特許第5722316号(P5722316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722316
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】現金管理システムおよび現金管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20150430BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   G06Q40/02 110
   G06Q40/02 102
   G07D9/00 451Z
   G07D9/00 461Z
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-514660(P2012-514660)
(86)(22)【出願日】2010年5月14日
(86)【国際出願番号】JP2010058216
(87)【国際公開番号】WO2011142034
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2012年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 康浩
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−082183(JP,A)
【文献】 特開2009−129130(JP,A)
【文献】 特開2005−275805(JP,A)
【文献】 特開2008−242781(JP,A)
【文献】 特開2008−037589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00〜50/34
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金処理装置間における現金移動を管理する現金管理システムであって、
現金の移動元となる現金処理装置である移動元現金処理装置は、
装置外へ回収される現金を受ける現金取出部と、
前記現金取出部が受けた回収現金を計数することによって回収現金計数データを生成する第1の計数処理部と、
前記回収現金計数データ及び現金が回収された旨を示すステータス情報を、前記回収現金を現金収容カセットに収納して運搬する現金移動担当の係員が前記現金収容カセットとは別に携帯する可搬型記憶媒体へ書き込む第1のデータ書込処理部と
を備え、
前記回収現金の移動先となる現金処理装置である移動先現金処理装置は、
前記回収現金を受ける現金投入部と、
前記現金投入部が受けた前記回収現金を計数することによって投入現金計数データを生成する第2の計数処理部と、
前記可搬型記憶媒体から前記回収現金計数データを読み出すデータ読出処理部と、
前記データ読出処理部によって読み出された前記回収現金計数データと前記投入現金計数データとを対比する対比処理部と、
前記対比処理部による対比結果に基づいて、前記可搬型記憶媒体に書き込まれた前記ステータス情報を、前記移動元現金処理装置で回収された現金が入金された旨を示す情報に更新する第2のデータ書込処理部と
を備えたことを特徴とする現金管理システム。
【請求項2】
前記移動先現金処理装置は、
前記対比処理部によって前記回収現金計数データと前記投入現金計数データとの不一致が検出された場合に、当該不一致が検出された旨を報知する報知処理部
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項3】
前記可搬型記憶媒体には、個人を特定する個人識別子が予め記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項4】
前記移動元現金処理装置は、
前記個人識別子に対応する認証情報を記憶する第1の記憶部と、
前記可搬型記憶媒体に記憶された前記個人識別子および前記第1の記憶部に記憶された前記認証情報に基づく認証を行う第1の認証処理部と
をさらに備え、
前記第1のデータ書込処理部は、
前記第1の認証処理部が前記認証に成功した場合にのみ、前記回収現金計数データを前記可搬型記憶媒体へ書き込むことを特徴とする請求項3に記載の現金管理システム。
【請求項5】
前記移動先現金処理装置は、
前記個人識別子に対応する認証情報を記憶する第2の記憶部と、
前記可搬型記憶媒体に記憶された前記個人識別子および前記第2の記憶部に記憶された前記認証情報に基づく認証を行う第2の認証処理部と、
前記第2の認証処理部が前記認証に失敗した場合に、当該認証に失敗した旨を報知する報知処理部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の現金管理システム。
【請求項6】
前記可搬型記憶媒体は、
書き換え可能なメモリを備えたカードであることを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項7】
前記回収現金計数データおよび前記投入現金計数データは、
前記回収現金の合計金額を含むことを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項8】
前記回収現金計数データおよび前記投入現金計数データは、
前記回収現金における金種毎の金額をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項9】
前記現金収容カセットは、前記現金取出部および前記現金投入部として、前記現金処理装置に対して着脱可能なカセットであることを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項10】
前記第1のデータ書込処理部は、
前記移動元現金処理装置を識別する識別子を前記可搬型記憶媒体へ書き込むことを特徴とする請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項11】
現金処理装置間における現金移動を管理する現金管理方法であって、
現金の移動元となる現金処理装置を示す移動元現金処理装置は、
装置外へ回収される現金を示す回収現金を計数することによって回収現金計数データを生成する第1の計数処理工程と、
前記回収現金計数データ及び現金が回収された旨を示すステータス情報を、前記回収現金を現金収容カセットに収納して運搬する現金移動担当の係員が前記現金収容カセットとは別に携帯する可搬型記憶媒体へ書き込む第1のデータ書込処理工程と
を実行し、
前記回収現金の移動先となる現金処理装置を示す移動先現金処理装置は、
前記回収現金を計数することによって投入現金計数データを生成する第2の計数処理工程と、
前記可搬型記憶媒体から前記回収現金計数データを読み出すデータ読出工程と、
前記データ読出工程で読み出された前記回収現金計数データと前記投入現金計数データとを対比する対比処理工程と、
前記対比処理工程による対比結果に基づいて、前記可搬型記憶媒体に書き込まれた前記ステータス情報を、前記移動元現金処理装置で回収された現金が入金された旨を示す情報に更新する第2のデータ書込処理工程と
を実行することを特徴とする現金管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金処理装置間における現金移動を管理する現金管理システムおよび現金管理方法に関し、特に、コストを抑制しつつ確実な現金管理を行うことができる現金管理システムおよび現金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店や物品小売店等の店舗では、POS(Point Of Sale)レジスタと入出金機(釣銭機)とが連動したPOSシステムが導入されている。また、大規模な店舗では、複数のPOSシステムが導入されており、1日の営業が終了した際には、各レジスタの締め作業が行われ、店内の売り上げを一括管理するバックヤードと呼ばれる場所にすべてのレジスタ内の現金が集められる。そして、バックヤードでは、集められた現金が精査され、日々の売上などが集計される。
【0003】
さらに、売上金のうち、翌日の営業に利用される釣銭準備金以外の余剰金は、店内から店外へと回収される。ここで、余剰金の回収は、安全面への配慮から現金専用の運搬や警備を行う警送会社が利用されることが多くなってきている。
【0004】
かかる警送会社では、各店舗から回収された現金を警送会社の現金センターへ運搬したうえで管理し、現金を精査した後に、各店舗の銀行口座へ売上金に対応した金額を振り込む等の処理を行っている。
【0005】
ここで、現金の回収は、人手を介して行われるため、現金紛失等のトラブルが起きないように配慮する必要がある。たとえば、特許文献1には、各店舗と現金センターとを通信回線で結んだ現金管理システムが開示されている。具体的には、特許文献1では、店舗側の入金機と警送会社の現金センターとを通信回線で接続し、店舗側の入金機に現金が入金されると現金を計数して入金データを生成する。そして、入金データは現金センターへ送信され、現金センター側では、受信した入金データに基づいて各店舗の銀行口座に対する振り込み処理が行われる。
【0006】
また、特許文献2には、各入金機と本店等に設けられたサーバ装置とを通信回線で接続し、各店舗の入金機および各店舗の入金額(売上金)を一括して管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−16691号公報
【特許文献2】特開2003−308375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2に開示された技術は、各店舗に設けられた入金機と、現金センターあるいは本店に設けられたサーバ装置等とを通信回線で結ぶ必要があり、システムを導入する際のイニシャルコストが増大するという問題がある。また、売上データの漏えいを防止する観点から、通信回線として専用回線が用いられることも多く、ランニングコストが増大するという問題もある。
【0009】
また、店舗内におけるレジスタ/入金機間の現金移動はレジ担当者や店舗内の管理者によって行われ、各店舗の入金機/警送会社の現金センター間の現金移動は警送会社の社員によって行われるため、回収された現金額と現金データとの間に不一致があった場合、どの段階で不一致が発生したかを追跡調査するには多大な労力を必要とする。
【0010】
これらのことから、コストを抑制しつつ確実な現金管理を行うことができる現金管理システムや現金管理方法をいかにして実現するかが大きな課題となっている。なお、本課題は、現金管理システムに用いられる入出金機等の現金処理装置に関しても同様に発生する課題である。
【0011】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、コストを抑制しつつ確実な現金管理を行うことができる現金管理システムおよび現金管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、現金処理装置間における現金移動を管理する現金管理システムであって、現金の移動元となる現金処理装置である移動元現金処理装置は、装置外へ回収される現金を受ける現金取出部と、前記現金取出部が受けた回収現金を計数することによって回収現金計数データを生成する第1の計数処理部と、前記回収現金計数データ及び現金が回収された旨を示すステータス情報を、前記回収現金を現金収容カセットに収納して運搬する現金移動担当の係員が前記現金収容カセットとは別に携帯する可搬型記憶媒体へ書き込む第1のデータ書込処理部とを備え、前記回収現金の移動先となる現金処理装置である移動先現金処理装置は、前記回収現金を受ける現金投入部と、前記現金投入部が受けた前記回収現金を計数することによって投入現金計数データを生成する第2の計数処理部と、前記可搬型記憶媒体から前記回収現金計数データを読み出すデータ読出処理部と、前記データ読出処理部によって読み出された前記回収現金計数データと前記投入現金計数データとを対比する対比処理部と、前記対比処理部による対比結果に基づいて、前記可搬型記憶媒体に書き込まれた前記ステータス情報を、前記移動元現金処理装置で回収された現金が入金された旨を示す情報に更新する第2のデータ書込処理部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動先現金処理装置は、前記対比処理部によって前記回収現金計数データと前記投入現金計数データとの不一致が検出された場合に、当該不一致が検出された旨を報知する報知処理部をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記可搬型記憶媒体には、個人を特定する個人識別子が予め記憶されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動元現金処理装置は、前記個人識別子に対応する認証情報を記憶する第1の記憶部と、前記可搬型記憶媒体に記憶された前記個人識別子および前記第1の記憶部に記憶された前記認証情報に基づく認証を行う第1の認証処理部とをさらに備え、前記第1のデータ書込処理部は、前記第1の認証処理部が前記認証に成功した場合にのみ、前記回収現金計数データを前記可搬型記憶媒体へ書き込むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記移動先現金処理装置は、前記個人識別子に対応する認証情報を記憶する第2の記憶部と、前記可搬型記憶媒体に記憶された前記個人識別子および前記第2の記憶部に記憶された前記認証情報に基づく認証を行う第2の認証処理部と前記第2の認証処理部が前記認証に失敗した場合に、当該認証に失敗した旨を報知する報知処理部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記の発明において、前記可搬型記憶媒体は、書き換え可能なメモリを備えたカードであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記の発明において、前記回収現金計数データおよび前記投入現金計数データは、前記回収現金の合計金額を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記の発明において、前記回収現金計数データおよび前記投入現金計数データは、前記回収現金における金種毎の金額をそれぞれ含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記の発明において、前記現金収容カセットは、前記現金取出部および前記現金投入部として、前記現金処理装置に対して着脱可能なカセットであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記の発明において、前記第1のデータ書込処理部は、前記移動元現金処理装置を識別する識別子を前記可搬型記憶媒体へ書き込むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、現金処理装置間における現金移動を管理する現金管理方法であって、現金の移動元となる現金処理装置を示す移動元現金処理装置は、装置外へ回収される現金を示す回収現金を計数することによって回収現金計数データを生成する第1の計数処理工程と、前記回収現金計数データ及び現金が回収された旨を示すステータス情報を、前記回収現金を現金収容カセットに収納して運搬する現金移動担当の係員が前記現金収容カセットとは別に携帯する可搬型記憶媒体へ書き込む第1のデータ書込処理工程とを実行し、前記回収現金の移動先となる現金処理装置を示す移動先現金処理装置は、前記回収現金を計数することによって投入現金計数データを生成する第2の計数処理工程と、前記可搬型記憶媒体から前記回収現金計数データを読み出すデータ読出工程と、前記データ読出工程で読み出された前記回収現金計数データと前記投入現金計数データとを対比する対比処理工程と、前記対比処理工程による対比結果に基づいて、前記可搬型記憶媒体に書き込まれた前記ステータス情報を、前記移動元現金処理装置で回収された現金が入金された旨を示す情報に更新する第2のデータ書込処理工程とを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、現金の移動元となる現金処理装置を示す移動元現金処理装置が、装置外へ回収される現金を現金取出部で受け、現金取出部が受けた回収現金を計数することによって回収現金計数データを生成し、回収現金計数データを可搬型記憶媒体へ書き込み、回収現金の移動先となる現金処理装置を示す移動先現金処理装置が、回収現金を現金投入部で受け、現金投入部が受けた回収現金を計数することによって投入現金計数データを生成し、可搬型記憶媒体から回収現金計数データを読み出し、読み出された回収現金計数データと投入現金計数データとを対比することとしたので、現金処理装置から取り出された現金を他の現金処理機へ投入する場合に、現金の紛失や不一致を確実に防止することができるという効果を奏する。また、各現金処理装置間における通信ネットワークを必要としないので、現金管理に要するコストを抑制することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、回収現金計数データと投入現金計数データとの不一致が検出された場合に、不一致が検出された旨を報知することとしたので、投入された貨幣と回収された貨幣との不一致が生じたことを確実に周知させることができるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、移動元現金処理装置は、現金が回収された旨を示すステータス情報を可搬型記憶媒体へさらに書き込み、移動先現金処理装置は、可搬型記憶媒体に書き込まれたステータス情報を、対比処理部による対比結果に基づいて更新することとしたので、現金移動の履歴を取得することによって、現金の回収および現金の投入が確実になされたか否かを検証することができるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、可搬型記憶媒体には、個人を特定する個人識別子が予め記憶されることとしたので、現金移動を行う際のセキュリティ性を向上させることができるという効果を奏する。これにより、たとえば、可搬型記憶媒体として社員カードやオペレータカードを用いることで、現金移動を行う際の認証処理を行うことが可能となる。
【0028】
また、本発明によれば、移動元現金処理装置は、個人識別子に対応する認証情報を記憶部へ記憶し、可搬型記憶媒体に記憶された個人識別子および記憶部へ記憶した認証情報に基づく認証を行うこととしたうえで、認証に成功した場合にのみ、回収現金計数データを可搬型記憶媒体へ書き込むこととしたので、現金の不正回収を防止することができるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、移動先現金処理装置は、個人識別子に対応する認証情報を記憶部へ記憶し、可搬型記憶媒体に記憶された個人識別子および記憶部へ記憶された認証情報に基づく認証を行うこととしたうえで、認証に失敗した場合に、認証に失敗した旨を報知することとしたので、現金の持ち去りや、現金の移動先誤りを防止することができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明によれば、可搬型記憶媒体は、書き換え可能なメモリを備えたカードであることとしたので、現金管理システムを簡易かつ低コストで構築することができるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明によれば、回収現金計数データおよび投入現金計数データは、回収現金の合計金額を含むこととしたので、現金移動を行う際に、投入された貨幣と回収された貨幣との総額としての不一致を検出することができるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明によれば、回収現金計数データおよび投入現金計数データは、回収現金における金種毎の金額をそれぞれ含むこととしたので、投入された貨幣と回収された貨幣との金種毎の不一致を検出することができるという効果を奏する。
【0033】
また、本発明によれば、現金取出部および現金投入部は、現金処理装置に対して着脱可能なカセットであることとしたので、カセット内の貨幣に触れることなく貨幣を運搬することができるとともに、現金の抜き去りなどの不正行為を防止することができるという効果を奏する。
【0034】
また、本発明によれば、移動元現金処理装置を識別する識別子を可搬型記憶媒体へ書き込むこととしたので、現金の移動元である現金処理装置の確認が容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明に係る現金管理手法の概要を示す図である。
図2図2は、現金処理装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、移動元現金処理装置によって実行される処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、移動先現金処理装置によって実行される処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、移動元および移動先を兼ねた現金処理装置の構成を示すブロック図である。
図6図6は、現金処理装置の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る現金管理システムおよび現金管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る現金管理手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る現金管理手法を適用した現金管理システムおよび現金管理方法についての実施例を図2図6を用いて説明することとする。
【0037】
まず、本発明に係る現金管理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る現金管理手法の概要を示す図である。なお、同図には、店舗のフロントに設置される現金処理装置(レジスタに接続される釣銭機)、店舗のバックヤードに設置される現金処理装置、警送会社の現金センターに設置される現金処理装置を用いる場合について示している。そして、同図には、これらの装置を用いて店舗におけるフロント/バックヤード間における現金移動(同図の(A)参照)、店舗のバックヤード/現金センター間における現金移動(同図の(B)参照)を行う様子を示している。
【0038】
また、本発明に係る現金管理手法では、現金移動を担当する係員によって携帯される可搬型記憶媒体として、各社員に対して配布される社員カードや、現金移動を担当する係員が用いるオペレータカードを使用する。そして、移動される現金に係るデータを、カードに対して記憶させ、現金とデータとが一致するか否かを判定する。
【0039】
具体的には、店舗内においてフロントからバックヤードへ現金移動を行う場合には、フロントの現金処理装置から現金を回収する際、すなわち、現金を取り出す際に、回収現金に係る回収データをカードへ書込む(同図の(A−1)参照)。そして、係員によって現金およびカードが持ち込まれると、バックヤードの現金処理装置では、カードから回収データを読出すとともに(同図の(A−2)参照)、読出された回収データとバックヤードの現金処理装置へ投入された投入金額とを対比する(同図の(A−3)参照)。
【0040】
また、店舗のバックヤードから警送会社の現金センターへ現金移動を行う場合には、バックヤードの現金処理装置から現金を回収する際、すなわち、現金を取り出す際に、回収現金に係る回収データをカードへ書込む(同図の(B−1))。そして、係員によって現金およびカードが持ち込まれると、現金センターの現金処理装置では、カードから回収データを読出すとともに(同図の(B−2)参照)、読出された回収データと現金処理装置へ投入された投入金額とを対比する(同図の(B−3)参照)。
【0041】
なお、店舗内においてフロントからバックヤードへ現金移動を行う際に用いられるカードと、店舗のバックヤードから警送会社の現金センターへ現金移動を行う際に用いられるカードとを同一のものとする必要はない。たとえば、店舗内においてフロントからバックヤードへ現金移動を行う際に用いられるカードを店舗における社員カードあるいはオペレータカードとし、店舗のバックヤードから警送会社の現金センターへ現金移動を行う際に用いられるカードを警送会社における社員カードあるいはオペレータカードとすることができる。
【0042】
このように、本発明に係る現金管理手法では、移動される現金に係る現金データをカード等の可搬型記憶媒体に記憶させ、現金の移動を行う際に、現金データと移動された現金とを対比することとしたので、各現金処理装置間を通信ネットワークで接続する必要がない。したがって、低コストかつ確実な現金管理が可能となる。
【0043】
以下では、図1に示した本発明に係る現金管理手法を適用した現金管理システムおよび現金管理方法に係る実施例を図2図6を用いて説明する。なお、「現金」には、「紙幣」および「硬貨」が含まれるものとする。
【実施例】
【0044】
図2は、現金処理装置の構成を示すブロック図である。なお、同図では、現金の移動元となる移動元現金処理装置10と、現金の移動先となる移動先現金処理装置20と、カード30とで、現金管理システム1を構成する場合について示している。
【0045】
たとえば、店舗におけるフロントからバックヤードへ現金移動を行う場合には、図1に示した店舗のフロントに設置される現金処理装置が移動元現金処理装置10に対応し、バックヤードに設置される現金処理装置が移動先現金処理装置20に対応する。また、店舗のバックヤードから現金センターへ現金移動を行う場合には、店舗のバックヤードに設置される現金処理装置が移動元現金処理装置10に対応し、現金センターに設置される現金処理装置が移動先現金処理装置20に対応する。
【0046】
なお、図1に示した場合では、店舗のバックヤードに設置される現金処理装置が、移動元現金処理装置10および移動先現金処理装置20を兼ねることになるが、両装置の機能を兼ねた現金処理装置50については、図5を用いて後述することとする。
【0047】
また、図1に示した現金の流れとは逆の向き、すなわち、現金センターに設置された現金処理装置から店舗のバックヤードに設置された現金処理装置へ、店舗のバックヤードに設置された現金処理装置からフロントに設置された現金処理装置へ、という向きで現金移動を行う場合には、現金の移動元となる現金処理装置に移動元現金処理装置10の各構成要素を、移動先となる現金処理装置に移動先現金処理装置20の各構成要素を、それぞれ備えさせることとすればよい。
【0048】
図2に示したように、移動元現金処理装置10は、カード30に対するデータアクセスを行うカードR/W(Reader/Writer)11と、現金取出部12と、記憶部13と、制御部14とを備えている。また、記憶部13は、認証情報13aを記憶し、制御部14は、計数処理部14aと、データ書込処理部14bと、認証処理部14cとをさらに備えている。
【0049】
カードR/W11は、係員によって携帯されるカード30からのデータ読出しおよびカード30に対するデータ書込みを行うデバイスである。なお、同図に示したカードR/W11は、カード30に予め記憶された個人識別子などの認証用データを読出し、読出したデータを認証処理部14cへ渡すとともに、制御部14bのデータ書込処理部14bから渡された回収現金に係る回収現金計数データをカード30へ書込む。
【0050】
現金取出部12は、現金を装置外へ取出す機構であり、制御部14の計数処理部14aと接続されている。なお、この現金取出部12を、現金収容カセットなどの取り外し式の現金収納庫として構成することとしてもよい。たとえば、現金取出部12を取り外し式の現金収容カセットとする場合、現金収容カセット内の貨幣に触れることなく貨幣を運搬することができる。また、移動元現金処理装置10から取り外した現金収容カセットを、移動先現金処理装置20へ取り付けることができるようにしてもよい。このようにすることで、現金の抜き取り等の不正を防止することができる。
【0051】
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)といったメモリ等で構成される記憶部であり、認証情報13aを記憶する。認証情報13aは、たとえば、現金回収を許可された係員を識別する個人識別子を含んだ情報である。なお、認証情報13aにパスワード等の情報を含めることとしてもよい。
【0052】
制御部14は、係員の認証処理、現金取出部12へ回収される現金を計数する処理、計数によって得られた回収現金計数データをカードR/W11経由でカード30へ書込ませる処理を行う処理部である。
【0053】
計数処理部14aは、現金取出部12へ回収される現金を計数する処理を行う処理部である。この計数処理部14aは、現金取出部12へ回収される現金の金種ごとに現金の数量を集計することによって回収現金計数データを生成する。なお、現金取出部12へ回収される現金の総額を算出し、算出した総額を回収現金計数データとすることとしてもよい。また、計数処理部14aは、生成した回収現金計数データをデータ書込処理部14bへ渡す処理を併せて行う。
【0054】
データ書込処理部14bは、計数処理部14aから受け取った回収現金計数データをカードR/W11を経由してカード30へ書き込ませる処理を行う処理部である。なお、回収現金計数データとともに自装置を識別する識別子をカード30へ書き込ませることとしてもよい。また、このデータ書込処理部14bは、認証処理部14cから認証に失敗した旨の通知を受けた場合には、カードR/W11に対する書込み指示を行わない。この場合、現金取出部12からの現金回収も行うことができないように制御される。
【0055】
また、データ書込処理部14bは、移動元現金処理装置10の識別子に加えて、移動先現金処理装置20を識別する識別子を、カード30へ書き込ませることとしてもよい。このようにすることで、カード30を受け付けた移動先現金処理装置20側で、自装置が正当な移動先であるか否かを判定することが可能となる。そして、移動先現金処理装置20が、自装置は正当な移動先でないと判定した場合には、その旨を表示することもできる。
【0056】
認証処理部14cは、カードR/W11を経由してカード30から読み込まれた個人識別子が、認証情報13aに含まれる個人識別子と一致するか否かを判定し、判定結果に応じてデータ書込処理部14cあるいは現金取出部12に対する指示を行う処理部である。たとえば、この認証処理部14cは、認証に成功した場合に、データ書込処理部14bがカードR/W11を経由してカード30へ回収現金計数データを書き込む処理を許可するとともに、現金取出部12から現金を回収することを許可する。
【0057】
これに対し、認証処理部14cが認証に失敗した場合には、現金取出部12の開放を禁止するなどして収容済み現金の取り出しを許可しない。また、現金取出部12を取り外し式の現金収容カセットとして構成する場合には、装着済み現金収容カセットの取り外しを許可しない。
【0058】
次に、移動先現金処理装置20について説明する。図2に示したように、移動先現金処理装置20は、カード30に対するデータアクセスを行うカードR/W(Reader/Writer)21と、現金投入部22と、記憶部23と、制御部24とを備えている。また、記憶部23は、認証情報23aを記憶し、制御部24は、計数処理部24aと、データ読出処理部24bと、対比処理部24cと、報知処理部24dと、認証処理部24eとをさらに備えている。
【0059】
カードR/W21は、係員によって携帯されるカード30からのデータ読出しおよびカード30に対するデータ書込みを行うデバイスである。なお、同図に示したカードR/W21は、カード30に予め記憶された個人識別子などの認証用データおよび移動元現金処理装置10によって書き込まれた回収現金計数データを読出し、読み出したデータを認証処理部24eおよびデータ読出処理部24bへそれぞれ渡す処理を行う。なお、現金の収容(移動先現金処理装置20内への取り込み)が正常に完了した場合に、カード30に対して収容が完了した旨を書き込むこととしてもよい。
【0060】
現金投入部22は、現金を装置内へ取り込む機構であり、制御部24の計数処理部24aと接続されている。なお、この現金投入部22を、現金収容カセットなどの取り外し式の現金収納庫として構成することとしてもよい。このように、現金投入部22を取り外し式の現金収容カセットとする場合、移動元現金処理装置10から取り外した現金収容カセット(現金取出部12)を、移動先現金処理装置20の現金投入部22として取り付けることになる。
【0061】
記憶部23は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)といったメモリ等で構成される記憶部であり、認証情報23aを記憶する。認証情報23aは、たとえば、現金投入を許可された係員を識別する個人識別子などの情報である。なお、認証情報23aにパスワード等の情報を含めることとしてもよい。
【0062】
制御部24は、係員の認証処理、現金投入部22へ投入される現金を計数する処理、計数によって得られた投入現金計数データとカードR/W21経由でカード30から読み出した回収現金計数データとを対比する処理、対比処理で不一致が検出された場合に係員などに報知する処理を行う処理部である。
【0063】
計数処理部24aは、現金投入部22へ投入される現金を計数する処理を行う処理部である。この計数処理部24aは、現金投入部22へ投入される現金の金種ごとに現金の数量を集計することによって投入現金計数データを生成する。なお、現金投入部22へ投入される現金の総額を算出し、算出した総額を投入現金計数データとすることとしてもよい。また、計数処理部24aは、生成した投入現金計数データを対比処理部24cへ渡す処理を併せて行う。
【0064】
データ読出処理部24bは、移動元現金処理装置10によってカード30へ書き込まれた回収現金計数データをカードR/W21を経由して読み出す処理を行う処理部である。また、このデータ読出処理部24bは、認証処理部24eから認証に失敗した旨の通知を受けた場合には、カードR/W21からの読出し処理を行わない。なお、認証処理部24eから認証に失敗した旨の通知を受けた場合であっても、カードR/W21からの読出し処理を行ったうえで、読み出した情報を報知に用いたり、エラーログとして蓄積したりすることとしてもよい。
【0065】
対比処理部24cは、データ読出処理部24bから受け取った回収現金計数データと、計数処理部24aから受け取った投入現金計数データとを対比する処理を行う処理部である。この対比処理部24cは、回収現金計数データおよび投入現金計数データが金種ごとの数量を含んだデータである場合には、金種ごとに対比を行う。また、回収現金計数データおよび投入現金計数データが現金の総額である場合には総額同士を対比する。そして、この対比処理部24cは、現金の不一致を検出した場合に、報知処理部24dに対して不一致を検出した旨を通知する。
【0066】
報知処理部24dは、対比処理部24cから現金の不一致を検出した旨の通知を受けた場合に、図示しないスピーカー、ブザー、発光装置、表示装置などを動作させる処理を行う処理部である。
【0067】
認証処理部24eは、カードR/W21を経由してカード30から読み込まれた個人識別子が、認証情報23aに含まれる個人識別子と一致するか否かを判定し、判定結果に応じてデータ読出処理部24bあるいは現金投入部22に対する指示を行う処理部である。たとえば、この認証処理部24eは、認証に成功した場合に、データ読出処理部24bがカードR/W21を経由してカード30から回収現金計数データを読み出す処理を許可するとともに、現金投入部22から現金を収容すること(移動先現金処理装置20内へ取り込むこと)を許可する。
【0068】
これに対し、認証処理部24eが認証に失敗した場合には、現金投入部22の開放を禁止するなどして収容済み現金の取り出しを許可しない。この場合、計数処理部24aによる計数処理を行うこととしてもよい。また、現金投入部22を取り外し式の現金収容カセットとして構成する場合には、装着済み現金収容カセットの取り外しを許可しない。このようにすることで、認証に失敗したことを知った係員が、現金を持ち去ってしまう事態を防止することができる。
【0069】
また、このような不許可状態を維持したまま、認証に失敗した旨などの情報を報知処理部24d経由で報知することとしてもよい。この場合、報知を受けた管理者(たとえば、係員の上位者)などが、計数処理部24aによる計数結果を参照しつつ不許可状態を解除し、現金を確保したうえで係員へ正しい処置を指示するなどの対応がとられることになる。なお、上記した不許可状態においては、計数処理部24aによる計数結果を保持しておくとともに、現金投入部22へ投入された現金を、移動先現金処理装置20内へ取り込むことなく保留しておくものとする。
【0070】
カード30は、現金を運搬する係員によって携帯されるカード型記憶媒体であり、カードR/W11によって書き込まれた回収現金計数データを、内部のメモリに記憶する。また、このカード30は、係員の個人識別子を、あらかじめ内部のメモリに記憶しているものとする。
【0071】
次に、図2に示した移動元現金処理装置10によって実行される処理手順について図3を用いて説明する。図3は、移動元現金処理装置10によって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0072】
同図に示すように、係員の操作による取出指示を受け付けると(ステップS101)、認証処理部14cによる認証処理が実行される。そして、認証がOKである場合には(ステップS102,Yes)、データ書込処理部14bは、計数処理部14aによって生成された回収現金計数データをカードR/W11を介してカード30へ書込む(ステップS103)。
【0073】
つづいて、現金取出部12からの現金取出が許可され(ステップS104)、処理を終了する。なお、ステップS102において認証に失敗した場合には(ステップS102,No)、ステップS103およびステップS104の処理を実行することなく処理を終了する。
【0074】
次に、図2に示した移動先現金処理装置20によって実行される処理手順について図4を用いて説明する。図4は、移動先現金処理装置20によって実行される処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、係員の操作による投入指示を受け付けると(ステップS201)、認証処理部24eによる認証処理が実行される。そして、認証がOKである場合には(ステップS202,Yes)、データ読出処理部24bは、カードR/W21を介してカード30から回収現金計数データを読み出す(ステップS203)。
【0075】
また、計数処理部24aは、現金投入部22に投入された現金を計数して投入現金計数データを生成する(ステップS204)。そして、対比処理部24cは、ステップS203で読み出した回収現金計数データと、ステップS204で計数された投入現金の計数結果(投入現金計数データ)とを対比する(ステップS205)。
【0076】
そして、対比結果が一致した場合には(ステップS206,Yes)、処理を終了する。一方、対比結果が一致しない場合には(ステップS206,No)、報知処理部24dは、不一致である旨を報知して(ステップS207)処理を終了する。なお、ステップS202の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS202,No)、ただちに処理を終了する。
【0077】
なお、図4では、認証に失敗した場合には(ステップS202,No)、ただちに処理を終了する場合について示したが、投入された現金の取り出しを禁止したうえで、認証に失敗した旨を報知することとしてもよい。また、この場合、ステップS203〜ステップS205の処理を実行したうえで、投入された現金の取り出しを禁止することとしてもよい。
【0078】
次に、移動元および移動先を兼ねた現金処理装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、移動元および移動先を兼ねた現金処理装置50の構成を示すブロック図である。なお、同図に示した現金処理装置50は、図2に示した移動元現金処理装置10および移動先現金処理装置20を同一筺体内に構成したものであり、図2と共通する構成要素には同一の符号を付している。また、図2と共通する構成要素については簡単な説明にとどめるか、説明を省略することとする。
【0079】
同図に示すように、現金処理装置50は、カードR/W11と、現金取出部12と、現金投入部22と、記憶部51と、制御部52とを備えている。また、記憶部51は、認証情報13aを記憶し、制御部52は、計数処理部52aと、データ書込処理部14bと、データ読出処理部24bと、対比処理部24cと、報知処理部24dと、認証処理部14cとをさらに備えている。
【0080】
現金を回収する際、すなわち、現金を取り出す際には、計数処理部52aが、現金取出部12へ回収する現金を計数して回収現金計数データを生成する。そして、生成された回収現金計数データを受け取ったデータ書込処理部14bは、カードR/W11を経由してカード30に対して回収現金計数データを書き込む。
【0081】
一方、現金を投入する際には、計数処理部52aが、現金投入部22へ投入された現金を計数して投入現金計数データを生成するとともに、データ読出処理部24bが、カードR/W11を介してカード30から読み出した回収現金計数データ(図2に示した回収元現金処理装置10あるいは他の現金処理装置50によって書き込まれたデータ)を読み出す。そして、対比処理部24cが、計数処理部52aからの投入現金計数データとデータ読出処理部24bからの回収現金計数データとを対比し、現金の不一致を検出した場合には、報知処理部24dが報知指示を行う。
【0082】
なお、認証処理部14cは、現金を取り出す際および現金を投入する際に、カードR/W11を経由してカード30から個人識別子を読み出し、読み出した個人識別子が記憶部51の認証情報13aに含まれるか否かに基づいて認証処理を実行する。そして、認証に成功した場合には、データ書込処理部14b、データ読出処理部24b、現金投入部22あるいは現金取出部12に対して動作を許可する指示を行う。
【0083】
ところで、図2および図5では、カードR/W(Reader/Writer)を備えた現金処理装置について説明したが、カードR/Wを含まない現金処理装置を構成することとしてもよい。たとえば、図1に示した店舗のフロントに設置される現金処理装置は、レジスタに設けられたカードR/Wを利用してカード30に対するアクセスを行うように構成することができる。そこで、以下では、別装置に設けられたカードR/Wを利用する現金処理装置について説明する。
【0084】
図6は、現金処理装置の変形例を示すブロック図である。なお、同図に示す現金処理装置60は、図5に示した現金処理装置50からカードR/W11を取り除き、代わりに送受信部63を設けたものである。この送受信部63は、付加装置70の送受信部71と電気ケーブル等で接続されることで、双方向のデータ通信を行う通信デバイスである。
【0085】
また、付加装置70は、カードR/W(Reader/Writer)72と、送受信部71とを備えている。なお、カードR/W72は、図2に示したカードR/W11あるいはカードR/W21と同様である。また、送受信部71は、現金処理装置50の送受信部63と電気ケーブル等で接続されることで、双方向のデータ通信を行う通信デバイスである。
【0086】
また、紙幣処理装置60は、送受信部63と、現金取出部12と、現金投入部22と、記憶部61と、制御部62とを備えるが、図5に示したカードR/W11を送受信部63へ変更した点以外は、図5に示した現金処理装置と同様であるため、説明を省略することとする。
【0087】
上述してきたように、本実施例では、現金の移動元となる現金処理装置を示す移動元現金処理装置が、装置外へ回収される現金を現金取出部で受け、現金取出部が受けた回収現金を計数することによって回収現金計数データを生成し、回収現金計数データを可搬型記憶媒体へ書き込むように現金管理装システムを構成した。また、本実施例では、回収現金の移動先となる現金処理装置を示す移動先現金処理装置が、回収現金を現金投入部で受け、現金投入部が受けた回収現金を計数することによって投入現金計数データを生成し、可搬型記憶媒体から回収現金計数データを読み出し、回収現金計数データと投入現金計数データとを対比するように現金管理システムを構成した。
【0088】
したがって、現金処理装置から回収された(取り出された)現金を他の現金処理装置へ投入する際に、現金の紛失や不一致を確実に防止することができる。また、各現金処理装置間における通信ネットワークを必要としないので、現金管理に要するコストを抑制することができる。
【0089】
なお、移動元となる現金処理装置の識別子や移動先となる現金処理装置の識別子を、回収現金計数データや投入現金計数データと関連付けてログデータとして蓄積することとしてもよい。また、各現金処理装置における処理時刻を関連付けることとしてもよい。このようにすることで、現金の移動履歴をリアルタイムで検証することができるとともに、正当な移動が行われたか否かを事後的に検証することも可能となる。
【0090】
また、現金の移動元となる現金処理装置で現金が回収された場合に、可搬型記憶媒体に対して「回収済かつ未入金」の状態であることを示すステータス情報を書き込み、移動先となる現金処理装置へ現金が投入された場合に、かかるステータス情報を「回収済かつ入金済」へ更新することとしてもよい。
【0091】
このように、可搬型記憶媒体に対してステータス情報を書き込むことで、現金紛失などの問題が発生した場合に、ステータス情報の更新履歴を確認することで原因の究明が容易となる。また、未入金のステータス情報のまま、可搬型記憶媒体を他の装置で用いた場合などに、その旨を報知することも可能となる。たとえば、可搬型記憶媒体を、従業員の出退勤に用いる従業員カードとした場合には、未入金のステータス情報のまま退勤しようとした旨を、出退勤装置経由で報知する等の対処が可能となる。また、未入金のステータス情報が書き込まれた可搬型記憶媒体が、不当な現金処理装置やその他の装置で利用された場合などに、その旨を報知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明に係る現金管理システムおよび現金管理方法は、現金処理装置間における現金移動を確実に行いたい場合に有用であり、特に、現金管理システムおよび現金管理方法を低コストで実現したい場合に適している。
【符号の説明】
【0093】
1 現金管理システム
10 移動元現金処理装置
11 カードR/W(Reader/Writer)
12 現金取出部
13 記憶部
13a 認証情報
14 制御部
14a 計数処理部
14b データ書込処理部
14c 認証処理部
20 移動先現金処理装置
21 カードR/W(Reader/Writer)
22 現金投入部
23 記憶部
23a 認証情報
24 制御部
24a 計数処理部
24b データ読出処理部
24c 対比処理部
24d 報知処理部
24e 認証処理部
30 カード型記憶媒体
50 現金処理装置
51 記憶部
52 制御部
52a 計数処理部
60 現金処理装置
61 記憶部
62 制御部
63 送受信部
70 付加装置
71 送受信部
72 カードR/W(Reader/Writer)
図1
図2
図3
図4
図5
図6