(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属層から前記絶縁基板の反対側に第2の金属層をさらに備え、前記第2の金属層は、レーザ切断によって形成される第2の組の形状部を有することを特徴とする請求項1に記載の通信ケーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、通信ケーブルを対象とし、より具体的には、通信ケーブルにおける使用のための固定長、ランダムパターン長、および/または疑似ランダムパターン長を有するモザイクテープと、モザイクテープを生産するための製造方法とを対象とする。
【0002】
本出願は、下記の米国特許仮出願を引用によってその全体として組み込む。
1.2008年3月6日付けで出願された、「Communication Cable with Improved Crosstalk Attenuation」という名称の第61/034,312号
2.2008年5月19日付けで出願された、「Communication Cable with Improved Crosstalk Attenuation」という名称の第61/054,330号
3.2008年11月10日付けで出願された、「Communication Cable with Improved Crosstalk Attenuation」という名称の第61/112,794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当分野では、エイリアントークの減少を向上させ、1つ以上の信号ワイヤのツイストペアを有するケーブルの周波数応答を向上するための方法および装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、所望されない電磁結合が、モザイクテープとモザイクテープが巻き付けられるツイストワイヤペアとの間で生成されないような、ある設計に従った固定した金属パターンもしくは金属形状
(形状部)またはストリップのパターン(主にパターンの縦方向の長さに関して)を形成することによってエイリアンクロストークの減少の向上を提供する。望ましくない結合が、
図1のグラフ101に示される。
図1は、ツイストワイヤペアを備える先行技術のモザイクテープの相互作用によって生じる、通信リンクの端部クロストーク(PSANEXT)性能スペクトル107の近辺の電力和エイリアンにおける結合の頂点106を示す。試験したリンクは、エイリアンクロストーク仕様上限105の要求を満たさない(カテゴリ6aのANSI/TIA/EIA−568−C.3 Cabling Standard下のPSANEXT仕様)。周期的なパターン長を備える金属形状を有する、本発明によるモザイクテープは、エイリアンクロストークの性能スペクトル内で不要な結合が発生することを避けるために、それぞれのワイヤの対の撚り長さの対が、考慮されるように設計される。これらの制限は、モザイクのパターン長の選択を限定するように、ならびに、モザイクテープの耐性および/またはケーブル内のツイストペアの撚り長さの対の範囲および耐性を制限するように働き得る。
【0006】
モザイクテープとツイストペアとの間の可能性がある結合の大きさを減少するための1つの技術は、ランダムパターンまたは対象の周波数で、ランダムおよび/または非結合を現す疑似ランダムパターン等の、モザイクテープ内の非固定長および/または非固定の形状パターンを作るためのものである。対象の周波数は、Cat5e(最大100MHz)、Cat6(最大250MHz)、Cat6a(最大500MHz)、40G Base-CR4で使用されるケーブル(最大10GHz)、および100GBase-CR10で使用されるケーブル(最大10GHz)等の、ケーブルアプリケーションの周波数を含むがそれに限定されない。これらの周波数は、数センチから何メートルの範囲の波長、λを有する。短い反復したパターンによる結合を避けるため、(反復したパターンまたはパターンの一部が結合を生成する長さである)モザイクパターンが、反復する場合、反復するパターンはできるだけ長いものでなければならない。例えば、1つの実施形態において、パターンは結合周波数の波長よりも長くなければならない。本発明のいくつかの実施形態において、略5メートル(5m)より大きい反復したパターン長が使用される。しかしながら、モザイク素子が長すぎる場合、それは電磁両立性問題を作り出しうるものであり、最悪の場合には導体素子がそのそれぞれのケーブルと同じ長さであり、この場合には無終端シールドのように作動する。本発明は、金属部分間に狭いギャップを有し、長い反復長を有するランダムまたは疑似ランダムパターンを備えるモザイクテープ、または実にケーブルの長さにパターンの反復がないモザイクテープを作ることにより、エイリアンクロストークの、より良い減少およびより高い周波数性能のための方法および装置に関する当技術分野での必要を満たす。金属形状間の狭いギャップは、いくつかの理由において有利である。狭いギャップの使用は、テープの費用を下げ、テープの厚みをより薄くする片面のモザイクテープの使用を可能にし、全体的により小さいケーブル直径をもたらす。金属形状間のより狭いギャップは、エイリアンクロストーク性能も向上させる。以下に説明されるように、レーザ切断システムは、金属形状のランダムまたは疑似ランダムパターンが作られる方法で使用されうる。本方法は、パターン形状および反復長の高い柔軟性を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、本発明は、減少したエイリアンクロストークを有するケーブル、およびエイリアンクロストークの減少したケーブルを製造するための装置、方法、ならびにシステムを提供する。クロストークの減少したケーブルは、絶縁導体の複数のツイストペアと、固定され、複数のツイストペアに巻き付けられるランダムおよび/または疑似ランダム長パターンの金属層を有する、積層フィルムと、絶縁導体のツイストペアを包囲する、中心の縦軸を有する絶縁ケーブルジャケットとを備え、モザイクテープ上の金属層は、ケーブル内のワイヤの対と第2のケーブル内のワイヤの対との間に電気的および磁気的減衰を提供し、それによって、エイリアンクロストークを減少させる。加えて、向上した金属層内の配置およびギャップの幅は、ツイストワイヤペアと積層フィルムとの間の結合を減少させ得る。
【0008】
本発明は、会社、学校、病院、政府施設、運送車両、および住居用または製造用の建物に、ハイスピード(例えば、最大で10Gbps以上)相互接続ケーブルの設置型ケーブル「プラント」を提供するものであり、ここでケーブルプラントとは、コンピュータサーバーおよびクライアントの統合ネットワークであるか、その一部であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明による装置は、フィルムを分配するように構成されるフィルム分配機構(以下に詳細に説明される)と、フィルムに当たるレーザ光線を放つように構成され、フィルムの金属層でギャップを生成するためにフィルムの一部を切断する、少なくとも1つのレーザと、フィルムが切断ステップを通過した後にフィルムを巻き取るように構成される、フィルム巻き取り機構とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つ以上のツイストワイヤペアを備える先行技術のモザイク金属テープの相互作用によって生じる結合頂点を有する、エイリアンクロストーク性能スペクトルを示すグラフである。
【
図2A】
図4Aの切断線2A‐2Aに沿った本発明のある実施形態によるケーブルテープの断面図である。
【
図2B】本発明のある実施形態によるケーブルテープの断面図である。
【
図2C】本発明のある実施形態によるケーブルテープの断面図である。
【
図2D】本発明のある実施形態によるケーブルテープの断面図である。
【
図3A】本発明のある実施形態によるレーザ切断システムの概略図である。
【
図3B】本発明のある実施形態によるレーザ切断システムの概略図である。
【
図3C】本発明のある実施形態によるレーザ切断システムの斜視図である。
【
図3D】本発明のある実施形態によるレーザ切断システムの斜視図である。
【
図4A】本発明のある実施形態による固定したモザイクパターンの上面図である。
【
図4B】本発明のある実施形態によるランダムまたは疑似ランダムモザイクテープの上面図である。
【
図4C】本発明のある実施形態による別のランダムまたは疑似ランダムモザイクテープの上面図である。
【
図4D】本発明のある実施形態による別のランダムまたは疑似ランダムモザイクテープの上面図である。
【
図5】モザイクテープが、本発明のある実施形態による固定長(L)の金属形状で使用される際に、電磁結合を阻止するための
有効ペア撚り長さの進入禁止領域を示すグラフである。
【
図6】本発明によるモザイクテープを備えるケーブルの実施形態の部分的に分解された部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で提示された実施例は、本発明の好ましい実施形態を図示し、当該の実施例は、いずれの方法においても本発明の範囲を限定するように解釈されるためのものではない。
【0012】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明において、本明細書の一部を形成する添付図面について参照され、本発明が実施され得る特定の実施形態が説明図によって示される。他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなしに利用され得る。
【0013】
さらに、図面が、一定の縮小比で本発明によるテープの金属層におけるギャップを例証することは必ずしも必要でないことが理解される。例証目的のため、金属層の金属部分間のギャップは、説明図が指し示す縮尺よりも、広めに図示されている。
【0014】
図2Aは、本発明のある実施形態による、
図4Aに示される線分2A‐2Aに沿うフィルム201の断面図である。フィルム201は、基板261、接着層262、および金属層263を備え、接着層262は、金属層263を基板261に接続するために使用される。基板261は、約25マイクロメートルの厚みを有する柔軟性のある低誘電率材料ポリマー(例えば、エチレン共重合体)である。いくつかの実施形態において基板261の周囲の厚みは、5マイクロメートルと500マイクロメートルとの間であるか、その範囲内で変動する。金属層263は、高伝導の金属(例えば、アルミニウム、金、銀、銅等)であり、約10マイクロメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態において、金属層263の厚みは、0.1マイクロメートルと100マイクロメートルとの間であるか、その範囲内で変動する。接着層262は、非伝導の接着剤であり得、さらに、接着層262は、レーザ光線の特定の波長をより急速に吸収するために、接着剤に加えられる着色顔料を備える非伝導接着剤であり得る。レーザ光線ビームが、フィルム201の金属層263上への入射である際、照射された金属セクション422は、入射エネルギーを吸収し、金属材料を切断する。この方式で、分離した金属形状421がもたらされる。この工程の間、接着層262内で照射された素材270もまた切断され得る。
【0015】
図2Bは本発明のある実施形態によるフィルム202の断面図である。フィルム202は、フィルム202が、レーザ光線の特定の波長をより急速に吸収するためか、金属層263上のレーザ光線の入射の反射を減少させるために使用される、金属層263の上端に吸収層264を備えることを除いては、上述されたフィルム201と同様である。
【0016】
図2Cは、本発明のある実施形態によるフィルム203の断面図である。フィルム203は、フィルム203が、第2の金属層265および第2の接着層266を備え、接着層266は、金属層265と基板261を接続するように使用されることを除いては、上述されたフィルム201と同様である。金属層265は、高伝導の金属(例えば、アルミニウム、金、銀、銅等)であり、約10マイクロメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態において、金属層265の厚みは、0.1マイクロメートルと100マイクロメートルとの間であるか、その範囲内で変動する。いくつかの実施形態において、接着層266は非伝導接着剤である。いくつかの他の実施形態において、接着層266は、レーザ光線の特定の波長をより急速に吸収するために、接着剤に加えられる着色顔料を備える非伝導接着剤であり得る。いくつかの実施形態において、金属層263および金属層265は、同金属から形成され、同じ厚みを有する。いくつかの他の実施形態において、金属層263および金属層265は、異なる金属から形成され、異なる厚みを有し得る。
【0017】
図2Dは、本発明のある実施形態による、フィルム204の断面図である。フィルム204は、フィルム204が、金属層263の上端の吸収層264および金属層265の上端の第2の吸収層267を備えることを除いては、上述されたフィルム203と同様である。
【0018】
図3Aは、本発明のある実施形態による金属ケーブルテープ上に固定した、ランダムのおよび/または疑似ランダムのパターンを作るためのレーザ切断システム301の概略図である。レーザ切断システム301は、シリンダー状の(または類似の)分配スプール310上に収容されるフィルム313を分配するためのフィルム分配機構と、フィルム313を移動させるための駆動ローラおよびエンコーダ314と、フィルム313をパターン化するために使用される1つ以上のレーザと、フィルム313がパターン化した後、シリンダー状の巻き取りスプール312上にフィルム313を巻き取るためのフィルム巻き取り機構を備える。1つ以上のレーザ311は、レーザ光線によって操作手が怪我をすることを阻止するために筐体315内に収容され得、フィルム313は、フィルム313が1つ以上のレーザ311によってパターン化される際に、筐体315を通過する。フィルム313は第1の側面から筐体315に入り、第2のおよび反対の側面から筐体315を出る。従って、全ての構成材は、筐体315内に収容され得る。すなわち、フィルム分配機構310、シリンダー状の分配スプール上に収容されるフィルム313、駆動ローラおよびエンコーダ314、パターンフィルム313に使用される、フィルム313をパターン化するために使用される1つ以上のレーザ311、およびフィルム313が切断工程を経た後、シリンダー状の巻き取りスプール上にフィルム313を巻き取るために使用されるフィルム巻き取り機構312は全て、筐体315内に収容され得る。
【0019】
1つ以上のレーザ311は、半導体(ダイオードまたは他のもの)レーザ、ファイバレーザ、パルス状のファイバレーザ、ガスレーザ、固体レーザ、液体レーザ、化学レーザ等であり得、好ましくは約1064nmの波長を有するレーザ光線を放ち得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のレーザ311によって放たれるレーザ光線の波長は、100nm〜1800nmの範囲内である。
【0020】
1つ以上のレーザ311は、基板(例えば、ポリマー)から伝導層(例えば、アルミニウム、金、銀、銅等、およびその合金)を切断するために使用される。1つ以上のレーザは、レンズ、鏡、ビームスプリッター、モーター、ライトパイプ、光ファイバ等(全て、
図3Aには示されない)のビーム誘導または送達技術の使用を必要とする。1つ以上のレーザ311は、好ましくは、レーザ光線が、ポリマー基板を傷つけないままポリマー基板を通って突き抜けるように選択される波長を有する。1つ以上のレーザ311によってもたらされたレーザ光線は、金属層を熱するために、接着層(例えば、ポリマー基板と金属層を接続するために使用される非反射の接着剤層、またはレーザ光線の特定の波長をより急速に吸収するために加えられる着色顔料を有し、ポリマー基板と金属層を接続するために使用される接着剤層)によって吸収され得る。当熱は、選択的に金属層、および、ことによると接着層を蒸発させ、それによって、金属層を通る非伝導経路を形成する。これはモザイク型の配置での非伝導のギャップによって相互に分離される、金属形状の配置を形成し、「モザイクテープ」と呼ばれ得るテープをもたらす。
【0021】
代替として、1つ以上のレーザ311によってもたらされるレーザ光線は、最初に基板または接着層を通って伝播することなく、金属層に直接的に当たり、選択的に接着層または基板まで金属層を切断し、それによって金属層に非伝導経路を形成する。金属層は、切断効果を向上させるために、金属層に当たるレーザ光線の吸収を高めるために使用される吸収層に覆われ得る。
【0022】
レーザ切断システム301は、製造ライン上の多くの位置に(例えば、
図3Aまたは
図3Bに示される自立システムとして、ウェブスリッティングシステムの一部として、ケーブル加工の作業において(ツイナー、ストランダ、および/または押し出し加工/被覆加工)、またはケーブルの他の製造工程の一部として、)、設置され得る。
【0023】
モザイクテープの製造のためにレーザ切断システム301を使用する、いくつかの利点は、以下の通りである。
1.レーザ切断の使用は、ダイカッティング等の機械システムでは不可能である、(性能を向上させる)金属形状間の非常に小さなギャップを提供する。本発明のいくつかの実施形態によると、幅約0.5ミル
(12.7μm)〜約8ミル
(203.2μm)のギャップが、0.75インチ
(19.05mm)〜2.5インチ
(63.5mm)の長さの伝導形状との組み合わせで、伝導形状の間に形成される。
2.金属形状の容易に変更可能なパターンまたはランダム化の長さを提供する(短くするか、長くするかまたは無限にするように柔軟に修正され得る)。
3.(性能を向上させるための)規則的および不規則な多角形から単純および複雑な曲線形状ならびにその組み合わせまで、金属形状の幅広い種類の幾何学的な形状を実装する能力を提供する。
【0024】
図3Bは、本発明のある実施形態による、レーザ切断システム302の図である。レーザ切断システム302は、1つ以上のレーザ311またはレーザ切断システム302のビームが、フィルム313のどちらの側にも位置づけられ得、それによってレーザ光線がフィルム313の両面に当たることを可能にすることを除いては、上述されたレーザ切断システム301と同様である。
【0025】
ある実施形態において、フィルム313は、好ましくは、
図2Aおよび
図2Bにそれぞれ示され、上述された、フィルム201またはフィルム202と同様である。これらの実施形態において、フィルム313の上面の上に位置付けられる1つ以上のレーザおよびフィルム313の底面の下に位置付けられる1つ以上のレーザからのレーザ光線は、フィルム313の両面を、それぞれにまたは実質的に同時に照射する。例えば、フィルム313が、金属層が上面であり、基板が底面であるように配向される場合、上面の上に位置付けられるビームまたはいくつかのビームからのレーザ光線は、金属を選択的に切断するために、金属層(または
図2Bに説明される吸収層)に直接的に当たる。底面の下に位置づけられるレーザからのレーザ光線は、レーザ光線が基板を通過し、金属層を選択的に熱し、蒸発させるために、接着層に吸収されるような波長を有する。フィルム313の上面の上に位置付けられる1つ以上のレーザによってもたらされる光線の波長およびフィルム313の底面の下に位置付けられる1つ以上のレーザよってもたらされる光線の波長は、異なるものであり得る。フィルム313の上面の上に位置付けられる1つ以上のレーザによってもたらされる光線の波長およびフィルム313の底面の下に位置付けられる1つ以上のレーザよってもたらされる光線の波長は、実質的に同じものであり得る。
【0026】
いくつかの他の実施形態において、フィルム313は、好ましくは、
図2Cおよび
図2Dにそれぞれ示され、上述された、フィルム203またはフィルム204と同様である。これらの実施形態において、フィルム313の上面の上に位置付けられる1つ以上のレーザからのレーザ光線は、上面の金属層を選択的に切断するために上面の金属層に直接的に当たり、フィルム313の底面の下に位置付けられる1つ以上のレーザからのレーザ光線は、底面の金属層を選択的に切断するために底面の金属層に直接的に当たる。
【0027】
図3Cは、本発明のある実施形態によるレーザ切断システム303の図である。レーザ切断システム303は、レーザ切断システム303が、多数のフィルムスプールを導入するために、多数のシリンダー状の分配スプール310および多数のシリンダー状の巻き取りスプール312を備え、それによって多数のフィルム313に同時に切断工程を加えることを可能にすることを除いては、上述されたレーザ切断システム301と同様である。単一のレーザ311は、多数のフィルム313を切断するために、レーザ光線316を放ち、単一のレーザ311が多数の方向に移動することを可能にする移動可能な段上に位置づけられ得、それによって、単一のレーザ311からのレーザ光線316が選択的に、多数のフィルム313から金属層を切断することを可能にする。機械的にまたは電気的に制御されたミラーは、多数のフィルム313から金属層を選択的に切断するために、単一のレーザ311からのレーザ光線を反射させるために使用され得る。多数のレーザ311は、同様の方式で利用され得る。
【0028】
図3Dは、本発明のある実施形態による、レーザ切断システム304の図である。レーザ切断システム304は、レーザ切断システム304が、単一のフィルム313を分配するための単一のケーブル包装フィルムの幅の少なくとも2倍より大きい幅を有するフィルムスプールを受け入れる能力のある、シリンダー状の分配スプール310を含むことを除いて、上述されたレーザ切断システム301と同様である。(レーザ切断道具を備え得る)切断機構は、単一のフィルム313を多数のフィルム317に分割するために使用され、フィルム317のそれぞれが、ケーブル包装として使用されるために適切な幅を有し、フィルム317がパターン化した後で、多数のシリンダー状の巻き取りスプールは、多数のフィルム317を巻き取る。単一のレーザ311は、多数のフィルム313を切断するためにレーザ光線316を放ち、単一のレーザ311が多数の方向に移動することを可能にする移動可能な段上に位置づけられ得、それによって、単一のレーザ311からのレーザ光線316が選択的に、多数のフィルム313から金属層を切断することを可能にする。機械的にまたは電気的に制御されたミラーは、多数のフィルム313から金属層を選択的に切断するために、単一のレーザ311からのレーザ光線を反射させるために使用され得る。
【0029】
レーザ基盤の切断システム301,302,303および304は、ケーブルテープとして使用される能力があるモザイクテープの、固定したパターン、形状のランダム収集、および/または疑似ランダムパターンをもたらすために使用される。非連続性の金属形状のランダムまたは疑似ランダムパターン長は、モザイクテープと内部のツイストペアとの間との相互作用を減少させるか、または実質的に取り除く。非連続性の金属形状の固定した、ランダムのおよび/または疑似ランダムのパターン長は、モザイクテープのランダム効果または長期のパターン長をもたらすために、代替的に、機械基盤(例えば、選択的制御フライス)または電力基盤(例えば、選択的制御アーチング)切断システムの使用で製造され得る。
【0030】
非連続性の金属形状の固定した、ランダムのおよび/または疑似ランダムのパターンは、実質的に、隣接するケーブル間の磁界および電界結合を減少させ、より具体的には、ケーブル内のツイストペアと、近隣のケーブル間の高い結合をもたらすモザイクテープとの間の不要な結合を阻止する。いくつかの実施形態において、疑似ランダムパターンは、約5.0mまたは0.1mと100mとの間の範囲の周期を有し得る。
【0031】
図4A、
図4B、
図4Cおよび
図4Dは、本発明のいくつかの実施形態によるレーザ切断システムがもたらし得る、可能性のある異なるモザイクパターン401,402,403および404をそれぞれ示す図である。
図4Aにおいて、固定したパターン401が示され、金属形状421が灰色で示され、白い領域またはギャップ422は、金属層が切断された領域を現す。
図4Bおよび
図4Cには、ランダムパターン(402および403)が示される。
図4Dには、非線形(すなわち曲線)の切断した領域または経路を有する、ランダム化した形状404のランダム分布を示す。フィルムまたはテープの金属層へ切断されるパターンは、好ましくは、エイリアンクロストークを減少させるように選ばれる。当フィルムまたはテープは、次に、結合減衰を向上するため、フィルムまたはテープが、内部のペアを一回または多数回覆い得、それによって、すぐ近くのケーブルとの相互作用に起因するエイリアンストロークを減少させるように、ケーブル内のツイストペアに巻き付けられ得る。
【0032】
固定長の金属パターンのモザイクテープについて、
有効ワイヤペアツイスト撚り(1/[{1/ペアの撚り}+{1/房の撚り}]は、テープとワイヤのペアとの間の所望されない電磁結合を形成しないように設計されなければならない。所望されない電磁結合は、ワイヤペアのツイスト周期の整数または1/2整数の数が、直接的に金属形状の下方にある場合により起こりやすい。当状況が、多数の一連の金属形状にわたっておこる場合、周期信号は、近隣のケーブルに(特に、同様の構造のケーブルに)効果的に結合する、一連の金属形状に伝えられる。テープとワイヤのペアとの相互作用の周波数は、
有効ワイ
ヤペアツイスト周期が、モザイク長に関連する整数または1/2整数とどのくらい近いかに関連付けられる。例えば、ワイヤのペアのツイスト周期が、金属形状の長さと全く同じである場合、周波数は低い。ワイヤのペアのツイスト周期が、モザイク形状の長さよりわずかに大きいか小さい際、周波数は増加する。最も不安定な周波数は、本出願が必要とする、周波数の範囲内にあるものである(例えば、10G Base-Tは、1MHzと500MHzとの間の範囲の周波数を必要とする)。従って、対象の範囲の周波数内に所望されない結合がないことが好ましい。ゆえに、関連するモザイク長の整数または1/2整数倍数ほどの長さの領域は、特定のアプリケーションのため(例えば10G Ethernet(登録商標))に避けられなければならない周波数の範囲を定義する。これらの長さの領域は、
有効ワイ
ヤペアツイスト周期のための「進入禁止」帯を定義する。従って、固定長のモザイクパターンは、対象の周波数の範囲内で不要な電磁結合がおこることを阻止するために、当方法で設計され得る。実質的に不要な結合がおこることを取り除く、完全なランダム形状の分布および/または疑似ランダムパターンを用い得る。
【0033】
図5は、モザイクテープが固定長の周期Lを有する金属形状とともに使用され、Lが金属形状の長さと隣接する金属形状間のギャップの幅を足した長さである際の、(
有効ペア撚り長さを得るための)進入禁止領域のグラフ501を示す。
図5において、L=1.0インチ
(25.4mm)であることに留意しなければならないが、グラフは、Lの他の値の尺度であり得る。進入禁止領域を避けることは、対象のエイリアンクロストーク周波数スペクトルで不要な電磁結合がおこることを阻止するか、減少させる。具体的には、
図5は、モザイクテープ内の金属形状の固定したパターン長(L)とケーブル内の
有効ペア撚り長さ(房の撚り長さに組み合わせたペアの撚り長さと同等である)との間の関係の例を実証する、グラフ501を示す。本関係は、ケーブル内のワイヤのペアのそれぞれの
有効ペア撚り長さが、存在すべきでないか、または固定長の金属形状の長さ(L)が、
有効ペア撚り長さの組を収容するために変更されるべきである「進入禁止」帯として、示されるか、説明される(すなわち、グラフ内の灰色の四角)。例えば、
図5に関して、固定した金属形状の長さが、Lの場合には、進入禁止帯584は、
有効ペア撚り長さは、1.000インチ
(25.4mm)程度であるべきでないということを決定する(すなわち、灰色の四角584によって指定される長さを以外であるべきである)。
図5を利用するための代替の方法は次の通りである。0.500インチ
(12.7mm)の
有効ペア撚り長さにおいて、進入禁止帯585は、金属形状の固定長が、Lであるべきではないということを決定する。ギャップに組み合わせた金属形状の長さLは、0.5インチ
(12.7mm)のペアの撚り長さの右または左へボックス585を移動させるために、増加されるかまたは減少されるかのどちらかでなければならない。高次項の整数の成分582(例えば、Nが大きい場合のL/N)または、半整数の成分581(例えば、Nが大きく、奇数の場合のNL/2)は、1つの金属形状と相互作用するワイヤのペアのツイスト周期の数により、ツイストワイヤペアとモザイク金属パターンとの間の強い相互作用をもたらさないことに留意しなければならない。これらの高次項は、エイリアンクロストークにほとんど貢献しない結果となる。
【0034】
L=1.0インチ
(25.4mm)の金属形状の長さ、4.0インチ
(101.6mm)の房の撚り、0.5インチ
(12.7mm)(ペア1、0.444インチ
(11.28mm)の
有効ペア撚り)、0.65インチ
(16.51mm)(ペア2、0.559インチ
(14.2mm)の
有効ペア撚り)、0.74インチ
(18.8mm)(ペア3、0.6245インチ
(15.86mm)の
有効ペア撚り)、および0.86インチ
(21.84mm)(ペア4、0.708インチ
(17.98mm)の
有効ペア撚り)を有する4つのツイストペアにおいて、全ての
有効ペア撚りは、進入禁止帯を避けることが、
図5から分かる。低次の進入禁止帯583〜586が外されているので、モザイクテープ/房の撚り/ペアの撚りの組み合わせは的確に機能する。
【0035】
次の本発明によるモザイクテープの形成で、モザイクテープ696は、
図6に示されるように、通信ケーブルの構造601へ組み入れられ得る。
図6において、バリアテープ693は、ツイストペア695およびワイヤのペアの分離器694に巻き付けられる。モザイクテープ696は、当アセンブリの上に巻き付けられ、ジャケット692は、モザイクテープ696を包囲する。
【0036】
本発明の1つの利点は、モザイクテープをもたらすためのレーザ切断方法が、機械的ダイカッティング方法に比較すると、相対的に薄いギャップまたは空間を導体素子間に形成し得るということである。薄いギャップは、電場および磁場の遮断特性を向上させたため、好ましい。その結果として、本発明によって製造されるモザイクテープは、テープの片側に導体素子を有し得、当該の構造は、テープの両側に導体素子を持つ、ダイカッティング方法で製造されるモザイクテープと、同じ機能かまたはほぼ同じ機能を有する。加えて、本発明によるモザイクテープは、他のテープに比べて、実質的に少ない費用で製造することができる。
【0037】
不要な結合を減少するための別の技術は、ケーブル内のツイストワイヤペアのツイスト周期をランダム化することである。結果としてもたらされたモザイクテープ上の固定した(またはランダムな)パターン間のランダム関係は、結合を減少させ、モザイクの金属形状の周期性に対するツイストワイヤペアのツイスト周期の依存を取り除く。
【0038】
代替的または付加的に、金属形状の固定した周期性を有するモザイクテープは、ランダム化した房の撚り(ときにケーブル撚りと呼ばれる)を有するケーブル芯に巻き付けることができる。この様式で、ツイストワイヤペアは、ランダム化した相互作用長を備える金属形状と相互作用し、不要な結合を減少させる。
【0039】
本発明の特定の実施形態および応用を図示し、説明したが、本発明は、本明細書に開示される正確な構造および構成に制限されず、その様々な修正、変更、および変形形態が、添付の特許請求の範囲内で定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなしに、前述の説明から明らかであることが理解されよう。