(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧縮空気貯留タンクと前記レジューサの間に配設された複数本の前記排出管を、前記圧縮空気貯留タンクと前記レジューサを結ぶ中心軸の周囲に均等に配設せしめたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気砲噴射機能を備えた清掃装置。
前記清掃対象が運搬装置であり、前記付着塊が前記運搬装置により運搬される工業製品または材料の残渣が前記運搬装置内において堆積して塊状になったものである請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮空気砲噴射機能を備えた清掃装置。
【背景技術】
【0002】
我が国では、工業的な量産過程に供するため、様々な素材や材料を一時的に大量に貯蔵することが多い。それら素材や材料は大きな容器やタンクなどに貯留される。
例えば、穀物について言えば、その保管は穀物サイロ(以下、サイロと呼ぶ)によって行われている。このサイロは、例えば、直径が2〜10m、高さが5〜40m程度の巨大なものである。
また、例えば、粉体の工業素材について言えば、その保管は貯蔵タンクによって行われている。この貯蔵タンクも巨大なものがある。
【0003】
以下、穀物を貯蔵するサイロを例に説明する。
サイロの実使用においては、例えば、外気温の変化、サイロ内の穀類の水分量の影響、穀類の粉化の影響等により、サイロ内壁に穀類が付着し、時間の経過とともに固着する。このようなサイロ内壁への穀物等の固着は、複数種類の穀物に対するサイロの使用、サイロの品質管理、さらには、サイロの内容積の有効使用の観点から望ましくない現象であり、そのため、サイロの清掃が必要となる。
【0004】
しかし、サイロは巨大であり、また、その内部は、穀類の微細粉塵が充満し、酸欠の恐れがあり、かつ足場が悪いなど、人が作業するには極めて劣悪かつ危険な環境である。そのため、サイロ内壁の清掃をできるだけ自動化した清掃システムの開発が望まれている。
【0005】
このような、大きな容器の内部を自動的に清掃する従来の清掃装置としては、実開平3−105988号公報が知られている。
実開平3−105988号公報の清掃装置では、
図7に示すように、鉛直方向に延びる加圧液導入管の下端に複数の分流管が水平方向に放射状に配設され、その分流管の先端部に外方に付勢された払拭部材が配設されている。このように構成された清掃装置では、加圧液導入管の基端に加圧液を供給することにより、分流管の先端から加圧液が噴出して分流管が回転し、それにより払拭部材がタンク内面を摺動して汚れが除かれる(特許文献1参照)。
【0006】
この従来のタンクの清掃装置では、鉛直方向に延びる加圧液導入管の先端に放射状に分流管が設けられているため、タンクの径に合わせて分流管の長さを変える必要があり、また、タンクの中心軸に対する加圧液導入管の位置の偏心による回転半径の変化を吸収する必要がある。そのため、分流管がある程度伸縮自在に構成されている。
【0007】
しかし、分流管の伸縮には限度があるため、径が大きく異なるタンクには同じ清掃装置を用いることができず、また、下部が逆円錐状に形成されたサイロのように、径が一定でない容器には用いることができない。つまり、容器の径の変化に対応することが困難である。
【0008】
さらに、分流管を伸縮自在に構成したり、タンクからの反力を相殺すべく分流管を放射状に設けたりすることから構造が複雑であり、清掃現場への設置も容易ではない。
【0009】
この従来技術を解決するものとして、発明者らは特開2004−358291号公報に開示された清掃装置を開発した。
特開2004−358291号公報に開示された清掃装置は、
図8に示すように、可撓性のホース14と、ホース14が垂下するように該ホースの基端側を軸心の回りに回動自在に保持するホース保持体11と、ホース14の先端側に配設された、容器18内面の付着物21を払拭するための払拭部材15とを備え、従来技術に比べて払拭部材15をサイロ内においてその配置位置の自由度を高め、形成された粉粒体の塊に払拭部材15を近づけて清掃することが可能となった。
【0010】
【特許文献1】実開平03−105988号公報
【特許文献2】特開2004−358291号公報
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1にかかる清掃装置100の基本構成を模式的に示した図である。
図1に示すように、清掃装置100は、圧縮空気砲噴射装置110、清掃モジュール120、接続管130を備えたものとなっている。清掃対象となる容器は容器200として示す。また外部に備えるコンプレッサはコンプレッサ300として簡単に示した。
まず、圧縮空気砲噴射装置110、清掃モジュール120、接続管130の各々の構成について順に説明する。
【0021】
圧縮空気砲噴射装置110は、この構成例では、
図2に示すように、圧縮空気貯留タンク111、制御部112、排出管113、電磁開閉弁114、レジューサ115、噴射口116、前フレーム接合部117、中フレーム接合部118、後フレーム接合部119、コンプレッサ接続口1191を備えた構成となっている。
【0022】
図2は、圧縮空気砲噴射装置110の一例の外観を示した図である。
図2(a)が右側面図、
図2(b)は正面図、
図2(c)は背面図、
図2(d)は平面図となっている。また、
図3は、排出管113および電磁開閉弁114の配設が分かりやすいように、圧縮空気貯留タンク111とレジューサ115との間に橋梁しているパイプを取り除いて排出管113および電磁開閉弁114を示した図である。また、
図4は、
図2におけるA−A線断面図となっており、排出管113、電磁開閉弁114の配設の様子を分かりやすく説明する図となっている。
【0023】
圧縮空気貯留タンク111は、その内部に圧縮空気を貯留するタンク装置である。この構成例では、外部にコンプレッサ300があり、コンプレッサ300で圧縮した圧縮空気を圧縮空気貯留タンク111に送り込み、圧縮空気貯留タンク111において貯留する。
この構成例では圧縮空気貯留タンク111は制御部112(図中では簡単に示した)を備えた構造となっている。
【0024】
圧縮空気貯留タンク111の大きさ(容量)は特に限定されないが、用途に応じて設計すれば良いが、例えば、直径420mm、長さ500mm、容量70リッター程度のタンクとする。圧縮空気貯留タンク111の肉厚は高圧容器に関するJIS規格をクリアしていれば良く、例えば、高圧に耐え得るよう肉厚は5mm以上確保することが好ましい。
また、圧縮空気貯留タンク111の素材は特に限定されないが、構造的強度、持ち運びの容易さなどを考慮してアルミニウム合金製とする。アルミニウム合金で形成すれば、重量を100kg以内に抑えることができる。
【0025】
コンプレッサ300は、外気を取り込んで空気圧縮機構によって所定圧力に圧縮する装置であり、圧縮した空気を圧縮空気貯留タンク111に送り込む。この構成例では、清掃装置100には含まれず、外付けされる構成となっている。コンプレッサ300の構成は特に限定されないが、例えば、ターボ圧縮機、レシプロ圧縮機、ダイアフラム式圧縮機、スクリュー圧縮機、ロータリー圧縮機など多様な方式がある。
図1においては極めて簡単に示している。
【0026】
排出管113は、圧縮空気貯留タンク111から圧縮空気を引き出す管で、圧縮空気貯留タンク111とレジューサ115の間に配設されている。つまり、排出管113の一端が圧縮空気貯留タンク111に連通し、他端がレジューサ115に連通しており、圧縮空気を圧縮空気貯留タンク111からレジューサ115に導く経路となっている。
【0027】
排出管113の径は特に限定されないが、例えば50mm程度とする。排出管113は圧縮空気が勢い良く引き出されるため、その圧力変動に耐え得る構造的強度が必要である。ここでは圧縮空気貯留タンク111と同様、アルミニウム合金で形成されているものとする。排出管113の肉厚は高圧配管に関するJIS規格をクリアしていれば良く、例えば、高圧に耐え得るよう肉厚は5mm以上確保することが好ましい。
【0028】
排出管113の本数については特に限定はなく、排出管113を1本ではなく、複数本配設する構成も可能である。
図2および
図4の構成例では6本の排出管113を配設した例となっている。
図3は、排出管113および電磁開閉弁114の配設が分かりやすいように、
図2から圧縮空気貯留タンク111とレジューサ115との間に橋梁しているパイプを取り除き、さらに、排出管113および電磁開閉弁114にハッチングを施してその配設を分かりやすく示した図である。
図3に示すように、排出管113および電磁開閉弁114は、圧縮空気貯留タンク111とレジューサ115との間を連通する圧縮空気の経路となっている。
【0029】
また、
図4は、圧縮空気貯留タンク111に対する排出管113の配設例を分かりやすく、横断面において示した図である。
図2におけるA−A断面図となっている。
図4に示すように、各々の排出管113aから排出管113fは、圧縮空気貯留タンク111とレジューサ115を結ぶ中心軸の周囲に均等に配設せしめた例となっている。つまり、中心軸の周りに60度間隔で設けられている例となっている。排出管113aから排出管113fを均等に配設することにより、
図4に示すように、排出管113からレジューサ115に受け入れられた圧縮空気のバランスが良くなり、レジューサ115内において均等に空気圧を高めることができ、かつ、空気の圧縮に伴うエネルギー損失を少なくすることができる。
【0030】
ここで、排出管113を複数本設ける構成は、後述するように、圧縮空気砲の威力を調整するための工夫である。複数本の排出管113があり、そのうちレジューサ115に圧縮空気を噴射する排出管113の本数を調整することにより、レジューサ115に受け渡される圧縮空気の量を簡単に調整することができる。後述するように、排出管113から噴射した圧縮空気をレジューサ115において集中させることにより、噴射口116から打ち出す圧縮空気砲の威力を増大せしめることができる。
【0031】
電磁開閉弁114は、排出管113に取り付けられており、制御部112の開閉制御により、高速に開閉する弁体となっている。電磁開閉弁114の開閉操作により、圧縮空気貯留タンク111から圧縮空気の引き出しを制御することができる仕組みとなっている。
【0032】
電磁開閉弁114の開閉スピードについては高速であることが好ましい。圧縮空気が排出管113の内部を通過する速度は高速であり、圧縮空気貯留タンク111からの圧縮空気の引き出し量をある程度制御するためには、電磁開閉弁114において高速な開閉スピードが求められる。電磁開閉弁114としては、例えば、ピポット弁、ソレノイドなどの電磁アクチュエータがある。
【0033】
制御部112は、電磁開閉弁114の開放・閉鎖を制御する部分であり、操作パネルやスイッチ類など操作者との入出力インターフェイス(図示せず)を備え、電磁開閉弁114の開閉のインターバルなど操作者が設定した装置稼働条件に基づいて電磁開閉弁114の開閉を制御する。
なお、上記のように排出管113を複数本配設した例の場合であれば、制御部112によってそれら複数の排出管113のうち電磁開閉弁114を開放するものを選択することが可能である。
【0034】
例えば、
図4の例で言えば、電磁開閉弁114a〜114fの6つの電磁開閉弁114すべてを同時に開放しても良く、そのうちの1つのみ、2つ、3つ、4つ、5つなど選択的に本数を選んで開放することも可能である。このように開放する電磁開閉弁114の数に応じて圧縮空気の噴出量を調整することができ、レジューサ115に受け入れられる圧縮空気量の調整を通じて、圧縮空気砲の威力を調整することができる。
【0035】
図4(b)は、電磁開閉弁114aと電磁開閉弁114dを開放し、排出管113aと排出管113dの2本を導通する場合の例を示す図である。
図4(b)中、斜線のハッチングを施した電磁開閉弁114aと電磁開閉弁114dが開放され、排出管113aと排出管113dの2本のみが導通する。
同様に、
図4(c)は、図中、斜線のハッチングを施した電磁開閉弁114aと電磁開閉弁114cと電磁開閉弁114eが開放され、排出管113aと排出管113cと排出管113eの3本が導通する様子を示している。
同様に、
図4(d)は、図中、斜線のハッチングを施した電磁開閉弁114aから電磁開閉弁114fのすべてが開放され、排出管113aから排出管113fの6本すべてが導通する様子を示している。
【0036】
このように、電磁開閉弁114、排出管113の選択は、本数に応じてできるだけ均等となるよう開閉するものを選択することが好ましい。
なお、制御部112は、電磁開閉弁114の開閉時間についても制御することができる。電磁開閉弁114の開閉時間を調整することにより、圧縮空気貯留タンク111から引き出す圧縮空気の量を調整することができる。
また、制御部112により、電磁開閉弁114の開閉動作のインターバルの長さについても制御することができる。つまり、圧縮空気砲を噴射してから次の圧縮空気砲を噴射するまでのインターバルの長さの制御ができる。例えば、電磁開閉弁114の開放から閉鎖まで2秒とし、次の開放まで15秒とすると、圧縮空気砲の噴射時間が2秒となり、その後、15秒後に次の圧縮空気砲を噴射するという制御を行うことができる。
【0037】
レジューサ115は、排出管113の他端側に取り付けられており、電磁開閉弁114の開放により排出管113から噴き出す圧縮空気を受け取り、集中させて噴出口116から噴射する装置である。レジューサ115を介することにより、打ち出される圧縮空気砲の威力を増大せしめることができる。
レジューサ115の構造については受け取った圧縮空気をさらに集中させて出力させることができるものであれば特に限定されないが、ここでは、例えば、いわゆる漏斗型の構造となっている。
【0038】
図5はレジューサ115の構造を単純化して簡単に示したものである。漏斗型のいわゆる末広がりの口側に対して排出管113が取り付けられており、漏斗のいわゆる先細りの口側が噴射口116となっている。このように漏斗型になっておれば、圧縮空気がレジューサ115内部を末広がりの口側から先細りの口側に向けて移動するにつれ(図中右から左)、その断面積が小さく絞られてゆき、圧縮空気が通過するに伴い、その空気圧がますます昇圧される構造となっている。
【0039】
噴射口116はレジューサ115の先端に設けられた噴射口であり、レジューサ115で集中した圧縮空気はこの噴射口116から噴射される。
前フレーム接合部117は、レジューサ115と排出管113との接合するつなぎ目となるフレームである。
中フレーム接合部118は、排出管113と圧縮空気貯蔵タンク111との接合するつなぎ目となるフレームである。
後フレーム接合部119は、圧縮空気貯蔵タンク111の後側のフレームである。
【0040】
以上、
図1に示した圧縮空気砲噴射装置110を作動させることにより、レジューサ115の噴射口116から圧縮空気が一気に噴出される。この噴射される圧縮空気は、極めて高速の空気塊として一気に打ち出されるものであり、いわゆる“圧縮空気砲”と言えるものである。
【0041】
次に、清掃モジュール120について説明する。
この構成例では、
図1に示すように、ホース121、作業アーム122、ノズル123を備えた構成となっている。
【0042】
ホース121は、清掃対象となる容器200の内部に垂下投入されるものであり、可撓性あるものである。内部に圧力の大きな圧縮空気が高速で通過するため、その衝撃に耐える構造強度が必要であり、例えば、頑丈なチューブ体であり肉厚内部には引張強度の大きな繊維(炭素繊維、高強度ポリエチレン繊維など)が編み込まれたものが好ましい。さらに、粉塵爆発などを防ぐための静電防止、帯電防止の工夫をしておくことが好ましい。
【0043】
作業アーム122は、ホース121が容器200内に垂下するように容器200の上部付近においてホースの基端側を保持し、その位置、姿勢、方向、回転を制御する装置である。作業アーム122の構造は特に限定されない。例えば、容器200の上部付近に取り付けてそのアーム部分を自在に動かすことができる構造を持ち、容器200の内部に垂下投入されているホース121の位置、姿勢、方向、回転を変えることができるものとなっている。
【0044】
ノズル123は、ホース121の先端に取り付けられた部材であり、圧縮空気砲の打ち出し口となっている。なお、ノズル123の構造は特に限定されないが、この構成例では、ノズル123は圧縮空気砲の打ち出し口のみならず、容器200内の粉粒体の付着塊210を効率的に破砕するため、ノズル123自体を粉粒体の付着塊210に衝突させて崩しやすいよう、ある程度の重量と、付着塊210を効率的に破砕するような突起物が設けられている構造とすることができる。
【0045】
次に、接続管130は、圧縮空気砲噴射装置110と清掃モジュール120を接続する管であり、容器200に対して動的に取り付けるため、ホース121と同様、可撓性があるものである。
また、接続管130の素材は、内部に圧力の大きな圧縮空気が高速で通過するため、その衝撃に耐える構造強度が必要であり、例えば、頑丈なチューブ体であり肉厚内部には引張強度の大きな繊維(炭素繊維、高強度ポリエチレン繊維など)が編み込まれたものが好ましい。さらに、接続管130についても粉塵爆発などを防ぐための静電防止、帯電防止の工夫をしておくことが好ましい。
また、接続管130の長さについては、清掃対象となる容器200の高さなどに応じた長さが必要である。
【0046】
以上の構成を備えた清掃装置100の動作の流れについて簡単にまとめておく。
図6は、本発明の清掃装置100の容器200の清掃処理工程をまとめたフローチャートである。
【0047】
まず、サイロなどの清掃対象となる容器200の現場に、清掃装置100を搬入する。外付けのコンプレッサ300も搬入しておく。
圧縮空気砲噴射装置110を作業現場に設置し、清掃モジュール120と圧縮空気砲噴射装置110の間を接続管130により接続し、清掃モジュール120を容器200の上部に運搬する。また、コンプレッサ300と圧縮空気貯留タンク111を接続する(ステップS1)。
【0048】
作業アーム122を容器200の上部付近に安定した状態で取り付け、ホース121を作業アーム122に取り付けた状態で容器200の内部に垂下投入する(ステップS2)。
【0049】
圧縮空気砲噴射装置110の制御部112の操作パネルを操作して装置稼働条件の設定を行う(ステップS3)。
制御部112を介した設定により、電磁開閉弁114の開閉時間、インターバルの長さについても制御することができる。例えば、電磁開閉弁114の開放から閉鎖まで2秒とし、次の開放まで15秒とすれば、圧縮空気砲の噴射時間が2秒、その後、15秒後に次の圧縮空気砲を噴射する。
【0050】
コンプレッサ300を稼働して外気を取り込みつつ空気を圧縮し、所定圧力の圧縮空気を圧縮空気貯留タンク111に貯留する(ステップS4)。
【0051】
作業員または作業アーム122によりノズル123の方向を圧縮空気砲を打ち込む粉粒体の付着塊210に向くよう調整する(ステップS5)。
【0052】
準備が整った後、制御部112の圧縮空気砲打ち出し開始スイッチを押下する。制御部112は設定されたタイミングに基づき、所定の電磁開閉弁114を所定の時間だけ開放する(ステップS6)。
【0053】
ここでは、
図4(b)に示すように、電磁開閉弁114a,114c,114eの3つが選択的に開放され、排出管113a,113c,113eの3本の排出管を通って圧縮空気がレジューサ115に受け入れられ、集中してさらに圧縮されて噴射される。
【0054】
圧縮空気砲が高速にノズル123から噴射され、粉粒体の付着塊210に向けて高速に威力の大きな圧縮空気砲が打ち込まれる(ステップS7)。その際、ノズル123自体を粉粒体の付着塊210にぶつけて粉粒体の付着塊210を破砕する作業も行うことができる。
【0055】
コンプレッサ300による空気圧縮と空気貯留タンク111への蓄圧(ステップS4)から圧縮空気砲の打ち込み(ステップS7)までの作業を繰り返し(ステップS9:Y)、作業が終われば(ステップS9:N)、終了する。
【0056】
なお、圧縮空気砲の威力を調整する必要があれば(ステップS8:Y)、ステップS3に戻って操作パネルを操作して装置稼働条件の設定を行い(ステップS3)、コンプレッサ300の空気圧縮圧力の増大による圧縮空気貯留タンク111内の蓄圧調整などの処理を行い(ステップS4)、威力を調整した圧縮空気砲を打ち込む(ステップS5、ステップS6、ステップS7)。
【0057】
以上、本発明の清掃装置100は、圧縮空気砲噴射装置110から圧縮空気が噴射され、清掃モジュール120のノズル123から高速で威力のある圧縮空気砲を粉粒体の付着塊210に目掛けて打ち出して粉砕し、また、ノズル123自体を粉粒体の付着塊210にぶつけて粉粒体の付着塊210を破砕することができる。
【0058】
ここで、さらに威力の大きな圧縮空気砲を打ち込む必要がある場合、上記
図6のフローのうち、ステップS4において圧縮空気貯留タンク111内での空気の圧縮圧力を増強してより高い圧力の圧縮空気を貯留する方法や、ステップS6において開放する電磁開閉弁114の個数を増やしてレジューサ115に受け渡す空気量を増加する方法、その2つの方法を組み合わせる方法がある。
【0059】
また、容器200内に打ち出す圧縮空気砲の打ち込み時間を長くとりたい場合は、ステップS6において開放する電磁開閉弁114の開放時間を長くしてレジューサ115に受け渡してレジューサ115から圧縮空気が噴射される時間を長くする方法がある。
【0060】
このように、空気圧縮装置110による圧縮空気貯留タンク111内の圧縮空気圧の調整、作動する電磁開閉弁114の数量の調整、制御部112による電磁開閉弁114の作動時間の調整のいずれか、または、それらの組み合わせにより圧縮空気砲の威力の増減やその長さを制御することができる。
なお、上記実施例では、清掃対象をサイロとし、サイロ内の粉粒体が穀物粉を例とした説明であったが、清掃対象を工業タンクとし、工業タンク内に貯留される粉粒体が工業製品または材料の粉体としても同様である。さらに、清掃対象をダクトとし、ダクト内を通過する粉粒体が工業製品または材料の粉体としても同様である。
さらに清掃対象をダクトとし、付着塊がダクト内を通過する工業製品または材料の残渣がダクト内で堆積して塊状になったものとしても同様である。また、清掃対象をベルトコンベアなどの運搬装置とし、付着塊がベルトコンベアなどの運搬装置により運搬される工業製品または材料の残渣が運搬装置内において堆積して塊状となったものとしても同様である。
【0061】
以上、本発明の清掃装置における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。