【実施例】
【0144】
以下の実施例は、請求の範囲に記載の発明を説明するために述べられるが、これに限定されるものではない。
【0145】
(実施例1.循環細胞の単離、活性化、及び溶解)
固形腫瘍の循環細胞は、固形腫瘍から転移した又は微小転移した細胞から構成され、循環腫瘍細胞(CTC)、癌幹細胞(CSC)及び/又は腫瘍へと移動している細胞(例えば、循環内皮前駆細胞(CEPC)、循環内皮細胞(CEC)、循環血管新生促進骨髄性細胞、循環樹状細胞、等)を含む。循環細胞を含む患者試料は、あらゆる入手可能な生体液(例えば、血液、尿、乳頭吸引液、リンパ液、唾液、細針吸引物、等)から獲得され得る。循環細胞は、例えば、免疫磁気分離法(例えば、Racilaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:4589−4594(1998);Bilkenrothら、Int.J.Cancer,92:577−582(2001)を参照)、マイクロ流体分離法(例えばMohamedら、IEEETrans.Nanobiosci.,3:251−256(2004);Linら、Abstract No.5147,97th AACR Annual Meeting,Washington,D.C.(2006)を参照)、FACS(例えばMancusoら、Blood,97:3658−3661(2001)を参照)、密度勾配遠心分離法(例えばBakerら、Clin.CancerRes.,13:4865−4871(2003)を参照)、及び減少法(例えばMeyeら、Int.J.Oncol.,21:521−530(2002)を参照)のような一つ又はそれ以上の分離方法を用いて患者試料から単離され得る。
【0146】
CTCの手動単離:
CTCの免疫磁気分離法−活性分析が続く手動単離:
1)前もって抗−EpCAMモノクローナル抗体(KordiaLife Sciences;Leiden,The Netherlands)に結合された磁気ビーズ((Dynal M450;Dynal AS;Oslo,Norway)が用いられる。
2)使用直前に、事前に覆われたダイナビーズ(Dynabead)は、0.01%BSAを含む等量のPBSで一度洗浄される。
3)25mlの事前に覆われたダイナビーズが1mlの試料に添加される。
4)その混合物は、2〜8℃で20分間、緩やかな傾斜と回転でインキュベートされる。
5)そのチューブは、2分間、磁気分離器(MPL−1magnet)に設置される。
6)その上清が廃棄され、ビーズに結合した細胞が0.01%BSAを含むPBSで再懸濁され、続いて磁気分離されることによって3回洗浄される。
7)その試料は、100μlの活性化緩衝液に再懸濁される。
【0147】
試料の準備:
1)ヒト対象物からの末梢血が1mg/mlのEDTAを含むシリコン処理チューブに引き抜かれる。最初の3〜5mlは、穴の開いた血管から放出された上皮細胞での汚染を避けるために廃棄される。
2)1mlの全血が使用前に0.9%のNaClで1:3に希釈される。
【0148】
対照の準備:
1)細胞系列の対照がヒト癌細胞系列をHL−60細胞にスパイクすることによって作製される。
2)細胞系列の対照は、2.5x10
6細胞/mlの濃度で使用される。
【0149】
CEC及びCEPCの手動分離:
非限定的な例として、生存CEC及びCEPCは、Beerepootら、Ann.Oncology,15:139−145(2004)に記載された免疫磁気単離/濃縮手法を用いて単離され得る。つまり、末梢血が前もって抗CD146モノクローナル抗体(KordiaLife Sciences)に共役された磁気ビーズ(Dynal M450 IgG
1)とともにインキュベートされる。この抗体は、末梢血中の内皮細胞の全ての系統を認識し、造血細胞又は上皮細胞を認識しない(Georgeら、J.Immunol.Meth.,139:65−75(1991)を参照)。造血細胞及び上皮細胞の消極的な選択は、適切な抗体に共役された磁気ビーズ(例えば、白血球を除くためのDynal−CD45ビーズ、単球を除くためのDynal−CD14ビーズ、上皮細胞を除くためのDynal−EpCAM(Invitrogen;Carlsbad,CA))での積極的選択に先立って使用され得る。この例では、積極的選択のみが使用される。
【0150】
CEC及びCEPCの免疫磁気分離−活性分析が続く手動単離:
1)前もって抗−CD146モノクローナル抗体(KordiaLife Sciences)を結合された磁気ビーズ(Dynal M450)が使用される。
2)使用直前に、事前に被覆されたダイナビーズは、0.01%BSAを含む等量のPBSで一回洗浄される。
3)25μlの事前に被覆されたダイナビーズが1mlの試料に添加される。
4)その混合物は、2〜8℃で20分間、緩やかな傾斜と回転でインキュベートされる。
5)そのチューブは、2分間、磁気分離器(MPL−1magnet)に置かれる。
6)その上清が廃棄され、ビーズ結合細胞が、0.01%BSAを含むPBSでの再懸濁され、続いて磁気分離されることによって3回洗浄される。
7)その試料は、100μlの活性化緩衝液に再懸濁される。
【0151】
試料の準備:
1)ヒト対象物からの末梢血が、1mg/mlEDTAを含むシリコン処理されたチューブに引き抜かれる。最初の3〜5mlは穴の開いた血管から放出された上皮細胞での汚染を防ぐため、廃棄される。
2)1mlの全血は、使用前に0.9%NaClで1:3に希釈される。
【0152】
対照の準備:
1)細胞系列の対照が、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)をHL−60細胞にスパイクすることによって作製される。
2)細胞系列の対照は、2.5x10
6細胞/mlの濃度で使用される。
【0153】
CEPCの手動単離(CECを除く):
CEPCは、様々な血管新生増殖因子に応答して、成熟内皮細胞へ分化する能力を有する骨髄由来の前駆細胞の循環型である。CEPCは、表層マーカーCD34を認識する抗体での選択によって単離されてよい。CD133は、未熟内皮細胞(EPC)又は原始造血幹細胞(HSC)をCEPCから区別する細胞表層マーカーである。異なる入手源からのCEPCの様々な単離手法は、接着培養又は磁気マイクロビーズを用いて開示されている。この例では、Asaharaら、Science,275:964−967(1997)に記載されたものから改良されたプロトコールが使用される。
【0154】
CEPCの免疫磁気分離−活性分析が続く手動単離:
1)磁気ビーズ(DynalM450 CD34)が使用される。これらのビーズはCD34表層抗原に対し特異的なモノクローナル抗体で覆われる。
2)事前に覆われたダイナビーズは、使用直前に、0.01%BSAを含む等量のPBSで一回洗浄される。
3)25μlの事前に覆われたダイナビーズが1mlの試料に添加される。
4)その混合物は、2〜8℃で20分間、緩やかな傾斜と回転でインキュベートされる。
5)そのチューブは、2分間、磁気分離器(MPL−1magnet)に置かれる。
6)その上清が廃棄され、ビーズ結合細胞が、0.01%BSAを含むPBSに再懸濁され、続いて磁気分離されることによって3回洗浄される。
7)その試料は、100μlの活性化緩衝液に再懸濁される。
【0155】
試料の準備:
1)ヒト対象物からの末梢血が、1mg/mlのEDTAを含むシリコン処理されたチューブに引き抜かれる。最初の3〜5mlは、穴の開いた血管から放出された内皮細胞での汚染を避けるために廃棄される。
2)10mlの血液は、平衡塩類溶液で1:1に希釈される。
3)4mlの希釈血液は、10mlチューブ中で3mlのFicoll−Paque上に積層される。
4)チューブは、18〜20℃で30〜40分間、400×gで回転される。
5)血漿及び血小板を含む上層は、滅菌パスツールピペットを用いて取り除かれ、界面で乱れていない単核細胞層を残す。
6)単核細胞は、滅菌ピペットを用いて滅菌遠心管へ移される。
7)6mlの平衡塩類溶液が添加され、細胞は穏やかに再懸濁される。
8)混合物は、18〜20℃で10分間、60〜100×gで遠心される。
9)上清が、除去され、各チューブからの単核細胞が1mlのPBSに再懸濁される。
【0156】
Veridexシステムを用いたCTC,CEC,及びCEPCの単離:
Veridex(Warren,NJ)は、CellPrepシステム、CellSearch上皮細胞キット、及びCellSpotterアナライザーから構成されるCellSearchシステムを市販している。CellPrepシステムは、半自動化された試料準備システムである(Kaganら、J.Clin.LigandAssay,25:104−110(2002)を参照)。CellSearch上皮細胞キットは:内皮細胞に特異的な抗−EpCAM抗体で覆われた鉄流動体(ferrofluid);サイトケラチン(cytokeratins)8、18及び19に対するフィコエリスリン(phycoerythrin)共役抗体;アロフィコシアニン(allophycocyanin)に共役した抗−CD45抗体;DAPI染色剤;及び細胞を洗浄、浸透、及び再懸濁するための緩衝液、から構成される。この例で使用されるプロトコールはまた、Allardら、Clin.CancerRes.,10:6897−6904(2004)に記載されている。全Veridexシステムは、CTCの計数のために使用され得、又は、CellPrepシステムで単離された後に手動で試料を除去することによって、経路活性化のための分析に先だった単離の方法を提供することができる。CTCの数は、アルゴリズム開発のために情報を提供し得る。
【0157】
Veridexシステム−計数が続くCTC濃縮:
1)7.5mlの血液が6ml緩衝液と混合され、10分間800×gで遠心され、CellPrepシステムに移される。
2)装置が上清を吸引した後、その装置は鉄流動体を添加する。
3)その装置が、インキュベートとそれに続く磁気分離工程を実行する。
4)非結合細胞及び残存血漿が吸引される。
5)染色試薬が、蛍光染色のために浸透化緩衝液と組み合わせて添加される。
6)そのシステムによるインキュベート後、細胞は、CellSpotterアナライザーを用いた分析のため、再びMagNestCell Presentation装置にて磁気的に分離され、そして再懸濁される。
7)その装置は、CellSpotterアナライザー、4色半自動化蛍光顕微鏡、上に設置される。
8)画像は、Veridexの定義した基準に合うように得られ、最終的な手動選択のためにウェブに基づくブラウザを介して示される。
9)細胞計数の結果は、7.5ml血液あたりの細胞数として表される。
【0158】
Veridexシステム−活性分析が続くCTC濃縮:
1)7.5ml血液が6mlの緩衝液と混合され、10分間800×gで遠心され、その後CellPrepシステムに移される。
2)装置が上清を吸引した後、その装置は鉄流動体を添加する。
3)その装置はインキュベートとそれに続く磁気分離工程を実行する。
4)非結合細胞と残存血漿が吸引される。
5)試料は、100μlの活性化緩衝液で再懸濁される。
【0159】
Veridexシステム−活性分析が続くCEC及びCEPC濃縮:
1)Veridexは、CD146抗体でのCEC及びCEPCの捕獲に用いるCellTracks内皮細胞キットを提案する。CellTracks内皮細胞キットは、血液試料の準備のためのVeridexのCellTracksAutoPrepシステム及び全血からのCEC及びCEPCを数え、特徴づけるためのCellTracksアナライザーIIとを組み合わせて用いられる。このプロトコールは、CellSearch上皮細胞キットのものと同一である。
【0160】
試料の準備:
1)ヒト対象物からの末梢血は、製造元の指導に従って、CellSavePreservativeチューブに引き抜かれる。最初の3〜5mlは、穴の開いた血管から放出される上皮又は内皮細胞での汚染を回避するために廃棄される。
【0161】
CSCの手動単離:
腫瘍が特徴的な自己再生及び生存機構を有する少数の推定癌幹細胞を含むことの証拠が確立しつつある(例えばSells,Crit.Rev.Oncol.Hematol.,51:1−28(2004);Reyaら、Nature,414:105−111(2001);Dontuら、TrendsEndocrinol.Metal.,15:193−197(2004);and Dick,Nature,423:231−233(2003)を参照)。癌幹細胞(CSC)は、長期間静止状態で存在し、分裂する細胞を標的とする化学療法剤に対し耐性を獲得するかもしれない。この癌を発生させる集団は、選択的な除去のための標的化された治療を受けた自己再生及び生存経路の活性化として特徴づけられ得る。CSCの単離手法は、接着培養又は磁気マイクロビーズを用いて開示されている。この例では、Coteら、Clin.Can.Res.,12:5615(2006)で開示されたものから改変したプロトコールが使用される。
【0162】
免疫磁気CSC単離−活性分析が続く手動単離:
1)磁気ビーズ(DynalAS;Oslo,Norway)が使用される。これらのビーズは、CD34又はCD133表層抗原のいずれかに対し特異的なモノクローナル抗体で覆われる。
2)使用直前に、事前に覆われたダイナビーズが0.01%BSAを含む等量のPBSで一回洗浄される。
3)1〜10
7の事前に覆われたダイナビーズが、3mlの試料に添加される。
4)混合物が、2〜8℃で60分間、緩やかな傾斜と回転でインキュベートされる。
5)混合物は、1mlの部分に分割され、各チューブは、少なくとも6分間、磁気分離器(MPL−1magnet)上に置かれる。
6)その上清が廃棄され、ビーズ結合細胞が、0.01%BSAを含むPBSに再懸濁され、続いて磁気分離されることによって3回洗浄される。
7)その試料は、100μlの活性化緩衝液に再懸濁される。
【0163】
試料の準備:
1)骨髄試料が、インフォームド・コンセントを得た後に早期乳癌患者から獲得される。
2)骨髄吸引処理は、Bauerら、Clin.Can.Res.,6:3552−3559(2000)に記載のとおり実行される。あらゆる播種性腫瘍細胞を含む単核細胞画分は、BeckmanGS−6遠心機を用いて、35分間4000×gでのFicoll−Hypaque密度勾配遠心分離法によって濃縮され、PBSで2回洗浄される。
【0164】
単離したCTCの細胞活性化及び溶解:
細胞活性化:
1)増殖因子TGF−α(100nM)、ヘレグリン(heregulin)(100nM)、及び/又はIGF(100nM)が細胞に添加され、37℃で5分間インキュベートされる。
【0165】
薬剤処理での細胞活性化:
1)試料は、37℃で30分間、治療に効果的な濃度で、ヘルセプチン(Herceptin)、ラパタニブ(Lapatanib)、タルセバ(Tarceva)、及び/又はラパマイシン(Rapamycin)類縁体で処理される。
2)細胞は、その後、増殖因子TGF−α(100nM)、ヘレグリン(100nM)、及び/又はIGF(100nM)を添加することによって活性化され、37℃で5分間、インキュベートされる。
【0166】
薬剤処理での細胞活性化(フィードバックループ):
1)試料は、37℃で30分間、治療に効果的な濃度で、ヘルセプチン、ラパタニブ、タルセバ、及び/又はラパマイシン類縁体で処理される。
2)細胞は、その後、TGF−α(100nM)、ヘレグリン(100nM)、及び/又はIGF(100nM)によって活性化され、37℃で120分間インキュベートされる。
【0167】
活性化されたCTCが以下のプロトコールを用いて、溶解される:
1)新鮮な溶解緩衝液は、表1に記載された試薬を混合することによって、新たに用意される。
2)最終洗浄後、細胞は、氷上で、100μlの冷却した緩衝液中に再懸濁される。
3)インキュベートが氷上で30分間行われる。
4)混合物は、溶解物からビーズを分離するために、10分間最速でマイクロチューブ中で遠心分離される。
1)溶解物は、分析のため、新しいチューブに移され、−80℃で保存される。
【表1】
【0168】
単離されたCEC及び/又はCEPCの細胞活性化及び溶解:
VEGFは、CEPC(Larriveeら、J.Biol.Chem.,278:22006−22013(2003))及び、血管壁が剥がれ落ちた成熟CEC(Soloveyら、Blood,93:3824−3830(1999))の両方において抗アポトーシス経路を活性化することによって、生存を促進すると考えられている。成熟CECは、CEPCと比較して、限定された増殖能力しか有していないようであるが、VEGFはまた、CEPC又は成熟CECの増殖を促進するかもしれない(Linら、J.Clin.Invest.,105:71−77(2000))。これらの理由のため、CEC及び/又はCEPCは、溶解の前にVEGFとのインキュベートによって活性化される。
【0169】
細胞活性化:
1)増殖因子VEGF,FGF,PDGF,PIGF,及び/又はアンギオポイエチン(angiopoietin)は、各100nMで細胞に添加され、37℃で5分間インキュベートされる。
【0170】
薬剤処理での細胞活性化:
1)試料は、37℃で30分間、治療に効果的な濃度のアバスタチン(Avastin)、ネクサバール(Nexavar)、スーテント(Sutent)及び/又はラパマイシン類縁体で処理される。
2)細胞は、その後、増殖因子VEGF、FGF、PDGF、PIGF、及び/又はアンギオポイエチンを添加することによって活性化され、37℃で5分間インキュベートされる。
【0171】
薬剤処理での細胞活性化(フィードバックループ):
1)試料は、37℃で30分間、治療に効果的な濃度のアバスチン、ネクサバール、スーテント、及び/又はラパマイシン類縁体で処理される。
2)細胞は、その後、VEGF、FGF、PDGF、PIGF、及び/又はアンギオポイエチンを各100nMで添加することによって活性化され、37℃で120分間インキュベートされる。
【0172】
単離されたCEC及び/又はCEPC細胞が以下のプロトコールを用いて溶解される:
1)新鮮な溶解緩衝液が表1に記載された試薬を混合することによって新たに用意される。
2)最終洗浄後、細胞は、氷上で、100μlの冷却された緩衝液に再懸濁される。
3)インキュベートが30分間氷上で行われる。
4)混合物は、溶解物からビーズを分離するために、10分間最速で、マイクロチューブ中で遠心分離される。
5)溶解物は、分析のために新しいチューブに移され、−80℃で保存される。
【0173】
単離されたCSCの細胞活性化及び溶解:
活性化された細胞:
1)増殖因子TGF−α(100nM)、ヘレグリン(10nM)、及び/又はIGF(100nM)が細胞に添加され、37℃で5分間インキュベートされる。
【0174】
薬剤処理で活性化された細胞:
1)試料は、37℃で30分間、治療に効果的な濃度のヘルセプチン、ラパタニブ、タルセバ、及び/又はラパマイシン類縁体で処理される。
2)細胞は、その後、増殖因子TGF−α(100nM)、ヘレグリン(100nM)、及び/又はIGF(100nM)を添加することによって活性化され、37℃で5分間インキュベートされる。
【0175】
薬剤処理で活性化された細胞(フィードバックループ):
1)試料は、37℃で30分間、治療に効果的な濃度のヘルセプチン、ラパタニブ、タルセバ、及び/又はラパマイシン類縁体で処理される。
2)細胞は、その後、増殖因子TGF−α(100nM)、ヘレグリン(100nM)、及び/又はIGF(100nM)を添加することによって活性化され、37℃で120分間インキュベートされる。
【0176】
単離されたCSC細胞は、以下のプロトコールを用いて溶解される:
1)新鮮な溶解緩衝液が表1に記載された試薬を混合することによって新たに用意される。
2)最終洗浄後、細胞は、氷上で、100μlの冷却された緩衝液に再懸濁される。
3)インキュベートが30分間氷上で行われる。
4)混合物は、溶解物からビーズを分離するために、10分間最速で、マイクロチューブ中で遠心分離される。
5)溶解物は、分析のために新しいチューブに移され、−80℃で保存される。
【0177】
(実施例2.チラミドシグナル増幅を有する単一検出サンドイッチELISAを用いた単一細胞検出)
この実施例は、希少循環細胞中の単一の伝達分子の活性状態を分析するために適した、優れたダイナミックレンジを有する、多重、ハイスループットの単一検出サンドイッチELISAを説明する:
1)96穴マイクロタイタープレートは、4℃で一晩、捕捉抗体で覆われた。
2)プレートは、翌日、1時間、2%BSA/TBS−Tweenで遮断(ブロック)された。
3)TBS−Tweenで洗浄後、細胞溶解物又は組み換えタンパク質は、一連の希釈で添加され、室温で2時間インキュベートされた。
4)プレートは、TBS−Tweenで4回洗浄され、その後、室温で2時間、ビオチン標識検出抗体とともにインキュベートされた。
5)検出抗体とのインキュベート後、プレートはTBS−Tweenで4回洗浄され、その後、ストレプトアビジン標識西洋わさびペルオキシダーゼ(SA−HRP)がビオチン標識検出抗体に結合するように、室温で1時間、SA−HRPとインキュベートされた。
6)シグナル増幅のため、ビオチン−チラミドは、0.015%H
2O
2とともに5μg/mlで添加され、15分間反応させられた。
7)TBS−Tweenで6回洗浄後、SA−HRPが添加され、30分間インキュベートされた。
8)TBS−Tweenで6回洗浄後、HRP基質TMBが添加され、色が遮光下で2〜10分間発色させられた。反応は、0.5MH
2SO
4を添加することによって停止された。シグナルは、マイクロプレートリーダーにて450/570nmで走査された。
【0178】
図3は、捕捉抗体及び検出抗体としてEGFRの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体から構成されるELISAを用いたA431細胞中の総EGFRの検出を示す。免疫検出の感度は、ヒトEGFRの細胞の組み換え細胞外ドメインに基づき、約0.25pg/穴であった。計算されたEGFR濃度は、各A431細胞あたり、約0.6pgであった。
【0179】
図4は、捕捉抗体としてのEGFRの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体と、検出抗体としてのリン酸化EGFRに対するビオチン標識モノクローナル抗体と、から構成されるELISAを用いた、A431細胞中のリン酸化EGFRの検出を示す。捕捉抗体の2倍の連続希釈を用いると、捕捉抗体濃度濃度が0.0625μg/mlである時に1細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において1.78倍の増加があったことを示した。
【0180】
図5は、捕捉抗体及び検出抗体としてErBb2の細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体から構成されるELISAを用いたSKBr3細胞中の総ErbB2の検出を示す。免疫分析の検出幅は、約1000細胞と約1.37細胞の間であった。捕捉抗体濃度が、1μg/mlである時に、1.37細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において2.71倍の増加があった。
【0181】
図6は、捕捉抗体としてのErbB2の細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体と、検出抗体としてのリン酸化ErbB2に対するモノクローナル抗体と、から構成されるELISAを用いた、SKBr3細胞中のリン酸化ErBb2の検出を示す。免疫分析の検出幅は、約500細胞と約5細胞の間であった。捕捉抗体濃度が、1μg/mlである時に、5細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において3.03倍の増加があった。
【0182】
図7は、捕捉抗体及び検出抗体としてErk2に対するモノクローナル抗体から構成されるELISAを用いたSKBr3細胞中の総及びリン酸化Erk2の検出を示す。1.37細胞レベルで、総Erk2に関し、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において3.25倍の増加があった。同様に、1.37細胞レベルで、リン酸化Erk2に関し、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において3.17倍の増加があった。
【0183】
(実施例3.チラミドシグナル増幅を有する単一検出マイクロアレイELISAを用いた単一細胞検出)
この実施例は、希少循環細胞中の単一の伝達分子の活性状態を分析するために適した、優れたダイナミックレンジを有する、多重で、ハイスループットの単一検出マイクロアレイELISAを説明する:
1)捕捉抗体は、2倍連続希釈で16パッドFASTスライド(WhatmanInc.;Florham Park,NJ)上に印刷された。
2)一晩乾燥後、スライドは、Whatmanブロッキング緩衝液で遮断(ブロック)された。
3)細胞溶解物80μlが10倍連続希釈で各パッドに添加された。このスライドは、室温で2時間インキュベートされた。
4)TBS−Tweenで6回洗浄後、80μlのビオチン標識検出抗体が、室温で2時間インキュベートされた。
5)6回洗浄後、ストレプトアビジン標識西洋わさびペルオキシダーゼ(SA−HRP)が添加され、SA−HRPがビオチン標識検出抗体に結合するように、1時間インキュベートされた。
6)シグナル増幅のため、5μg/mlのビオチン−チラミド80μlが添加され、15分間反応させられた。このスライドは、TBS−Tweenで6回、20%DMSO/TBS−Tweenで2回、そしてTBSで1回洗浄された。
7)80μlのSA−Alexa555が添加され、30分間インキュベートされた。このスライドは、その後、2回洗浄され、5分間乾燥され、マイクロアレイ検出器(Perkin−Elmer,Inc.;Waltham,MA)で走査された。
【0184】
図8は、捕捉抗体及び検出抗体としてEGFRの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体から構成されるマイクロアレイELISAを用いたA431細胞中の総EGFRの検出を示す。細胞数に基づいた捕捉抗体希釈曲線実験は、このマイクロアレイELISA構成が、希釈系列における様々な捕捉抗体の濃度で約1〜10000細胞中のEGFRを検出する広いダイナミックレンジを有することを示した。捕捉抗体濃度の希釈系列に基づく細胞滴定曲線実験は、EGFRが1細胞から検出され得ることを示した。捕捉抗体濃度が、0.0625mg/mlである時に、1細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において2.11倍の増加があった。
【0185】
図9は、捕捉抗体としてのEGFRの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体と、検出抗体としてのリン酸化EGFRに対するモノクローナル抗体と、から構成されるマイクロアレイELISAを用いた、A431細胞中のリン酸化EGFRの検出を示す。細胞数に基づいた捕捉抗体希釈曲線実験は、このマイクロアレイELISA構成が、希釈系列における様々な捕捉抗体の濃度で約1〜10000細胞中のリン酸化EGFRを検出する広いダイナミックレンジを有することを示した。捕捉抗体濃度の希釈系列に基づく細胞滴定曲線実験は、リン酸化EGFRが1細胞から検出され得ることを示した。捕捉抗体濃度が、0.125mg/mlである時に、1細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において1.33倍の増加があった。
【0186】
図10は、捕捉抗体及び検出抗体としてErBb2の細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体から構成されるマイクロアレイELISAを用いたSKBr3細胞中の総ErBb2の検出を示す。細胞数に基づいた捕捉抗体希釈曲線実験は、このマイクロアレイELISA構成が、その希釈系列における様々な捕捉抗体の濃度で約1〜10000細胞中のErBb2を検出する広いダイナミックレンジを有することを示した。捕捉抗体濃度の希釈系列に基づく細胞滴定曲線実験は、ErBb2が1細胞から検出され得ることを示した。捕捉抗体濃度が、0.125mg/mlである時に、1細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において15.27倍の増加があった。
【0187】
図11は、捕捉抗体としてのErBb2の細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体と、検出抗体としてのリン酸化ErBb2に対するモノクローナル抗体と、から構成されるマイクロアレイELISAを用いた、SKBr3細胞中のリン酸化ErBb2の検出を示す。細胞数に基づいた捕捉抗体希釈曲線実験は、このマイクロアレイELISA構成が、希釈系列における様々な捕捉抗体の濃度で約1〜10000細胞中のErBb2を検出する広いダイナミックレンジを有することを示した。捕捉抗体濃度の希釈系列に基づく細胞滴定曲線実験は、リン酸化ErBb2が1細胞から検出され得ることを示した。捕捉抗体濃度が、0.125mg/mlである時に、1細胞レベルで、バックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)において5.45倍の増加があった。
【0188】
(実施例4.チラミドシグナル増幅を有する近接2重検出マイクロアレイELISAを用いた単一細胞の検出)
この実施例は、希少循環細胞中の単一の伝達分子の活性状態を分析するために適した、優れたダイナミックレンジを有する、多重で、ハイスループットの近接2重検出マイクロアレイELISAを説明する:
1)捕捉抗体は、1mg/mlから0.004mg/mlまでの連続希釈で16パッドFASTスライド(WhatmanInc.)上に印刷された。
2)一晩乾燥後、スライドは、Whatmanブロッキング緩衝液で遮断(ブロック)された。
3)A431細胞溶解物80μlが10倍連続希釈で各パッドに添加された。このスライドは、室温で2時間インキュベートされた。
4)TBS−Tweenで6回洗浄後、TBS−Tween/2%BSA/1%FBS中で希釈された近接分析のための検出抗体80μlがスライドに添加された。使用された検出抗体は:(1)グルコースオキシダーゼ(GO)に直接共役された抗−EGFRモノクローナル抗体;及び(2)西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)に直接共役されたリン酸化EGFRの細胞を認識するモノクローナル抗体、であった。インキュベートは、室温で2時間であった。
5)代替的には、検出工程は、リン酸化EGFRを認識するモノクローナル抗体のビオチン結合体を用いた。これらの例では、6回洗浄後、1時間のストレプトアビジン−HRPとのインキュベートの追加の連続工程が含まれた。
6)代替的には、検出工程は、抗EGFR抗体のオリゴヌクレオチドを介したグルコースオキシダーゼ(GO)結合体を用いた。リン酸化EGFRの細胞へのHRPの直接に結合された又はビオチン−ストレプトアビジン(SA)を介した結合体が用いられた。
6)シグナル増幅のため、5μg/mlのビオチン−チラミド80μlが添加され、15分間反応させられた。このスライドは、TBS−Tweenで6回、20%DMSO/TBS−Tweenで2回、そしてTBSで1回洗浄された。
7)80μlのSA−Alexa555が添加され、30分間インキュベートされた。このスライドは、その後、2回洗浄され、5分間乾燥され、マイクロアレイ検出器(Perkin−Elmer,Inc.)で走査された。
【0189】
図12は、近接2重検出マイクロアレイELISAと単一検出マイクロアレイELISAの比較を示す。表2は、近接2重検出マイクロアレイELISAと単一検出マイクロアレイELISAの感度を示す。各A431細胞濃度に対し、近接及び単一検出の形式でのバックグラウンドに対するシグナル(シグナル/ノイズ比)が示される。表2に示すように、近接2重検出マイクロアレイELISAはさらに、1細胞レベルで約3倍感度が増加した。
【表2】
【0190】
図13は、単一検出マイクロアレイELISAと近接2重検出マイクロアレイELISAの分析感度を示す。単一検出の形式における様々な捕捉抗体濃度でのリン酸化EGFRの滴定曲線を作製した実験は、単一の検出抗体の特異性の欠如のため、高いバックグラウンドを示した。対照的に、近接2重検出の形式における様々な捕捉抗体濃度でのリン酸化EGFRの滴定曲線を作製した実験は、2つの検出抗体間の近接度を検出することによって得られる増加した特異性のため、非常に低いバックグラウンドを示した。
【0191】
(実施例5.アドレズ可能な近接2重検出マイクロアレイを用いた複数のシグナル伝達因子の活性状態の単一細胞検出)
この実施例は、希少循環細胞における複数のシグナル伝達分子の活性状態を解析するために適した優れたダイナミックレンジを有する、多重で、ハイスループットで、アドレス可能な近接2重検出マイクロアレイを説明する:
1)捕捉抗体は、16パッドFASTスライド(WhatmanInc.)上に印刷された。印刷された捕捉抗体は、EGFR、HER2、Erk、Shc、PI3K、及びパン−サイトケラチン(pan−cytokeratin)であった。各捕捉抗体の2倍希釈系列(0.25mg/ml,0.125mg/ml、及び0.0625mg/ml)が使用され、2重及び4重のスポットが各抗体希釈に対して作製された。
2)一晩乾燥後、スライドは、Whatmanブロッキング緩衝液で遮断(ブロック)された。
3)細胞溶解物80μlが10倍連続希釈で各パッドに添加された。このスライドは、室温で2時間インキュベートされた。
4)TBS−Tweenで6回洗浄後、TBS−Tween/2%BSA/1%FBSで希釈された近接分析のための検出抗体80μlがスライドに添加された。使用された検出抗体は、(1)グルコースオキシダーゼ(GO)に直接共役された抗EGFRモノクローナル抗体;及び(2)HRPに直接共役されたリン酸化EGFRを認識するモノクローナル抗体であった。インキュベートは、室温で2時間であった。
5)代替的には、検出工程は、リン酸化EGFRの細胞を認識するモノクローナル抗体のビオチン結合体を用いた。これらの例では、6回洗浄後、1時間ストレプトアビジン−HRPとのインキュベートの追加の連続工程が含まれた。
6)代替的には、検出工程は、抗EGFR抗体のオリゴヌクレオチドを介したグルコースオキシダーゼ共役体を用いた。リン酸化EGFRの細胞へのHRPの直接共役された又はビオチン−ストレプトアビジン(SA)を介した共役体のいずれかが使用された。
7)総HER2及びリン酸化タンパク質を検出するため、工程4)、5)、又は6)がEGFRを認識するモノクローナル抗体の代わりにHER2を認識するモノクローナル抗体を用いて行われた。
8)シグナル増幅のため、5μg/mlのビオチン−チラミド80μlが添加され、15分間反応させられた。このスライドは、TBS−Tweenで6回、20%DMSO/TBS−Tweenで2回、TBSで1回洗浄された。
9)80μlのSA−Alexa555が添加され、30分間インキュベートされた。このスライドは、その後、2回洗浄され、5分間乾燥され、そしてマイクロアレイ検出器(Perkin−Elmer,Inc.)で取り込まれた。
【0192】
図14は、アドレス可能なマイクロアレイの形式の具体的な実施の形態を示す。5つの標的が、特異的な捕捉抗体を介してアドレス可能である(例えば、EGFR、HER2、Shc、Erk、及びPI3K)。Shc,Erk、又はPI3KのEGFR又はHER2いずれかとのリン酸化複合体は、近接2重検出の形式を用いてこの分析で検出され得る。パン−サイトケラチン(PanCK)は、上皮細胞の数に対し標準化するための対照として働く。
【0193】
図15は、活性化されたA431細胞の滴定分析におけるリン酸化Shcレベルの検出を示す。アドレス可能なアレイは、EGFR及びHER2リン酸化に関する情報を同時に提供した。
【0194】
(実施例6.近接2重検出マイクロアレイのダイナミックレンジの拡張)
この実施例は、希少循環細胞におけるシグナル伝達分子の活性状態を分析するためのダイナミックレンジが、多重、ハイスループットな、近接2重検出マイクロアレイ分析における捕捉抗体の希釈系列化を行うことによって増大され得ることを説明する:
1)捕捉抗体は、16パッドFASTスライド(WhatmanInc.)上に印刷された。各捕捉抗体は、全部で9つの濃度のために連続的に2倍に希釈された(1mg/mlで開始し;0.004mg/mlで終了する)。
2)一晩乾燥後、スライドは、Whatmanブロッキング緩衝液で遮断(ブロック)された。
3)細胞溶解物80μlが10倍連続希釈で各パッドに添加された。このスライドは、室温で2時間インキュベートされた。
4)TBS−Tweenで6回洗浄後、TBS−Tween/2%BSA/1%FBSに希釈された近接分析のための検出抗体80μlがスライドに添加され亜。使用された検出抗体は:(1)グルコースオキシダーゼ(GO)に直接共役された抗EGFRモノクローナル抗体;及び(2)HRPに直接共役されたリン酸化EGFRを認識するモノクローナル抗体であった。インキュベートは、室温で2時間であった。
5)代替的には、検出工程は、リン酸化EGFRを認識するモノクローナル抗体のビオチン結合体を用いた。これらの例では、6回洗浄後、1時間ストレプトアビジン−HRPとのインキュベートの追加の連続工程が含まれた。
6)代替的には、検出工程は、抗EGFR抗体のオリゴヌクレオチド抗体のオリゴヌクレオチドを介したグルコースオキシダーゼ結合体を用いた。リン酸化EGFRの細胞へのHRPの直接結合された又はビオチン−ストレプトアビジン(SA)を介した結合体のいずれかが使用された。
7)シグナル増幅のため、5μg/mlのビオチン−チラミド80μlが添加され、15分間反応させられた。このスライドは、TBS−Tweenで6回、20%DMSO/TBS−Tweenで2回、TBSで1回洗浄された。
8)80μlのSA−Alexa555が添加され、30分間インキュベートされた。このスライドは、その後、2回洗浄され、5分間乾燥され、そしてマイクロアレイ検出器(Perkin−Elmer,Inc.)で取り込まれた。
【0195】
図16は、抗EGFR捕捉抗体の希釈曲線を示す。アドレス可能な分析を用いて、リン酸化及び総EGFRの検出は、活性化されたA431細胞にとって単一細胞レベルであった。この分析のダイナミックレンジは、5対数よりも大きかった。各個々の曲線は、約2対数のダイナミックレンジを有するが、そのダイナミックレンジは、6つの情報を与える曲線からの情報が組み合わせられると、非常に高められた。
【0196】
(実施例7.抗体へのオリゴヌクレオチド共役)
この実施例は、オリゴヌクレオチド結合抗体又は酵素を生成するための共役及び品質制御過程を説明する。
【0197】
結合:
1)72塩基のオリゴヌクレオチドリンカーが5’−SH基と6−炭素スペーサーとともに合成された。
2)凍結乾燥されたオリゴヌクレオチドリンカーは、pH7.4、20mMのTris−HClに溶解される。125nmolのリンカーは、その後、室温で2時間、終濃度50mMで、0.5MのTCEP−HCl(Pierce;Rockford,IL)と処理された。反応混合物中のトリス、TCEP、及び非結合リンカーは、脱塩回転カラムを用いて除かれた。
3)結果として生じた脱保護オリゴヌクレオチドリンカーは、100μl反応容量中で、SMCCのようなヘテロ二官能性架橋剤を用いて標的タンパク質の第1アミンに結合させられた。
4)反応混合物は、室温で2時間インキュベートされた。オリゴヌクレオチド結合抗体又は酵素は、SephacrylS−200 HRカラム(GE Healthcare;Piscataway,NJ).を用いたゲルフィルターろ過を用いて精製された。
【0198】
結合条件:
1)グルコースオキシダーゼ(GO)分子が第1のオリゴヌクレオチドリンカーに結合された後、結果として生じたGO−オリゴヌクレオチドの3つの画分が精製後に回収され、10倍希釈系列で、ニトロセルロースで覆われたスライド上に印刷された。
2)IgGは、Alexa647及び第1のオリゴヌクレオチドリンカーに相補する配列を有する第2のオリゴヌクレオチドリンカーに結合された。結果として生じたAlexa647−オリゴヌクレオチドが結合した抗体は、チップ上に添加され、1倍濃度PBS緩衝液中、室温で1時間ハイブリダイズされ、そして数回洗浄された。
3)スライドは、乾燥され、そして核酸配列特異的なハイブリダイゼーションを確認するために、マイクロアレイ検出器で走査された。
4)グルコースオキシダーゼ酵素分析は、共役の過程が酵素の機能を変えていないことを確認した。
【0199】
図17は、Alexa647−オリゴヌクレオチドが結合した抗体が画分13〜15においてGO−オリゴヌクレオチドに対する最も高い結合親和性を有したことを示す。
【0200】
(実施例8.全ての及びリン酸化EGFRの同時検出のためのオリゴヌクレオチド結合抗体)
この実施例は、実施例7で記載したオリゴヌクレオチド結合体を用いた希少循環細胞中のシグナル伝達分子の活性状態を分析するための、多重で、ハイスループットなマイクロアレイ分析を説明する。
1)捕捉抗体は、16パッドFASTスライド(WhatmanInc.)上に印刷された。
2)一晩乾燥後、スライドは、Whatmanブロッキング緩衝液で遮断(ブロック)された。
3)細胞溶解物80μlが10倍連続希釈で各パッドに添加された。空井度は、室温で2時間インキュベートされた。
4)TBS−Tweenで6回洗浄後、TBS−Tween/2%BSA/1%FBSに希釈された近接分析のための検出抗体80μlがスライドに添加された。使用された検出抗体は:(1)Alexa647と、及びグルコースオキシダーゼ(GO)に共役されたオリゴヌクレオチドに相補する配列から構成されるオリゴヌクレオチドリンカーと、に直接共役された抗−EGFRモノクローナル抗体;及び(2)西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)に直接共役されたリン酸化EGFRを認識するモノクローナル抗体、であった。Alexa647−オリゴヌクレオチド結合抗EGFR抗体は、
図18に示された複合体を形成するため、GO−オリゴヌクレオチドと接触した。過剰な非結合試薬はTBS−Tweenで6回洗浄することによって除去された。
5)グルコースは、その後、チラミド−Alexa555とともに反応に添加された。
6)総EGFR量は、Alexa647−オリゴヌクレオチド−結合抗EGFR抗体の直接結合によって検出された。リン酸化EGFRは、HRP共役抗p−EGFR抗体へのGO−オリゴヌクレオチドの隣接共役によって検出され、チラミドシグナル増幅によって可視化された。
7)スライドは、マイクロアレイ検出器(Perkin−Elmer,Inc.)で、Alexa647及びAlexa555に特異的なレーザーで走査された。
【0201】
図19は、総EGFR及びリン酸化EGFRの同時検出を示す。総EGFR及びリン酸(t−EGFR)は、少なくとも10細胞から直接結合分析によって検出され、そしてリン酸化EGFR(p−EGFR)は、1細胞から検出された。10e
5のp−EGFR分子が近接シグナル増幅方法で検出された。p−EGFRの検出限界は、近接分析形式を用いることによって100倍以上増加した。
【0202】
(実施例9.乳癌患者における循環腫瘍細胞(CirculatingTumor Cell)(CTC)シグナル伝達の検出)
マイクロアレイの作製及び処理工程は、Chanら、Nat.Med.,10:1390−1396(2004)に記載の方法から適応される。シグナル伝達因子EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、IGF−1R、Akt、Erk、p70S6K、Bad、Rsk、Mek、cSrc、サイトケラチン、チューブリン、β−アクチン(β−actin)に対する抗体(1mg/ml)、及び抗−マウス抗体(陽性対照)(4/4アレイ)は、FAST(登録商標)スライド(WhatmanInc.;Florham Park,NJ)に抗体をスポットするための固相スポッティングピンで適合された密接印刷ロボットマイクロアレイ作製機(Bio−Rad Laboratories;Hercules,CA)を用いて384穴ポリプロピレンプレート(50μl/穴)に移される。8分割されたパッドで覆われたスライドが使用される。印刷後、スライドは、3%カゼイン溶液で遮断(ブロック)される。スライドは、使用前に乾燥条件下で少なくとも一晩保存される。
【0203】
患者選択基準、試料準備方法、及び調査設計は、疑わしい乳癌の女性における循環腫瘍細胞を評価する開示された調査(例えば、Wulfingら、Clin.CancerRes.,12:1715−1720(2006);及びReinholzら、Clin.Cancer Res.,11:3722−3732(2005)を参照)から適応される。画像化で検出された胸部異常を有し、胸部生検を受ける予定の女性は、この調査を提案される。原発性の乳癌と診断された、少なくとも42の患者が含まれる。少なくとも35の患者は、最初の診断の時に顕性転移の兆候を有していない。少なくとも7の患者は、診断時に遠部の転移を有し、陽性参照集団と見なされる。全ての患者は、以前に癌の病歴を有していない。年齢及び治療情報(例えば、外科治療、化学療法、放射線治療、内分泌療法、等)は、各患者について収集される。約20mlの血液が各患者から回収され、全ての血液試料は、一意的な識別番号を割り当てられる。全ての分析は、生検の結果を知らない臨床検査医によって行われた。
【0204】
末梢血液(18ml)が、AccuspinHistopaque−1077システム(Sigma Aldrich;St.Louis,MO)に添加され、Beckman CS−6R卓上遠心機(Beckman Instruments;PaloAlto,CA)を用いて1500rpmで10分間、遠心分離される。単核細胞層が除去され、PBSで2回洗浄され、PBS/0.1%ウシ血清アルブミンで1mlに希釈される。上皮細胞は、製造元の指示に従い、ダイナビーズ上皮濃縮(DynabeadsEpithelial Enrich)キット(Dynal AS;Oslo,Norway)を用いて磁気ビーズに付着されたBer−EP4に対する抗体を用いた免疫磁気捕獲によって濃縮される。細胞は、1時間、揺り動かされている間、20mlの容量で1〜107ビーズと混合される。Ber−EP4抗体は、扁平上皮細胞の表層、幹細胞、及び壁細胞を除く、上皮細胞の表面及び細胞質の2つの糖タンパク質を認識する。懸濁液は、少なくとも6分間磁石上に置かれ、その上清は、注意深く除去される。磁気ビーズに付着した細胞は、1mlのPBS/0.1%ウシ血清アルブミンで3回洗浄される。増殖因子TGF−α(100nM)、ヘレグリン(100nM)、及びIGF(100nM)は、細胞に添加され、37℃で5分間インキュベートされる。細胞は、遠心分離され、キットで供給された溶解結合緩衝液で溶解される。溶解された細胞懸濁(付着したビーズを含む)は、処理されるまで80℃で保存される。
【0205】
分析方法1:溶解物(40μl)は、アレイに添加され、一晩インキュベートされ、そして、洗浄緩衝液で3回洗浄される。シグナル伝達因子各々に対する、HRP標識(例えば、Kuhlmann,ImmunoEnzyme Techniques,Verlag Chemie,Weinheim,pp1−162(1984)に記載されたように共役された)抗−リン酸抗体及びグルコースオキシダーゼで標識された(上記のKuhlmannの文献に記載されたように結合された)抗−総抗体(即ち活性状況非依存的)がアレイに添加され、2時間インキュベートされ、そして洗浄緩衝液で3回洗浄される。チラミド試薬(MolecularProbes)及びグルコースが添加され、そして反応は、1時間行われ、そして3回洗浄される。アレイは、30分間、ストレプトアビジン−HRPとインキュベートされ、洗浄され、増感ルミノール(MolecularProbes)を用いて顕わにさせられる。シグナルは、CCDカメラを用いて検出される。
【0206】
分析方法2:2,4−ジニトロフェノール(DNP)に対する抗体(lmg/ml)は、FAST(登録商標)スライド(WhatmanInc.;Florham Park,NJ)に抗体をスポットするための固相スポッティングピンで適合された密接印刷ロボットマイクロアレイ作製機(Bio−Rad Laboratories;Hercules,CA)を用いて384穴ポリプロピレンプレート(5μl/穴)に移される。8分割されたパッドで覆われたスライドが使用される。印刷後、スライドは、3%カゼイン溶液で遮断(ブロック)される。スライドは、使用前に乾燥条件下で少なくとも一晩保存される。
【0207】
溶解物(40μl)は、上記のシグナル伝達因子各々に対する総DNP標識抗体及びオリゴ(Oligo)及びAlexaFluor(商標登録)647で標識された抗−リン酸抗体と混合され、オリゴ及びAlexaFluor(商標登録)647で標識された抗−総抗体は、抗−DNP抗体に添加され、一晩インキュベートされ、洗浄緩衝液で3回洗浄される。2,4−ジニトロリジン(MolecularProbes)は、抗−DNP抗体から免疫複合体を放出するために添加される。放出された免疫複合体は、ジップコードアレイ(例えば、Keramasら、Lab Chip,4:152−158(2004);及びDelrio−Lafreniereら、Diagn.Microbiol.Infect.Dis.,48:23−31(2004)を参照)に添加され、一晩インキュベートされる。アレイは、3回洗浄され、処理されたスライドは、GenePix4000Aマイクロアレイスキャナー(AxonScanner)を用いて10ミクロンの解像度で走査される。
【0208】
(実施例10.乳癌患者における循環内皮細胞(CirculatingEndothelial Cell)(CEC)及び循環内皮前駆細胞(Circulating Endothelial Precursor Cell)(CEP)の検出)
CEC及びCEP細胞が、磁気ダイナビーズに付着したモノクローナル抗体P1H12又はCD146を用いた免疫磁気捕獲によって濃縮されることを除いて、実施例9で記載された同一の患者試料、使用準備、及び分析方法が使用される。マイクロアレイは、配置された抗体が以下の分析物に特異的であることを除いて、実施例9に記載の方法を用いて作製され、処理される:VEGFR1,VEGFR2,VEGFR3,TIE1,TIE2,PDGFR−α,PDGFR−β,FGFR1,FGFR2,Akt,Erk,p70S6K,Rsk,cSrc、及びβ−アクチン。実施例9に記載の分析方法は、CEC及びCEPシグナル伝達を検出するために用いられる。
【0209】
本明細書中で引用された全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願それぞれが、特異的に及び個々に参照によって取り込まれると示されるように、本明細書中で参照として取り込まれる。上述の発明は、理解の明確化の目的のため、図示及び例によって、多少詳しく述べられているが、この発明の示唆を踏まえて、添付の請求の範囲の精神又は範囲から離れることなく任意の変化及び改変がそれになされてもよいことは、当業者には容易に明らかである。
【0210】
さらなる実施形態は以下の通りである。
1.優れたダイナミックレンジを有する、多重で、ハイスループットな免疫分析を行うための方法であって、
前記方法は、
(a)複数の捕捉された分析物を形成するために、細胞抽出物を、前記細胞抽出物中の一つ又はそれ以上の分析物に特異的な、複数の希釈系列の捕捉抗体とインキュベートする工程であって、
前記捕捉抗体が、固相担体に拘束されている、ことを特徴とする工程;
(b)複数の検出可能な捕捉された分析物を形成するために、前記複数の捕捉された分析物を、前記対応する分析物に特異的な検出抗体とインキュベートする工程であって、
前記検出抗体は、
(1)促進部分で標識された複数の活性状態非依存抗体、及び
(2)シグナル増幅対の第一の構成因子で標識された複数の活性状態依存抗体、
から構成され、
前記促進部分は、前記シグナル増幅対の前記第一の構成因子に方向付けられ且つ前記第一の構成因子と反応する酸化剤を生成する、ことを特徴とする工程;
(c)増幅されたシグナルを生成するために、前記複数の検出可能な捕捉された分析物を前記シグナル増幅対の第二の構成因子とインキュベートする工程;及び
(d)前記シグナル増幅対の前記第一及び第二の構成因子から生じた前記増幅されたシグナルを検出する工程、
を備える、ことを特徴とする免疫分析方法。
2.前記細胞抽出物が、固形腫瘍の循環細胞の抽出物から構成される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
3.前記細胞が免疫磁気分離法によって患者試料から単離される、ことを特徴とする実施形態2に記載の免疫分析方法。
4.前記患者試料が、全血、血清、血漿、尿、痰、気管支洗浄液、涙、乳頭吸引液、リンパ液、唾液、細針吸引物、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態3に記載の免疫分析方法。
5.前記単離された細胞が、循環腫瘍細胞、循環内皮細胞、循環内皮前駆細胞、癌幹細胞、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態3に記載の免疫分析方法。
6.前記単離された細胞が、インビトロにおいて増殖因子で刺激される、ことを特徴とする実施形態3に記載の免疫分析方法。
7.前記単離された細胞が、増殖因子の刺激の前に抗癌剤とインキュベートされる、ことを特徴とする実施形態6に記載の免疫分析方法。
8.前記抗癌剤が、モノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態7に記載の免疫分析方法。
9.前記単離された細胞が、前記細胞抽出物を作製するために、増殖因子の刺激の後に、溶解される、ことを特徴とする実施形態6に記載の免疫分析方法。
10.前記一つ又はそれ以上の分析物が、複数のシグナル伝達分子から構成される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
11.前記固相担体が、ガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
12.前記活性状態非依存抗体がさらに、検出可能な部分を備える、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
13.前記検出可能な部分が、フルオロフォアである、ことを特徴とする実施形態12に記載の免疫分析方法。
14.前記検出可能な部分の量が、一つ又はそれ以上の前記分析物の量と相関関係にある、ことを特徴とする実施形態12に記載の免疫分析方法。
15.前記活性状態非依存抗体が、チャネリング部分で直接標識される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
16.前記活性状態非依存抗体が、前記活性状態非依存抗体に共役されたオリゴヌクレオチドと前記チャネリング部分に共役された相補オリゴヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションを介して前記チャネリング部分で標識される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
17.前記活性状態依存抗体が、前記シグナル増幅対の第一の構成因子で直接標識される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
18.前記活性状態依存抗体が、前記活性状態依存抗体に共役された結合対の第一の構成因子と前記シグナル増幅対の第一の構成因子に共役された前記結合対の第二の構成因子との間の結合を介して前記シグナル増幅対の第一の構成因子で標識される、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
19.前記結合対の前記第一の構成因子がビオチンである、ことを特徴とする実施形態18に記載の免疫分析方法。
20.前記結合対の前記第二の構成因子がストレプトアビジンである、ことを特徴とする実施形態18に記載の免疫分析方法。
21.前記チャネリング部分がグルコースオキシダーゼである、ことを特徴とする実施形態1に記載の免疫分析方法。
22.前記酸化剤が過酸化水素(H
2O
2)である、ことを特徴とする実施形態21に記載の免疫分析方法。
23.前記シグナル増幅対の前記第一の構成因子がペルオキシダーゼである、ことを特徴とする実施形態22に記載の免疫分析方法。
24.前記ペルオキシダーゼが西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)である、ことを特徴とする実施形態23に記載の免疫分析方法。
25.前記シグナル増幅対の前記第二の構成因子がチラミド試薬である、ことを特徴とする実施形態23に記載の免疫分析方法。
26.前記チラミド試薬がビオチン−チラミドである、ことを特徴とする実施形態25に記載の免疫分析方法。
27.前記増幅されたシグナルが、活性型チラミドを生産するための前記ビオチン−チラミドのペルオキシダーゼ酸化によって生成される、ことを特徴とする実施形態26に記載の免疫分析方法。
28.前記活性型チラミドが直接検出される、ことを特徴とする実施形態27に記載の免疫分析方法。
29.前記活性型チラミドが、シグナル検出試薬の添加で検出される、ことを特徴とする実施形態27に記載の免疫分析方法。
30.前記シグナル検出試薬が、ストレプトアビジン標識フルオロフォアである、ことを特徴とする実施形態29に記載の免疫分析方法。
31.前記シグナル検出試薬が、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ及び発色試薬の組み合わせである、ことを特徴とする実施形態29に記載の免疫分析方法。
32.前記発色試薬が、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である、ことを特徴とする実施形態31に記載の免疫分析方法。
33.細胞抽出物中の一つ又はそれ以上の分析物に特異的な、複数の希釈系列の捕捉抗体から構成される、優れたダイナミックレンジを有するアレイであって、前記捕捉抗体が固相担体に拘束される、ことを特徴とするアレイ。
34.前記細胞抽出物が、固形腫瘍の循環細胞の抽出物から構成される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
35.前記細胞が、免疫磁気分離法によって患者試料から単離される、ことを特徴とする実施形態34に記載のアレイ。
36.前記患者試料が、全血、血清、血漿、尿、痰、気管支洗浄液、涙、乳頭吸引液、リンパ液、唾液、細針吸引物、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態35に記載のアレイ。
37.前記単離された細胞が、循環腫瘍細胞、循環内皮細胞、循環内皮前駆細胞、癌幹細胞、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態35に記載のアレイ。
38.前記単離された細胞が、インビトロにおいて増殖因子で刺激される、ことを特徴とする実施形態35に記載のアレイ。
39.前記単離された細胞が、増殖因子の刺激の前に、抗癌剤とインキュベートされる、ことを特徴とする実施形態38に記載のアレイ。
40.前記抗癌剤が、モノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態39に記載のアレイ。
41.前記単離された細胞が、前記細胞抽出物を作製するために、増殖因子の刺激の後に、溶解される、ことを特徴とする実施形態38に記載のアレイ。
42.前記一つ又はそれ以上の分析物が、複数のシグナル伝達分子から構成される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
43.前記固相担体が、ガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
44.各希釈系列が少なくとも3つの下降する捕捉抗体濃度から構成される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
45.各希釈系列が少なくとも6つの下降する捕捉抗体濃度から構成される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
46.各希釈系列における前記捕捉抗体が少なくとも2倍で連続的に希釈される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
47.前記一つ又はそれ以上の分析物が、約1細胞中で検出される、ことを特徴とする実施形態33に記載のアレイ。
48.優れたダイナミックレンジを有し、多重で、ハイスループットな免疫分析を行うための方法であって、
前記方法は、
(a)複数の捕捉された分析物を形成するために、細胞抽出物を、前記細胞抽出物中の一つ又はそれ以上の分析物に特異的な、複数の希釈系列の捕捉抗体とインキュベートする工程であって、前記捕捉抗体が固相担体に拘束されている、ことを特徴とする工程;
(b)複数の検出可能な捕捉された分析物を形成するために、前記複数の捕捉された分析物を、前記対応する分析物に特異的な検出抗体とインキュベートする工程;
(c)増幅されたシグナルを生成するために、前記複数の検出可能な捕捉された分析物を、シグナル増幅対の第一及び第二の構成因子とインキュベートする工程;及び
(d)前記シグナル増幅対の前記第一及び第二の構成因子から生じた増幅されたシグナルを検出する工程、
を備える、ことを特徴とする免疫分析方法。
49.前記細胞抽出物が、固形腫瘍の循環細胞の抽出物から構成される、ことを特徴とする実施形態48に記載の免疫分析方法。
50.前記細胞が、免疫磁気分離法によって患者試料から単離される、ことを特徴とする実施形態49に記載の免疫分析方法。
51.前記患者試料が、全血、血清、血漿、尿、痰、気管支洗浄液、涙、乳頭吸引液、リンパ液、唾液、細針吸引物、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態50に記載の免疫分析方法。
52.前記単離された細胞が、循環腫瘍細胞、循環内皮細胞、循環内皮前駆細胞、癌幹細胞、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態50に記載の免疫分析方法。
53.前記単離された細胞が、インビトロにおいて増殖因子で刺激される、ことを特徴とする実施形態50に記載の免疫分析方法。
54.前記単離された細胞が、増殖因子の刺激の前に抗癌剤とインキュベートされる、ことを特徴とする実施形態53に記載の免疫分析方法。
55.前記抗癌剤が、モノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態54に記載の免疫分析方法。
56.前記単離された細胞が、前記細胞抽出物を生成するために、増殖因子の刺激の後に、溶解される、ことを特徴とする実施形態53に記載の免疫分析方法。
57.前記一つ又はそれ以上の分析物が、複数のシグナル伝達分子から構成される、ことを特徴とする実施形態48に記載の免疫分析方法。
58.前記固相担体が、ガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせから構成される集団から選択される、ことを特徴とする実施形態48に記載の免疫分析方法。
59.前記検出抗体が、結合対の第一の構成因子から構成される、ことを特徴とする実施形態48に記載の免疫分析方法。
60.前記結合対の前記第一の構成因子がビオチンである、ことを特徴とする実施形態59に記載の免疫分析方法。
61.前記シグナル増幅対の前記第一の構成因子が、前記結合対の第二の構成因子から構成される、ことを特徴とする実施形態48に記載の免疫分析方法。
62.前記結合対の前記第二の構成因子が、ストレプトアビジンである、ことを特徴とする実施形態61に記載の免疫分析方法。
63.前記シグナル増幅対の前記第一の構成因子がペルオキシダーゼであることを特徴とする実施形態61に記載の免疫分析方法。
64.前記ペルオキシダーゼが西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)である、ことを特徴とする実施形態63に記載の免疫分析方法。
65.前記シグナル増幅対の前記第二の構成因子がチラミド試薬である、ことを特徴とする実施形態63に記載の免疫分析方法。
66.前記チラミド試薬がビオチン−チラミドである、ことを特徴とする実施形態65に記載の免疫分析方法。
67.前記増幅されたシグナルが、活性型チラミドを作製するための前記ビオチン−チラミドのペルオキシダーゼ酸化によって生成される、ことを特徴とする実施形態66に記載の免疫分析方法。
68.前記活性型チラミドが直接検出される、ことを特徴とする実施形態67に記載の免疫分析方法。
69.前記活性型チラミドが、シグナル検出試薬の添加で検出される、ことを特徴とする実施形態67に記載の免疫分析方法。
70.前記シグナル検出試薬が、ストレプトアビジン標識フルオロフォアである、ことを特徴とする実施形態69に記載の免疫分析方法。
71.前記シグナル検出試薬が、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ及び発色試薬の組み合わせである、ことを特徴とする実施形態69に記載の免疫分析方法。
72.前記発色試薬が、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である、ことを特徴とする実施形態71に記載の免疫分析方法。