】
ある特定の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩と、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が約10から約120ミクロンであり、BET表面積が約40から約400m/gである複数のシリカ粒子とを含む組成物を提供する。
【0087】
続いて、本発明を、以下の非限定的な実施例によって例示することとする。
【実施例】
【0088】
式(Ia)の化合物の調製
式(Ia)の化合物またはその塩は、国際特許出願公開第WO2008/103949号(例えば、254ページを参照のこと)に記載されている通りに、式Xの酸塩(式中、Mは、対イオンである)を式IXのアミンとカップリングさせて、式(Ia)の対応するアミドを形成させることによって調製することができる。
【0089】
【化5】
このアミド形成反応は、標準条件下で実施することができる。例えば、この反応は、適切なカップリング剤(例えばEDC・HClおよびHOBt)の存在下で、適切な有機溶媒(例えばテトラヒドロフランまたはジクロロメタン)中で実施することができる。他の適切なアミドカップリング試薬および条件は、当技術分野で知られている。反応は一般的に、約−30℃から約20℃の温度で実施することができる。ジクロロメタン(DCM)中に式(Ia)の化合物を含有する最終の反応溶液を、図6に例示されるプロセスに直接的に利用して、本発明の典型的な組成物を提供することができる。または、該化合物のジクロロメタン溶液を、エタノールと組み合わせ、得られた混合物を蒸留してジクロロメタンを除去し、式(Ia)の化合物のエタノール溶液を残すことができる。このエタノール溶液を、二酸化ケイ素粒子と合わせて、蒸発させて(図6の左カラムに示す通り)、二酸化ケイ素粒子上に充填された式(Ia)の化合物を含む組成物を提供することができる。あるいは、化合物のジクロロメタン溶液を二酸化ケイ素粒子と合わせることができ、逆溶剤を加えることができ、得られた混合物を、濾過および乾燥させて(図6の右カラムに示す通り)、二酸化ケイ素粒子上に充填された式(Ia)の化合物を含む組成物を提供することができる。
【0090】
実施例1
本発明の典型的な組成物の調製
上に述べた通りに調製した、式(Ia)の化合物のエタノール溶液を、以下の調製において使用した。
1.化合物溶液374g(0.64M)、ならびに賦形剤:コロイド状二酸化ケイ素195.5g、微結晶性セルロース103.7g、ヒドロキシプロピルセルロース10.2g、クロスカルメロースナトリウム25.5g、およびステアリン酸マグネシウム5.1gを秤量する。溶液濃度および不純物含有量に基づいて化合物の重量を補正し、それに伴い、微結晶性セルロースの重量を低下させる。
2.3Lの高剪断造粒機にコロイド状二酸化ケイ素を加え、150rpmのインペラ速度で粉体床を混合しながら、6〜8分かけて、コロイド状二酸化ケイ素上に化合物溶液を吹き付ける。
3.コロイド状二酸化ケイ素混合物内に化合物溶液を均一に分配するために、さらに2分間ブレンドする。
4.高剪断造粒機/ミキサーに、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを加え、1分間ブレンドする。
5.湿気によって、ブレンド混合物が粒状化される。150rpmのインペラと1800rpmのチョッパーで混合しながら、精製水を加え、適切な顆粒を形成する(水は約250から300g)。水を加えた後、1分間、同じインペラおよびチョッパー設定を用いて塊を湿らせる。さらなる水を加え、必要に応じて、追加の湿式塊状化を実施して、顆粒形成を完了させる。
6.湿った顆粒をミルまたはふるいに通過させ、脱凝集させて任意の大きな塊とする。
7.湿った顆粒を流動床乾燥機に移し、75℃の入口温度で顆粒を乾燥させる。1.0%以下の水分含有量(乾燥減量(LOD)によって決定される)まで顆粒を乾燥させる。
8.インペラが1250rpmで回転し、ミルスクリーンに0.032インチの円が開いているミルに、乾燥させた顆粒を通過させる。
9.適切なサイズのタンブルブレンダーに、粉砕された乾燥させた顆粒を加える。
10.粉砕された乾燥させた顆粒にステアリン酸マグネシウムを加え、3分間ブレンドして、最終の粉末ブレンドを産生する。
11.この最終の粉末ブレンドを、錠剤成形機(tablet press)を使用して錠剤に圧縮する。
【0091】
実施例2
本発明の典型的な組成物に関する吸水率評価
AEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)と、該化合物と、50.0%(w/w)の該化合物を充填したAEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)のサンプルとの吸水率を、以下で述べる通りに測定した。
【0092】
式(I)の化合物をエタノールに溶解し、この溶液を、式(I)の化合物の量と重量が同じであるヒュームドシリカのサンプルに注いだ。得られた混合物を十分に混合し、溶媒を蒸発させると、下の吸収研究に使用される化合物/AEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)材料が提供された。
【0093】
サンプルの吸湿性を、Surface Measurement Systems(SMS、Allentown、PA)からのDVS Advantage−1機器での動的蒸気収着(dynamic vapor sorption)(DVS)によって測定した。DVS実験では、サンプルの質量の増大/減少は、一定温度で、様々な相対湿度(RH)レベルで測定される。この機器は、サンプル(一般的に約5〜10mgのサンプル)を含有する1つの秤皿と、基準としての空の皿とを備える微量天秤と、所望の相対湿度レベルをもたらすための水蒸気発生器とから構成される。すべての実験は、25℃という一定温度で実施した。すべての実験では、サンプルを、乾燥質量mを確立するために、乾燥窒素の連続流下で1時間、最初に乾燥させた。続いて、相対湿度を75%に増大させ、サンプルが水を吸収するにつれて質量の増大を記録した。すべての実験は、75%R.H.で、質量の平衡状態に達するまで実施した(一般的に10〜25時間)。
【0094】
図2に示す通り、AEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)および該化合物の吸湿性は、該化合物/AEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)混合物の吸湿性よりも有意に高い。75%RHでは、該化合物およびAeroperlはそれぞれ、4.8および9.3%(重量)の水を吸着した。同じ条件で、該化合物が充填されたAeroperlは、2.4%の水分を吸着するに過ぎなかった。
【0095】
実施例3
本発明の典型的な組成物に関する圧縮率評価
本発明の組成物、すなわち50.0%(w/w)の該化合物で充填されたAEROPERL(登録商標)300(ヒュームドシリカ)のサンプルの圧縮率を、該化合物を充填しない同様の組成物の圧縮率と比較した。圧縮率は、3/8インチの縁が斜めに加工された丸い平らな表面の1セットの道具を備える実験室用水圧プレス(Fred Carver,Inc.、Wabash、IN、USA)を使用して決定した。粉末ブレンドを、約300mgの重量の圧縮体に圧縮し、500から2000lbの範囲の力の圧縮力で、錠剤に圧縮した。
【0096】
圧縮体質量は、上乗せ型秤(Sartorius、Goettingen、Germany)を使用して決定し、圧縮体厚さは、マイクロメーター(Absolute Digimatic、Mitutoyo、Tokyo、Japan)を使用して決定し、圧縮体硬度は、硬度試験機(VK 200、Varian,Inc.、Palo Alto、CA、USA)を使用して決定した。引張り強さ(MPa)は、以下の式を使用して、10個の圧縮体の平均値から算出した:
【0097】
【数1】
式中:H=圧縮体硬度(kp(キロポンド、1kpは、1kgの力と等しい))
C=9.807×l0−2Pa・kg−1・cm
T=圧縮体厚さ(cm)
D=圧縮体直径(cm)
式(I)の化合物を、実施例1に記載される通りにヒュームドシリカ上に充填し、得られた材料を、圧縮率研究のために使用した。
【0098】
該化合物を含有する組成物は、該化合物を含有しない図3に示す通りの組成物(すなわちプラセボ)よりも、はるかに優れた圧縮率を有していた。プラセボ組成物は、500から2000lbの範囲の圧縮力に対して0.6から1.2MPaの範囲という低い引張り強さによって示される通り、不十分な圧縮率を有していた。引張り強さが低い錠剤は、大規模な錠剤製造中、およびその後の錠剤フィルムコーティングなどの取扱い段階中に錠剤の完全性を維持するのに必要な内部強度を欠いている。該化合物を含有する組成物は、500から2000lbの範囲の圧縮力に対して2.7から7.1MPaの引張り強さの増大によって示される通り、圧縮率が予想外に増大していた。引張り強さのこの著しい向上によって、錠剤の適切な引張り強さが得られ、大規模な製造作業中に錠剤完全性が維持できるようになる。
【0099】
実施例4
Aeroperl上の化合物Iの調製
式(Ia)(60g)の化合物をジクロロメタン(300mL)に入れた溶液に、Aeroperl(60g)を装入し、混合物を少なくとも30分間攪拌した。この期間の後、ヘプタン(1.8L)を、1時間かけてゆっくりと装入した。得られたスラリーを約1時間攪拌し、固体を濾過によって単離した。生成物層を、ヘプタン(500mL)で洗浄した。得られた固体生成物を、約24時間、室温で真空中で乾燥させた。Aeroperl(約50重量%)上の式(I)の化合物を白色粉末として単離した(生成物112g、収率92.5%)。
【0100】
実施例5
本発明の典型的な製剤
以下は、式Ia、II、III、およびIVの化合物を含む、本発明の典型的な医薬剤形を例示する。
【0101】
【化6】
【0102】
【表1】
実施例6
本発明の典型的な製剤
以下は、式Ia、II、III、およびIVの化合物を含む本発明の典型的な医薬剤形を例示する。
【0103】
【表2】
実施例7
本発明の典型的な組成物
一実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物と、式(II)の化合物と、それぞれが表面および孔を有し、かつ平均粒径が約10から約120ミクロンであり、BET表面積が約40から約400m/gである複数のシリカ粒子とを含む組成物を提供する。ここでは、式(II)の化合物に対する式(Ia)の化合物の割合は、重量で1±0.5である。
【0104】
実施例8
本発明の典型的な組成物
一実施形態では、本発明は、150mg±10%の式Iaの化合物と;150mg±10%の式IIの化合物と;200mg±10%の式IIIの化合物と;300mg±10%の式IVの化合物とを含む組成物を提供する。
【0105】
実施例9
本発明の典型的な錠剤の調製
式Ia、II、III、およびIVの化合物を含有する、一定用量の組み合わせ錠剤の製造手順は、次のステップを含む:1)式IIの化合物の流動床造粒および乾燥、2)式Iaの化合物の高剪断造粒および流動床乾燥、3)式IIIの化合物の乾式造粒および式IVの塩の乾式造粒、4)式IIIの化合物の乾式造粒物を粉砕すること、および式IVの塩の乾式造粒物を粉砕すること、5)式IIIの化合物と式IVの塩をブレンドすること、6)式Iaの化合物と式IIの化合物をブレンドすること、7)式Iaと式IIの化合物のブレンドからなる一方の層と、式IIIと式IVの化合物のブレンドからなるもう一方の層とを用いて二層圧縮し、錠剤を形成すること、8)錠剤を被覆すること、および9)被覆された錠剤を包装すること。式(Ia)の化合物は、実施例1に記載した高剪断造粒および流動床乾燥プロセスを使用して、上のステップ2)で、ヒュームドシリカ上に充填した。
【0106】
二層錠剤の加工過程での重量制御は、三層錠剤構造と比較して優れていた。式Iaおよび式IIの化合物を含有する層についての二層重量制御は、目標とする平均の層重量の100.2%と100.8%の間であった。錠剤全体の平均重量は、目標とする平均の錠剤重量の99.5%と100.7%の間であった。式Iaおよび式IIの化合物を含有する層の相対標準偏差(RSD)値が、1.4%と2.2%の間であるのに対して、錠剤全体のRSDは、0.7%と1.2%の間であった。これらの低いRSD値は、二層錠剤圧縮プロセス中の、非常に低い重量可変性を示す。圧縮プロセスの開始および終了時の破砕性は、0.0%であった。欠けた、または覆いかぶさった、または壊れた錠剤は、二層圧縮中には観察されなかった。
【0107】
実施例10
本発明の典型的な組成物の調製
固体担体としての二酸化ケイ素を有する本発明の典型的な組成物を、以下で述べる通りに調製した。
1.化合物溶液7.7g(エタノール中)、ならびに賦形剤:二酸化ケイ素3.83g、微結晶性セルロース2.03g、ヒドロキシプロピルセルロース0.2g、クロスカルメロースナトリウム0.5g、およびステアリン酸マグネシウム0.1gを秤量する。溶液濃度および不純物含有量に基づいて化合物の重量を補正し、それに伴い、微結晶性セルロースの重量を低下させる。
2.乳鉢に二酸化ケイ素(syloid 244)を加え、乳棒で粉末を混合しながら、1〜2分かけて二酸化ケイ素上に化合物溶液を注ぐ。
3.二酸化ケイ素混合物内に化合物溶液を均一に分配するために、さらに2分間混合する。
4.乳鉢に、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを加えて、1分間混合する。
5.湿気によって、ブレンド混合物が粒状化される。乳棒で混合しながら精製水を加えると、適切な顆粒が形成される(水は約7.5g)。
6.湿った顆粒をふるいに通過させ、脱凝集させて任意の大きな塊とする。
7.湿った顆粒を棚段乾燥機に移し、50℃で顆粒を乾燥させる。1.0%以下の水分含有量(乾燥減量(LOD)によって決定される)まで顆粒を乾燥させる。
8.乾燥させた顆粒をふるいに通過させる。
9.適切なサイズのタンブルブレンダーに、粉砕された乾燥させた顆粒を加える。
10.粉砕された乾燥させた顆粒にステアリン酸マグネシウムを加え、1分間ブレンドして、最終の粉末ブレンドを産生する。
11.この最終の粉末ブレンドを、錠剤成形機を使用して錠剤に圧縮する。
【0108】
上述のうちの1つと同様の手順を使用して、ただしその中に使用される二酸化ケイ素をタルク、Aerosil 200、またはAerosli 200 VVと置き換えて、本発明のさらなる典型的な組成物を調製した。
【0109】
実施例11
本発明の典型的な組成物の調製
本発明の典型的な組成物を、以下で述べる通り、また図4に示す通りに調製した。
1.Aeroperl中に充填された(実施例4に記載される通りに調製された)化合物I74.4g、ならびに賦形剤:微結晶性セルロース20.1g、クロスカルメロースナトリウム5.02g、およびステアリン酸マグネシウム0.5gを秤量する。シリカ上の化合物の充填率(%)および不純物含有量に基づいて化合物の重量を補正し、それに伴い、微結晶性セルロースの重量を低下させる。
2.ブレンダーに、Aeroperl中の化合物I、微結晶性セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを加える。5分間ブレンドする。
3.ステアリン酸マグネシウムを加えて、3分間ブレンドする。
4.ローラーコンパクター(roller compactor)を用いて粒状体ブレンドを乾燥させる。以下のパラメータを使用する:ギャップ=1.5mm、3.0kNの力、および画面サイズ0.8mm。
5.顆粒をミルまたはふるいに通過させ、より大きな顆粒を壊す。
6.この最終の粉末ブレンドを、錠剤成形機を使用して錠剤に圧縮する。
【0110】
実施例12
本発明の典型的な組成物の調製
本発明の典型的な組成物は、以下で述べる通り、また図5に示す通りに調製することができる。Aeroperlに充填された(実施例4に記載される通りに調製された)化合物I 40.9g、ならびに賦形剤:微結晶性セルロース15.8g、クロスカルメロースナトリウム3.0g、およびステアリン酸マグネシウム0.3gを秤量する。シリカ上の化合物の充填率(%)および不純物含有量に基づいて、化合物の重量を補正し、それに伴い、微結晶性セルロースの重量を低下させる。
1.ブレンダーに、Aeroperl中の化合物I、微結晶性セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを加える。5分間ブレンドする。
2.ステアリン酸マグネシウムを加えて、3分間ブレンドする。
3.この最終の粉末ブレンドを、錠剤成形機を使用して錠剤に圧縮する。
【0111】
実施例13
本発明の典型的な製剤
以下は、ヒトにおける治療または予防的使用のための、式Iの化合物(「化合物X’」)を含有する典型的な医薬品剤形を例示する。
【0112】
【表3】
【0113】
【表4】
上の製剤は、医薬品技術でよく知られた従来の手順によって得ることができる。
【0114】
すべての刊行物、特許、および特許文献を、それが個々に引用されるが如く、参照により本明細書に組み込む。本発明を、様々な特定のおよび好ましい実施形態および技術に関して記述してきた。しかし、本発明の趣旨および範囲内のままで、多くの変形および改変を行うことができることを理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6