【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の駆動機構によって達成される。更なる目的は、従属請求項に記載の変形例及び実施態様によって達成される。
【0008】
薬物送達デバイス用の駆動機構は、軸の方向に間隔をおいて配置される、遠位端及び近位端を備えた本体を含む。親ねじ及び親ねじナットは、本体内に配置される。親ねじは軸に沿って配置され、本体に対して可動である。親ねじ及び親ねじナットは、親ねじが親ねじナットに螺旋状に回転可能なように、親ねじ及び親ねじナットを連結する、ねじ山と駆動機構を備えている。親ねじ及び親ねじナットは、親ねじに近位方向への力がかけられたとき、互いに対して親ねじ及び親ねじナットの回転を妨げる停止機能を備えている。
【0009】
本体は、親ねじナットの運動を制限する案内機能を有し、そして親ねじナットは、案内機能に向かい合う表面エリアを有す。親ねじナットのこの表面エリアは、軸の周りで変化する傾斜を有する。ねじ山、傾斜、及び案内機能は、親ねじに近位方向への力がかけられたとき、親ねじナットが一回転方向に回転する方法で相互作用する。
【0010】
本体は、例えばハウジングの部分を形成する如何なるハウジング又は如何なるコンポーネント(component)であってよい。本体はまた、外部ハウジングと連結したある種のインサート(insert)であってよい。本体は、デバイスの安全な、正しい、及び/又は容易なハンドリングを可能にし、及び/又はデバイスを有害な液体、ちり、若しくは、ごみから防ぐように設計される。本体は、チューブ状の又は非チューブ状の形状の単一の又はマルチ部分のコンポーネントであってよい。
本体は、そこから薬物の用量が投与できる、カートリッジを収容し得る。本体は、特に注射ペンの形状を有することができる。
【0011】
用語「遠位端」は、そこから薬物の用量が投与される薬物送達デバイスの部分に配置されるように意図される、本体又はハウジングの部分に関する。用語「近位端」は、遠位端から離れている、本体又はハウジングの部分に関する。用語「遠位方向」は、その運動が遠位端を越えて行き得るように、出発点や終点を規定しないで、近位から遠位端に向かっての運動と同じ方向への運動に関する。用語「近位方向」は、遠位方向と反対の方向への運動に関する。用語「親ねじ」は、ピストンへの運動を移すために供され、ピストンロッドとして働き、特に薬物を投与する目的のために、単一構造かマルチ部分構造の、いかなるエレメントをも範囲に含み、
【0012】
駆動機構は、薬物送達デバイスの本体に挿入されたレセプタクル又はカートリッジから薬物を排出するのに使用できる。薬物送達デバイスは、例えば、インスリン、成長ホルモン、ヘパリン、又はそれらの類似体及び/又は誘導体であり得る、薬物、特に液体の用量を投与するように設計された、使い捨て可能な又は再使用可能なデバイスであってよい。薬物は、針によって投与されてもよいし、又はデバイスは、針無しでもよい。デバイスはさらに、例えば、血糖値のような生理学的特性をモニターするように設計され得る。第二の出力部材が本体に対して遠位方向にシフトするたびに、薬物の用量が、薬物送達デバイスから排出される。
【0013】
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン3又はエキセンジン4、若しくはエキセンジン3又はエキセンジン4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0014】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0015】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−
ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル) ヒトインスリンである。
【0016】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2配列のペプチドを意味する。
【0017】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0018】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0019】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0020】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、‘Remington's Pharmaceutical Sciences'17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Ma
rk Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0021】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0022】
駆動機構の実施態様において、案内機能と相互作用する表面エリアの傾斜は、回転を妨げる停止機能に関係なく、本体に対して親ねじナットの回転を引き起こす。親ねじナットの回転方向は、本体に対して親ねじの回転方向と同じである。
【0023】
更なる実施態様において、親ねじナットは、親ねじの遠位方向への運動の間、本体に回転ロックされ、親ねじの近位方向への運動の間、本体に回転ロックされない。
【0024】
更なる実施態様において、親ねじはねじ山を備え、更にねじ山を有し、ねじ山及び更なるねじ山は、回転の反対方向を有する。親ねじは、親ねじのねじ山と「係合している親ねじナットによって案内される;そして駆動部材は親ねじの更なるねじ山によって親ねじと連結できる。
【0025】
更なる実施態様において、駆動部材及び親ねじは、
無効にされる(override)ことができる更なるねじ山によって連結される。
【0026】
更なる実施態様において、停止機能は、親ねじアクセスに垂直な接触面を含む。
【0027】
更なる実施態様において、親ねじは、螺旋溝であり、そして停止機能は溝の中の遠位方向に伸びる凹部を含む。
【0028】
更なる実施態様において、親ねじの凹部は、軸方向の力が近位方向に向かって親ねじにかけられたとき、親ねじの螺旋運動を抑制するように供される。
【0029】
更なる実施態様において、親ねじの凹部は、軸に対して直交する平坦な表面によって、
遠位方向に限定される。
【0030】
更なる実施態様において、親ねじを形成する螺旋溝は、遠位端に面する側壁、及び親ねじによって形成された螺旋への接線と軸に直交する面との間の角度によって測定された傾斜を有する。その側壁は、凹部の各々の中に消えてしまう(vanish)、対応する傾斜を有する。
【0031】
更なる実施態様は、薬物を含むカートリッジのために供されたレセプタクルを含む本体の脱着可能な部分を含む。本体の連結機能及び親ねじナットの対応する連結機能は、レセプタクルを含む部分が取り付けられるとき、親ねじナットを本体に回転的にロックするように供せられる。親ねじナットは、レセプタクルを含む部分が取り取り除かれるとき、本体に相対的に回転できる。
【0032】
更なる実施態様において、レセプタクルを含む部分が取り除かれた後に、親ねじが近位方向に
リセットされるとき、親ねじナットは本体に相対的に回転する。
【0033】
更なる実施態様において、本体に対して駆動部材を回転させること無く、そして本体に対して親ねじの相対的な位置を変えることなく、駆動部材が近位方向にシフトできる方法で、駆動部材は親ねじに連結される。
【0034】
更なる実施態様において、駆動部材は実質的にシリンダー状の駆動スリーブであり、親ねじは駆動スリーブに入る。
【0035】
更なる実施態様において、薬物を排出するように供されたピストンは、親ねじによって遠位方向に駆動される。
【0036】
駆動機構及びその操作の実施態様は、例として下記に記述される。送達操作中、親ねじは、本体に対して遠位方向に螺旋状に動かされる。親ねじは、親ねじのねじ山と係合している親ねじ
ナットによって案内される。親ねじナットの駆動機能は、突出するエレメント、親ねじの凹部又はセグメントであり得る。親ねじの回転を妨げる停止機能は、親ねじの遠位運動が、投与中、
妨げられないように、配置される。
【0037】
停止機能は設定操作を可能にするように供され、それによって、投与されるべき固定用量がプレセットされる。この目的のために、特に、親ねじを囲む駆動スリーブであり得る駆動部材は、本体及び親ねじに相対的に近位方向に引き込まれる。駆動部材は親ねじと連結している。連結は、駆動部材と親ねじの間の係合を供する機能によって、特に、例えば、親ねじの更なるねじ山によって達成できる。設定操作中、親ねじは動かされてはならない。従って、駆動部材と親ねじの間の係合は、設定操作中、一時的に解除される。駆動部材と親ねじの間の係合を供する機能は、駆動部材の近位方向への運動によって
無効にされる。従って、駆動部材と親ねじの間の係合にかかわらず、駆動部材は回転されること無く、親ねじが本体に対して動かないで留まる間は、動くことができる。駆動部材と親ねじの間の係合を
無効にすることは、もし、係合手段が突出エレメント、プラグ又はスパイクのような
制限機能(confined features)によって形成されるなら、更に容易になされ得る。
【0038】
駆動部材が、駆動部材と親ねじの間の係合を供する機能の寸法に対応する距離
、例えば、ねじ山のピッチを動いた後
、駆動部材と親ねじは再係合
し、そして使用者は、駆動部材を遠位方向に押し返すことによって親ねじを進めることができる。駆動部材を、親ねじと係合を解除し、そして再係合する、この操作方法は、設定操作の間、実質的に動かないで留まる親ねじに完全に頼っている。親ねじが、設定の間、軸方向に回転するか動くならば、その時は、駆動部材は親ねじとあまり正しくは再係合され
ず、それ故に用量の不正確を引き起こす
だろう。従って、本体に対して親ねじの螺旋運動を案内する親ねじナットは、投与操作の間、本体に回転ロックさ
れ、そしてさらに、親ねじと親ねじナットは、回転が薬物送達後及び新たな用量の設定前に得られる親ねじの位置内に抑制される方法で、親ねじの回転を妨げる停止機能を備えている。このように、親ねじの回転は、親ねじナットに対してロックされ、そして親ねじナットは、本体に相対的に回転するのを防がれる。従って、駆動部材が近位方向に引き込まれるとき、駆動部材と親ねじの間の相対的直線的動作は、駆動部材を動かない親ねじと係合する係合手段を
無効にさせ、それ故に、駆動部材と親ねじの間の係合を解除させる。従って好ましくは、停止機能は、
親ねじのねじ山の遠位の側壁に配置され、一方ねじ山
は、その近位の側壁
においてスムーズであり、螺旋を形成する。駆動部材が遠位方向に押されるとき、親ねじのねじ山を係合する親ねじナットの案内手段は、ねじ山のスムーズな近位の側壁と接触して留まり、このようにして親ねじナットの開口部を通してスライドする親ねじのスムーズな螺旋運動を可能にする。従って、停止機能は、投与操作の間、親ねじナットに対して親ね
じの相対的動作を妨げない。
【0039】
駆動機構は、た易いリセット操作を可能にし、それによって親ねじは本体の近位端の近
くの、その始動位置に戻される。この機能は特に、再使用可能なように設計される薬物送達デバイスにおいては有用である。再使用可能な薬物送達デバイスは、薬物で充填できるレセプタクルを有する本体を含むことができる。レセプタクルは、薬物を含有するカートリッジ用に供することができる。カートリッジを交換するために、本体の脱着可能な部分が取り除かれ、空のカートリッジが取り除かれ、そして新しい充填されたカートリッジが挿入される。親ねじは、例えば、その遠位端で本体に取り付けられたノズル又はニードルを通して、薬物をカートリッジ
から排出するピストンを駆動するように使われる。新しいカートリッジが挿入できる前に、親ねじは近位方向にシフトされる。リセット操作を容易にするために、親ねじナットは、本体から係合を解除され、本体に相対的に自由に回転する。次いで、親ねじと駆動部材が係合手段によって連結されている間、親ねじは駆動部材に相対的に近位方向にシフトできる。親ねじは
、係合手段
が無効にされる必要無しに、駆動部材に対して相対運動を可能にする適当な方法で
ただ回転する。親ねじ
ナットは、親ねじの運動を可能にする
よう親ねじに対して回転する。このように、親ねじは、本体に対してその軸位置で保持でき、そして親ねじナットは、本体に相対的にシフトされる必要が無い。
【0040】
親ねじが近位方向に押されるにつれて、親ねじと親ねじナットの間に作用する停止機能は、親ねじと親ねじナットの相対的回転に従って
係合する傾向がある。停止機能は、設定操作の間、この相対回転を妨げるように供され
ることから、リセット操作が回転を妨害する停止機能によって
不都合な影響を受ける。従って、親ねじナットは、リセット操作の間、停止機能の係合を解除する手段が供されるように形成される。この目的のために、親ねじナットの表面エリアは、親ねじナットの円周に沿って方位角方向に変化する傾斜を備えている。この表面エリアは、案内機能が親ねじナットの傾斜のある表面エリア上を滑るように、本体の案内機能
と反対に配置される。軸の力が、近位方向に
親ねじにかけられるとき、親ねじナット
の傾斜と本体の案内機
能は、停止機能が回転を止めないように、相互作用する。
【0041】
停止機能は特に、親ねじのねじ山を形成する螺旋溝の凹部によって供することができる。凹部は、軸に垂直に配置され、ねじ山を形成する溝の関連のある側壁のスムーズな螺旋に割り込む(interrupt)、接触面を有することができる。親ねじナットの駆動機能は、凹部に入り、接触面で停止する方法で、形成される。次いで、本体の案内機能上をスライドする親ねじナットの表面エリア
の傾斜は、親ねじナットの更なる回転を生じる。本体の案内機能と接触する傾斜のセクションは、本体に対して、親ねじナットの回転の間、交互に昇降するので、親ねじナットは、軸方向に往復動作を行い、そして、降下する傾斜によって交互に駆動され、または、親ねじのねじ山によって案内されている駆動機能によって昇っていく傾斜の作用に逆らって回転される。
【0042】
以下に、駆動機構の例と実施態様が、添付図と併せて詳細に記述される。